JP2003315519A - 複製用版材 - Google Patents

複製用版材

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JP2003315519A
JP2003315519A JP2002116531A JP2002116531A JP2003315519A JP 2003315519 A JP2003315519 A JP 2003315519A JP 2002116531 A JP2002116531 A JP 2002116531A JP 2002116531 A JP2002116531 A JP 2002116531A JP 2003315519 A JP2003315519 A JP 2003315519A
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relief
ionizing radiation
original plate
plate
silane coupling
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JP2002116531A
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Hiroshi Funada
洋 船田
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】レリーフホログラム及び/又は回折格子などを
効率良く、安価に複製するための、繰り返し複製が多数
回できる耐刷力の高い中間的に使用する複製用版材を提
供する。 【解決手段】基材、プライマー層、電離放射線硬化樹脂
層が順次積層され、原版に、電離放射線硬化樹脂を塗布
し、電離放射線を照射して硬化させた後に、剥がして、
原版の凹凸レリーフ若しくは逆凹凸レリーフ形状を有す
る複製用版材で、基材がガラス、金属のいずれかの基材
と、少なくとも2種のシランカップリング剤からなるプ
ライマー層と、表面に所定の凹凸レリーフを有する紫外
線硬化樹脂層とが、順次積層することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複製用版材に関
し、さらに詳しくは、貴重で高価なたった1枚の原版か
ら大量複製するために、中間的に使用する複製用版材に
関するものである。
【0002】
【従来技術】ホログラムの撮影は、無振動な環境で、特
殊な設備を用い、危険なレーザを操作し、専門的な撮影
技術を要する高度なものである。このように撮影された
原版(写真乾板状態)は、二度と同じものを作るのは極
めて困難で、非常に貴重なものであり、通常、金庫に保
管されている。さらに、製造から複製までが工業的に生
産ができるのは、世界でも数社といわれている。該原版
の表面は、レリーフホログラムや回折格子では、超微細
な凹凸レリーフからなっている。このような超微細な凹
凸レリーフを、大量複製(再現)することは、極めて困
難である。
【0003】従来、レリーフホログラムや回折格子など
を大量複製するには、原版から一次(子)複製原版を作
り、さらに二次(孫)複製原版を作り、さらにまた三次
(曾孫)複製原版を作り、さらに必要に応じてn次(子
孫)の複製原版を作る。該n次(子孫)複製原版から複
数の複製刷版を作って、複製機へ搭載し複製することで
大量複製(生産)ができる。しかも、複製刷版の1枚
が、複製できる枚数(耐刷力)は、一般的な印刷法の刷
版と比較して著しく低い。該刷版は多くの枚数を消費す
るので、一次〜n次複製原版、該n次複製原版から刷版
を作る作業を繰り返す。従って、一次〜n次複製原版な
どの中間的に使用する複製用版材の耐刷力も求められ
る。
【0004】従来、中間的に使用する複製用版材は、撮
影原版の表面に金などを蒸着し、これを電極に厚さ数百
μm程度のニッケルメッキ層を形成してから、ニッケル
層を剥離して複製原版又は刷版とすることが知られてい
る。しかしながら、金などの蒸着層が電極として使用で
きなかったり、ニッケルメッキ複製原版が剥離しにくか
ったりするという問題点がある。また、特開平1−23
8679号、特開平3−29986号では、撮影原版か
らニッケルメッキ複製原版、さらにガラス複製原版を経
て、該ガラス複製原版を順次、複数回UV硬化を繰り返
して樹脂多面刷版とする方法が、知られている。しかし
ながら、いずれも1回はニッケルメッキ複製原版を経な
ければならない、という欠点がある。さらに、ガラス複
製原版がシランカップリング剤処理を行うことが記載さ
れているが、該シランカップリング剤処理の具体的な材
料、目的に関しては、何らの記載も示唆もされていな
い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明はこの
ような問題点を解消するためになされたものである。そ
の目的は、基材と電離放射線硬化樹脂層とをプライマー
層で強固に接着して、電離放射線硬化樹脂層が剥離しに
くくすることで、レリーフホログラム及び/又は回折格
子などを効率良く、安価に複製するための、繰り返し複
製が多数回できる耐刷力の高い中間的に使用する複製用
