JP2011131440A - フィルムインモールド成形用加飾フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】高い表面硬度及び外力耐性(特に耐チッピング性)を保ちながら、フィルムインモールド成形法による場合に、層間剥離や白化現象の発生が一様に抑えられた成形性を有し、色の均一性が高く所望の色彩、色調に加飾された加飾成形体が得られるフィルムインモールド成形用加飾フィルムを提供する。
【解決手段】アイオノマー層と、エチレンテレフタレート単位及びブチレンテレフタレート単位を含むポリエステル系高分子化合物、並びにベンゼン環とシクロヘキサン環及びナフタレン環の少なくとも一方とを主鎖に有するポリエステル系高分子化合物からなる群より選択される少なくとも一種を含むポリエステル樹脂層と、着色層とをこの順に有している。
【選択図】なし

Description

本発明は、所望の加飾が施され、インモールド成形に好適に用いられるフィルムインモールド成形用加飾フィルムに関する。
車両部品、家電製品、事務用品、スポーツ用品、建築用品、装飾用品などの各種分野において、プラスチック製の射出成形品が広く使用されている。射出成形品はその表面が傷つきやすい等から、耐傷性や美観保持等のために塗装を施すことが多いが、塗装工程に関わる生産面やコスト面、環境適性の観点から、塗装の代替技術が検討されている。
その技術の1つとして、予備成形等により加工された加飾フィルムを用いて射出成形により加飾された樹脂成形品を作製する方法(いわゆるフィルムインモールド成形法)がある。例えば、メッキ調を有する加飾フィルムを予備成形した後、樹脂材料により射出成形される基材の表面に予備成形を経て加工された加飾フィルムを一体加工する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
このようなフィルムインモールド成形法に用いられる加飾用フィルムは、一般に、その保護層に透明な塩化ビニル樹脂やアクリル系樹脂等が用いられている。ところが、塩化ビニル樹脂は、焼却処理にて廃棄処分されるとダイオキシンを発生する等の環境上の点から、近年では使用が控えられる傾向にあり、また、アクリル系樹脂フィルムは、その表面硬度が低いために傷つきやすく、外力が加えられた際の耐性に劣る傾向にある。
このような状況に対応して、最近では、外装となる保護膜として透明なアイオノマー樹脂フィルムを用い、透明なアイオノマー樹脂フィルムと着色ポリオレフィン系樹脂シートとの間に絵柄層を設けるようにした化粧シートが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、表面側に透明なアイオノマー樹脂フィルムからなる保護層を有するようにし、この保護層とアイオノマー樹脂及びオレフィン系樹脂の融合体からなる所定の着色材等を含有する接着層とオレフィン系樹脂からなる基盤層との三層構成の加飾フィルムが開示されており(例えば、特許文献3参照)、インモールド用フィルムを基礎にインジェクション成形手段にてプラスチック成形体を形成させている。
特開2004−181722号公報 特開2001−162731号公報 特開2005−125680号公報
しかしながら、上記従来の技術のうち、アイオノマー樹脂フィルムと着色ポリオレフィン系樹脂シートとの間に絵柄層を設けた化粧シートでは、例えば射出成形に用いる樹脂材料にポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン樹脂を用いた場合に、接着性が弱く剥離現象が生じやすい。
また、保護層とは別にアイオノマー樹脂を用いてオレフィン系樹脂と融合した融合体に所定の着色材等を含有させた接着層を設ける加飾フィルムでは、一旦着色剤を配合した組成物を調製する必要があるため、分散斑が発生しやすく、成形品の表面全体に均一に金属光沢を持たせることが難しい。しかも、通常は一定以上のスケールで製造されるが、そのような方法では色彩の微妙な調整やバリエーションの追加に対応することは困難である。
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、高い表面硬度及び外力耐性(特に小石等が当たって局部的に外力が加わったときの耐傷性;以下、耐チッピング性と称する。)を保ちながら、フィルムインモールド成形法による場合に、層間剥離や白化現象の発生を抑え得る成形性を有し、色の均一性が高く所望の色彩、色調(特に金属調又はメタリック調の色彩や光沢)に加飾された加飾成形体が得られるフィルムインモールド成形用加飾フィルムを提供することを目的とし、該目的を達成することを課題とする。
