JP2005111975A - 微細凹凸パターンの形成方法 - Google Patents

微細凹凸パターンの形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 画像に使用されている光回折構造から転写元の光回折構造転写シートを特定できる光回折構造転写シートを提供する。
【解決手段】 基材シート10上に第1のパターンを有する光回折構造12aが形成された転写層12が積層された光回折構造転写シート1であって、光回折構造12aには、前記第1のパターンと異なる第2のパターンが形成されたパターン領域12bが肉眼では視認できない大きさで組込まれている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、レリーフホログラムや回折格子等が記録された微細な凹凸パターンを形成する方法に関する。
レリーフホログラムや回折格子などは、レーザー光を干渉させて発生する干渉縞が微細凹凸パターンとして記録されている。この微細凹凸パターンは、長さ1mmあたり数百から数千本の微細な凸状として形成されている。
微細凹凸パターンを複製する場合、レーザー光の干渉縞が直接記録された原版から複製版材を作成し、該複製版材の凹凸パターンを樹脂材料に賦型することで微細凹凸パターンを大量に複製することができる。
従来の原版から複製版材を形成する場合、例えば圧力と熱を用いて鋳型(母型)により熱可塑性樹脂に刻印することにより位相回折格子、位相ホログラム等の回折模様を作る方法が知られている。しかしこのような面模様の作成は熱可塑性樹脂に何回も刻印することにより多数の位相回折格子を形成するため、加熱され圧力を受けた部分と加熱されず圧力を受けない部分との境界領域に隆起部が生じるために、模様を継ぎ目無く配置するのが困難である。また鋳型が金属であるため、熱容量が大きく、新しく刻印した周辺領域で隣接した前の刻印模様が強制的に消去されるといった問題があった。
上記欠点を解決して、所定面領域を簡単な方法で刻印することで刻印周囲領域がシャープな模様となり、障害となるような隆起部が発生しない微細凹凸パターンの形成方法が公知である(例えば、特許文献1参照。)。
特公昭61−20723号公報(特許請求の範囲)
上記特許文献1に記載の微細凹凸パターンの形成方法は、微細凹凸パターンを有する鋳型の所定面積を熱可塑性樹脂に刻印することで凹凸パターンを形成する方法であって、輻射源を用いてその焦点にある熱可塑性樹脂のほぼ点状面素を加熱し、鋳型の微細凹凸パターンをこの面素部分だけに刻印し、面模様を複数の面素の集合として形成するものである。
具体的には、押圧用プレート上に透明な基板を固定し、該プレートの反対側に熱可塑性で光線を吸収する材質(コロイド状炭素によって着色されたプラスチック層)を設け、該プラスチック層に対向して非発熱の鋳型(ニッケル合金製)を配置し、焦点領域においてのみ凸状の面を有するスタンプを用いて鋳型とプラスチック層との間に点状領域に押圧力を発生させるようにする。さらに、プレートの鋳型と反対側には、レーザー、光学変調器、レンズ系からなる輻射源を配置する。
レーザー光(輻射線)をプラスチック層の焦点にて結像するように照射すると、プラスチック層は輻射線を吸収して焦点の領域で加熱される。輻射線を照射して加熱すると同時に、スタンプで刻印用の圧力を加えるので、プラスチック層が焦点の領域の点状の面素部分において熱可塑温度に加熱され、鋳型の微小構造に合わせて可塑的に変形し冷却後も微小構造が固定されて所定の微細な凹凸パターンが形成される。
しかしながら上記特許文献1に記載の従来の方法では、圧力を加えるためのスタンプおよび圧力発生器等の装置が必要である。圧力発生器は例えば特許文献1に記載されているように、ボール保持器と円筒空間に配置されるボールからなり、前記空間は空圧管並びに電磁弁を介して圧力発生源に接続されているように、複雑な装置から構成されるため、装置が高価になってしまうという問題がある。
またスタンプを用いて焦点の領域のみに圧力を発生する場合には、微小な所定領域のみを精度良く加圧するのは、困難であり、特に微細凹凸パターンの形成速度を上げようとすると、機械的に圧力を加える手段では形成速度を上げるのに限界がある。
本発明は上記従来技術の欠点に鑑みなされたものであり、簡便な装置により微細凹凸パターンを形成することが可能であり、また微細凹凸パターンの形成速度を上げることが可能な微細凹凸パターンの形成方法を提供することを目的とする。
本発明は、
(1)熱可塑性を有する樹脂からなるレリーフ形成層を備えるレリーフ形成材と、表面に原版の微細凹凸パターンに対応するレリーフパターンを有するレリーフパターンシートを用い、光熱変換層がレリーフ形成材またはレリーフパターンシートに設けられ、レリーフ形成層とレリーフパターンとが接するようにレリーフ形成材とレリーフパターンシートとを接触させた状態で、光熱変換層に光を照射して光熱変換層を発熱させて、レリーフ形成層にレリーフパターンシートのレリーフパターンに対応する原版の微細凹凸パターンを賦型することを特徴とする微細凹凸パターンの形成方法、
(2)レリーフパターンシートに光熱変換層が設けられていて、レリーフパターンシート側から光を照射する上記(1)記載の微細凹凸パターンの形成方法、
(3)レリーフ形成材に光熱変換層が設けられている上記(1)または(2)記載の微細凹凸パターンの形成方法、
(4)レリーフ形成層が、熱可塑性を有する電離放射線硬化性樹脂からなる上記(1)〜(3)のいずれか1に記載の微細凹凸パターンの形成方法、
(5)レリーフ形成材とレリーフパターンシートとを真空吸着により密着させる上記(1)〜(4)のいずれか1に記載の微細凹凸パターンの形成方法、
を要旨とするものである。
本発明微細凹凸パターンの形成方法は、レリーフ形成層とレリーフパターンとが接するようにレリーフ形成材とレリーフパターンシートとを接触させた状態で、光熱変換層に光を照射して光熱変換層を発熱させて、レリーフ形成層にレリーフパターンシートのレリーフパターンに対応する原版の微細凹凸パターンを賦型する方法を採用したことにより、従来の輻射線を照射して加熱すると同時にスタンプで刻印用の圧力を加える方法と比較して、レリーフ形成層とレリーフパターンとは、単に接触しただけの状態で圧力を加える必要がない。そのため、複雑な装置から構成されるスタンプおよび圧力発生器等の装置が不要であり、装置を簡略化することができ、装置のコストを低減することができる。
また従来のように、焦点の領域のみに圧力を加え小さな所定領域のみを精度良く加圧する必要がなく、レリーフ形成層とレリーフパターンとが全体に均一に接触していれば良く、両者の接触は極めて容易に行なうことができるから、微細凹凸パターンの形成を容易且つ確実に行なうことができる。さらに、レリーフ形成層とレリーフパターンとは接触した状態であればよく、従来のように微小領域を部分的に加圧する必要がないことから、微細凹凸パターンの形成速度を向上せしめることも容易である。
さらに本発明方法は、レリーフ形成層とレリーフパターンとを加圧ぜずに接触させるだけであるから、レリーフ形成材およびレリーフパターンシートに圧力が加わらないために、これらに圧力によるダメージを与えない。レリーフ形成材やレリーフパターンシート等の基材として熱や圧力に弱い材料であっても利用可能である。
