JP2005112784A - メタシクロファン化合物及びそれを用いた有機発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 極めて高効率で高輝度な光出力を有し、極めて耐久性があり、さらには製造が容易でかつ比較的安価に作成可能な有機発光素子を提供する。
【解決手段】 下記一般式[I]で示されるメタシクロファン化合物。
【化1】
Figure 2005112784

(式中、R1〜R4は、水素原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアルコキシ基、置換あるいは無置換のアリール基,置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換の縮合多環芳香族基、置換あるいは無置換の縮合多環複素環基、置換アミノ基、置換アルケニル基、置換ボリル基を表わし、R1〜R2の少なくとも1つは、置換あるいは無置換のアリール基,置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換の縮合多環芳香族基、置換あるいは無置換の縮合多環複素環基、置換アミノ基、置換アルケニル基、または置換ボリル基である。R1〜R4は、同じであっても異なっていてもよい。nは、2乃至4の整数を表す。)
【選択図】 なし

Description

本発明は、新規な有機化合物およびそれを用いた有機発光素子に関する。
有機発光素子は、陽極と陰極間に蛍光性有機化合物または燐光性有機化合物を含む薄膜を挟持させて、各電極から電子およびホール(正孔)を注入することにより、蛍光性化合物または燐光性化合物の励起子を生成させ、この励起子が基底状態にもどる際に放射される光を利用する素子である。
1987年コダック社の研究(非特許文献1)では、陽極にITO、陰極にマグネシウム銀の合金をそれぞれ用い、電子輸送材料および発光材料としてアルミニウムキノリノール錯体を用いホール輸送材料にトリフェニルアミン誘導体を用いた機能分離型2層構成の素子で、10V程度の印加電圧において1000cd/m2程度の発光が報告されている。関連の特許としては,特許文献1〜3等が挙げられる。
また、蛍光性有機化合物の種類を変えることにより、紫外から赤外までの発光が可能であり、最近では様々な化合物の研究が活発に行われている。例えば、特許文献4〜11等に記載されている。
近年、燐光性化合物を発光材料として用い、三重項状態のエネルギーをEL発光に用いる検討が多くなされている。プリンストン大学のグループにより、イリジウム錯体を発光材料として用いた有機発光素子が、高い発光効率を示すことが報告されている(非特許文献2)。
さらに、上記のような低分子材料を用いた有機発光素子の他にも、共役系高分子を用いた有機発光素子が、ケンブリッジ大学のグループ(非特許文献3)により報告されている。この報告ではポリフェニレンビニレン(PPV)を塗工系で成膜することにより、単層で発光を確認している。共役系高分子を用いた有機発光素子の関連特許としては、特許文献12〜16等が挙げられる。
このように有機発光素子における最近の進歩は著しく、その特徴は低印加電圧で高輝度、発光波長の多様性、高速応答性、薄型、軽量の発光デバイス化が可能であることから、広汎な用途への可能性を示唆している。
しかしながら、現状では更なる高輝度の光出力あるいは高変換効率が必要である。また、長時間の使用による経時変化や酸素を含む雰囲気気体や湿気などによる劣化等の耐久性の面で未だ多くの問題がある。さらにはフルカラーディスプレイ等への応用を考えた場合の色純度の良い青、緑、赤の発光が必要となるが、これらの問題に関してもまだ十分でない。
一方、シクロファン化合物は電荷輸送性置換基、発光性置換基を修飾することでその特異的な構造的特徴から優れた電荷輸送材料や発光材料として用いられる。シクロファン化合物を有機発光素子に用いた例として、特許文献17〜21などが挙げられるが、オルトシクロファン化合物を有機発光素子に用いており、発光層材料や電荷輸送材料として用いた際の特性は十分なものではない。
米国特許4、539、507号明細書 米国特許4,720,432号明細書 米国特許4,885,211号明細書 米国特許5,151,629号明細書 米国特許5,409,783号明細書 米国特許5,382,477号明細書 特開平2−247278号公報 特開平3−255190号公報 特開平5−202356号公報 特開平9−202878号公報 特開平9−227576号公報 米国特許5,247,190号明細書 米国特許5,514,878号明細書 米国特許5,672,678号明細書 特開平4−145192号公報 特開平5−247460号公報 特開2001−196180号公報 特開2001−294957号公報 特開2001−351785号公報 特開2002−173488号公報 特開2002−196375号公報 Appl.Phys.Lett.51,913(1987) Nature,395,151(1998) Nature,347,539(1990)
