JP3340376B2 - 磁気浮上装置 - Google Patents

磁気浮上装置

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JP3340376B2 JP04062098A JP4062098A JP3340376B2 JP 3340376 B2 JP3340376 B2 JP 3340376B2 JP 04062098 A JP04062098 A JP 04062098A JP 4062098 A JP4062098 A JP 4062098A JP 3340376 B2 JP3340376 B2 JP 3340376B2
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P90/00Enabling technologies with a potential contribution to greenhouse gas [GHG] emissions mitigation
    • Y02P90/60Electric or hybrid propulsion means for production processes

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、浮上体の支持およ
び案内を磁気吸引力を用いて行う磁気浮上装置に係り、
特に、浮上体の支持および案内のために必要な電磁石の
数を減らし、装置の小型化、軽量化を図れるようにする
とともに、より安定な浮上状態が得られるようにした磁
気浮上装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ファクトリーオートメーションの
一環として、建屋内の複数の地点間で搬送装置を用いて
半製品や資料を移動させることが広く行われている。こ
のような用途の搬送装置には、搬送物を速やかに、かつ
静かに移動させることが要求される。また、クリーンル
ームなどの超清浄空間で使用される搬送装置にあって
は、動作中に塵埃を発生しないことが要求されている。
【0003】このようなことから、この種の搬送装置に
おいては、ガイドレールに沿わせて搬送車を非接触で走
行させる方式が採用されている。中でも、搬送車を浮上
体とし、これを磁気的に非接触支持する磁気浮上装置を
用いたものは、ガイドレールに対する追従性や騒音、発
塵防止効果に優れている。
【0004】ところで、浮上体を磁気力を用いて支持す
る場合には、浮上体がたとえばガイドレールの曲線部を
通過するときのように、横方向の外力、つまり浮上方向
(支持方向)とは直交する外力を受けたとき、如何にし
て浮上体の横揺れやヨーイングを抑制し、安定した磁気
浮上状態を維持させるかが重要となる。
【0005】そこで、従来の磁気浮上装置にあっては、
ガイドレールに対向して設けられた浮上用電磁石とは別
に案内用電磁石を設け、この案内用電磁石を制御するこ
とによって必要な案内力を得たり、あるいは1支持点当
たりにつき2つの電磁石を設け、これら電磁石をガイド
レールに対し左右にずらして配置するとともに各電磁石
をそのぺア毎に制御することによって支持力と案内力と
を得るようにしている。
【0006】しかし、このような装置構成では、浮上体
の浮上方向の制御と案内方向の制御とを独立的に行う必
要があるので、多数の電磁石が必要となり、電磁石を構
成要素とする磁気支持ユニットや浮上体自身が大形化
し、同時にそれらの重量も増加することになる。この結
果、浮上体を地上側から支持するガイドレール等の構造
物もその支持重量の増加に合わせて強度を増加させなけ
ればならず、結局、装置全体が大形化するという問題が
あった。
【0007】そこで、本出願人は先に、支持方向吸引力
(支持力)と横方向吸引力(案内力)を同時に発生する
ように電磁石を含む磁気支持ユニットを強磁性ガイドレ
ールに対して対向配置するように浮上体に搭載し、この
配置によって発生する案内力を支持方向のセンサ出力に
基づいて制御する浮上式搬送装置を提唱した(特開平1
−315204号公報)。
【0008】すなわち、提唱したものは、浮上体の磁気
浮上系において、支持方向の磁気浮上系と案内方向の磁
気浮上系とを干渉させ、センサにより検出されたどちら
か一方の磁気浮上系の物理量(たとえば浮上体のロール
角等)に基づいて他の磁気浮上系の物理量(たとえば浮
上体の横揺れ速度等)を推定し、センサ出力および推定
した物理量に基づいて磁気浮上系全体を安定化させるこ
とにより、上述した案内用電磁石や案内用センサを不要
化し、装置全体の小形化、簡素化を図れるようにしてい
る。
【0009】しかしながら、上述した制御方式で支持力
の制御に必要な第1の物理量から案内力の制御に必要な
第2の物理量を推定させた場合、浮上体が完全に磁気浮
上状態でないときには、推定誤差が大きくなるという問
題があった。このように、第2の物理量の推定誤差が大
きくなると、往々にして、強磁性ガイドガイドレールに
吸着している浮上体の浮上開始ができなかったり、浮上
中の浮上体が外力により強磁性ガイドレールに接触した
際に安定な浮上状態に戻れなかったりし、装置の安定性
や信頼性の低下を招く問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、従来の磁
気浮上装置にあっては、支持方向および案内方向の吸引
力制御を独立的に行っているために、磁気支持ユニット
や浮上体自身の大形化、重量の増加により装置が大形化
するという問題があった。また、支持方向と案内方向と
を干渉させる磁気浮上系を構成したものにあっても、浮
上体が浮上状態にないときには、案内方向物理量の推定
誤差が大きくなり、装置の安定性、信頼性が損なわれる
という問題があった。
【0011】そこで本発明は、支持、案内方向の吸引力
制御に必要な電磁石の数を減らすことができるととも
に、これらの制御を良好に行え、もって装置の小形化、
軽量化、安定化を図れる磁気浮上装置を提供することを
目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る磁気浮上装置は、磁性体で形成された
ガイドと、前記ガイドの近傍に配置された浮上体と、前
記ガイドに空隙を介して対向するように前記浮上体に搭
載された電磁石を含み、前記ガイドで前記浮上体を磁気
力支持させるための支持力と支持方向に対して略直交
する方向に前記浮上体を案内するための案内力とを同時
に発生する磁気支持ユニットと、前記電磁石前記ガイ
ドおよび前記空隙を通る磁気回路の状態を検出するセン
サ部と、前記センサ部の出力に基づき前記支持力の制御
に必要な少なくとも一つの第1の物理量及び前記案内力
の制御に必要な前記磁気回路に関わる少なくとも一つの
第2の物理量のうちのいずれか一方の物理量の検出演算
を行うと共に、該一方の物理量から他方の物理量の推定
演算を行う演算手段と、前記演算手段により演算される
前記第1および第2の物理量に基づき、前記磁気回路を
安定化させるように前記電磁石の励磁電流を制御して前
記浮上体を磁気浮上させる制御手段と、前記センサ部の
所定の出力が所定範囲内にあるか所定範囲外にあるかを
判定する判定手段と、前記判定手段により前記センサ部
の出力が所定範囲外にあると判定されたとき、前記演算
手段により演算される前記第1および第2の物理量のう
