JP2941343B2 - 吸引式磁気浮上装置 - Google Patents

吸引式磁気浮上装置

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JP2941343B2
JP2941343B2 JP7738490A JP7738490A JP2941343B2 JP 2941343 B2 JP2941343 B2 JP 2941343B2 JP 7738490 A JP7738490 A JP 7738490A JP 7738490 A JP7738490 A JP 7738490A JP 2941343 B2 JP2941343 B2 JP 2941343B2
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  • Control Of Vehicles With Linear Motors And Vehicles That Are Magnetically Levitated (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、浮上体の支持および案内を磁気吸引力を用
いて行なう吸引式磁気浮上装置に係り、特に、浮上体の
支持および案内のために必要な電磁石の数を減らし、装
置の小形化、軽量化を図れるようにするとともに、装置
の安全性、信頼性の向上を図れるようにした吸引式磁気
浮上装置に関する。
(従来の技術) 近年、オフィスオートメーションの一環として、伝
票、書類、現金、資料等を搬送装置を用いて建屋内の複
数の地点間で移動させることが行われている。
このような用途に用いられる搬送装置には、搬送物を
速やかに、かつ静かに移動させる機能を備えていること
が要求される。このため、この種の搬送装置の中には、
ガイドレールに対して搬送車を非接触に支持させ、この
状態で走行させるようにしたものも考えられている。中
でも、搬送車を浮上体とし、これを磁気的に非接触支持
する吸引式磁気浮上装置を用いたものは、ガイドレール
に対する追従性や騒音、発塵防止効果に優れている。
ところで、浮上体を吸引式磁気浮上装置を用いて支持
する場合には、浮上体が、たとえばガイドレールの曲線
部を通過するときなどのように横方向の外力、つまり浮
上方向とは直交する案内方向の外力を受けたとき、如何
にして浮上体の横ゆれやヨーイングを抑制し、安定して
磁気浮上状態を維持させるかが重要となる。
このようなことから、従来の吸引式磁気浮上装置にあ
っては、ガイドレールに対向して設けられた浮上用電磁
石とは別に案内用電磁石を設け、この案内用電磁石を制
御することによって必要な案内力を得たり、あるいは1
支持点当りにつき2つの電磁石を設け、これら電磁石を
ガイドレールに対し左右にずらして配置するとともに各
電磁石を、そのペア毎に制御することによって支持力と
案内力とを得るようにしている。
しかしながら、上記のように構成された従来の吸引式
磁気浮上装置にあっては、次のような問題があった。す
なわち、浮上体の浮上方向制御と案内方向制御とを独立
的に行なわせるようにしているので、多数の電磁石を必
要とする。このため、電磁石を構成要素とする磁気支持
ユニットや浮上体自身が大形化し、同時にそれらの重量
も増加することになる。この結果、浮上体を地上側から
支持するガイドレール等の構造物もその支持重量の増加
に合わせて強度を増大させなければならず、結局、装置
全体が大形化する問題があった。さらに、従来のこうし
た案内方向の制御手段では、これが故障すると浮上体の
案内が行えなくなるという問題もあった。
(発明が解決しようとする課題) このように、従来の吸引式磁気浮上装置にあっては、
支持、案内方向の吸引力制御を行なうために、磁気支持
ユニットや浮上体自身の大形化、重量の増加により装置
が大形化するという問題があった。
また、案内方向の吸引力制御を行う装置が故障する
と、浮上体の案内ができず、装置全体の信頼性、安全性
が低いという問題もあった。
そこで、本発明は、案内方向の吸引力制御を行なくて
も浮上体を良好に案内でき、また、案内方向の吸引力制
御の有無にかかわらず浮上体を案内することができ、も
って装置の小形化、軽量化、信頼性、安全性の向上を図
れる吸引式磁気浮上装置を提供することを目的としてい
る。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 上記目的を達成するために、本発明の1つの好ましい
実施例に係る吸引式磁気浮上装置では、浮上体に取付け
られている電磁石を含む磁気支持ユニットを強磁性ガイ
ドに対して支持力および案内力を同時に発生するように
対向配置している。そして、浮上体の横ゆれによって発
生する浮上体のローリングが収束する位置に浮上体の重
心を配置している。
すなわち、上記実施例に係る吸引式磁気浮上装置で
は、強磁性体で形成されたガイドと、このガイドの近傍
に配置された浮上体と、この浮上体に空隙を介して前記
ガイドに対向する関係に配置された電磁石を含む磁気支
持ユニットと、前記電磁石、前記ガイドおよび前記空隙
を通る磁気回路の状態を検出するセンサ部と、このセン
サ部の出力に基づいて前記電磁石の励磁電流を制御する
ことにより前記磁気回路を安定化させて前記浮上体を磁
気浮上させる制御系とを備え、前記浮上体が安定に磁気
浮上している際に前記浮上体を支持するための支持力と
その支持方向に対してほぼ直交する案内方向に前記浮上
体を案内するための案内力とを同時に発生するように前
記磁気支持ユニットが前記ガイドに対向して配置されて
いる吸引式磁気浮上装置において、前記制御系は前記浮
上体が案内方向に揺動し、前記ガイドに対して横変位し
たとき、揺動の速度が零となる前記横変位のピーク時点
で前記浮上体重心回りの前記支持力の変動に起因するト
ルク成分が前記浮上体の外側方向に移動する前記磁気支
持ユニットについてはその空隙長を増加させず、前記ガ
イドレールに対して前記浮上体の内側方向に移動する前
記磁気支持ユニットについてはその空隙長を減少させな
いように作用する制御手段を備え、前記横変位による前
記支持力の変動に起因する浮上体重心回りのトルク成分
と前記横変位による前記案内力の変動に起因する浮上体
重心回りのトルク成分との合成トルクが前記外側方向に
移動する前記磁気支持ユニットについてはその前記空隙
長を増加させ、前記内側方向に移動する前記磁気支持ユ
ニットについてはその前記空隙長を減少させるように作
用する位置に前記浮上体の重心があるようにしている。
また、本発明の他の好ましい実施例に係る吸引式磁気
浮上装置では、前記案内力に加え、前記浮上体を電磁的
に案内する補助案内手段と、この補助案内手段が故障し
た際に補助案内手段の動作を止める補助案内停止手段と
を有し、しかも補助案内手段の故障時に補助案内停止手
段でその動作を停止させても浮上体の横ゆれがそのロー
リングとともに収束するような重心位置を持つ構成とな
っている。
(作 用) 浮上体に取付けられている電磁石を含む磁気支持ユニ
ットと強磁性ガイドとの間に作用する磁気吸引力が上向
きの力(支持力)と水平方向の力(案内力)とに分解で
きるとき、浮上体の運動は強磁性ガイドに対する水平方
向の移動量(横変位)と、強磁性ガイドとの間の鉛直方
向の距離(空隙長)と、励磁電流の関数で表される電磁
石の吸引力と、浮上体に加わる外力とによって支配され
る。
一方、電磁石の励磁電流は、上記距離の時間変化率
と、励磁電流の時間変化率と、電磁石励磁電圧との関数
になる。
本発明に係る吸引式磁気浮上装置の1つの例では、前
記横変位を励磁電流にフィードバックしない浮上制御で
磁気浮上している浮上体が、強磁性ガイドに対して案内
方向に揺動したとき、揺動の速度が零となる時点で、前
記浮上体重心回りの前記支持力の変動に起因するトルク
成分が浮上体外側方向に移動した磁気支持ユニットにつ
いては浮上ギャップ長を増加させず、浮上体内側方向に
移動した磁気支持ユニットについては浮上ギャップ長を
減少させない浮上制御を行った上で、横変位による支持
力の変動に起因する浮上体重心回りのトルクと横変位に
よる案内力の変動に起因する浮上体重心回りのトルクと
の合成トルクが浮上体外側方向に移動する磁気支持ユニ
ットの浮上ギャップ長を増加させ、浮上体内側方向に移
動する磁気支持ユニットの浮上ギャップ長を減少させる
ように作用する位置に浮上体の重心位置を設定してい
る。
また、他の例では、上述の構成の浮上体が、これを電
磁的に案内する電磁石を含む補助案内手段と、補助案内
手段の故障時にその動作を停止させる補助案内停止手段
を有している。
したがって、補助案内手段のない場合およびその動作
が停止している場合でも、横変位による浮上体重心回り
の前記合成トルクが、支持力の浮上制御により生じる浮
上体のローリングを制御するように作用するので、前記
横変位を励磁電流にフィードバックしない浮上制御を用
いても浮上体のローリングを急速に減衰させることがで
きる。浮上体のローリングが減衰すると、ローリングに
より生じる案内力の変動も小さくなり、浮上体の案内方
向の揺動が収束する。この結果、案内力を制御するため
の電磁石や横変位を検出のためのセンサを必要とするこ
となく、浮上体を支持および案内を実現できることにな
り、装置全体の小形化、軽量化が可能となる。また、補
助案内手段を有する浮上体にあっては、その故障時でも
浮上体の案内方向の運動の安定性を確保でき、装置の安
全性・信頼性の向上を図ることができる。