また本発明において、光熱変換層をレリーフパターンシート側に設けた場合には、カーボンブラック等で濃色に着色される光熱変換層がレリーフ形成材側には不要となりレリーフ形成材側は濃色になるのを避けることができ、微細凹凸パターンを形成してなる製品を任意の色に着色可能であり、幅広い製品に利用できる。
また、光を照射して光熱変換層を発熱させて加熱する際に、この光照射をパターン状に行なうことで、光熱変換層をパターン状に発熱させてレリーフパターンを任意のパターン状に加熱することができるため、微細凹凸パターンを形成するのと同時にオン・デマンド情報を形成可能である。
レリーフ形成材とレリーフパターンシートとを真空吸着により密着させると、レリーフ形成材のレリーフ形成層とレリーフパターンシートのレリーフパターンが確実に接触させることができるために、微細凹凸パターンをより確実に形成することができる。
以下、図面を用いて本発明を詳細に説明する。本発明微細凹凸パターンの形成方法は、まず図1(a)に示すように、ポリエチレンテレフタレートフィルム等からなる基材1の表面に、熱可塑性を有する電離放射線硬化性樹脂からなる微細凹凸パターンを形成するためのレリーフ形成層2を備えるレリーフ形成材3と、ポリエチレンテレフタレートフィルム等からなる基材4の表面に、原版の微細凹凸パターンに対応するレリーフパターン5を有するレリーフパターンシート6を準備する。なおレリーフ形成材3の基材1とレリーフ形成層2との間には光熱変換層7が設けられている。
次に図1(b)に示すように、レリーフ形成層2とレリーフパターン5とが密着するようにレリーフ形成材3とレリーフパターンシート6とを接触させた状態で、レリーフパターンシート6の基材4側から光熱変換層7に向けてレーザ光等の光8を照射する。光熱変換層7は、光の照射された部分が発熱する。光熱変換層7の熱は該光熱変換層の発熱部分に接触しているレリーフ形成層2の部分に伝わり、レリーフ形成層2の熱可塑性樹脂が加熱溶融する。溶融あるいは軟化したレリーフ形成層2において、該レリーフ形成層2にレリーフパターン5が接触して密着しているので、レリーフパターン5に対応する微細凹凸形状がレリーフ形成層2に賦型される。
本発明方法では、レリーフ形成層2にレリーフパターン5が接触して密着している状態であればよく、レリーフ形成材3とレリーフパターンシート6とを加圧する必要はない。ただし、レリーフ形成層2にレリーフパターン5の密着状態を良好に保持するために、レリーフ形成材3とレリーフパターンシート6を積層した積層体を、ガラス板等の支持体で挟んで積層体を固定保持してもよい。
またレリーフパターン5とレリーフ形成層2との間に空気が存在すると、空気が断熱層となって、レリーフ形成層2にレリーフパターン5から熱が伝わらない虞が有るために、空気が入らないように注意する必要がある。レリーフ形成層2とレリーフパターン5の間に空気が入らないように密着させるには、例えば、真空ポンプ等によりレリーフ形成層2とレリーフパターン5の間の空気を吸引して排気する真空吸着により行なうことができる。
光照射を終えて、熱可塑性樹脂からなるレリーフ形成層が冷却した状態で、レリーフパターンシート6をレリーフ形成材3から剥離すると、図1(c)に示すように、レリーフ形成層2の表面に原版の微細凹凸パターン9が賦型され、その微細凹凸パターン9が固定されたレリーフパターン形成体10が得られる。その後、微細凹凸パターン9が賦型されたレリーフ形成層2に電離放射線を照射して、レリーフ形成層2の電離放射線硬化性樹脂を硬化させる。
図2は本発明微細凹凸パターンの形成方法の他の例を示す工程図である。本発明方法は図1に示す態様では、光熱変換層7をレリーフ形成材3側に設けてレリーフパターンシート6側から光照射したが、光熱変換層7はレリーフパターンシート6側に設けてもよい。具体的には図2(a)に示すように、レリーフパターンシート6の基材4とレリーフパターン5との間に光熱変換層7を設け、レリーフ形成材3には光熱変換層を設けずに、基材1とレリーフ形成層2とから構成されている。
図2(b)に示すように、レリーフパターンシート6とレリーフ形成材3を、レリーフ形成層2とレリーフパターン5とが接するように密着させる。そして同図に示すようにレリーフパターンシート6側から、光熱変換層3に向けて光8を照射して光熱変換層7を発熱させ、レリーフ形成層2の熱可塑性樹脂が加熱され溶融あるいは軟化し、レリーフパターン5に対応する微細凹凸形状がレリーフ形成層2に賦型される。
光照射を終えて、熱可塑性樹脂からなるレリーフ形成層2が冷却した状態で、レリーフパターンシート6をレリーフ形成材3から剥離すると、図2(c)に示すように、レリーフ形成層2の表面に原版の微細凹凸パターン9が賦型され、その微細凹凸パターン9が固定されたレリーフパターン形成体10が得られ、図1に示す態様と同様に、微細凹凸パターン9が賦型されたレリーフ形成層2に電離放射線を照射して、レリーフ形成層2の電離放射線硬化性樹脂を硬化させる。
この場合、図2(c)に示すように、最終的に得られるレリーフ形成体10は光熱変換層7を含まないため、レリーフ形成体として任意の色に着色したすることができるから、意匠的に優れる。
光熱変換層7に光8を照射するために、例えばレーザー光を発生する装置が用いられる。また光熱変換層7に対して光を照射する場合、照射源からスポット状に光を照射すると共に、スポットを移動させて所定の領域をスキャンし、所望の部分が照射することができる。このように光を照射することで、光熱変換層7における発熱を必要部分のみに必要最適量だけ加えることができる為に、熱による影響を最少に抑えることができる。またレリーフパターンシート6とレリーフ形成材の積層体に光を照射する場合、該積層体の支持体として、XYステージ、ドラム等を用いることができる。
図3は本発明微細凹凸パターンの形成方法に用いられる装置の一例の概略を示す説明図である。図3に示す装置は、光照射源としてレーザーヘッド21と、照射位置を制御する為のXYステージ22とから構成される。レーザーヘッド21には、光源の出力エネルギーを調節したりオンオフさせることができる制御機構としてのレーザードライバ25が設けられ、PC24により制御可能に形成されている。また、レーザーヘッド21には、レーザー光源と発射された光の光路や焦点を調整するためのミラーやレンズ等の光学系が設けられている。XYステージ22は、表面にレリーフ形成材とレリーフパターンシートを密着させた積層体23を載置するように形成され、XYステージ22の動きをコントロールするXYステージコントローラ26が、PC24により制御するように接続されている。
図3に示す装置を用いてスポット状の光をスキャンして光照射を行なうには、レリーフ形成体3とレリーフパターンシート6とを密着させた積層体23を、XYステージ22表面の所定の位置に載置する。PC24から照射パターンを指示すると、レーザーヘッド21が開始位置となるように配置され、XYステージ22を動かして、レーザーヘッド21のレーザー光の照射をオン/オフし、所定のパターンに照射する。
