JPH0885625A - 磁石軌道配置式磁気浮上搬送装置 - Google Patents

磁石軌道配置式磁気浮上搬送装置

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JPH0885625A
JPH0885625A JP6223788A JP22378894A JPH0885625A JP H0885625 A JPH0885625 A JP H0885625A JP 6223788 A JP6223788 A JP 6223788A JP 22378894 A JP22378894 A JP 22378894A JP H0885625 A JPH0885625 A JP H0885625A
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track
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Abstract

(57)【要約】 【目的】多種多様の強磁性被搬送体を軌道の拡張性を損
なわずに非接触で搬送する磁石軌道配置式磁気浮上搬送
装置を提供する。 【構成】単位支持要素3、単位推進要素5および単位案
内要素7で軌道が構成される。単位支持要素3には複数
の磁気支持ユニット15が上下方向に移動可能に取り付
けられている。吸引力制御手段19は、鋼板Xの単位支
持要素3に重なる部分の重心の上下動に寄与する浮上制
御と鋼板Xの同部分のローリングに寄与する浮上制御を
行なう。高さ制御装置53で高さ調節機構を制御して鋼
板Xの高さが所定位置に保たれる。鋼板Xのピッチング
については各単位支持要素3に備えられたコイルスプリ
ング47とダンパ49とにより安定化が図られる。単位
推進要素5では鋼板Xを移動させるとともにヨーイング
を減少させる。単位案内要素7では鋼板Xの左右方向の
案内を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼板等の強磁性体から
なる被搬送体を吸引式磁気浮上によって非接触で搬送す
る磁石軌道配置式磁気浮上搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、製鉄所の冷間圧延工程では、
鋼板加工装置間において鋼板を輸送するに当たり、通
常、搬送方向にローラを多数配置したローラ軌道を用い
て搬送する方法が採用されている。また、自動車工場等
の鋼板プレス工程では、一般的にプレス加工される鋼板
を台車やクレーンを用いてプレス加工装置まで搬送する
方法が採用されている。
【0003】しかしながら、ローラ軌道を用いる方法で
は、ローラ上にゴミ等があった場合に、軌道を移動する
鋼板の表面に傷が付き易く、商品価値を著しく下げる虞
がある。このため、ゴミ等がローラに付着しないよう
に、常にローラを整備しなければならず、多大の労力と
費用を必要とする問題があった。また、台車やクレーン
による方法では、鋼板の積み降しの際に傷が生じ易いば
かりか、移載に多くの時間を費やす問題があった。
【0004】そこで、こうした問題を解消すべく、最近
では、様々な装置が開発され始めている。たとえば、軌
道に電磁石を多数配置し、電磁石の下方を軌道に沿って
移動する鋼板の端部が電磁石に差掛かろうとするところ
で電磁石を次々に励磁していき、電磁石の吸引力を鋼板
の重量支持と鋼板への推力付与に使用する一方で、電磁
石と鋼板との間に設けられた圧縮空気の通路から鋼板側
に空気を噴き出して鋼板が電磁石に吸着されるのを防止
するとともに、鋼板を非接触で支持する装置が開発され
ている(日経メカニカル1989.6.12 )。また、薄板鋼板
を4つの電磁石で支持しようとする研究(電気学会産業
応用部門全国大会予稿集,平成1年7月,p915 )や、
鋼板を特殊形状の電磁石を用いた非接触で案内しようと
する装置も開発され始めている(特開平2-270739号公
報)。
【0005】しかし、これらの技術は、装置が複雑であ
ったり、搬送できる鋼板の寸法や重量の範囲が狭かった
りし、多種多様の鋼板を長距離に亘って搬送するのは困
難が予想される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、鋼板を傷
付けることなく搬送する場合、機械的な接触を用いる手
段では、保守や搬送時の衝撃防止策に多大の労力と時間
とが必要となる。また、従来技術による非接触搬送手段
では、搬送できる鋼板の寸法や重量が限られていたり、
装置が複雑で長距離搬送を行うことが困難であるなどの
問題があった。
【0007】そこで本発明は、磁性材で形成された多種
多様の被搬送物を長距離に亘り非接触で搬送することが
でき、かつ搬送ラインを容易に構築できる磁石軌道配置
式磁気浮上搬送装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、被搬送体の搬送経路に沿って磁気力支持
系を備えた軌道を配置し、上記磁気力支持系の磁気吸引
力を制御して前記被搬送体を非接触支持するようにした
磁石軌道配置式磁気浮上搬送装置において、前記軌道は
前記搬送方向に複数個配置された単位支持要素を含んで
構成されており、前記各単位支持要素は、軌道枠と、電
磁石を含み前記軌道枠に上下方向の移動を許容する取付
手段を介して前記被搬送体の搬送方向とほぼ直交する方
向に複数配置された磁気支持ユニットと、前記被搬送体
が前記各磁気支持ユニットの下方にあるときのみ前記各
磁気支持ユニットの前記電磁石を制御して前記被搬送体
の鉛直運動についての浮上制御と前記被搬送体のローリ
ングについての浮上制御とを行う吸引力制御手段とを具
備してなることを特徴としている。
【0009】
【作用】本発明によれば、単位支持要素毎に被搬送体の
鉛直運動についての浮上制御とローリングについての浮
上制御がなされ、また取付手段により磁気支持ユニット
が上下に可動であることにより単位支持要素間での被搬
送体のピッチングを抑制することが可能となる。このた
め、被搬送体の全長のみならず、被搬送体の全幅が多種
多様であっても被搬送体の上下動およびローリングを単
位支持要素毎で抑制して安定に浮上させることができ、
かつ取付手段によって被搬送体のピッチングを抑制する
ことができ、もって被搬送体全体を非接触支持すること
が可能となる。さらに、被搬送体の重量や慣性モーメン
トが異なる場合でも、そうした差異が各単位支持要素に
分配されるので、個々の単位支持要素の集合として形成
される磁石軌道配置式磁気浮上搬送装置全体としてより
広範囲の重量および慣性モーメントを持つ被搬送体を非
接触支持することが可能となる。また、一本の軌道で複
数の被搬送体の非接触搬送が可能となる。
【0010】
【実施例】以下、図面を参照しながら実施例を説明す
る。
【0011】図1には本発明の一実施例に係る磁石軌道
配置式磁気浮上搬送装置1が示されている。
【0012】この磁石軌道配置式磁気浮上搬送装置1
は、搬送経路に沿って配置されて軌道を形成する単位支
持要素3と、軌道の要所要所に配置されて強磁性材製の
被搬送体、たとえば鋼板Xに搬送方向への推進力を与え
る単位推進要素5と、軌道の要所要所に配置されて鋼板
Xに案内力を与える単位案内要素7とを含んで構成され
ている。
【0013】単位支持要素3は、図2に示すように、ベ
ース11に両端が固定されている逆U字形状の軌道枠1
3と、搬送方向と直交する線上に配列されて被搬送物で
ある鋼板Xを非接触支持するために鋼板Xに対して磁気
的な吸引力を作用する一対の磁気支持ユニット15と、
軌道枠13と各磁気支持ユニット15との間に介在して
各磁気支持ユニット15を軌道枠13に取付けるための
取付手段17と、各磁気支持ユニット15の磁気的な吸
引力を制御して鋼板Xを非接触支持させる吸引力制御手
段19とを含んで構成されている。
【0014】各磁気支持ユニット15は、永久磁石21
をコイル23と鉄心25とからなる2つの電磁石27で
挟さんで構成されている。なお、2つのコイル23同士
は、同一の励磁電流により、これらの磁束が互いに強め
合うように直列に接続されている。
【0015】取付手段17は、軌道枠13の上方下面に
所定間隔で溶接固定されている2つの台座31と、ガイ