(実施例) 以下、図面を参照しながら実施例を説明する。
第1図乃至第4図には本発明の一実施例に係る吸引式
磁気浮上装置10aの概略構成が示されている。
これらの図において、11は断面がエ字状に形成され、
たとえばオフィス空間に障害物を避けるようにして敷設
された軌道枠を示している。この軌道枠11の上部左右張
出し壁下面には2本のガイドレール12a,12bが平行に敷
設されている。ガイドレール12a,12bは、強磁性体で平
板状に形成されている。
ガイドレール12a,12bの下側には、浮上体15がガイド
レール12a,12bに沿って走行自在に配置されている。軌
道枠11の下部左右張出し上面には、第2図および第3図
に示すように、ガイドレール12a,12bに沿って所定の距
離を隔ててリニア誘導電動機の固定子16が配置されてい
る。
浮上体15は次のように構成されている。すなわち、浮
上体15は、トランク17A,17Bを有し荷物載置のための凹
部を持つ基台18と、基台18の四隅に配置されたバネ19
と、軸と軸受からなる連結機構20A,20Bと、台車21A,21B
とで構成されている。
台車21A,21Bは、連結機構20A,20Bを介して基台18に回
転可能に接続されている。これら台車21A,21Bの両端下
部張出し上面には1個づつ、計4個の磁気支持ユニット
31a〜31dと光学的ギャップセンサ34a〜34dとが取り付け
られている。また、上記張り出しの下面には、固定子16
からの電磁力を受けるリニアモータの2次導体板22が取
り付けられている。
トランク17A,17Bには、後述する制御装置41a、電源43
および定電圧発生装置42のそれぞれが2つに分割されて
納められている。バネ19は、これらの重量や基台18に積
載される積荷の重量に対し、有効なストロークを確保で
きるバネ定数を有している。
各磁気支持ユニット31a〜31dは、第4図に磁気支持ユ
ニット31bだけを取出して代表して示すように、上端部
がガイドレール12b(12a)の下端面に対して内側にずれ
た状態で対向するように浮上体15の進行方向と直交する
方向に配置された2つの電磁石51,52と、これら電磁石5
1,52の各下部側面間に介在した永久磁石53とで構成され
ており、全体としてU字状に形成されている。各電磁石
51,52は、強磁性体で形成された継鉄55と、この継鉄55
に巻装されたコイル56とで構成されている。そして、電
磁石51,52の継鉄55同士の外側寸法L2は、ガイドレール1
2a(12b)の幅L1より所定だけ大きくなる関係に設定さ
れている。各コイル56は、電磁石51,52によって形成さ
れる磁束が互いに加算されるように直列に接続されてい
る。これにより、磁気支持ユニット31a〜31dの案内力は
浮上体15の外側に向って作用する。
第5図〜第9図には、この吸引式磁気浮上装置10aに
搭載された制御装置41aが示されている。
同図において、定電圧発生装置42は、電源43と制御装
置41aとの間に設けられており、後述する演算回路62aお
よびギャップセンサ34a〜34dに常に一定の電圧を印加し
ている。この定電圧発生装置42は、負荷変動に起因する
電源43の出力電圧変動が制御装置41aに与える影響を除
去するためのもので、基準電圧発生装置57と、この基準
電圧発生装置57の出力信号に基いて常に一定電圧で必要
とされる電流を制御装置41aに供給する電流増幅器58と
から構成されている。
制御装置41aは、浮上体15上では2つに分割されては
いるが、たとえば第5図に示すように、全体として1つ
に構成されている。なお、この図において、矢印線は信
号経路を、また棒線はコイル56周辺の電力経路を示して
いる。この制御装置41aは、磁気支持ユニット31a〜31d
によって形成される磁気回路中の起磁力あるいは磁気抵
抗もしくは浮上体15の運動の変化を検出するセンサ部61
aと、このセンサ部61aからの信号に基いて各コイル56に
供給すべき電力を演算する演算回路62aと、この演算回
路62aからの信号に基いて各コイル56に電力を供給する
パワーアンプ63a〜63dとで構成されており、これらで4
つの磁気支持ユニット31a〜31dをそれぞれ制御してい
る。
センサ部61aは、前述したギャップセンサ34a〜34d
と、各コイル56の電流値を検出する電流検出器65a〜65d
とで構成されている。
演算回路62aは、第1図に示される運動座標毎に浮上
体15の磁気浮上制御を行っている。ここでは浮上体15の
z座標に関する磁気浮上制御系をzモード、y方向(案
内方向)の運動に影響する浮上体15のロール(θ方向)
に関する磁気浮上制御系をθモード、Ψ方向(ヨー方
向)の運動に影響する浮上体15のロール(θ方向)に関
する磁気浮上制御系をθΨモード、浮上体15のピッチ
(ξ方向)に関する磁気浮上制御系をξモードとして説
明する。
すなわち、演算回路62aは、ギャップセンサ34a〜34d
で得られたギャップ長信号za〜zdからそれぞれのギャッ
プ長設計値zao〜zdoを減算して得られるギャップ長偏差
信号Δza〜Δzaを演算する減算器80a〜80dと、ギャップ
長偏差信号Δza〜Δzdから浮上体15の重心のz方向(支
持方向)の移動量Δz,同重心のy方向(案内方向)の移
動に伴う分割板26a,26bのθ方向(ロール方向)のそれ
ぞれの回転角の和Δθy,浮上体15のΨ方向(ヨー方向)
の回転に伴う分割板26a,26bのθ方向(ロール方向)の
回転角の差ΔθΨおよび浮上体15のξ方向(ピッチ方
向)の回転角Δξを演算する浮上ギャップ長偏差座標変
換回路81と、電流検出器65a〜65dで得られた励磁電流検
出信号ia〜idからそれぞれ電流設計値iao〜idoを減算し
て得られる電流偏差信号Δia〜Δidを演算する減算器82
a〜82dと、電流偏差信号Δia〜Δidから浮上体15の重心
のz方向の運動に関わる電流偏差Δiz,同重心のy方向
の移動に伴う分割板26a,26bのローリングに関わる電流
偏差Δiθy,浮上体15のΨ方向の回転に伴う分割板26
a,26bのローリングに関わる電流偏差ΔiθΨおよび浮
上体15のピッチングに関する電流偏差Δiξを演算する
電流偏差座標変換回路83と、浮上ギャップ長偏差座標交
換回路81および電流偏差座標変換回路83の出力Δz,Δθ
y,ΔθΨ,Δξ,Δiz,Δiθy,ΔiθΨ,Δiξ
導入し、z,θyΨ,ξの各モードにおいて浮上体15を
安定に磁気浮上させるモード別電磁石制御電圧ez,
eθy,eθΨ,eξを演算する制御電圧演算回路84と、こ
の制御電圧演算回路84の出力ez,eθy,eθΨ,eξに基い
て磁気支持ユニット31a〜31dのそれぞれの電磁石励磁電
圧ea〜edを演算する制御電圧座標逆変換回路85とで構成
されている。そして、制御電圧座標逆変換回路85の演算
結果、つまり上述したea〜edがパワーアンプ63a〜63dに
与えられる。
制御電圧演算回路84は、Δz,Δizからzモードの電磁
石制御電圧ezを演算する上下動モード制御電圧演算回路
86と、Δθy,Δiθyからθモードの電磁石制御電圧
eyを演算するロール・左右動モード制御電圧演算回路87
と、ΔθΨ,ΔiθΨからθΨモードの電磁石制御電圧
θΨを演算するロール・ヨーモード制御電圧演算回路
88と、Δξ,Δiξからξモードの電磁石制御電圧eξ
を演算するピッチモード制御電圧演算回路89とで構成さ
れている。
以上の諸量は次式にまとめられる。すなわち、浮上体
15の質量をM、分割板26aに付随する浮上体15の前部お
よび分割板26bに付随する浮上体15の後部のロール軸
(x軸)回りの慣性モーメントを共にIθ、浮上体15の
ヨー軸(z軸)回りの慣性モーメントをIΨ、浮上体15
のピッチ軸(y軸)回りの慣性モーメントをIξとする
と、浮上ギャップ長偏差座標変換回路81および電流偏差
座標変換回路83は、 に基いて変換を行う。このとき、浮上体15の線形近似運
動方程式およびコイル56に関わる電圧方程式は、各モー
ド毎に、 の4組にまとめられる。ここで、θξはそれぞれ
磁石ユニット31a〜31dのy軸に平行な間隔およびx軸に
平行な間隔であり、F2は磁気支持ユニット31a〜31dのz
軸方向の吸引力、φは浮上ギャップにおける主磁束、 は変数hについて関数の偏分オペレータであり、(∂/
∂h)は浮上体15の浮上目標値における関数の偏分値を
表わす。また、L、Rはそれぞれコイル56の浮上ギャッ
プに依存しない自己インダクタンスおよびコイル56の電
気抵抗の値、uzはz軸に平行な外力、Tθy、TθΨ
ξは、それぞれ分割板26a,26bのx軸まわりのトルク
外乱の和、同トルク外乱の差およびy軸まわりのトルク
外乱を表わし、また記号“・”は1階の時間微分を表わ
している。
(3)〜(6)式は、次の状態方程式にまとめること
ができる。すなわち、状態ベクトルx3を、 (但し、Tは転置を表わす)とすると、 について、 のタイプの状態方程式を得ることができる。
ここで、 は、 の行列であり、 e3は、 e3=ez、eθy、eθΨまたはeξであり、 またはTξとなる。また、制御電圧座標逆変換回路85
は、 に基いて変換を行う。
上下動モード制御電圧演算回路86は第6図に示すよう
に構成されている。すなわち、zモードの磁気浮上制御
系が浮上体15のy方向およびΨ方向の運動とは無関係で
あるとみなせるため、Δz,ΔizからΔzの時間変化率 の推定値 (以下、記号“∧”は推定値を表す。)およびzモード