版材を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1の発明に係わる複製用版材は、基材、プ
ライマー層、電離放射線硬化樹脂層が、順次積層され、
原版に、電離放射線硬化樹脂を塗布し、電離放射線を照
射して硬化させた後に、剥がして、原版の凹凸レリーフ
若しくは逆凹凸レリーフ形状を有する複製用版材におい
て、基材がガラス、金属のいずれかであり、プライマー
層が、少なくとも2種のシランカップリング剤からな
り、紫外線硬化樹脂層のプライマー層でない表面に所定
の凹凸レリーフを有するようにしたものである。本発明
によれば、レリーフホログラム及び/又は回折格子など
を効率良く、安価に複製するための、繰り返し複製が多
数回できる耐刷力の高い中間的に使用する複製用版材が
提供される。請求項2の発明に係わる複製用版材は、上
記シランカップリング剤が、エポキシ基を有するシラン
カップリング剤と、アミノ基を有するシランカップリン
グ剤とからなり、シランカップリング剤成分が、プライ
マー層組成物中の含有率でエポキシ基を有するシランカ
ップリング剤が5〜50質量%、アミノ基を有するシラ
ンカップリング剤が50〜95質量%とからなるように
したものである。本発明によれば、基材と電離放射線硬
化樹脂層とが、プライマー層で強固に接着し積層され、
電離放射線硬化樹脂層が剥離しにくい複製用版材が提供
される。請求項3の発明に係わる複製用版材は、上記紫
外線硬化樹脂層のプライマー層でない表面の凹凸レリー
フが、レリーフホログラム、及び/又は回折格子である
ようにしたものである。本発明によれば、レリーフホロ
グラム及び/又は回折格子などを効率良く、安価に複製
できる複製用版材が提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の実施態様について、図面
を参照しながら詳細に説明する。 (表面の凹凸レリーフ)表面の凹凸レリーフは、繰り返
し単位が数mm以下の特殊な光輝印刷に適用でき、特
に、1mmの間に数百〜数千本の凹凸を有するレリーフ
ホログラム、回折格子などに好適である。ホログラムの
撮影は、無振動な環境で、特殊な設備を用い、危険なレ
ーザを操作し、専門的な撮影技術を要する高度なもので
ある。このように撮影された原版(写真乾板状態)は、
二度と同じものを作るのは極めて困難で、非常に貴重な
ものであり、通常、金庫に保管されている。さらに、製
造から複製までが工業的に生産ができるのは、世界でも
数社といわれている。該原版(原版(親)と呼ぶ)の表
面は、レリーフホログラムや回折格子では、超微細な凹
凸レリーフからなっている。該凹凸レリーフは、1mm
の間に数百本以上の畝状の凹凸で、その深さも0.01
〜数μm程度である。また、該畝状の凹凸に光が干渉し
てできた風紋のような縞模様がある。該縞模様の深さ
は、0.01〜数μm程度の畝状の凹凸のさらに数〜数
百分の一程度である。このような超微細な凹凸レリーフ
を、大量複製(再現)で忠実に再現させることは、極め
て困難である。
【0008】(ホログラム)ホログラムの画像として
は、用途、目的に合わせた画像とすればよく、特に限定
されず、例えば、必要な意味を表現する記号、文字、数
字、イラストなど自由に適用できる。ホログラム画像自
体は、実物の撮影以外に、ホログラム回折格子を計算で
求めたり、デジタルカメラで取り込んだデジタル画像や
コンピュータグラフイックスから得られる、2次元ある
いは3次元の画像データから、ホログラフィックステレ
オグラム技術等の適宜な手段により作成してもよい。回
折格子は、その輪郭で文字などの画像を表現できる。 (レリーフホログラム)ホログラムには体積型とレリー
フ型があるが、本発明では2次元又は3次元画像を再生
可能な、表面に凹凸レリーフ(光回折レリーフ)が形成
されたレリーフホログラム、及び/又は回折格子が好適
である。レリーフホログラムとしては、物体光と参照光
との光の干渉による干渉縞の光の強度分布が凹凸模様で
記録されたホログラムや回折格子が適用できる。該レリ
ーフホログラムとしては、フレネルホログラム、フラウ
ンホーファーホログラム、レンズレスフーリエ変換ホロ
グラム、イメージホログラム等のレーザ再生ホログラ
ム、及びレインボーホログラム等の白色光再生ホログラ
ム、さらに、それらの原理を利用したカラーホログラ
ム、コンピュータホログラム、ホログラムディスプレ
イ、マルチプレックスホログラム、ホログラフィックス
テレオグラム、ホログラフィック回折格子などがある。
【0009】(回折格子)回折格子としては、ホログラ
ム記録手段を利用したホログラフィック回折格子の他
に、精密旋盤や電子線描画装置等を用いて機械的、光学
的に回折格子を作成することにより、計算に基づいて任
意の回折光が得られる回折格子をあげることもできる。
これらのホログラム、回折格子は、単一若しくは多重に
記録しても、組み合わせて記録しても良い。特に回折格
子は、回折方向の異なる複数の部分を、規則的又はラン
ダムに組合わせると、意匠性のある特異な光輝性が得ら
れる。
【0010】(複製)レリーフの複製は、まず、凹凸レ
リーフが形成された原版(親)から刷版(スタンパとも
いう)を作り、該刷版を媒体へ圧着(所謂エンボス)し
て、媒体の表面へレリーフを形成(複製)した後に、電