レーザーヘッド21から発射される光8は、例えば直径100μm以下のスポット状とし、XYステージ22を駆動させて積層体23をXY方向に所定のスキャンニングパターンでスキャンして、積層体の全体が照射されるようにする。積層体23の光熱変換層7に照射されたレーザー光は、光熱変換層7に微小なスポットとして照射され、該レーザー光のスポットはスキャンにより次々に移動して行く為、レーザー光が照射される時間は極めて短時間で済む。その結果、光熱変換層7に接触するレリーフ形成層2またはレリーフパターン5は、スポット状の極めて狭い領域のみが短時間加熱され、レリーフ形成層2の樹脂が溶融して賦型されるとすぐに冷却され賦型状態が直ちに固定される。
光熱変換層7に光8を照射する際、光が基材1、基材4等を通過する際にそれらにダメージを与えないように、これらの基材に対する透過率の高い光の波長を適宜選択するのが好ましい。例えば、レーザー光を用い基材1、4等にポリエチレンテレフタレートフィルム(PETと記載することもある)を用いた場合には、PETに対して透過率の高い波長である可視光に近いレーザー光を適宜選択すればよい。
また、光熱変換層7に光を照射する際に、全体に照射せずに、任意のパターン状に照射して、光熱変換層7パターン状に発熱させてレリーフ形成層2またはレリーフパターン5を任意の形状に加熱することで、オン・デマンド情報を記録することができる。オン・デマンド情報としては、例えば、個人のID番号等の固有情報を利用できる。
レリーフ形成層全体に会社名等の一般情報あるいは共通情報からなる凹凸パターンを記録し、その凹凸パターンが設けられた領域以外の隙間の部分、或いは前記凹凸パターンの上から、固有情報の文字や記号等を凹凸パターンとなるようにレーザー光のスキャンニングによりダイレクトに描画して記録する。このようにして共通情報の凹凸パターンを形成すると同時に、オン・デマンド情報を記録可能である。このようにして形成した固有情報が記録された凹凸パターン形成体は、IDカード等のセキュリティカードとした場合にセキュリティをさらに向上させることができる。
また光熱変換層7と光源の間に位置する材料(例えば図1および図2において基材4側から光を照射する場合、図1に示す例では基材4およびレリーフパターン5、図2に示す例では基材4など)は、光が光熱変換層7に達するように実質的に光を透過可能な材料であればよい。
微細凹凸パターン9が形成された電離放射線硬化性樹脂からなるレリーフ形成層2を硬化させる電離放射線としては、すべての紫外線(UV−A、UV−B、UV−C)、可視光線、ガンマー線、X線、電子線などを用いることができるが、紫外線または電子線が好適である。電離放射線照射装置50としては、電離放射線として紫外線を照射する場合光源として、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、ブラックライトランプ、メタルハライドランプ等の紫外線ランプが用いられる。紫外線の波長は、通常200〜400nm程度であり、樹脂層の組成に応じて波長を選択すればよい。またその照射量も、樹脂層の組成や紫外線ランプの出力と加工速度に応じて照射することができる。
また電離放射線として電子線を照射する場合には、コックロフトワルトン型、バンデグラフ型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器等を用いて、エレクトロカーテン方式、ビームスキャン方式などで電子線を照射可能な装置が用いられる。好ましくは、線状のフィラメントからカーテン式に均一な電子線を照射可能な「エレクトロカーテン」(商品名)が挙げられる。尚、電子線の照射量は、通常100〜1,000keV、好ましくは100〜300keVのエネルギーを持つ電子を、0.5〜20Mrad程度の照射量で照射する。また照射の際の雰囲気は、酸素濃度500ppm以下で行われ、通常は200ppm程度で行なうのが好ましい。
以下、レリーフ形成材3およびレリーフパターンシート6について詳細に説明する。
レリーフ形成材3の基材1としては、フィルム状(シート状も含む)の材料であれば特に限定されずに用いることができる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート-イソフタレート共重合体、テレフタル酸-シクロヘキサンジメタノール-エチレングリコール共重合体、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンナフタレートの共押出しフィルムなどのポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン610などのポリアミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルなどのビニル系樹脂、ポリアクリレート、ポリメタアクリレート、ポリメチルメタアクリレートなどのアクリル系樹脂、イミド系樹脂、ポリアリレート、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリアラミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルファイドなどのエンジニアリングプラスチック、ポリカーボネート、ABS樹脂などのスチレン系樹脂、セロファン、セルローストリアセテート、セルロースダイアセテート、ニトロセルロースなどのセルロース系フィルムなどの重合体フィルム(プラスチックフィルム)が挙げられる。上記プラスチックフィルムは、延伸フィルムでも未延伸フィルムでもよいが、強度が向上するという点からは一軸方向または二軸方向に延伸したフィルムが好ましい。
また基材1としては、プラスチックフィルム以外に、紙、合成紙、鉄、アルミニウムなどの金属フィルムなどを用いることもできる。なお光透過性という点からは、プラスチックフィルムが好ましい。上記のフィルムは単独或いは2種以上の積層体が用いられる。基材1の膜厚は、通常5〜2000μm程度のものが使用できる。基材1は、通常は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系のフィルムが、耐熱性、寸法安定性、耐電離放射線性を有することから好適に使用され、ポリエチレンテレフタレートが最適である。
また基材1には、レリーフ形成層2の組成物の塗布に先立って、塗布面にコロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理、フレーム処理、プライマー(アンカーコート、接着促進剤、易接着剤とも呼ばれる)処理、予熱処理、除塵埃処理、アルカリ処理、などの易接着処理を行なってもよい。また基材1には必要に応じて、充填剤、可塑剤、着色剤、帯電防止剤等の添加剤を加えてもよい。
レリーフ形成層2に用いられる熱可塑性を有する樹脂としては、常温で固体状であり熱成形性を有する電離放射線硬化樹脂が好ましく用いられる。このような電離放射線硬化樹脂は、ラジカル重合性不飽和基を有する熱可塑性物質から構成される。具体的には、次の(1)、(2)に示す2種類のものがある。
(1)ガラス転移温度が0〜250℃のポリマー中にラジカル重合性不飽和基を有するもの。さらに具体的には、ポリマーとしては以下の化合物i)〜viii)を重合もしくは共重合させたものに対し、後述する方法(イ)〜(ニ)によりラジカル重合性不飽和基を導入したもの。
i)水酸基を有する単量体:N-メチロールアクリルアミド、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレートなど。