の外力uzの推定値 を演算する上下動モード状態観測器90と、Δz, Δizに適当なフィードバックゲインを乗ずるゲイン補償
器91と、電流偏差目標発生器92と、Δizを電流偏差目標
発生器92の目標値より減じる減算器93と、この減算器93
の出力値を積分し、適当なフィードバックゲインを乗じ
る積分補償器94と、各ゲイン補償器91の出力値の総和を
演算する加算器95と、この加算器95の出力値を積分補償
器94の出力値より減じてzモードの電磁石励磁電圧ez
出力する減算器96とで構成されていてる。
ピッチモード制御電圧演算回路89は第9図に示すよう
に構成されている。ξモードの磁気浮上制御系も浮上体
15のy方向およびΨ方向の運動とは無関係であるとみな
せるため、このピッチモード制御電圧演算回路89は上下
動モード制御電圧演算回路86と同様に構成されている。
すなわち、上下動モード制御電圧演算回路86における上
下動モード状態観測器90を、Δξ,Δiξから およびξモードの外乱トルク推定値 を演算するピッチモード状態観測器97に置換えたものと
なっており、他は上下動モード制御電圧演算回路86と同
一構成となっている。したがって、この第9図では対応
する要素を等しい番号で示し、かつその番号に添字aを
付して示してある。
ロール・左右動モード制御電圧演算回路87は第7図に
示すように構成されている。θモードの磁気浮上系は
浮上体15のy方向に関係したものであるが、回路の簡素
化のため、ここではy方向の運動を無視し、上下動モー
ド制御電圧演算回路86と同様に構成されている。すなわ
ち、Δθy,Δiθyから およびθモードの外乱トルク推定値 を演算するロール・左右動モード状態観測器99と、Δθ
y, Δiθyに適当なフィードバックゲインを乗ずるゲイン
補償器91bと、Δiθyを電流偏差目標値発生器92bで設
定された目標値より減じる減算器93bと、この減算器93b
の出力値を積分して適当なフィードバックゲインを乗ず
る積分補償器94bと、ゲイン補償器91bの出力値の総和を
演算する加算器95bと、この加算器95bの出力値を積分補
償器94bの出力値より減じてθモードの電磁石制御電
圧eθyを出力する減算器96bとで構成されている。
また、ロール・ヨーモード制御電圧演算回路88は第8
図に示すように構成されている。この図から判かるよう
にロール・ヨーモード制御電圧演算回路88は第7図に示
したロール・左右動モード制御電圧演算回路87と同様に
構成されている。θΨモードでもθモードと同様にΨ
方向の運動を無視して構成されている。すなわち、Δθ
Ψ,ΔiθΨから およびθΨモードの外乱トルク推定値 を演算するロール・ヨーモード状態観測器100と、Δθ
ΨΔiθΨに適当なフィードバックゲインを乗ずるゲイン
補償器91cと、ΔiθΨを電流偏差目標値発生器92cで設
定された目標値より減じる減算器93cと、この減算器93c
の出力値を積分して適当なフィードバックゲインを乗ず
る積分補償器94cと、ゲイン補償器91cの出力値の総和を
演算する加算器95cと、この加算器95cの出力値を積分補
償器94cの出力値より減じてθΨモードの電磁石制御電
圧eθΨを出力する減算器96cとで構成されている。
ここで、各モードの状態観測器の構成について説明す
る。前述の如く、zモード、ξモードについては、浮上
体15のy方向およびΨ方向の運動とは無関係となる。ま
た、θモード、θΨモードについてもy方向およびΨ
方向の運動が無視される。したがって、各モードはすべ
て同じタイプの状態方程式(7)式で表わすことができ
る。このため、これらの状態観測器は、たとえば特願昭
60−146033号中のものと同一の構成となる。
さらに、ゲイン補償器91,91a、積分補償器94,94aの各
ゲインは、浮上体15のzモード、ξモードの運動が速や
かに安定化されるように設定されている。また、ゲイン
補償器91b,91c、積分補償器94b,94cの各ゲインは、浮上
体15の案内方向の揺動、ヨーイングの4分の1周期より
も、θモード、θΨモードにおける制御時定数のほう
が長くなるように設定されている。また、浮上体15の重
心は、トランク17A,17B内に電源等の重量物を収納した
状態助で、磁気支持ユニット31a〜31bよりも上方の で示す位置に設定されている。
次に、上記のように構成された吸引式磁気浮上装置の
動作を説明する。
まず、起動させると、制御装置41aは各磁気支持ユニ
ット31a〜31dに設けられた永久磁石が発生する磁束と同
じ向きまたは逆向きの磁束を各磁気支持ユニット31a〜3
1dの電磁石で発生させるとともに、磁気支持ユニット31
a,31bとガイドレール12a,12bとの間に所定のギャップ長
を維持させるべく各励磁コイル56に流す電流を制御す
る。これによって、第4図に示したように、各磁気支持
ユニットの近傍には、永久磁石53〜継鉄55〜ギャップP
〜ガイドレール12b(12a)〜ギャップP〜継鉄55〜永久
磁石53の経路からなる磁気回路が形成される。
この場合、前記電流設計値iao〜idoおよびz〜ξモー
ドの各電流偏差目標発生器92,92a,92b,92cの出力を零に
セットしておくと、ギャップ長は浮上体15など被支持体
の重量と、各永久磁石53の起磁力による各磁気支持ユニ
ット31a〜31dと各ガイドレール12a,12bとの間の磁気的
吸引力とが丁度釣合う値に落着く。このとき、連結機構
27の存在によって各磁気支持ユニット31a〜31dとガイド
レール12a,12bとの間のギャップ長は、互いに干渉しな
い独立した値に保持される。制御装置41aは、この磁気
ギャップ長を維持すべく各磁気支持ユニット31a〜31dの
電磁石の励磁電流を制御する。これによって、いわゆる
ゼロパワー制御がなされる。
なお、浮上体15がリニア誘導電動機の固定子16の真下
にあるときに固定子16を付勢すると、基台18が固定子か
ら推進力を受ける。この結果、浮上体15は磁気浮上状態
のままガイドレール12a,12bに沿って走行を開始する。
浮上体15が空気抵抗等の影響で完全に静止するまでの間
に再び固定子16が配置されていれば、浮上体15は再度推
進力を受ける。このため、ガイドレール12a,12bに沿っ
た移動を持続する。したがって、浮上体15を非接触状態
で目的とする地点まで移動させることができる。
ところで、浮上体15がガイドレール12a,12bの曲線部
分を通過するときなどのように、浮上体15に走行方向と
直交する方向の力、つまり案内方向の外力が加わると、
たとえば浮上体15が第2図中y方向に揺れようとする。
この実施例では、上記揺れに伴うΔθy,Δiθy,Δ
θΨおよびΔiθΨの変化からロール・左右動モード状
態状態測定器99およびロール・ヨーモード状態測定器10
0により推定値 が演算される。これら推進値はゲイン補償器91b,91cを
介してθモードの電磁石制御電圧θおよびθΨモー
ドの電磁石制御電圧eθΨにフィードバックされる。す
なわち、eθyおよびeθΨは、制御電圧座標逆変換回
路85によって磁気支持ユニット31a〜31dのそれぞれの電
磁石励磁電圧ea〜edに変換される。
ここで説明の便宜を図るため浮上体15の横変位をΔ
y、磁気支持ユニット31a〜31dの案内力をFyとする。
この実施例では、先に述べたように、θyΨモード
の各ゲインは、これらのモードの制御時定数の方が浮上
体15の案内方向の揺動の4分の1周期より長くなるよう
に設定されている。したがって、浮上体重心に案内力に
よるトルクが作用しなければ、横方向の揺動速度が零に
なる横変位のピーク時でも制御装置41aによる浮上制御
は整定せず、この結果、浮上体15はθ方向とは逆向きの
−θ方向に傾こうとする。つまり、第2図を参照しなが
ら説明すると、磁気支持ユニット31a〜31dのうちのガイ
ドレール12a,12b中心から遠ざかる磁気支持ユニット31b
(31c)については浮上体15の揺動による磁気支持ユニ
ット・ガイドレール間の磁気抵抗の増加で吸引力が減少
し、またガイドレール12a,12b中心に近づく磁気支持ユ
ニット31a(31d)については磁気抵抗の減少で吸引力が
増加する。このとき、この吸引力変動に対するθyΨ
モードの浮上制御は間に合わない。したがって、浮上体
15の重心回りに−θ方向のトルクが作用し、浮上体15は
−θ方向にロール角Δθだけ傾くことになる。一旦、−
θ方向のトルクが作用すると、磁気支持ユニット31a(3
1d)の浮上ギャップがさらに減少し、また磁気支持ユニ
ット31b(31c)の浮上ギャップがさらに増加する。すな
わち、ロール角Δθのフィードバックによる浮上制御で
浮上体15に作用する第1のトルクは、y方向横変位のピ
ーク時でも浮上体15のロール角Δθを増加させる方向に
作用する。
この間に、浮上体15の横変位も増加していくが、この
横変位により、磁気支持ユニット31a(31d)ではガイド
レール12aとの対向面積が増加するので支持力が増加す
る。また、磁気支持ユニット31b(31c)では、ガイドレ
ール12bとの対向面積が減少するので支持力が減少す
る。この結果、横変位による支持力の変動 に起因するトルクは、第1のトルクと同様に、浮上体15
のロール角Δθを増加させるように作用する。
一方、磁気支持ユニット31a(31d)では、ガイドレー
ル12aに近づくため、ガイドレール12aに対するならい力
が減少する。また、磁気支持ユニット31b(31c)では、
ガイドレール12bから遠ざかるため、ガイドレール12bに