ち前記推定演算により求められる前記他方の物理量の出
力を無効にする手段とを備えていることを特徴とする。
【0013】本発明を説明するに当たり、まず本発明装
置における制御手段の作用について説明する。浮上体に
取付けられている電磁石を含む磁気支持ユニットと磁性
体で形成されたガイドとの間に作用する磁気吸引力が支
持方向の力(支持力)とこれと略直交する案内方向の力
(案内力)とに分解できるとき、浮上体の運動は、ガイ
ドに対する水平方向の移動量と、ガイドとの間の鉛直方
向の距離と、浮上体に加わる外力とによって支配され
る。一方、電磁石の励磁電流は、上記移動量の時間変化
率と、上記距離の時間変化率と、励磁電流の時間変化率
と、電磁石励磁電圧との関数になる。
【0014】本発明に係る磁気浮上装置の1つの例で
は、前記距離またはその時間変化率または前記励磁電流
もしくはそれらの関数などの支持力の制御に必要な第1
の物理量を得るためのセンサ部が設けられており、さら
に上記第1の物理量の検出演算と第1の物理量から前記
移動量またはその時間変化率または浮上体に加わる外力
もしくはそれらの関数などの案内力の制御に必要な第2
の物理量の推定演算を行うための演算手段が設けられて
いる。上記制御手段は、第1、第2の物理量に基づいて
浮上体を安定に浮上させるべく各磁気支持ユニットの電
磁石に供給される励磁電圧を制御する。
【0015】ここで、本発明に係る磁気浮上装置では、
各磁気支持ユニットとガイドとの間の浮上ギャツプ長が
所定の範囲外にあるときに、前記演算手段の出力を無効
にする選択手段を前記制御手段が備えている。
【0016】このため、安定に浮上している浮上体が外
力等の原因でガイドや他の構造物に接触しても、この接
触を前記センサ部の出力に基づいて検出し、上記選択手
段が上記第2の物理量の演算手段の出力を無効にするた
め、浮上体の接触により発生する演算手段の推定誤差が
励磁電圧にフィードバックされることがない。
【0017】したがって、浮上体が強磁性ガイド等に接
触した状態にあっても大きな演算誤差を含む第2の物理
量が励磁電圧にフィードバックされることがなく、支持
力の制御に必要な第1の物理量のみが励磁電圧にフィー
ドバックされるので、浮上体を確実に接触状態から浮上
状態へ復帰させることができる。そして、浮上体が再び
浮上状態に戻ると、センサ部の出力に基づいて選択手段
が第2の物理量の演算手段の出力を有効にするため、浮
上体には再び案内力の制御が施され、支持方向および案
内方向の両方について浮上体の磁気浮上状態が安定に保
たれる。
【0018】この結果、支持および案内方向の吸引力制
御に必要な電磁石の数を減らすことができるとともに、
浮上体が浮上状態にあるときだけでなくガイド等の他の
構造物と接触状態にある場合でも確実に浮上体を浮上状
態に戻すことができ、装置の小形化、軽量化を実現する
とともに磁気浮上状態の安定化を図ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら発明の
実施形態を説明する。図1乃至図4には本発明の第一の
実施形態に係る磁気浮上装置10の主要部が示されてい
る。
【0020】これらの図において、11は断面が逆U字
状に形成され、たとえばオフィス空間において障害物を
避けるようにして敷設された軌道枠を示している。軌道
枠11の上部壁下面には2本のガイドレール12a,1
2bが平行に敷設されている。軌道枠11の側壁内面に
はそれぞれ断面がコ字状に形成された非常用ガイドレー
ル13a,13bが互いの解放側を対面させて配設され
ている。
【0021】ガイドレール12a,12bの下側には、
浮上体15がガイドレール12a,12bに沿って走行
自在に配置されている。軌道枠11の上部壁下面でガイ
ドレール12a,12bの間の部分には、図2および図
3に示すように、ガイドレール12a,12bに沿って
所定の距離を隔ててリニア誘導電動機の固定子16が配
置されている。
【0022】ガイドレール12a,12bは、強磁性体
で平板状に形成されており、オフィスへの据付作業を容
易化するため分割構造となっている。そして、各分割部
材21の継目部分Aには所定の接合処理が施されてい
る。
【0023】浮上体15は次のように構成されている。
すなわち、ガイドレール12a,12bの下面と対向す
るように平板状の基台25を配置している。この基台2
5は、進行方向に配置された2つの分割板26a,26
bと、両分割板26a,26bを進行方向と直交する平
面内で回転可能に連結する回転軸と軸受からなる連結機
構27とで構成されている。
【0024】基台25の上面四隅位置には、磁気支持ユ
ニット31a〜3ldが搭載されている。これら磁気支
持ユニット3la〜31dは、図2に示すように、ボル
ト32および台座33を用いて基台25の上面に取付け
られている。これら磁気支持ユニット31a〜31dの
近傍には、同ユニット31a〜31dとガイドレール1
2a,12bの下面との間の空隙長を検出する光学的な
ギャップセンサ34a〜34dが取付けられている。
【0025】基台25の下面には、連結部材35a,3
5b,36a,36bを介して搬送物を収納するための
容器37,38がそれぞれ取付けられている。これら容
器37,38の上面には、前述した4つの磁気支持ユニ
ット31a〜31dの磁気的吸引力を制御するための制
御装置41と、定電圧発生装置42と、これらに電力を
供給する小容量の電源43とがそれぞれ2組ずつ計4組
搭載されている。
【0026】基台25の下面四隅位置には、磁気支持ユ
ニット31a〜31dの磁気力が喪失したときに非常用
ガイドレール13a,13bの上下壁内面に接触して浮
上体15を上下方向に支持するための4つの縦車輪45
と、同非常用ガイドレール13a,13bの側壁内面に
接触して浮上体15を左右方向に支持し、過大な横方向
の外力で浮上体15がガイドレール12a,12bから
外れて脱落することを防止するための横車輪47とがそ
れぞれ取付けられている。
【0027】なお、基台25は前述したリニア誘導電動
機の可動要素である二次導体板を兼ねたものであり、装
置の稼働時には固定子16と僅かのギャップを介して対
向する高さに位置する。
【0028】各磁気支持ユニット31a〜31dは、図
4に磁気支持ユニット31aだけを取出して代表して示
すように、上端部がガイドレール12a(12b)の下
面に対して外側にずれて対向するように浮上体15の進
行方向と直交する方向に配置された2つの電磁石51,
52と、これら電磁石51,52の各下部側面間に介挿
された永久磁石53とで構成されており、全体としてU
字状に形成されている。各電磁石51,52は、強磁性
体で形成された継鉄55と、この継鉄55に巻装された
コイル56とで構成されている。そして、電磁石51,
52の継鉄55同士の外側寸法L2は、ガイドレール1
2a(12b)の幅L1より所定だけ大きくなる関係に
設定されている。各コイル56は、電磁石51,52に
よって形成される磁束が互いに加算されるような向きで
直列に接続されている。
【0029】制御装置41は、図1に示すように分割さ
れてはいるが、たとえば図5に示すように、全体として
1つに構成されている。なお、以下のブロック図におい
て、矢印線は信号経路を、また棒線はコイル56周辺の
電力経路を示している。
