JP2005111765A - 加飾多層シート及びその成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】 種々の成形品の意匠性を高めるため、塗装する代わりに表面層として使用する加飾多層シートを提供する。
【解決手段】 表面層/加飾層/接着層からなる少なくとも3層以上の層構成を有する加飾多層シートであって、表面層が、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマーからなるクリアー層であり、加飾層が、平均粒径0.1〜50μmのアルミ粉及び/又は着色剤を配合したエチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマー層であり、接着層が、メタロセン系触媒により重合されたエチレン共重合体の層又はポリプロピレンやポリエチレンなどのオレフィン重合体、非晶性又は低結晶性のエチレン・α−オレフィン共重合体及び粘着付与樹脂からなる樹脂組成物層であることを特徴とする加飾多層シート。
【選択図】 なし

Description

本発明は、種々の成形品の意匠性を高めるため、塗装する代わりに表面層を形成させるために使用する加飾多層シート及び該加飾多層シートを表面層として有する成形品に関する。さらに詳しくは、光沢、耐傷付き性に優れると共に種々の色調を有する表面層を形成することができ、また真空成形性、基材との接着性にも優れる加飾多層シート及びそれを表面層に用いた成形品に関する。
車両部品、家電製品、事務用品、スポーツ用品、建築用品、装飾用品など種々の分野でプラスチック製射出成形品が使用されている。これら射出成形品の表面耐傷付き性や美観を高めるために塗装を施すことが多いが、塗装工程に関わる生産面及びコスト面での不利益や環境問題の発生を回避するため、塗装を省略する代替案が模索されている。このような代替案の一つとして、透明層、着色層、接着層及び基材層が順次積層された複合フイルムであって、基材層としてメタロセン触媒により重合して得られたエチレン共重合体とプロピレン共重合体のブレンドを用いた塗装代替フイルムの使用が提案されている(特許文献1参照)。この提案では、透明層及び着色層においてフッ素樹脂とアクリル樹脂の混合物が用いられており、また接着層に塩素化ポリエチレンが使用されている。そしてこれらの積層においては、具体的にはこれらを有機溶剤に溶解して重ね塗りすることにより塗装代替フイルムを得ているところから、上記塗装工程に関わる不利益や問題の発生を充分解消するには至っていない。さらに上記のような複合フイルムにおいては、非ポリオレフィン系樹脂をベースとしているため、リサイクル性への適用が困難である。
特開平11−207899号公報
そこで本発明の目的は、有機溶剤等を使用することなく容易に成形でき、上記のような射出成形品の表面材として使用するときに耐傷つき性、光沢、意匠性等に優れた表面外観を有する表面層を形成することができるような加飾多層シートを提供することにある。本発明の他の目的は、複雑な形状の射出成形品の表面材として使用しても優れた表面層を形成することが可能な、真空成形性、あるいは圧空成形性に優れた加飾多層シートを提供することにある。本発明のさらに他の目的は、層間接着性に優れた加飾多層シートを提供することにある。尚、本発明においてシートなる用語は、フイルムを包含する意で使用される。
すなわち本発明は、表面層/加飾層/接着層からなる少なくとも3層以上の層構成を有する加飾多層シートであって、表面層が、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマーからなるクリアー層であり、加飾層が、平均粒径0.1〜50μmのアルミ粉及び/又は着色剤を配合したエチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマー層を含み、接着層が、メタロセン系触媒により重合され、密度が880〜930kg/mのエチレン共重合体の層又はポリプロピレン、ポリエチレン及び極性基を有するエチレン共重合体から選ばれるオレフィン重合体(A)20〜85重量%、非晶性又は低結晶性のエチレン・α−オレフィン共重合体(B)10〜50重量%、粘着付与樹脂(C)5〜30重量%及び水素添加型ジエン系エラストマー(D)からなる樹脂組成物層であることを特徴とする加飾多層シートである。
本発明はまた、基材表面に上記加飾多層シートを積層してなる加飾成形品に関する。
本発明によれば、光沢、耐傷つき性、真空成形性に優れ、メタリック調や種々の色調を有する加飾多層シートを提供することができる。このような加飾多層シートは、層間接着性、基材接着性に優れており、塗装代替シートとして種々の基材、たとえば射出成形品の表面材として使用することができる。基材表面に上記加飾多層シートを積層して得られる加飾成形品は、自動車、二輪車、トラックなどの車両部品、家電製品、建築用品、事務用品、スポーツ用品、装飾用品、雑貨などとして使用することができる。
本発明の加飾多層シートは、表面層/加飾層/接着層からなる少なくとも3層以上の層構成を有するものであって、それぞれの層は1層でも2層以上で構成されていてもよく、また接着層に隣接してバッキング層のような他の層を有していてもよい。表面層はクリア層(透明層)であり、また加飾層はアルミ粉及び/又は着色顔料や染料などの着色剤を配合した層を含むが、何れの層もエチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマーからなるものである。
