JP2778882B2 - 浮上式搬送装置 - Google Patents

浮上式搬送装置

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JP2778882B2
JP2778882B2 JP4258645A JP25864592A JP2778882B2 JP 2778882 B2 JP2778882 B2 JP 2778882B2 JP 4258645 A JP4258645 A JP 4258645A JP 25864592 A JP25864592 A JP 25864592A JP 2778882 B2 JP2778882 B2 JP 2778882B2
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gap
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magnetic
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明平 森下
照男 小豆澤
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  • Control Of Vehicles With Linear Motors And Vehicles That Are Magnetically Levitated (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、小物類を搬送する
浮上式搬送装置に係り、特に、省エネルギ、省スペース
化を図れるようにした浮上式搬送装置に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、オフィスオートメーション、ファ
クトリーオートメーションの一環として、建屋内の複数
の地点間において、伝票、書類、現金、資料等を搬送装
置を用いて移動させることが広く行われている。 【0003】このような用途に用いられる搬送装置は、
搬送物を速やかに、かつ静かに移動させ得るものである
ことが要求される。このため、この種の搬送装置におい
ては、ガイドレール上で搬送車を非接触に支持すること
が行われている。 【0004】搬送車を非接触に支持するには、空気力や
磁気力を用いるのが一般的である。中でも搬送車を磁気
力で支持する方式は、ガイドレールに対する追従性や、
騒音低減効果に優れており、最も有望な支持手段である
といえる。 【0005】ところで、搬送車を磁気力で支持するよう
にした従来の浮上式搬送装置は、搬送車を電磁石で支持
し、この電磁石への励磁電流を制御することによって搬
送車を安定に支持するようにしている。したがって、電
磁石のコイルを常時付勢しなければならず、消費電力が
大きいという欠点を回避することができなかった。 【0006】そこで、電磁石に要求される磁気力の大部
分を永久磁石で付与し、消費電力の低減化を図るように
した装置も考えられている。しかし、この場合でも、例
えば搬送すべき物を搬送車に搭載するなどして、搬送車
に外力が作用する場合には、定常位置へ搬送車を押し戻
そうとする力を常時電磁石で与える必要があるため、こ
れによる消費電力の増大が問題であった。また、このよ
うに搬送車へ外力が作用することによって電磁石に付与
する電力が大きくなると、電磁石を付勢するための電源
として大容量の電源を使用しなければならず、結局、装
置全体の大型化を招くという問題があった。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】上述の如く、磁気力を
用いて搬送車を非接触支持するようにした従来の浮上式
搬送装置にあっては、搬送車を浮上させるためのエネル
ギ消費が多いという問題があった。そこで本発明は、消
費電力の低減化を図れるばかりか、装置全体の単純化お
よび省スペース化を図れる浮上式搬送装置を提供するこ
とを目的にしている。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る浮上式搬送装置は、少なくとも一部が
磁性体で形成されたガイドレールと、このガイドレール