【0030】この制御装置41は、浮上体15に取付け
られて磁気支持ユニット31a〜31dによって形成さ
れる磁気回路中の起磁力あるいは磁気抵抗もしくは浮上
体15の運動の変化を検出するセンサ部61と、このセ
ンサ部61からの信号に基づいて各コイル56に電力を
供給するパワーアンプ63a〜63dとで構成されてい
る。
【0031】電源43はパワーアンプ63a〜63dに
電力を供給すると同時に、演算回路62およびギャップ
センサ34a〜34dに一定電圧で電力を供給する定電
圧発生装置42にも電力を供給している。
【0032】定電圧発生装置42は、パワーアンプ63
a〜63dへの大電流の供給などにより電源43の電圧
が変動しても常に一定の電圧で演算回路62およびギャ
ップセンサ34a〜34dに電力を供給する。このた
め、演算回路62およびギャップセンサ34a〜34d
は常に正常に動作する。
【0033】センサ部61は、前述したギャップセンサ
34a〜34dと、各コイル56の電流値を検出する電
流検出器65a〜65dとで構成されている。演算回路
62は、図1に示される運動座標毎に浮上体15の磁気
浮上制御を行っている。以下では、浮上体15のz座標
に関する磁気浮上制御系をzモード、y方向(案内方
向)の運動に関わる浮上体15のθ座標における磁気浮
上制御系をθyモード、ψ方向(ヨー方向)の運動に関
わる浮上体15のθ座標における磁気浮上制御系をθψ
モード、浮上体15のξ座標に関する磁気浮上制御系を
ξモードとする。この浮上制御方式については、たとえ
ば特開平1−315204号公報にも詳細に述べられて
いるので、ここでは省略する。
【0034】すなわち、演算回路62は、ギャップセン
サ34a〜34dからのギャップ長信号za〜zdが所
定の範囲内、たとえば、非常用ガイドレール13a,1
3bの上下壁のいずれか一方の内面に浮上体15の縦車
輪45が接触しない範囲内にあるか否かを判定する判定
回路71と、ギャップセンサ34a〜34dから得られ
たギャップ長信号za〜zdよりそれぞれのギヤップ長
設計値zao〜zdoを減算して得られるギャップ長偏
差信号Δza〜Δzdを演算する減算器80a〜80d
と、ギャップ長偏差信号Δza〜Δzdを用いて浮上体
15の重心のz方向(支持方向)の移動量Δz、同重心
のy方向(案内方向)の移動に伴う分割板26a,26
bのθ方向(ロール方向)のそれぞれの回転角の和Δθ
y、浮上体15のψ方向(ヨー方向)の回転に伴う分割
板26a,26bのθ方向(ロール方向)のそれぞれの
回転角の差Δθψおよび浮上体15のξ方向(ピッチ方
向)の回転角Δξを演算する浮上ギャップ長偏差座標変
換回路81と、電流検出器65a〜65dで得られた励
磁電流検出信号ia〜idよりそれぞれの電流設計値i
ao〜idoを減算して得られる電流偏差信号Δia〜
Δidを演算する減算器82a〜82dと、電流偏差信
号Δia〜Δidを用いて浮上体15の重心のz方向の
運動に関わる電流偏差Δiz、同重心のy方向の移動に
伴う分割板26a,26bのローリングに関わる電流偏
差Δiθy、浮上体15のψ方向の回転に伴う分割板2
6a,26bのローリングに関わる電流偏差Δiθψお
よび浮上体15のピッチングに関わる電流偏差Δiξを
演算する電流偏差座標変換回路83と、浮上ギャップ長
偏差座標変換回路81および電流偏差座標変換回路83
の出力Δz,Δθy,Δθψ,Δξ,Δiz,Δiθ
y,Δiθψ,Δiξを用いて浮上体15のy方向の移
動量Δy、同ψ方向の回転量Δψ、それらの時間変化率
Δy,Δψ(以下、記号“”は時間変化率を表
す)、分割板26a,26bに加えられたθ方向の外乱
トルクの和Tθyおよび同θ方向の外乱トルクの差Tθ
ψを演算し、z,θy,θψ,ξの各モードにおいて浮
上体15を安定に磁気浮上させるモード別電磁石制御電
圧ez,eθy,eθψ,eξを演算する制御電圧演算
回路84と、制御電圧演算回路84の出力ez,eθ
y,eθψ,eξに基づいて前記磁気支持ユニット31
a〜31dのそれぞれの電磁石励磁電圧ea〜edを演
算する制御電圧座標逆変換回路85とで構成されてい
る。そして、制御電圧座標逆変換回路85の演算結果、
つまり上述したea〜edがパワーアンプ63a〜63
dに与えられる。
【0035】制御電圧演算回路84は、Δz,Δizを
用いてzモードの電磁石制御電圧ezを演算する上下動
モード制御電圧演算回路86と、Δθy,Δiθyおよ
び判定回路71の出力信号GSを用いてθyモードの電
磁石制御電圧eθyを演算するロール・左右動モード制
御電圧演算回路87と、Δθψ,Δiθψおよび判定回
路71の出力信号GSを用いてθψモードの電磁石制御
電圧eθψを演算するロール・ヨーモード制御電圧演算
回路88と、Δξ,Δiξを用いてξモードの電磁石制
御電圧eξを演算するピッチモード制御電圧演算回路8
9とで構成されている。
【0036】上下動モード制御電圧演算回路86は図6
のように構成されている。すなわち、zモードの磁気浮
上制御系が浮上体15のy方向およびψ方向の運動とは
無関係であるとみなせるため、Δz,Δizを用いてΔ
zの時間変化率Δzの推定値Δ・∧z(以下、記号
“^”は推定値を表す)およびzモードの外力uzの推
定値uzを演算する上下動モード状態観測器90と、
Δz,Δ・∧z,Δiz,uzに適当なフィードバッ
クゲインを乗じるゲイン補償器91と、電流偏差目標値
発生器92と、Δizを電流偏差目標値発生器92の目
標値より減じる減算器93と、減算器93の出力値を積
分し適当なフィードバックゲインを乗じる積分補償器9
4と、ゲイン補償器91の出力値の総和を演算する加算
器95と、加算器95の出力値を積分補償器94の出力
値より減じてzモ−ドの電磁石励磁電圧ezを出力する
減算器96とで構成されている。
【0037】ピッチモード制御電圧演算回路89は、図
9に示すように、上下動モード制御電圧演算回路86と
同様に構成されている。すなわち、ξモードの磁気浮上
制御系も浮上体15のy方向およびψ方向の運動とは無
関係であるとみなせるため、上下動モード制御電圧演算
回路86における上下動モード状態観測器90を、Δ
ξ,Δiξを用いてΔ・∧ξおよびξモードの外乱トル
ク推定値Tξを演算するピッチモード状態観測器97
に置換えたものとなっており、他は上下動モード制御電
圧演算回路86と同一構成となっている。したがって、
この図9では対応する要素を同じ番号で示し、かつその
番号に添字aを付して示してある。
【0038】ロール・左右動モード制御電圧演算回路8
7は、図7に示すように構成されている。すなわち、Δ
θyを微分してΔθyを出力する微分器98と、Δθ
y,Δθy,Δiθyを用いてΔy,Δ・∧yおよび
θyモードの外乱トルク推定値Tθyを演算するロー
ル・左右動モード状態観測器99と、Δθy,Δθ
y,Δiθyに適当なフィードバックゲインを乗じるゲ
イン補償器91bと、Δy,Δ・∧y,Tθyに適
当なフィードバックゲインを乗じるゲイン補償器91
b′と、Δiθyを電流偏差目標値発生器92bの目標
値より減じる減算器93bと、減算器93bの出力値を
積分して適当なフィードバックゲインを乗じる積分補償
器94bと、ゲイン補償器91b,91b′の出力値の
総和を演算する加算器95bと、加算器95bの出力値
を積分補償器94bの出力値より減じてθyモードの電