表面層及び加飾層に用いられるアイオノマーのベースポリマーであるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体は、エチレンと不飽和カルボン酸の2元共重合体のみならず、エチレン、不飽和カルボン酸及びさらに他の単量体が共重合された多元共重合体であってもよい。該共重合体における不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチルなどを例示することができるが、とくにアクリル酸又はメタクリル酸が好ましい。また該共重合体の重合成分となることができる上記他の単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリ酸エチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリ酸n−ブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチルなどの不飽和カルボン酸エステル、酢酸ビニルのようなビニルエステル、一酸化炭素などを挙げることができる。
またアイオノマーにおける陽イオン種としてはリチウム、ナトリウム、カリウムのような1価金属、カルシウム、マグネシウム、亜鉛のような多価金属の各イオンを例示することができる。このような金属イオンは1種である必要はなく、2種以上であってもよく、またアイオノマーは2種以上組み合わせて用いてもよい。とくに好適なイオン種は、ナトリウム及び亜鉛である。
本発明の加飾多層シートの表面層に使用されるアイオノマーとしては、光沢、透明性、耐傷つき性、真空成形性等を考慮すると、ベースポリマーのエチレン・不飽和カルボン酸共重合体における不飽和カルボン酸含量が5〜30重量%、好ましくは10〜25重量%、他の単量体含量としては0〜20重量%、好ましくは0〜10重量%であり、また中和度が10〜90%、好ましくは20〜80%の範囲にあるものが好適である。
また加飾層で使用されるアイオノマーとしては、アルミ粉や着色剤との親和性や分散性、表面層及び接着層との層間接着性、加工性などを考慮すると、ベースポリマーのエチレン・不飽和カルボン酸共重合体における不飽和カルボン酸含量が2〜30重量%、好ましくは5〜25重量%、他の単量体含量としては0〜40重量%、好ましくは0〜30重量%であり、また中和度が5〜90%、好ましくは10〜80%の範囲にあるものが好適である。
これら両層に使用されるアイオノマーとしてはまた、加工性、機械的強度などを考慮すると、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが0.01〜200g/10分、とくに0.1〜100g/10分のものが好適である。
表面層に使用されるアイオノマーには、上記特性を実質的に損なわない範囲において、各種添加剤を配合することができる。このような添加剤の例として、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤などを挙げることができる。
加飾層に使用されるアイオノマーには、平均粒径が0.1〜50μm、好ましくは0.1〜20μmのアルミ粉又はこれと着色剤が配合される。すなわちアルミ粉の粒径が大きくなり過ぎると遮蔽性が充分でなく、意匠性改良効果が不足気味となる。所定粒径のアルミ粉を配合することにより光沢のあるメタリック調の加飾多層シートが得られる。また着色剤を配合する場合には、着色剤の選択により種々の色調を有する意匠性に優れた加飾多層シートを得ることができる。さらに加飾層としてアルミ粉と着色剤を配合した層にするか、あるいはアルミ粉を配合した層と着色剤を配合した層の複層構造にすることにより、着色したメタリック調の加飾多層シートが得られる。意匠性を考慮すると、加飾層として、アルミ粉又はそれと着色剤を配合した層を設けることが好ましい。アルミ粉の配合層におけるアルミ粉の配合量は0.3〜5重量%、とくに0.5〜3重量%の割合とするが好ましい。すなわちその配合量が過少であると遮蔽性が劣る一方、あまり多量に配合しても増量効果は認められず経済的でないからである。
アルミ粉を配合する場合に、アイオノマー中に均一に分散させるためには、アルミ粉濃度が5〜25重量%程度であるマスターバッチを用いるのが好ましい。またその場合、アルミ粉を均一に分散させるためには、キャリアレジンとしては、加飾層として使用されるとして前述したようなアイオノマーあるいは直鎖低密度ポリエチレンを使用するのが好ましい。直鎖低密度ポリエチレンは、エチレンと炭素数3以上、好ましくは炭素数4〜10のα−オレフィンとの共重合体であって、密度が900〜930kg/m程度のものであり、また190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが0.1〜200g/10分、とくに0.5〜50g/10分のものが好適である。直鎖低密度ポリエチレンにおける炭素数3以上のα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、4−メチル−1−ペンテンなどを例示することができる。