ii)カルボキシル基を有する単量体:アクリル酸、メタクリル酸、アクリロイルオキシエチルモノサクシネートなど。
iii)エポキシ基を有する単量体:グリシジルメタクリレートなど。
iv)アジリジニル基を有する単量体:2-アジリジニルエチルメタクリレート、2−アジリジニルプロピオン酸アリルなど。
v)アミノ基を有する単量体:アクリルアミド、メタクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレートなど。
vi)スルフォン基を有する単量体:2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸など。
vii)イソシアネート基を有する単量体:2,4-トルエンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチルアクリレートの1モル対1モル付加物などのジイソシアネートと活性水素を有するラジアル重合性単量体の付加物など。
viii)さらに、上記の重合体または共重合体のガラス転移点を調節したり、硬化膜の物性を調節したりするために、上記の化合物と、この化合物と共重合可能な以下のような単量体とを共重合させることもできる。このような共重合可能な単量体としては、たとえばメチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、t−ブチルアクリレート、t−ブチルメタクリレート、イソアミルアクリレート、イソアミルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレートなどが挙げられる。
上記の重合体にラジカル重合性不飽和基を導入する方法を以下の(イ)〜(ニ)に示す。
(イ)水酸基を有する単量体の重合体または共重合体の場合には、アクリル酸、メタクリル酸などのカルボキシル基を有する単量体などを縮合反応させる。
(ロ)カルボキシル基、スルフォン基を有する単量体の重合体または共重合体の場合には、前述の水酸基を有する単量体を縮合反応させる。
(ハ)エポキシ基、イソシアネート基あるいはアジリジニル基を有する単量体の重合体または共重合体の場合には、前述の水酸基を有する単量体もしくはカルボキシル基を有する単量体を付加反応させる。
(ニ)水酸基あるいはカルボキシル基を有する単量体の重合体または共重合体の場合には、エポキシ基を有する単量体あるいはアジリジニル基を有する単量体あるいはジイソシアネート化合物と水酸基含有アクリル酸エステル単量体の1対1モルの付加物を付加反応させる。
上記反応を行うには、微量のハイドロキノンなどの重合禁止剤を加え乾燥空気を送りながら行うことが好ましい。
(2)融点が0〜250℃でありラジカル重合性不飽和基を有する化合物。具体的にはステアリルアクリレート、ステアリルメタクリレート、トリアクリルイソシアヌレート、シクロヘキサンジオールジアクリレート、シクロヘキサンジオールジメタクリレート、スピログリコールジアクリレート、スピログリコールジメタクリレートなどが挙げられる。
また、レリーフ形成層2の樹脂として、前記(1)、(2)を混合して用いることもでき、さらに、それらに対してラジカル重合性不飽和単量体を加えることもできる。このラジカル重合性不飽和単量体は、電離放射線照射の際、架橋密度を向上させ耐熱性を向上させるものであって、前述の単量体の他にエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチルロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルジアクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルジメタクリレート、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルジアクリレート、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルジメタクリレート、プロピレングリコールジグリシジルエーテルジアクリレート、プロピレングリコールジグリシジルエーテルジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジグリジルエーテルジアクリレート、ポリプロピレングリコールジグリジルエーテルジメタクリレート、ソルビトールテトラグリジルエーテルテトラアクリレート、ソルビトールテトラグリシジルエーテルテトラメタクリレートなどを用いることができ、前記した共重合体混合物の固型分100質量部に対して、0.1〜100質量部で用いることが好ましい。
また、上記電離放射線硬化性樹脂は電子線により十分に硬化可能であるが、紫外線照射で硬化させる場合には、光重合開始剤、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミノキシムエステル、テトラメチルメウラムモノサルファイド、チオキサントン類などの光重合開始剤と、必要に応じて光増感剤、例えば、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィンなどを添加する。
また、上記電離放射線硬化性樹脂は、適正な触媒が存在すれば熱エネルギーによっても硬化させることができる。
レリーフ形成層2に用いられる、常温で固体状であり熱成形性を有する電離放射線硬化性樹脂は、例えば凹凸パターンとしてホログラムを複製する場合には、基材1上に、通常0.1〜50μm、望ましくは0.5〜5μmの膜厚で形成される。なおこの膜厚は、複製しようとする微細凹凸パターンの使用目的によって異なる。
レリーフ形成層2は、例えばスピンコート、ナイフコート、ロールコート、バーコート等既知の塗布方法により、基材1上に形成することができる。またレリーフ形成層2を基材1上に部分的に形成しようとする場合には、スクリーン印刷、グラビア印刷等の一般的な印刷技術を用いるか、或いは転写方法を用いることができる。
上記の基材1に常温で固体状の電離放射線硬化性樹脂からなるレリーフ形成層2を形成したレリーフ形成材3は、レリーフ形成層2が常温で固体状に形成されていて、見かけ上は指触乾燥状態に形成されているから、重ねて保存することが可能である。
基材1とレリーフ形成層2との間には剥離層(図示しない)を形成することができる。剥離層により基材1とレリーフ形成層2との間に、剥離性、耐摩性および印刷適性などを与えることができる。剥離層の樹脂は、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、オレフィン系樹脂、アミド系樹脂、エポキシ系樹脂などの従来既知のものが広く使用できる。この剥離層の膜厚は、通常0.05〜10μm、望ましくは0.2〜2μmであることが好ましい。
レリーフパターンシート6のレリーフパターン5は、原版の微細凹凸パターン9に対応する凹凸パターンとして形成される。この微細凹凸パターン9は、レリーフホログラムなどのホログラム、回折格子などの光回折構造、ヘアライン等の凹凸パターンが用いられる。