磁石制御電圧eθyを出力する減算器96bとで構成さ
れている。
【0039】また、ロール・ヨーモード制御電圧演算回
路88は、図8に示すように構成されている。この図か
らも判るように、ロール・ヨーモード制御電圧演算回路
88は、図7に示したロール・左右動モード制御電圧演
算回路87と同様に構成されている。すなわち、Δθψ
を微分してΔθψを出力する微分器98aと、Δθ
ψ,Δθψ,Δiθψを用いてΔψ,Δ・∧ψおよび
θψモードの外乱トルク推定値Tθψを演算するロー
ル・ヨーモード状態観測器100と、Δθψ,Δθ
ψ,Δiθψに適当なフィードバックゲインを乗じるゲ
イン補償器91cと、Δψ, Δ・∧ψ,Tθψに適
当なフィードバックゲインを乗じるゲイン補償器91
c′と、Δiθψを電流偏差目標値発生器92cで設定
された目標値より減じる減算器93cと、減算器93c
の出力値を積分して適当なフィードバックゲインを乗じ
る積分補償器94cと、ゲイン補償器91c,91c′
の出力値の総和を演算する加算器95cと、加算器95
cの出力値を積分補償器94cの出力値より減じてθψ
モードの電磁石制御電圧eθψを出力する減算器96c
とで構成されている。
【0040】ここで、ロール・左右動モード制御電圧演
算回路87のゲイン補償器91bおよび積分補償器94
bと、ロール・ヨーモード制御電圧演算回路88のゲイ
ン補償器91cおよび積分補償器94cとは、図10
(a),(b) に示されるように、判定回路71の出力信号G
Sに基づいて、浮上体15が非常用ガイドレール13
a,13bに接触せずに浮上しているときにはゲイン
F,Kを、接触しているときにはゲインF′,K′を選
択する選択手段73a,73bを備えている。ここで、
ゲインF,Kは浮上体15の浮上状態を維持するのに適
した値であり、ゲインF′,K′は浮上状態にない浮上
体15を浮上させるのに適した値である。
【0041】さらに、ロール・左右動モード制御電圧演
算回路87のゲイン補償器91b′と、ロール・ヨーモ
ード制御電圧演算回路88のゲイン補償器91c′と
は、図11に示されるように、判定回路71の出力信号
GSに基づいて、浮上体15が非常用ガイドレール13
a,13bに接触せずに浮上しているときにはゲイン
F,Kを、接触しているときにはゼロを選択する選択手
段73cを備えている。
【0042】したがって、浮上体15が非接触で浮上し
ていない場合には、ロール・左右動モード状態観測器9
9およびロール・ヨーモード状態観測器100で観測さ
れる案内系の推定値Δy,Δ・∧y,Tθyおよび
Δψ,Δ・∧ψ,Tθψが電磁石制御電圧eθy,
eθψにフィードバックされず、案内系の物理量の演算
手段の一つであるロール・左右動モード状態観測器99
およびロール・ヨーモード状態観測器100の出力は無
効となる。
【0043】次に、上記のように構成された磁気浮上装
置の動作を説明する。装置が停止状態にあるときには、
非常用ガイドレール13a,13bの上下壁のいずれか
一方の内面に浮上体15の縦車輪45が接触している。
この状態で装置を起動させると、判定回路71の出力信
号GSに基づいて選択手段73a,73bがゲイン補償
器9lb(91c),積分補償器94b(94c)にお
いてそれぞれゲインF′,K′を選択するとともに、選
択手段73cがゲイン補償器91b′(91c′)にお
いてゼロを選択する。
【0044】このため、たとえば左右のガイドレール1
2a,12bの平面度に狂いがあり、それによって各ギ
ャップセンサ34a〜34dがあたかも浮上体15にロ
ールやヨーが発生している時のような信号を出力してい
ても、ロール・左右動モード状態観測器99およびロー
ル・ヨーモード状態観測器100の案内系の推定値Δ
y,Δ・∧y,TθyおよびΔψ,Δ・∧ψ,Tθ
ψが電磁石制御電圧eθy,eθψにフイードバックさ
れず、制御装置41は浮上系の状態変数のみを用いた浮
上制御を行うことになる。
【0045】これにより、制御装置41は各磁気支持ユ
ニット31a〜31dに設けられた永久磁石が発生する
磁束と同じ向きまたは逆向きの磁束を各磁気支持ユニッ
ト31a〜31dの電磁石で発生させるとともに、磁気
支持ユニット31a〜31dとガイドレール12a,1
2bとの間に所定のギャップ長を維持させるべく各励磁
コイル56に流す電流を制御する。
【0046】この結果、図4に示したように、各磁気支
持ユニットの近傍には、永久磁石53〜継鉄55〜ギャ
ップP〜ガイドレール12a(12b)〜ギヤップP〜
継鉄55〜永久磁石53の経路からなる磁気回路が形成
される。この場合、前記電流設計値iao〜idoおよ
びz〜ξモードの各電流偏差目標値発生器92,92
a,92b,92cの出力を零にセットしておくと、ギ
ャップ長は浮上体15など被支持体の重量と、各永久磁
石53の起磁力による各磁気支持ユニット31a〜31
dと各ガイドレール12a,12bとの間の磁気的吸引
力とが丁度釣合う値に落着くことになる。このとき、連
結機構27の存在によて、各磁気支持ユニット31a〜
31dとガイドレール12a,12bとの間のギャップ
長は、互いに干渉しない独立した値に保持される。制御
装置41は、この磁気ギャップ長を維持すべく各磁気支
持ユニット3Ia〜31dの電磁石の励磁電流制御を行
う。これによって、いわゆるゼロパワー制御がなされ
る。
【0047】そして、浮上体15が浮上すると、各ギャ
ツプセンサ34a〜34dの出力信号レベルが一定の範
囲に入り、判定回路71は浮上体15が浮上したと判定
する。この結果、選択手段73a〜73cは、判定回路
71の出力信号GSに基づいてゲイン補償器91b(9
1c),9Ib′(91c′)においてゲインFを、積
分補償器94b(94c)においてゲインKを選択す
る。すると、たとえば、浮上体15がガイドレール12
a,12bの曲線部分を通過するときなどのように、浮
上体15に走行方向と直交する方向の力、つまり案内方
向の外力が加わったことによって浮上体15がy方向お
よびψ方向に揺れようとしても、上記揺れに伴うΔθ
y,Δθy,Δiθy,Δθψ,ΔθψおよびΔiθ
ψの変化から直ちにロール・左右動モード状態観測器9
9およびロール・ヨーモード状態観測器100により推
定値Δy,Δ・∧y,T y,Δψ,Δ・∧ψおよ
びTθψが演算される。
【0048】これらの推定値はゲイン補償器91b′
(9Ic′)を介してθyモードの電磁石制御電圧eθ
yおよびθψモードの電磁石制御電圧eθψにフィード
バックされ、eθyおよびeθψは制御電圧座標逆変換
回路85によって磁気支持ユニツト31a〜31dのそ
れぞれの電磁石励磁電圧ea〜edに変換される。
【0049】したがって、図2を参照しながら説明する
と、磁気支持ユニット31a〜31dのうちのガイドレ
ール12a(12b)の中心から遠ざかる磁気支持ユニ
ットについては吸引力が増加し、ガイドレール12b
(12a)の中心に近付く磁気支持ユニットについては
吸引力が減少するように制御装置41が各コイル56を
励磁することになる。このため、浮上体15に生じたy
方向およびψ方向の揺れは、連結機構27を軸とした分
割板26a,26bの互いに独立したローリングととも
に急速に減衰し、再び安定した磁気浮上状態に回復する
ことになる。
【0050】なお、浮上体15がリニア誘導電動機の固