ド機構33を介して上下方向にのみ自由に動けるように
ガイドされている台板35と、2つの磁気支持ユニット
15および吸引力制御手段19に属し、各磁気支持ユニ
ット15と鋼板Xとの間のギャップ長を測定する4つの
ギャップセンサ37を下面に備える基台39と、基台3
9の上面に固定され、台板35と基台39との間の距離
を変えることで基台39の高さを調節する高さ調節機構
41で構成されている。
【0016】ガイド機構33は、台座31を貫き台座3
1の両端部に固定された合計4個(2個は図示せず)の
リニアガイド43aと、下端が台板35に固定され、上
端側がリニアガイド43aによって上下方向に自由に動
けるように案内される4本の棒材45aと、各棒材45
aを取り巻くように台板35とリニアガイド43aとの
間に装着された弾性要素としてのコイルスプリング47
と、上端が台座31の下面に固定されるとともに下端が
台板35の上面に固定された非弾性要素としての2つの
ダンパ49で構成されている。
【0017】また、高さ調節機構41は、台板35を貫
き台板35の両端部に固定された合計4個のリニアガイ
ド43bと、下端が基台39に固定され、上端側がリニ
アガイド43bによって上下方向に自由に動けるように
案内される4本の棒材45bと、上部が台板35を貫い
て固定され下端が基台39の上面に固定される伸縮自在
のアクチュエータ51で構成されている。アクチュエー
タ51は、基台39の高さを所定値に制御するために、
高さ制御装置53により伸縮量が制御される。なお、リ
ニアガイド43a,43bのうち、添字に括弧を付した
43(a) ,43(b) は棒材45a,45bの移動距離測
定器を兼ねている。
【0018】吸引力制御手段19は、図5にも示すよう
に、単位支持要素3毎に各磁気支持ユニット15の左右
に近接して配置され、それぞれの磁気支持ユニット15
と鋼板Xとの間の浮上ギャップ長を測定する4つのギャ
ップセンサ37(ギャップセンサ37a,37b,37
c,37d)と、各電磁石27の各コイルに流れる励磁
電流を測定するための電流検出器55a,55bで構成
される浮上用センサ部57と、浮上用センサ部57の出
力信号za 〜zd ,ia ,ib および高さ制御装置53
より得られる基台39の高さの所定の設定値からの変位
信号Δzbsを入力として鋼板Xを浮上させるのに必要な
磁気支持ユニット15毎の励磁電圧ea,eb を計算す
る浮上用演算部59と、図示していない電源に接続さ
れ、浮上用演算部59の出力ea ,eb に基づき各磁気
支持ユニット15のコイル23を励磁するパワーアンプ
61a,61bとで構成されている。
【0019】高さ制御装置53は、図6にも示すよう
に、リニアガイド43(a) ,43(b)で構成される高さ
調節用センサ部63と、高さ調節用センサ部63の出力
信号および吸引力制御手段19から得られる浮上ギャッ
プ長の所定の設定値からの変位信号Δzおよび鋼板Xの
検出信号TFを入力として浮上時の鋼板Xの高さを所定
の値に保つためにアクチュエータ51のモータ駆動電流
daを計算する高さ調節用演算部65と、図示していな
い電源に接続され、高さ調節用演算部65の出力ida
基づきアクチュエータ51のモータを駆動する電流ドラ
イバ67とで構成されている。
【0020】図5に示される吸引力制御手段19の浮上
用演算部59は、たとえばメインコンピュータにより設
定される所定の設定値を出力する浮上ギャップ長設定器
70および同電流設定器72と、浮上ギャップ長設定値
をギャップセンサ37a〜37dの出力値za 〜zd
ら減算するための減算器74a〜74dおよび電流設定
値を電流検出器55a,55bの出力値ia ,ib から
減算する減算器76a,76bと、ギャップセンサ37
a〜37dの出力値za 〜zd から磁気支持ユニット1
5の下方位置での鋼板Xの有無を検出する鋼板検出回路
78と、減算器74a〜74dの出力値から鋼板Xの単
位支持要素3に重なる部分の重心座標の所定位置からの
偏差Δzならびに鋼板Xの同部分のロール角Δθを得る
ための浮上ギャップ長偏差座標変換回路80と、鋼板X
の単位支持要素3に重なる部分の重心の上下動に寄与す
るコイル励磁電流Δiz ならびに鋼板Xの同部分のロー
リングに寄与するコイル励磁電流Δiθを得るための励
磁電流偏差座標変換回路81と、浮上ギャップ長偏差座
標変換回路80および励磁電流偏差座標変換回路81の
出力Δz,Δiz に加えて基台39の所定高さからの偏
差を表す高さ制御装置53からの信号Δzbsを入力とし
て、鋼板Xの単位支持要素3に重なる部分の重心の上下
動に寄与するコイル励磁電圧ez を演算する上下動モー
ド制御電圧演算回路82ならびに浮上ギャップ長偏差座
標変換回路80および励磁電流偏差座標変換回路81の
出力Δθ,Δiθに鋼板Xの単位支持要素3に重なる部
分のローリングに寄与するコイル励磁電圧eθを演算す
るロールモード制御電圧演算回路83を備えた制御電圧
演算回路84と、制御電圧演算回路84の出力ez ,e
θならびに鋼板検出回路78の検出信号TFを入力とし
て、磁気支持ユニット15の下方に鋼板Xが存在すると
きにそれぞれの磁気支持ユニット15を励磁する励磁電
圧ea ,eb を演算する制御電圧座標逆変換回路86と
で構成されている。
【0021】なお、制御電圧座標逆変換回路86では、
鋼板検出信号TFが無から有に変わると、所定時間t1
後に0,0からea ,eb へと切換が行われる。さら
に、外的要因により、鋼板Xのローリングが阻害されて
いる場合には、図示していない手段によりロールモード
制御電圧演算回路83の出力eθがゼロとなるようにし
ている。
【0022】図6に示される高さ調節用演算部65は、
たとえばメインコンピュータにより設定される複数の所
定の設定値を吸引力制御手段19からの鋼板検出信号T
Fに基づいて選択的に出力する基台高さ長設定器88
と、基台高さ設定値をリニアガイド43(a) ,43(b)
の出力値ha ,hb の和から減算するための演算器90
と、吸引力制御手段19からの偏差信号Δzおよび鋼板
検出信号TFを入力として磁気支持ユニット15の下方
で鋼板Xが浮上しているときにΔz、そうでないときに
0を出力する切換器92と、基台39の高さの所定の設
定値からの変位信号Δzbsを表す演算器90の出力と切
換器92の出力とを加算する加算器94と、加算器94
の出力から浮上時の鋼板Xの高さを所定の値に保つため
にアクチュエータ51のモータ駆動電流idaを計算する
励磁電流演算回路96とで構成されている。なお、切換
器92では、鋼板検出信号TFが無から有に変わると、
所定時間t2 後に0からΔzへと切換が行われる。
【0023】単位推進要素5は、図3にも示すように、
構成要素の一部が単位支持要素3と同一であるため、同
一部分には同一符号を付して説明は省略する。
【0024】単位推進要素5においては、軌道枠13は
一枚のベース98に固定されている。ベース98の上面
には、推進手段として鋼板Xに推進力を非接触で付与す
るための2つのリニア誘導電動機の固定子100a,1
00bが配置されている。
【0025】固定子100a,100bは、十字形状基
台102の上面にそれぞれ固定されている。この十字形
状基台102は、固定子100a,100bを上下方向
に案内するために基台102を貫いて固定されたリニア
ガイド104aと、このリニアガイド104aにガイド
され、下端がベース98の上面に固定された棒材105
と、上端が基台102の下面に、下端がベース98の上
面に固定され、基台102の前後端部に配置されたアク
チュエータ106とを介してベース98に取り付けられ
ている。
【0026】2つの基台102の内側翼部上面には、鋼
板Xと固定子100a,100b間のギャップ長を検出
するギャップセンサ108がそれぞれ取り付けられてい
る。すなわち、ベース98、リニアガイド104aおよ
びアクチュエータ106は固定子100a,100bの
高さ調節機構110a,110bを構成している。な
お、リニアガイド104aのうち、添字に括弧が付され
たリニアガイド104(a) は棒材105の移動距離測定
器を兼ねている。
【0027】また、取付手段17の基台39に替えて2
つの十字形状基台102を左右のアクチュエータ51の
下端およびリニアガイド43bを通る棒材45bの下端
