JP4120318B2 - 積層体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、積層体に関し、詳しくは、多層フィルム、シート、ボトル、チューブ等に好適に使用され、リサイクル性に優れた積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、多層フィルム、シート、ボトル、チューブ等から成る容器包装として、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂やポリアミド樹脂などのガスバリア層の両側に変性オレフィン系樹脂などの接着樹脂層を介してオレフィン系樹脂層が接合された積層体が注目されている。
【0003】
ところで、上記の積層体の製造工程や二次加工工程において、大量のバリが発生する。ところが、接着樹脂層(変性オレフィン系樹脂層)のベースオレフィンとして、チーグラー・ナッタ触媒を使用して重合されたポリプロピレンを使用した場合、接着樹脂層とバリア性樹脂層との相溶性が不十分であるため、リサイクル使用する際、透明性の低下、外観の悪化、衝撃強度の低下等の問題が惹起される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、多層フィルム、シート、ボトル、チューブ等に好適に使用され、リサイクル性に優れた積層体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討を行なった結果、接着樹脂層(変性オレフィン系樹脂層)のオレフィンとして、シングルサイト触媒により重合されたポリプロピレンを使用することにより、容易に上記の目的を達成し得るとの知見を得、本発明の完成に到った。
【0006】
すなわち、本発明の要旨は、ガスバリア性樹脂層(I)と下記の樹脂成分(a)〜(c)を含有する接着性樹脂組成物層(II)とを含むことを特徴とする積層体に存する。
【0007】
樹脂成分(a):シングルサイト触媒を使用して重合されたポリプロピレン系重合体
【0008】
樹脂成分(b):不飽和カルボン酸またはその無水物により変性され且つ不飽和カルボン酸またはその無水物に由来する構成単位の含有量が0.01〜10重量%である変性ポリオレフィン系重合体
【0009】
樹脂成分(c):エラストマー組成物
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の積層体は、ガスバリア性樹脂層(I)と接着性樹脂組成物層(II)とを含む。
【0011】
本発明で使用されるガスバリア性樹脂としては、代表的には、エチレンービニルアルコール共重合体樹脂、ポリアミド樹脂、飽和ポリエステル樹脂などが挙げられる。
【0012】
上記のエチレンービニルアルコール共重合体樹脂は、通常、エチレン−酢酸ビニル共重合体を鹸化して得られる。本発明においては、エチレン含有量が20〜50モル%で、鹸化度が95%以上のものが好ましい。
【0013】
上記のポリアミド樹脂としては、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタム等のラクタムの重合体、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸などのアミノカルボン酸の重合体が挙げられる。
【0014】
また、上記の他、ヘキサメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−又は2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン、1,3−又は1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(p−アミノシクロヘキシルメタン)等の脂環式ジアミン、m−又はp−キシリレンジアミン等の芳香族ジアミン等のジアミン単位と、アジピン酸、スペリン酸、セバシン酸などの脂肪族カルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸などのジカルボン酸単位との重縮合体およびこれらの共重合体が挙げれる。
【0015】
上記のポリアミド樹脂の具体例としては、ナイロン6、ナイロン9、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン611、ナイロン612、ナイロン6T、ナイロン6I、ナイロンMXD6等が挙げられる。これらの中では、ガスバリア性の観点から、ナイロン6又はナイロンMXD6が好ましい。
【0016】
