JP2547725B2 - 浮上式搬送装置 - Google Patents

浮上式搬送装置

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JP2547725B2
JP2547725B2 JP60146033A JP14603385A JP2547725B2 JP 2547725 B2 JP2547725 B2 JP 2547725B2 JP 60146033 A JP60146033 A JP 60146033A JP 14603385 A JP14603385 A JP 14603385A JP 2547725 B2 JP2547725 B2 JP 2547725B2
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明平 森下
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Tokyo Shibaura Electric Co Ltd
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  • Control Of Vehicles With Linear Motors And Vehicles That Are Magnetically Levitated (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は、小物類を搬送する浮上式搬送装置に係わ
り、特に、省エネルギ、省スペース化および磁気浮上系
の制御の安定化を図れるようにした浮上式搬送装置に関
する。
〔発明の技術的背景とその問題点〕
近年、オフィスオートメーション、ファクトリーオー
トメーションの一環として、建屋内の複数の地点間にお
いて、伝票、書類、現金、資料等を搬送装置を用いて移
動させることが広く行われている。
このような用途に用いられる搬送装置は、搬送物を速
やかに、かつ静かに移動させ得るものであることが要求
される。このため、この種の搬送装置においてはガイド
レール上で搬送車を非接触に支持することが行われてい
る。搬送車を非接触で支持するには、空気や磁気を用い
るのが一般的である。中でも搬送車を磁気的に支持する
方式は、ガイドレールに対する追従性や、騒音低減効果
に優れており、最も有望な支持手段であると言える。
ところで、従来の磁気的な浮上式搬送装置は、搬送車
を電磁石で支持し、この電磁石への励磁電流を制御する
ことによって搬送車を安定に支持するものであった。し
たがって、電磁石のコイルを常時付勢しなければなら
ず、消費電力が大きいという欠点を回避することができ
なかった。そこで、電磁石に要求される起磁力の大部分
を永久磁石で付与し、消費電力の低減化を図るようにし
た装置も考えられている。しかし、この場合でも、例え
ば搬送すべき物を搬送車に搭載するなどして、搬送車に
外力が印加された場合は、定常位置へ搬送車を押し戻そ
うとする力を常時電磁石で与える必要があるため、これ
による消費電力の増大が問題となった。また、このよう
に搬送車への外力の印加によって電磁石に付与する電力
が大きくなるという問題があると、電磁石を付勢するた
めの電源として大容量の電源を使用しなくてはならず、
結局、装置全体の大型化を招くという問題があった。
また、従来の磁気的な浮上式搬送装置は、例えば搬送
すべき物を搬送車に搭載したり搬送車の走行時の遠心力
負荷などにより、搬送車に外力が印加された場合に、電
磁石の励磁電流や磁気ギャップに定常変位(いわゆるオ
ーバシュートやアンダーシュート)を生じることがあっ
た。この時、ギャップ長の定常変位やこの定常変位を生
じるまでの過渡的変動が大きすぎると磁気浮上系の線系
制御が困難になり、安定な磁気浮上状態が保てなくなる
という問題があった。
〔発明の目的〕
本発明は、係る問題に鑑みなされたものであり、その
目的とするところは、磁気浮上系の安定制御を達成し、
かつ消費電力の低減化を図ることにより、省エネルギ、
省スペース化の図れる浮上式搬送装置を提供することに
ある。
〔発明の概要〕
本発明はゼロパワー制御方式の搬送装置にあって、外
力の印加に対する空隙長偏差の応答を抑制するようにフ
ィードバックループを構成したことを特徴としている。
すなわち、本発明は、強磁性体で形成されたガイドレ
ールと、このガイドレールに沿って走行自在に配置され
た搬送車と、前記ガイドレールと空隙を介して対向する
ように配置された電磁石、並びに前記ガイドレールおよ
