JP4285984B2 - ポリエステル系床材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、塩化ビニル系樹脂床材の代替品であるポリエステル系床材に関するものであり、より詳細には、環境に優しいポリエステル系床材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
塩化ビニル系床材は、焼却時の有毒ガスや可塑剤の環境ホルモンが安全上問題視されており、非ハロゲン系の床材が代替品として検討されている。
非ハロゲン系床材の代表的なものとしてオレフィン樹脂系床材があるが、接着性が悪く、製品自体の層間接着性や施工性等に問題があり、また寸法安定性も劣っており、塩化ビニル系床材の代替品としては未だ不満足である。
また、上記のような塩化ビニル系床材やオレフィン樹脂系床材の問題点が解決された非ハロゲン系床材としては、ポリエステル系床材が提案されている。このポリエステル系床材は、ポリエステル系エラストマーとポリエチレンテレフタレートとからなる積層床材タイル用樹脂材料により基材層が形成されている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−179801号公報(特許請求の範囲)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1の樹脂材料は、溶融粘度が非常に小さく、押出成形に適しておらず、射出成形により基材層を成形しなければならないという問題がある。即ち、床材は、一般的に、基材層の上に印刷層及び表面保護層が積層された層構造を有しているが、特許文献1では、生産工程が、基材層を成形する工程(射出成形)と、印刷層及び表面保護層を基材層に熱プレス溶着する工程との二段となってしまい、押出成形により基材層を成形できる塩化ビニル系樹脂床材に比して生産性が低下してしまう。(押出成形により基材層を成形する場合には、押出された基材層を冷却することなく、そのまま印刷層及び表面保護層を熱圧着により積層でき、1段の工程で成形できる。)
【0005】
また、上記樹脂材料により基材層を形成する場合には、肉厚とすることが困難である。この欠点は、無機充填材を配合することにより多少の解決方向にあるが、無機充填材を配合すると、成形品は非常に脆いものとなってしまう。
【0006】
また、環境面から、使用済みPETボトルなどからの再生ポリエチレンテレフタレート樹脂を、なるべく多量使用することが求められるが、上記樹脂材料では、再生ポリエチレンテレフタレート樹脂の含有率が高いと、樹脂製床材としての柔軟性が損なわれてしまう。
【0007】
従って、本発明は、上述した非ハロゲン系床材の欠点が解消され、接着性や寸法安定性などの諸特性に優れ、押出成形による1段の工程で成形可能であり、且つ再生ポリエチレンテレフタレートの多量配合も可能なポリエステル系床材用の組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は、上記組成物による基材層が形成されたポリエステル系床材及びその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、(A)ポリエチレンテレフタレート樹脂及びポリエステルエラストマーからなり、ポリエステルエラストマーを30〜90重量%含有するポリエステル成分100重量部、(B)酸変性エチレン・α−オレフィン共重合体3乃至30重量部、及び(C)エチレン・酢酸ビニル共重合体及びエチレン・アクリル酸エステル共重合体からなる群より選択された少なくとも1種からなり、ガラス転移点(Tg)が−10℃以下の軟質重合体成分3乃至50重量部からなることを特徴とする床材用ポリエステル組成物が提供される。
また、本発明によれば、上記ポリエステル組成物からなるポリエステル系基材層と、ポリエステル基材層上に形成された印刷層と、該印刷層上の表面保護層とからなるポリエステル系床材が提供される。
本発明によれば、更に、(A)ポリエチレンテレフタレート樹脂及びポリエステルエラストマーからなり、ポリエステルエラストマーを30〜90重量%含有するポリエステル成分100重量部、(B)酸変性エチレン・α−オレフィン共重合体3乃至30重量部、及び(C)エチレン・酢酸ビニル共重合体及びエチレン・アクリル酸エステル共重合体からなる群より選択された少なくとも1種からなり、ガラス転移点(Tg)が−10℃以下の軟質重合体成分3乃至50重量部を押出機中で溶融混練して押出機から押し出し、押し出されたポリエステル系基材層に、冷却することなく、印刷層及び表面保護層を熱圧着して積層することを特徴とするポリエステル系床材の製造方法が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】