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> (A)アイオノマー層と、(B)エチレンテレフタレート単位及びブチレンテレフタレート単位を含むポリエステル系高分子化合物、並びにベンゼン環とシクロヘキサン環及びナフタレン環の少なくとも一方とを主鎖に有するポリエステル系高分子化合物からなる群より選択される少なくとも一種を含むポリエステル樹脂層と、(C)着色層と、をこの順に有するフィルムインモールド成形用加飾フィルムである。
<2> 前記着色層(C)が金属層である前記<1>に記載のフィルムインモールド成形用加飾フィルムである。
<3> 前記金属層は、印刷又は蒸着により前記ポリエステル樹脂層(B)の表面に形成された前記<2>に記載のフィルムインモールド成形用加飾フィルムである。
本発明によれば、高い表面硬度及び外力耐性(特に小石等が当たって局部的に外力が加わったときの耐チッピング性)を保ちながら、フィルムインモールド成形法による場合に、層間剥離や白化現象の発生を抑え得る成形性を有し、色の均一性が高く所望の色彩、色調(特に金属調又はメタリック調の色彩や光沢)に加飾された加飾成形体が得られるフィルムインモールド成形用加飾フィルムを提供することができる。
加飾成形体をフィルムインモールド成形する工程の流れを示す図である。
以下、本発明のフィルムインモールド成形用加飾フィルムについて詳細に説明する。
本発明のフィルムインモールド成形用加飾フィルムは、(A)アイオノマー層と、(B)エチレンテレフタレート単位及びブチレンテレフタレート単位を含むポリエステル系高分子化合物、並びにベンゼン環とシクロヘキサン環及びナフタレン環の一方又は双方とを主鎖に有するポリエステル系高分子化合物からなる群より選択される少なくとも一種を含むポリエステル樹脂層と、(C)着色層と、をこの順に設けて構成されたものである。
本発明においては、接着層上の加飾が施された着色層を観察する側に、最外層としてアイオノマー層を設け、更にこのアイオノマー層と着色層との間に所定のポリエステル樹脂層を設けた構造とすることで、透明性及び深絞り成形性を保ちながら、成形品の表面硬度を高めて耐チッピング性に優れると共に、成形加工しやすく、層間の接着性に優れるので、偏肉によるバラツキや曲率の大きい曲部や角部等の部位での層間剥離、白化現象が抑えられ、印刷(インクジェット法を含む)や蒸着による加飾が可能である。
また、塗装によらないため、塗装時の溶剤使用や乾燥工程に関係する環境適性(VOC削減、温暖化ガス抑制など)の点でも有利である。
(A)アイオノマー層
本発明のフィルムインモールド成形用加飾フィルムは、最表層としてアイオノマー層を有する。アイオノマー層は、所望のアイオノマー又はこれを含む組成物を層状に成形することにより形成される。
アイオノマーとしては、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマーが好適に用いられる。このアイオノマーのベースポリマーとなるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体は、エチレンと不飽和カルボン酸との二元共重合体であってもよいし、エチレンと不飽和カルボン酸に加え、さらに他のモノマー、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソブチル等の(メタ)アクリル酸エステルやビニルエステルなどの不飽和カルボン酸エステル等が所定の割合(例えば20質量%まで)で共重合された多元共重合体であってもよい。エチレン・不飽和カルボン酸共重合体に不飽和カルボン酸エステルを含む場合は、共重合体に柔軟性を付与できる。
好ましいエチレン・不飽和カルボン酸共重合体は、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸・(メタ)アクリル酸エステル共重合体である。なお、本明細書中において、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸又はメタクリル酸を意味する。
エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマーは、少なくとも前記エチレン・不飽和カルボン酸共重合体とこれらを中和する金属イオンとを含み、これら分子鎖間で分子側鎖に存在するカルボン酸基が金属イオンによって架橋された構造になっている。その金属種としては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、アルミニウムなどの多価金属などを例示することができ、中でも隣接層との接着性に優れる点で、亜鉛が好ましい。このようなアイオノマーを用いる利点は、透明性、高温における貯蔵弾性率が高いことである。
