JPH0847112A - 浮上式搬送装置 - Google Patents

浮上式搬送装置

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JPH0847112A
JPH0847112A JP20734995A JP20734995A JPH0847112A JP H0847112 A JPH0847112 A JP H0847112A JP 20734995 A JP20734995 A JP 20734995A JP 20734995 A JP20734995 A JP 20734995A JP H0847112 A JPH0847112 A JP H0847112A
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JP
Japan
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guide rail
electromagnet
magnetic
exciting current
external force
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Pending
Application number
JP20734995A
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English (en)
Inventor
Akihira Morishita
明平 森下
Teruo Azusawa
照男 小豆沢
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Publication of JPH0847112A publication Critical patent/JPH0847112A/ja
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60LPROPULSION OF ELECTRICALLY-PROPELLED VEHICLES; SUPPLYING ELECTRIC POWER FOR AUXILIARY EQUIPMENT OF ELECTRICALLY-PROPELLED VEHICLES; ELECTRODYNAMIC BRAKE SYSTEMS FOR VEHICLES IN GENERAL; MAGNETIC SUSPENSION OR LEVITATION FOR VEHICLES; MONITORING OPERATING VARIABLES OF ELECTRICALLY-PROPELLED VEHICLES; ELECTRIC SAFETY DEVICES FOR ELECTRICALLY-PROPELLED VEHICLES
    • B60L2200/00Type of vehicles
    • B60L2200/26Rail vehicles

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  • Control Of Vehicles With Linear Motors And Vehicles That Are Magnetically Levitated (AREA)
  • Linear Motors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】磁気力を用いて搬送車を非接触支持するように
した従来の浮上式搬送装置にあっては、搬送車を浮上さ
せるためのエネルギ消費が多いという問題があった。 【解決手段】強磁性体で形成されたガイドレール21に沿
って走行自在に配置された搬送車22と、ガイドレール21
に対向配置されガイドレール21に対して同一平面上に各
空隙を形成するように搬送車22に取付けられた複数の電
磁石38,39 と、これら電磁石38,39 、ガイドレール21お
よび空隙で構成される各磁気回路中に配置されるととも
に搬送車22に取付けられ、搬送車22を浮上させるのに必
要な起磁力を供給する永久磁石40と、搬送車22に取付け
られて磁気回路中の変化を検出するセンサ部46およびこ
のセンサ部46の出力に基づいて搬送車22に作用する外力
の有無に拘わらず電磁石38,39 に流れる励磁電流の定常