[作用]
本発明は、前記ポリエステル成分(A)に、酸変性エチレン・α−オレフィン共重合体(B)と軟質重合体成分(C)とを併用して配合することにより、前述した公知のポリエステル系床材の種々の欠点が有効に解決し得るという知見に基づくものである。
【0011】
先ず、酸変性エチレン・α−オレフィン共重合体(B)は、成形品の肉厚化を容易にするための改質材としての機能を有する。
ポリエチレンテレフタレートに代表されるポリエステルは、成形時において溶融粘度の減少(減粘化)を生じる。これは、残留水分による加水分解によるものと思われる。即ち、このような減粘化のため、厚肉の成形品を得ることが困難となるのであるが、上記の酸変性エチレン・α−オレフィン共重合体(B)を配合すると、その酸変性部分がポリエステルの加水分解により生じた−OHや−COOHに化学的に作用して加水分解の進行を防止し、ポリエステル樹脂の粘度減少を抑制する。この結果として、成形品の肉厚化が容易となる。
また、酸変性エチレン・α−オレフィン共重合体(B)は、それ自体、ポリエステルに比してメルトフローレート(MFR)が低い。従って、このような共重合体(B)の配合により、物理的な粘度上昇を生じ、このような粘度上昇効果によっても、成形品の肉厚化が可能となるのである。
【0012】
また、軟質重合体成分(C)は、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン・アクリル酸エステル共重合体(EEA)及びポリエチレン(PE)からなる群より選択された少なくとも1種であるが、これらは何れもポリエステルに比してガラス転移点(Tg)が低い。従って、このような軟質重合体成分(C)の配合により、成形品に柔軟性を付与することができる。
ポリエステル系床材の特徴としては、PETボトルなどからの再生ポリエチレンテレフタレートの配合が可能であり、環境にやさしいことが挙げられる。しかしながら、ポリエチレンテレフタレート(PET)は、剛性が高く、多量に配合すると床材に必要な柔軟性が損なわれてしまう。また、特許文献1で使用されているようなポリエステル系エラストマー単独でも柔軟性は不足する傾向にある。しかるに、上記のような軟質重合体(C)の使用により、柔軟性が高められるため、剛性の高いPETの大量使用が可能となり、再生PETなどの有効利用を図ることができるのである。
【0013】
また、本発明において使用する上記成分(B)及び(C)は、何れもオレフィン単位を含有しており、相溶性が非常に良好であり、また成分(B)はポリエステル(A)に対して加水分解により生じた−OHや−COOHを介して化学的に結合する。この結果、成形体中で(A)〜(C)の3成分がネットワークを形成して均一に分布し、成形性や製品物性に優れた床材を得ることが可能となるのである。
【0014】
さらに、無機充填材の配合は、成形性の向上に効果的であるが、既に述べたように、単に無機充填材を配合したのみでは成形品が脆くなってしまう。しかるに、ポリエステル(A)に上記成分(B)及び(C)が配合されている系では、無機充填材の添加による脆さをも改善することが可能となる。おそらく、(A)〜(C)の3成分がネットワークを形成して均一に分布している状態では、無機充填材を均一に分散することができるためではないかと思われる。
【0015】
上述したように、本発明では、ポリエステルの溶融時の粘度が高められており、これが成形品の厚肉化を可能とするものであるが、このような粘度の向上は、同時に成形性の向上をもたらし、押出成形による1段での床材成形を可能とする。即ち、従来公知のポリエステル系床材では、ポリエステルが溶融時の粘度が非常に小さいという粘度特性を有しているため、成形を射出成形によらざるを得なかった。このため、射出成形後、成形体を金型から取り出した後に、別個に形成された印刷層や表面保護層の積層を行うという2段の工程で床材の製造が行なわれる。しかるに本発明では、溶融時の粘度が向上しているため、押出成形が可能となり、押出された基材層を冷却することなく、そのまま、連続的に(即ち一段で)印刷層及び表面保護層の積層を行うことが可能となり、生産性を著しく向上させることが可能となったのである。
【0016】
(床材用ポリエステル組成物)
(A)ポリエステル成分