に固定して取付手段112が構成されている。ここで、
取付手段112においてはダンパ49の減衰率は無限大
になっており、台板35は軌道枠13に対して固定され
ている。
【0028】さらに、推進手段として鋼板Xに推進力を
非接触で付与するために、取付手段112の基台102
の下面には、固定子100a,100bにそれぞれ対向
するようにリニア誘導電動機の固定子114a,114
bが取り付けられている。
【0029】取付手段112の台板35の中央部両側に
は支持板116が固着されており、鋼板Xの有無および
鋼板Xのヨーイング検出手段として左右移動量を非接触
で検出するためのフィードモニタ118a,118bが
推力制御装置120、高さ制御装置122および座台1
24を介して支持板111bの先端部下方に取り付けら
れている。
【0030】一方、取付手段112の十字形状基台10
2の左右両端には、鋼板Xと固定子114a,114b
間のギャップ長を検出するギャップセンサ126が内側
に2個取付けられおり、鋼板Xの有無および軌道に沿っ
た移動量を非接触で検出するためのフィードモニタ12
8a,128bが外側に取付けられている。すなわち、
台板35を貫いて固定される2つのリニアガイド43b
と、下端が基台102に固定されてリニアガイド43b
よって上下方向に自由に動けるように案内される2本の
棒材45bと、上部が台板35を貫いて固定され下端が
基台102の上面に固定される伸縮自在のアクチュエー
タ51とにより、固定子114a,114bのそれぞれ
の高さを調節できる高さ調節機構130a,130bが
構成されている。
【0031】アクチュエータ106およびアクチュエー
タ51は、固定子100a,100bおよび固定子11
4a,114bのそれぞれの高さを所定値に制御するた
めに、高さ制御装置122により伸縮量が制御される。
【0032】図7に推力制御装置120を示す。
【0033】推力制御装置120は、固定子114a,
114bの下方にある鋼板Xの左右の移動量ya ,yb
を検出して出力するとともに鋼板Xの有無検出信号TF
を出力するフィードモニタ118a,118bおよび下
方にある鋼板Xの軌道に沿った移動量xa ,xb を検出
して出力するとともに鋼板Xの有無検出信号TFを出力
するフィードモニタ128a,128bで構成される推
進用センサ部132と、推進用センサ部132の出力x
a ,xb ,ya ,yb および4つのTFを入力とし、こ
れらに基づいて、固定子100aおよび固定子114a
を励磁するための励磁周波数ωa 、固定子100bおよ
び固定子114bを励磁するための励磁周波数ωb を演
算するための推進力演算手段134と、図示していない
三相電源に接続され、推進力演算手段134の出力ωa
に基づいて固定子100aおよび固定子114aを励磁
する三相のインバータ136aと、同じく固定子100
bおよび固定子114bを励磁する三相のインバータ1
36bとで構成されている。
【0034】本実施例では、インバータ136a,13
6bが励磁手段となっている。また、固定子100aお
よび固定子114a、固定子100bおよび固定子11
4bは、互いに向き合う固定子間に図8に示す移動磁界
が発生するように結線されている。
【0035】推進力演算手段134は、推進用センサ部
132の出力xa ,xb からそれぞれの移動速度を演算
するための微分器138と、微分器138の速度va
bから鋼板Xの単位推進要素5に重なる部分の重心の
移動速度vx を得るための鋼板速度座標変換回路140
と、推進用センサ部132の出力ya ,yb から鋼板X
の単位推進要素5に重なる部分の重心回りのヨー角ψを
得るためのヨー方向座標変換回路142と、4つの鋼板
Xの有無検出信号TFのANDを計算するためのAND
回路144、たとえばメインコンピュータにより設定さ
れる所定値を出力する鋼板速度設定器146と、同ヨー
角設定器148と、鋼板速度座標変換回路140の出力
x から鋼板速度設定器146の設定値を減算し、速度
偏差Δvx を出力する減算器150と、ヨー方向座標変
換回路142の出力ψからヨー角設定器148の設定値
を減算し、ヨー角偏差Δψを出力する減算器152と、
減算器150の出力Δvx に基づいて鋼板Xの単位推進
要素5に重なる部分の重心移動速度に係わるインバータ
136a,136bの励磁周波数ωz を演算する速度モ
ード励磁周波数演算回路154および鋼板Xの単位推進
要素5に重なる部分の重心回りのヨーイングに係わるイ
ンバータ136a,136bの励磁周波数ωθを演算す
るヨーモード励磁周波数演算回路156からなる励磁周
波数演算回路158と、励磁周波数演算回路158の出
力ωz ,ωθならびにAND回路144の検出信号TF
を入力として、固定子114a,114bの下方に鋼板
Xが存在する場合に固定子100aと固定子114aを
励磁するインバータ136aの励磁周波数ωa を演算す
るとともに同場合に固定子100bと固定子114bを
励磁するインバータ136bの励磁周波数ωb を演算す
る励磁周波数座標逆変換回路160とで構成されてい
る。
【0036】高さ制御装置122は、4つの固定子10
0a,100bおよび固定子114a,114bの個々
の高さを個別に制御する同一構成の4つのブロックに分
かれている。
【0037】図9に高さ制御装置122の1つのブロッ
ク構成を示す。
【0038】高さ制御装置122の1つのブロックは、
ギャップセンサ126もしくはギャップセンサ108お
よびリニアガイド43(b) もしくはリニアガイド104
(a)で構成され、ギャップセンサ108もしくはギャッ
プセンサ126の出力値hを出力するとともにリニアガ
イド104(a) の出力値Iを出力する高さ調節用センサ
部162と、この高さ調節用センサ部162の出力信号
h,lおよび推力制御装置120から得られる鋼板Xの
検出信号TFを入力として鋼板Xと固定子100a,1
00bおよび固定子114a,114bとの間のそれぞ
れのギャップ長を所定の値に保つためにアクチュエータ
51もしくはアクチュエータ106のモータ駆動電流i
dtを計算する高さ調節用演算部164と、図示しない電
源に接続され、高さ調節用演算部164の出力idtに基
づいてアクチュエータ51もしくはアクチュエータ10
6のモータを駆動する電流ドライバ165とにより構成
されている。
【0039】高さ調節用演算部164は、たとえばメイ
ンコンピュータにより設定される複数の所定の設定値を
推力制御装置120からの鋼板検出信号TFに基づいて
選択的に出力する固定子ギャップ長設定器166と、ギ
ャップセンサ108,126の出力h、リニアガイド4
3(b) ,104(a) の出力Iおよび鋼板検出信号TFを
入力として固定子114a,114bの下方に鋼板Xが
存在するときにh,そうでないときにIを出力する切換
器167と、この切換器167の出力から固定子ギャッ
プ長設定器166の出力を減算する減算器168と、こ
の減算器168の出力Δhから固定子と鋼板Xとの間の
ギャップ長を所定の値に保つためのアクチュエータ51
のモータ駆動電流idtを計算する励磁電流演算回路17
0とで構成されている。
【0040】単位案内要素7は、図4にも示すように、
構成要素の一部が単位推進要素5と同一であるため、同
一部分には同一符号を付して説明は省略する。
【0041】単位案内要素7においては、高さ調節機構
110a,110bの基台102の上面に案内手段とし
てリニア誘導電動機の固定子172a,172bがそれ
ぞれ取り付けられている。固定子172a,172bの
内側面近傍および基台102の上面には、図9の高さ制
御装置122の構成要素であるギャップセンサ108が
固定されている。また、取付手段112の十字形状基台
102に替えて2つの板状基台174を左右のアクチュ
エータ51の下端およびリニアガイド43bを通る棒材
45bの下端に固定して取付手段176が構成されてい
る。
【0042】ここで、取付手段176においてはダンパ
49の減衰率は無限大になっており、台板35と軌道枠
13との間に固定されている。
【0043】さらに、案内手段として鋼板Xに案内力を
非接触で付与するために、基台174の下面には、固定
子172a,172bにそれそれ対向するようにリニア