定子の真下にあるときに固定子を付勢すると、基台25
が固定子から推進力を受ける。この結果、浮上体15は
磁気浮上状態のままガイドレール12a,12bに沿っ
て走行を開始する。浮上体15が空気抵抗等の影響で完
全に静止するまでの間に再び固定子が配置されていれ
ば、浮上体15は再度推進力を受ける。このため、ガイ
ドレール12a,12bに沿った移動を持続する。した
がって、浮上体15を非接触状態で目的とする地点まで
移動させることができる。
【0051】ところで、浮上体15が浮上方向の強い力
を受けて縦車輪45が非常用ガイドレール13a(13
b)に接触するようなことがあると、ロール・左右動モ
ード状態観測器99およびロール・ヨーモード状態観測
器100で演算される案内系の推定値Δy,Δ
・∧y,TθyおよびΔψ,Δ・∧ψ,Tθψに誤
差が生じて浮上体15の浮上状態への回復が困難にな
る。
【0052】しかし、この例においては、各ギャップセ
ンサ34a〜34dの出力信号が一定範囲を超えて小さ
くなったり、大きくなったりしたときに、縦車輪45が
非常用ガイドレール13a,13bに接触したと判定回
路71が判定する。そして、判定回路71の出力信号G
Sに基づいて選択手段73a,73bがゲイン補償器9
lb(91c),94b(94c)においてゲイン
F′,K′を選択するとともに、選択手段73cがゲイ
ン補償器91b′(91c′)においてゼロを選択す
る。この結果、ロール・左右動モード状態観測器99お
よびロール・ヨーモード状態観測器100によって演算
される誤差を含む推定値Δy,Δ・∧y,Tθyお
よびΔψ,Δ・∧ψ,Tθψが電磁石制御電圧eθ
y,eθψにフィードバックされず、制御装置41は浮
上系の状態変数のみを用いた浮上制御を行うことにな
る。そして、上述の浮上方向の外力が取除かれれば、浮
上体15は再び安定した磁気浮上状態に回復することに
なる。
【0053】なお、本発明は上述した例に限定されるも
のではない。たとえば、上述した例では、基台25が2
つの分割板26a,26bとこれらを互いに回転可能に
連結する連結機構27とで構成し、浮上体15に取付け
られる磁気支持ユニット31a〜31dの浮上ギャップ
長が互いに独立に設定できるような構成となっている
が、これは磁気支持ユニットの浮上体15への取付け方
法を何等限定するものではなく、図12に示すように、
高剛性の平板で構成される基台25の四隅に磁気支持ユ
ニット31a〜31dを取付け、それぞれの磁気支持ユ
ニット31a〜31dの浮上ギャップ長が互いに独立に
変化しないようにしてもよい。
【0054】先の例では、浮上体のψ方向の回転運動が
2つの分割板26a,26bの互いに逆向きのθ方向の
回転運動に関係するが、基台25を一枚の平板で構成し
た場合には無関係になる。以下では、2つの分割板26
a,26bの互いに逆向きのθ方向の回転運動とは無関
係になった浮上体15aのψ方向の回転運動をψモード
とする。それぞれの磁気支持ユニット31a〜31dの
浮上ギャップ長が互いに独立に変化しない場合の各磁気
支持ユニット31a〜31dの電磁石励磁電流をゼロに
収束させるゼロパワー制御方式とこれに関わる案内制御
方式については、たとえば、本出願人が先に提唱た特願
平4−351167号にも述べられており、ここではそ
の詳細な説明を省略する。
【0055】この磁気浮上装置10aは、磁気支持ユニ
ツト31a〜31dを高剛性の基台25に取付けて浮上
体15aを構成している。この磁気浮上装置10aにお
いては、先の磁気浮上装置10で用いている制御装置4
1と同様の構成の制御装置41aが用いられている。
【0056】制御装置41aの構成を図13に示す。制
御電圧演算回路84bにおいて、上下動モード制御電圧
演算回路86b、ロール・左右動モード制御電圧演算回
路87bおよびピッチモード制御電圧演算回路89b
は、先の例の上下動モード制御電圧演算回路86、ロー
ル,左右動モード制御電圧演算回路87およびピッチモ
ード制御電圧演算回路89と同様に構成されている。
【0057】浮上体15aにおける基台25が高剛性を
有するため、先の例で用いている浮上ギャップ長偏差座
標変換回路81とロール・ヨーモード制御電圧演算回路
88とが浮上ギャップ長偏差座標変換回路81bとヨー
モード制御電圧演算回路227に変更されている。そし
て、制御電圧演算回路84bの出力ez,eθy,eθ
ψ,eξに基づいて制御電圧座標逆変換回路85bが磁
気支持ユニット31a〜31dのそれぞれの電磁石励磁
電圧ea〜edを演算する。
【0058】浮上ギャップ長偏差座標変換回路81b
は、ギヤップ長偏差信号Δza〜Δzdから浮上体15
aの重心のz方向(支持方向)の移動量Δz、同重心の
y方向(案内方向)の移動に伴う基台25のθ方向(ロ
ール方向)の回転角Δθy、浮上体15aのξ方向(ピ
ッチ方向)の回転角Δξを演算する。
【0059】一方、ヨーモード制御電圧演算回路227
は、図14のように構成されている。すなわち、Δiθ
ψおよびψモードの電磁石制御電圧eθψを導入して浮
上体15aのヨー角Δψおよびヨー方向角速度Δψのそ
れぞれの推定値ΔψおよびΔ・∧ψを推定してΔ
ψ,Δ・∧ψおよびΔiθψを出力するヨーモード状
態観測器230と、Δiθψに適当なフィードバックゲ
インを乗じるゲイン補償器91dと、ΔψおよびΔ
・∧ψに適当なフィードバックゲインを乗じるゲイン補
償器91d′と、Δiθψを電流偏差目標値発生器92
dで設定された目標値より減じる減算器93dと、減算
器93dの出力値を積分し適当なフィードバックゲイン
を乗じる積分補償器94dと、ゲイン補償器91d,9
1d′の出力値の総和を演算する加算器95dと、加算
器95dの出力値を積分補償器94dの出力値より減じ
てψモードの電磁石制御電圧eθψを出力する減算器9
6dとで構成されている。
【0060】ここで、ゲイン補償器91dおよび積分補
償器94dは、先の例におけるゲイン補償器91bおよ
び積分補償器94bの場合と同様に判定回路71の出力
信号GSに基づいて動作する選択手段によりゲインを選
択するようにしている。さらに、ゲイン補償器9ld′
も、ゲイン補償器91b′の場合と同様に判定回路71
の出力信号GSに基づいて動作する選択手段により案内
系の物理量推定値Δψ,Δ・∧ψの電磁石制御電圧e
θψへのフィードバックに関して有効、無効を選択す
る。
【0061】こうした構成により、基台25が分割され
ておらず、取扱いが容易で高い剛性を有する浮上体15
aにおいても先の例と同様の効果を得ることができる。
また、上記各例では、浮上体15(15a)が強磁性の
ガイドに沿って走行可能なように強磁性のガイドとして
2本のガイドレール12a,12bが用いられている
が、これは強磁性のガイドの配置、形状および個数を何
等限定するものではない。たとえば、図15に示すよう
に、電磁石51、52の継鉄55を覆う長方形より長
さ、幅とも短く形成された4つのガイド123a〜12
3dに対して、磁気支持ユニット31a〜31dを、ψ
方向に回転した浮上体15に加わる各磁気支持ユニット
31a〜31dにおけるX方向の案内力とy方向の案内
力とが浮上体15に同一方向のヨーイングを発生させる
ように対向配置させても何等差支えない。
【0062】磁気支持ユニット31a〜31dをこのよ
うに配置すると、浮上体15の磁気浮上系において浮上