に沿って走行自在に配置された搬送車と、前記ガイドレ
ールの下面と空隙を介して対向するように前記搬送車に
取付けられ、前記ガイドレールとの間に重力方向と反対
方向の磁気的吸引力を発生する複数の電磁石と、これら
各電磁石、前記ガイドレールおよび前記空隙で構成され
る各磁気回路中に配置されるとともに前記搬送車に取付
けられ、発生する磁束に係る磁気回路の空隙が前記電磁
石に係る磁気回路の空隙と一致するように、前記搬送車
の浮上に必要な起磁力を供給する永久磁石と、前記搬送
車に取付けられて前記磁気回路中の空隙の大きさの変化
を検出するセンサ部およびこのセンサ部の出力に基づい
て前記搬送車に作用する外力の有無に拘らず前記電磁石
に流れる励磁電流が零となる状態で前記磁気回路を安定
化するようにし、前記永久磁石の起磁力が前記外力と釣
り合う空隙長で前記搬送車を磁気浮上させる制御部を有
した制御装置とを具備してなる浮上式搬送装置である。 【0009】また、少なくとも一部が磁性体で形成され
たガイドレールと、このガイドレールに沿って走行自在
に配置された搬送車と、前記ガイドレールの下面と空隙
を介して対向するように前記搬送車に取付けられた複数
の電磁石と、これら各電磁石、前記ガイドレールおよび
前記空隙で構成される各磁気回路中に配置されるととも
に前記搬送車に取付けられ、発生する磁束に係る磁気回
路の空隙が前記電磁石に係る磁気回路の空隙と一致する
ように、前記搬送車の浮上に必要な起磁力を供給する永
久磁石と、前記搬送車に取付けられて前記磁気回路中の
空隙の大きさの変化を検出するセンサ部およびこのセン
サ部の出力に基づいて前記搬送車に作用する外力の有無
に拘らず前記電磁石に流れる励磁電流が零となる状態で
前記磁気回路を安定化するようにし、前記永久磁石の起
磁力が前記外力と釣り合う空隙長で前記搬送車を磁気浮
上させる制御部を有した制御装置と、前記搬送車に搭載
されて少なくとも前記電磁石への電力供給を行う電源と
を具備してなる浮上式搬送装置である。 【0010】また、少なくとも一部が磁性体で形成され
たガイドレールと、このガイドレールに沿って走行自在
に配置された搬送車と、前記ガイドレールの下面と空隙
を介して対向するように前記搬送車に取付けられ、前記
ガイドレールと対向する磁極が分離して配置された複数
の電磁石と、これら各電磁石、前記ガイドレールおよび
前記空隙で構成される各磁気回路中に配置されるととも
に前記搬送車に取付けられ、発生する磁束に係る磁気回
路の空隙が前記電磁石に係る磁気回路の空隙と一致する
ように、前記搬送車の浮上に必要な起磁力を供給する永
久磁石と、前記搬送車に取付けられて前記磁気回路中の
空隙の大きさの変化を検出するセンサ部およびこのセン
サ部の出力に基づいて前記搬送車に作用する外力の有無
に拘らず前記電磁石に流れる励磁電流が零となる状態で
前記磁気回路を安定化するようにし、前記永久磁石の起
磁力が前記外力と釣り合う空隙長で前記搬送車を磁気浮
上させる制御部を有した制御装置とを具備してなる浮上
式搬送装置である。 【0011】また、少なくとも一部が磁性体で形成され
たガイドレールと、このガイドレールに沿って走行自在
に配置された搬送車と、前記ガイドレールの下面と空隙
を介して対向し、前記ガイドレールに対して同一平面上
に各空隙を形成するように前記搬送車に取付けられた複
数の電磁石と、これら各電磁石、前記ガイドレールおよ
び前記空隙で構成される各磁気回路中に配置されるとと
もに前記搬送車に取付けられ、発生する磁束に係る磁気
回路の空隙が前記電磁石に係る磁気回路の空隙と一致す
るように、前記搬送車の浮上に必要な起磁力を供給する
永久磁石と、前記搬送車に取付けられて前記磁気回路中
の空隙の大きさの変化を検出するセンサ部およびこのセ
ンサ部の出力に基づいて前記搬送車に作用する外力の有
無に拘らず前記電磁石に流れる励磁電流が零となる状態
で前記磁気回路を安定化するようにし、前記永久磁石の
起磁力が前記外力と釣り合う空隙長で前記搬送車を磁気
浮上させる制御部を有した制御装置とを具備してなる浮
上式搬送装置である。 【0012】 【作用】本発明を説明するに当り、まず本装置における
制御方式がいかなる根拠に基づくものかを説明する。図