離放射線を照射するか又はエンボス中に電離放射線を照
射してから、刷版(スタンパ)を剥離することで行う。
商業的複製の方法では、刷版(スタンパ)の基材を樹脂
製とし、シリンダ状に巻き付けることで、長尺で連続に
行え、大量に安価に複製作業ができる。
【0011】図1は、原版(親)から刷版を作る工程を
説明する概念図である。(複製原版)まず、商業的な複
製に先立って、原版(親)から実際に複製機へ搭載する
刷版を作る。レリーフホログラムや回折格子などを大量
複製するには、原版(親)から、一次(子A)〜(子
n)複製原版を作り、原版(親)は大切に金庫へ保存
し、一部の一次(子)複製原版も保存する。一次(子
A)〜(子n)複製原版を用いて、二次(孫A)〜(孫
n)複製原版を作り、一部の二次(孫)複製原版は保管
する。該二次(孫A)〜(孫n)複製原版から、三次
(曾孫A)〜(曾孫n)複製原版を作り、該三次(曾孫
A)〜(曾孫n)複製原版を実際に複製機へ搭載する刷
版(A)〜(n)とする。
【0012】(刷版)また、大きな面積のホログラム撮
影は、撮影時間(写真撮影でいうシャッター時間)が長
くなって、該時間内を無振動状態で維持することは至難
である。従って、小さい面積の原版(親)の場合は、複
数個を面付けして1枚の多面付け複製原版として、該多
面付け複製原版から刷版を作製する。上記一次(子A)
〜(子n)複製原版の複数個を面付けして、二次(孫A
A)〜(孫nn)複製原版を作り、一部の二次(孫n
n)複製原版は保管する。該二次(孫AA)〜(孫n
n)複製原版から、三次(曾孫AA)〜(曾孫nn)複
製原版を作り、該三次(曾孫AA)〜(曾孫nn)複製
原版を実際に複製機へ搭載する刷版(AA)〜(nn)
とする。
【0013】(中間版材)複製枚数が少ない場合は、一
次(子A)〜(子n)複製原版、二次(孫A)〜(孫
n)複製原版、又は二次(孫AA)〜(孫nn)複製原
版を刷版(AA)〜(nn)とすることもある。このよ
うに、原版(親)から刷版を作るに至るまでに、幾つか
の中間的に使用する一次複製原版、二次複製原版などの
複製用版材のが必要となる。しかし、いずれの複製刷
版、刷版でもその1枚が、複製できる枚数(耐刷力)
は、一般的な印刷法の刷版と比較して著しく低い。商業
的な生産では、多くの枚数の刷版を消費するので、一次
(子)、二次(孫)、三次(曾孫)〜n次複製原版、刷
版を作る作業を繰り返す。従って、一次(子)複製原
版、二次複製原版、三次複製原版、n次複製原版などの
中間的に使用する複製用版材の耐刷力も求められる。
【0014】(2P法)以上のように、刷版(スタン
パ)は、原版(親)から、一次(子)、二次(孫)、三
次(曾孫)〜n次複製原版を経て作られる。該複製原版
は、原版に、電離放射線硬化樹脂を塗布し、電離放射線
を照射して硬化させて後に、剥がすPhotoPoly
merization法(2P法という)方法で作製す
る。2P法は、一般に、基材上に凹凸レリーフを形成す
る有効な方法として知られ、公知の光学部品などの複製
でも使用されている。なお、回折格子の凹凸レリーフ
は、レーザー光または電子ビームの照射パターンに対し
てポジ状レリーフでもネガ状レリーフでも、すなわち凹
凸が逆になっていてもよい。
【0015】図2は、2P法を説明する概念図である。
2P法は、概略の工程を図2で図示するように、図2
(A)は凹凸状レリーフの形成された原版で、図2
(B)に示すように電離放射線硬化性樹脂組成物13A
を滴下し、図2(C)、図2(D)に示すように、その
上へ複製基材15を積置し、押圧する。次いで、図2
(E)に示すような状態で、原版11又は複製基材15
側から紫外線等の電離性放射線を照射して、電離放射線
硬化性樹脂組成物13Aを硬化させる。図2(F)に示
すように、硬化して一体化した電離放射線硬化樹脂13
Bと基材15とを、原版11側から剥離することで、複
製原版(子)17が得られる。また、この2P法の操作
を繰り返すと、複数の複製原版(子)、即ち、兄弟がで
きる。さらにまた、複製原版(子)17を原版として、
この2P法を繰り返すと、原版とその凹凸レリーフの同
一の複製原版(孫)ができる。図2に図示する凹凸状レ
リーフの形成は、説明しやすく矩形で示しているが、特
に矩形に限らない。原版の製造方法によって、波状、ノ
コギリ状などがあり、また、ホログラム画像が記録され
ていると、レリーフ中にも凹凸がある。
【0016】図3は、本発明の1実施例を示す複製原版
の断面図である。本発明は、原版から刷版に至る中間的
に使用する複製用版材に使用する複製原版に関し、即
ち、耐刷力を著しく高められた、一次(子)複製原版、
二次(孫)複製原版、三次(曾孫)複製原版、n次複製
原版などの複製原版である。本発明の複製原版は、基材
15とプライマー層19と電離放射線硬化樹脂層13B
とが、順次積層されている。該プライマー層19の材料
と配合比を種々研究した結果、基材15と電離放射線硬
化樹脂層13Bとを強固に接着させることで、耐刷力が
著しく高められることを見出した。
【0017】(基材)複製原版の基材15としては、具
体的には、金属版、ガラス版などが適用できる。金属と
しては、ニッケル板、ステンレス板、亜鉛板などがあげ