本発明において用いるポリエステル成分は、ポリエチレンテレフタレート樹脂及びポリエステルエラストマーからなる。この内ポリエチレンテレフタレート樹脂は特に制限されるものではないが、エチレンテレフタレート系熱可塑性ポリエステル樹脂が好適であり、例えば、延伸ブロー成形による容器の製造に利用されたものを用いることができる。この樹脂はエステル反復単位の大部分、一般に70モル%以上、特に80モル%以上をエチレンテレフタレート単位が占めるものであり、ガラス転移点(Tg)が50乃至90℃、特に55乃至80℃で、融点(Tm)が200乃至275℃、特に220乃至270℃にあるものがよい。
【0017】
ホモポリエチレンテレフタレートが耐熱圧性の点で好適であるが、エチレンテレフタレート単位以外のエステル単位の少量を含む共重合ポリエステルも使用し得る。
テレフタル酸以外の二塩基酸としては、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸;コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、ドデカンジオン酸等の脂肪族ジカルボン酸;の1種又は2種以上の組合せが挙げられ、エチレングリコール以外のジオール成分としては、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,6−ヘキシレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物等の1種又は2種以上が挙げられる。
【0018】
また、エチレンテレフタレート系熱可塑性ポリエステルにガラス転移点の比較的高い例えばポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート或いはポリアリレート等を5%〜25%程度をブレンドした複合材を用い、それにより比較的高温時の材料強度を高めることも行われており、このような複合材のリサイクル品も勿論使用できる。
さらに、ポリエチレンテレフタレートと上記のガラス転移点の比較的高い材料とを積層化したもののリサイクル品を用いることもできる。
【0019】
本発明に用いるエチレンテレフタレート系熱可塑性ポリエステル樹脂は、少なくともフィルムを形成するに足る分子量を有するべきであり、その固有粘度(I.V.)は一般的に0.6乃至1.4dL/g、特に0.63乃至1.3dL/gの範囲にあるものが望ましい。
【0020】
また、使用済みポリエステル容器を回収し、異物を除去し、洗浄し、乾燥して得られる粒状乃至粉末状のポリエステル(再生ポリエチレンテレフタレート樹脂)も使用することができる。
このようなリサイクルポリエステルは、単独で使用することもできるし、バージンのポリエステルとのブレンド物として用いることもできる。リサイクルポリエステルが低下した固有粘度を有する場合には、バージンのポリエステルとブレンドして用いることが好ましく、この場合、リサイクルポリエステル:バージンのポリエステルの配合比は、50:50乃至95:5の重量比の範囲で適宜選択することが出来る。
【0021】
また、本発明のポリエステル成分においては、上述したエチレンテレフタレート系熱可塑性ポリエステル樹脂と組合せで、ポリエステルエラストマーを用いることが、床材としての柔軟性を付与する上で好ましい。このようなポリエステルエラストマーは、非晶性ないし低結晶性のポリエステルからなるソフトセグメントを30〜80重量%含有するブロック共重合ポリエステルである。非晶性ないし低結晶性のポリエステルは、ジカルボン酸成分の内、テレフタル酸やイソフタル酸などの芳香族カルボン酸を99〜90モル%、及びアジピン酸などの炭素数6〜12の直鎖脂肪酸を1〜10モル%含有し、さらにジオール成分としては、ヘキサンジオールなどの炭素数6〜12の直鎖ジオールが使用されたものである。また、ソフトセグメントとなる上記ポリエステルと共重合させるべきポリエステルとしては、エチレンテレフタレート或いはブチレンテレフタレート系ポリエステルであり、特にブチレンテレフタレート系ポリエステルが好適である。本発明においては、ポリエステル成分全量の内、30乃至90重量%が上記のポリエステルエラストマーであることが好ましく、残量が前述したエチレンテレフタレート系熱可塑性ポリエステル、特にポリエチレンテレフタレートであるのがよい。
【0022】
(B)酸変性エチレン・α−オレフィン共重合体
本発明に用いる酸変性エチレン・α−オレフィン共重合体(B)は、それ自体公知の樹脂であり、不飽和カルボン酸またはその誘導体を用いてエチレン・α−オレフィン共重合体をグラフト変性等により変性したものである。
かかる共重合体(B)におけるα−オレフィンとしては、特に炭素原子数3〜20のα−オレフィンが用いられているのが一般的であり、具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセンなどである。