び前記空隙で構成される磁気回路中に介在し前記搬送車
を浮上させるのに必要な起磁力を供給する永久磁石で構
成され前記搬送車に搭載された一または複数の磁気支持
ユニットと、前記搬送車に取付けられ前記磁気回路中の
変化を検出するセンサ部と、このセンサ部の出力に基づ
いて前記磁石の励磁電流を制御して前記電磁石に流す電
流が零になる状態で前記磁気回路を安定化させるゼロパ
ワーフィードバックループを有する制御手段とを備えた
浮上式搬送装置において、前記制御手段が、前記センサ
部の出力から前記搬送車に加えられた外力のうちの衝撃
による成分を除いた定常成分を観測する状態観測器と、
この状態観測器で観測された定常成分に所定のゲインを
持たせ、これを前記電磁石の励磁電流にフィードバック
する手段とを備えてたものであることを特徴としてい
る。
〔発明の効果〕
本発明によれば、ゼロパワーフィドバックループを採
用しているため、電磁石のコイルには搬送車に外力が印
加されたときの過渡状態にしか電流が流れないので省エ
ネルギ化が図れる。そして、省エネルギ化が図れること
により電源の容量を少なくできるので小形軽量の電源の
使用によって装置の小形化も図れ、省スペース化に寄与
できる。
また、本発明では状態観測器で外力のうちの衝撃によ
る成分を除いた定常成分を推定し、この定常成分に所定
のゲインを持たせ、これを電磁石の励磁電流にフィード
バックする方式も採用しているので、搬送車に衝撃が加
わっても、この衝撃に制御系が敏感に応答するのを抑制
でき、結果として搬送車に衝撃が加わった際の搬送車の
上下動を抑制することができるので、搬送物に悪影響を
与えたり、搬送車がガイドレールに衝突する可能性も少
なくなる。
さらに、本発明によれば、磁気浮上系の固有振動数を
低く設定しても、外力の印加による空隙の変動および変
化が大きくならないので、良好な磁気浮上状態を保つこ
とができる。また、このことはガイドレールの肉厚を薄
くしたり、ガイドレールを支持する架台のスパン長を拡
大できる(これによって固有振動数が低くなる)ことを
意味し、この結果、ガイドレールや周辺構造物の構造を
簡単にすることができるなどの効果を奏する。
〔発明の実施例〕
以下、図面を参照しながら本発明の一実施例に係る浮
上式搬送装置について説明する。
第1図〜第3図において11は断面が逆U字状に形成さ
れ、例えばオフィス空間において障害物を避けるように
して敷設された軌道枠である。この軌道枠11の上部壁下
面には2本のガイドレール12a,12bが平行に敷設されて
おり、軌道枠11の側壁内面にはそれぞれ断面がコ字状の
非常時用ガイド13a,13bが互いの開放側を対面させて敷
設されている。ガイドレール12a,12bの下側には、搬送
15が上記ガイドレール12a,12bに沿って走行自在に配
置されている。また、軌道枠11の上部壁下面で上記ガイ
ドレール12a,12bの間の部分には、上記ガイドレールに
沿って所定の距離を隔ててリニア誘導電動機の固定子16
が配置されている。
ガイドレール12a,12bは、強磁性体で形成された逆U
字状部材21の下面に白色のビニルテープ22を貼着してな
るものであり、オフィスへの据付作業を容易化するため
分割構造となっている。各部材21の継目部分Aは所定の
接合処理が施されている。
次に搬送車15の構成について説明する。すなわち、ガ
イドレール12a,12bの下面と対向するように平板状の基
25が配置されている。この基台25は、進行方向に配置
された2つの分割板26a,26bと、両分割板26a,26bを同進
行方向と直交する面内で回転可能に連結する連結機構27
とで構成されている。この基台25の上面四隅位置には、
それぞれ計4つの磁気支持ユニット31が搭載されてい
る。これら磁気支持ユニット31は、上記基台25上面で回
転可能なようにボルト32および台座33を用いて前記基台
25に取付けられている。これら磁気支持ユニット31
は、同ユニット31とガイドレール12a,12bの下面との間
の空隙長を検出する光学ギャップセンサ34が取付けられ
ている。また、各分割板26a,26bの下面には、連結部材3
5a,35b,36a,36bを介して搬送物の収容のための容器37,3
8がそれぞれ取付けられている。そして、これら容器37,
38には、前記4つの磁気支持ユニット31をそれぞれ制御
するための制御装置41と、定電圧発生装置42と、これら
に電力を供給する小容量の電源43とがそれぞれ2つずつ
計4つ搭載されている。また、前記基台25の下面四隅位