られ、厚さには依存しないが0.1mm以上の厚さが好
ましい。また、ガラスでは、ソーダガラス、石英ガラ
ス、硼硅酸ガラス、クラウンガラスなどがあげられ、厚
さには依存しないが、薄すぎると原版との剥離の際に割
れることが多いため、0.5mm以上の厚さが好まし
い。
【0018】(電離放射線硬化樹脂層)原版の凹凸レリ
ーフが賦形される電離放射線硬化樹脂層13Bは、電離
放射線硬化性樹脂組成物13Aへ、電離放射線を照射し
て硬化させる。電離放射線としては電磁波が有する量子
エネルギーで区分する場合もあるが、本明細書では、す
べての紫外線(UV‐A、UV‐B、UV‐C)、可視
光線、ガンマー線、X線、電子線を包含するものと定義
する。従って、電離放射線としては、紫外線(UV)、
可視光線、ガンマー線、X線、または電子線などが適用
できるが、紫外線、電子線が好適である。電離放射線で
硬化する電離放射線硬化性樹脂組成物13Aとしては、
電離放射線硬化性樹脂(前駆体)へ、紫外線硬化の場合
は光重合開始剤、及び/又は光重合促進剤を添加したも
ので、エネルギーの高い電子線硬化の場合は添加しない
でもよい。また、適正な触媒が存在すれば、熱エネルギ
ーでも硬化できる。
【0019】該電離放射線硬化樹脂層13Bは、電離放
射線硬化性樹脂組成物13Aが電離放射線で硬化したも
ので、該電離放射線硬化性樹脂組成物13Aへは、電離
放射線で重合(硬化ともいう)反応する少なくとも1つ
の、官能基を有する硬化性成分を含有させれば良い。該
硬化性成分としては、ラジカル重合性不飽和二重結合を
有する化合物が適用でき、1官能モノマー、2官能以上
の多官能モノマー、官能オリゴマー、官能ポリマーなど
がある。また、電離放射線で重合(硬化ともいう)する
官能基としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、
アリル基、またはエポキシ基である。
【0020】1官能モノマーとしては、例えば、アクリ
ル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸ブチル、アクリル酸‐2‐エチルヘキシル、アクリル
酸イソブチル、メチルメタクリレート、2‐エチルヘキ
シルアクリレート、2‐ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2‐ヒドロキシプロピルアクリレート、ノニルフェ
ノールEO付加物アクリレート(DNPA)、2‐ヒド
ロキシ‐3‐フェノキシプロピルアクリレート(HPP
A)、3‐エチル‐3‐ヒドロキシメチルオキセタン、
などの(メタ)アクリル酸又はそのアルキル若しくはア
リールエステル、スチレン、メチルスチレン、スチレン
アクリロニトリル、n‐ビニルピロリドンなどが適用で
きる。
【0021】また、本明細書においては、(メタ)アク
リル酸とは、アクリル酸もしくはメタクリル酸を意味す
る。(メタ)アクリレートとは、アクリレートもしくは
メタクリレートを意味し、同様の表記はこれに準ずる。
【0022】2官能モノマーとしては、例えば、1,6
‐ヘキサンジオールアクリレート(HDDA)、ヘキサ
メチレンジアクリレート、ジエチレングリコールジアク
リレート(DEGDA)、ネオペンチルグリコールジア
クリレート(NPGDA)、トリプロピレングリコール
ジアクリレート(TPGDA)、ポリエチレングリコー
ル400ジアクリレート(PEG400DA)、ヒドロ
キシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジアク
リレート(HPNDA)、ビスフェノールAEO変成ジ
アクリレート、1,4‐ビス[(3‐エチル‐3‐オキ
セタニルメトキシ)メチル]ベンゼンなどが適用でき
る。
【0023】多官能モノマーとしては、エチレングリコ
ール、グリセリン、ペンタエリスルトール、エポキシ樹
脂等の2官能以上の化合物に(メタ)アクリル酸又はそ
の誘導体を反応させて得られる2官能以上の(メタ)ア
クリロイルモノマーなどが適用でき、例えば、トリメチ
ロールプロパンアクリレート(TMPTA)、ペンタエ
リスリトールトリアクリレート(PETA)、ジペンタ
エリスリトールヘキサアクリレート(PEHA)、ジペ
ンタエリスリトールペンタアクリレート、トリメチロー
ルプロパンEO変性トリアクリレート、ジメチロールプ
ロパンテトラアクリレートなどが例示できる。
【0024】官能オリゴマー(プレポリマーとも呼ばれ
る)としては、分子量(重量平均)が約300〜500
0程度で、分子内中に(メタ)アクリロイル基、メタク
リロイル基、アリル基、またはエポキシ基などのラジカ
ル重合性二重結合を有するポリウレタン系、ポリエステ
ル系、ポリエーテル系、ポリカーボネート系、ポリ(メ
タ)アクリル酸エステル系が適用でき、例えば、ウレタ
ン(メタ)アクリレート、イソシアヌレート(メタ)ア
クリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリ
エステル‐ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ
(メタ)アクリレート、アミノ変性トリアクリレート、
脂肪酸アクリレートなどが例示できる。
【0025】官能ポリマーとしては、分子量(重量平