ホログラムの画像としては実物を撮影した画像、記号、文字、数字、イラスト等が利用できる。ホログラム画像自体は、実物の撮影以外に、ホログラム回折格子を計算で求めたり、デジタルカメラで取り込んだデジタル画像、コンピュータグラフィックスから得られる2次元或いは3次元の画像データから、ホログラフィックステレオグラムなどの適宜な手段により作成することもできる。回折格子は、その輪郭により文字等の画像を表現できる。
レリーフホログラムは、物体光と参照光との光の干渉による干渉縞の光の強度分布が凹凸模様で記録されたホログラムや回折格子が適用できる。該レリーフホログラムとしては、フレネルホログラム、フラウンホーファーホログラム、レンズレスフーリエ変換ホログラム、イメージホログラム等のレーザー再生ホログラム、およびレインボーホログラム等の白色光再生ホログラム、さらにそれらの原理を利用したカラーホログラム、コンピュータホログラム、ホログラムディスプレイ、マルチプレックスホログラム、ホログラフィックステレオグラム、ホログラフィック回折格子などがある。
回折格子としては、ホログラム記録手段を用いたホログラフィック回折格子、の他に精密旋盤や電子線描画装置等を用いて、機械的、描画的に回折格子を作成することにより、計算に基づいて任意の回折格子が得られる回折格子等がある。
これらのホログラム、回折格子は単一に記録しても、あるいは多重に記録しても、組合わせて記録しても何れでもよい。また回折格子は峰の方向および/または峰の間隔および/または凹凸の形状および/または凹凸の高さが、異なる複数の領域を有する集合体、即ち、回折方向の異なる複数の領域を、規則的またはランダムに組合わせると、意匠性のある特異な光輝性が得られる。
なお原版の微細凹凸パターンから、基材4の表面にレリーフパターン5を形成する方法は、公知の各種方法が用いられる。レリーフパターン5の形成方法として、(1)特公平6−85103号公報に記載されている電離放射線硬化性樹脂の表面に複製用原版の微細凹凸パターンを圧着して賦型した後、或いは賦型と同時に、電離放射線を照射して剥離するホログラムの複製方法(セミドライ複製法と言う)や、(2)複製用原版の表面に液状の電離放射線硬化性樹脂を塗布し、押し伸ばして賦型した後に、電離放射線を照射して硬化させ、複製用原版から剥離してスタンパを得るPhoto Polymerization法(2P法と言う)等が挙げられる。
以下、上記(2)の2P法について説明する。図4は2P法による原版からレリーフパターンを形成する方法を示す工程図である。まず図4(A)に示すように凹凸レリーフの形成された原版11を用い、同図(B)に示すように原版11に電離放射線硬化性樹脂組成物12を滴下する。次いで同図(C)、(D)に示すように、その上に基材14を積置し押圧して電離放射線硬化性樹脂組成物12を押し広げて凹部内に均一に充填された状態とする。次いで同図(E)に示すように、原版11側或いは基材14側から紫外線などの電離放射線を照射して、電離放射線硬化性樹脂組成物12を硬化させる。同図(F)に示すように、硬化して一体化した電離放射線硬化性樹脂13と基材14とを原版11から剥離することで、基材14(基材4)上に電離放射線硬化性樹脂13からなるレリーフパターン5が作成されたレリーフパターンシート6が得られる。
レリーフパターンシート6の基材4の材質は、金属、ガラス、プラスチックフィルム等が利用できる。例えば円筒状シリンダーとして形成されたロールの表面にレリーフパターンシート6およびレリーフ形成材3を巻き付けて微細凹凸パターンの形成を行なう場合には、光照射装置から照射された光を実質的に透過させることが容易である点から、プラスチックフィルムが好適に用いられる。基材4に用いられるプラスチックフィルムとしては、例えば、レリーフ形成材3の基材1に例示したプラスチックフィルムが利用できる。
光熱変換層7は、レリーフ形成材3側、レリーフパターンシート6側、または両者に形成することができる。光熱変換層7は光8を吸収してこれを熱に変換して発熱するものであればよく、カーボンブラック等の光吸収性色素を熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂等のバインダー樹脂中に溶解、もしくは分散させた層より構成することができる。光熱変換層7の厚さは、通常0.1〜5μmであり、好ましくは0.3〜3μmである。
光熱変換層7に用いられる光吸収性色素としては、カーボンブラック以外に、照射する光に応じて種々のものを用いることができる。例えば半導体レーザーに適合するものとして、シアニン系やピリリウム系等のポリメチン系色素、銅フタロシアニン等のフタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、ジチオール金属錯塩系色素、ナフトキノン系色素、アントラキノン系色素、トリフェニルメタン系色素、アルミニウム系色素、ジインモニウム系色素等が挙げられる。光熱変換層7は、公知の塗工手段等によりに形成することができる。
光熱変換層7に用いられるバインダー樹脂としては、ポリエステル、アクリル、エポキシ、ブチラール、アセタール、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン、熱可塑性高分子量エポキシなどが挙げられる。好ましい樹脂は、ポリエステルである。
本発明方法により形成されたレリーフパターン形成体10は、そのままで複製用原版に用いることができる。また、基材1側に粘着剤や剥離紙等を積層してラベル形態としたり、基材側に接着層等を積層して転写箔としてホットスタンプ用転写材、サーマルヘッドを用いた加熱転写用に利用できる。
次に、上述したレリーフ形成材3にレリーフパターン5を賦型する方法を利用して、複数のレリーフパターン5を組み合わせることにより、意匠性のある特異な光輝性が得られる画像体の形成方法についてそれぞれ説明する。尚、以下の形成方法において使用するレリーフパターンシート6及びレリーフ形成材3はどちらに光熱変換層7が設けられていてもよい。
例えば、レリーフパターン5が回折格子パターンであるレリーフパターンシート6を、回折格子パターンの方位角が互いに異なるようにして複数枚用意し、転写された各回折格子パターンがレリーフ形成材3上で所定の方向に隣接するように、各回折格子パターンをレリーフ形成層2に賦型してもよい。
これにより、回折格子パターンを回転させると、回折光の輝点で構成される画像パターンが移動するように観察され、いわゆるムービング画像を形成することができる。移動の態様としては、所定の方向に連続的、準連続的、及び不連続に移動する態様がある。一般的な環境下で輝点が連続的に移動するように構成するには、隣接する回折格子間の方位角の変化を5度以内にすればよい。それ以上の大きさで角度変化があると、輝点は準連続的又は不連続に移動する。尚、「方位角」とは、回折格子を構成するラインの平面方向の角度をいう。
各回折格子エリアS1…Snの輝点は、回折格子の方位角と回折角とで決定される。例えば、所定の角度から光が入射した場合に、回折格子エリアS1は方位角φ1、回折角ψ1であり、隣接する回折格子エリアS2は方位角φ2、回折角ψ2である場合について説明する。図5に示すように、第1の画像体I−1をXY平面上で回転させると、半球SSに関する輝点は、回折格子エリアS1の輝点L1から回折格子エリアS2の輝点L2へ移動する。従って、各回折格子エリアS1…Snの輝点が半球SS上で所望の形状を描くような方位角及び回折角を有する複数の回折格子パターン5を選択すればよい。尚、回折角は回折格子ピッチに応じて定まり、回折角を変化させることにより輝点の変化を垂直方向に得ることができる。