上記の飽和ポリエステル樹脂としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリコール等の脂肪族ジオール、1,1−シクロヘキサンジメチロール、1,4−シクロヘキサンジメチロール等の脂環式ジオール、ビスフェノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等の芳香族ジオール等のジオール単位と、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ウンデカジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂環式ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタリンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸などのジカルボン酸単位との重縮合体が挙げられる。これらは、熱可塑性を示す限り、少量のトリオールやトリカンルボン酸などで変性されていてもよい。
【0017】
飽和ポリエステル樹脂の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート・イソフタレート共重合体などが挙げられ。これらの中では、ポリエチレンテレフタレート又はポリブチレンテレフタレートが好ましい。
【0018】
本発明で使用される接着性樹脂組成物は、樹脂成分(a)としてシングルサイト触媒を使用して重合されたポリプロピレン系重合体、樹脂成分(b)として不飽和カルボン酸またはその無水物により変性され且つ不飽和カルボン酸またはその無水物に由来する構成単位の含有量が0.01〜10重量%である変性ポリオレフィン系重合体、および、樹脂成分(c)としてエラストマー組成物を含有する。
【0019】
上記の樹脂成分(a)としては、プロピレン単独重合体、プロピレンとエチレン及び/又はC4〜C20から成る群から選ばれる共重合モノマーとのランダム共重合体、ブロック共重合体などが挙げられる。特に、ランダム共重合体は、触媒残差が極めて少なくて好ましい。ランダム共重合体およびブロック共重合体におけるC4〜C20から成る群から選ばれる共重合モノマーとしては、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、3−メチル−ブテン−1、4−メチル−ペンテン−1等が挙げられる。特に好ましい共重合モノマーはエチレンである。
【0020】
上記の樹脂成分(a)の製造に使用されるシングルサイト触媒としては、従来公知のシングルサイト触媒を使用することが出来る。シングルサイト触媒の具体例としては、シクロペンタジエニルチタニウムトリス(ジメチルアミド)、メチルシクロペンタジエニルチタニウムトリス(ジメチルアミド)、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド、ジメチルシリルテトラメチルシクロペンタジエニル−tert−ブチルアミドジルコニウムジクロリド、ジメチルシリルテトラメチルシクロペンタジエニル−tert−ブチルアミドハフニウムジクロリド、ジメチルシリルテトラメチルシクロペンタジエニル−p−n−ブチルフェニルアミドジルコニウムクロリド、メチルフェニルジリルテトラメチルシクロペンタジエニル−tert−ブチルアミドハフニウムジクロリド、インデニルチタニウムトリス(ジメチルアミド)、インデニルチタニウムトリス(ジエチルアミド)、インデニルチタニウムトリス(ジ−n−プロピルアミド)、インデニルチタニウムビス(ジ−n−ブチルアミド)(ジ−n−プロピルアミド)等が挙げられる。なお、シングルサイト触媒を使用した重合は、公知の方法に従って行なえばよい。
【0021】
樹脂成分(b)(変性ポリオレフィン系重合体)の前駆体であるポリオレフィン系重合体は単独重合体でも共重合体でもよい。その単量体としては、エチレンの他、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン等の炭素数3〜20のα−オレフィンが挙げられる。また、これらに加え、共重合成分として、少量のアクリル酸エチル等の不飽和カルボン酸エステル;酢酸ビニル等のビニルエステル;スチレン、メチルスチレン等の不飽和芳香族化合物などを使用することも出来る。これらのポリオレフィンの中では、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体が好ましく、特にポリプロピレンが好ましい。ポリオレフィンの製造に使用する触媒は、特に限定されることなく、チーグラーナッタ系触媒、バナジウム系触媒、クロム系触媒、メタロセン系触媒などが使用できる。
【0022】
上記のポリオレフィンの変性には、常用されている任意の方法を採用することが出来る。例えば、溶液変性法の場合は、ポリオレフィンの有機溶剤溶液に不飽和カルボン酸またはその酸無水物と必要な場合にはラジカル発生剤とを加え、通常60〜350℃、好ましくは80〜190℃で、通常0.5〜15時間、好ましくは1〜10時間反応させる。また、溶融変性法の場合は、押出機などを使用し、ポリオレフィンと不飽和カルボン酸またはその酸無水物とをポリオレフィンの融点以上(例えば170〜280℃)で溶融し、通常0.5〜10分間、反応させる。