加飾層として着色剤を使用する場合、着色剤として顔料又は染料が使用される。顔料としては無機顔料及び有機顔料のいずれも使用することができる。より具体的には、無機顔料として、酸化チタン、酸化亜鉛などの白色顔料、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどの体質顔料、カーボンブラックのような黒色顔料、べんがら、鉛丹、モリブデンレッド、カドミウムレッドのような赤色顔料、リサージ、黄鉛、黄色酸化鉄のような黄色顔料、紺青、群青のような青色顔料を例示することができる。また有機顔料としては、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン系顔料、ペリレン系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、スレン系顔料などを例示することができる。また染料としては、スルホン酸基又はカルボキシル基を有し、かつアミノ基(ーNH2)又はイミノ基(ーNHー)を含有せず、アゾ基、フタロシアニン基、トリアリールメタン基、ニトロ基及びニトロソ基から選ばれる発色団を有する有機酸性染料を使用するのが好ましい。
加飾層に上記着色剤を配合する場合には、着色剤の配合量としては0.1〜20重量%、とくに0.1〜5重量%の範囲とするのが望ましい。
加飾層として、アルミ粉を配合した層と着色剤を配合した層の両層を設ける場合には、表面層に隣接する層としてアルミ粉を配合した層を設け、それに隣接して着色剤を配合した層を設けることが好ましい。
本発明の加飾多層シートにおいては、表面層及び加飾層に加え、接着層が設けられる。この接着層は加飾層と良好な接着性を有することが好ましく、また加飾多層シートを各種基材に積層させる場合の接着層となるところから、射出成形品基材として多用されているポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンと良好な接着性を有していることが望ましい。さらに加飾多層シートとして真空成形性に優れたものとなることが望まれる。かかる観点から検討の結果、メタロセン系触媒を用いてエチレンと炭素数3以上のα−オレフィン、好ましくは炭素数4〜10のα−オレフィンとの共重合によって得られる密度が880〜930kg/m、好ましくは890〜925kg/mのエチレン共重合体を使用するのが最も好ましい。上記炭素数3以上のα−オレフィンとして、具体的にはプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、4−メチル−1−ペンテンなどを例示することができる。またメタロセン系触媒の代表的なものは、シクロペンタジエニル基が配位したジルコニウム化合物とアルミノキサンからなる触媒であり、無機物に担持させて使用される場合もある。上記メタロセン触媒により重合されたエチレン共重合体としては、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが0.1〜200g/10分、とくに0.5〜50g/10分のものが好適である。
接着層としてはまた、上記メタロセン触媒により重合されたエチレン共重合体に代えて、ポリプロピレン、ポリエチレン及び極性基を有するエチレン共重合体から選ばれるオレフィン重合体(A)20〜85重量%、非晶性又は低結晶性のエチレン・α−オレフィン共重合体(B)10〜50重量%、粘着付与樹脂(C)5〜30重量%及び任意に水素添加型ジエン系エラストマー(D)からなる樹脂組成物層を使用した場合にも、同様の効果を達成することができる。
上記接着層としての樹脂組成物層に使用されるオレフィン重合体(A)は、ポリプロピレン、ポリエチレン及び極性基を有するエチレン共重合体から選ばれる。ここにポリエチレンは、エチレンの単独重合体またはエチレンを主成分とし、炭素数3〜20程度のα−オレフィンの1種又は2種以上を副成分とするエチレン・α−オレフィン共重合体などであり、極性基を有するエチレン共重合体は、例えばエチレンを主成分とし、極性モノマーを副成分とするエチレン・極性モノマー共重合体であり、ポリプロピレンは、プロピレンの単独重合体又はプロピレンを主体とするプロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体などである。
ポリエチレンとしては、一般に高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレンなどと称せられているものが使用でき、エチレンを単独であるいはエチレンとα−オレフィンを、チーグラー型触媒、カミンスキー型触媒、ラジカル重合触媒などを使用し、中・低圧法あるいは高圧法によって重合または共重合することによって製造することができる。エチレンと共重合させるα−オレフィンとしては、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−ヘキサデセン、4−メチル−1−ペンテンなどの炭素原子数が3〜20程度のα−オレフィンを例示することができる。例えば直鎖低密度ポリエチレンはいかなる触媒系で製造されたものであってもよく、例えばカミンスキー型触媒を代表例とするシングルサイト触媒やチーグラー型触媒を代表例とするマルチサイト触媒の存在下でエチレンとα−オレフィンを共重合したものを使用することができる。これらエチレン単独重合体やエチレン・α−オレフィン共重合体としては、密度が900kg/m以上、好ましくは910〜970kg/m、一層好ましくは915〜960kg/mのものを使用するのが望ましい。