以下、ムービング画像が得られる画像体として、図6に示す第1の画像体I−1を例にして、その形成方法について説明する。当該形成方法においては、レリーフパターン5としての回折格子パターンを有するレリーフパターンシート6を用いる。以下、当該形成方法においてレリーフパターン5を回折格子パターン5という。第1の画像体I−1は、方位角が異なる複数の回折格子エリアS1…Snが、所定の方向Hに隣接して形成される回折格子列Rとして構成されている。
次に、上記の要領で選択された回折格子パターンに基づいて回折格子列Rの形成方法について図7を用いて具体的に説明する。まず、回折格子エリアS1に対応する回折格子パターン5を有するレリーフパターンシート6とレリーフ形成材3とを、上記の要領で密着させて積層体23とし、その積層体23をXYステージ22の所定の位置に載置する。続いて、レリーフ形成層2の回折格子エリアS1が形成されるべき領域Aに回折格子パターン5が賦型されるように、光8を光熱変換層7へ向けて照射する。
例えば、領域A内において光8を所定のピッチでスキャン線SC1を描くように移動すると、回折格子パターン5がその領域A内だけに賦型され、結果として、回折格子エリアS1がその形成されるべき領域Aに形成される。尚、スキャン線SC1は説明の便宜上示したもので、実際に視認できるものではない。光8の照射開始位置及び照射パターンは、上述したようにPC24の制御によって行なえばよい。他の回折格子エリアS2…Snのそれぞれについても、回折格子エリアS1と同じ要領で、所定の方向Hに隣接して形成されるように、対応する回折格子パターン5を当該回折格子パターン5が形成されるべき領域に賦型すればよい。
各回折格子パターンS2…Snが賦型されるべき領域に関する光8の照射開始位置や照射パターンは、PC24によって制御すればよい。上記の方法により、回折格子列Rがレリーフ形成層2上に形成される。このレリーフ形成材3に更に必要な加工を加えることにより、ムービング画像が観察できる第1の画像体I−1を得ることができる。各回折格子エリアS1…Snの形成に適応した照射ピッチ、照射強度、移動速度等の光8の照射に関する制御は、各値を予め設定しておきPC24によって制御すればよい。尚、各回折格子エリアS1…Snの形成順序は問わない。
また、本形態では、各回折格子エリアS1…Snは同じ大きさであるが、エリアによって異なる大きさであってもよい。所定の方向Hは直線状である必要はなく、所定の角度で曲がる折れ線状であってもよいし、螺旋状、曲線状であってもよい。また、第1の画像体I−1に設けられる回折格子列Rは複数列あってもよい。
また、レリーフパターンシート6を、レリーフパターン5が互いに異なるようにして複数枚用意し、複数のレリーフパターン5のそれぞれを組み合わせることによって1つの画素集合体が構成され、かつ、画素集合体が複数組み合わされることにより、複数のレリーフパターン5のそれぞれの特性に応じた画像が観察されるように、複数のレリーフパターン5のそれぞれの画素をレリーフ形成層2へ賦型してもよい。
これにより、同一平面状に複数のレリーフパターン5のそれぞれの特性に応じた画像が含められた画像対を得ることができる。レリーフパターン5の特性とは、光の干渉によって得られる画像やその画像が観察される方向等がある。1つの画素集合体は、肉眼で視認できない程度に小さいことが望ましく、光を利用する本発明によれば微細な干渉縞の形成も可能であるので、一定の大きさの画素集合体に含まれるレリーフパターン5の種類を多くしても対応することができる。
以下、異なる観察方向から見ると観察方向に応じて異なる画像を観察することができる画像体として、第2の画像体I−2を例にして、その形成方法について説明する。当該形成方法においては、レリーフパターン5としてのホログラムパターンを有するレリーフパターンシート6を使用する。以下、当該形成方法においてレリーフパターン5をホログラムパターン5という。
本形態では、4種の画像が4通りの観察方向から得られる第2の画像体I−2について説明する。第2の画像体I−2を図8に示すように複数の画素集合体としての分割領域Dに分割すると、各分割領域Dは図9に示すように更に4つの画素領域P1〜P4で構成されている。以下、画素領域P1〜P4を特に区別する必要のない時は、単に画素領域Pという。尚、図8の各分割領域Dの境界線及び図9の各画素領域Pの境界線は、説明の便宜上施したもので実際に視認できる線ではない。また、分割領域Dは肉眼では視認出来ない大きさであることが望ましい。
画素領域P1〜P4のそれぞれには、互いに異なるホログラムパターン5が形成され、画素領域P1〜P4のそれぞれが画素として機能することにより、各ホログラムパターン5の特性に応じた画像が各観察方向に表現される。例えば画素領域P1に対応する観察方向Di1では、図8に示す画像Gを観察することができるが、画素領域P2に対応する観察方向Di2では、他の画像が観察される。画素領域P3、画素領域P4についても同様に他の画素領域Pとは異なる観察方向に他の画素領域Pとは異なる画像が観察される。従って、第2の画像体I―2を形成するには、まず、互いに異なる観察方向をそれぞれ有し、互いに異なる画像を表現するホログラムパターン5を選択し、各ホログラムパターンを画素領域P1〜P4のそれぞれに1対1に対応付ける。
次に、上記の要領で選択された4種のホログラムパターンに基づいた第2の画像体I−2の形成方法について図10を用いて具体的に説明する。まず、各画素領域P1に、画像Gを観察方向Di1に表現するホログラムパターン5を形成する方法について説明する。このホログラムパターン5を有するレリーフパターンシート6とレリーフ形成材3とを、上記の要領で密着させて積層体23とし、その積層体23をXYステージ22の所定の位置に載置する。次に、レリーフ形成層2の画素領域P1が形成されるべき領域B1…B1のみにホログラムパターン5が賦型されるように、光8を光熱変換層7へ向けて照射する。
画素領域P1が形成されるべき領域B1…B1(斜線部)は、パターン賦型領域PRを分割領域Dに分割し、各分割領域Dにおいて画素領域P1に該当する領域を領域B1とすることによって得られる。パターン賦型領域PRとは第2の画像体I−2に該当する領域である。例えば、各領域B1内を、光8で所定のピッチでスキャンさせると、各領域B1部分に対応するホログラムパターン5のみがレリーフ形成層2に賦型され、結果として、ホログラムパターン5の画素として機能する画素領域P1が領域B1に形成される。光8の照射位置及び照射パターンは予めプログラムに設定しておき、PC24の制御によって行なえばよい。
尚、各領域B1は説明の便宜上、肉眼で視認できる大きさで示されているが実際は視認できない大きさである。他の画素領域P2〜P4のそれぞれについても、画素領域P1と同じ要領で、各画素領域P2〜P4に対応付けられたホログラムパターン5のレリーフパターンシート6を用いて、当該ホログラムパターン5の画素領域Pが形成されるべき領域にそれぞれ賦型すればよい。各画素領域Pが形成されるべき領域についての光8の照射位置及び照射パターンは、PC24によって制御すればよい。以上の方法により、全ての画素領域Pに各ホログラムパターン5が賦型される。このレリーフ形成材3に必要な場合は更に加工することにより、第2の画像体I−2を得ることができる。