誘導電動機の固定子178a,178bが取り付けられ
ている。取付手段176の構成要素である台板35の中
央部下面には、鋼板Xの有無および左右移動量を非接触
で検出するためのフィードモニタ118が案内力制御装
置180および座台124を介して取り付けられてい
る。
【0044】一方、基台174の内側端部下面には、鋼
板Xと固定子178a,178b間のギャップ長を検出
するギャップセンサ126がそれぞれ取り付けられてい
る。すなわち、台板35を貫いて固定される2つのリニ
アガイド43bと、下端が基台174に固定されてリニ
アガイド43bによって上下方向に自由に動けるように
案内される2本の棒材45bと、上部が台板35を貫い
て固定され下端が基台174の上面に固定される伸縮自
在のアクチュエータ51とにより、固定子178a,1
78bのそれぞれの高さを調節できる高さ調節機構18
2a,182bが構成されている。
【0045】アクチュエータ106およびアクチュエー
タ51は、固定子172a,172bおよび固定子17
8a,178bのそれぞれの高さを所定値に制御するた
めに、ベース98の上面端部に取り付けられた高さ制御
装置122により伸縮量が制御されている。この高さ制
御装置122は、単位推進要素5と同一のものである
が、図9の高さ調節用演算部164に導入される鋼板X
の有無検出信号TFが案内力制御装置180からのもの
となっている。
【0046】図10に案内力制御装置180の構成を示
す。
【0047】案内力制御装置180は、固定子178
a,178bの下方にある鋼板Xの左右の移動量yを検
出して出力するとともに鋼板Xの有無検出信号TFを出
力するフィードモニタ118で構成される案内用検出手
段184と、この案内用検出手段184の出力yおよび
TFを入力とし、これらに基づいて固定子172a,固
定子178aを励磁するための励磁周波数ωgaおよび固
定子172b,固定子178bを励磁するための励磁周
波数ωgbを演算するための案内力演算手段186と、図
示しない三相電源に接続され、案内力演算手段186の
出力ωgaに基づいて固定子172aおよび固定子178
aを励磁する三相のインバータ188aと、同じく案内
力演算手段186の出力ωgbに基づいて固定子172b
および固定子178bを励磁する三相のインバータ18
8bとにより構成されている。
【0048】本実施例では、インバータ188a,18
8bが励磁手段となっている。また、固定子172aお
よび固定子178a、固定子172bおよび固定子17
8bは、互いに向き合う固定子間に図8に示す移動磁界
が発生するように結線されているとともに、固定子17
2aと固定子178a間の移動磁界および固定子172
bと固定子178b間の移動磁界の方向はともに向い合
うように互いに逆向きとなっている。
【0049】案内力演算手段186は、たとえばメイン
コンピュータにより設定される所定の設定値を出力する
鋼板中心偏差設定器190と、案内用検出手段184の
出力yから鋼板中心偏差設定器190の設定値を減算
し、鋼板Xの単位案内要素7に重なる部分の左右方向の
位置偏差Δyを演算する減算器192と、この減算器1
92の出力Δyに基づいて鋼板Xの単位案内要素7に重
なる部分の案内に係わるインバータ188aの励磁周波
数ωgaおよび同インバータ188bの励磁周波数ωgb
増減分励磁周波数Δωを演算する案内モード励磁周波数
演算回路194と、この案内モード励磁周波数演算回路
194の出力Δωおよびフィードモニタ118からの鋼
板Xの有無検出信号TFを入力として、固定子178
a,178bの下方に鋼板Xが存在する場合に固定子1
72aと固定子178aを励磁するインバータ188a
の励磁周波数ωgaを演算するとともに同場合に固定子1
72bと固定子178bを励磁するインバータ188b
の励磁周波数ωgbを演算する個別励磁周波数演算回路1
96とで構成されている。なお、個別励磁周波数演算回
路196にあっては、所定の大きさに設定された基準周
波数ωに対して、ωga=ω−Δω,ωgb=ω+Δωが演
算されている。
【0050】次に、上記のように構成された本実施例に
係わる磁石軌道配置式磁気浮上搬送装置の動作を説明す
る。
【0051】いま、冷間圧延機のローラ出口の近傍から
本実施例に係わる磁石軌道配置式磁気浮上搬送装置が搬
送経路に沿って設置されている場合について図11を用
いながら説明する。
【0052】図11において197は冷間圧延機のロー
ラである。各単位支持要素3において、鋼板Xが磁気支
持ユニット15の下方にない場合にはギャップセンサ3
7a〜37dの出力値が大きいため鋼板検出回路78が
鋼板の無いことを検出する。そして、検出信号TFによ
り鋼板の無いことを制御電圧座標逆変換回路86に伝え
るので励磁電圧ea ,eb の代わりにゼロが出力され、
なんらの浮上制御も行われない。このとき、高さ制御装
置53にも検出信号TFが伝達される。このため、切換
器92ではゼロが選択されるとともに基台高さ長設定器
88においては鋼板Xが存在するときの設定値よりもリ
ニアガイド43の延びが小さくなる値が選択される。
【0053】リニアガイド43(a) ,43(b) の出力h
a ,hb の和は、基台39の高さを表し、演算器90に
おいてはha ,hb の和から基台高さ長設定器88の設
定値が減算される。すると、基台39が所定値にない場
合には、高さ制御装置53の励磁電流演算回路96に演
算器90の出力Δzbsが導入され、Δzbsががゼロに収
束するようにidaが演算され、電流ドライバ67により
アクチュエータ51のモータが駆動される。これによ
り、基台39は鋼板Xが存在するときよりも高い位置に
セットされる。
【0054】このように基台39が高い位置にセットさ
れると、鋼板Xが当該単位支持要素3に浮上しながら到
達しても磁気支持ユニット15に鋼板Xが接触すること
がないばかりか、磁気支持ユニット15と鋼板Xとの間
に十分なギャップ長を確保できるので、永久磁石21の
吸引力で鋼板Xが吸着されることもない。
【0055】各単位推進要素5および各単位案内要素7
の高さ制御装置122においても、検出信号TFによ
り、鋼板Xのないことが固定子ギャップ長設定器166
および切換器167に伝達される。これにより、固定子
ギャップ長設定器166では鋼板Xが存在するときより
小さい値が選択されるとともに切換器167において
は、リニアガイド43(b) ,104(a) の出力Iが選択
される。すると、Iが設定値と同じでない場合には,励
磁電流演算回路170にΔhが導入され、Δhがゼロに
収束するようにidtが演算され、電流ドライバ165に
よりアクチュエータ51,106のモータが駆動され
る。これにより、固定子114a,114b,178
a,178bは鋼板Xが存在するときより上方に、また
固定子100a,100b,172a,172bは下方
にセットされ、当該単位推進要素5もしくは単位案内要
素7に鋼板Xが浮上しながら到達しても各固定子が鋼板
Xと接触することがない。
【0056】また、検出信号TFにより鋼板Xの無いこ
とが推力制御装置120の励磁周波数座標逆変換回路1
60および案内力制御装置180の個別励磁周波数演算
回路196にも伝達されるため、これらの出力ωa ,ω
b ,ωgaおよびωgbの代わりにゼロが出力され、固定子
が励磁されることもない。
【0057】鋼板Xが単位支持要素3の磁気支持ユニッ
ト15の下方に到達すると、ギャップセンサ37a〜3
7dの出力値が所定値より小さくなるため、鋼板検出回
路78が鋼板の有ることを検出する。そして、鋼板Xが
単位支持要素3の磁気支持ユニット15の下方に到達し
たことは、検出信号TFにより高さ制御装置53の基台
高さ長設定器88および切換器92に伝達される。する
と、基台高さ長設定器88においては、鋼板Xが存在す
るときの設定値が選択れる。
【0058】演算器90では、リニアガイド43(a) ,
43(b) の出力ha ,hb の和から基台高さ長設定器8
8の設定値が減算され、Δzbsが出力される。基台39
が設定値にない場合には、ゼロを選択する切換器92の
出力とΔzbsが加算器94で加算され、励磁電流演算回
路96に加算器94の出力とΔzbsが導入される。