本発明の目的は、特定なメタシクロファン化合物を提供することにある。
また本発明の目的は、特定なメタシクロファン化合物を用い、極めて高効率で高輝度な光出力を有する有機発光素子を提供することにある。
また、極めて耐久性のある有機発光素子を提供することにある。
さらには製造が容易でかつ比較的安価に作成可能な有機発光素子を提供する事にある。
本発明のメタシクロファン化合物は、下記一般式[I]で示されることを特徴とする。
Figure 2005112784
(式中、R1〜R4は、水素原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアルコキシ基、置換あるいは無置換のアリール基,置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換の縮合多環芳香族基、置換あるいは無置換の縮合多環複素環基、置換アミノ基、置換基、置換ボリル基を表わし、R1〜R2の少なくとも1つは、置換あるいは無置換のアリール基,置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換の縮合多環芳香族基、置換あるいは無置換の縮合多環複素環基、置換アミノ基、置換アルケニル基、または置換ボリル基である。R1〜R4は、同じであっても異なっていてもよい。nは、2乃至4の整数を表す。)
本発明のメタシクロファン化合物は、前記R1、R2のいずれもが、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換の縮合多環芳香族基、または置換あるいは無置換の縮合多環複素環基であることが好ましい。
また、本発明の有機発光素子は、陽極及び陰極からなる一対の電極と、該一対の電極間に挟持された一または複数の有機化合物を含む層を少なくとも有する有機発光素子において、前記有機化合物を含む層の少なくとも一層が上記メタシクロファン化合物の少なくとも一種を含有することを特徴とする。
本発明のメタシクロファン化合物を用いた有機発光素子は、低い印加電圧で高輝度な発光が得られ、耐久性にも優れている。特に本発明のメタシクロファン化合物を含有する有機層は、電荷輸送層として優れ、かつ発光層としても優れている。
さらに、素子の作成も真空蒸着あるいはキャステイング法等を用いて作成可能であり、比較的安価で大面積の素子を容易に作成できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
上記一般式[I]における置換基の具体例を以下に示す。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、ter−ブチル基、オクチル基などが挙げられる。
アリール基としては、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基などが挙げられる。
アルコキシル基としては、メトキシル基、エトキシル基、プロポキシル基、フェノキシル基などが挙げられる。
複素環基としては、チエニル基、ピロリル基、ピリジル基、ビピリジル基、オキサゾリル基、オキサジアゾリル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基、ターチエニル基などが挙げられる。
縮合多環芳香族基としては、フルオレニル基、ナフチル基、フルオランテニル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基、テトラセニル基、ペンタセニル基、トリフェニレニル基、ペリレニル基などが挙げられる。
縮合多環複素環基としては、カルバゾリル基、フェナントロリル基、アクリジニル基などが挙げられる。
置換アミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジベンジルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、ジアニソリルアミノ基などが挙げられる。
置換アルケニル基としては、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基などが挙げられる。
置換ボリル基としては、ジフェニルボリル基、ジトリルボリル基、ジメシチルボリル基などが挙げられる。