体15のピッチングが前後方向(x方向)の揺れと干渉
することになる。この運動系をξxモードとする。ま
た、この配置により浮上体15に加わるψ方向のトルク
がx方向の案内力とy方向の案内力との和で決定される
ため、浮上体15のヨーイングを効果的に減衰させるこ
とが可能となる。
【0063】こうした構成は、防振台等に有効である。
この例における浮上案内制御方式については、本出願人
が先に提唱た特開平1−315204号公報にも述べら
れており、ここではその詳細な説明を省略する。
【0064】図16には図15の組み合わせに対処する
制御装置41bが示されている。すなわち、演算回路6
2cの制御電圧演算回路84cは、図5に示されている
ピッチモード制御電圧演算回路89をΔξ,Δiξより
ξxモードの電磁石励磁電圧eξxを演算するピッチ・
前後動モード制御電圧演算回路128に置換えて構成さ
れている。
【0065】ξxモードでは磁気浮上系がθyモードと
同様に記述できるため、ピッチ・前後動モード制御電圧
演算回路128はロール・左右動モード制御電圧演算回
路87と同じ構成となる。すなわち、図17にも示すよ
うに、Δξxを微分してΔξxを出力する微分器98
eと、Δξx,Δξx,Δiξを用いてΔx,Δ・∧
xおよびξxモードの外乱トルク推定値Tξを演算す
るピッチ・前後動モード状態観測器97cと、Δξ,Δ
ξ,Δiξに適当なフィードバックゲインを乗じるゲ
イン補償器91eと、Δ^x,Δ・∧x,Tξに適当
なフィードバックゲインを乗じるゲイン補償器9Ie′
と、Δiξを電流偏差目標値発生器92eの目標値より
減じる減算器93eと、減算器93eの出力値を積分し
適当なフィードバックゲインを乗じる積分補償器94e
と、ゲイン補償器91e,91e′の出力値の総和を演
算する加算器95eと、加算器95eの出力値を積分補
償器94eの出力値より減じてξxモードの電磁石制御
電圧eξxを出力する減算器96eとで構成されてい
る。
【0066】ここで、ゲイン補償器91eおよび積分補
償器94eは、先に説明したゲイン補償器91bおよび
積分補償器94bの場合と同様に判定回路71の出力信
号GSに基づいて動作する選択手段によってゲインを選
択するように構成されている。さらに、ゲイン補償器9
1e′についても、ゲイン補償器91e′の場合と同様
に、判定回路71の出力信号GSに基づいて動作する選
択手段によって案内系の物理量推定値Δx,Δ・∧
およびTξの電磁石制御電圧eθψへのフイードバッ
クに関して有効、無効を選択するようにしている。
【0067】また、上述した各例では、2本のガイドレ
ールにそれぞれ2つの磁気支持ユニットの数が対向して
いるが、これは基台を磁気浮上させるための磁気支持ユ
ニットの個数、ガイドレールの本数を何等限定するもの
でない。本発明に係わる磁気浮上装置は、用途、浮上体
の形状、積載重量等により、たとえば図18,図19に
示すように種々変形可能である。
【0068】図18には3本のガイドレール12a,1
2b,12cのそれぞれに2組が対向するように基台2
5bに磁気支持ユニット31a〜31fを取り付けて浮
上体15bを構成した例が示されている。
【0069】こうした構成を採用すると、浮上体の総重
量が各ガイドレールに分散されるためガイドレール1本
当たりに加わる負荷重量を小さくすることができる。図
19には8個の磁気支持ユニット31a〜31hを基台
25cに取り付けて浮上体15cを構成した例が示され
ている。
【0070】この構成では、浮上体の総重量が磁気支持
ユニットに分散されるため、磁気支持ユニット1個当た
りに加わる負荷重量を小さくすることができる。また、
上述した各例では、磁気支持ユニットを水平に基台に取
付け、かつ平板状のガイドレールの下面に対向配置させ
ている。しかし、本発明は、この配置関係やガイドレー
ルの断面形状に限定されるものではない。
【0071】すなわち、磁気支持ユニットがガイドレー
ルに対して吸引力を発生し、この吸引力で磁気制御が実
現できればよく、この条件を満たせば、ガイドもしくは
ガイドレールがどのような配置および断面形状であって
もよい。たとえば図20〜図23に示されるように種々
の変形が可能である。
【0072】すなわち、図20に示されている例では、
幅が磁気支持ユニット31a〜31d(但し、ユニット
3lc,31dは図示せず)の継鉄55間の外側寸法と
同等の平板状ガイドレール314a,314bを軌道枠
316に傾けて取付け、さらに磁気支持ユニット31a
〜31dをガイドレール314a,314bの下面に対
向させるとともに支持方向の浮上ギャップ長が検出でき
るようにギャップセンサ34a〜34d(但し、センサ
34c,34dは図示せず)を基台25dの上面に配置
して浮上体15dを構成している。この場合、磁気支持
ユニット31a〜3ldとガイドレール314a,31
4bとの間に発生する吸引力は、支持力(Z方向)と案
内力(y方向)とに分解されるため、強い案内力を得る
ことができる。
【0073】図21に示される例では、断面が磁気支持
ユニット31a〜3Id(但し、ユニット31c,31
dは図示せず)の2つの継鉄55に対向するU字形状ガ
イドレール3I8a,318bを軌道枠320に縦に取
付け、H字状の断面形状を有する基台25eの側面四隅
に磁気支持ユニット31a〜31dをガイドレール31
8a,318bに対向させて配置し、さらに案内方向の
ギャップ長が検出できるようにギヤツプセンサ34a〜
34d(但し、センサ34c,34dは図示せず)を磁
気支持ユニット31a〜3Idに取付けて浮上体15e
を構成している。また、基台25eの上方には、制御装
置41c、電源43および荷台322が配置されてい
る。
【0074】ここで、制御装置41cは図22に示すよ
うに構成されている。制御装置41cは、全体的には図
5に示される制御装置41と同様の構成となっている
が、ギャップセンサ34a〜34dでは案内方向の浮上
ギャップ長が検出されるため、図5中の減算器80a〜
80dの入出力信号でzの付された信号は図22におい
てはyが付されている。つまり、制御装置41cでは、
センサ部61で検出される案内方向の物理量を演算回路
62fに導入し、支持方向の物理量を演算するとともに
支持方向物理量の演算結果に基づいて磁気支持ユニット
31a〜31dの励磁電圧ea〜edを得るための演算
を行っている。
【0075】すなわち、演算回路62fは、ギャップセ
ンサ34a〜34dからのギャップ長信号ya〜ydが
所定の範囲内、たとえばガイドレール318a,318
bのいずれか一方の内面に浮上体15gが接触しない範
囲内にあるか否かを判定する判定回路71と、ギャップ
センサ34a〜34dからのギャップ長信号ya〜yd
よりそれぞれのギャップ長設計値yao〜ydoを減算
して得られるギャップ長偏差信号Δya〜Δydを演算
する減算器80a〜80dと、ギャップ長偏差信号Δy
a〜Δydから浮上体15eの重心のy方向(案内方
向)の移動量Δy、浮上体15eのψ方向(ヨー方向)
の回転に伴う基台25eの回転角Δψを演算する浮上ギ
ャップ長偏差座標変換回路81fと、電流検出器65a
〜65dからの励磁電流検出信号ia〜idよりそれぞ
れの電流設計値1ao〜idoを減算して得られる電流
偏差信号Δia〜Δidを演算する減算器82a〜82