置には、磁気支持ユニット31の磁気力喪失時などにおい
て前記非常用ガイド13a,13bの上下壁内面に接触して搬
送車15を上下方向に支持するための4つの縦車輪45a
と、同非常用ガイド13a,13bの側壁内面に接触して搬送
車15を左右方向に支持するための4つの横車輪45bとが
それぞれ取付けられている。なお、基台25は前述したリ
ニア誘導電動機の稼動要素である導体板を兼ねたもので
あり、装置の稼動時においては、固定子16と僅かのギャ
ップを介して対向する高さに配置されている。
磁気支持ユニット31は、第4図にも示すように上端部
がガイドレール12a,12bの下端部と対向するように搬送
15の進行方向と直交する方向に配置された2つの電磁
5152と、これら電磁石5152の各下部側面間に介在
する永久磁石53とで構成されており、全体としてU字状
をなすものである。各電磁石5152は、強磁性体で形成
された継鉄55と、この継鉄55に巻装されたコイル56とで
構成されており、各コイル56は、電磁石5152によって
形成される磁束が互いに加算されるような向きで直列に
接続されている。
次に制御装置41を説明するに当り、この制御系の基本
的な考え方について述べる。
まず、上記磁気支持ユニット31とその周辺のガイドレ
ール12a,12b、空隙P、継鉄55、永久磁石53からなる磁
気回路について考察する。なお、簡単のために、この磁
気回路における漏れ磁束は無視することにする。この磁
気回路の磁気抵抗Rmは、 で表わすことができる。ここにμは真空の透磁率、S
は磁気回路の断面積、zは空隙長、μは空隙部分以外
の比透磁率、lは空隙部分以外の磁気回路長である。
また、コイル56に励磁電流が流れていない時に空隙P
に生じる磁界の強さをHm、永久磁石53の長さをlm、コイ
ル56の総巻数をN、コイル56への励磁電流をIとする
と、この磁気回路に発生する全磁束Φは、 Φ=(NI+Hmlm)/Rm ……(2) となる。したがって、ガイドレール12a,12bと各継鉄55
との間に働く全吸引力Fは、 で表わせる。ここでzで示す向きを重力方向として搬送
車の運動方程式を導くと、 となる。なお、ここにmは前記磁気支持部に加わる負荷
および当該磁気支持部の全質量、gは重力加速度であ
る、Umは搬送車に印加される外力である。
一方、直列に接続されたコイル56が鎖交する磁束数Φ
は、 Φ=(NI+Hmlm)N/Rm ……(5) であるから、コイル56の電圧方程式は、コイル56の全抵
抗をRとして、 となる。
ここでRmは、(1)式から明らかなように、空隙長z
の関数である。そこで、いま、I=0の時に吸引力Fと
重力mgとが釣合う際のギャップ長をzo、全磁気抵抗をRm
oとして、上記(5),(6)式を空隙長z=zo、速度 電流I=0の近傍で線形化する。この場合、z,dz/dt,I
は、それぞれの微小量をΔz, ,Δiとして、 z=zo+Δz I=0+Δi で表わせる。
そこで、上記(5)式の吸引力Fを定常点(z,dz/dt,
I)=(zo,0,0)の近傍で線形化すると、 となり、 とおくと、 となる。したがって、前記(4)式は次のようにまとめ
ることができる。
同様に、前記(6)式を定常点(z,dz/dt,I)=(zo,
0,0)の近傍で線形化すると、 となる。上記(7),(8)式は、次のような状態方程
式にまとめることができる。
ただし、a21,a23,a32,a33,b31,d21は、それぞれ、 である。ここで簡単のため上記(9)式を、 =AX+BE+DUm ……(10) と表わす。この(9)式で表わす線形システムは、一般
には不安定な系であるが、上記(9)式の状態ベクトル
〔Δz, ,Δi〕および加速度 より、印加電圧Eを種々の方法で求め、系にフィードバ
ック制御を施すことによって安定化を図ることができ
る。例えばCを出力行列(この場合単位行列)とし、印
加電圧Eを、 E=−〔F1,F2,F3〕×C×x =−FCx ……(11) (但し、F1,F2,F3はフィードバック定数) とすれば、(10)式は、 =Ax−BFCx+DUm ……(12) となり、さらに、この(10)式をラプラス変換してxを
求めると、 x=L-1{〔sI−A+BFC〕-1(xo+DUm(s))} ……
(13) となる。なお、ここにIは単位行列、xoはxの初期値で
ある。
上記(13)式において、Umをステップ状の外力とすれ
ば、xの安定性は、状態推移行列Φ(s)すなわち、 Φ(s)=(sI-A+BFC)-1 ……(14) の行列式det|Φ(s)|の特性根がsの複素平面上で全