対するならい力が増加する。この結果、浮上体15には横
変位を減少させる案内力が作用し、浮上体重心が磁気支
持ユニットより上方に位置していれば、横変位による案
内力の変動 に起因する浮上体重心回りのトルクはロール角Δθを減
少させるように作用する。
この実施例では、トランク17A,17bに電源43等の重量
物が収納されており、横変位による支持力の変動に起因
するトルクと横変位による案内力の変動に起因するトル
クとの合成である第2のトルクが浮上体15の外側方向に
移動する磁気支持ユニット31a(31d)の浮上ギャップを
増加させ、浮上体15の内側方向に移動する磁気支持ユニ
ット31b(31c)の浮上ギャップを減少させる作用を持つ
位置に浮上体重心が設定されている。このため、第2の
トルクは、浮上体15のロール角を減少させるように作用
する。すなわち、第2のトルクは、横変位のピーク時に
第1のトルクを抑制し(ブランコをこぐときの逆の原理
で)浮上体15のローリングを減衰させる。浮上体15のロ
ーリングが減衰すれば、ローリングに伴う磁気支持ユニ
ットの案内力の変動も減衰し、結果として、浮上体15に
生じた揺動が減衰し、再び安定な磁気浮上状態が回復さ
れる。
浮上体15にその重心を中心にしてΨ方向のヨーイング
が生じた場合にも、連続機構20A,20Bを回転軸として台
車21A,21Bの互いに逆向きのローリングについて上述の
説明と同様な現象が起こり、浮上体15は再び安定な磁気
浮上状態を回復することになる。
第10図乃至第14図には本発明の別の実施例に係る吸引
式磁気浮上装置10bが示されている。この吸引式磁気浮
上装置10bは、支持力と案内力とを独立に制御するよう
にしたもので、特に案内方向の変位を検出するギャップ
センサが故障したときに本発明を適用して安定した磁気
浮上を実現している。
そして、これらの図では、第1図乃至第9図に示され
る要素と同一部分と同一符号で示されており、また対応
する要素には等しい番号と一緒に大文字のアルファベッ
トを付してある。
浮上体15Aは、基台18Aと、この基台18Aの下面四隅に
サスペンション100を介して取り付けられた台車125A〜1
25Dと、基台18Aの下面中央部に支柱を介して取り付けら
れた二次導体板19とで構成されている。
そして、この例においても、浮上体15Aが軌道枠11に
設けられた強磁性ガイドレール12a,12bに対して磁気浮
上し、軌道枠11の上面の要所要所に取り付けられたリニ
アモータ固定子16と2次導体板19との間で発生する電磁
力でガイドレール12a,12bに沿って走行するようになっ
ている。
台車125A〜125Dには、ガイドレール12a,12bに対し、
それぞれ支持力と案内力を発生するよう第11図〜第13図
に示すように互いに違いに外側内側へずらした配置に磁
気支持ユニット31A〜31D,31A′〜31D′が固定されてい
る。これら磁気支持ユニット31A〜31D,31A′〜31D′
は、前述の磁気支持ユニット31a〜31dの永久磁石53と継
鉄55を連続した継鉄55Aで置き換え、これにコイル56を
巻装してなるU字状の電磁石で構成されている。そし
て、台車125A〜125Dには、磁気支持ユニット31Aと31
A′,31Bと31B′,31Cと31C′,31Dと31D′が組みをなして
固定されており、さらに各組が対向するガイドレール12
a,12bとの浮上ギャップ長を測定するための渦電流タイ
プのギャップセンサ34A〜34Dが所定位置に固定されてい
る。また、各台車下部の張出し上面には、各組のそれぞ
れがガイドレール12a〜12bに対して生じる横変位を非接
触で検出するために、軌道枠11の左右側面に取り付けら
れた強磁性の測距レール113a,113bに対向する関係に渦
電流タイプのギャップセンサ34A′〜34D′が取り付けら
れている。
サスペンション100は、基台18Aに固着されたリング状
のリニアガイド102と、各台車125A〜125Dに固着された
軸104と、バネ106と、ストッパ108とより構成されてお
り、各台車に2個ずつ、計8個備えられている。これに
より、各台車は、基台18Aに対して独立に上下動する。
また、この例では浮上体15Aの重心が各磁気支持ユニッ
トより上方の で示す位置にある。
ここで、上記のように磁気支持ユニット31A〜31D,31
A′〜31D′を配置している理由を第13図に示されている
磁気支持ユニット31A,31A′、つまり台車125Aを例にと
って説明する。
今、浮上体15Aが安定に磁気浮上しているとき、横方
向の外力を受けて浮上体15Aとともに台車125Aがy方向
に変位(横変位)したとする。この場合、磁気支持ユニ
ット31Aではガイドレール12aに対して対向面積が増加す
るので支持力が増加し、磁気支持ユニット31A′ではガ
イドレール12aに対して対向面積が減少するので支持力
が減少する。したがって、磁気支持ユニット31A,31A′
のコイル56が同じ大きさの電流で励磁されているときに
は、これらの支持力の変動分が互いに相殺され、横変位
に対する台車125A全体としての支持力は変動しない。
一方、同じ電流で励磁されている磁気支持ユニット31
A,31A′に対して、磁気支持ユニット31A′の励磁電流を
増加させ、同じ分だけ磁気支持ユニット31Aの励磁電流
を減少させると、磁気支持ユニット31Aの支持力、案内
力(y方向)がともに減少し、磁気支持ユニット31A′
の支持力、案内力(−y方向)がともに増加する。この
結果、台車125A全体の支持力は変動しない。しかし、案
内力については磁気支持ユニット31A′の案内力が勝る
ので、結局、台車125A全体への案内力は−y方向へ発生
する。
このように、台車125Aの支持力を、その案内方向の運
動とは独立に、かつ、その案内方向の運動を磁気支持ユ
ニット31A,31A′の励磁電流の差によって制御できるこ
とになる。そして、台車125Aの支持力を磁気支持ユニッ
ト31A,31A′の励磁電流の和により制御できることにな
る。このことは、台車125B〜125Dにおいても同様であ
り、これらの台車の支持力と案内力トを独立に制御して
浮上体15Aの安定な磁気浮上を達成できることになる。
第14図にはこの吸引式磁気浮上装置10bに組み込ま
れ、上述した制御方式を基本とした制御装置41bが示さ
れている。
この制御装置41bは、ギャップセンサ34A〜34Dで構成
される支持方向センサ200と、ギャップセンサ34A′〜34
D′で構成される案内方向センサ201と、支持方向制御回
路202と、案内方向制御回路204と、座標逆変換回路206
と、磁気支持ユニット31A〜31Dのコイル56に励磁電流を
供給するパワーアンプ63A〜63Dと、磁気支持ユニット31
A′〜31D′のコイル56に励磁電流を供給するパワーアン
プ63A′〜63D′と、基準電圧発生器210と、この基準電
圧発生器210の出力と案内方向センサ201の出力を比較し
てギャップセンサ34A′〜34D′のいずれか1つでも故障
しているときに出力を送出する比較器212と、この比較
器212から出力が送出されているときA端子側からB端
子側へと切替わる6個のリレー214と、座標逆変換回路2
06とパワーアンプ63A′〜63D′との間に設けられた4つ
の加算器216と、一定電圧発生器218とで構成されてい
る。
支持方向制御回路202は、支持方向センサ200の出力信
号に基づき、各台車の2つの磁気支持ユニットの励磁電
流の和を制御して、第10図に示す座標のうち浮上体15A
のz,θ,ξ方向の運動の安定化を達成する。案内方向制
御回路204は、案内方向センサ201の出力信号に基づき各
台車の2つの磁気支持ユニットの励磁電流の差を制御し
て、第10図に示す座標のうちy,Ψ方向の運動の安定化を
達成する。この案内方向制御回路204の出力は、リレー2
14の内の2つのリレーのA端子側を通って座標逆変換回
路206へ与えられる。なお、上記2つのリレーのB端子
側は接地されている。座標逆変換回路206は、支持方向
制御回路202および案内方向制御回路204の出力信号に基
づき磁気支持ユニット31A〜31D,31A′〜31D′のそれぞ
れに印加すべき励磁電圧の値を計算する。そして、パワ
ーアンプ63A〜63D,63A′〜63D′は、座標逆変換回路206
の励磁電圧出力信号に基づいて同じアルファベット記号
が付されている磁気支持ユニット31A〜31D,31A′〜31
D′のコイル56を励磁する。4つの加算器216の一方の入
力端はリレー214の残りの4つのリレーのA端子を介し
て接地されている。なお、上記4つのリレーのB端子
は、パワーアンプ63A′〜63D′への入力信号を所定値だ
け小さくする電圧を発生する上述した一定電圧発生器21
8の出力端に接続されている。
この制御装置41bは次のように動作する。
すなわち、案内方向センサ201が正常な場合には、リ
レー214においてA端子が選択される。そして、案内方
向の運動に対しては組をなす磁気支持ユニットの励磁電
流の差を制御する動作が行われ、また支持力に対しては
組をなす磁気支持ユニットの励磁電流の和を制御する動
作が行われる。
一方、案内方向センサ201が故障し、異常電圧が発生
すると、比較器212が基準電圧発生器210の電圧に基づい
て故障と判断する。この判断信号によりリレー214が付
勢されてB端子が選択される。B端子の選択により、案
内方向制御回路204の出力は座標逆変換回路206には到達
しない。したがって、案内方向センサ201の出力に基づ