また上記極性基を有するエチレン共重合体のエチレン・極性モノマー共重合体における極性モノマーとしては、酢酸ビニルあるいはアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリ酸エチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリ酸n−ブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチルなどの不飽和カルボン酸エステルが好ましく、とくに酢酸ビニルが好ましい。これらエチレン・極性モノマー共重合体としは、極性モノマー含量が45重量%以下、とくに0.1〜30重量%のものが好適である。
またポリプロピレンは、プロピレンの単独重合体、プロピレンと他のα−オレフィンのランダム共重合体、プロピレンと他のα−オレフィンのブロック共重合体などである。プロピレンのランダム共重合体やブロック共重合体における他のα−オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、4−メチル−1−ペンテンなどの炭素原子数が2〜20程度のα−オレフィンを例示することができる。このような他のα−オレフィンは、1種単独で又は2種以上組合わせて共重合させてもよい。
とくに好適なポリプロピレンは、プロピレン単独重合体あるいはプロピレンと炭素原子数が2〜4のα−オレフィンのランダム共重合体、例えばα−オレフィン含量が20モル%以下、とくに10モル%以下のプロピレンとエチレンのランダム共重合体又はプロピレンとエチレンと1−ブテンのランダム共重合体である。。このようなポリプロピレンは、立体特異性触媒の存在下で、プロピレンを重合するかあるいはプロピレンと1種以上の他のα−オレフィンを共重合することによって得ることができる。
オレフィン重合体(A)がポリエチレン又は極性基を有するエチレン共重合体の場合には、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが0.1〜200g/10分、とくに1〜150g/10分のものを使用するのが好ましく、またポリプロピレンである場合には、230℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが0.1〜200g/10分、とくに0.5〜100g/10分程度のものを使用するのが好ましい。これらオレフィン重合体(A)は、2種以上組合せて使用することができる。
本発明の接着層を構成することができる上記樹脂組成物中の非晶性又は低結晶性のエチレン・α−オレフィン共重合体(B)は、エチレンを主成分とする炭素数3以上のα−オレフィンとの共重合体であって、X線回折に基づく結晶化度が40%以下、好ましくは1〜30%のものである。該共重合体(B)としてはまた、密度が895kg/m以下、とくに860〜890kg/mのものが好ましい。該共重合体(B)における炭素数3以上のα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−ヘキサデセン、4−メチル−1−ペンテンなどの炭素原子数が3〜20程度のα−オレフィンを例示することができるが、とくに炭素数3〜8程度のα−オレフィンが好ましい。上記共重合体(B)としてはまた、加工性、接着性などを考慮すると、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが0.1〜200g/10分、とくに1〜150g/10分のものを使用するのが好ましい。このような共重合体は、例えば遷移金属触媒成分、例えばバナジウム化合物やジルコニウム化合物と、有機アルミニウム化合物触媒成分とからなる触媒を用いて、共重合体中のエチレン含量が50〜95モル%、好ましくは70〜94モル%、さらに好ましくは82〜93モル%程度になるように、エチレンとα−オレフィンを共重合することによって得ることができる。これら非晶性又は低結晶性のエチレン・α−オレフィン共重合体も2種以上併用することができる。
本発明の接着層を構成することができる上記樹脂組成物中の粘着付与樹脂(C)は、脂肪族系炭化水素樹脂、脂環族系炭化水素樹脂、芳香族系炭化水素樹脂、ポリテルペン系樹脂、ロジン類、スチレン系樹脂、クマロン・インデン樹脂などを挙げることができる。脂肪族系炭化水素樹脂の例としては、1−ブテン、イソブテン、ブタジエン、1,3−ペンタジエン、イソプレンなど炭素数4〜5のモノ又はジオレフィンの少なくとも1種以上を含む留分を重合して得られる樹脂を挙げることができる。脂環族系炭化水素樹脂の例として、スペントC4〜C5留分中のジエン成分を環化二量化後重合させて得られる樹脂、シクロペンタジエンなどの環状モノマーを重合させた樹脂、芳香族系炭化水素樹脂を核内水添した樹脂などを挙げることができる。