均)が約1000〜30万程度で、アクリロイル基、メ
タクリロイル基、アリル基、またはエポキシ基などのラ
ジカル重合性二重結合を有するウレタン(メタ)アクリ
レート、イソシアヌレート(メタ)アクリレート、ポリ
エステル‐ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ
(メタ)アクリレートが適用できる。
【0026】以上に説明した硬化性のモノマー、および
/またはオリゴマー、および/またはポリマーを、電離
放射線硬化性樹脂組成物13Aへ含有させれば良い。こ
れらの硬化性成分を、例えば、電離放射線硬化性樹脂
(前駆体)に対して、5質量%以上、好ましくは10〜
90質量%、更に好ましくは、20〜80質量%含有さ
せることによって、電離放射線硬化性が付与される。
【0027】また、電離放射線硬化性樹脂(前駆体)
へ、少なくとも1種のモノマーを含有させ、さらに、反
応性希釈剤と呼ばれるモノマーを含ませても良い。該モ
ノマーは、(メタ)アクリロイル基、メタクリロイル
基、アリル基、またはエポキシ基などを有する1官能反
応性希釈剤である。ここで、反応性希釈剤は、トルエン
などの一般的な有機溶剤とは異なり、トルエンなどの一
般的な有機溶剤などの溶剤を含有していないことを意味
する。通常、電離放射線硬化性樹脂組成物は粘度が高
く、有機溶剤で粘度を下げるように調整しないと、塗布
することができない。しかし、該モノマーを電離放射線
硬化性樹脂(前駆体)へ含有させると粘度が下がり、溶
剤を用いる必要がなくなり、ノンソルベント(無溶剤)
で使用することができる。また、オリゴマーも、同様の
効果がある。
【0028】さらに、モノマー、オリゴマーは重合反応
の速度を向上させ、また、オリゴマー、ポリマーは、硬
化後の電離放射線硬化樹脂層13Bの架橋密度、凝集力
などを調整することができる。このために、電離放射線
硬化性樹脂(前駆体)へは、モノマー、および/または
オリゴマー、および/またはポリマーを用いることが好
ましい。さらに、好ましくはそれらを併用して、適宜、
配合比を変えて、用途や目的に合わせた電離放射線硬化
樹脂層13Bの性能とする。さらに、電離放射線硬化性
樹脂(前駆体)には、必要に応じて、重合禁止剤、老化
防止剤などの添加剤を加えてもよい。該電離放射線硬化
樹脂層13Bには、必要に応じて、可塑剤、滑剤、染料
や顔料などの着色剤、増量やブロッキング防止などの体
質顔料や樹脂などの充填剤、界面活性剤、消泡剤、レベ
リング剤、チクソトロピー性付与剤等の添加剤を、適宜
加えても良い。
【0029】電子線照射は、電子線加速器により発生さ
せた電子線を照射する。電子線照射装置としては、たと
えば、コックロフトワルトン型、バンデグラフ型、共振
変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナ
ミトロン型、高周波型などの各種電子線加速器などを用
いて、エクレトロンカーテン方式、ビームスキャニング
方式などで、電子線を照射する。好ましくは、線状のフ
ィラメントからカーテン状に均一な電子線を照射できる
装置「エレクトロカーテン」(商品名)である。電子線
の照射量は、通常100〜1000keV、好ましくは
100〜300keVのエネルギーを持つ電子を、0.
5〜20Mrad程度の照射量で照射する。照射量が
0.5Mrad未満の場合、未反応モノマーが残留して
硬化が不十分となる恐れがあり、また、照射量が20M
radを超えると、架橋密度が高くなり硬化したバイン
ダ、若しくは基材が、損傷を受ける恐れがある。また、
硬化の際の雰囲気は、酸素濃度500ppm以下で行わ
れ、通常は200ppm程度で行うのが好ましい。
【0030】(光重合開始剤)紫外線照射は、電離放射
線硬化性樹脂組成物に光重合開始剤、例えば、アセトフ
ェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベン
ゾエート、αーアミロキシムエステル、テトラメチルメ
ウラムモノサルファイド、チオキサントン類などの光重
合開始剤と、必要に応じて光増感剤、例えば、n−ブチ
ルアミン、トリエチルアミン、トリーnーブチルホスフ
ィンなどを添加する。紫外線硬化に用いる紫外線(U
V)ランプは、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ
が適用でき、紫外線の波長は200〜400nm程度
で、接着剤組成物に応じて波長を選択すれば良い。その
照射量は、組成物の材質や量と、UVランプの出力と、
加工速度に応じて照射すれば良い。
【0031】(プライマ層)硬化後の電離放射線硬化樹
脂層13Bと基材15との接着性を高め、耐紫外線性、
耐熱性、膜強度を向上させるために、本発明では、基材
15に、予め有機金属カップリング剤を塗布してプライ
マ層19を設ける。該有機金属カップリング剤として
は、公知のシランカップリング剤、チタンカップリング
剤、ジルコニウムカップリング剤、アルミニウムカップ
リング剤があるが、好ましくはシランカップリング剤で
ある。
【0032】シランカップリング剤としては、例えば、
末端に、ビニル基、エポキシ基、メルカプト基(チオー