く各磁気支持ユニット31A〜31D,31A′〜31D′の案内力
制御は停止する。
このとき、支持方向制御回路202の出力は座標逆変換
回路206を介してパワーアンプ63A〜63D,63A′〜63D′に
到達するが、加算器216においてパワーアンプ63A′〜63
D′への入力信号には、リレー214のB端子を介して到達
する一定電圧発生器218の負の出力信号が加算される。
この結果、パワーアンプ63A′〜63D′への入力信号は、
パワーアンプ63A〜63Dへのものより小さくなり、これに
よって磁気支持ユニット31A′〜31D′の発生する支持力
および案内力は磁気支持ユニット31A〜31Dのものより小
さくなる。このため、各台車125A〜125Dにy方向の横変
位が生じても前述の各台車の組をなす磁気支持ユニット
同士の支持力の相殺が起こらず、浮上体15Aのy方向も
しくはΨ方向の運動に対して各台車の支持力および案内
力は互いに干渉することになる。
支持力と案内力とに上述した干渉が生じる場合、浮上
体15Aの案内方向の運動の安定化のために先の実施例と
同様の作用が起こる。
すなわち、今、第11図に示すように、y方向に横変位
した場合を例にとると、制御装置41bの働きにより、磁
気支持ユニット31A(31D),31B(31C)の支持力・案内
力が支配的となる。このように浮上体15Aにy方向の横
変位が生じると、磁気支持ユニット31A(31D)のガイド
レール12aに対する対向面積が増加する。このため、台
車125A(125D)の支持力が増加し、案内力(y方向)が
減少する。一方、台車125B(125C)の支持力が減少し、
案内力(−y方向)が増加する。
この実施例では、各磁気支持ユニットが電磁石のみで
構成されており、ゼロパワー制御を適用していない。し
たがって、横揺れが生じた場合、浮上体重心に案内力に
よるトルクが作用しなければ、支持力の変動がギャップ
長の変動に反比例し、第11図に示すように、浮上体15A
はy方向の横変位ピーク時に−θ方向に、−y方向の横
変位ピーク時にθ方向に傾こうとする。一方、この実施
例では浮上体15の重心 におけるx軸回りの浮上制御をフィードバックさせない
y方向横変位による支持力の変動 に起因するトルクが−θ方向、重心 におけるx軸回りの同y方向横変位による案内力の変動 に起因するトルクがθ方向に作用するが、重心の設定位
置により、これらの合成トルクはθ方向に作用する。こ
の結果、先の実施例と同様の作用により浮上体15Aの横
揺れおよびローリングが安定化される。
また、浮上体がその重心を中心にΨ方向に揺れた場合
(ヨーイングを生じた場合)、この実施例では、各台車
125A〜125Dに取り付けられた磁気支持ユニット31A〜31D
の支持力作用点を結ぶ直線の幾何学的回転軸の高さによ
ってヨーイングを収束させる。なお、この高さがサスペ
ンション100のバネ106のバネ定数に依存することは言う
までもない。
以下、その理由を説明すると、第15図には、Ψ方向に
ヨーク角を生じている浮上体15Aの台車125A,125Bの状態
を実線で、台車125C,125Dの状態を破線で示してある。
台車125A〜125Dにおける磁気支持ユニット上端の支持作
用点をそれぞれAf,Bf,Cf,Dfとすると、Af,Bfを結ぶ線分
の垂直2等分線とCf,,Dfを結ぶ線分の垂直2等分線との
交点Q が浮上体15Aにヨーイングが生じたときの線分Af−Bf(C
f−Df)の回転軸となる。この実施例では、点Qを通る
x軸回りのヨー角による案内力の変動に起因するトルク
がヨー角による支持力の変動に起因するトルクより大き
くなるようにバネ106のバネ定数が設定されている。し
たがって、浮上体15Aにヨー角が発生し、浮上制御によ
り線分Af−Bf(Cf−Df)が−θ方向(θ方向)に回転し
ても、これらの合成トルクは線分Af−Bf(Cf−Df)をθ
方向(−θ方向)に回転させるように作用する。このた
め、先の実施例と同様にして浮上体15Aのヨーイングが
収束する。
以上述べたように、この実施例においては、案内方向
の制御に不具合が生じても、浮上体15Aの浮上走行を確
保でき、装置の信頼性、安全性の向上を実現できる。
なお、補助案内手段としての磁気支持ユニット31A′
〜31D′が支持力と案内力を発生するように台車125A〜1
25Dに取り付けられているが、第16図に示すように、案
内力のみを発生するような配置であっても何等差し支え
ない。
この第16図に示す例では、磁気支持ユニット31A′〜3
1Dが軌道枠11の左右側面に取り付けられた強磁性測距ガ
イドレール113a,113bに対向して案内力を発生するよう
に台車125A〜125Dに固定されている。
第17図には第16図に示すように磁気支持ユニット31
A′〜31D′を配置したときの制御装置41b′が示されて
いる。なお、この図では、第14図と同一部分が同一符号
で示されている。したがって、重複する部分の詳しい説
明は省略する。
制御装置41b′中の座標逆変換回路206は、磁気支持ユ
ニット31A〜31Dと磁気支持ユニット31A′〜31D′とを個
別に制御すべくz,θ,ξモード座標逆変換回路206aと、
y,Ψモード座標逆変換回路206bとに分けられている。す
なわち、案内方向センサ201の故障時には2個のリレー2
14により案内方向制御回路204の出力が開放され、y,Ψ
モード座標逆変換回路206bの入力端はリレー214のB端
子を介して接地される。このため、パワーアンプ63A′
〜63D′の入力信号が零となり、磁気支持ユニット31A′
〜31D′は励磁されない。したがって、案内力は全く生
じない。このとき、磁気支持ユニット31A〜31Dは、ガイ
ドレール12a,12dに対して第13図の場合と同じ配置にな
るため、これらの支持力と案内力は互いに干渉し前述の
実施例と同様の作用を得ることができる。
なお、本発明は上述した実施例に限定されるものでは
ない。上記実施例では、浮上体の重心およびヨーイング
時の浮上体の回転軸はいづれも磁気支持ユニットより上
方にあるが、たとえば、第18図〜第21図に示す吸引式磁
気浮上装置10cのように磁気支持ユニットより下方にあ
ってもよい。
以下、この実施例の説明をする。なお、前記の実施例
と同一部分には同一符号を付し、また対応する要素に大
文字のアルファベットを付して詳しい説明を省略する。
この実施例に係る吸引式磁気浮上装置10cの浮上体15B
は、断面がU字状の軌道11Aの上部左右のオーバーハン
グ部の下面に取り付けられた強磁性ガイドレール12a,12
bに対して磁気浮上し、軌道11A底部上面左右の要所要所
に取り付けられたリニアモータ固定子16から電磁力を受
けて走行する。
浮上体15Bは次のように構成されている。すなわち、
ガイドレール12a,12bの下面と対向するように四隅に逆
L字状の突起部をもつ平板状の基台18Bを配置してい
る。この基台18Bは、進行方向に配置された2つの分割
板26a,26bと、両分割板26a,26bを進行方向に直交する面
内で回転可能に連結する回転軸および軸受からなる連結
機構27とで構成されている。なお、基台18Bは前述した
リニア誘導電動機の二次導体を兼ねたものであり、装置
の稼働時において固定子16と僅かのギャップを介して対
向する高さに配置されている。
基台18Bの上面四隅位置には、磁気支持ユニット31a〜
31dがそれぞれ取り付けられている。これら磁気支持ユ
ニット31a〜31dの近傍には、同ユニット31a〜31dとガイ
ドレール12a,12bの下面との間の空隙長を検出する光学
的なギャップセンサ34a〜34dが取付けられている。ま
た、上記各突起部の上面には、荷台37がバネ306を介し
て取り付けられている。
基台18Bの上面には、前述した4つの磁気支持ユニッ
ト31a〜31dをそれぞれ制御するための制御装置41cと、
低電圧発生装置42と、これらに電力を供給する小容量の
電源43とが2分割され、それぞれ分割板26a,26bに1組
ずつ計2組搭載されている。
各磁気支持ユニット31a〜31dは、第21図に磁気支持ユ
ニット31aだけを取出して代表して示すように、上端部
がガイドレール12a(12b)の下端面に対して外側にずれ
た状態で対向している。これにより、磁気支持ユニット
31a〜31dの案内力は浮上体15Bの内側に向って作用す
る。
制御装置41cは第5図〜第9図に示されている制御装
置41aと同じ構成のものが用いられている。しかし、こ
の例では、θモード制御系におけるゲイン補償器91
b、積分補償器94bの各ゲインは、このモードにおける制
御時定数の方が浮上体15Bの案内方向の揺動の4分の1
周期よりも短くなるように設定されている。また、θΨ
モード制御系におけるゲイン補償器91c、積分補償器94c
の各ゲインは、このモードにおける制御時定数の方が浮
上体15Bのヨーイングの4分の1周期よりも長くなるよ
うに設定されている。
そして、浮上体15Bの重心は、基台18B上に電源等の重
量物を配置することにより、磁気支持ユニット31a〜31b
の上端よりも下方の で示す位置にあるように設定されている。
このように構成された吸引式磁気浮上装置10cにあっ
て、浮上体15bがガイドレール12a,12bの曲性部分を通過
するときなどのように、浮上体15Bに案内方向の外力が
加わると、浮上体15Bはたとえば第19図中y方向に揺れ
ようとする。
この実施例では、先にも述べたように、θモードの
制御定数の方が浮上体15Bの案内方向の揺動の4分の1