【0059】励磁電流演算回路96では、Δzbsがゼロ
に収束するようにidaが演算され、電流ドライバ67に
よりアクチュエータ51のモータが駆動される。これに
より、基台39は鋼板Xが存在するときの設定高さにセ
ットされる。このとき、演算器90の出力Δzbsは吸引
力制御手段19の上下動モード制御電圧演算回路82に
導入される。一方、鋼板検出回路78の鋼板検出信号T
Fは制御電圧座標逆変換回路86に伝えられ、基台39
が設定高さにセットされた後、つまり検出信号TFを受
けてから所定時間t1 後に励磁電圧ea ,eが出力さ
れ浮上制御が開始される。
【0060】浮上制御においては、ギャップセンサ37
a〜37dの出力値za ,zb ,zc ,zd が減算器7
4a〜74dにより浮上ギャップ長設定器70の出力か
ら減算され、減算結果が浮上ギャップ長偏差座標変換回
路80に導入されて鋼板Xの単位支持要素3に重なる部
分の重心座標の所定位置からの偏差Δzならびに鋼板X
の同部分のロール角Δθが演算され、さらに電流検出器
55a,55bにより検出された電磁石27の励磁電流
測定値ia ,ib が減算器76a,76bにより電流設
定器72のゼロ出力から減算され、この減算結果が励磁
電流偏差座標変換回路81に導入されて鋼板Xの単位支
持要素3に重なる部分の重心の上下動に寄与するコイル
励磁電流Δiz ならびに鋼板Xの同部分のローリングに
寄与するコイル励磁電流Δiθが演算される。
【0061】Δz,Δθ,Δiz ,Δiθのうち、Δz
およびΔiz は演算器90の出力Δzbsとともに上下動
モード制御電圧演算回路82に導入され、鋼板Xの単位
支持要素3に重なる部分の重心の上下動に寄与するコイ
ル励磁電圧ez が演算される。eの演算に際しては鋼
板Xの定常浮上状態においてΔiz がゼロに収束する、
いわゆるゼロパワー制御が行われる。
【0062】一方、Δθ,Δiθはロールモード制御電
圧演算回路83に導入され、鋼板Xの同部分のローリン
グに寄与するコイル励磁電圧eθが演算される。eθ
演算に際しても鋼板Xの定常浮上状態においてΔiθ
ゼロに収束する、いわゆるゼロパワー制御が行われる。
【0063】制御電圧演算回路84の出力ez ,eθ
制御電圧座標逆変換回路86に導入され、それぞれの電
磁石27の励磁電圧e,eが演算される。この浮上
制御により、鋼板Xの定常浮上状態においてia ,ib
がゼロに収束する、いわゆるゼロパワー制御が全体とし
て達成される。
【0064】このように、鋼板Xの単位支持要素3に重
なる部分の重心の上下動に寄与する浮上制御と鋼板Xの
同部分のローリングに寄与する浮上制御モード毎に行う
と、それぞれのモードで浮上制御系の設計が可能となる
ため、鋼板Xの単位長さ当たりの重量変化や材質、厚み
の変化に対してロバストな浮上制御を行うことができ
る。
【0065】また、浮上制御が定常浮上状態に至るまで
の間、コイルスプリング47およびダンパ49に鋼板X
の重量が負荷され、リニアガイド43(a) の出力ha
変動しても、高さ制御装置53において基台39を設定
高さに維持すべく高さ制御が行われるとともに、高さ制
御に伴うΔzbsの変動が上下動モード制御電圧演算回路
82に導入されるので安定な浮上制御が実現できる。
【0066】さらに、ゼロパワー制御により鋼板Xを安
定に浮上させると、磁気支持ユニット15と鋼板Xとの
浮上ギャップ長は永久磁石21の吸引力と鋼板Xの負荷
重量が釣り合う長さとなる。このときの浮上ギャップ長
が浮上ギャップ長設定器70の出力値と異なると、浮上
ギャップ長偏差座標変換回路80においてΔzが出力さ
れる。この出力は、高さ制御装置53の切換器92に導
入されており、鋼板検出回路78の鋼板検出信号TFを
受けてから鋼板Xがほぼ安定に浮上するまでの所定時間
2 後に切換器92より出力される。これにより、高さ
制御装置53の加算器94では(Δzbs+Δz)が出力
されるので、基台39は所定高さよりもΔzだけ高い位
置に移動する。
【0067】かくして、鋼板Xは単位支持要素3が支持
する単位長さあたりの重量が変化しても、その上面が常
に一定高さで浮上する。ここで、メインコンピュータに
おいて鋼板Xの厚みデータを考慮した浮上ギャップ長設
定値を設定すれば、鋼板Xの厚み中心位置を常に一定高
さで浮上させることが可能なことは言うまでもない。こ
のように鋼板Xの浮上高さを一定にできるので、他の装
置との寸法的取り合いが容易になるだけでなく、鋼板X
が新たに到達する単位支持要素3での浮上制御開始時の
磁気支持ユニット15と鋼板Xとの間のギャップ長初期
値が個々の単位支持要素3で同じになるため、すでに鋼
板Xを支持している単位支持要素3に加わる浮上制御開
始時の衝撃を同じにすることができ、この衝撃を吸収す
るための吸引力制御手段19の制御系設計が容易になる
という利点がある。
【0068】鋼板Xが単位支持要素3を通過し終える
と、ギャップセンサ37a〜37dの出力値が大きくな
るために、鋼板検出回路78が鋼板の無いことを検出す
る。すると、前述の鋼板Xが磁気支持ユニット15の下
方にない場合の動作により、単位支持要素3の浮上制御
が停止されるとともに鋼板Xが存在するときよりも高い
位置に基台39がセットされ、次の鋼板が到達するまで
この状態を維持することになる。
【0069】単位支持要素3で非接触支持された鋼板X
は単位推進要素5により移動し、鋼板Xが到達した全て
の単位支持要素3で次々に前述の浮上制御と高さ制御が
開始される。このとき、弾性により鋼板Xに進行方向に
沿った上下方向の撓みが生じることがある。この撓み
は、個々の単位支持要素3においては上下方向の外乱と
なり、隣り合う2つの単位支持要素3においては、これ
らで支持される鋼板部分のピッチングとなる。
【0070】各単位支持要素3の吸引力制御手段19で
は、上下動モード制御電圧演算回路82、ロールモード
制御電圧演算回路83により鋼板Xの重心の上下動とロ
ーリングに関して浮上制御がなされているが、取付手段
17のコイルスプリング47およびダンパ49のそれぞ
れのバネ定数ならびに減衰率を適当な値に設定すると、
鋼板のピッチングの収束を早めることが可能になる。本
実施例では、鋼板のピッチングの収束を早めることで鋼
板Xの撓みを効果的に抑制している。つまり、取付手段
17のコイルスプリング47およびダンパ49で鋼板X
のピッチ方向の浮上制御が行われている。したがって、
鋼板X全体を安定に浮上させることができる。
【0071】なお、鋼板Xが、図11にも示すように、
冷間圧延機のローラ等により、鋼板のローリングが阻害
されている場合には、図示していない適当な手段により
ロールモード制御電圧演算回路83の出力eθはゼロに
なる。
【0072】各単位推進要素5において、鋼板Xが固定
子114a,114bの下方に到達すると、フィードモ
ニタ118a,118b,128a,128bの全てが
鋼板Xの有ることを検出して鋼板検出信号TFを出力す
る。そして、鋼板Xが固定子114a,114bの下方
に到達したことは推力制御装置120のAND回路14
4を介して固定子ギャップ長設定器166および切換器
167に伝達される。各固定子100a,100b,1
14a,114bの高さを調節する高さ調節機構110
a,110b,130a,130bは、同一構成の4ブ
ロックで構成される高さ制御装置122により制御され
るので、高さ調節機構130aを例として以下にその動
作を説明する。
【0073】固定子ギャップ長設定器166において、
鋼板検出信号TFにより鋼板Xの有ることが伝達される
と、固定子114aと鋼板Xとの間のギャップ長設定値
が選択されるとともに、切換器167においてはギャッ
プセンサ126の出力hが選択される。すると、hが設
定値と同じでない場合には、励磁電流演算回路170に
Δhが導入され、Δhがゼロに収束するようにidtが演
算され、電流ドライバ165によりアクチュエータ5
1,106のモータが駆動される。これにより、固定子
114aと鋼板Xとの間のギャップ長は常に設定値に保
たれる。
【0074】以上の動作は高さ調節機構110a,11
0b,130bにおいても同様であり、各固定子100
a,100b,114a,114bと鋼板Xとの間のギ
ャップ長は互いに独立に常に設定値に保たれる。さら