6には本装置における磁気支持部の代表的な構成が示さ
れている。 【0013】すなわち、図中1はガイドレールであり、
このガイドレールの下面に対向する部分には空隙Pを介
して2つの電磁石2,3が対向配置されている。これら
2つの電磁石2,3は、継鉄4,5にそれぞれコイル
6,7を巻装して構成されたものである。そして、両継
鉄4,5の一端側は、永久磁石8によって磁気的に結合
されている。コイル6,7は、励磁電流が流れたときに
互いに加算される向きの磁束を発生するように直列に接
続され、さらに電源9に接続されたものとなっている。
そして、電磁石2,3、永久磁石8および電源9は、ガ
イドレール1に沿って走行する図示しない搬送車に取付
けられている。上記構成から判るように、継鉄4,5お
よび永久磁石8は、これらでU字状の磁芯を構成し、こ
の磁芯の両磁極面がガイドレール1の下面に対向するよ
うに搭載されていることになる。 【0014】このように構成された磁気支持部におい
て、いまガイドレール1、空隙P、継鉄4,5、永久磁
石8からなる磁気回路について考察する。なお、簡単の
ために、この磁気回路における漏れ磁束は無視すること
にする。この磁気回路の磁気抵抗Rmは、 【0015】 【数1】で表すことができる。ここに、μ0は真空の透磁率、S
は磁気回路の断面積、zは空隙長、μSは空隙部分以外
の非透磁率、Lは空隙部分以外の磁気回路長である。 【0016】また、コイル6,7に励磁電流が流れてい
ない時に空隙Pに生じる磁界の強さをHm、永久磁石8
の長さをLm、コイル6,7の総巻数をN、コイル6,
7への励磁電流をIとすると、この磁気回路に発生する
全磁束Φは、 【0017】 【数2】 となる。したがって、ガイドレール1と各継鉄4,5と
の間に働く全吸引力Fは、 【0018】 【数3】 で表わせる。ここで、zで示す向きを重力方向として搬
送車の運動方程式を導くと、 【0019】 【数4】 となる。なお、ここに、mは前記磁気支持部に加わる負
荷および当該磁気支持部の全質量、gは重力加速度であ
り、Umは搬送車に印加される外力の大きさである。一
方、直列に接続されたコイル6,7が鎖交する磁束数Φ
Nは、 【0020】 【数5】 であるから、コイル6,7の電圧方程式は、コイル6,
7の全抵抗をRとして、 【0021】 【数6】 となる。 【0022】ここで、Rmは、(1) 式から明らかなよう
に、空隙長zの関数である。そこで、いま、I=0の時
に吸引力Fと重力mgとが釣合う際のギャップ長をz
0、全磁気抵抗をRm0として、上記(5) ,(6) 式を空
隙長z=z0、速度dz/dt =0、電流I=0の近傍で線
形化する。この場合、z,dz/dt ,Iは、 【0023】 【数7】 で表わせる。そこで、上記(3) 式の吸引力Fを定常点
(z,dz/dt ,I)=(z0,0,0)の近傍で線形化
すると、 【0024】 【数8】 となり、 【0025】 【数9】 とおくと、 【0026】 【数10】 となる。したがって、前記(4) 式は次のようにまとめる
ことができる。 【0027】 【数11】 同様に、前記(6) 式を定常点(z,dz/dt ,I)=(z
0,0,0)の近傍で線形化すると、 【0028】 【数12】となる。上記(7) ,(8) 式は、次のような状態方程式に
まとめることができる。 【0029】 【数13】 ただし、a21,a23,a32,a33,b31,d
21は、それぞれ、 【0030】 【数14】 である。ここで、簡単のため上記(9) 式を、 【0031】 【数15】 と表わす。この(10)式で表わされる線形システムは、一
般には不安定な系であるが、 【0032】 【数16】 印加電圧Eを種々の方法で求め、系にフィードバック制
御を施すことによって安定化を図ることができる。例え
ば、Cを出力行列(この場合単位行列)とし、印加電圧
を、 【0033】 【数17】(ただし、F1,F2,F3はフィードバック定数)と
すれば、(10)式は、 【0034】 【数18】 となり、さらに、この(10)式をラプラス変換してxを求
めると、 【0035】 【数19】 となる。なお、ここに、Iは単位行列、x0はxの初期
値である。上記(13)式において、Umをステップ状の外