値を零にするように電磁石38,39 に流す励磁電流を制御
する制御部を有した制御装置29とを具備してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、小物類を搬送する
浮上式搬送装置に係り、特に、省エネルギ、省スペース
化を図れるようにした浮上式搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、オフィスオートメーション、ファ
クトリーオートメーションの一環として、建屋内の複数
の地点間において、伝票、書類、現金、資料等を搬送装
置を用いて移動させることが広く行われている。
【0003】このような用途に用いられる搬送装置は、
搬送物を速やかに、かつ静かに移動させ得るものである
ことが要求される。このため、この種の搬送装置におい
ては、ガイドレール上で搬送車を非接触に支持すること
が行われている。
【0004】搬送車を非接触に支持するには、空気力や
磁気力を用いるのが一般的である。中でも搬送車を磁気
力で支持する方式は、ガイドレールに対する追従性や、
騒音低減効果に優れており、最も有望な支持手段である
といえる。
【0005】ところで、搬送車を磁気力で支持するよう
にした従来の浮上式搬送装置は、搬送車を電磁石で支持
し、この電磁石への励磁電流を制御することによって搬
送車を安定に支持するようにしている。したがって、電
磁石のコイルを常時付勢しなければならず、消費電力が
大きいという欠点を回避することができなかった。
【0006】そこで、電磁石に要求される磁気力の大部
分を永久磁石で付与し、消費電力の低減化を図るように
した装置も考えられている。しかし、この場合でも、例
えば搬送すべき物を搬送車に搭載するなどして、搬送車
に外力が作用する場合には、定常位置へ搬送車を押し戻
そうとする力を常時電磁石で与える必要があるため、こ
れによる消費電力の増大が問題であった。また、このよ
うに搬送車へ外力が作用することによって電磁石に付与
する電力が大きくなると、電磁石を付勢するための電源
として大容量の電源を使用しなければならず、結局、装
置全体の大型化を招くという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、磁気力を
用いて搬送車を非接触支持するようにした従来の浮上式
搬送装置にあっては、搬送車を浮上させるためのエネル
ギ消費が多いという問題があった。
【0008】そこで本発明は、消費電力の低減化を図れ
るばかりか、装置全体の単純化および省スペース化を図
れる浮上式搬送装置を提供することを目的にしている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る浮上式搬送装置は、少なくとも一部が
磁性体で形成されたガイドレールと、このガイドレール
に沿って走行自在に配置された搬送車と、前記ガイドレ
ールに対向配置され、前記ガイドレールに対して同一平
面上に各空隙を形成するように前記搬送車に取付けられ
た複数の電磁石と、これら電磁石、前記ガイドレールお
よび前記空隙で構成される磁気回路中に配置されるとと
もに前記搬送車に取付けられ、前記搬送車を浮上させる
のに必要な起磁力を供給する永久磁石と、前記搬送車に
取付けられて前記磁気回路中の変化を検出するセンサ部
およびこのセンサ部の出力に基づいて前記搬送車に作用
する外力の有無に拘らず前記電磁石に流れる励磁電流の
定常値を零にするように前記電磁石に流す励磁電流を制
御する制御部を有した制御装置と、前記搬送車に搭載さ
れて搬送車搭載要素への電力供給源となる電源とを備え
ている。
【0010】本発明を説明するに当り、まず本装置にお
ける制御方式がいかなる根拠に基づくものかを説明す
る。
【0011】図6には本装置における磁気支持部の代表
的な構成が示されている。
【0012】すなわち、図中1はガイドレールであり、
このガイドレールの下面に対向する部分には空隙Pを介
して2つの電磁石2,3が対向配置されている。これら
2つの電磁石2,3は、継鉄4,5にそれぞれコイル
6,7を巻装して構成されたものである。そして、両継
鉄4,5の一端側は、永久磁石8によって磁気的に結合
されている。コイル6,7は、励磁電流が流れたときに
互いに加算される向きの磁束を発生するように直列に接
続され、さらに電源9に接続されたものとなっている。