上記置換基が有してもよい置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基、ベンジル基、フェネチル基などのアラルキル基、フェニル基、ビフェニル基などのアリール基、チエニル基、ピロリル基、ピリジル基などの複素環基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジベンジルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、ジアニソリルアミノ基などのアミノ基、メトキシル基、エトキシル基、プロポキシル基、フェノキシル基などのアルコキシル基、ジフェニルボリル基、ジトリルボリル基、ジメシチルボリル基などのボリル基、シアノ基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子などが挙げられる。
次に、本発明のメタシクロファン化合物の代表例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2005112784
Figure 2005112784
Figure 2005112784
Figure 2005112784
本発明のメタシクロファン化合物は、一般的に知られている方法で合成でき、例えば1)A.Tsuge et al.,Chem.,Express,7,469−472(1992)、2)T.Yamato et al.,J.Org.Chem.,57,395−396(1992)、3)T.Yamato et al.,J.Org.Chem.,57,271−275(1992)などに記載の方法でメタシクロファン化合物中間体を得ることができる。さらにパラジウム触媒を用いたSuzuki Coupling法(例えばChem.Rev.1995,95,2457.)などの合成法でメタシクロファン化合物を得ることができる。
本発明のメタシクロファン化合物は、従来の化合物に比べ電荷輸送性および耐久性の優れた化合物であり、有機発光素子の有機化合物を含む層に有用であり、また真空蒸着法や溶液塗布法などによって形成した層は結晶化などが起こりにくく経時安定性に優れている。
次に、本発明の有機発光素子について詳細に説明する。
本発明の有機発光素子は、陽極及び陰極からなる一対の電極と、該一対の電極間に狭持された一または複数の有機化合物を含む層を少なくとも有する有機発光素子において、前記有機化合物を含む層の少なくとも一層が、一般式[I]で示される本発明のメタシクロファン化合物の少なくとも一種を含有することを特徴とする。
本発明の有機発光素子においては、一般式[I]で示されるメタシクロファン化合物を真空蒸着法や溶液塗布法により陽極及び陰極の間に形成する。その有機層の厚みは10μmより薄く、好ましくは0.5μm以下、より好ましくは0.01〜0.5μmの厚みに薄膜化することが好ましい。
図1〜図6に本発明の有機発光素子の好ましい例を示す。
図1は本発明の有機発光素子の一例を示す断面図である。図1は基板1上に陽極2、発光層3及び陰極4を順次設けた構成のものである。ここで使用する発光素子はそれ自体でホール輸送能、エレクトロン輸送能及び発光性の性能を単一で有している場合や、それぞれの特性を有する化合物を混ぜて使う場合に有用である。
図2は本発明の有機発光素子における他の例を示す断面図である。図2は基板1上に陽極2、ホール輸送層5、電子輸送層6及び陰極4を順次設けた構成のものである。この場合は発光物質はホール輸送性かあるいは電子輸送性のいづれかあるいは両方の機能を有している材料をそれぞれの層に用い、発光性の無い単なるホール輸送物質あるいは電子輸送物質と組み合わせて用いる場合に有用である。また、この場合、発光層はホール輸送層5あるいは電子輸送層6のいづれかから成る。
図3は本発明の有機発光素子における他の例を示す断面図である。図3は基板1上に陽極2、ホール輸送層5、発光層3,電子輸送層6及び陰極4を順次設けた構成のものである。これはキャリヤ輸送と発光の機能を分離したものであり、ホール輸送性、電子輸送性、発光性の各特性を有した化合物と適時組み合わせて用いられ極めて材料選択の自由度が増すとともに、発光波長を異にする種々の化合物が使用できるため、発光色相の多様化が可能になる。さらに、中央の発光層3に各キャリヤあるいは励起子を有効に閉じこめて発光効率の向上を図ることも可能になる。
図4は本発明の有機発光素子における他の例を示す断面図である。図4は図3に対してホール注入層7を陽極2側に挿入した構成であり、陽極2とホール輸送層5の密着性改善あるいはホールの注入性改善に効果があり、低電圧化に効果的である。
図5および図6は本発明の有機発光素子における他の例を示す断面図である。図5および図6は、図3および図4に対してホールあるいは励起子(エキシトン)を陰極4側に抜けることを阻害する層(ホール/エキシトンブロッキング層8)を、発光層3、電子輸送層6間に挿入した構成である。イオン化ポテンシャルの非常に高い化合物をホール/エキシトンブロッキング層8として用いる事により、発光効率の向上に効果的な構成である。