アイオノマーの中和度としては、例えば80%以下が望ましいが、隣接層との接着性等を考慮するとあまり中和度の高いものは望ましくない。アイオノマーとしては、例えば中和度が60%以下、特に30%以下のものが好ましい。中和度の下限値は5%が望ましい。
ポリエステル樹脂層との間で良好な接着性を得る点から、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体中における不飽和カルボン酸に由来の構成単位の割合は、共重合体全質量に対して、1質量%以上であることが好ましい。この割合が1質量%以上とは積極的に含有することを示し、この割合が1質量%以上であることで、得られる共重合体の接着性が良好になる。また、不飽和カルボン酸に由来の構成単位の共重合体中における割合が大きくなると、透明性に関してはより優れたものが得られる。一方、不飽和カルボン酸由来の構成単位の共重合体中における割合が大きくなるにつれ、融点が低くなったり、吸湿性が増すなどの問題を生じやすくなるため、不飽和カルボン酸に由来の構成単位の共重合体全質量に対する割合は、20質量%以下が好ましく、より好ましくは15質量%以下が望ましい。中でも、1〜20質量%、更には1〜15質量%が好ましい。
アイオノマーの融点(JIS K7121−1987に準拠、DSC法)としては、55℃以上が好ましく、より好ましくは60℃以上であり、特に好ましくは70℃以上である。アイオノマーの融点が55℃以上であると耐熱性が良好であり、温度上昇による変形を防止することができる。
本発明におけるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体としては、成形加工性、機械的強度などを考慮すると、JIS K7210−1999(190℃、2160g荷重)におけるメルトフローレート(MFR;以下同様)が0.1〜500g/10分のものが好ましく、特に1〜100g/10分のものが好ましい。
エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマーは、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体と金属化合物とを反応させることによって得ることができる。また、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体は、高温、高圧下のラジカル共重合により得られる。
アイオノマー層の厚みとしては、表面保護機能と加飾性の点で、20〜200μmの範囲内が好ましく、後述の各層と積層した場合のバランスから、20〜60μmの範囲がより好ましい。
(B)ポリエステル樹脂層
本発明のフィルムインモールド成形用加飾フィルムは、エチレンテレフタレート単位及びブチレンテレフタレート単位を含むポリエステル系高分子化合物、並びにベンゼン環とシクロヘキサン環及びナフタレン環の少なくとも一方、すなわちベンゼン環のほかにシクロヘキサン環とナフタレン環のいずれか一方又は双方を主鎖に有するポリエステル系高分子化合物からなる群より選択される少なくとも一種を含むポリエステル樹脂層を有する。このポリエステル樹脂層を設けることで、後述の着色層、特に金属の蒸着膜又は印刷膜の形成が容易であるほか、真空成形等やフィルムインモールド成形する際に、深絞り等の成形性に優れるアイオノマーに重ねて成形するにあたり、偏肉が生じ難く、型形状に追従して層間での剥離現象や白化現象の発生が抑えられる。
「エチレンテレフタレート単位及びブチレンテレフタレート単位を含むポリエステル系高分子化合物」は、テレフタル酸及びイソフタル酸とエチレングリコールとが脱水縮合して得られたポリエステルであり、メタ位にカルボン酸基を持つイソフタル酸が共重合することにより柔軟性を有している。このポリエステル系高分子化合物を含むと、加飾しやすく、金属蒸着性、成形性に優れ、特に鮮やかな金属光沢感が得られる。また、成形品における曲率半径の小さい曲部や角部であっても、層間の剥離や白化、ボケ等の発生を抑制することができる。
前記ポリエステル系高分子化合物は、共重合反応させて合成したポリエステルを用いてもよいし、上市されている市販品を用いてもよい。市販品の例としては、帝人デュポンフィルム(株)製のテフレックスシリーズ(例:FTタイプ、FT3タイプ、FT7タイプ、FW2タイプ;二軸延伸ポリエステルフィルム)などを使用することができる。
また、「ベンゼン環とナフタレン環とを主鎖に有するポリエステル系高分子化合物」としては、例えば、下記化合物(構造式中のm及びnは自然数を表す。)などを挙げることができる。このポリエステル系高分子化合物を含むと、加飾しやすく、金属蒸着性、成形性に優れ、特に鮮やかな金属光沢感が得られる。また、成形品における曲率半径の小さい曲部や角部であっても、層間の剥離や白化、ボケ等の発生を抑制することができる。また、他の高分子化合物を用いた場合に比べ、より薄厚に形成することが可能である。