そして、電磁石2,3、永久磁石8および電源9は、ガ
イドレール1に沿って走行する図示しない搬送車に取付
けられている。上記構成から判るように、継鉄4,5お
よび永久磁石8は、これらでU字状の磁芯を構成し、こ
の磁芯の両磁極面がガイドレール1の下面に対向するよ
うに搭載されていることになる。
【0013】このように構成された磁気支持部におい
て、いまガイドレール1、空隙P、継鉄4,5、永久磁
石8からなる磁気回路について考察する。なお、簡単の
ために、この磁気回路における漏れ磁束は無視すること
にする。この磁気回路の磁気抵抗Rmは、 Rm={2z+(L/μs )}/μo S …(1) で表すことができる。ここに、μo は真空の透磁率、S
は磁気回路の断面積、zは空隙長、μs は空隙部分以外
の非透磁率、Lは空隙部分以外の磁気回路長である。
【0014】また、コイル6,7に励磁電流が流れてい
ない時に空隙Pに生じる磁界の強さをHm、永久磁石8
の長さをLm、コイル6,7の総巻数をN、コイル6,
7への励磁電流をIとすると、この磁気回路に発生する
全磁束Φは、 Φ=(NI+HmLm)/Rm …(2) となる。
【0015】したがって、ガイドレール1と各継鉄4,
5との間に働く全吸引力Fは、 F=−S(Φ/S)2 /μo =−(NI+HmLm)2 /(μo Rm2 S) …(3) で表わせる。
【0016】ここで、zで示す向きを重力方向として搬
送車の運動方程式を導くと、
【0017】
【数1】 となる。なお、ここに、mは前記磁気支持部に加わる負
荷および当該磁気支持部の全質量、gは重力加速度であ
り、Umは搬送車に印加される外力の大きさである。
【0018】一方、直列に接続されたコイル6,7が鎖
交する磁束数ΦN は、 ΦN =(NI+HmLm)N/Rm …(5) であるから、コイル6,7の電圧方程式は、コイル6,
7の全抵抗をRとして、
【0019】
【数2】 となる。
【0020】ここで、Rmは、(1)式から明らかなよ
うに、空隙長zの関数である。
【0021】そこで、いま、I=0の時に吸引力Fと重
力mgとが釣合う際のギャップ長をzo 、全磁気抵抗を
Rmo として、上記(5),(6)式を空隙長z=
o 、速度dz/dt=0、電流I=0の近傍で線形化
する。この場合、z,dz/dt,Iは、
【0022】
【数3】 で表わせる。
【0023】そこで、上記(3)式の吸引力Fを定常点
(z,dz/dt,I)−(zo ,0,0)の近傍で線
形化すると、
【0024】
【数4】 となり、
【0025】
【数5】 とおくと、
【0026】
【数6】 となる。
【0027】したがって、前記(4)式は次のようにま
とめることができる。
【0028】
【数7】 同様に、前記(6)式を定常点(z,dz/dt,I)
=(zo ,0,0)の近傍で線形化すると、
【0029】
【数8】 となる。
【0030】上記(7),(8)式は、次のような状態
方程式にまとめることができる。
【0031】
【数9】 ただし、a21,a23,a32,a33,b31,d21は、それ
ぞれ、
【0032】
【数10】 である。
【0033】ここで、簡単のため上記(9)式を、
【0034】
【数11】 と表わす。
【0035】この(10)式で表わされる線形システム
は、一般には不安定な系であるが、
【0036】
【数12】 印加電圧Eを種々の方法で求め、系にフィードバック制
御を施すことによって安定化を図ることができる。例え
ば、Cを出力行列(この場合単位行列)とし、印加電圧
を、
【0037】
【数13】 (ただし、F1 ,F2 ,F3 はフィードバック定数)と
すれば、(10)式は、
【0038】
【数14】 となり、さらに、この(10)式をラプラス変換してx
を求めると、
【0039】
【数15】 となる。なお、ここに、Iは単位行列、xo はxの初期
値である。
【0040】上記(13)式において、Umをステップ
状の外力とすれば、xの安定性は、状態推移行列Φ(s)
すなわち、
【0041】
【数16】 の行列式det|Φ(s) |の特性根がsの複素平面上で
全て左半面上に保存すれば保障される。(9)式の場
合、Φ(s) の特性方程式det|Φ(s) |=0は、
【0042】
【数17】 となる。
【0043】したがって、F1 ,F2 ,F3 の値を適宜
決定することにより、det|Φ(s) |=0の特性根の
複素平面上での配置を任意に決定することができ、磁気