本形態では、分割領域Dを4分割して4種のホログラムを表現可能な第2の画像体I−2を形成したが、1つの分割領域Dに含まれる画素領域Pの数は2以上であれば特に限定されず、その分割された画素領域Pの数だけホログラムパターン5を対応付ければよい。また、図9では、各画素領域Pの全体に各ホログラムパターン5が賦型されているが、各画像領域Pが表現する画像によっては、画像領域Pの一部のみにホログラムパターン5が賦型される場合もある。また、複数のレリーフパターン5として、例えば3原色に対応する各回折格子パターン5を各画素領域Pにそれぞれ対応付けることにより、特定の観察方向にカラーホログラムを表現してもよい。
更に、レリーフパターン5を有するレリーフパターンシート6として、第1のレリーフパターンを有する第1のレリーフパターンと、第1のレリーフパターンとは異なる第2のレリーフパターンを有する第2のレリーフパターンシートとを用意し、第2のレリーフパターンが形成された微細領域が肉眼では形状を識別できない大きさで、第1のレリーフパターンで形成された背景領域に組み込まれるように、第1及び第2のレリーフパターンのそれぞれをレリーフ形成層2に賦型してもよい。
これにより、肉眼では第1の回折格子パターンで形成された背景領域は肉眼で視認できるが、第2の回折格子パターンで形成された微細領域はその形状を識別できず、単なる点や線のようにしか視認できない画像体を得ることができる。微細領域は肉眼では第1の回折格子パターン上に点状又は線状の模様のように視認され、顕微鏡等で拡大して初めてその形状を識別することができる。この形状を文字やマークにすれば、セキュリティ手段として利用することができる。
以下、微小領域が背景領域に組み込まれた画像体として、第3の画像体I−3を例にして、その形成方法について説明する。当該形成方法においては、レリーフパターン5としての回折格子パターンを有するレリーフパターンシート6を使用する。以下、当該形成方法においてレリーフパターン5を回折格子パターン5という。
第3の画像体I−3は、図11に示すように、肉眼では第1の回折格子パターンが形成された背景領域BRと、その背景領域BRに組み込まれた点のように見える複数の微細領域DR…DRとで構成される。肉眼では点のようにしか見えない微細領域DRは、図12に示すように第1の回折格子パターンとは異なる第2の回折格子パターンによって星型の形状が形成されている。この微細領域DRの形状は顕微鏡等で拡大されることによって初めて視認することができる。以下、この第3の画像体I−3の形成方法について図13及び図14を用いて具体的に説明する。
まず、初めに、図13に示すように、背景領域BRに形成する第1の回折格子パターン5を有する第1のレリーフパターンシート6とレリーフ形成材3とを上記要領で密着させて積層体23とし、その積層体23をXYステージ22の所定の位置に載置する。続いて、レリーフ形成層2の背景領域BRが形成されるべき領域C1に第1の回折格子パターン5が賦型されるように、光8を光熱変換層7へ向けて照射する。
例えば、背景領域BRが形成されるべき領域C1内において、光8を所定のピッチでスキャン線SC3を描くように移動させると、第1の回折格子パターン5がその領域C1内に賦型され、結果として、背景領域BRが領域C1に形成される。この場合、第2の回折格子パターン5が賦型される領域部分には第1の回折格子パターン5の賦型は避けるようにして、背景領域Bを形成してもよい。光8の照射位置及び照射パターンの制御は、PC24の制御によって行なえばよい。尚、光8のスキャン線SC3は説明の便宜上示すもので実際には視認できない。
次に、第1のレリーフパターンシート6をレリーフ形成材3から剥離して、図14に示すように、第2の回折格子パターン5を有する第2のレリーフパターンシート6とレリーフ形成材3とを上記要領で密着させて積層体23とし、その積層体23をXYステージ22の所定の位置に載置する。続いて、レリーフ形成層2の微細領域BRが形成されるべき領域C2…C2に第2の回折格子パターン5が賦型されるように、光8を光熱変換層7へ向けて照射する。
例えば、1つの領域C2内を、光8で所定のピッチでスキャンさせると、第2の回折格子パターン5がその領域C2内に賦型され、結果として、微細領域DRがその形成されるべき領域C2に形成される。光8の照射位置及び照射位置は、PC24の制御によって行なえばよい。尚、各領域C2は説明の便宜上肉眼で視認できる大きさで示されているが、実際は視認できる大きさではない。又、各領域C2の境界線も説明の便宜上示したものであり、視認できるものではない。上記の方法により、背景領域BR及び微細領域DRが形レリーフ形成層2上に形成される。このレリーフ形成材3に更に必要な加工を加えることにより、第3の画像体I−3を得ることができる。
尚、本形態では、第2の回折格子パターンで形成される形状は星型であるが、この形状に限らず、文字や図柄でもよい。また、背景領域BR及び微細領域DRのそれぞれに使用する各レリーフパターンは、パターンが互いに異なれば足り、回折格子パターンに限らない。
本形態では、第1の画像体I−1〜第3の画像体I−3の形成時に積層体23をXYステージに載置いたが、ドラムの側面に真空吸着してもよい。この場合は垂直方向はドラムの回転によって制御し、水平方向は光8のレーザーヘッド21を水平方向に移動させることによって制御すればよい。また、本形態では、光熱変換層7を独立して設けたが、光熱変換を高める物質を、レリーフ形成材3又はレリーフ形成材6のいずれかの層に含むことにより、光熱変換層7を省略してもよい。
尚、上記形成方法によって得られた第1の画像体I−1、第2の画像体I−2、及び第3の画像体I−3を原版とするレリーフパターンシート6を用いて、各画像体の凹凸パターンが全て賦型されるように光8の照射を制御すれば、容易に各画像体の複製を作成することができる。
ポリエチレンテレフタレート(PET)シートからなる基材の表面に、光熱変換層、紫外線硬化性樹脂層(未硬化であるが固体状で熱可塑性を有する)を順次形成し、この未硬化の紫外線硬化性樹脂層表面に原版である回折格子パターン(OVD)が刻まれたレリーフパターンシート(OVDシート)を真空吸着法により密着させて積層体を形成した。
次いで、レーザーとして波長808.5nmの半導体レーザーを使用し、上記積層体を基材側がレーザー照射側となるようにXYステージ上に載置し、図3に示すXYステージを移動させて描画をスタートさせる位置にする。PCから描画を指示すると、描画プログラムは出力される画像パターンに従ってXYステージを動かしてレーザー照射位置を移動させると共に赤外線レーザーの照射のオン/オフを繰り返して、所定のパターン状に描画した。なおXYステージは20mm/secの速度で移動させ、レーザースポット径は72μm、レーザー出力は0.935W、1ドット(直径72μm)当たりの照射エネルギーは、9350×(0.072/20)=33.7mJ、単位長さあたりの照射量は、33.7×(1/0.072)=468mJとなるようにレーザーを照射した。その結果、赤外線レーザーが照射された部分の光熱変換層が発熱し、その光熱変換層に接触している部分の紫外線硬化性樹脂層が溶融して、該紫外線硬化性樹脂層に接触しているレリーフパターンシートであるOVDシートの凹凸形状に対応する凹凸パターンの形状が、紫外線硬化性樹脂層に賦型される。赤外線レーザー照射後に、レリーフパターンシートを剥離して、基材シート表面に回折格子の凹凸パターンが形成された凹凸パターン形成体を得た。なお、光熱変換層、紫外線硬化性樹脂層、レリーフパターンシートは、以下に示す方法で作成した。