て左半面上に保存すれば保障される。(9)式の場合、
Φ(s)の特性方程式det|Φ(s)|=0は、 s3+(b31F3−a33)s2+{−a21+a23(b31F2−a32)}
s+a23b31F1−a21(b31F3−a33)=0 ……(15) となる。したがって、F1,F2,F3の値を適宜決定するこ
とにより、det|Φ(s)|=0の特性根の複素平面上で
の配置を任意に決定することができ、磁気浮上系の安定
化を達成することができる。磁気支持部にこの様なフィ
ードバック制御を施した場合の磁気浮上系のブロック図
を第5図に示す。すなわち、制御対象C1には、フィード
バックゲイン補償器C2が付加されている。なお、同図中
yはCxを表わす。
このような磁気浮上系においては、ステップ状の外力
Umおよび印加電圧Eのバイアス電圧eoの変化に伴い、系
の安定状態時の空隙長偏差Δzおよび電流偏差Δiに以
下に示すような定常偏差ΔzおよびΔiが生じる。
一方、第5図の磁気浮上系において、外力Umを入力と
し、y=cxで表わされるyを出力とした時の伝達関数G
(s)は、 但し、Δ(s)=det|Φ(s)| と表わすことができる。
ここで外力Umに対する空隙長偏差Δzの応答は、ラプ
ラス変換を用いて、 と求めることができる。
この(19)式において、外力Umがステップ状外力であ
ることから、F0を外力の大きさとすれば、Um(s)=F0
/sとなり、(19)式は、 と変形できる。この(20)式の{ }内第1項は、(1
9)式において前記外力Umが印加された時の衝撃に対す
る前記空隙長偏差Δzの応答を示すものである。つまり
(19)式{ }内の第1項のsの係数が小さい程、衝撃
に対する搬送車の過渡的な上下動が抑制されることにな
る。
本発明は、(16),(17)式で表わされる定常偏差の
うち、電流定常偏差Δiを外力Umの有無に拘らず零に
するように制御を行い、併せて(19)式中の分子のsの
一次の項を零にすることにより、つまり外力に占める定
常成分以外を零にすることにより衝撃に対する搬送車の
過渡的な上下動を抑制するようにしている。
本発明はこのような制御を実現するため、例えば次の
ような制御方法を採用している。
まず、電流定常偏差Δiを零にするには、 電流偏差Δiを積分補償器を用いて積分し、その出力
値に適当なゲインを持たせて磁気浮上系にフィードバッ
クする方法。
ギャップ長偏差Δz、速度偏差 および電流偏差Δiに全てが同時に零でない適当なゲイ
ンを持たせ、それぞれの値をsの一次系を構成するフィ
ルタを介して磁気浮上系にフィードバックする方法。
等があげられる。以下、これらフィードバックを実現す
る手段をゼロパワーフィードバックループと呼ぶことに
する。
また、衝撃に対する搬送車の過渡的上下動を抑制する
には、 外力Umを状態観測器によって観測し、この観測値Umに
適当なゲインを持たせて磁気浮上系にフィードバックす
る方法。
等があげられる。以下、このような外力Umの過渡的応答
を抑制するループを外力帰還ループと呼ぶことにする。
この実施例では、上記およびの方法を併用した例
について述べる。
この方法による磁気浮上系のブロック図は第6図に示
される。すなわち、上記の方法は、前述したのと略同様
なフィードバックゲイン補償器C3に加え、さらに状態観
測器C4を付加したものとなっている。この状態観測器C4
は、例えば最小次元状態観測器であり、状態ベクトルx
を、 として、速度 とステップ状の外力Umとを観測するものである。ここで
は、状態ベクトルが(21)式であるので、(7),
(8)式は、次のような状態方程式にまとめることがで
きる。
x′=A′x′+B′ ……(22) 但し、 (21)式において、直接センサにより検出される要素を
ΔzとΔiとすると、(22)式の表わす系の出力方程式
は、 y′=C′x′ ……(23) 但し、 となる。この時、 およびUmを被観測要素とした最小次元状態観測器は、以
下の式で実現することができる。
但し、 なお、ここでα11,α21は、(25)式で表わされる系
が安定となるように適宜決定することのできる定数であ
る。また、推定値は被観測要素 、外力Umの速度推定値 および外力推定値 なるベクトルである。
一方、前述した制御方法のゼロパワーフィードバッ
クループの要素となる積分補償器C5のゲインKは、K=
〔0,K3〕で表わされる行列であり、K3は電流偏差Δiの
積分ゲインである。
第6図において、印加電圧EをゲインF′およびKを