力とすれば、xの安定性は、状態推移行列Φ(s) すなわ
ち、 【0036】 【数20】 の行列式det |Φ(s) |の特性根がsの複素平面上で全
て左半面上に保存すれば保障される。(9) 式の場合、Φ
(s) の特性方程式det |Φ(s) |=0は、 【0037】 【数21】 となる。 【0038】したがって、F1,F2,F3の値を適宜
決定することにより、det |Φ(s)|=0の特性根の複
素平面上での配置を任意に決定することができ、磁気浮
上系の安定化を達成することができる。磁気支持部にこ
の様なフィードバック制御を施した場合の磁気浮上系の
ブロック図を図7に示す。すなわち、制御対象11に
は、フィードバックゲイン補償器12が付加されてい
る。なお、同図中yはCxを表わす。 【0039】このような磁気浮上系においては、ステッ
プ状の外力Umおよび印加電圧Eのバイアス電圧e0の
変化に伴ない、系の安定状態時の空隙長偏差Δzおよび
電流偏差Δiに以下に示すような定常偏差ΔzSおよび
ΔiSが生じる。 【0040】 【数22】【0041】本発明装置では、上記(16),(17)式で表さ
れる定常偏差のうち、電流定常偏差ΔiSをステップ状
の外力Umの有無に拘らず零にするように、磁気支持部
にフィードバック制御を施すようにしている。 【0042】本発明は、このように電流定常偏差ΔiS
を零に制御するため、例えば次のような制御方法を採用
したものとなっている。 (A)外力Umを状態観測器によって観測し、この観測
値Umに適当なゲインを持たせて磁気浮上系にフィード
バックする方法、 (B)ギャップ長偏差Δz、その時間微分である速度偏
差、および電流偏差Δiに全てが同時に零でない適当な
ゲインを持たせ、それぞれの値をsの一次系を構成する
フィルタを介して磁気浮上系にフィードバックする方
法、 (C)電流偏差Δiを積分補償器を用いて積分し、その
出力値に適当なゲインを持たせて磁気浮上系にフィード
バックする方法、 (D)上記(A),(B)あるいは(C)の方法を併用
する方法、等である。 【0043】ここでは、一例として、(C)の方法につ
いて説明する。上記(C)の方法を用いた磁気浮上系の
ブロック図は図8に示される。すなわち、上記の方法
は、前述したフィードバックゲイン補償器12に加え、
さらに積分補償器13を付加したものとなっている。こ
の積分捕償器13のゲインKは、K=〔0,0,K3〕
で表わされる行列であり、K3は電流偏差Δiの積分ゲ
インである。したがって、この磁気浮上系における印加
電圧Eは、 【0044】 【数23】 で表せる。前述と同様にして状態推移行列Φ(s) を求め
ると、 【0045】 【数24】 となる。外力Umを入力とし、y=Cxで表わされるy
を出力とした時の伝達関数G(s) は、G(s) =sΦ(s)
E、すなわち、 【0046】 【数25】 ただし、 【0047】 【数26】と表わすことができる。 【0048】伝達関数G(s) の特性根は、上記(21)式で
表わされるΔ(s) を、Δ(s) =0として求めることがで
き、F1,F2,F3,K3を適宜決定することによ
り、図8の磁気浮上系の安定化を実現できる。ここで、
もし同図の磁気浮上系が安定であるとすれば、外力Um
に対する偏差電流Δiの応答は、ラプラス変換を用い
て、 【0049】 【数27】 と求めることができる。この(22)式において前記外力U
mがステップ状外力であることから、F0を外力の大き
さとすれば、Um(s) =F0/sとなり、(22)式は、 【0050】 【数28】 結局、外力Umの有無に拘らず、電流定常偏差ΔiSを
零に近付ける手段は、現実に存在することは明らかであ
る。 【0051】なお、状態ベクトルxの各要素を検出する
には、例えば、 (a)全ての要素を適当なセンサを用いて直接測定する
方法、 (b)適当なギャップセンサ、速度センサあるいは加速
度センサ等のいずれか一つの出力信号を、必要に応じて
積分器あるいは微分器を用いて積分または微分して、Δ
zやこれを時間微分した値などを検出する方法、 (c)状態ベクトルのうちの2要素を(a)または
(b)の方法で検出し、残りの一つを必要であれば前記
外力Umと合わせて状態観測器で観測する方法などが挙