ただし、図1〜図6はあくまでごく基本的な素子構成であり、本発明の化合物を用いた有機発光素子の構成はこれらに限定されるものではない。例えば、電極と有機層界面に絶縁性層を設ける、接着層あるいは干渉層を設ける、ホール輸送層がイオン化ポテンシャルの異なる2層から構成されるなど多様な層構成をとることができる。
本発明のメタシクロファン化合物は、従来の化合物に比べ電荷輸送性および耐久性の優れた化合物であり、図1〜図6のいずれの形態でも使用することができる。また、本発明のメタシクロファンを用いた有機層は、真空蒸着法や溶液塗布法などによって形成すると結晶化などが起こりにくく経時安定性に優れている。
本発明の有機発光素子は、有機層の構成成分として一般式[I]で示されるメタシクロファン化合物を用いるものであるが、これまで知られているホール輸送性化合物、発光性化合物あるいは電子輸送性化合物などを必要に応じて一緒に使用することもできる。
以下にこれらの化合物例を挙げる。
Figure 2005112784
Figure 2005112784
Figure 2005112784
Figure 2005112784
Figure 2005112784
Figure 2005112784
本発明の有機発光素子において、一般式[I]で示されるメタシクロファン化合物を含有する層および他の有機化合物を含有する層は、一般には真空蒸着法あるいは、適当な溶媒に溶解させて塗布法により薄膜を形成する。特に塗布法で成膜する場合は、適当な結着樹脂と組み合わせて膜を形成することもできる。
上記結着樹脂としては広範囲な結着性樹脂より選択でき、たとえばポリビニルカルバゾール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリスルホン樹脂、尿素樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらは単独または共重合体ポリマーとして1種または2種以上混合してもよい。
陽極材料としては仕事関数がなるべく大きなものがよく、例えば、金、白金、ニッケル、パラジウム、コバルト、セレン、バナジウム等の金属単体あるいはこれらの合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化錫インジウム(ITO),酸化亜鉛インジウム等の金属酸化物が使用できる。また、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフェニレンスルフィド等の導電性ポリマーも使用できる。これらの電極物質は単独で用いてもよく、複数併用することもできる。
一方、陰極材料としては仕事関数の小さなものがよく、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、インジウム、銀、鉛、錫、クロム等の金属単体あるいは複数の合金として用いることができる。酸化錫インジウム(ITO)等の金属酸化物の利用も可能である。また、陰極は一層構成でもよく、多層構成をとることもできる。
本発明で用いる基板としては、特に限定するものではないが、金属製基板、セラミックス製基板等の不透明性基板、ガラス、石英、プラスチックシート等の透明性基板が用いられる。また、基板にカラーフィルター膜、蛍光色変換フィルター膜、誘電体反射膜などを用いて発色光をコントロールする事も可能である。
なお、作成した素子に対して、酸素や水分等との接触を防止する目的で保護層あるいは封止層を設けることもできる。保護層としては、ダイヤモンド薄膜、金属酸化物、金属窒化物等の無機材料膜、フッソ樹脂、ポリパラキシレン、ポリエチレン、シリコーン樹脂、ポリスチレン樹脂等の高分子膜さらには、光硬化性樹脂等が挙げられる。また、ガラス、気体不透過性フィルム、金属などをカバーし、適当な封止樹脂により素子自体をパッケージングすることもできる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明していくが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>[例示化合物No.2の合成]
500ml三ツ口フラスコに、メタシクロファン化合物[1]*1)*2)*3)1.0g(2.73mmol)、1−ピレンボロン酸[2]2.0g(8.19mmol)、トルエン100mlおよびエタノール50mlを入れ、窒素雰囲気中、室温で攪拌下、炭酸ナトリウム10g/水50mlの水溶液を滴下し、次いでテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.16g(0.14mmol)を添加した。室温で30分攪拌した後、77度に昇温し、3時間攪拌した。反応後、有機層をクロロホルムで抽出し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、シリカゲルカラム(ヘキサン+トルエン混合展開溶媒)で精製し、例示化合物No.2(白色結晶)1.08g(収率65%)を得た。