前記「ベンゼン環とナフタレン環とを主鎖に有するポリエステル系高分子化合物」としては、例えば、帝人デュポンフィルム(株)製のテフレックスシリーズが挙げられる。
「ベンゼン環とシクロヘキサン環とを主鎖に有するポリエステル系高分子化合物」としては、例えば、下記化合物(構造式中のm及びnは自然数を表す。)が挙げられる。このポリエステル系高分子化合物を含むと、加飾しやすく、鮮やかな金属光沢が得られる。また、成形品における曲率半径の小さい曲部や角部であっても、層間の剥離や白化、ボケ等の発生を抑制することができる。

前記「ベンゼン環とシクロヘキサン環とを主鎖に有するポリエステル系高分子化合物」としては、ペレット状などの形態にてイーストマンケミカル社などから入手可能である。このポリエステル系高分子化合物は、カレンダー法、押し出し法、又はその他の公知の方法により層形成し、あるいはフィルム化して用いることができる。
ポリエステル樹脂層の厚みとしては、強度、成形性の点で、20〜80μmの範囲が好ましく、25〜50μmの範囲がさらに好ましい。
(C)着色層
本発明のフィルムインモールド成形用加飾フィルムは、着色層を有する。着色層は、所望の色彩、模様に加飾する機能を担う。
着色層は、その層自体をあらかじめ層状に成形してポリエステル樹脂層と接着層との間に配置してもよいし、ポリエステル樹脂層の表面に直接形成するようにしてもよい。本発明においては、ポリエステル樹脂層が設けられることでポリエステル樹脂層に直接着色層を形成することができる。これにより、層間の接着性を保つことが容易であり、色彩の調整や色のバリエーションの変更、追加等が容易に行なえる。
着色層は、これをあらかじめ層状に成形してポリエステル樹脂層と接着層との間に配置する場合、例えば、所望の着色剤を含有して調製された組成物を用いて着色層を形成することができる。また、ポリエステル樹脂層に直接着色層を形成する場合、例えば、印刷法(例えば、スクリーン印刷法、インクジェット法)や、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の真空応用技術などを利用して形成することができる。
着色層は、顔料、染料、金属などの色材を用いて形成することができる。本発明においては、接着性が良好で均一性の高い光沢が得られる点で、着色層としてポリエステル樹脂層に金属光沢を持つ金属層が形成されている場合が好ましい。金属層は、廃液処理が不要であり、しかも均一厚が得られる等の点から、インクジェット法、あるいは真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の真空応用技術によることが望ましく、更にはインクジェット法又は真空蒸着法によることが好ましい。
顔料、染料、金属などの色材の着色層中における割合としては、層全質量に対して、0.1質量%以上40質量%以下が好ましい。
金属層を構成する金属は、アルミニウム、インジウム、クロム、亜鉛、ガリウム、ニッケル、錫、銀、金、ケイ素、クロム、チタン、白金、パラジウム、ステンレススチール、ハステロイなどの金属又はこれらの合金が挙げられる。
中でも、深絞りの立体成形を行なう点で、アルミニウム及びインジウムが有利であり、特にインジウム及びインジウム合金が望ましい。
また、着色剤を含有するインク等の着色組成物を用いて着色層を形成してもよい。
例えば、乾燥後又は重合後に柔軟性を示すインク等の着色組成物を用いて着色層を形成する方法も好ましい態様の1つである。この場合、例えばスクリーン印刷、グラビア印刷、インクジェット印刷などにより着色層を形成してもよい。
前記インクとしては、帝国インキ製造(株)製のセリコールSP2100AUクリヤー(別名:セリコールVKTインクのスクリーン印刷用オーバーコートクリヤー)、セリコールEGスクリーンインキ(別名:ポリエステル用グロスインキ)、(株)セイコーアドバンス製のSG700シリーズ等のインキを使用できる。
また、金属薄膜細片が結着樹脂中に分散された高輝性インキを用いることができる。この高輝性インキは、鏡面状金属光沢を形成することができる。高輝性インキは、金属薄膜細片、結着樹脂、及び溶剤、並びに必要に応じて種々の添加剤を含有する。
前記金属薄膜細片の金属としては、特に制限はなく、例えば、アルミニウム(Al)、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、銅(Cu)、真鍮(Cu−Zn)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、インジウム(In)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、シリコン(Si)、タンタル(Ta)、ニッケルクロム(Ni−Cr)、ステンレス鋼(SUS)、クロム銅(Cr−Cu)、アルミニウムシリコン(Al−Si)等が挙げられる。金属を薄膜に形成する方法としては、例えば、アルミニウム等の融点の低い金属の場合は蒸着法を、アルミニウム、金、銀、銅などの展性を持つ金属の場合は箔を、融点が高く展性に乏しい金属の場合はスパッタリング法を挙げることができる。中でも、金属蒸着膜から得られる薄膜細片が好ましく用いられる。