げられる。 【0052】また、電磁石で重力と反対方向の磁気吸引
力だけを制御すればよいので、電磁石の上方のみにガイ
ドレールを設ければよく、つまり定常浮上に必要なガイ
ドレールと過渡状態の収束に必要なガイドレールとを共
用できるので、全体を単純化でき、省スペース化を図る
ことができる。 【0053】また、定常浮上の際に電力が不要となるた
め、電源の大きさは従来のものに比べて十分に小型軽量
化できる。そのため、搬送車に搭載された要素への電力
供給源となる電源も搬送車に搭載することが容易とな
り、完全非接触浮上を持続できるとともに、配線の長さ
を最短にできるため配線における損失を低減できるの
で、電源の負担を一層軽減することが可能となる。 【0054】 【実施例】以下、図面を参照しながら実施例を説明す
る。図1乃至図3には本発明の一実施例に係る浮上式搬
送装置が示されている。これらの図において、番号21
は少なくとも下面部分が強磁性材で形成されたガイドレ
ールを示している。このガイドレール21上には、搬送
車22がガイドレール21に沿って走行自在に配置され
ている。 【0055】搬送車22には、磁気支持装置23が搭載
されており、この磁気支持装置23とガイドレール21
との間に生じる磁気的吸引力によって、搬送車22はガ
イドレール21に対して完全に浮上した状態に支持され
ている。 【0056】搬送車22の下面には支持板24を介して
リニア誘導電動機25の可動要素である導体板26が固
定されており、ガイドレール21に沿ったべ一ス部分2
7にはリニア誘導電動機25の固定子28が固定されて
いる。また、搬送車22の下面には、磁気支持装置23
に制御信号を与える制御装置29と、この制御装置29
や磁気支持装置23に電力を供給する電源30が搭載さ
れている。 【0057】ガイドレール21は、アングル状部材21
a,21bを平行に敷設して構成されている。搬送車2
2は、被搬送物の搬送を容易化するため、偏平な容器2
2aで構成されている。そして、その下面には非常時等
において搬送車22をガイドレール21上で支持する車
輪31が取付けられている。 【0058】磁気支持装置23は、搬送車22の四隅位
置と対向する位置に配置された4つの磁気支持部33
と、これら磁気支持部33を搬送車22にそれぞれ固定
するための4つのL字状の取付け部材32とで構成され
ている。 【0059】各磁気支持部33は、一端面がガイドレー
ル21の下面に僅かの空隙を介して対向した2つの継鉄
34,35およびこれら継鉄34,35に巻装されたコ
イル36,37からなる2つの電磁石38,39と、継
鉄34,35間に挿設された永久磁石40とで構成され
ている。コイル36,37は、励磁電流が流れたとき互
いに加算される向きの磁束を発生するように直列に接続
されている。上記構成から判るように、継鉄34,35
および永久磁石40は、これらでU字状の磁芯を構成
し、この磁芯の両磁極面がガイドレール21の下面に対
向するように搬送車22に搭載されていることになる。 【0060】すなわち、ガイドレール21に対向してガ
イドレール21に対して同一平面上に各空隙を形成する
ような関係に電磁石38,39が配置され搬送車22に
取付けられている。 【0061】制御装置29は、図4に示すように構成さ
れている。なお、この図において矢印は信号経路を、ま
た棒線は電力経路を示している。この制御装置29は図
8に示した方法による制御を実現するものであり、具体
的には搬送車22に取付けられて磁気支持部33によっ
て形成される磁気回路の変化を検出するセンサ部46
と、このセンサ部46からの信号に基づいてコイル3
6,37へ供給すべき電力を演算する演算回路47と、
この演算回路47からの信号に基づいてコイル36,3
7に電力を供給するパワーアンプ48とで構成されてい
る。 【0062】センサ部46は、前記継鉄34または35
に固定されて各磁気支持部33とガイドレール21との
間の空隙長を検出するギャップセンサ51と、このギャ
ップセンサ51からの信号を前処理する変調回路52
と、前記コイル36,37の電流値を検出する電流検出
器53とで構成されている。 【0063】演算回路47は、一方においては、ギャッ
プセンサ51の出力信号を変調回路52を介して導入