ル基)、アミノ基、水酸基を有するシランカップリング
剤などの架橋性のシランカップリング剤が適用できる。
ビニル基を末端に有するシランカップリング剤として
は、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(βメト
キシエトキシ)シランなどがある。エポキシ基を末端に
有するシランカップリング剤としては、γ‐グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン、γ‐グリシドキシプロ
ピルトリエトキシシラン、γ‐グリシドキシプロピルメ
チルジメトキシシラン、γ‐グリシドキシプロピルメチ
ルジエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメト
キシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラ
ン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、
β‐(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメト
キシシランなどがある。メルカプト基(チオール基)を
末端に有するシランカップリング剤としては、γ‐メル
カプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピ
ルトリエトキシシラン、β‐メルカプトエチルメチルジ
メトキシシラン、などがある。アミノ基を末端に有する
シランカップリング剤としては、γ‐アミノプロピルト
リエトキシシラン、γ‐アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、γ‐アミノプロポキシプロピルトリメトキシシラ
ン、β‐アミノエチルトリメトキシシラン、N‐(β‐
アミノエチル)‐γ‐アミノプロピルトリプロピルトリ
メトキシシラン、N‐(β‐アミノエチル)‐γ‐アミ
ノプロピルトリプロピルメチルジメトキシシラン、N‐
(β‐アミノエチル)‐γ‐アミノプロピルメチルジメ
トキシシラン、N‐(β‐アミノエチル)‐γ‐アミノ
プロピルトリエトキシシラン、N‐フェニル‐γ‐アミ
ノプロピルトリメトキシシランなどがある。水酸基を持
つものとしては、β−ヒドロキシエトキシエチルトリエ
トキシシラン、γ−ヒドロキシプロピルトリメトキシシ
ランなどがある。また、これらのシランカップリング剤
は、1種単独でも、2種以上併用して使用してもよい。
【0033】ここで、本発明者は、特定のシランカップ
リング剤の2種を、特定の配合比で混合することで、顕
著な効果が発現することを見出した。エポキシ基を有す
るシランカップリング剤のみでは、電離放射線硬化樹脂
層13Bと基材15との接着性は高まるものの、2P法
で繰り返し紫外線の照射を受けて、電離放射線硬化樹脂
層13Bがひび割れたりする。また、濡れ性が悪いの
で、ガラスや金属の基材へ塗布する際に、ハジキ、塗布
ムラが発生して、均一に塗布することが難しい。狭い塗
布条件下で、何とか塗布しても、2P法で繰り返し紫外
線の照射を受けて、基材15から剥離したりしてしま
う。
【0034】そこで、アミノ基を有するシランカップリ
ング剤の所定量を添加すると、ガラスや金属の基材へ塗
布する際にも、濡れ性が良く、均一に塗布できる。ま
た、2P法で繰り返し紫外線の照射を受けても、基材1
5から剥離したり、ひび割れる頻度が少なく、即ち、耐
刷力が著しく高めることができた。また、該シランカッ
プリング剤としては、エポキシ基を有するシランカップ
リング剤と、アミノ基を有するシランカップリング剤と
からなり、シランカップリング剤成分が、プライマー層
組成物中の含有率でエポキシ基を有するシランカップリ
ング剤が5〜95質量%、アミノ基を有するシランカッ
プリング剤が50〜95質量%であり、好ましくは、エ
ポキシ基を有するシランカップリング剤が10〜20質
量%、アミノ基を有するシランカップリング剤が80〜
90質量%である。
【0035】複製枚数が多い場合には、n次に及ぶ複製
原版が必要となるが、1回に多数の複製原版(兄弟版)
ができれば、原版から刷版に至る中間的に使用する複製
用版材に使用するn次数を少なくできる。n次に及ぶ複
製原版を作製し、それぞれを細心の注意で使用し、それ
ぞれの予備を慎重に保管し、不足時には、再度取り出し
て、使用するなどその作業は煩雑である。本発明によ
り、n次数及び刷版数を少なくできる効果は大きい。
【0036】(プライマ層の形成)プライマ層19は、
上記のシランカップリング剤を、水や有機溶剤の単独又
は混合して溶剤へ分散又は溶解させて、公知のスピンコ
ート、カーテンコート、フローコート、ディップコー
ト、スプレーコートなどで塗布し乾燥し、必要に応じて
加熱すればよい。該プライマ層19の厚さとしては、
0.05〜10μm、好ましくは0.1〜3μmであ
る。
【0037】
【実施例】(原版1)まず、原版を作製する。一辺が
0.2mmの正四角形の回折格子を、回折方向の異なる
ようにランダムに隙間なく敷き詰めた回折格子集合体
を、電子線描画装置等を用いて、描画し、表面に凹凸レ
リーフを有する一辺が300mmの正四角形で、厚さが