前記結着樹脂としては、従来のグラビアインキ、フレキソインキ、スクリーンインキ、あるいは塗料などに一般に用いられるもの、具体的な例として、塗料用アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、塩素化オレフィン樹脂、エチレン−アクリル樹脂などの重合系樹脂、あるいは塗料用ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ウレア樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、石油系樹脂、セルロース誘導体樹脂等が好ましく用いられる。また、これらの樹脂にカルボン酸基、燐酸基、スルホン酸基、アミノ基、四級アンモニウム塩基などの極性基が化学的に結合したものを使用又は併用してもよい。
高輝性インキの詳細については、特開2007−190702号公報の段落番号[0023]〜[0033]の記載を参照することができる。
着色層の厚みとしては、金属層である場合は、意匠性、各層の親和性、成形性の点で、0.02〜0.2μmの範囲が好ましく、金属層以外の着色層の場合は、1〜40μmが好ましい。
(D)アンカーコート層
本発明においてアイオノマー層(A)とポリエステル樹脂層(B)との間に、両層の接着性を向上するためアンカーコート層(D)を設けてもよい。アンカーコート層は、例えばポリエステル樹脂層(B;例えば、ポリエステルフィルム)に塗布することにより設けられる。
アンカーコートの主成分としては、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、アクリル樹脂変性ポリエステル樹脂、及びビニル系樹脂変性ポリエステル樹脂の中から選ばれる少なくとも一種類の樹脂あるいはシランカップリング剤であることが好ましい。また、アンカーコートとして重ねてプライマー層を設けたり、コロナ放電処理、プラズマ処理などを施してもよい。
アンカーコート層の厚さとしては、0.02〜20μmが好ましい。アンカーコート層の厚さは、各種用途における接着力、コストの観点から決定される。
(E)接着層
本発明のフィルムインモールド成形用加飾フィルムは、着色層(C)に隣接して接着層を有していてもよい。着色層に隣接して接着層を設けることにより、後述する熱可塑性樹脂(例えばポリエチレンやポリプロピレン、ABS等)を含む基材層(D)との間の接着性がより向上する。
接着剤としては、前記着色層(特に金属層)と熱可塑性の樹脂を含む基材層との間の接着性に優れる点から、例えば、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリエチレン系、ポリアミド系、ポリ塩化ビニル系、ポリクロロプレン系、カルボキシル化ゴム系、熱可塑性スチレン−ブタジエンゴム系、アクリル系、スチレン系、セルロース系、アルキド系、ポリ酢酸ビニル系、エチレン酢酸ビニル共重合体系、ポリビニルアルコール系、エポキシ系、シリコーン系などの各樹脂、天然ゴム、合成ゴム等が挙げられる。これら樹脂は、1種あるいは2種以上の混合物のいずれでもよい。
接着剤は、適宜溶剤を用いてあるいはエマルジョンとして、グラビアコーター、リバースコーター、ナイフコーター、ロールコーター等を用いた公知の塗布方法により、前記着色層(特に金属層)又は基材層あるいは両者に塗布し、必要により乾燥させる。
接着剤層の厚さとしては、1〜100μmが好ましく、2〜20μmがより好ましい。接着剤層の厚さは、1μm以上であると所望の接着力が得られ、100μm以下であると乾燥が良好に行なえ、コスト面でも有利である。
接着剤層には、着色層の色調(特に金属層としたときの金属光沢の色調)への影響を考慮し、積極的に色調を調整するために、顔料、染料、金属粉やマイカ等の添加物を添加してもよい。
また、接着剤としては、着色層と基材層との間により良好な接着力を与える観点から、2液反応型のウレタン樹脂系接着剤が好ましい。2液反応型のウレタン樹脂系接着剤としては、ポリオールを含む主剤とイソシアネートを含む硬化剤とを用いた2液反応型接着組成物が好ましい。