芳香族系炭化水素樹脂の例として、ビニルトルエン、インデン、α−メチルスチレンなどのC8〜C10のビニル芳香族炭化水素を少なくとも一種以上含有する留分を重合して得られる樹脂、あるいはこれら留分と上記脂肪族炭化水素留分を共重合して得られる樹脂などを挙げることができる。ポリテルペン系樹脂の例としては、α−ピネン重合体、β−ピネン重合体、ジペンテン重合体、テルペン・フェノール共重合体、α−ピネン・フェノール共重合体、これらの水素添加物などを挙げることができる。
ロジン類としては、ガムロジン、ウッドロジン、トール油などのロジン及びその変性物などであり、変性物としては水素添加、不均化、二量化、エステル化などの変性を施したものを例示することができる。スチレン系炭化水素樹脂としては、純度の高いスチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、イソプロピルトルエンなどのスチレン系単量体の1種又は2種以上を重合して得られる分子量の低い樹脂状重合体を挙げることができる。
これらの中では、無臭性、他成分との混和性、接着性などを考慮すると、芳香族系炭化水素樹脂を核内水添した樹脂あるいはポリテルペン系樹脂を使用することが好ましい。
接着層を構成することができる上記樹脂組成物は、オレフィン重合体(A)、非晶性又は低結晶性のエチレン・α−オレフィン共重合体(B)及び粘着付与樹脂(C)から構成されるが、任意に水素添加型ジエン系エラストマー(D)を配合することができる。
水素添加型ジエン系エラストマー(D)は、共役ジエンの単独重合体、共役ジエン同士の共重合体、共役ジエンと他のモノマーの共重合体などの共役ジエン重合単位の少なくとも一部を水素添加したエラストマー状重合体であって、具体的には、ジエンブロック重合体の水素添加物、あるいはスチレン系モノマーとジエン系モノマーのブロック共重合体の水素添加物を挙げることができる。前者の例として、例えば1,2−ビニル構造の少ないポリブタジエンセグメントと1,2−ビニル結合の多いポリブタジエンセグメントからなるブロック共重合体のブタジエン重合単位を水素添加して得られるブロック共重合体を使用することができる。このようなブロック共重合体は、例えば1,2−ビニル結合含量が20%以下、好ましくは15%以下のポリブタジエンセグメント(X)と、1,2−ビニル結合含量が25〜95%、好ましくは25〜75%、一層好ましくは25〜55%のポリブタジエンセグメント(Y)からなり、ブロック構造がX−(Y−X)又は(X−Y)(但し、nは1以上、mは2以上の整数)で表される直鎖状又は分岐状のブロック共重合体のブタジエン重合単位を90%以上、好ましくは95〜100%水素添加されたものを挙げることができる。このような水素添加ブタジエンブロック共重合体としてはまた、230℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが0.1〜100g/10分、とくに0.5〜50g/10分程度のものが望ましい。
また後者の例としては、スチレン系モノマーを主体とする重合体ブロック(S)と共役ジエン化合物を主体とするブロック(T)のブロック共重合体の共役ジエン重合単位を水素添加したものを例示することができる。ここにスチレン系モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレンなどを例示することができるが、とくにスチレンが好ましい。また共役ジエン化合物としては、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、2,3−ジメチルブタジエンなどを例示することができるが、とくにブタジエン又はイソプレンが好ましい。
スチレン系モノマーを主体とする重合体ブロック(S)と共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(T)のブロック共重合体としては、例えば、(S−T)又は(S−T)−S(式中、nは1以上の整数)で表される直鎖状、分岐状、放射状のブロック共重合体を挙げることができる。また水素添加物は、該ブロック共重合体の共役ジエン重合単位の70%以上、好ましくは90%以上が水素添加されたものが好ましい。より具体的には、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックにおける1,2−又は3,4−などのビニル結合が10%以上、好ましくは20〜80%、一層好ましくは30〜60%のブロック共重合体が水素添加されたスチレン系化合物含量が8〜50重量%、好ましくは10〜40重量%の水素添加ブロック共重合体であって、例えばS−T’−S型ブロック共重合体が最適である。ここにSはスチレン重合体ブロックを、またT’は水素添加共役ジエン重合体ブロック、すなわちアルキレン共重合体ブロック、具体的にはエチレン・ブテン共重合体ブロックあるいはエチレン・プロピレン共重合体ブロックなどである。このようなブロック共重合体水素添加物は、一般にSBSと称されているスチレンーブタジエンースチレンブロック共重合体のブタジエン重合体ブロックを水素添加して得られるSEBSと称せられているもの、あるいはSISと称されているスチレンーイソプレンースチレンブロック共重合体のイソプレン重合体ブロックを水素添加して得られるSEPSと称せられているものを挙げることができる。これらは230℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが0.1〜100g/10分、とくに0.5〜50g/10分程度のものが好ましい。