浮上系の安定化を達成することができる。磁気支持部に
この様なフィードバック制御を施した場合の磁気浮上系
のブロック図を図7に示す。すなわち、制御対象11に
は、フィードバックゲイン補償器12が付加されてい
る。なお、同図中yはCxを表わす。
【0044】このような磁気浮上系においては、ステッ
プ状の外力Umおよび印加電圧Eのバイアス電圧eo
変化に伴ない、系の安定状態時の空隙長偏差Δzおよび
電流偏差Δiに以下に示すような定常偏差Δzs および
Δis が生じる。
【0045】
【数18】 本発明装置では、上記(16),(17)式で表される
定常偏差のうち、電流定常偏差Δis をステップ状の外
力Umの有無に拘らず零にするように、磁気支持部にフ
ィードバック制御を施すようにしている。
【0046】本発明は、このように電流定常偏差Δis
を零に制御するため、例えば次のような制御方法を採用
したものとなっている。
【0047】(A)外力Umを状態観測器によって観測
し、この観測値Umに適当なゲインを持たせて磁気浮上
系にフィードバックする方法、(B)ギャップ長偏差Δ
z、その時間微分である速度偏差、および電流偏差Δi
に全てが同時に零でない適当なゲインを持たせ、それぞ
れの値をsの一次系を構成するフィルタを介して磁気浮
上系にフィードバックする方法、(C)電流偏差Δiを
積分補償器を用いて積分し、その出力値に適当なゲイン
を持たせて磁気浮上系にフィードバックする方法、
(D)上記(A),(B)あるいは(C)の方法を併用
する方法、等である。
【0048】ここでは、一例として、(C)の方法につ
いて説明する。
【0049】上記(C)の方法を用いた磁気浮上系のブ
ロック図は図8に示される。すなわち、上記の方法は、
前述したフィードバックゲイン補償器12に加え、さら
に積分補償器13を付加したものとなっている。この積
分補償器13のゲインKは、K=[0,0,K3 ]で表
わされる行列であり、K3 は電流偏差Δiの積分ゲイン
である。したがって、この磁気浮上系における印加電圧
Eは、
【0050】
【数19】 で表せる。前述と同様にして状態推移行列Φ(s) を求め
ると、
【0051】
【数20】 となる。
【0052】外力Umを入力とし、y=Cxで表わされ
るyを出力とした時の伝達関数G(s) は、
【0053】
【数21】 ただし、 Δ(s) =S4 +(b313 −a33)s3 +{b313 −a21+a23(b312 −a32)}s2 +{a23311 −a21(b313 −a33)}s −a21313 …(21) と表わすことができる。
【0054】伝達関数G(s) の特性根は、上記(21)
式で表わされるΔ(s) を、Δ(s) =0として求めること
ができ、F1 ,F2 ,F3 ,K3 を適宜決定することに
より、図8の磁気浮上系の安定化を実現できる。
【0055】ここで、もし同図の磁気浮上系が安定であ
るとすれば、外力Umに対する偏差電流Δiの応答は、
ラプラス変換を用いて、
【0056】
【数22】 と求めることができる。
【0057】この(22)式において前記外力Umがス
テップ状外力であることから、Foを外力の大きさとす
れば、Um(s) =Fo /sとなり、(22)式は、
【0058】
【数23】 結局、外力Umの有無に拘らず、電流定常偏差Δis
零に近付ける手段は、現在に存在することは明らかであ
る。
【0059】なお、状態ベクトルxの各要素を検出する
には、例えば、(a)全ての要素を適当なセンサを用い
て直接測定する方法、(b)適当なギャップセンサ、速
度センサあるいは加速度センサ等のいずれか一つの出力
信号を、必要に応じて積分器あるいは微分器を用いて積
分または微分して、Δzやこれを時間微分した値などを
検出する方法、(c)状態ベクトルのうちの2要素を
(a)または(b)の方法で検出し、残りの一つを必要
であれば前記外力Umと合わせて状態観測器で観測する
方法などが挙げられる。
【0060】また、本発明の装置では、ガイドレールに
対向してガイドレールに対して同一平面上に各空隙を形
成するような関係に電磁石が配置され搬送車に取付けら
れている。したがって、磁気回路の形態によっては例え
ば搬送車を上下方向から挟み込むような関係にガイドレ
ールを敷設する必要もあるが、本発明ではそのような制
約は一切なく、装置全体の単純化および省スペース化を