し、減算器54によって空隙長設定値z0を減算すると
ともに、この減算器54の出力を直接、また微分器55
を介してそれぞれフィードバックゲイン補償器56,5
7に導き、他方においては電流検出器53の出力信号を
フィードバックゲイン補償器58に導き、さらに電流検
出器53の出力信号を減算器59で0信号と比較し、こ
の減算器59の出力を積分補償器60で補償した信号
と、前記3つのフィードバックゲイン補償器56〜58
の出力を加算器61で加算した信号とを減算器62で比
較し、その偏差を前記パワーアンプ48に出力するもの
となっている。 【0064】なお、電源30は、比較的大電力を必要と
するパワーアンプ系統と小電力の演算回路系統とにそれ
ぞれ別個に電力を供給するために、2つの電源部30
a,30bを備えたものとなっている。これら電源部3
0a,30bは、それぞれ他の磁気支持部33へも電力
を供給している。 【0065】このように構成された本実施例に係る浮上
式搬送装置は次のように動作する。すなわち、磁気支持
部33において、永久磁石40が作る磁束は、継鉄3
4,35、空隙、ガイドレール21の強磁性体部分を通
過して磁気回路を形成する。この磁気回路は、搬送車2
2に外力が作用していない定常状態で、電磁石38,3
9による磁束を全く必要としないような磁気吸引力を持
たせるように所定の空隙長z0を保っている。 【0066】この状態で外力Umが作用すると、ギャッ
プセンサ51はこれを検知して変調回路52を介して演
算回路47に検出信号を送出する。演算回路47は、演
算器54によって上記信号から空隙長設定値z0を減算
し、空隙長偏差信号Δzを算出する。この空隙長偏差信
号Δzは、フィードバックゲイン補償器56に入力され
るとともに、微分器55によってΔzを時間微分した速
度偏差信号に変換された後にフィードバックゲイン補償
器57に入力される。 【0067】一方、電流偏差信号Δiは、電流検出器5
3の計測信号によって得られ、フィードバックゲイン補
償器58に入力される。また、電流偏差信号Δiは、減
算器59によって零レベルと比較され、その差信号が積
分補償器60に入力される。そして、加算器61によっ
て加算された3つのフィードバックゲイン補償器56〜
58の出力信号と、積分補償器60の出力信号とは、そ
れぞれ所定のゲインを付与されてパワーアンプ48にフ
ィードバックされる。 【0068】したがって、外力Umが作用したときに
は、電磁石38,39のコイル36,37に外力Umに
応じた大きさおよび方向の励磁電流が流れ、これによっ
て継鉄34,35とガイドレール21との間の磁気吸引
力が増加または減少するように制御され、搭載要素を含
む搬送車22の荷重と永久磁石40により磁気吸引力と
が釣り合う浮上位置へ搬送車22が移動した時点、つま
り上記電流偏差Δiが零になった状態で系が安定化する
ことになる。 【0069】このように、本実施例によれば、コイル3
6,37には、搬送車22に外力が作用して磁気回路に
変動が生じた際の過渡的状態のみ電流が流れ、定常状態
では外力の有無に拘らずその電流が零であるので、電源
の負担を大幅に軽減でき、省エネルギ化を図ることがで
きる。 【0070】また、電磁石38,39で重力方向と反対
方向の磁気吸引力だけを制御すればよいので、電磁石3
8,39の上方のみにガイドレール21を設ければよ
く、つまり定常浮上に必要なガイドレールと過渡状態の
収束に必要なガイドレールとを共用できるので、全体を
単純化でき、省スペース化を図ることができる。 【0071】なお、本発明は、上述した実施例に限定さ
れるものではない。たとえば、上記実施例では電流偏差
Δiを積分補償器を用いて積分し、これに適当なゲイン
を持たせてフィードバックする方法を採用しているが、
前述した他の方法によって制御するようにしてもよい。 【0072】また、前述したようにギャップセンサ51
および電流検出器53の代わりに速度センサや加速度セ
ンサを用いるようにしても良い。図5には、ギャップセ
ンサ51の代わりに加速度センサ65および2つの積分
器66,67を用いた実施例が示されている。このよう
に、加速度センサ65の出力を2回積分して磁気支持部