2mmのガラスレチクル原版を得た。どの方向から観察
してもキラキラと意匠性のある特異な光輝性を有してい
る。 (原版2)次に、直径30mmの地球儀の模型を、アル
ゴンレーザ光(波長457.9nm、強度50mj/c
2、)で、光干渉による公知のレインボウホログラム
撮影法で撮影し現像して、表面に干渉縞が凹凸レリーフ
(レリーフホログラム、レインボウホログラム)として
形成された、一辺が50mm正四角形で、厚さが3mm
の銀塩ガラス原版を得た。
【0038】(実施例1)まず、イソプロピルアルコー
ル900質量部へ、β‐(3,4エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシラン10質量部、N‐(β‐
アミノエチル)‐γ‐アミノプロピルメチルジメトキシ
シラン90質量部とを混合して、スターラーで2時間攪
拌した。該液を濾過し、表面洗浄した厚さが2mmのガ
ラス板(基材)へ、毎分1000回転で10秒間、引き
続き毎分1500回転で20秒間の条件でスピンコート
し、80℃で10分間乾燥した。先に作っておいた「原
版1」の凹凸レリーフ上へ、N−ビニル−2−ピロリド
ン20質量部、ジシクロペンテニルアクリレート(日立
化成(株)製、FA−511A)25質量部、オリゴエ
ステルアクリレート(東亜合成(株)製、M−806
0)52質量部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニ
ルケトン(チバガイギー社製、イルガキュア184)3
質量部とからなる電離放射線硬化性樹脂組成物を、厚さ
が5μmになるように滴下した。そして、図2(C)、
(D)に示すように、予めシランカップリング剤を塗布
しておいた2mm厚、300mm角のガラスのシランカ
ップリング剤面を、原版の上に設置し、60N/cm2
の圧力で「原版1」上に圧力を加え、図2(E)に示す
ように、組成物を「原版1」の凹凸レリーフ領域以上に
広げた。さらに、超高圧水銀ランプの365nm輝線を
基材側から150mJ/cm2照射し、紫外線硬化性樹
脂組成物を硬化させた。「原版1」を剥離し、図2
(F)に示すような一次複製原版(子A)を得た。
【0039】(実施例2〜3)、比較例(1〜2) 表1に記載した基材、プライマ層組成物、電離放射線硬
化性組成物、電離放射線として紫外線又は電子線を用い
る以外は実施例1と同様にして、(実施例2〜3)、比
較例(1〜2)の複製原版(子A)を得た。電離放射線
として電子線を用いる場合の条件は、エレクトロンカー
テン型電子線照射装置(米国、ESI社製)で、加速電
圧175keVの電子線を、3Mrad照射した。
【0040】
【表1】
【0041】(実施例4)まず、基材として厚さが0.
55mmで、50×50mm角のソーダガラス板を用
い、原版として先に作っておいた「原版2」を用いる以
外は、実施例1と同様の2P法で、一次複製原版(子A
〜n)を9枚を得た。該一次複製原版(子A〜n)の個
々を半導体切断用の精密切断機で、40×40mmの大
きさにサブミクロンの精密でカットした。該カットした
複製原版(子)の凹凸レリーフ面を上に縦横3枚づつに
並べて固定して、複数個を面付けして1枚の「一次複製
原版(子A)」の集合体とした。該「一次複製原版(子
A)」の集合体から、多面付け二次複製原版(孫AA)
を作製する。別途、イソプロピルアルコール900質量
部へ、β‐(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン10質量部、N‐(β‐アミノエチ
ル)‐γ‐アミノプロピルメチルジメトキシシラン90
量部とを混合して、スターラーで2時間攪拌した。該液
を、表面洗浄した厚さが2mmで、150×150mm
のガラス板(基材)へ、毎分1000回転で10秒間、
引き続き毎分1500回転で20秒間の条件でスピンコ
ートし、80℃で10分間乾燥した。
【0042】先の「一次複製原版(子A)」の集合体の
凹凸レリーフ面上へ、トリプロピレングリコールジアク
リレート30質量部、トリメチロールプロパンアクリレ
ート25質量部、ポリエステルアクリレート52質量
部、イルガキュア369(光重合開始剤、チバガイギー
社製、商品名)3質量部とからなる電離放射線硬化性樹
脂組成物を、厚さが5μmになるように滴下した。そし
て、図2(C)、(D)に示すように、予めシランカッ
プリング剤を塗布しておいた厚さが2mmで、150m
m角のガラスのシランカップリング剤面を、「一次複製
原版(子A)」の集合体上に設置し、60N/cm2
圧力で「一次複製原版(子A)」の集合体上に圧力を加
え、図2(E)に示すように、組成物を「一次複製原版
(子A)」の凹凸レリーフ領域以上に広げた。さらに、
超高圧水銀ランプの365nm輝線を基材側から150
mJ/cm2照射し、紫外線硬化性樹脂組成物を硬化さ
せた。「一次複製原版(子A)」を剥離し、図2(F)
に示すような「二次複製原版(孫AA)」を得た。
【0043】(実施例5〜6)、比較例(3〜4) 表2に記載した150mm角の基材、該基材へのプライ
マ層組成物、「一次複製原版(子A)」の集合体の凹凸
レリーフ面上への電離放射線硬化性組成物、電離放射線
として紫外線又は電子線を用いる以外は実施例4と同様