【0023】
変性に用いる不飽和カルボン酸としては、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等が挙げられ、また不飽和カルボン酸の誘導体としては、酸無水物、エステル、アミド、イミド、金属塩等が挙げられる。
【0024】
また、変性すべきエチレン・α−オレフィン共重合体におけるエチレン含有量は、一般に60乃至90重量%、特に70乃至90重量%の範囲にあり、かかる範囲にあるものから、要求される相溶性に応じて適当なエチレン含有量のものが選択される。
不飽和カルボン酸またはその誘導体の変性量は、もとの樹脂100重量部当たり0.01乃至5重量部の量であることが好ましい。変性量があまり少ないと、前述したポリエステルの加水分解抑制効果が希薄となり、また変性量が必要以上に多くても、加水分解抑制効果は向上せず、むしろポリエステル等との相溶性が損なわれる傾向がある。
【0025】
本発明に用いる酸変性エチレン・α−オレフィン共重合体は、前述したポリエステル(A)に比して低いMFRを有しているが、一般に、MFR(230℃、2.16kg)が0.2乃至20g/10minの範囲にあるものを用いることが、ポリエステル(A)や以下に述べる軟質重合体成分(C)との相溶性向上と、この相溶性向上による溶融粘度向上の作用効果の点で望ましい。
【0026】
本発明において、酸変性エチレン・α−オレフィン共重合体(B)は、前述したポリエステル樹脂(A)100重量部当り、3乃至30重量部、特に5乃至25重量部の量で使用される。該共重合体(B)の使用量が、この範囲よりも少ないと、加水分解抑制作用が不十分となり、また物理的な粘度向上効果が希薄となり、結果として、押出成形性が低下し、或いは押出成形による厚肉化が困難となってしまう。また、上記範囲よりも多量に使用しても、それ以上の効果は得られず、むしろ経済的に不利となったり、柔軟性等、床材に要求される特性が低下するなどの不都合を生じる。
【0027】
(C)軟質重合体成分
本発明においては、軟質重合体成分(C)として、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)又はエチレン・アクリル酸エステル共重合体(EEA)が使用され、これらは1種単独でも2種以上を組み合わせて使用することもできる。本発明において用いるこれらの軟質重合体成分(C)は、ガラス転移点(Tg)が−10℃以下と低く、これにより、得られる成形体に床材として必要な柔軟性が付与される。
また、これらは何れもオレフィン(エチレン)単位を有しており、前述した酸変性エチレン・α−オレフィン共重合体(B)との相溶性が極めて高い。従って、本発明では、ポリエステル成分(A)、酸変性エチレン・α−オレフィン共重合体(B)及び軟質重合体成分(C)の3成分がネットワークを形成して均一に分布し、安定した諸特性が得られ、例えば、成形性をさらに向上させるために無機充填材を配合した場合にも、脆くなるなどの不都合を有効に回避することができる。
【0028】
本発明において、軟質重合体成分(C)として使用されるエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)としては、ガラス転移点が上記範囲内である限り特に制限されるものではないが、一般に、エチレン含量が 60 乃至95重量%の範囲にあるものが好ましい。即ち、エチレン含量が上記範囲外であると、柔軟性付与効果が低下したり、或いは他の成分(特に成分(B))との相溶性が低下し、安定した特性を確保することが困難となるおそれがある。
【0029】
また、軟質重合体成分(C)として使用されるエチレン・アクリル酸エステル共重合体(EEA)は、やはりガラス転移点が上記範囲内である限り特に制限されるものではないが、他の成分との相溶性の点で、特にエチレン・アクリル酸エチルが好適である。また、EVAの場合と同様の理由により、エチレン含量は、60乃至95重量%の範囲にあるものが好ましい。
【0031】
上述した軟質重合体成分(C)は、何れもフィルムを形成するに足る分子量を有しているべきであり、また、ポリエステル成分(A)100重量部当り、3乃至50重量部、特に5乃至40重量部の量で使用される。この成分(C)の量が上記範囲よりも少ないと、床材に要求される柔軟性を付与することが困難となり、また上記範囲よりも多量になると、強度等の機械的特性が損なわれてしまう。
尚、本発明において、各成分との相溶性や接着性などの見地から、軟質重合体成分(C)としては、EVA及びEEAが最も好適である。