に、単位案内要素7において、鋼板Xが固定子178
a,178bの下方に到達すると、フィードモータ11
8が鋼板Xの有ることを検出して鋼板検出信号TFを出
力する。この鋼板検出信号TFは、高さ制御装置122
の固定子ギャップ長設定器166および切換器167に
伝達される。
【0075】各固定子172a,172b,178a,
178bの高さを調節する高さ調節機構110a,11
0b,182a,182bは同一構成の4ブロックで構
成される高さ制御装置122により制御されるので、単
位推進要素5の場合と同様に各固定子172a,172
b,178a,178bと鋼板Xとの間のギャップ長は
互いに独立に常に設定値に保たれる。
【0076】このように、単位推進要素5もしくは単位
案内要素7において、各固定子が鋼板Xに対して常に一
定のギャップ長を維持すると、鋼板Xにねじれや歪みな
どの変形がある場合でも、各固定子が鋼板Xに接触する
ことがないばかりか、鋼板Xに付与する推進力や案内力
を各固定子の励磁周波数のみに依存させることができ、
推進力制御や案内力制御がより簡単なものとなる。
【0077】一方、単位推進要素5において、鋼板の有
ることがAND回路144を介して励磁周波数座標逆変
換回路160に伝達されると、鋼板Xの移動速度を所定
値に保つとともに、鋼板Xのヨーイングを減衰させるた
めの推力制御が開始される。推力制御においては、フィ
ードモニタ128a,128bの出力値xa ,xbが微
分器138により微分され、鋼板速度座標変換回路14
0において微分結果の平均値を演算することで鋼板Xの
単位推進要素5に重なる部分の重心の移動速度vx が出
力される。減算器150は移動速度vx から鋼板速度設
定器146の出力、つまりメインコンピュータにより設
定された速度設定値を減算して、速度偏差Δvx を出力
する。
【0078】速度偏差Δvx は速度モード励磁周波数演
算回路154に導入され、鋼板Xの単位推進要素5に重
なる部分の重心移動速度に係わるインバータ136a,
136bの励磁周波数ωz が出力される。また、フィー
ドモニタ118a,118bの出力値ya ,yb がヨー
方向座標変換回路142に導入されて鋼板Xの単位推進
要素5に重なる部分の重心回りのヨー角ψが演算され
る。
【0079】ヨー方向座標変換回路142の出力ψは減
算器152によりヨー角設定器148のゼロ出力と比較
され、ヨー角偏差Δψが減算器152より出力される。
ヨー角偏差Δψはヨーモード励磁周波数演算回路156
に導入されて鋼板Xの単位推進要素5に重なる部分の重
心回りのヨーイングに係わるインバータ136a,13
6bの励磁周波数ωθが出力される。励磁周波数演算回
路158の出力ωz ,ωθは励磁周波数座標逆変換回路
160に導入され、固定子100aと固定子114aを
励磁するインバータ136aの励磁周波数ωa をωa
ωz +ωθ/2に基づいて演算するとともに同場合に固
定子100bと固定子114bを励磁するインバータ1
36bの励磁周波数ωb をωb =ωz −ωθ/2に基づ
いて演算する。
【0080】このため、鋼板Xの移動速度が設定値より
小さければ4つの固定子100a,100b,114
a,114bは鋼板Xを加速するように励磁され、ヨー
角が生じれば固定子100a,114aが減速方向、固
定子100b,114bが加速方向に励磁される。かく
して、鋼板Xは設定速度を維持しながらヨー角を生じる
ことなく移動する。
【0081】さらに、単位案内要素7において、鋼板X
の有ることがフィードモニタ118より個別励磁周波数
演算回路196に伝達されると、鋼板Xの案内制御が開
始される。
【0082】案内制御においては、減算器192が、フ
ィードモニタ118の出力値yから鋼板中心偏差設定器
190の出力、つまりメインコンピュータにより設定さ
れたゼロ設定値を減算して、鋼板Xの単位案内要素7に
重なる部分の左右方向の位置偏差Δyを出力する。位置
偏差Δyは案内モード励磁周波数演算回路194に導入
され、鋼板Xの単位案内要素7に重なる部分の案内に係
わるインバータ188aの励磁周波数ωgaおよび同イン
バータ188bの励磁周波数ωgbの増減分励磁周波数Δ
ωが演算される。
【0083】個別励磁周波数演算回路196では、予め
メインコンピュータにより設定された固定周波数ωgo
もとに鋼板Xの単位案内要素7に重なる部分の案内に係
わるインバータ188aの励磁周波数ωgaおよび同イン
バータ188bの励磁周波数ωgbがωga=ωgo−Δω/
2およびωgb=−ωgo−Δω/2に基づいて演算され
る。ここで、ωga,ωgbのそれぞれの値が正ならば図1
のy方向、負ならば正とは反対の方向に鋼板Xが案内力
を受けるように固定子172a,172b,178a,
178bが励磁される。
【0084】鋼板Xが左右方向にずれていなければΔy
がゼロとなり、Δωもゼロとなるので固定子172a,
178aはωgoで励磁され、固定子172b,178b
は−ωgoで励磁される。この場合、鋼板Xに作用する案
内力が打ち消され、鋼板Xは左右にずれることはない。
外力により鋼板Xのy方向にΔyだけずれると、固定子
172a,178aのy方向の励磁が弱まるとともに固
定子172b,178bの−y方向の励磁が強まること
になる。このため、鋼板Xには全体としてy方向とは逆
向きに案内力が作用する。すると、Δyは減少し、鋼板
Xの案内が達成される。かくして、鋼板Xは、単位支持
要素3、単位推進要素5および単位案内要素7で構成さ
れる軌道から外れることなく非接触で浮上しながら目的
地まで移動する。
【0085】なお、上述した実施例では、取付手段17
がコイルスプリング、ダンパー、リニアガイド等を備え
たガイド機構と、アクチュエータ、リニアガイド等を備
えた高さ調節機構とで構成されているが、これは取付手
段の構成をなんら限定するものでなく、磁気支持ユニッ
トが上下に可動な構成であれば種々変更が可能である。
【0086】たとえば、図12に示すように、支柱19
8で軌道枠13に対して台板35を固定するとともに、
アクチュエータ51と基台39との間にロードセル20
0を介在させて取付手段17′を構成しても何ら差し支
えない。この場合、ロードセル200によって取付手段
17′に加わる上下方向の力が測定されるので、ロード
セル200の出力を用いた高さ制御を行うことでコイル
スプリングとダンパーを用いた場合と同様の機能が実現
できることは言うまでもない。
【0087】また、上述の実施例では基台39に2つの
磁気支持ユニット15が備えられているが、これは単位
支持要素3に用いられる磁気支持ユニットの個数をなん
ら限定するものではない。たとえば、図13に示すよう
な構成であって何等差し支えない。
【0088】この単位支持要素3aは、図2に示す実施
例に係わる単位支持要素3において、基台39に代えて
両側にギャップセンサ37を配置した6組の磁気支持ユ
ニット15を備えた平板状の基台202を有している。
この両側のギャップセンサ37により、鋼板Xが湾曲し
ている場合でも、個々の磁気支持ユニット15において
鋼板Xとの間の平均の浮上ギャップ長を得ることができ
る。
【0089】基台202は棒材45の下端においてはユ
ニバーサルジョイント204、アクチュエータ51の下
端においては鋼板Xの進行方向に平行な平面内で回転可
能なリンク206を介して棒材45およびアクチュエー
タ51に接続されている。また、台板35に代えて、両
端と中央部に張り出し部を持つ台板208が備えられて
いる。台板208の中央張り出し部の両端には、台板2
08を貫いて固定されるリニアガイド43b、下端にユ
ニバーサルジョイント204を備えた棒材45および上
端を台板208、下端を基台202に固定されたコイル
スプリング47が設けられている。
【0090】この構成により、基台202はピッチ方向
に回転可能となるとともに2つのリニアガイド43(b)
により、ピッチ角と上下方向移動量の検出が可能とな
る。リンク206の作用により、基台202は上下方向
とロール方向に自由度を持たないため、たとえば特願平
4−351167号にも示されているようなゼロパワー
制御の適用により、複数の単位支持要素3aを用いるこ
とで鋼板Xが非接触支持されるとともに、鋼板Xの湾曲
に対して基台202を追従させることが可能となる。こ