この中で好ましい形態としては、ポリエステルポリオールあるいは2官能以上のイソシアネート化合物により鎖伸長を施したポリエステルウレタンポリオールのいずれかの単体又はその混合物に架橋剤を配合して得られる接着剤組成物、あるいはこの接着剤組成物100質量部に更にカルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物、及びエポキシ化合物から選択される少なくとも1種の化合物1〜50質量部を配合して得られる接着剤組成物である。後者では、カルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物、又はエポキシ化合物を含有することにより、高温多湿下などの反応促進環境下で加水分解が起きた際に生成するカルボキシル基を封鎖し、水分による接着性の低下を抑制することができる。
前記ポリエステルポリオールは、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸などの脂肪族系、及びイソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族系の二塩基酸の1種以上と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、メチルペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ドデカンジオールなど脂肪族系、シクロヘキサンジオール、水添キシリレングリコールなどの脂環式系、及びキシリレングリコールなどの芳香族系のジオールの1種以上と、を用いて得ることが可能である。
また更に、このポリエステルポリオールの両末端の水酸基を、例えば、2,4−もしくは2,6−トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,2,4−もしくは2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、及びイソプロピリデンジシクロヘキシル−4,4’−ジイソシアネートなどから選ばれるイソシアネート化合物の単体、あるいはこれらイソシアネート化合物から選択される少なくとも1種からなるアダクト体、ビューレット体、イソシアヌレート体を用いて鎖伸長したポリエステルウレタンポリオールなどが挙げられる。
ポリウレタン系材料として考えられるポリオール成分は、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、アクリルポリオールなどが挙げられ、これらの成分を主剤としたものを用いることが可能である。中でも、耐熱性などを考慮すると、ポリカーボネートポリオールやアクリルポリオールなどが好ましい。
これらを架橋させて硬化する硬化剤としては、イソシアネート化合物が用いられる。イソシアネート化合物以外に、活性水素基と反応性を有する硬化剤を更に用いてもよい。
上記のようにカルボキシル基を封鎖する作用が期待される前記カルボジイミド化合物としては、例えば、N,N’−ジ−o−トルイルカルボジイミド、N,N’−ジフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−2,6−ジメチルフェニルカルボジイミド、N,N’−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)カルボジイミド、N,N’−ジオクチルデシルカルボジイミド、N−トリイル−N’−シクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−ジ−2,2−ジ−tert−ブチルフェニルカルボジイミド、N−トリイル−N’−フェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−p−ニトロフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−p−アミノフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−p−ヒドロキシフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−シクロヘキシルカルボジイミド、及びN,N’−ジ−p−トルイルカルボジイミドなどが挙げられる。
また、前記同様の作用が期待されるオキサゾリン化合物としては、例えば、2−オキサゾリン、2−メチル−2−オキサゾリン、2−フェニル−2−オキサゾリン、2,5−ジメチル−2−オキサゾリン、2,4−ジフェニル−2−オキサゾリンなどのモノオキサゾリン化合物、2,2’−(1,3−フェニレン)−ビス(2−オキサゾリン)、2,2’−(1,2−エチレン)−ビス(2−オキサゾリン)、2,2’−(1,4−ブチレン)−ビス(2−オキサゾリン)、2,2’−(1,4−フェニレン)−ビス(2−オキサゾリン)などのジオキサゾリン化合物が挙げられる。