dと、電流偏差信号Δia〜Δidを用いて浮上体15
eの重心のz方向の運動に関わる電流偏差Δiz、同重
心のy方向の移動に伴う浮上体I5eのローリングに関
わる電流偏差Δiθy、浮上体15eのψ方向の回転に
関わる電流偏差Δiθψおよび浮上体15eのピッチン
グに関わる電流偏差Δiξを演算する電流偏差座標変換
回路83fと、浮上ギャップ長偏差座標変換回路81f
および電流偏差座標変換回路83fの出力Δy,Δψ,
Δiz,Δiθy,Δiθψ,Δiξを用いて浮上体1
5eのz方向の移動量Δz,同ロール角Δθyおよび同
ピッチ角Δξ,それらの時間変化率Δz,Δθy,Δ
ξ(以下、記号“”は時間変化率を表す),浮上体1
5eに加えられたθ方向の外乱トルクTθyおよび同ψ
方向の外乱トルクTψを演算し、z,θy,ψ,ξの各
モードにおいて浮上体15eを安定に磁気浮上させるモ
ード別電磁石制御電圧ez,eθy,eθψ,eξを演
算する制御電圧演算回路84fと、制御電圧演算回路8
4fの出力ez,eθy,eθψ,eξに基づいて磁気
支持ユニット31a〜31dのそれぞれの電磁石励磁電
圧ea〜edを演算する制御電圧座標逆変換回路85f
とで構成されている。そして、制御電圧座標逆変換回路
85fの演算結果、つまり上述したea〜edがパワー
アンプ63a〜63dに与えられる。
【0076】制御電圧演算回路84fは、Δizおよび
判定回路71の出力信号GSを用いてzモードの電磁石
制御電圧ezを演算する上下動モード制御電圧演算回路
86fと、Δy,Δiθyおよび判定回路71の出力信
号GSを用いてθyモードの電磁石制御電圧eθyを演
算するためのロール・左右動モード制御電圧演算回路8
7fと、Δψ,Δiθψおよび判定回路71の出力信号
GSを用いてψモードの電磁石制御電圧eθψを演算す
るヨーモード制御電圧演算回路227fと、Δiξおよ
び判定回路71の出力信号GSを用いてξモードの電磁
石制御電圧eξを演算するピッチモード制御電圧演算回
路89fとで構成されている。
【0077】これらのうち、上下動モード制御電圧演算
回路86fおよびピッチモード制御電圧演算回路89f
は、図13を用いて説明した浮上体15aのヨーモード
制御電圧演算回路227と同一構成となるので、図14
中の()内に各信号を記し、説明は省略する。また、ロ
ール・左右動モード制御電圧演算回路87f、ヨーモー
ド制御電圧演算回路227fも、それぞれ前述した浮上
体15のロール・左右動モード制御電圧演算回路87、
上下動モード制御電圧演算回路86と同一構成となるの
で、図6および図7中の()内に各信号を記し、説明は
省略する。ただし、これらの図において、uy,T
ψはそれぞれ浮上体15eに加わるy方向の外力推定値
およびψ方向の外乱トルク推定値である。また、ψモー
ドにおいては案内方向のみで磁気浮上制御が行われてお
り、支持方向物理量の演算を行っていないことは言うま
でもない。
【0078】このように、案内方向の物理量から支持方
向の物理量を演算して磁気浮上制御を行う場合でも、判
定回路71が浮上体15eとガイドレール318a(3
18b)との接触を検出すると、選択手段73cの動作
により、各電磁石制御電圧ez,eθy,eξへの支持
方向物理量のフイードバツクが無効となり、案内方向物
理量のフィードバックによって浮上体15eは軌道32
0の中央に戻される。すると、ガイドレール318a,
318bに対して磁気支持ユニット31a〜31dが発
生する上下方向のならい力によって浮上体15eは再び
浮上状態に復帰する。そして、判定回路71が浮上体1
5eの浮上状態への復帰を検出すると、選択手段73c
の動作により、各電磁石制御電圧ez,eθy,eξへ
の支持方向物理量のフイードバックが有効となり、これ
によって案内方向および支持方向において磁気浮上制御
が開始され、安定な磁気浮上状態が実現される。
【0079】この例では、継鉄55がz方向にずれたと
きにガイドレール318a,318bに作用する上方向
の吸引力で浮上体15eの総重量を支持しているため、
継鉄55とガイドレール318a,318bとの間の吸
引力の大部分を案内力に利用することができる。
【0080】さらに、図23に示される例では、図21
のギャップセンサ34a〜34d(但し、センサ34
c,34dは図示せず)が基台25eの四隅下端に下向
きに取付けられているとともに、浮上方向の物理量から
案内方向の物理量を演算することになるので制御装置4
1cが制御装置41aに変更されている。ここでは、浮
上体15fが下方に移動したとき各磁気支持ユニットの
ギャップ長が減少するので、この制御装置41aでは、
ギャップセンサ34a〜34dに基づくz,θ,ξの各
モードの信号が入力されるゲイン補償器のすべてのゲイ
ンの符号が反転されている。この例では、浮上力に比べ
て非常に強い案内力が得られるとともに、浮上案内兼用
制御により浮上体15eに生じた横揺れやヨーイングを
速やかに収束させることができる また、上記各例では、電磁石51,52の間に永久磁石
53を介在させた磁気支持ユニット31を用いている
が、これは磁気支持ユニットの構成要素を何等限定する
ものでなく、磁気支持ユニットを電磁石のみで構成する
等、種々変形が可能である。また、上記各例では、制御
装置およびその動作をアナログ制御的に表現してある
が、これは制御方式の様式を特定するものでなく、デジ
タル制御を用いたものであって何等差支えない。
【0081】さらに、上記各例では、磁気支持ユニット
と同数の運動座標系毎に浮上制御を行うモード別制御方
式と電磁石励磁電流検出値とその目標値との偏差を積分
補償器87を介して電磁石励磁電圧にフィードバックす
る電流積分帰還方式とを併用して浮上体を磁気浮上させ
ているが、これは浮上体の磁気浮上制御に用いられる制
御方式を何等特定するものでなく、要はセンサの出力に
基づいて得られる支持力(案内力)の制御に必要な単数
あるいは複数の物理量より案内力(支持力)の制御に必
要な単数あるいは複数の物理量を演算し、その演算結果
を浮上体の磁気浮上制御に用いていれば、いかなる制御
方式を適用しても何等差支えない。
【0082】また、上記各例では、案内方向(支持方
向)物理量の演算誤差が少ない範囲内に空隙長がある時
に演算した推定値のフードバックが有効となるような選
択手段を用いているが、これは選択手段への入力信号を
何等限定するものでなく、センサ部で検出されるいかな
る物理量を用いてもよい。このほか、本発明の要旨を逸
脱しない範囲で種々変更可能である。
【0083】
【発明の効果】本発明によれば、支持方向(案内方向)
物理量から案内方向(支持方向)物理量を演算し、浮上
体がガイドレールに接触するなど、演算誤差が大きくな
る範囲にセンサ部の出力がある場合には演算結果が電磁
石励磁電圧にフィードバックされないようにしているの
で、浮上状態にない浮上体を確実に浮上状態に復帰させ
ることができる。したがって、浮上および案内を磁気吸
引力を用いて行う磁気浮上装置おいて、浮上体の支持お
よび案内のために必要な電磁石の数を減らした状態で浮
上体を確実に浮上させることができ、装置の小型化、軽
量化を図れるとともに、より安定な浮上状態を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る磁気浮上装置に
おける要部を一部切欠して示す斜視図