の場合、定常浮上状態において、磁気支持ユニット15
の全てのコイル電流がゼロに収束することは言うまでも
ない。
【0091】このように単位支持要素に多数の磁石を設
けると、各磁気支持ユニットにかかる負荷重量が小さく
なるため、磁気支持ユニットと鋼板Xとの間の浮上ギャ
ップ長を大きくすることができる。また、基台202を
鋼板Xの湾曲に追従させると、鋼板Xに作用するピッチ
方向の支持トルクが小さくなり、浮上搬送時の鋼板Xの
変形を抑制する事ができる。
【0092】単位支持要素3aにおいて、ユニバーサル
ジョイント204、リンク206の代わりに棒材45、
アクチュエータ51を基台202に固定した場合には、
基台202を鋼板の湾曲に追従させることはできない
が、基台202のピッチングに係わる浮上制御が不要と
なり、装置構成が簡単になることは言うまでもない。
【0093】さらに、上述の実施例では、逆U字形状の
軌道枠13に磁気支持ユニットが取り付けられて単位支
持要素を構成し、鋼板Xを被搬送体として鋼板重心の上
下動およびローリングのみを制御しているが、これは、
軌道枠の形状や、磁気支持ユニットの取付け、被搬送体
および被搬送体の重心の上下動およびローリング制御に
組み合わされる浮上制御方式をなんら限定するものでな
く種々変形が可能である。
【0094】たとえば、図14に示すように、推進手段
を備えた単位支持要素を搬送経路に沿って複数配置し、
左右両側に磁気支持ユニットに吸引される強磁性体を備
えた浮上体を浮上走行させるものであっても何等差し支
えない。
【0095】図14の磁石軌道配置式磁気浮上搬送装置
1bでは、単位支持要素3bのU字状軌道枠13bを搬
送経路に沿って複数個配置することで軌道が形成されて
いる。軌道枠13b上部の左右張り出し部の内側側面に
は、台座31を固着することにより取付手段17a,1
7b,112a,112bを介して磁気支持ユニット1
5および固定子114a,114bが取り付けられてい
る。
【0096】取付手段17a,17b,112a,11
2bは、取付手段17,112の台板35を中央で2分
割した形状の台板35a,35bを備えて構成されてい
る。さらに、取付手段17a,17bにおいては基台3
9を中央で2分割した形状の基台39a,39bが備え
られている。軌道枠13bの底部上面には、高さ調節機
構110a,110bを介して固定子100a,100
bが配置されている。取付手段112a,112bと高
さ調節機構110a,110bとは単位推進要素5と同
様の位置関係にあり、各固定子について同様の高さ制御
が行われている。さらに、軌道枠13bの底部上面に設
けられた固定子100a,100bの前後端位置には、
フィードモニタ118a,118bが配置されている。
【0097】リニアガイド43a,43bについては、
取付手段17a,17bおよび取付手段112a,11
2bの台座31および台板35a,35bに各2つづつ
取り付けられている。その他、ギャップセンサ37、リ
ニアガイド104a、ギャップセンサ108、ギャップ
センサ126およびフィードモニタ128a,128b
の各センサは、単位支持要素3、単位推進要素5の場合
と同様に配置されている。
【0098】一方、被搬送体として、平板状荷台210
と底板212を支持板214を介して固定することによ
り、浮上体216が構成されている。底板212は導電
性非磁性体であるアルミ製平板218の左右に強磁性
体、たとえば、鉄製帯状平板220を埋め込んで構成さ
れている。左右の帯状平板220は、浮上力および案内
力を発生するように磁気支持ユニット15に対して対向
配置されている。
【0099】この実施例では、推進力制御は単位推進要
素5と同様であるが、浮上制御においては、いわゆる浮
上案内兼用制御が行われており、浮上体216の重心の
左右動に対して同ロール方向の浮上制御により、ローリ
ングと左右動が安定化されている。重心の上下動につい
ては、単位支持要素3と同様に安定化されている。さら
に、浮上体216のヨーイングについては、単位推進要
素5と同様に固定子100a,100b,114a,1
14bにより、浮上体216の左右に異なる推進力を付
与することで安定化が図られている。浮上体のピッチン
グについては、底板212の前後長を、少なくとも3対
の磁気支持ユニット15にまたがるように決定すれば、
最低でも四点支持が確保され、取付手段17a,17b
のコイルスプリング47およびダンパ49のバネ定数な
らびに減衰率を適当な値に決定して安定化が図られてい
る。
【0100】また、左右の磁気支持ユニット15につい
ても、単位支持要素3と同様の高さ制御が行われてい
る。図15に本実施例に係わる吸引力制御手段19bの
制御ブロック図を、図16に本実施例に係わる高さ制御
装置122bの制御ブロック図を示す。
【0101】図15の吸引力制御手段19bでは、図5
のロールモード制御電圧演算回路83に代えて浮上案内
兼用制御のためのロール・左右動モード制御電圧演算回
路222が備えられている。浮上案内兼用制御のための
ロール・左右動モード制御電圧演算回路222では、高
さ制御装置122bより取付手段17a,17bの基台
39a,39bの傾き角Δθbsが導入されており、浮上
体216のロール制御に使用されている。
【0102】図16の高さ制御装置122bにおいて
は、高さ調節用センサ部63bが取付手段17aのリニ
アガイド43a,43b、取付手段17bのリニアガイ
ド43a,43bから構成されており、これらの出力が
高さ調節用演算部65bに導入されて取付手段17a,
17bの基台高さ設定値からの基台39a,39bのそ
れぞれにおける高さ偏差Δzbsa ,Δzbsb が計算され
る。偏差Δzbsa ,Δzbsb は基台高さ座標変換回路2
24に導入され、基台高さ座標変換回路224から平均
偏差Δzbsおよび傾き角Δθbsが出力される。
【0103】一方、高さ調節用演算部65bには高さ制
御装置122bから浮上体216の磁気支持ユニット1
5に関する浮上高さ偏差Δzおよび浮上ロール角Δθが
導入されており、切換器92を介して2つの加算器94
により平均偏差Δzbsおよび傾き角Δθbsに加算されて
いる。2つの加算器94のそれぞれの出力は平均高さモ
ード励磁電流演算回路226、傾きモード励磁電流演算
回路228に導入され、それぞれのモードにおけるアク
チュエータ51のモータ励磁電流izbs ,iθ bsを演算
する。平均高さモード励磁電流演算回路226および傾
きモード励磁電流演算回路228の出力izbs ,iθbs
は基台高さ制御電流座標逆変換回路230に導入され、
取付手段17a,17bのそれぞれのアクチュエータ5
1のモータ励磁電流idaを演算する。これにより、磁石
軌道配置式磁気浮上搬送装置1bにおいても磁石軌道配
置式磁気浮上搬送装置1の如く浮上体216の底板21
2の高さを一定に保つことが可能になる。
【0104】このような搬送装置では、浮上体の構成が
著しく簡単になるという利点がある。また、浮上案内兼
用制御により、浮上体のロール方向の浮上制御と案内制
御を兼用しているので、別途案内手段を設ける必要がな
く、軌道の構成が簡単になるという利点もある。
【0105】さらに、上述した各実施例では、制御装置
およびその動作をアナログ的に表現してあるが、このよ
うな制御方式に限定されるものではなく、テジタル方式
を採用してもよい。また、幾つかの単位支持要素と単位
案内要素または単位推進要素とを一体化した単位要素構
成としてもよい。また、本発明装置は、最終の乾燥工程
をも含めた塗装の全工程ラインにおいても使用できる。
このように本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変
更して実施することができる。
【0106】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の磁石軌道
配置式磁気浮上搬送装置によれば、単位支持要素毎に被
搬送体の鉛直運動についての浮上制御とローリングにつ
いての浮上制御がなされ、また取付手段により磁気支持
ユニットが上下に可動であることにより単位支持要素間
の被搬送体のピッチングを抑制することが可能となる。
このため、被搬送体の全長のみならず被搬送体の全幅が