用いて表わすと、 となり、これにより系の状態推移行列Φ′(s)は、 となる。また、この磁気浮上系の状態ベクトルの初期値
をxO′、(25)式の初期値をZOBOとすれば、この系の応
答は、ラプラス変換を用いて、 x′(s)=Φ′(s){xo′−B′F′(sI−)
-1ZOBO} …(29) と表わすことができる。
ここで、上記(28)、(29)式中のΦ′(s)は、 但し、 Δ(s)=s4+(b31F3′−a33)s3+{b31K3−a21+a
23(b31F2′−a32)}s2+{a23b31F1′−a21(b31F3
−a33)}s−a21b31K3 …(31) ΔOB(s)=s2+α11s+α21d21 …(32) で求めることができ、P14を除くΦ′(s)の各行列要
素は、全てsを因数に持つsの多項式で記述することが
できる。
このため、Pij(i=1〜4、j=1〜4、但しi,j=
1,4を除く)の各要素については、Φ′(s)の原点に
ある極を打消すことができるので、速度 および電流偏差Δiについては、任意の初期値Xo′に対
してこれらの定常値が零に収束することが保障される。
また、空隙長偏差Δzも、初期値Xo′のステップ状の外
力Umを表わす4行目の成分が零であれば、その定常値が
零となることが保障される。
いま、第6図で表わす磁気浮上系にステップ状の外力
Umが印加されると、空隙長偏差の応答は、ラプラス変換
を用いて(30)式より、 で表され、この時Xo′=〔0,0,0,Um〕Tと考えることが
でき、 より、 となる。
したがって、Δ(s)・ΔOB(s)=0における全て
の根がs平面上の左半面に配置されるように(31),
(32)式を用いてF1′〜F3′,K3,α11およびd21を決
定してやれば、系の安定化が図られるとともに、ゼロパ
ワーフィードバックループL1が実現され、電流定常偏差
Δiが零となることが保障される。
また、(34)式の{ }内のsの一次の項が零となる
ようにF4を決定することにより、外力帰還ループL2が成
立し、外力Umの衝撃に対する空隙長偏差Δzの応答を抑
えることが可能になる。
なお、状態ベクトルXの各要素を検出するには、例え
ば、 全ての要素を適当なセンサを用いて直接測定する方
法。
適当なギャップセンサ、速度センサあるいは加速度セ
ンサ等のいずれか一つの出力信号を、必要に応じて積分
器あるいは微分器を用いて積分または微分して、Δz, などを検出する方法。
状態ベクトルのうちの2要素をまたはの方法で検
出し、残りの一つを必要であれば前記外力Umと合わせて
状態観測器で観測する方法などが挙げられる。
また、上述した制御方法によれば、空隙長偏差Δz
は、 で表わすことができ、一般には(16)式の与えるΔz
よりもはるかに小さい値を持つものである。このため、
磁気ギャップの定常変位が大きすぎて磁気浮上系の線形
制御が困難になるということはなくなる。
このような点に基づき、制御装置41は、第7図に示す
ように構成される。なお、この図において矢印は信号経
路をまたは棒線は電力経路を示したものである。この制
御装置41は、搬送車15に取付けられて磁気支持ユニット
31によって形成される磁気回路中の起磁力あるいは磁気
抵抗もしくは搬送車15の運動の変化を検出するセンサ部
61と、このセンサ部61からの信号に基づいてコイル56に
供給すべき電力を演算する演算回路62と、この演算回路
62からの信号に基づいて、前記コイル56に電力を供給す
るパワーアンプ63とで構成されており、これが4つ集ま
って4つの磁気支持ユニット31をそれぞれ制御する。セ
ンサ部61は、外部雑音の影響を抑制するため前述した光
学ギャップセンサ34の信号を変調する変調回路64と、前
記コイル56の電流値を検出する電流検出器65とで構成さ
れている。演算回路62は、一方においては、光学ギャッ
プセンサ34からの信号を変調回路64を介して導入し、減
算器66によってギャップ長設定値Zoを減算するととも
に、この減算器66の出力を状態観測器67に導き、他方に
おいては電流検出器65からの信号を上記状態観測器67お
よび減算器68に導びくものであり、さらに電流検出器65
から導入され減算器68でO信号と比較された後、積分補
償器69で補償された信号と、上記状態観測器67の各状態
推定量に4つのフィードバックゲイン補償器70〜73でゲ
イン補償した出力の加算器74による加算出力とを減算器
75で比較して、その偏差をパワーアンプ63に出力するも
のとなっている。これによって、減算器68→積分補償器