また更に、前記同様の作用が期待されるエポキシ化合物としては、例えば、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコール等の脂肪族ジオールのジグリシジルエーテル、ソルビトール、ソルビタン、ポリグリセロール、ペンタエリスリトール、ジグリセロール、グリセロール、トリメチロールプロパンなどの脂肪族ポリオールのポリグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールなどの脂環式ポリオールのポリグリシジルエーテル、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、トリメリット酸、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族、芳香族の多価カルボン酸のジグリシジルエステル又はポリグリシジルエステル、レゾルシノール、ビス−(p−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス−(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、トリス−(p−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(p−ヒドロキシフェニル)エタンなどの多価フェノールのジグリシジルエーテルもしくはポリグリシジルエーテル、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジルトルイジン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−ビス−(p−アミノフェニル)メタン等のアミンのN−グリシジル誘導体、アミノフェノールのトリグリシジル誘導体、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、トリグリシジルイソシアヌレート、オルソクレゾール型エポキシ、フェノールノボラック型エポキシが挙げられる。
接着剤層には、着色層(特に金属層の光沢)の色調への影響を考慮し、積極的に色調を調整するために顔料、染料、金属粉やマイカ等の添加物を添加してもよい。
(F)基材層
本発明のフィルムインモールド成形用加飾フィルムは、更に接着層(E)に隣接して熱可塑性樹脂を含む基材層を有していてもよい。この基材層は、裏面の支持材をなすバック層であり、成形体を作製したときのフィルムインモールド成形用加飾フィルムの被貼付体に対する接着性の観点から、被貼付体である基材と同じ又は同系の樹脂材料を用いて形成されていることが好ましい。
基材層を構成する熱可塑性樹脂としては、成形時の温度に耐えられるものであれば制限はなく、好ましくは耐熱性、経済性などを考慮して選択される。例えば、ポリ塩化ビニル系、ポリオレフィン系(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン)、ポリスチレン系、ポリアクリル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体系(例えばABS樹脂)などの樹脂が挙げられる。
基材層の厚みとしては、後述する射出成形における熱の影響、及び成形性を考慮すると、150〜500μmの範囲が好ましい。
また、基材層は設けなくてもよい。基材層を設けない場合、既存の製品現物に対して直接真空圧着してもよい。その場合は、支持材が既存の製品現物となるため、後述するような射出成形は不要となる。
次に、加飾成形体及びその製造方法について詳述する。
加飾成形体の製造は、例えば、既述の本発明のフィルムインモールド成形用加飾フィルムを所望の形状に予め成形加工する成形加工工程と、成形加工されたフィルムインモールド成形用加飾フィルムが配置された型内に所望の樹脂を溶融押出することにより、接着層に接着された基材を射出成形する射出成形工程と、を設けて構成された方法により行なうことができる。加飾成形体の製造方法は、必要に応じて、さらに他の工程を設けて構成されてもよい。
−成形加工工程−
成形加工工程は、既述の本発明のフィルムインモールド成形用加飾フィルムを所望の形状に成形加工することができる。本工程では、後述の射出成形工程で支持材をなす基材を形成する樹脂が導入される前に予め、加飾されている平面状の加飾フィルムを所定の形状に加工する。
成形加工は、真空成形機、プレス加工機などの加工機を利用して行なうことができる。成形加工は、機内を減圧して真空にし、あるいはプレス板などを圧着することにより、所望の圧力を加飾フィルムに与えると共に、必要に応じて加熱することにより、所望形状を型付けすることができる。圧力及び加熱温度については、用いるフィルムの構成や厚み等に応じて適宜選択すればよい。