接着層として使用可能な上記樹脂組成物においては、オレフィン重合体(A)が20〜85重量%、好ましくは30〜70重量%、非晶性又は低結晶性のエチレン・α−オレフィン共重合体(B)が10〜50重量%、好ましくは20〜40重量%、粘着付与樹脂(C)が5〜30重量%、好ましくは10〜25重量%、水素添加型ジエン系エラストマー(D)が0〜30重量%、好ましくは0〜25重量%の割合で配合したものが好ましい。接着層としてこのような樹脂組成物層を使用する場合には、基材層としてあるいは後述のバッキング層としてポリオレフィンのみならずスチレン系重合体を使用する場合にも、良好な接着性が得られるという利点がある。
本発明の加飾多層シートにおいては、加飾シートの強度向上などのために、任意に接着層に隣接してバッキング層を設けることができる。この場合は、バッキング層を介して各種基材に積層することになるため、射出成形品基材として多用されているポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンあるいはスチレン系重合体と同種のものを使用するのが好ましい。これにより接着層との充分な層間接着力を得ることができると共に、基材に積層した場合の接着性も優れている。バッキング層材料として有用なポリオレフィンとしては、各種製法によって得られる各種密度のポリエチレン、プロピレン単独重合体、プロピレンとその他α−オレフィン、好ましくはエチレン又はエチレンと1−ブテンとのランダム共重合体、プロピレンとその他α−オレフィン、好ましくはエチレンとのブロック共重合体のような一般にポリプロピレンとして呼称されているものを好適例として例示することができる。
バッキング層材料がポリエチレンである場合には、具体的には高圧法ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、中・高密度ポリエチレンなどであって、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが0.1〜200g/10分、とくに0.2〜100g/10分のものが好適に使用することができる。またバッキング材料がポリプロピレンである場合には、230℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが0.1〜200g/10分、とくに0.2〜100g/10分のものが好適に使用することができる。
バッキング層材料として使用可能なスチレン系重合体としては、ポリスチレン、AS樹脂、ゴム強化ポリスチレン、例えばポリブタジエン、スチレン・ブタジエンゴム、EPR、EPDMなどのゴム成分に、スチレンをグラフト重合した耐衝撃性ポリスチレン、前記ゴム成分にスチレンと他のモノマー、例えばアクリロニトリル、メタクリル酸メチル、α−メチルスチレン、エチレンビスマレイミド、マレイミドなどの1種以上とをグラフトしたABS型樹脂などを挙げることができる。
上記加飾層、接着層又はバッキング層には、表面層に任意に配合することができるものとして先に例示したような添加剤を任意に配合することができる。
本発明の加飾多層シートにおける各層の厚みは、光沢、外観、意匠性、耐傷つき性、真空成形性、層間接着性などを考慮すると、表面層が30〜1000μm、好ましくは50〜500μm、加飾層が30〜1000μm、好ましくは50〜500μm、接着層が30〜500μm、好ましくは40〜400μm、バッキング層が0〜1000μm、好ましくは0〜500μmの範囲が好適である。加飾層としてアルミ粉を配合した層と着色剤を配合した層を共に設ける場合には、両層ともにそれぞれ10〜500μm、好ましくは30〜300μmとし、加飾層全体の層厚みとして30〜1000μm、好ましくは50〜500μmの範囲とするのが好ましい。
本発明の加飾多層シートは、多層キャスト法、多層インフレーション法、押出ラミネーション法などによって製造することができるので、有機溶剤の使用を必要としない。多層キャスト法あるいは多層インフレーション法においては、複数の押出機から押出された各層成分をフラットダイあるいは円筒ダイ内で合体させて成形することによって加飾多層シートを得ることができる。また押出ラミネーション法においては、加飾多層シートを構成する1層又は多層のシートを予め調製しておき、これに他の構成層の1層又は多層を押出ラミネートする方法や押出ラミネートを複数回行なう方法によって目的とする加飾多層シートを得ることができる。