図ることが可能となる。
【0061】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら実施例
を説明する。
【0062】図1乃至図3には本発明の一実施例に係る
浮上式搬送装置が示されている。
【0063】これらの図において、番号21は少なくと
も下面部分が強磁性材で形成されたガイドレールを示し
ている。このガイドレール21上には、搬送車22がガ
イドレール21に沿って走行自在に配置されている。
【0064】搬送車22には、磁気支持装置23が搭載
されており、この磁気支持装置23とガイドレール21
との間に生じる磁気的吸引力によって、搬送車22はガ
イドレール21に対して完全に浮上した状態に支持され
ている。
【0065】搬送車22の下面には支持板24を介して
リニア誘導電動機25の可動要素である導体板26が固
定されており、ガイドレール21に沿ったベース部分2
7にはリニア誘導電動機25の固定子28が固定されて
いる。また、搬送車22の下面には、磁気支持装置23
に制御信号を与える制御装置29と、この制御装置29
や磁気支持装置23に電力を供給する電源30が搭載さ
れている。
【0066】ガイドレール21は、アングル状部材21
a,21bを平行に敷設して構成されている。
【0067】搬送車22は、被搬送物の搬送を容易化す
るため、偏向な容器22aで構成されている。そして、
その下面には非常時等において搬送車22をガイドレー
ル21上で支持する車輪31が取付けられている。
【0068】磁気支持装置23は、搬送車22の四隅位
置と対向する位置に配置された4つの磁気支持部33
と、これら磁気支持部33を搬送車22にそれぞれ固定
するための4つのL字状の取付け部材32とで構成され
ている。
【0069】各磁気支持部33は、一端面がガイドレー
ル21の下面に僅かの空隙を介して対向した2つの継鉄
34,35およびこれら継鉄34,35に巻装されたコ
イル36,37からなる2つの電磁石38,39と、継
鉄34,35間に挿設された永久磁石40とで構成され
ている。コイル36,37は、励磁電流が流れたときに
互いに加算される向きの磁束を発生するように直列に接
続されている。上記構成から判るように、継鉄34,3
5および永久磁石40は、これらでU字状の磁芯を構成
し、この磁芯の両磁極面がガイドレール21の下面に対
向するように搬送車22に搭載されていることになる。
すなわち、ガイドレール21に対向してガイドレール2
1に対して同一平面上に各空隙を形成するような関係に
電磁石38,39が配置され搬送車22に取付けられて
いる。
【0070】制御装置29は、図4に示すように構成さ
れている。なお、この図において矢印は信号経路をまた
棒線は電力経路を示している。
【0071】この制御装置29は図8に示した方法によ
る制御を実現するものであり、具体的には搬送車22に
取付けられて磁気支持部33によって形成される磁気回
路の変化を検出するセンサ部46と、このセンサ部46
からの信号に基づいてコイル36,37へ供給すべき電
力を演算する演算回路47と、この演算回路47からの
信号に基づいてコイル36,37に電力を供給するパワ
ーアンプ48とで構成されている。
【0072】センサ部46は、前記継鉄34または35
に固定されて各磁気支持部33とガイドレール21との
間の空隙長を検出するギャップセンサ51と、このギャ
ップセンサ51からの信号を前処理する変調回路52
と、前記コイル36,37の電流値を検出する電流検出
器53とで構成されている。
【0073】演算回路47は、一方においては、ギャッ
プセンサ51の出力信号を変調回路52を介して導入
し、減算器54によって空隙長設定値zo を減算すると
ともに、この減算器54の出力を直接、また微分器55
を介してそれぞれフィードバックゲイン補償器56,5
7に導き、他方においては電流検出器53の出力信号を
フィードバックゲイン補償器58に導き、さらに電流検
出器53の出力信号を減算器59で0信号と比較し、こ
の減算器59の出力を積分補償器60で補償した信号
と、前記3つのフィードバックゲイン補償器56〜58
の出力を加算器61で加算した信号とを減算器62で比
較し、その偏差を前記パワーアンプ48に出力するもの
となっている。
【0074】なお、電源30は、比較的大電力を必要と
するパワーアンプ系統と小電力の演算回路系統とにそれ