【図2】同要部の横断面図
【図3】同要部の一部切欠した側面図
【図4】同装置に組み込まれた磁気支持ユニットの縦断
面図
【図5】同装置における制御装置のブロック構成図
【図6】同制御装置の制御電圧演算回路における上下動
モード制御電圧演算回路のブロック構成図
【図7】同制御装置の制御電圧演算回路におけるロール
・左右動モード制御電圧演算回路のブロック構成図
【図8】同制御装置の制御電圧演算回路におけるロール
・ヨーモード制御電圧演算回路のブロック構成図
【図9】同制御装置の制御電圧演算回路におけるピッチ
モード制御電圧演算回路のブロック構成図
【図10】同制御電圧演算回路におけるゲイン補償器お
よび積分補償器のブロック構成図
【図11】同制御電圧演算回路における別のゲイン補償
器のブロック構成図
【図12】本発明の第2の実施形態に係る磁気浮上装置
における要部を一部切欠して示す斜視図
【図13】同装置における制御装置のブロック構成図
【図14】同制御装置の制御電圧演算回路におけるヨー
モード制御電圧演算回路のブロック構成図
【図15】本発明の第3の実施形態に係る磁気浮上装置
における要部の上面図
【図16】同装置における制御装置のブロック構成図
【図17】同制御装置の制御電圧演算回路におけるピッ
チ・前後動モード制御電圧演算回路のブロック構成図
【図18】本発明の第4の実施形態に係る磁気浮上装置
における要部の上面図
【図19】本発明の第5の実施形態に係る磁気浮上装置
における要部の上面図
【図20】本発明の第6の実施形態に係る磁気浮上装置
における要部の正面図
【図21】本発明の第7の実施形態に係る磁気浮上装置
における要部の正面図
【図22】同装置における制御装置のブロック構成図
【図23】本発明の第8の実施形態に係る磁気浮上装置
における要部の正面図
【符号の説明】
10,10a…磁気浮上装置 11,316,320…軌道枠 12a,12b,12c,314a,314b,318
a,318b…ガイドレール 13a,13b…非常用ガイドレール 15,15a,15b,15c,15d,15e,15
f…浮上体 16…リニア誘導電動機の固定子 25,25a,25b,25c,25d,25e…基台 26a,26b…分割板 27…連結機構 31a〜31h…磁気支持ユニット 34a〜34d…ギャップセンサ 41,41a,41b,41c…制御装置 42…定電圧発生装置 43…電源 56…コイル 61…センサ部 62,62b,62c,62f…演算回路 63a〜63d…パワーアンプ 65a〜65d…電流検出器 71…判定回路 73a〜73c…選択手段 81,81b,81f…浮上ギャップ長偏差座標変換回
路 83,83f…励磁電流偏差座標変換回路 84,84b,84c,84f…制御電圧演算回路 85,85b,85f…制御電圧座標逆変換回路 86,86b,86f…上下動モード制御電圧演算回路 87,87b,87f…ロール・左右動モード制御電圧
演算回路 88…ロール・ヨーモ−ド制御電圧演算回路 90,97…上下動モード状態観測器 91,91a,91b,91b′,91c,91c′,
91d,91d′…ゲイン補償器 94,94b,94c,94d,94e…積分補償器 97c…ピッチ・前後動モード状態観測器 99…ロール・左右動モード状態観測器 100…ロール・ヨーモード状態観測器 128…ピッチ・前後動モード制御電圧演算回路 227,227f…ヨーモード制御電圧演算回路 230…ヨーモード状態観測器

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁性体で形成されたガイドと、前記 ガイドの近傍に配置された浮上体と、 前記ガイドに空隙を介して対向するように前記浮上体に
    搭載された電磁石を含み、前記ガイドで前記浮上体を磁
    気力支持させるための支持力と支持方向に対して略直
    交する方向に前記浮上体を案内するための案内力とを同
    時に発生する磁気支持ユニットと、 前記電磁石前記ガイドおよび前記空隙を通る磁気回路
    の状態を検出するセンサ部と、前記センサ部の出力に基づき前記支持力の制御に必要な
    少なくとも一つの第1の物理量及び前記案内力の制御に
    必要な前記磁気回路に関わる少なくとも一つの第2の物
    理量のうちのいずれか一方の物理量の検出演算を行うと
    共に、該一方の物理量から他方の物理量の推定演算を行
    う演算手段と、 前記演算手段により演算される前記第1および第2の物
    理量に基づき、前記磁気回路を安定化させるように前記
    電磁石の励磁電流を制御して前記浮上体を磁気浮上させ
    る制御手段と、 前記センサ部の所定の出力が所定範囲内にあるか所定範
    囲外にあるかを判定する判定手段と、 前記判定手段により前記センサ部の出力が所定範囲外に
    あると判定されたとき、前記演算手段により演算される
    前記第1および第2の物理量のうち前記推定演算により
    求められる前記他方の物理量の出力を無効にする 手段と
    を備えていることを特徴とする磁気浮上装置。
  2. 【請求項2】前記演算手段は、前記センサ部の出力に基
    づいて前記第1の物理量の検出演算を行い、該第1の物
    理量から前記第2の物理量として互いに略直交する2方
    向のそれぞれの案内力の制御に必要な物理量の推定演算
    を行うことを特徴とする請求項1に記載の磁気浮上装
    置。
  3. 【請求項3】前記センサ部の所定の出力は、前記空隙
    空隙長を示す出力であることを特徴とする請求項1又2
    に記載の磁気浮上装置。
  4. 【請求項4】前記磁気支持ユニットは前記磁気回路中に
    介在して前記浮上体を浮上させるのに必要な起磁力を供
    給する永久磁石を備えており、前記制御手段は前記セン
    サ部の出力に基づいて前記電磁石の励磁電流が零になる
    状態で常に磁気回路を安定化させるゼロパワー浮上制御
    手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の磁
    気浮上装置。
  5. 【請求項5】前記第1の物理量は、前記空隙の支持方向
    の距離またはその時間変化率または前記電磁石の励磁電
    流値もしくはそれらの関数であることを特徴とする請求
    項1又は2に記載の磁気浮上装置。
  6. 【請求項6】前記第2の物理量は、前記磁気支持ユニッ
    トの前記案内方向の移動量またはその時間変化率または
    外部より前記浮上体に加えられた外力もしくはそれらの
    関数であることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁
    気浮上装置。
  7. 【請求項7】前記演算手段は、状態観測器を備えている
    ことを特徴とする請求項1に記載の磁気浮上装置。
  8. 【請求項8】前記ガイドは複数の地点間を経由する搬送
    路に沿って敷設されたガイドレールであり、このガイド
    レールに沿って前記浮上体を走行させるための推進手段
    が前記搬送路または前記浮上体に設けられていることを
    特徴とする請求項1に記載の磁気浮上装置。
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