周期より短くなるようにθモード制御系のゲインが設
定されている。したがって、浮上体重心に案内力による
トルクが作用しなければ、横方向の揺動速度が零になる
横変位のピーク時では制御装置41cによる浮上制御が整
定し、浮上体15Bは−θ方向に傾こうとする。つまり、
第19図を参照しながら説明すると、磁気支持ユニット31
a〜31dのうちガイドレール12a,12bの中心から遠ざかる
磁気支持ユニット31a(31d)については浮上体15Bの揺
動による磁気支持ユニット・ガイドレール間の磁気抵抗
の増加で吸引力が減少し、ガイドレール12a,12bの中心
に近づく磁気支持ユニット31b(31c)については磁気抵
抗の減少で吸引力が増加する。このため、浮上体15Bの
重心回りにはθ方向のトルクが作用し、浮上体15Bはθ
方向に傾いていく。しかし、この浮上体15Bの挙動はギ
ャップセンサ34a〜34dにより検出され制御装置41cにフ
ィードバックされる。この場合、θモードにおける浮
上制御は整定時間が短く、ゼロパワー制御を適用してい
る制御装置41cにあっては、この吸引力の変動を打ち消
すように各磁気支持ユニットの励磁電流を速やかに制御
する。このため、吸引力の増加する磁気支持ユニットで
は浮上ギャップ長が増加しようとし、吸引力の減少する
磁気支持ユニットでは浮上ギャップ長が減少しようとす
る。言い換えると、y方向横変位のピーク時までに浮上
制御が整定し、このピーク時には浮上体15Bの重心回り
に浮上制御により−θ方向のトルクが作用し、浮上体15
Bが−θ方向に傾こうとする。
この間に浮上体15Bの横変位も増加していくが、この
横変位は制御装置41cにフィードバックされることはな
い。したがって、この横変位により、磁気支持ユニット
31b(31c)ではガイドレール12bとの対向面積が増加す
るので支持力が増加する。また、磁気支持ユニット31a
(31d)では、ガイドレール12aとの対向面積が減少する
ので支持力が減少する。この結果、横変位による支持力
の変動に起因するトルクは、浮上体15Bのロール角−θ
を減少させるように作用する。
一方、磁気支持ユニット31b(31c)では、ガイドレー
ル12bに近づくため、ガイドレールに対するならい力が
減少する。また、磁気支持ユニット31a(31d)では、ガ
イドレール12aから遠ざかるため、ガイドレールに対す
るならい力が増加する。この結果、浮上体重心が磁気支
持ユニットより下方に位置してれば、浮上体15Bには横
変位を減少させる案内力が作用し、横変位による案内力
の変動に起因する浮上体重心回りのトルクはロール角−
Δθを増加させるように作用する。この実施例では、浮
上体重心が磁気支持ユニットより下方に位置している
が、浮上制御にフィードバックされない横変位による支
持力の変動に起因するトルクと横変位による案内力の変
動に起因するトルクとの合成トルクが浮上体15Bの外側
方向に移動する磁気支持ユニット31a(31d)の浮上ギャ
ップを増加させ、浮上体15Bの内側方向に移動する磁気
支持ユニット31b(31c)の浮上ギャップを減少させる作
用を持つ位置に設定されている。このため、この合成ト
ルクは、浮上体15Bのロール角−Δθを減少させるよう
に作用する。すなわち、この合成トルクは、浮上制御に
よる−θ方向のトルクを抑制し、浮上体15Bのローリン
グを減衰させる。浮上体15Bのローリングが減衰すれ
ば、ローリングに伴う磁気支持ユニットの案内力の変動
も減衰し、結果として、浮上体15Bに生じた揺動が減衰
し、再び安定な磁気浮上状態が回復される。
この場合、第19図に点線で示すように、荷台37に銅板
500などに重量物を搭載し、浮上体重心を磁気支持ユニ
ットの上端より上方(◎位置)にしてやれば、横変位に
よる案内力の変動に起因するトルクがθ方向に作用する
ことになるので、より一層の揺動の減衰を達成すること
ができる。
次に、浮上体15Bがその重心を中心にしてΨ方向にヨ
ーイングを生じた場合について説明する。
もし、θモードと同様に、θΨモードの整定時間の
方が浮上体15Bのヨーイングの周期の4分の1より短く
なるようにθΨモード制御系の各ゲインが設定されてお
り、しかも連結機構27の回転軸が分割板26a(26b)に対
し、浮上制御にフィードバックされないΨ方向のヨーイ
ングによる支持力の変動に起因するトルクと同Ψ方向の
ヨーイングによる案内力の変動に起因するトルクとの合
成トルクがθ方向(−θ方向)のローリングを生じるよ
うな位置に設定してあれば、連結機構27を回転軸とした
分割板26a,26bの互いに逆向きにローリングについて上
述の説明と同様な現象が起こり、浮上体15Bが再び安定
な磁気浮上状態を回復することになる。
しかし、この実施例におけるθΨモード制御系の各ゲ
インは、このモードの浮上制御時定数の方が浮上体15B
のヨーイングの周期の4分の1より長くなるように設定
されている。ここで、説明の便宜を図るため、浮上体15
Bのヨー角をΔΨとする。この場合、第1図に示した実
施例でも述べたように、ヨーイングによりガイドレール
12a,12bとの対向面積が増加する磁気支持ユニットにつ
いては吸引力が増加し、対向面積が減少する磁気支持ユ
ニットについては吸引力が減少する。すなわち、Ψ方向
のヨーイングにより、分割板26aはθ方向に、分割板26b
は−θ方向にロールする。このとき、この吸引力変動に
対するθΨモードの浮上制御は間に合わないので、分割
板26a、26bには連結機構27の回転軸回りにθ方向(−θ
方向)のトルクが作用し、分割板26a(26b)はθ方向
(−θ方向)に傾くことになる。一旦、θ方向(−θ方
向)のトルクが作用すると、磁気支持ユニット31a(31
c)の浮上ギャップはさらに増加し、磁気支持ユニット3
1b(31d)の浮上ギャップはさらに減少する。すなわ
ち、ロール角θ(−θ)のフィードバックによる浮上制
御で浮上体15Bに作用する第1の合成トルクは、分割板2
6a(26b)のロール角をθ方向(−θ)に増大させるよ
うに作用する。
この間に、分割板26a(26b)のヨー角の大きさも増加
していくが、このヨーイングにより、磁気支持ユニット
31a(31c)ではガイドレール12a(12b)との対向面積が
減少するので支持力が減少する。また、磁気支持ユニッ
ト31b(31d)ではガイドレール12b(12a)との対向面積
が増加するので支持力が増加する。この結果、ヨーイン
グによる支持力の変動 に起因するトルクは、第1の合成トルクと同様に、分割
板26a(26b)のロール角をθ方向(−θ方向)に増加さ
せるように作用する。一方、磁気支持ユニット31a(31
c)ではガイドレール12a(12b)から遠ざかるため、ガ
イドレールに対するならい力が増加する。また、磁気支
持ユニット31b(31d)ではガイドレール12b(12a)に近
づくため、ガイドレールに対するならい力が減少する。
この結果、連結機構27の回転軸が磁気支持ユニットより
上方に位置していれば、分割板26a(26b)には、ヨーイ
ングを減少させる案内力が作用し、ヨーイングによる案
内力の変動 に起因する連結機構27の回転軸回りのトルクは分割板26
a(26b)に対してθ方向(−θ方向)のロール角を減少
させるように作用する。
この実施例では、連結機構27が分割板26a,26bより下
方にあり、ヨーイングによる支持力に起因するトルクと
ヨーイングによる案内力の変動に起因するトルクとの合
成である第2のトルクが浮上体15Bの外側方向に移動す
る磁気支持ユニット31a(31c)の浮上ギャップを減少さ
せ、浮上体15Bの内側方向に移動する磁気支持ユニット3
1b(31d)の浮上ギャップを増加させる作用を持つ位置
に連結機構27の回転軸がある。このため、第2のトルク
は、分割板26a(26b)のθ方向(−θ方向)のロール角
を減少させるように作用する。すなわち、第2のトルク
は、ヨー角のピーク時で第1のトルクを抑制し、分割板
26a,26bのローリングを減衰させる。分割板26a,26bのロ
ーリングが減衰すれば、ローリングに伴なう磁気支持ユ
ニットの案内力の変動も減衰し、結果として、浮上体15
Bに生じたヨーイングが減衰し、再び安定な磁気浮上状
態が回復される。
つまり、強磁性体で形成されたガイドと、このガイド
の近傍に配置された浮上体と、この浮上体に空隙を介し
て前記ガイドに対抗する関係に配置された電磁石を含む
磁気支持ユニットと、前記電磁石、前記ガイドおよび前
記空隙を通る磁気回路の状態を検出するセンサ部と、こ
のセンサ部の出力に基づいて前記電磁石の励磁電流を制
御することにより前記磁気回路を安定化させて前記浮上
体を磁気浮上させる制御系とを備え、前記浮上体が安定
に磁気浮上している際に前記浮上体を支持するための支
持力とその支持方向に対して略直交する案内方向に前記
浮上体を案内するための案内力とを同時に発生するよう
に前記磁気支持ユニットが前記ガイドに対向して配置さ
れ、かつ前記案内力からトルクを受けない位置に浮上体
重心がある吸引式磁気浮上装置において、前記制御系は
前記浮上体が案内方向に揺動し、前記ガイドに対して横
変位したとき、揺動の速度が零となる前記横変位のピー
ク時点で前記ガイドに対して前記浮上体の外側方向に移
動する前記磁気支持ユニットについてはその空隙長を増
加させず、前記ガイドに対して前記浮上体の内側方向に
移動する前記磁気支持ユニットについてはその空隙長を
減少させない第1の制御手段を備え、また前記横変位に
よる前記支持力の変動に起因する浮上体重心回りのトル