ぞれ別個に電力を供給するために、2つの電源部30
a,30bを備えたものとなっている。これら電源部3
0a,30bは、それぞれ他の磁気支持部33へも電力
を供給している。
【0075】このように構成された本実施例に係る浮上
式搬送装置は次のように動作する。
【0076】すなわち、磁気支持部33において、永久
磁石40が作る磁束は、継鉄34,35、空隙、ガイド
レール21の強磁性体部分を通過して磁気回路を形成す
る。この磁気回路は、搬送車22に外力が作用していな
い定常状態で、電磁石38,39による磁束を全く必要
としないような磁気吸引力を持たせるように所定の空隙
長zo を保っている。
【0077】この状態で外力Umが作用すると、ギャッ
プセンサ51はこれを検知して変調回路52を介して演
算回路47に検出信号を送出する。演算回路47は、演
算器54によって上記信号から空隙長設定値zo を減算
し、空隙長偏差信号Δzを算出する。この空隙長偏差信
号Δzは、フィードバックゲイン補償器56に入力され
るとともに、微分器55によってΔzを時間微分した速
度偏差信号に変換された後にフィードバックゲイン補償
器57に入力される。
【0078】一方、電流偏差信号Δiは、電流検出器5
3の計測信号によって得られ、フィードバックゲイン補
償器58に入力される。また、電流偏差信号Δiは、減
算器59によって零レベルと比較され、その差信号が積
分補償器60に入力される。そして、加算器61によっ
て加算された3つのフィードバックゲイン補償器56〜
58の出力信号と、積分補償器60の出力信号とは、そ
れぞれ所定のゲインを付与されてパワーアンプ48にフ
ィードバックされる。
【0079】したがって、外力Umが作用したときに
は、電磁石38,39のコイル36,37に外力Umに
応じた大きさおよび方向の励磁電流が流れ、これによっ
て継鉄34,35とガイドレール21との問の磁気吸引
力が増加または減少するように制御され、搭載要素を含
む搬送車22の荷重と永久磁石40により磁気吸引力と
が釣り合う浮上位置へ搬送車22が移動した時点、つま
り上記電流偏差Δiが零になった状態で系が安定化する
ことになる。
【0080】このように、本実施例によれば、コイル3
6,37には、搬送車22に外力が作用して磁気回路に
変動が生じた際の過渡的状態のみ電流が流れ、定常状態
では外力の有無に拘らずその電流が零であるので、電源
の負担を大幅に軽減でき、省エネルギ化を図ることがで
きる。
【0081】また、電磁石38,39で重力方向と反対
方向の磁気吸引力だけを制御すればよいので、電磁石3
8,39の上方のみにガイドレール21を設ければよ
く、つまり定常浮上に必要なガイドレールと過渡状態の
収束に必要なガイドレールとを共用できるので、全体を
単純化でき、省スペース化を図ることができる。
【0082】なお、本発明は、上述した実施例に限定さ
れるものではない。たとえば、上記実施例では電流偏差
Δiを積分補償器を用いて積分し、これに適当なゲイン
を持たせてフィードバックする方法を採用しているが、
前述した他の方法によって制御するようにしてもよい。
【0083】また、前述したようにギャップセンサ51
および電流検出器53の代わりに速度センサや加速度セ
ンサを用いるようにしても良い。図5には、ギャップセ
ンサ51の代わりに加速度センサ65および2つの積分
器66,67を用いた実施例が示されている。このよう
に、加速度センサ65の出力を2回積分して磁気支持部
33とガイドレール21との間の空隙長を検出するよう
にしてもよく、この場合には、特にセンサの設定位置を
それぞれの磁気支持部33の加速度が検出できる範囲で
任意に決定できるという利点がある。
【0084】さらには、本発明は、アナログ式の制御を
行なうものに限定されず、デジタル式の制御要素を備え
た装置を構成することもできる。
【0085】このように、本発明はその要旨を逸脱しな
い範囲で種々変形して実施することができる。
【0086】
【発明の効果】本発明によれば、電磁石に要求される磁
気力に相当する部分を永久磁石で補償するようにし、さ
らに上記電磁石に流れる励磁電流の定常値を、搬送車に
作用する外力の有無に拘らず零にするようにしているの
で、上記電磁石のコイルには、搬送車に外力が作用した
際に過渡的に電流が流れるのみである。したがって、コ
イルで消費される電力を従来に較べて大幅に少なくする