33とガイドレール21との間の空隙長を検出するよう
にしてもよく、この場合には、特にセンサの設定位置を
それぞれの磁気支持部33の加速度が検出できる範囲で
任意に決定できるという利点がある。 【0073】さらには、本発明は、アナログ式の制御を
行なうものに限定されず、デジタル式の制御要素を備え
た装置を構成することもできる。このように、本発明は
その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施すること
ができる。 【0074】 【発明の効果】本発明によれば、電磁石に要求される磁
気力に相当する部分を永久磁石で補償するようにし、さ
らに上記電磁石に流れる励磁電流の定常値を、搬送車に
作用する外力の有無に拘らず零にするようにしているの
で、上記電磁石のコイルには、搬送車に外力が作用した
際に過渡的に電流が流れるのみである。したがって、コ
イルで消費される電力を従来に較べて大幅に少なくする
ことができ、電源の負担を軽減させることができ、省エ
ネルギ化に大きく寄与できる。 【0075】また、電磁石で重力と反対方向の磁気吸引
力だけを制御すればよいので、電磁石の上方のみにガイ
ドレールを設ければよく、定常浮上に必要なガイドレー
ルと過渡状態の収束に必要なガイドレールとを共用でき
るので、全体を単純化でき、省スペース化を図ることが
できる。 【0076】また、定常浮上の際に電力が不要となるた
め、電源の大きさは従来のものに比べて十分に小型軽量
化できる。そのため、搬送車に搭載された要素への電力
供給源となる電源も搬送車に搭載することが容易とな
る。 【0077】また、ガイドレールに対向してガイドレー
ルに対して同一平面上に各空隙を形成するような関係に
電磁石が配置され搬送車に取付けられているため、装置
全体の単純化および省スペース化を図ることが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】 【図l】本発明の一実施例に係る浮上搬送装置における
要部の斜視図 【図2】同要部を図1におけるA−A線に沿って矢印方
向に見た図 【図3】同要部を一部切欠して示す側面図 【図4】同浮上式搬送装置の制御装置およびその周辺の
電気的構成を示すブロック図 【図5】本発明の他の実施例に係る浮上式搬送装置の制
御装置を示すブロック図 【図6】本発明の主要部分をなす磁気支持部を示す図 【図7】磁気支持部の安定化のための従来の制御方法を
示すブロック図 【図8】本発明で採用している磁気支持部の制御方法を
示すブロック図 【符号の説明】 l,21…ガイドレール 2,3,38,39…電磁石 4,5,34,35…継鉄 6,7,36.37…コイル 8,40…永久磁石 9,30…電源 11…制御対象 12,56〜58…フィードバックゲイン補償器 13,60…積分補償器 22…搬送車 23…磁気支持装置 25…リニア誘導電動機 29…制御装置 33…磁気支持部 46…センサ部 47…演算回路 55…微分器 66,67…積分器
フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭53−132112(JP,U) IEEE TRANSACTIONS ON MAGNETICS,VOL. MAG−16,NO1,JANUARY (1980)(米)P.146−148 「航空宇宙技術研究所資料、TM− 388」、航空宇宙技術研究所発行(1979 年8月)、特に、第9頁〜第12頁に関す る記載参照

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.少なくとも一部が磁性体で形成されたガイドレール
    と、 このガイドレールに沿って走行自在に配置された搬送車
    と、 前記ガイドレールの下面と空隙を介して対向するように
    前記搬送車に取付けられ、前記ガイドレールとの間に重
    力方向と反対方向の磁気的吸引力を発生する複数の電磁
    石と、 これら各電磁石、前記ガイドレールおよび前記空隙で構
    成される各磁気回路中に配置されるとともに前記搬送車
    に取付けられ、発生する磁束に係る磁気回路の空隙が前
    記電磁石に係る磁気回路の空隙と一致するように、前記