ク成分と前記横変位による前記案内力の変動に起因する
浮上体重心回りのトルク成分との合成トルクが前記外側
方向に移動する前記磁気支持ユニットについてはその空
隙長を増加させ、前記内側方向に移動する前記磁気支持
ユニットについてはその空隙長を減少させるように作用
する位置に前記浮上体の重心が設定され、また前記浮上
体が前記磁気支持ユニットの前記空隙長を互いに独立に
変えることのできる空隙独立可変機構を備え、さらに一
対の磁気支持ユニットの支持力作用点で規定される直線
が前記浮上体の浮上時に浮上体重心回りに生じたヨーイ
ングのヨー角に起因して略鉛直面上で回転する際の当該
直線の幾何学的回転軸が前記案内力からトルクを受けな
い位置にあるように設定され、さらに前記制御系は前記
浮上体に外力が加わった際に発生する浮上体重心回りの
ヨーイングの速度が零となるヨー角のピーク時点で前記
ガイドレールに対して前記浮上体の外側方向に移動する
前記磁気支持ユニットについてはその空隙長を減少させ
ず、前記ガイドレールに対して前記浮上体の内側方向に
移動する前記磁気支持ユニットについてはその空隙長を
増加させない第2の制御手段を備え、また前記ヨー角に
よる前記支持力の変動に起因する前記回転軸回りのトル
ク成分と前記ヨー角による前記案内力の変動に起因する
前記回転軸回りのトルク成分との合成トルクが前記外側
方向に移動する前記磁気支持ユニットについてはその空
隙長を減少させ、前記内側方向に移動する前記磁気支持
ユニットについてはその空隙長を増加させるように作用
する位置に前記幾何学的回転軸があればよい。
なお、上記実施例では基台18Bが、その進行方向に平
行な回転軸の回りで回転可能な2つの分割板26a,26bよ
り構成されているが、回転軸の方向,個数および位置は
何等特定されるものではない。被搬送体、電源、制御装
置、磁気支持ユニットおよびガイドレールなどの形状お
よび配置等により、第22図〜第25図に示すように種々変
更可能である。第22図は浮上体15Bの進行方向に対して
直交する方向の軸回りで分割板26a,26bを連結機構27で
回転自在に連結した例であり、第23図は浮上体15Bの進
行方向に対し僅かに傾いた軸回りに連結機構27を設けた
例である。また、第24図は6つの磁気支持ユニット31
を、また第25図は8つの磁気支持ユニット31をそれぞれ
用いた例であり、共に進行方向に分割された分割板26a,
26bが水平面内で回転可能に連結されており、かつ上記
各分割板26a,26bがそれぞれ2つないしは3つに分割さ
れ、その分割体が鉛直面内で回転可能に連結されてい
る。
また、上記実施例では、制御装置およびその動作をア
ナログ制御的に表現しているが、これは制御方式の様式
を何ら限定するものでなく、デジタル制御を用いたもの
であっても何ら差し支えない。
さらに、上記実施例では、支持方向の浮上制御に、浮
上体の運動を複数の座標系で表し、各座標系毎に浮上制
御を行うモード別制御方式を採用しているが、これは、
磁気支持ユニット毎に制御を行う個別制御であってもよ
い。要は、支持方向の浮上制御を行うことで、浮上体の
案内方向の揺動時に揺動速度が零となる時点での浮上ギ
ャップ長が浮上体の外側方向にある磁気支持ユニットに
ついては増加させず、内側方向にあるものについては減
少させなければ、いかなる制御方式を用いても何等差し
支えない。
加えて、上記実施例では、磁気支持ユニットは外側に
ずれた状態でガイドレールと対向しており、かつガイド
レールの幅は同ユニットの継鉄間の外側寸法よりも狭く
構成されている。これは、磁気支持ユニットのガイドレ
ールに対する配置およびガイドレールの幅を何ら限定す
るものではなく、磁気支持ユニットが安定な浮上状態に
あるときガイドレールと同ユニットの間に支持力と案内
力とが同時に働く配置であれば、どのようなものであっ
てもよく、たとえば第26図に示すようにガイドレール12
a(12b)の幅の方が広い配置であって何ら差し支えな
い。
また、上記実施例では、磁気支持ユニット31の中の磁
気回路が浮上体の進行方向に直交しているが、これは磁
気回路の向きを何ら限定するものでなく、第27図に示す
ように同方向であってもよい。
さらに、上記実施例では、ガイドレールは2本である
が、ガイドレールの本数は何ら限定されるものでなく、
第28図に示すように12a,12b,12cの3本あるいは、それ
以上の本数であって何ら差し支えない。
また、上述した各例では磁気支持ユニットを水平に取
付け、かつ磁気支持ユニットの継鉄間の外側寸法よりも
狭い平板状のガイドレールの下面に対して外側にずれた
状態でこれらを対向配置させている。しかし、本発明
は、この配置関係や形状に限定されるものではない。す
なわち、浮上体が安定な磁気浮上状態にあるとき、ガイ
ドもしくはガイドレールと磁気支持ユニットとの間に支
持力と案内力とが同時に発生する配置であればよく、こ
の条件を満せばガイドもしくはガイドレールがどのよう
な配置および形状であってもよい。たとえば、第29図、
第30図に示されるように種々の変形が可能である。すな
わち、第29図に示されている例では、幅が磁気支持ユニ
ット31a〜31d(但し、ユニット31c,31dは図示せず)の
継鉄55間の外径寸法と同等の平板状のガイドレール203
a,203bを軌道枠205に傾けて取付け、さらに支持方向に
浮上ギャップ長が検出できるようにギャップセンサ34a
〜34d(但し、センサ34c,34dは図示せず)を基台18fの
上面に配置している。この場合、磁性支持ユニット31a
〜31dとガイドレール203a,203bとの間に発生する吸引力
は、支持力(z方向)と案内力(y方向)とに分解され
るため強い案内力を得ることができる。第30図に示され
る例では、断面が磁気支持ユニット31a〜31d(但し、ユ
ニット31c,31dは図示せず)の2つの継鉄55に対向する
U字形状のガイドレール207a,207bを軌道枠209に縦に取
付け、H字状の断面形状を有する2枚の分割板を連結機
構27により連結して構成された基台18Gの側面四隅に磁
気支持ユニット31a〜31d(但し、ユニット31c,31dは図
示せず)を配置し、さらに支持方向の浮上ギャップ長が
検出できるようにギャップセンサ34a〜34d(但し、セン
サ34c,34dは図示せず)を18Gの四隅下端に下向きに取付
けている。また、基台18Gを構成する2枚の分割板の上
方には、それぞれ2つに分割された制御装置41a、定電
圧発生装置42および荷台211が、下方には重量の大きな
電源43が配置され、これらによって浮上体15Gが構成さ
れている。この例では、継鉄55がz方向にずれたときに
ガイドレール207a,207bに作用する上方向の吸引力で浮
上体15Gの総重量を支持しているため、継鉄55とガイド
レール207a,207bとの間の吸引力の大部分を案内力に利
用することができる。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば、磁気支持ユニ
ットを、このユニットが対向するガイドレールに対して
支持力および案内力を同時に発生するように浮上体に配
置し、浮上体の案内力の横揺れを浮上体の重心高と磁気
支持ユニット上端の支持力作用点までの距離および2つ
の同支持力作用点で規定される直線の回転軸と同支持力
作用点までの距離を利用して安定化させているので、案
内方向の浮上制御を行うためのセンサや電磁石が不要と
なり、磁気支持ユニットの小形化、軽量化を達成するこ
とができる。このため、ガイドレール等、浮上体を地上
側から支持する構造物の強度を下げることができ、装置
全体を小形化することができる。
また、他の磁気的案内手段を用いる場合には、この手
段が故障しても、浮上体の案内方向の横揺れを安定化す
ることができるので、装置の信頼性、安全性を向上させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係る吸引式磁気浮上装置を
局所的に取出して一部切欠して示す斜視図、第2図は同
装置を第1図におけるI−I線に沿って切断し矢印方向
に見た図、第3図は同装置を第1図におけるC−C線に
沿って一部切欠して示す側面図、第4図は同装置におけ
る磁気支持ユニットの断面図、第5図は同装置における
制御装置のブロック的構成図、第6図乃至第9図は同制
御装置における制御電圧演算回路の構成を示すブロック
図、第10図は本発明の別の実施例に係る吸引式磁気浮上
装置を局部的に取出して一部切欠して示す斜視図、第11
図は同装置を第10図におけるII−II線に沿って切断し矢
印方向に見た図、第12図は同装置を第10図におけるC−
C′線に沿って一部切欠して示す側面図、第13図は同装
置におけるガイドレールと浮上体との関係を説明するた
めの図、第14図は同装置における制御装置のブロック構
成図、第15図は同装置の動作を説明するための図、第16
図および第17図は変形例を説明するための図、第18図は
本発明のさらに別の実施例に係る吸引式磁気浮上装置を
局部的に取出して一部切欠して示す斜視図、第19図は同
装置を第18図におけるIII−III線に沿って切断し矢印方
向に見た図、第20図は同装置第19図におけるC′−C′
線に沿って一部切欠して示す側面図、第21図は同装置に
おける磁気支持ユニットの断面図、第22図乃至第30図は
それぞれ異なる変形例を説明するための図である。 10a,10b,10c……吸引式浮上式搬送装置、11,11A,205,20