本発明の加飾多層シートは、種々の成形品(基材)の表面層として使用することができる。とくに真空成形や圧空成形などの二次加工性に優れているので、複雑な形状の成形品においても良好な表面層を形成することができる。とりわけポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン製成形品(基材)の表面層として好適である。成形品(基材)表面に本発明の加飾多層シート層を形成させるには、種々の方法を採用することができる。例えば真空成形により加飾多層シートから目的とする射出成形品の外部形状の一部又は全部に合致させた成形品を作り、これを射出成形金型に入れて成形品の一部又は全部が加飾された加飾成形品を製造する方法(フイルムインサート成形法など)を採用することができる。この場合、真空成形金型と射出成形金型を共用する射出成形方法(サーモジェクト成形法)であれば、真空成形金型からの取り出し及び射出成形金型へのインサートが省略できるので、より簡単に加飾成形品を得ることができる。いずれにしても真空成形、圧空成形、フイルムインサート成形、インモールド成形、サーモジェクト成形などととして知られている成形方法を利用することにより、表面層である加飾多層シートと成形体本体との接着性に優れた加飾成形品を得ることができる。このような成形品は、表面光沢、耐傷つき性、意匠性などに優れており、自動車、二輪車、トラックなどの車両部品、家電製品、建築用品、事務用品、スポーツ用品、装飾用品、雑貨などの分野で好適に使用することができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。尚、実施例及び比較例で使用した原料及び加飾多層シートの評価方法は以下の通りである。
(1)原料
(1−1)アイオノマー(IO)
メタクリル酸含量15重量%のエチレン・メタクリル酸共重合体のアイオノマー(イオン種:亜鉛、中和度59%、メルトフローレート(190℃、2160g荷重)0.9g/10分)
(1−2)メタロセン触媒により重合されたエチレン共重合体(直鎖低密度ポリエチレン)(m−PE)
商品名:エボリューSP0540(三井住友ポリオレフィン(株)製、密度903kg/m、メルトフローレート(190℃、2160g荷重)3.8g/10分)
商品名:エボリューSP1520(三井住友ポリオレフィン(株)製、密度913kg/m、メルトフローレート(190℃、2160g荷重)2.0g/10分)
商品名:エボリューSP2510(三井住友ポリオレフィン(株)製、密度923kg/m、メルトフローレート(190℃、2160g荷重)1.5g/10分)
(1−3)直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)
商品名:UZ4020L(三井住友ポリオレフィン(株)製、密度937kg/m、メルトフローレート(190℃、2160g荷重)2.3g/10分)
(1−4)樹脂組成物(AD)
エチレン・酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含量6.0重量%、メルトフローレート(190℃、2160g荷重)7.5g/10分)40重量部、低結晶性エチレン・1−ブテン共重合体(エチレン含量89.1モル%、結晶化度10%、密度886kg/m、メルトフローレート(190℃、2160g荷重)4.0g/10分)30重量部、水素添加芳香族炭化水素樹脂(商品名:アルコンAM1、荒川化学(株)製)20重量部及びSEBS(商品名:クレイトンG1657、シェルジャパン(株)製)10重量部からなる密度923kg/m、メルトフローレート(190℃、2160g荷重)10.5g/10分の組成物
(1−5)ポリプロピレン(PP)
商品名:三井住友ポリプロJ626(三井住友ポリオレフィン(株)製、密度910kg/m、メルトフローレート(230℃、2160g荷重)18g/10分)
(1−6)アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)
商品名:テクノABS520、テクノポリマー(株)製、密度1050kg/m、メルトフローレート(220℃、2160g荷重)9.0g/10分
(1−7)アルミ粉(Al粉)
アルミMB−1:平均粒径5μm(LLDPEベースのマスターバッチ)
アルミMB−2:平均粒径20μm(LLDPEベースのマスターバッチ)
アルミMB−3:平均粒径40μm(LLDPEベースのマスターバッチ)
アルミMB−4:平均粒径60μm(LLDPEベースのマスターバッチ)
(1−8)緑顔料
東京インキ(株)製 緑顔料MB(LDPEベースマスターバッチ)
(2)評価方法
(2−1)外観
加飾多層シートの外観を目視で判定した。
(イ)光沢(輝度感)
○:光沢あり
×:光沢なし
(ロ)メタリック調、色調
◎:良好なメタリック調
○:そこそこのメタリック調
△:少しくすむ
×:メタリック調発現なし
(ハ)遮蔽性
○:反対側が見えない
×:反対側が見える
(2−2)真空成形性
多層キャスト成形機を用い、各層の厚みが表1に示すような加飾多層シートを作成した。これから50cm×50cmにカットし、この多層シートを90〜130℃に加熱後、上面に深い凹凸形状を有するポリプロピレン製成形品に対して真空成形を行ない、評価した。
○:深絞り部は均一に伸び、外観に影響を与えない(光沢感を保ち、エッジ等引 き伸ばされた部分の白化現象が起こらない)
×:深絞り部が薄くなり、外観に影響あり
(2−3)表面耐傷つき性
西ドイツエリクセンモデル318引っ掻き式硬度計を用い、一定のばね圧に調整したマーキングバーの先端で、加飾多層シートの円形成形品の表面を引っ掻き、引っ掻き跡が残らない最大グラムで表わされた力により評価した。
○:250g以上
×:250g未満
(2−4)接着性