【0032】
他の配合剤
本発明の床材用組成物には、成形性を向上させるために、無機充填材を配合することができ、本発明では、このような無機充填材を比較的多量配合した場合にも、安定した機械的特性を確保することができ、得られる成形体(床材)が脆くなる等の不都合を有効に回避することができる。このような無機充填材としては、炭酸カルシウム、タルク、各種クレイ、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウムなど、従来、この種の分野で使用されているものは全て使用することができる。このような無機充填材は、例えばポリエステル(A)100重量部当り200重量部以下の量で使用することができる。
【0033】
本発明においては、無機充填材以外にも、本発明の目的から逸脱しない範囲内で、それ自体公知の各種の添加剤が配合されていてよい。このような添加剤の例として、酸化防止剤、耐候安定剤、帯電防止剤、顔料、核剤、難燃剤等を挙げることができるが、勿論この例に限定されない。
【0034】
(ポリエステル系床材及びその製造方法)
本発明においては、上述した床材用ポリエステル組成物を用いての押出成形により基材層を形成し、押し出された基材層を冷却することなく、連続的に、印刷層及び表面保護層を積層することにより、ポリエステル系床材を形成することができる。
即ち、上述したポリエステル組成物は、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルに比して高い溶融粘度を示し、成形時の粘度低下が有効に防止されているため、押出成形によって薄肉は勿論のこと厚肉の基材層をも得ることができる。しかも、押出成形による時には、射出成形と異なり、押出成形に連続した工程で印刷層及び表面保護層を積層することができるため、生産効率が著しく高いという利点を有している。
【0035】
ポリエステル組成物の押出成形に際しては、各成分をドライブレンド或いはメルトブレンドにより混合し、一軸或いは多軸の押出機を用いて溶融押出しすることにより行われる。押出温度は、通常、200乃至275℃の温度に設定することが、印刷層及び表面層を連続して積層する上で好適である。
【0036】
押し出されたポリエステル基材層上に積層する印刷層は、グラビア加工等のそれ自体公知の方法で印刷加工された樹脂フィルムからなるものであり、また、表面保護層は印刷層に形成された模様の消失を防止するために設けられものであり、透明樹脂フィルムからなる。
印刷層及び表面保護層を形成する樹脂フィルムとしては、ポリエステル基材層に対して接着性を示す樹脂材料、例えばポリエステル、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体、またはそのアイオノマー、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、4−メチル−1−ペンテン共重合体などからなるものが使用される。
印刷層及び表面保護層のポリエステル基材層上への積層は、予め、印刷層と表面保護層とが熱接着されて成る樹脂フィルムを押し出されたポリエステル基材層上に熱圧着させてもよいし、初めに印刷層用の樹脂フィルムを基材層上に圧着して積層し、次いで印刷層上に表面保護層用フィルムを圧着して積層してもよい。
熱圧着は、ローラ圧着により行なうことができ、また、押し出されたポリエステル基材層の熱を利用して行うことができるため、熱エネルギー的にも有利である。更には、ポリエステル基材層が冷却する前に積層されるため、ポリエステル基材層と印刷層との層間接着強度を高くする点でも有利である。
【0037】
かくして得られるポリエステル系床材は、前述したポリエステル組成物からなるポリエステル基材層、該基材層上の印刷層、及び印刷層上の表面保護層とからなる。かかる床材において、ポリエステル基材層の厚みは、一般に、 5 mm以下の範囲にあり、印刷層は 30 乃至300μm、表面保護層は50乃至500μm程度の厚みを有している。
このような本発明の床材は、PETボトル等に由来する再生ポリエステル樹脂を使用することができ、環境にやさしく、さらに床材としての柔軟性に優れ、押出成形による厚肉化も可能であり、無機充填材等の配合により成形性を高める場合にも強度等の機械的特性を有効に保持することができ、脆くなるなどの不都合を有効に回避することができる。
【0038】
【実施例】
本発明を次の例により説明するが、本発明は、これらの例に限定されるものではない。
【0039】
実施例中における床材の評価は以下の通り行った。
(1)へこみ:
JIS A 5705の「ビニル系床材」に準拠して測定を行った。