69→減算器75からなるゼロパワーフィードバックループ
L1と、状態観測器67→フィードバックゲイン補償器73→
加算器74からなる外力帰還ループL2が構成される。
また、定電圧発生装置42は、電源43と制御装置41との
間に介在されており、変調回路64、演算回路62および光
学ギャップセンサ34に常に一定の電圧で電流を供給して
いる。この定電圧発生装置42は、電源43の負荷変動に起
因する電圧降下が制御装置41に与える影響を除去するた
めのもので、基準電圧発生器81と、この基準電圧発生器
81の出力信号に基づき常に一定電圧で必要とされる電流
を制御装置41に供給する電流増幅器82とから構成されて
いる。
次に、このように構成された本実施例に係る浮上式搬
送装置の動作について説明する。
装置が停止状態にある場合には、非常用ガイド13a,13
bの上下壁のいずれか一方の内面に搬送車15の縦車輪45a
が接触している。この状態で装置を起動させると、制御
装置41は、永久磁石53が発生する磁束と同じ向きまたは
逆向きの磁束を電磁石1552に発生させるとともに、磁
気支持ユニット31とガイドレール12a,12bとの間に所定
の空隙長を維持させるべく励磁コイル56に流す電流を制
御する。これによって、第4図に示すように、永久磁石
53〜継鉄55〜空隙P〜ガイドレール12a,(12b)〜空隙
P〜継鉄55〜永久磁石53の経路からなる磁気回路が形成
される。この磁気回路に形成される磁束φは、搬送車15
の進行方向に対して直交する面に沿うように発生する。
ギャップ長は、搬送車15など被支持体の重量と、永久磁
石53の起磁力による磁気支持ユニット31〜ガイドレール
12a(12b)間の磁気的吸引力とが丁度釣り合うような長
さに設定される。制御装置41は、このギャップ長を維持
すべく電磁石5152の励磁電流制御を行う。これによっ
て、いわゆるゼロパワー制御がなされることになる。
いま、搬送車15がリニア誘導電動機の固定子16の真下
にあるとして、この固定子16を付勢すると、基台25が固
定子16から電磁力を受けるので、搬送車15は、磁気浮上
状態のままガイドレール12a,12bに沿って走行し始め
る。搬送車15が空気抵抗等の影響で完全静止するまでの
間に再び固定子16が配置されていれば、搬送車15は再度
付勢されてガイドレール12a,12bに沿った移動を持続さ
せる。この移動は目的とする地点まで継続される。かく
して、搬送車15を非接触状態で目的地点まで移動させる
ことができる。
そして、この実施例によれば、何らかの外力が搬送車
15に加わっても、ゼロパワーフィードバックループL1
外力帰還ループL2とにより、搬送車15の上下動並びに搬
送車15が磁気浮上の為に要する消費電力を大幅に低減さ
せることができる。
なお、本発明は上述した実施例に限定されるものでは
ない。例えば上記実施例では電流偏差Δiを積分補償器
を用いて積分し、これに適当なゲインを乗じて帰還する
方式を採用しているが、前にも述べたように、他の制御
方法も考えられる。
第8図および第9図は、上記実施例における積分補償
器C5,69に代えて、一次伝達関数を有するフィルタC6,85
を用いた例を示している。これは前述したおよびを
併用した例である。
フィルタC6,85の伝達関数Gf(s)は、時定数をTf
した場合、 で定義される。なお、前述の例では、減算器68の入力と
して電流検出器65の出力が与えられていたが、この場合
には減算器66の出力が与えられている。
この方式は、第6図に基づく外力帰還ループC3のみを
もつ制御方式の磁気浮上系において、特にフィードバッ
クゲインF=〔F1′,F2′,F3′,F4′〕を計算し直さ
なくても、Tfの値を適宜大きく設定してやることによ
り、十分安定な磁気浮上状態を保ったままでゼロパワー
フィードバックループL1を付加できるという利点を持
つ。なお、第8図においてPは、P=〔−F,0〕を示
す。
この他、本発明はギャップセンサ34および電流検出器
65の代わりに速度センサや加速度センサを用いる場合に
も適用できる。例えばギャップセンサ34の代わりに加速
度センサを用いる場合には、加速度センサの出力を2回
積分すれば空隙長の検出が可能である。この場合にはセ
ンサの設定位置を、それぞれの磁気支持ユニット31の加
速度を検出できる範囲内において任意に設定できるとい
う利点を持つ。
また、本発明はアナログ式の制御ディジタル式の制御
を問わず適用可能であり、その他本発明の要旨を逸脱し