加飾多層シートのアルミ粉配合層(メタリック層)と接着層、又は着色剤配合層(着色層)と接着層の接着強度を測定した。また加飾多層シートの接着層とバッキング層間の接着強度を測定した。
○:2N/15mm以上
×:2N/15mm未満
[実施例1〜3]
多層キャストシート成形機を用い、表層として前記したアイオノマー(IO)、メタリック層として前記アイオノマー(IO)に表1に示す粒径のアルミ粉の各マスターバッチ(前記したもの)をアルミ粉として表1に示す配合割合となるように配合したものを、接着層としてメタロセン系触媒により重合されたエチレン共重合体(m−PE)エボリューSP−0540を、バッキング層として前記したポリプロピレン(PP)をそれぞれ用い、表層250μm、メタリック層100μm、接着層50μm、バッキング層50μmからなる加飾4層シートを作成した。得られた加飾4層シートの外観、耐傷つき性、真空成形性及び接着性を評価した。結果を表1に示す。
[実施例4]
メタリック層と接着層の間に、さらに前記アイオノマーに前記した緑顔料のマスターバッチを緑顔料として5重量%となるような割合で配合した厚さ50μmの着色層を設けた以外は、実施例1と同様に行ない、5層構成の加飾シートを得た。その評価結果を表1に示す。
[比較例1]
メタリック層として平均粒径5μmのアルミ粉マスタバッチの代わりに、平均粒径が60μmのマスターバッチを使用した以外は、実施例1と同様に行ない、4層構成の加飾シートを得た。その評価結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例1において、表層及び接着層に使用した樹脂を前記したポリプロピレン(PP)に変えた以外は実施例1と同様に行なった。評価結果を表1に併記する。
Figure 2005111765
*:着色層/接着層
[実施例5]
接着層として、エボリューSP0540の代わりにエボリューSP1520を使用した以外は実施例1と同様に行なった。得られた加飾4層シートの評価結果を、実施例1の評価結果と共に表2に示す。
[実施例6]
接着層として、エボリューSP0540の代わりに前記した樹脂組成物(AD)を用い、またバッキング層としてPPの代わりにABSを使用した以外は実施例1と同様に行なった。得られた加飾4層シートの評価結果を表2に示す。
[比較例3]
実施例4において、接着層としてエボリューSP1520の代わりにエボリューSP2540を使用した以外は実施例2と同様に行なった。得られた加飾4層シートの評価結果を表2に示す。
[比較例4]
実施例4において、接着層としてエボリューSP1520の代わりに直鎖低密度ポリエチレンUZ4020Lを使用した以外は実施例4と同様に行なった。得られた加飾4層シートの評価結果を表2に示す。
Figure 2005111765

Claims (10)

  1. 表面層/加飾層/接着層からなる少なくとも3層以上の層構成を有する加飾多層シートであって、表面層が、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマーからなるクリアー層であり、加飾層が、平均粒径0.1〜50μmのアルミ粉及び/又は着色剤を配合したエチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマー層であり、接着層が、メタロセン系触媒により重合され、密度が880〜920kg/mのエチレン共重合体の層又はポリプロピレン、ポリエチレン及び極性基を有するエチレン共重合体から選ばれるオレフィン重合体(A)20〜85重量%、非晶性又は低結晶性のエチレン・α−オレフィン共重合体(B)10〜50重量%、粘着付与樹脂(C)5〜30重量%及び水素添加型ジエン系エラストマー(D)0〜30重量%からなる樹脂組成物層であることを特徴とする加飾多層シート。
  2. 加飾層が、アルミ粉を配合した層と着色剤を配合した層の多層構成からなることを特徴とする請求項1記載の加飾多層シート。
  3. アルミ粉配合層におけるアルミ粉の配合量が0.3〜5重量%であることを特徴とする請求項1又は2記載の加飾多層シート。
  4. アルミ粉配合層におけるアルミ粉が、直鎖低密度ポリエチレン又はアイオノマーをキャリアレジンとするマスターバッチを用いて配合されていることを特徴とする請求項1〜3記載の加飾多層シート。
  5. 着色剤配合層における着色剤の配合量が0.1〜20重量%であることを特徴とする請求項1〜4記載の加飾多層シート。
  6. 接着層に隣接してポリオレフィン又はスチレン系重合体からなるバッキング層がさらに設けられてなる請求項1〜5記載の加飾多層シート。
  7. 多層キャスト法、多層インフレーション法又は押出ラミネーション法により製造されてなる請求項1〜6記載の加飾多層シート。
  8. 基材表面に、請求項1〜7記載の加飾多層シートを積層してなる加飾成形品。
  9. 基材表面に、加飾多層シートを真空成形、圧空成形、フイルムインサート成形、インモールド成形又はサーモジェクト成形により積層してなる請求項8記載の加飾成形品。
  10. 車両部品、家電製品、事務用品、建築用品、スポーツ用品、装飾用品又は雑貨である請求項8又は9記載の加飾成形品。
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