ことができ、電源の負担を軽減させることができ、省エ
ネルギ化に大きく寄与できる。
【0087】また、ガイドレールに対向してガイドレー
ルに対して同一平面上に各空隙を形成するような関係に
電磁石が配置され搬送車に取付けられているため、装置
全体の単純化および省スペース化を図ることが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る浮上搬送装置における
要部の斜視図
【図2】同要部を図1におけるA−A線に沿って矢印方
向に見た図
【図3】同要部を一部切欠して示す側面図
【図4】同浮上式搬送装置の制御装置およびその周辺の
電気的構成を示すブロック図
【図5】本発明の他の実施例に係る浮上式搬送装置の制
御装置を示すブロック図
【図6】本発明の主要部分をなす磁気支持部を示す図
【図7】磁気支持部の安定化のための従来の制御方法を
示すブロック図
【図8】本発明で採用している磁気支持部の制御方法を
示すブロック図
【符号の説明】
1,21…ガイドレール 2,3,38,39…電磁石 4,5,34,35…継鉄 6,7,36,37…コイル 8,40…永久磁石 9,30…電源 11…制御対象 12,56〜58…フィードバックゲイン補償器 13,60…積分補償器 22…搬送車 23…磁気支持装置 25…リニア誘導電動機 29…制御装置 33…磁気支持部 46…センサ部 47…演算回路 55…微分器 66,67…積分器

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一部が磁性体で形成されたガイ
    ドレールと、このガイドレールに沿って走行自在に配置
    された搬送車と、前記ガイドレールに対向配置され、前
    記ガイドレールに対して同一平面上に各空隙を形成する
    ように前記搬送車に取付けられた複数の電磁石と、これ
    ら各電磁石、前記ガイドレールおよび前記空隙で構成さ
    れる各磁気回路中に配置されるとともに前記搬送車に取
    付けられ、前記搬送車を浮上させるのに必要な起磁力を
    供給する永久磁石と、前記搬送車に取付けられて前記磁
    気回路中の変化を検出するセンサ部およびこのセンサ部
    の出力に基づいて前記搬送車に作用する外力の有無に拘
    らず前記電磁石に流れる励磁電流の定常値を零にするよ
    うに前記電磁石に流す励磁電流を制御する制御部を有し
    た制御装置と、前記搬送車に搭載されて搬送車搭載要素
    への電力供給源となる電源とを具備してなることを特徴
    とする浮上式搬送装置。
  2. 【請求項2】前記制御装置は、前記センサ部の出力値か
    ら前記外力の大きさを観測する状態観測器と、この状態
    観測器で観測された前記外力の大きさに所定のゲインを
    持たせて前記励磁電流にフィードバックする手段とを備
    えてなることを特徴とする請求項1記載の浮上式搬送装
    置。
  3. 【請求項3】前記制御装置は、前記電磁石と前記ガイド
    レールとの間の空隙長、前記搬送車の前記空隙長方向の
    速度および前記電磁石の励磁電流の各偏差に全てが同時
    に零でない所定のゲインを持たせ、これらを一次伝達関
    数を有するフィルタを介して前記励磁電流にフィードバ
    ックする手段を備えてなることを特徴とする請求項1記
    載の浮上式搬送装置。
  4. 【請求項4】前記制御装置は、前記励磁電流の偏差を所
    定のゲインを持たせて積分する積分補償器と、この積分
    補償器の出力値を前記励磁電流にフィードバックする手
    段とを備えてなることを特徴とする請求項1記載の浮上
    式搬送装置。
  5. 【請求項5】前記制御装置は、前記センサ部の出力に基
    づいて前記電磁石と前記ガイドレールとの空隙長を調整
    してなることを特徴とする請求項1記載の浮上式搬送装
    置。
  6. 【請求項6】前記センサ部は、前記電磁石の前記ガイド
    レールとの間の空隙長、この空隙長の変化速度、前記空
    隙長の変化加速度および前記電磁石の励磁電流のうちの
    少なくとも1つの検出値を得るものであることを特徴と
    する請求項1記載の浮上式搬送装置。
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