多種多様であっても被搬送体の上下動およびローリング
を単位支持要素毎に抑制して安定に浮上させることがで
き、かつ取付手段により被搬送体のピッチングを抑制し
て安定化させることができ、もって被搬送体全体を非接
触支持することが可能となる。
【0107】さらに、被搬送体の重量や慣性モーメント
が異なる場合でも、そうした差異が各単位支持要素に分
配されるので個々の単位支持要素の集合として形成され
る磁石軌道配置式磁気浮上搬送装置全体としてより広範
囲の重量および慣性モーメントを持つ被搬送体を非接触
支持することが可能となる。また、一本の軌道で複数の
被搬送体の非接触搬送が可能となり、さらに被搬送体の
形状にも柔軟に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る磁石軌道配置式磁気浮
上搬送装置における要部の斜視図
【図2】同装置における単位支持要素の要部斜視図
【図3】同装置における単位推進要素の要部斜視図
【図4】同装置における単位案内要素の要部斜視図
【図5】同装置における吸引力制御装置のブロック構成
【図6】同装置における高さ制御装置のブロック構成図
【図7】同装置における推力制御装置のブロック構成図
【図8】同装置における固定子移動磁界を説明すための
【図9】同装置における推進用高さ制御装置のブロック
構成図
【図10】同装置における案内力制御装置のブロック構
成図
【図11】同装置における動作を説明するための軌道中
央長手方向に沿った断面図
【図12】本発明の別の実施例に係る磁石軌道配置式磁
気浮上搬送装置における要部の斜視図
【図13】本発明のさらに別の実施例に係る磁石軌道配
置式磁気浮上搬送装置における要部斜視図
【図14】本発明のさらに異なる実施例に係る磁石軌道
配置式磁気浮上搬送装置における要部の斜視図
【図15】同装置における制御装置のブロック構成図
【図16】同装置における他の制御装置のブロック構成
【符号の説明】
1,1b…磁石軌道配置式磁気浮上搬送装置 3,3a,3b…単位支持要素 5…単位推進
要素 7…単位案内要素 13…軌道枠 15…磁気支持ユニット 19…吸引力
制御手段 17,17′,17a,17b,112,176…取付
手段 37,108,126…ギャップセンサ 41,110a,110b,130a,130b,18
2a,182b…高さ調節機構 43,43a,43b,104,104a…リニアガイ
ド 47…コイルスプリング 49…ダンパ 51…アクチュエータ 53,122
…高さ制御装置 57…浮上用センサ部 59…浮上用
演算部 61a,61b…パワ−アンプ 63,162
…高さ調節用センサ部6 5,164…高さ調節用演算部 67…電流ド
ライバ 100a,100b,114a,114b,172a,
172b,178a,178b…固定子 118a,118b,128a,128b…フィードモ
ニタ 120…推力制御装置 132…推進
用センサ部 134…推進力演算手段 136a,136b,188a,188b…インバータ 180…案内制御装置 184…案内
用検出手段 186…案内力演算手段 X…被搬送体
としての鋼板

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被搬送体の搬送経路に沿って磁気力支持系
    を備えた軌道を配置し、上記磁気力支持系の磁気吸引力
    を制御して前記被搬送体を非接触支持するようにした磁
    石軌道配置式磁気浮上搬送装置において、前記軌道は前
    記搬送方向に複数個配置された単位支持要素を含んで構
    成されており、前記各単位支持要素は、軌道枠と、電磁
    石を含み前記軌道枠に上下方向の移動を許容する取付手
    段を介して前記被搬送体の搬送方向とほぼ直交する方向
    に複数配置された磁気支持ユニットと、前記被搬送体が
    前記各磁気支持ユニットの下方にあるときのみ前記各磁
    気支持ユニットの前記電磁石を制御して前記被搬送体の
    鉛直運動についての浮上制御と前記被搬送体のローリン
    グについての浮上制御とを行う吸引力制御手段とを具備
    してなることを特徴とする磁石軌道配置式磁気浮上搬送
    装置。
  2. 【請求項2】前記各磁気支持ユニットは永久磁石を有
    し、前記電磁石と前記被搬送体との間のエアギャップ中
    で前記電磁石の作る磁路と前記永久磁石の作る磁路とが
    共有されており、前記吸引力制御手段は前記被搬送体の
    重量に拘らず、前記被搬送体が安定に浮上しているとき
    は前記電磁石の励磁電流を零に収束させるゼロパワー制
    御機能を有していることを特徴とする請求項1に記載の
    磁石軌道配置式磁気浮上搬送装置。
  3. 【請求項3】前記取付手段は、前記軌道枠と前記磁気支
    持ユニットとの間に設けられた弾性要素と非弾性要素と
    を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の磁石軌
    道配置式磁気浮上搬送装置。
  4. 【請求項4】前記取付手段は、前記磁気支持ユニットの
    取り付け高さを可変可能な高さ調節手段を備えているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の磁石軌道配置式磁気浮
    上搬送装置。
  5. 【請求項5】前記高さ調節手段は、浮上している前記被
    搬送体の高さを一定に制御する高さ制御手段を備えてい
    ることを特徴とする請求項4に記載の磁石軌道配置式磁
    気浮上搬送装置。
  6. 【請求項6】前記軌道枠には、前記被搬送体に搬送方向
    の推力を与える推進手段が設けられていることを特徴と
    する請求項1に記載の磁石軌道配置式磁気浮上搬送装
    置。
  7. 【請求項7】前記推進手段は、前記被搬送体を二次導体
    として前記軌道に沿った方向に推力を付与するように複
    数個配置されたリニア誘導モータ固定子と、前記被搬送
    体のヨーイングを検出するヨーイング検出手段と、この
    ヨーイング検出手段の出力に基づいて前記被搬送体の左
    右に付与する推力を個別に演算する推進力演算手段と、
    この推進力演算手段の演算結果に基づいて個々のリニア
    誘導モータ固定子に移動磁界を発生させるための励磁手
    段とを備えていることを特徴とする請求項6に記載の磁
    石軌道配置式磁気浮上搬送装置。
  8. 【請求項8】前記軌道枠には、前記被搬送体を前記軌道
    に沿って非接触で案内する案内手段が設けられているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の磁石軌道配置式磁気浮
    上搬送装置。
  9. 【請求項9】前記案内手段は、前記被搬送体を二次導体
    として案内方向に推力を付与するように配置されたリニ
    ア誘導モータ固定子と、前記被搬送体の前記軌道からの
    ずれを検出する案内用検出手段と、この案内用検出手段
    の出力に基づいて前記被搬送体に付与する推力を演算す
    る案内力演算手段と、この案内力演算手段の演算結果に
    基づいて前記リニア誘導モータ固定子に移動磁界を発生
    させるための励磁手段とを備えていることを特徴とする
    請求項8に記載の磁石軌道配置式磁気浮上搬送装置。
  10. 【請求項10】前記案内手段は、前記搬送方向とほぼ直
    交する方向に互いに逆向きに推力を発生する少なくとも
    一対のリニア誘導モータを備えていることを特徴とする
    請求項9に記載の磁石軌道配置式磁気浮上搬送装置。
  11. 【請求項11】前記案内手段は、前記被搬送体の重心が
    前記軌道の中心線から外れた際に吸引力変動により前記
    被搬送体にローリングが生じるように電磁石を配置し、
    前記被搬送体のローリングについての浮上制御を行うこ
    とで案内制御も行う制御手段を備えていることを特徴と
    する請求項8に記載の磁石軌道配置式磁気浮上搬送装
    置。
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