(2)残留へこみ:
JIS A 5705の「ビニル系床材」に準拠して測定を行った。
(3)加熱収縮率:
JIS A 5705の「ビニル系床材」に準拠して測定を行った。
(4)汚染性:
JIS A 5705の「ビニル系床材」に準拠して測定を行った。
(5)基材層/印刷層の層間接着力:
180°剥離試験(剥離速度;200mm/min,試料幅;25mm)によった。
(6)施工時の接着力:
モルタル下地に酢酸ビニル系溶剤型接着剤を用いて、従来の方法により床材試料を接着施工し、3日養生後に床材を剥離したときの状態を観察して判定した。
【0040】
以下の例で用いた樹脂等は、次の通りである。
(1)ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)
PETボトル粉砕品
(2)ポリエステルエラストマー
低結晶質ポリエステル含量が 65 重量%の共重合ポリエステル
(3)酸変性エチレン・α−オレフィン共重合体
エチレン含量80モル%、α−オレフィン20モル%からなるエチレン・α−オレフィン共重合体に無水マレイン酸をグラフト共重合したもの。
(4)エチレン・酢酸ビニル共重合体
エチレン含量 80 モル%、
MFR(230℃) 3 g/10min
Tg −25℃
(5)エチレン・エチルアクリレート共重合体
エチレン含量 85 モル%、
MFR(230℃) 25 g/10min
Tg −35℃
(6)印刷層用樹脂フィルム
PETフィルムにグラビア印刷加工したもの(厚み100μm)
(7)表面保護層用樹脂フィルム
PETフィルム(厚み150μm)
【0041】
実施例1〜4、比較例1〜4
表1に示す組成で各材料を押出機に投入し、設定温度約260℃でポリエステル組成物を吐出した。(金型形状:厚み2.8mm、幅500mm)
次いで、押し出された基材層に、印刷保護層用フィルム及び表面保護層用フィルムの順で積層しロールで圧締した。
これを長さ500mmに切断し、総厚が3.0mmで500×500mmの床材製品を得た。
上記床材製品について、各種の評価を行い、その結果を表2に示した。
また、各実施例及び比較例において、金型厚みを種々変更し、押出による一段階成形による成形性を評価し、その結果は表1に示した。
【0042】
【表1】
Figure 0004285984
【0043】
【表2】
Figure 0004285984
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、PETボトル等に由来する再生ポリエステル樹脂を使用することができ、環境にやさしく、さらに床材としての柔軟性に優れ、押出成形による厚肉化も可能なポリエステル系床材を得ることができる。
この床材では、無機充填材等の配合により成形性を高める場合にも強度等の機械的特性を有効に保持することができ、脆くなるなどの不都合を有効に回避することができる。

Claims (4)

  1. (A)ポリエチレンテレフタレート樹脂及びポリエステルエラストマーからなり、ポリエステルエラストマーを30〜90重量%含有するポリエステル成分100重量部、(B)酸変性エチレン・α−オレフィン共重合体3乃至30重量部、及び(C)エチレン・酢酸ビニル共重合体及びエチレン・アクリル酸エステル共重合体からなる群より選択された少なくとも1種からなり、ガラス転移点(Tg)が−10℃以下の軟質重合体成分3乃至50重量部からなることを特徴とする床材用ポリエステル組成物。
  2. 前記ポリエステル(A)が再生ポリエチレンテレフタレート樹脂を含む請求項1に記載の床材用ポリエステル組成物。
  3. 請求項1に記載のポリエステル組成物からなるポリエステル系基材層と、ポリエステル基材層上に形成された印刷層と、該印刷層上の表面保護層とからなるポリエステル系床材。
  4. (A)ポリエチレンテレフタレート樹脂及びポリエステルエラストマーよりなり、ポリエステルエラストマーを30〜90重量%含有するポリエステル成分100重量部、(B)酸変性エチレン・α−オレフィン共重合体3乃至30重量部、及び(C)エチレン・酢酸ビニル共重合体及びエチレン・アクリル酸エステル共重合体からなる群より選択された少なくとも1種からなり、ガラス転移点(Tg)が−10℃以下の軟質重合体成分3乃至50重量部を押出機中で溶融混練して押出機から押し出し、押し出されたポリエステル系基材層に、冷却することなく、印刷層及び表面保護層を熱圧着して積層することを特徴とするポリエステル系床材の製造方法。
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