[光熱変換層の形成方法]
下記の塗工液組成物を作成し、PETシートの表面にグラビアコーティング法で塗工した(塗工量:0.5g/m)
〔光熱変換層塗工液組成:単位は質量部〕
・カーボンブラック(三善化学:#258) 1
・バインダー樹脂(ポリエステル樹脂、東洋紡バイロン200) 1
・UV硬化剤(三井武田ケミカル社:タケネートA10) 0.1
・溶剤(MEK/トルエン=1/1) 8
[紫外線硬化性樹脂層の形成方法]
下記の配合割合の組成物をメチルエチルケトン(MEK)で希釈して組成物の固形分を50%に調整しインキとし、前記光熱変換層の上からグラビアコーティング法で塗工した(塗工量:2g/m)。
〔紫外線硬化性樹脂層組成:単位は質量部〕
・ウレタン変性アクリレート(A) 100
・シリコーン(トリメチルシロキシケイ酸含有メチルポリシロキサン、信越化学社製商品名:KF−7312) 1
・多官能ウレタンアクリレート(日本合成化学工業社製商品名:紫光UV−1700B) 25
・光重合開始剤(チバスペシャリティケミカルズ社製商品名:イルガキュア907) 5
上記ウレタン変性アクリレート(A)は下記の方法により製造した。
冷却器、滴下ロートおよび温度計付きの2リットルの四つ口フラスコに、トルエン40gおよびメチルエチルケトン(MEK)40gをアゾ系の開始剤と共に仕込み、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)24.6g、メチルメタクリレート(MMA)73.7g、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート24.6g、トルエン20g、およびMEK20gの混合液を滴下ロートを経て、約2時間かけて滴下させながら100〜110℃の温度下で8時間反応させた後、室温まで冷却した。これに、2−イソシアネートエチルメタクリレート(昭和電工社製:カレンズMOI)27.8g、トルエン20gおよびMEK20gの混合液を加えて、ラウリン酸ジブチル錫を触媒として付加反応させた。反応生成物をIR分析し、イソシアネート基の2200cm−1の吸収ピークの消失を確認して反応を終了させた。得られたウレタン変性アクリレートの溶液は、不揮発分が41.0%、該アクリレートのGPC分析(溶剤THF、標準ポリスチレン換算)による分子量は3万、ポリマー1分子中の二重結合の平均個数は13.0モル%であった。
[レリーフパターンシートの作成方法]
レリーフパターンシートは2P法により作成した。易接着PETシートに版材用UV硬化性樹脂(ザ・インクテック社製:UV−SELクリヤーOPニス)を滴下し、回折格子パターン樹脂原版にラミネートし、紫外線を仮照射した。その後回折格子パターン樹脂原版を剥離し、易接着PETシート表面に形成された回折格子パターンに対応する仮硬化したレリーフパターンに、紫外線を再照射して該レリーフパターンを本硬化させた。
ポリエチレンテレフタレート(PET)シートからなる基材の表面に、紫外線硬化性樹脂層(未硬化であるが固体状で熱可塑性を有する)を形成し、この未硬化の紫外線硬化性樹脂層表面に、原版である回折格子パターン(OVD)が刻まれていると共に光熱変換層が設けられた下記のレリーフパターンシート(OVDシート)を真空吸着法により密着させて積層体を形成し、実施例1と同様に上記積層体にレーザー光を照射して、レリーフパターンシートであるOVDシートの凹凸形状に対応する凹凸パターンの形状を紫外線硬化性樹脂層に賦型して基材シート表面に回折格子の凹凸パターンが形成された凹凸パターン形成体を得た。なお、光熱変換層をレリーフパターンシートに設ける以外は、実施例1と同じ材料、レーザー描画方法・装置を用いた。
〔レリーフパターンシートの作成方法〕
先ず易接着PETシートに光熱変換層を設ける。光変換層は実施例1の塗工組成物と同じ組成物を用いて同じ方法で形成した。次いで該光変換層の上に版材用UV硬化性樹脂(ザ・インクテック社製:UV−SELクリヤーOPニス)を滴下し、回折格子パターン樹脂原版にラミネートし、紫外線を仮照射した後、回折格子パターン樹脂原版を剥離し、紫外線を再照射して該レリーフパターンを本硬化させて、PETシート、光熱変換層、レリーフパターンが順次形成されたシートを得た。
本発明微細凹凸パターンの形成方法の一例を示す工程図である。 本発明微細凹凸パターンの形成方法の他の例を示す工程図である。 本発明微細凹凸パターンの形成方法に用いられる装置の一例の概略を示す説明図である。 2P法による原版からレリーフパターンを形成する方法を示す工程図である。 回折格子エリアに応じて輝点が移動するようすを示す図である。 図3の装置によって形成された第1の画像体の一例を示す図である。 図3の装置によって図6に示す画像体を形成するようすを示す図である。 図3の装置によって形成された第2の画像体の一例を示す図である。 1つの分割領域に含まれる複数の画素領域を示す図である。 図3の装置によって図8に示す画像体を形成するようすを示す図である。 図3の装置によって形成された第3の画像体を示す図である。 図11に示す第3の画像体の拡大図である。 図3の装置によって背景領域が形成されるようすを示す図である。 図3の装置によって微細領域が形成されるようすを示す図である。
符号の説明
1 レリーフ形成材の基材
2 レリーフ形成層
3 レリーフ形成材
4 レリーフパターンシートの基材
5 レリーフパターン
6 レリーフパターンシート
7 光熱変換層
8 光
9 微細凹凸パターン
10 レリーフパターン形成体

Claims (5)

  1. 熱可塑性を有する樹脂からなるレリーフ形成層を備えるレリーフ形成材と、表面に原版の微細凹凸パターンに対応するレリーフパターンを有するレリーフパターンシートを用い、光熱変換層がレリーフ形成材またはレリーフパターンシートに設けられ、レリーフ形成層とレリーフパターンとが接するようにレリーフ形成材とレリーフパターンシートとを接触させた状態で、光熱変換層に光を照射して光熱変換層を発熱させて、レリーフ形成層にレリーフパターンシートのレリーフパターンに対応する原版の微細凹凸パターンを賦型することを特徴とする微細凹凸パターンの形成方法。
  2. レリーフパターンシートに光熱変換層が設けられていて、レリーフパターンシート側から光を照射する請求項1記載の微細凹凸パターンの形成方法。
  3. レリーフ形成材に光熱変換層が設けられている請求項1または2記載の微細凹凸パターンの形成方法。
  4. レリーフ形成層が、熱可塑性を有する電離放射線硬化性樹脂からなる請求項1〜3のいずれか1に記載の微細凹凸パターンの形成方法。
  5. レリーフ形成材とレリーフパターンシートとを真空吸着により密着させる請求項1〜4のいずれか1に記載の微細凹凸パターンの形成方法。
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