9……軌道枠、12a,12b,12c,203a,203b,207a,207b……ガ
イドレール、15,15A,15B,15F,15G……浮上体、18,18A,1
8B……基台、20A,20B,27……連結機構21A,21B,125A〜12
5D……台車、26a,26b……分割板、31a〜31d,31A〜31D,3
1A′〜31D′……磁気支持ユニット、34a〜34d,34A〜34
D,34A′〜34D′……ギャップセンサ、37……荷台、41a,
41b,41b′,41c……制御装置、43……電源、51,52……電
磁石、56……コイル、61a……センサ部、62a……演算回
路、63a〜63d,63A〜63D,63A′〜63D′……パワーアン
プ、65a〜65d……電流検出器、81……浮上ギャップ長偏
差座標変換回路、83……電流偏差座標変換回路、84……
制御電圧演算回路、85,206……制御電圧座標逆変換回
路、86……上下動モード制御電圧演算回路、87……ロー
ル・左右動モード制御電圧演算回路、88……ロール・ヨ
ーモード制御電圧演算回路、89……ピッチモード制御電
圧演算回路、306……バネ。

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】強磁性体で形成されたガイドと、このガイ
    ドの近傍に配置された浮上体と、この浮上体に空隙を介
    して前記ガイドに対向する関係に配置された電磁石を含
    む磁気支持ユニットと、前記電磁石、前記ガイドおよび
    前記空隙を通る磁気回路の状態を検出するセンサ部と、
    このセンサ部の出力に基いて前記電磁石の励磁電流を制
    御することにより前記磁気回路を安定化させて前記浮上
    体を磁気浮上させる制御系とを備えるとともに、前記浮
    上体が安定に磁気浮上している際に前記浮上体を支持す
    るための支持力とその支持方向に対してほぼ直交する案
    内方向に前記浮上体を案内するための案内力とを同時に
    発生するように前記磁気支持ユニットが前記ガイドに対
    向して配置される吸引式磁気浮上装置において、前記制
    御系は前記浮上体が案内方向に揺動し、前記ガイドに対
    して横変位したとき、揺動の速度が零になる前記横変位
    のピーク時点で前記浮上体重心回りの前記支持力の変動
    に起因するトルク成分が前記浮上体の外側方向に移動す
    る前記磁気支持ユニットについてはその空隙長を増加さ
    せず、前記ガイドレールに対して前記浮上体の内側方向
    に移動する前記磁気支持ユニットについてはその空隙長
    を減少させないように作用する制御手段を備え、前記横
    変位による前記支持力の変動に起因する浮上体重心回り
    のトルク成分と前記横変位による前記案内力の変動に起
    因する浮上体重心回りのトルク成分との合成トルクが前
    記外側方向に移動する前記磁気支持ユニットについては
    その空隙長を増加させ、前記内側方向に移動する前記磁
    気支持ユニットについてはその空隙長を減少させるよう
    に作用する位置に前記浮上体の重心があることを特徴と
    する吸引式磁気浮上装置。
  2. 【請求項2】前記案内力が前記浮上体の外側に向かって
    作用するように配置された前記磁気支持ユニットを備
    え、前記磁気支持ユニット上端よりも上方に前記浮上体
    の重心が位置していることを特徴とする請求項1に記載
    の吸引式磁気浮上装置。
  3. 【請求項3】前記浮上体は前記磁気支持ユニットの前記
    空隙長を互いに独立に変えることのできる空隙独立可変
    機構を備え、前記制御手段は前記浮上体に外力が加わっ
    た際に発生する浮上体重心回りのヨーイングの速度が零
    となるヨー角のピーク時点で一対の前記磁気支持ユニッ
    トの支持力作用点で規定される直線が前記浮上体の浮上
    時に浮上体重心回りに生じたヨーイングのヨー角に起因
    してほぼ鉛直面上で回転する際の当該直線の幾何学的回
    転軸回りの前記支持力の変動に起因するトルク成分が前
    記浮上体の外側方向に移動する前記磁気支持ユニットに
    ついてはその空隙長を減少させず、前記ガイドレールに
    対して前記浮上体の内側方向に移動する前記磁気支持ユ
    ニットについてはその空隙長を増加させないように作用
    する制御手段を備え、かつ前記ヨー角による前記支持力
    の変動に起因する前記幾何学的回転軸回りのトルク成分
    と前記ヨー角による前記案内力の変動に起因する前記幾
    何学的回転軸回りのトルク成分との合成トルクが前記外
    側方向に移動する前記磁気支持ユニットについてはその
    空隙長を減少させ、前記内側方向に移動する前記磁気支
    持ユニットについてはその空隙長を増加させるように作
    用する位置に前記幾何学的回転軸があることを特徴とす
    る請求項1に記載の吸引式磁気浮上装置。
  4. 【請求項4】前記案内力が前記浮上体の内側に向かって
    作用するよう配置された前記磁気支持ユニットを備え、
    前記磁気支持ユニット上端よりも下方に前記幾何学的回
    転軸が位置していることを特徴とする請求項3に記載の
    吸引式磁気浮上装置。
  5. 【請求項5】前記空隙独立可変機構は、前記磁気支持ユ
    ニットが固定される複数の台板と、これら台板を略鉛直
    平面内で互いに回転可能に結合する結合手段とを備えて
    いることを特徴とする請求項3に記載の吸引式磁気浮上
    装置。
  6. 【請求項6】前記結合手段は、前記磁気支持ユニットの
    上端より下方に位置していることを特徴とする請求項5
    に記載の吸引式磁気浮上装置。
  7. 【請求項7】前記浮上体は前記磁気支持ユニットの前記
    空隙長を互いに独立に変えることのできる空隙独立可変
    機構を備えるとともに一対の前記磁気支持ユニットの支
    持力作用点で規定される直線が前記浮上体の浮上時に浮
    上体重心回りに生じたヨーイングのヨー角に起因してほ
    ぼ鉛直面上で回転する際の当該直線の幾何学的回転軸が
    前記案内力からトルクを受けない位置にあるように構成
    され、前記制御手段は前記浮上体に外力が加わった際に
    発生する浮上体重心まわりのヨーイングの速度が零とな
    るヨー角のピーク時点で前記ガイドレールに対して前記
    浮上体の外側方向に移動する前記磁気支持ユニットにつ
    いてはその空隙長を増加させず、前記ガイドレールに対
    して前記浮上体の内側方向に移動する前記磁気支持ユニ
    ットについてはその空隙長を減少させない制御手段を備
    え、かつ前記ヨー角による前記支持力の変動に起因する
    前記幾何学的回転軸回りのトルク成分と前記ヨー角によ
    り前記案内力の変動に起因する前記幾何学的回転軸回り
    のトルク成分との合成トルクが前記外側方向に移動する
    前記磁気支持ユニットについてはその空隙長を増加さ
    せ、前記内側方向に移動する前記磁気支持ユニットにつ
    いてはその空隙長を減少させるように作用する位置に前
    記幾何学的回転軸があることを特徴とする請求項1に記
    載の吸引式磁気浮上装置。
  8. 【請求項8】前記案内力が前記浮上体の外側に向かって
    作用するよう配置された前記磁気支持ユニットを備え、
    前記磁気支持ユニットの上端よりも下方に前記幾何学的
    回転軸が位置していることを特徴とする請求項7に記載
    の吸引式磁気浮上装置。
  9. 【請求項9】前記空隙独立可変機構は、前記磁気支持ユ
    ニットが固定される複数の台板と、これら台板を略鉛直
    平面内で互いに回転可能に結合する結合手段とを備えて
    いることを特徴とする請求項7に記載の吸引式磁気浮上
    装置。
  10. 【請求項10】前記結合手段は、前記磁気支持ユニット
    の上端より上方に位置していることを特徴とする請求項
    9に記載の吸引式磁気浮上装置。
  11. 【請求項11】前記ガイドは複数の地点間を経由する搬
    送路に沿って敷設されたガイドレールであり、前記浮上
    体を前記ガイドレールに沿って走行させるための推進手
    段が前記搬送路または前記浮上体に設けられていること
    を特徴とする請求項1に記載の吸引式磁気浮上装置。
  12. 【請求項12】前記案内力とは別に前記浮上体を電磁気
    的に案内する補助案内手段と、この補助案内手段の故障
    の際に上記補助案内手段の動作を止める補助案内停止手
    段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の吸引
    式磁気浮上装置。
  13. 【請求項13】前記補助案内停止手段は、所定の電磁石
    を一定電流で励磁する手段を備えていることを特徴とす
    る請求項12に記載の吸引式磁気浮上装置。
  14. 【請求項14】前記浮上体重心または前記幾何学的回転
    軸が荷物等の付加物を搭載した浮上体に関するものであ
    ることを特徴とするを請求項1,2,3,4,7,8のいずれか1
    項に記載の吸引式磁気浮上装置。
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