ない範囲で種々変更して実施可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係る浮上式搬送装置の構成
を示す斜視図、第2図は同装置の縦断面図、第3図は同
装置を一部切欠した側面図、第4図は同装置の磁気回路
を説明するための断面図、第5図は従来の制御系を示す
ブロック図、第6図は上記実施例の制御系を示すブロッ
ク図、第7図は同制御系を実現する制御装置の電気的構
成を示すブロック図、第8図および第9図は本発明の他
の実施例に係る制御系を説明するための図である。 11…軌道枠、12a,12b…ガイドレール、13a,13b…非常用
ガイド、15…搬送車、16…リニア誘導電動機の固定子、
25…基台、27…連結機構、31…磁気支持ユニット、34…
ギャップセンサ、41…制御装置、42…定電圧発生装置、
43…電源、5152…電磁石、53…永久磁石、55…継鉄、
56…コイル、67,C4…状態観測器、69,C5…積分補償器、
70〜73,C3…フィードバックゲイン補償器、85,C6…フィ
ルタ、C1…制御対象、L1…ゼロパワーフィードバックル
ープ、L2…外力帰還ループ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−94501(JP,A) 特公 昭52−1531(JP,B2) IEEE TRANSACTOINS ON MAGNETICS,VOL. MAG−16,No1,JANVARY (1980)(米)P.146−148 「航空宇宙技術研究所資料 TM− 388」航空宇宙技術研究所発行,(1979 年8月)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁性体で形成されたガイドレールと、この
    ガイドレールに沿って走行自在に配置された搬送車と、
    前記ガイドレールと空隙を介して対向するように配置さ
    れた電磁石、並びに前記電磁石および前記ガイドレール
    および前記空隙で構成される磁気回路中に介在して前記
    搬送車を浮上させるのに必要な起磁力を供給する永久磁
    石で構成され、前記搬送車に搭載された一または複数の
    磁気支持ユニットと、前記搬送車に取付けられて前記磁
    気回路中の変化を検出するセンサ部と、このセンサ部の
    出力に基づいて前記電磁石の励磁電流を制御して前記電
    磁石に流す電流が零になる状態で前記磁気回路を安定化
    させるゼロパワーフィードバックループを有する制御手
    段とを備えた浮上式搬送装置において、 前記制御手段は、前記センサ部の出力から前記搬送車に
    加えられた外力のうちの衝撃による成分を除いた定常成
    分を観測する状態観測器と、この状態観測器で観測され
    た定常成分に所定のゲインを持たせ、これを前記電磁石
    の励磁電流にフィードバックする手段とを具備してなる
    ことを特徴とする浮上式搬送装置。
  2. 【請求項2】前記ゼロパワーフィードバックループは、
    前記電磁石と前記ガイドレールとの間の空隙長、前記搬
    送車の前記空隙方向の速度および前記電磁石の励磁電流
    の各偏差に全てが同時に零でない所定のゲインを持た
    せ、これらを一次伝達関数を有するフィルタを介して前
    記励磁電流にフィードバックする手段を備えてなること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項記載の浮上式搬送装
    置。
  3. 【請求項3】前記ゼロパワーフィードバックループは、
    前記空隙長の偏差を所定のゲインを持たせて積分する積
    分補償器と、この積分補償器の出力を前記励磁電流にフ
    ィードバックする手段とを備えてなることを特徴とする
    特許請求の範囲第1項記載の浮上式搬送装置。
  4. 【請求項4】前記センサ部は、前記電磁石と前記ガイド
    レールとの間の空隙長、前記空隙長の変化速度、前記空
    隙長の変化加速度および前記電磁石の励磁電流のうちの
    少なくとも一つの検出値を得るものであることを特徴と
    する特許請求の範囲第1項記載の浮上式搬送装置。
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「航空宇宙技術研究所資料TM−388」航空宇宙技術研究所発行,(1979年8月)
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