    搬送車の浮上に必要な起磁力を供給する永久磁石と、 前記搬送車に取付けられて前記磁気回路中の空隙の大き
    さの変化を検出するセンサ部およびこのセンサ部の出力
    に基づいて前記搬送車に作用する外力の有無に拘らず前
    記電磁石に流れる励磁電流が零となる状態で前記磁気回
    路を安定化するようにし、前記永久磁石の起磁力が前記
    外力と釣り合う空隙長で前記搬送車を磁気浮上させる制
    御部を有した制御装置とを具備してなることを特徴とす
    る浮上式搬送装置。 2.少なくとも一部が磁性体で形成されたガイドレール
    と、 このガイドレールに沿って走行自在に配置された搬送車
    と、 前記ガイドレールの下面と空隙を介して対向するように
    前記搬送車に取付けられた複数の電磁石と、 これら各電磁石、前記ガイドレールおよび前記空隙で構
    成される各磁気回路中に配置されるとともに前記搬送車
    に取付けられ、発生する磁束に係る磁気回路の空隙が前
    記電磁石に係る磁気回路の空隙と一致するように、前記
    搬送車の浮上に必要な起磁力を供給する永久磁石と、 前記搬送車に取付けられて前記磁気回路中の空隙の大き
    さの変化を検出するセンサ部およびこのセンサ部の出力
    に基づいて前記搬送車に作用する外力の有無に拘らず前
    記電磁石に流れる励磁電流が零となる状態で前記磁気回
    路を安定化するようにし、前記永久磁石の起磁力が前記
    外力と釣り合う空隙長で前記搬送車を磁気浮上させる制
    御部を有した制御装置と、 前記搬送車に搭載されて少なくとも前記電磁石への電力
    供給を行う電源とを具備してなることを特徴とする浮上
    式搬送装置。 3.少なくとも一部が磁性体で形成されたガイドレール
    と、 このガイドレールに沿って走行自在に配置された搬送車
    と、 前記ガイドレールの下面と空隙を介して対向するように
    前記搬送車に取付けられ、前記ガイドレールと対向する
    磁極が分離して配置された複数の電磁石と、 これら各電磁石、前記ガイドレールおよび前記空隙で構
    成される各磁気回路中に配置されるとともに前記搬送車
    に取付けられ、発生する磁束に係る磁気回路の空隙が前
    記電磁石に係る磁気回路の空隙と一致するように、前記
    搬送車の浮上に必要な起磁力を供給する永久磁石と、 前記搬送車に取付けられて前記磁気回路中の空隙の大き
    さの変化を検出するセンサ部およびこのセンサ部の出力
    に基づいて前記搬送車に作用する外力の有無に拘らず前
    記電磁石に流れる励磁電流が零となる状態で前記磁気回
    路を安定化するようにし、前記永久磁石の起磁力が前記
    外力と釣り合う空隙長で前記搬送車を磁気浮上させる制
    御部を有した制御装置とを具備してなることを特徴とす
    る浮上式搬送装置。 4.少なくとも一部が磁性体で形成されたガイドレール
    と、 このガイドレールに沿って走行自在に配置された搬送車
    と、 前記ガイドレールの下面と空隙を介して対向し、前記ガ
    イドレールに対して同一平面上に各空隙を形成するよう
    に前記搬送車に取付けられた複数の電磁石と、 これら各電磁石、前記ガイドレールおよび前記空隙で構
    成される各磁気回路中に配置されるとともに前記搬送車
    に取付けられ、発生する磁束に係る磁気回路の空隙が前
    記電磁石に係る磁気回路の空隙と一致するように、前記
    搬送車の浮上に必要な起磁力を供給する永久磁石と、 前記搬送車に取付けられて前記磁気回路中の空隙の大き
    さの変化を検出するセンサ部およびこのセンサ部の出力
    に基づいて前記搬送車に作用する外力の有無に拘らず前
    記電磁石に流れる励磁電流が零となる状態で前記磁気回
    路を安定化するようにし、前記永久磁石の起磁力が前記
    外力と釣り合う空隙長で前記搬送車を磁気浮上させる制
    御部を有した制御装置とを具備してなることを特徴とす
    る浮上式搬送装置。
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