【0023】
ポリオレフィン系重合体の変性に使用する不飽和カルボン酸またはその酸無水物としては、アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、エンドシス−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸などとその無水物が挙げられる。これらは複数種を併用してもよい。これらの中では、マレイン酸または無水マレイン酸が好ましい。
【0024】
変性ポリオレフィン系重合体における不飽和カルボン酸またはその酸無水物に由来する構成単位の含有量(変性率)は0.01〜10重量%に調節される。上記の構成単位の含有量が0.01重量%未満の場合は、接着強度が不十分となり、10重量%を超える場合は、エチレン等の分子架橋型のモノマーを主成分とするポリオレフィンでは、ポリオレフィンの架橋が著しくなるため溶融粘度が増大し、外観が不良となり易い。また、プロピレン等の分子切断型モノマーを主成分とするポリオレフィンでは、主鎖切断が著しくなるため溶融粘度が低下する。また、何れの場合も接着強度が不十分となる。上記の構成単位の含有量は、好ましくは0.05〜5重量%、更に好ましくは0.1〜3重量%である。
【0025】
上記の構成単位の含有量は、赤外分光光度法により、前もって作成された検量線から求めることが出来る。具体的な方法は次の通りである。
【0026】
すなわち、先ず、圧縮成形機にて厚さ0.1〜0.4mmのプレスサンプルを作成する。次に、フーリエ変換型赤外分光光度計にてプレスサンプルの2000〜1600cm-1のスペクトルを測定する。得られたスペクトルに、1950cm-1と1665cm-1との間でベースラインを引き、1827〜1665cm-1の間のピーク面積Sを算出する。得られたピーク面積Sを使用し、不飽和カルボン酸またはその酸無水物に由来する構成単位の含有量Xm(以下、カルボン酸単位含有量と記す)を次の計算式より求める。
【0027】
【数1】
Xm=k・S/t・ρ
(ここで、kは無水マレイン酸を含有するポリオレフィンのメチルエステル化物のNMR定量値を元に求められた係数、t(mm)はサンプルの厚さ、ρはサンプルの密度(g/cm3)を表す。)
【0028】
前記の樹脂成分(c)(エラストマー)としては、オレフィン系またはスチレン系のエラストマーが使用される。
【0029】
オレフィン系エラストマーの単量体としては、エチレンの他、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン等の炭素数3〜20のα−オレフィンが挙げられる。オレフィン系エラストマーとしては、エチレン・プロピレン共重合体エラストマー、エチレン−1−ブテン共重合体エラストマー、エチレン−1−ヘキセン共重合体エラストマー、エチレン−1−オクテン共重合体エラストマーが好ましい。
【0030】
また、スチレン系エラストマーとしては、一般式(X―Y)n、X−(Y―X)n、Y―(X−Y)n(但し、Xはスチレン等のモノビニル置換芳香族炭化水素の重合体ブロック、Yは共役ジエンの重合体ブロック又はその全部もしくは一部水添物の重合体ブロックであり、nは1以上、一般には1〜5の整数である。)等で表される化合物である。このブロック重合体において、重合体ブロックXを構成するモノビニル置換芳香族炭化水素としては、例えば、スチレン、α―メチルスチレン、p―メチルスチレン、ジメチルスチレン、ビニルナフタレン等が挙げられ、また、重合体ブロックを構成する共役ジエンとしては、ブタジエン、イソプレン等が挙げられる。これらの中では、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体またはその水添物が好ましい。
【0031】
接着性樹脂組成物中の前記樹脂成分(a)の割合は、通常50〜98.5重量%、好ましくは60〜94重量%、更に好ましくは75〜90重量%である。樹脂成分(a)の割合50重量%未満の場合は、本発明が目的とするリサイクル性に劣り、98.5重量%を超える場合は、樹脂成分(b)及び(c)の割合が減少するために接着強度が不足する。
【0032】
ここで、上記のリサイクル性とは、成形時の目ヤニの発生、積層体の透明性、耐衝撃性の評価をいう。更に、耐衝撃性の評価としては、例えば、積層体にて形成されたボトルの耐落下衝撃性の評価をいう。
【0033】
通常、リサイクルとは、回収した積層体を粉砕し、ポリオレフィン系樹脂と混練した後、積層体の樹脂層として使用する。従来の接着性樹脂組成物を使用した積層体では、残留触媒によるガスバリア性樹脂の架橋(ゲル化)のため、ガスバリア性樹脂とポリオレフィン樹脂との相溶性が低下し、成形時に成型機のダイスへ樹脂成分が付着し、これが目ヤニとして発生すると推測されている。また、同様の機構で透明性と耐衝撃性も低下すると推測されている。
【0034】