Figure 2005112784
*1)Chem.Express,7,469−472(1992)
*2)J.Org.Chem.,57,395−396(1992)
*3)J.Org.Chem.,57,271−275(1992)
<実施例2>[例示化合物No.6の合成]
500ml三ツ口フラスコに、メタシクロファン化合物[1]1.0g(2.73mmol)、フルオレンボロン酸化合物[2]3.5g(8.19mmol)、トルエン100mlおよびエタノール50mlを入れ、窒素雰囲気中、室温で攪拌下、炭酸ナトリウム10g/水50mlの水溶液を滴下し、次いでテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.16g(0.14mmol)を添加した。室温で30分攪拌した後、77度に昇温し、3時間攪拌した。反応後、有機層をクロロホルムで抽出し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、シリカゲルカラム(ヘキサン+トルエン混合展開溶媒)で精製し、例示化合物No.6(白色結晶)1.6g(収率60%)を得た。
Figure 2005112784
<実施例3>
図3に示す構造の素子を作成した。
基板1としてのガラス基板上に、陽極2としての酸化錫インジウム(ITO)をスパッタ法にて120nmの膜厚で成膜したものを透明導電性支持基板として用いた。これをアセトン、イソプロピルアルコール(IPA)で順次超音波洗浄し、次いでIPAで煮沸洗浄後乾燥した。さらに、UV/オゾン洗浄したものを透明導電性支持基板として使用した。
透明導電性支持基板上に下記構造式で示される化合物のクロロホルム溶液をスピンコート法により30nmの膜厚で成膜しホール輸送層5を形成した。
Figure 2005112784
さらに下記構造式で示されるIr錯体および下記構造式で示されるカルバゾール化合物(重合比5:100)を真空蒸着法により20nmの膜厚で成膜し発光層3を形成した。蒸着時の真空度は1.0×10-4Pa、成膜速度は0.2〜0.3nm/secの条件で成膜した。
Figure 2005112784
さらに例示化合物No.7を用い40nmの膜厚で成膜し電子輸送層6を形成した。蒸着時の真空度は1.0×10-4Pa、成膜速度は0.2〜0.3nm/secの条件で成膜した。
次に、陰極4として、アルミニウムとリチウム(リチウム濃度1原子%)からなる蒸着材料を用いて、上記有機層の上に真空蒸着法により厚さ50nmの金属層膜を形成し、さらに真空蒸着法により厚さ150nmのアルミニウム層を形成した。蒸着時の真空度は1.0×10-4Pa、成膜速度は1.0〜1.2nm/secの条件で成膜した。
さらに、窒素雰囲気中で保護用ガラス板をかぶせ、アクリル樹脂系接着材で封止した。
この様にして得られた素子に、ITO電極(陽極2)を正極、Al−Li電極(陰極4)を負極にして、10Vの直流電圧を印加すると20.0mA/cm2の電流密度で電流が素子に流れ、5300cd/m2の輝度で緑色の発光が観測された。
さらに、電流密度を6.0mA/cm2に保ち100時間電圧を印加したところ、初期輝度1200d/m2から100時間後1010cd/m2と輝度劣化は小さかった。
<実施例4〜8>
例示化合物No.7に代えて、表1に示す例示化合物を用いた他は実施例3と同様に素子を作成し、同様な評価を行った。結果を表1に示す。
<比較例1〜2>
例示化合物No.7に代えて、比較化合物No.1、2を用いた他は実施例3と同様に素子を作成し、同様な評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2005112784
Figure 2005112784
<実施例9>
図3に示す構造の素子を作成した。
実施例1と同様に、透明導電性支持基板上にホール輸送層5を形成した。
さらに例示化合物No.1を用い真空蒸着法により20nmの膜厚で成膜し発光層3を形成した。蒸着時の真空度は1.0×10-4Pa、成膜速度は0.2〜0.3nm/secの条件で成膜した。
さらに下記構造式で示されるフェナントロリン化合物を真空蒸着法により40nmの膜厚で成膜し電子輸送層6を形成した。蒸着時の真空度は1.0×10-4Pa、成膜速度は0.2〜0.3nm/secの条件で成膜した。
Figure 2005112784