にして、(実施例5〜6)、比較例(3〜4)の「二次
複製原版(孫AA)」を得た。電離放射線として電子線
を用いる場合の条件は、エレクトロンカーテン型電子線
照射装置(米国、ESI社製)で、加速電圧175ke
Vの電子線を、3Mrad照射した。
【0044】
【表2】
【0045】(評価)評価は、実施例、及び比較例で得
た「一次複製原版(子A)」、「二次複製原版(孫A
A)」を用いて、その凹凸レリーフ面上へ電離放射線硬
化性樹脂組成物を厚さが5μmになるように滴下した。
次いで、刷版基材として厚さ100μmのAPR‐PE
T(プライマ塗布済みポリエチレンテレフタレート、旭
化成工業社製、商品名)のプライマ面を設置し、60N
/cm2の圧力を加え、組成物を凹凸レリーフ領域以上
に広げた。さらに、超高圧水銀ランプの365nm輝線
を基材側から150mJ/cm2照射し、紫外線硬化性
樹脂組成物を硬化させた後に剥離する2P法で、刷版と
する「二次複製原版(孫A)」、「三次複製原版(孫A
A)」を得た。該2P法を繰り返して、同一の「一次複
製原版(子A)」、「二次複製原版(孫AA)」から、
刷版10枚を得た。その後に、使用後の「一次複製原版
(子A)」、「二次複製原版(孫AA)」の凹凸レリー
フ面へ、カッターで縦横1mm間隔で各11本の切り込
みを入れた後に、セロテープ(登録商標)を貼着して強
剥離した。100個の切り込み中1個でも剥離したもの
は不合格とし、×印で表わし、また、1個も剥離せず、
かつひび割れもないものを合格とし、○印で表わした。
【0046】実施例1〜3の「一次複製原版(子A)」
では、セロテープの強剥離テストでも剥離が見られず、
ひび割れもなかった。実施例4〜6「二次複製原版(孫
AA)」では、セロテープの強剥離テストでも剥離が見
られず、ひび割れもなかった。また、該「二次複製原版
(孫AA)」は、「一次複製原版(子A)」の集合体か
らなっているが、集合体の各々の接続する部分にもひび
割れなどの異常は見られなかった。比較例1の「一次複
製原版(子A)」、比較例3の「二次複製原版(孫A
A)」では、セロテープによる強剥離テストで、それぞ
れ5個、15個の剥離が見られた。比較例2の「一次複
製原版(子A)」、比較例4の「二次複製原版(孫A
A)」では、2P法を繰り返し、2回目で電離放射線硬
化樹脂層が剥離してしまって使用不可となった。
【0047】
【発明の効果】本発明の複製用版材によれば、レリーフ
ホログラム及び/又は回折格子などを効率良く、安価に
複製するための、繰り返し複製が多数回できる耐刷力の
高くできる。また、基材と電離放射線硬化樹脂層とが、
プライマー層で強固に接着し積層され、電離放射線硬化
樹脂層が剥離しにくく、さらに、レリーフホログラム及
び/又は回折格子などを効率良く、安価に複製できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 原版(親)から刷版を作る工程を説明する概
念図である。
【図2】 2P法を説明する概念図である。
【図3】 本発明の1実施例を示す複製原版の断面図で
ある。
【符号の説明】
10 複製原版 11 原版 13A、13B 電離放射線硬化樹脂 15 基材 19 プライマー層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03H 1/20 G03H 1/20 Fターム(参考) 2H049 AA03 AA07 AA25 AA40 AA43 AA45 AA64 2K008 FF11 GG05 4D075 AE07 BB42Z CB21 DA06 DB01 DB04 DB13 DC27 EA07 EA41 EB22 EC45 EC54

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材、プライマー層、電離放射線硬化樹
    脂層が順次積層され、原版に、電離放射線硬化樹脂を塗
    布し、電離放射線を照射して硬化させた後に、剥がし
    て、原版の凹凸レリーフ若しくは逆凹凸レリーフ形状を
    有する複製用版材において、基材がガラス、金属のいず
    れかであり、プライマー層が、少なくとも2種のシラン
    カップリング剤からなり、電離放射線硬化樹脂層のプラ
    イマー層でない表面に所定の凹凸レリーフを有すること
    を特徴とする複製用版材。
  2. 【請求項2】 上記シランカップリング剤が、エポキシ
    基を有するシランカップリング剤と、アミノ基を有する
    シランカップリング剤とからなり、シランカップリング
    剤成分が、プライマー層組成物中の含有率でエポキシ基
    を有するシランカップリング剤が5〜50質量%、アミ
    ノ基を有するシランカップリング剤が50〜95質量%
    とからなることを特徴とする請求項1記載の複製用版
    材。
  3. 【請求項3】 上記電離放射線硬化樹脂層のプライマー
    層でない表面の凹凸レリーフが、レリーフホログラム、
    及び/又は回折格子であることを特徴とする請求項1〜
    2のいずれかに記載の複製用版材。
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