これに対し、本発明の積層体の場合は、接着性樹脂組成物としてシングルサイト触媒を使用して重合されたポリプロピレンを構成成分としているため、残留触媒が少なく、ガスバリア性樹脂の架橋(ゲル化)が生じ難く、ガスバリア性樹脂とポリオレフィン樹脂との相溶性が高い。その結果、上記の目ヤニの発生が少なく、透明性および耐衝撃性の低下が少ないと考えられる。
【0035】
接着性樹脂組成物中の樹脂成分(b)の割合は、通常0.5〜30重量%、好ましくは1〜10重量%、更に好ましくは1〜5重量%である。樹脂成分(b)の割合が0.5重量%未満の場合は接着強度が不足し、30重量%を超える場合は接着性樹脂組成物層とした際にその全体の強度が低下する。
【0036】
接着性樹脂組成物中の樹脂成分(c)の割合は、通常1〜50重量%、好ましくは5〜30重量%、更に好ましくは10〜20重量%である。樹脂成分(c)の割合が1重量%未満の場合は接着強度が不足し、50重量%を超える場合は接着性樹脂組成物層とした際にその全体の強度が低下する。
【0037】
本発明の積層体は、ガスバリア性樹脂層(I)と接着性樹脂組成物層(II)とを含むが、その層構成は、目的に応じて任意に選択することが出来る。通常、ガスバリア性樹脂層(I)の両側に接着性樹脂組成物層(II)が接合される。そして、多層フィルム、シート、ボトル、チューブ等の容器包装の用途においては、ガスバリア性樹脂層(I)とポリオレフィン系樹脂層(III)とが接着性樹脂組成物層(II)を介して接合されて成る積層体が好適に使用される。ポリオレフィン系樹脂層(III)としては、特に制限されないが、耐熱性および透明性の点でポリプロピレンが好適に使用される。
【0038】
本発明の積層体は、従来公知の種々の手法で製造することが出来る。例えば、(共)押出成形法、インフレーション成形法、ブロー成形法、回転成形法、プレス成形法、射出成形法(インサート射出成形法、二色射出成形法、コアバック射出成形法、サンドイッチ射出成形法、インジェクションプレス成形法)等の各種成形法を採用することが出来る。特に、(共)押出成形法は、本発明における接着性樹脂組成物の優れた熱融着性と加工性を活かすことが出来、また、生産性も向上できるので好適である。
【0039】
成形に際しては、乾燥した材料を使用することが重要である。材料の予備乾燥温度としては、通常40〜150℃、好ましくは60〜130℃、更に好ましくは80〜120℃である。また、乾燥時間は、通常1〜24時間、好ましくは1〜10時間、更に好ましくは2〜6時間である。更に、乾燥は、減圧下で行うのがより効果的であり、これにより、乾燥温度を低く、乾燥時間を短くすることが可能である。なお、未乾燥の材料で成形した場合には、成形品表面に肌荒れが生じたり、物性の低下を招くことがある。
【0040】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0041】
製造例1
樹脂成分(a)としてシングルサイト触媒により重合されたポリプロピレン(日本ポリケム社製「XK1160」、MFR230-21.18N荷重:7.0g/10min)85重量%(但し、樹脂成分(a)、(b)、(c)の合計を100重量%とする)、樹脂成分(b)として無水マレイン酸変性ポリプロピレン(三菱化学社製、無水マレイン酸変性率2.5重量%)5重量%、樹脂成分(c)としてエチレン・プロピレン共重合体エラストマー(ジェイエスアール社製「EP07Y」)10重量%をスーパーミキサーにより1分間混合し、単軸押出機により、230℃、スクリュー回転数100rpm、押出量15kg/hで溶融混練し、紐状に押し出した。冷却後、ペレット状に切断して接着性樹脂組成物(1)を得た。
【0042】
製造例2
製造例1において、シングルサイト触媒により重合されたポリプロピレンの代わりにチーグラーナッタ触媒により重合されたポリプロピレン(日本ポリケム社製「SPX8600」、MFR230℃−21.18N荷重:3.0g/10min)を使用した以外は、製造例1と同様に接着性樹脂組成物(2)を得た。
【0043】
実施例1
(多層ブローボトルの製造)
多層ブロー成型機を使用し、成形温度220℃、金型温度40℃の条件下、中心層がエチレン・ビニルアルコール共重合体(「ソアノール」(商標)、日本合成化学社製「DC3203FB」、エチレン含量32モル%、MFR210℃−21.18N荷重:3.2g/10分)、接着層が製造例1の接着性樹脂組成物(1)、両外層がポリプロピレン(日本ポリケム社製「EG7F」、MFR230℃−21.18N荷重:1.3g/10分)の3種5層多層ボトル(1)を製造した。ダイスリップの厚さは2mmであり、各層の厚さの比率は、ポリプロピレン/接着性樹脂組成物/エチレン・ビニルアルコール共重合体/接着性樹脂組成物/ポリプロピレン=41.7/3.3/10/3.3/41.7である。
【0044】