次に、実施例3と同様にして、陰極4を成膜し、保護用ガラス板で封止した。
この様にして得られた素子に、ITO電極(陽極2)を正極、Al−Li電極(陰極4)を負極にして、10Vの直流電圧を印加すると250mA/cm2の電流密度で電流が素子に流れ、10000cd/m2の輝度で青色の発光が観測された。
さらに、電流密度を200mA/cm2に保ち100時間電圧を印加したところ、初期輝度9000cd/m2から100時間後6000cd/m2と輝度劣化は小さかった。
<実施例10〜13>
例示化合物No.1に代えて、表2に示す例示化合物を用いた他は実施例9と同様に素子を作成し、同様な評価を行った。結果を表2に示す。
<比較例3〜4>
例示化合物No.1に代えて、比較化合物No.3、4を用いた他は実施例9と同様に素子を作成し、同様な評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 2005112784
Figure 2005112784
<実施例14>
図3に示す構造の素子を作成した。
実施例1と同様に、透明導電性支持基板上にホール輸送層5を形成した。
さらにクマリン6および例示化合物No.2(重合比1:20)を真空蒸着法により20nmの膜厚で成膜し発光層3を形成した。蒸着時の真空度は1.0×10-4Pa、成膜速度は0.2〜0.3nm/secの条件で成膜した。
さらに、実施例9と同様にして、電子輸送層6を形成した。
次に、実施例3と同様にして、陰極4を成膜し、保護用ガラス板で封止した。
この様にして得られた素子に、ITO電極(陽極2)を正極、Al−Li電極(陰極4)を負極にして、10Vの直流電圧を印加すると1000mA/cm2の電流密度で電流が素子に流れ、60000cd/m2の輝度で緑色の発光が観測された。
さらに、電流密度を200mA/cm2に保ち100時間電圧を印加したところ、初期輝度10000cd/m2から100時間後8400cd/m2と輝度劣化は小さかった。
<実施例15〜22>
例示化合物No.2に代えて、表3に示す例示化合物を用いた他は実施例14と同様に素子を作成し、同様な評価を行った。結果を表3に示す。
<比較例5〜6>
例示化合物No.2に代えて、比較化合物No.3、4を用いた他は実施例14と同様に素子を作成し、同様な評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 2005112784
本発明における有機発光素子の一例を示す断面図である。 本発明における有機発光素子の他の例を示す断面図である。 本発明における有機発光素子の他の例を示す断面図である。 本発明における有機発光素子の他の例を示す断面図である。 本発明における有機発光素子の他の例を示す断面図である。 本発明における有機発光素子の他の例を示す断面図である。
符号の説明
1 基板
2 陽極
3 発光層
4 陰極
5 ホール輸送層
6 電子輸送層
7 ホール注入層
8 ホール/エキシトンブロッキング層

Claims (3)

  1. 下記一般式[I]で示されることを特徴とするメタシクロファン化合物。
    Figure 2005112784
    (式中、R1〜R4は、水素原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアルコキシ基、置換あるいは無置換のアリール基,置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換の縮合多環芳香族基、置換あるいは無置換の縮合多環複素環基、置換アミノ基、置換アルケニル基、置換ボリル基を表わし、R1〜R2の少なくとも1つは、置換あるいは無置換のアリール基,置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換の縮合多環芳香族基、置換あるいは無置換の縮合多環複素環基、置換アミノ基、置換アルケニル基、または置換ボリル基である。R1〜R4は、同じであっても異なっていてもよい。nは、2乃至4の整数を表す。)
  2. 前記R1、R2のいずれもが、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換の縮合多環芳香族基、または置換あるいは無置換の縮合多環複素環基であることを特徴とする請求項1に記載のメタシクロファン化合物。
  3. 陽極及び陰極からなる一対の電極と、該一対の電極間に挟持された一または複数の有機化合物を含む層を少なくとも有する有機発光素子において、前記有機化合物を含む層の少なくとも一層が請求項1または2に記載のメタシクロファン化合物の少なくとも一種を含有することを特徴とする有機発光素子。
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