次に、多層ボトル(1)を粉砕機にてフレーク状に粉砕してリサイクル片を得た。得られたリサイクル片50重量%と、リサイクル片のメイン組成と同一のポリプロピレン(日本ポリケム社製「EG7F」、MFR230℃−21.18N荷重:1.3g/10分)50重量%をドライブレンドしてリサイクル材(1a)とし、単軸押出機を使用し、温度210℃、スクリュ−回転数60rpm、押出量8kg/hの条件で溶融混練し、紐状に押し出し、冷却後、ペレット状に切断するという一連の工程を2度繰り返し、それぞれリサイクル材(1b)、(1c)を得た。
【0045】
また、3種5層多層ボトル(1)の製造において、両外層にポリプロピレンに代えてリサイクル材(1a)、(1b)、(1c)を使用した以外は、3種5層多層ボトル(1)の製造時と同様にして3種5層多層ボトル(1A)、(1B)、(1C)を得た。
【0046】
比較例1
実施例1において、接着性樹脂組成物(1)の代わりに接着性樹脂組成物(2)を使用した以外は、実施例1と同様に3種5層多層ボトル(2)を得た。また、実施例1において、多層ボトル(1)の代わりに多層ボトル(2)を使用した以外は、実施例1と同様にリサイクル材(2a)、(2b)、(2c)を得た。更に、実施例1において、リサイクル材(1a)、(1b)、(1c)の代わりにリサイクル材(2a)、(2b)、(2c)を使用した以外は、実施例1と同様に多層ボトル(2A)、(2B)、(2C)を得た。
【0047】
<リサイクル性の評価>
(1)成形性の評価:
リサイクル材を使用しないもの、及びリサイクル材を使用した3種5層の多層ボトル(1)、(1A)、(1B)、(1C)、(2)、(2A)、(2B)、(2C)の製造時に、ダイスに付着した目ヤニの量を観察し、表1に示す基準で評価した。結果を表4に示す。
【0048】
【表1】
○:目ヤニの発生は殆ど無かった。
△:若干の目ヤニが発生した。
×:かなりの目ヤニが発生した。
【0049】
(2)透明性および外観の評価:
上記の多層ボトルの透明性を目視観察し、表2に示す基準で評価した。結果を表4に示す。
【0050】
【表2】
○:透明性が高く、異物も観察されなかった。
△:僅かに曇りが見られるが、異物は観察されなかった。
×:曇りが生じ、異物が観察された。
【0051】
(3)耐落下衝撃性の評価:
上記の多層ボトルに水を充填し、5℃にて8時間状態調節をした後、1mの高さから1本について10回(縦方向に5回、横方向に5回)、落下させてその割れを目視観察した。このテストを10本について繰り返し、表3に示す基準で評価した。結果を表4に示す。
【0052】
【表3】
○:割れが観察されなかった。
△:1乃至3本が割れた。
×:3本以上が割れた。
【0053】
【表4】
【0054】
【発明の効果】
以上説明した本発明によれば、多層フィルム、シート、ボトル、チューブ等に好適に使用できる、リサイクル性に優れた積層体が提供され、本発明の工業的価値は顕著である。
Claims (6)
- ガスバリア性樹脂層(I)と下記の樹脂成分(a)〜(c)を含有する接着性樹脂組成物層(II)とを含むことを特徴とする積層体。
樹脂成分(a):シングルサイト触媒を使用して重合されたポリプロピレン系重合体
樹脂成分(b):不飽和カルボン酸またはその無水物により変性され且つ不飽和カルボン酸またはその無水物に由来する構成単位の含有量が0.01〜10重量%である変性ポリオレフィン系重合体
樹脂成分(c):エラストマー組成物 - 接着性樹脂組成物層(II)における各成分の割合が、樹脂成分(a)50〜98.5重量%、樹脂成分(b)0.5〜30重量%、樹脂成分(c)1〜50重量%(但し、樹脂成分(a)〜(c)の合計量が100重量%)である請求項1に記載の積層体。
- 樹脂成分(a)が、プロピレンとエチレン及び/又は炭素数が4〜20の他のα−オレフィンとのランダム共重合体である請求項1又は2に記載の積層体。
- ガスバリア性樹脂層(I)が、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアミド樹脂および飽和ポリエステル樹脂の群から選択される少なくとも1種である請求項1〜3の何れかに記載の積層体。
- ガスバリア性樹脂層(I)の両側に接着性樹脂組成物層(II)が接合されて成る請求項1〜4の何れかに記載の積層体。
- ガスバリア性樹脂層(I)とポリオレフィン系樹脂層(III)とが接着性樹脂組成物層(II)を介して接合されて成る請求項1〜5の何れかに記載の積層体。
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JP4031776B2 (ja) * | 2004-04-30 | 2008-01-09 | 松下電器産業株式会社 | 放送用受信機付き携帯電話 |
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2002
- 2002-08-28 JP JP2002248495A patent/JP4120318B2/ja not_active Expired - Lifetime
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