また、後述する射出成形による支持材形成をせずに既存の製品現物を成形型として使用してもよい。その場合、加飾フィルムには、基材層は設けずに、大気圧を利用して加飾フィルムの接着層を成形型として使用する製品現物に真空圧着する形になる。
また、成形加工後には、必要に応じて、所望形状を除く不要な部分を除去する工程(トリミング工程)を設けることができる。
−射出成形工程−
射出成形工程は、前記成形加工工程で成形加工されたフィルムインモールド成形用加飾フィルムが配置された型内に所望とする熱可塑性の樹脂を溶融押出することにより、接着層に接着された基材を射出成形することができる。
成形加工されたフィルムインモールド成形用加飾フィルムを、射出成形機に備えられた金型等の所望の型内部に配置し、その接着層の表面に所望の熱可塑性樹脂を溶融状態にして押し込んで型に充填することにより、所望形状の成形品を成形性良く射出成形することができる。
熱可塑性樹脂としては、成形時の温度に耐えられるものであれば制限はなく、着色層による加飾(特に金属層としたときは金属光沢、色調)に影響を及ぼさない範囲で適宜選択することができる。例えば、ポリ塩化ビニル系、ポリオレフィン系(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン)、ポリスチレン系、ポリアクリル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体系(例えばABS樹脂)などの樹脂から、耐熱性、経済性などを考慮して選択することができる。
以下、加飾成形体の製造方法について、図1を参照してその一例を具体的に説明する。図1は、加飾成形体の製造方法の一例として、加飾成形体をフィルムインモールド成形する工程の流れを示す図である。
図1(A)に示されるように、まず、所望の型13が配置された真空成形機11にフィルムインモールド成形用の加飾フィルム12を配置する。そして、機内を所望の真空状態まで真空引きした後、所望温度に機内を加熱しながら、図1(B)に示すように加飾フィルム12に型13をあてて成形する。その後、不要な箇所をトリミングする。型13が既存の現物製品の場合は、加飾フィルムの基材層を設けずに直接、真空圧着することにより、加飾部品として成立する。
続いて、トリミングを行なって所望形状に成形加工された加飾フィルム22を、図1(C)のように射出成形機15内に備えられた成形用型の内部に配置する。このとき、加飾フィルム22の接着層の表面が溶融樹脂が押し出される側に向くように配置されている。その後、ポリエチレンやポリプロピレン、ABS樹脂などの熱可塑性樹脂16を溶融状態にして押し込み、接着層に接触させて成形される。成形品を射出成形機から取り出し、所望の基材に加飾フィルムが接着された加飾成形体20が得られる。
加飾成形体は、既述の本発明のフィルムインモールド成形用加飾フィルムと、加飾フィルムの接着層と接着された、熱可塑性樹脂を含む成形基材と、を用いて構成することができる。この加飾成形体は、好ましくは、既述の成形加工工程及び射出成形工程を設けた加飾成形体の製造方法により作製される。
なお、基材を構成する熱可塑性樹脂の詳細については、前記加飾成形体の製造方法の射出成形工程において既述した通りである。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
まず、エチレンテレフタレート単位及びブチレンテレフタレート単位を含むポリエステル系高分子フィルム(テフレックスFT(厚み:25μm)、帝人デュポンフィルム(株)製;ポリエステル樹脂層)を用意し、この一方の表面に、真空蒸着を施すことによりインジウムを蒸着し、40nm厚のインジウム蒸着膜(着色層)を形成した。次いで、前記ポリエステル系高分子フィルムのインジウム蒸着膜が形成されていない非蒸着面に、下向きTダイを備えた溶融押出機からアイオノマー樹脂を溶融押出して積層し、40μm厚のアイオノマー層を形成した。このとき、Tダイから押し出されたアイオノマー樹脂の温度は260℃であった。
続いて、インジウム蒸着膜の上に、市販のポリウレタン系接着剤(ポリエステルポリオール(a)とジフェニルメタンイソシアネート(b)とを4:1(=a:b;固形分質量比)の比率で配合した酢酸エチル溶液)をバーコート法にて塗布し、10μm厚の接着剤層を形成した。その後、この接着層に300μm厚のポリプロピレンを重ね、ポリプロピレンを接着層と貼り合わせた。
このようにして、ポリプロピレン/ポリウレタン系接着剤層/インジウム蒸着膜/ポリエステル系高分子フィルム/アイオノマー層の積層構造を有する加飾フィルムを作製した。
次に、予熱部と真空成形部からなる圧空真空成形機を用い、まず、上記で得られた加飾フィルムを遠赤外線ヒーターで予熱(材料温度190℃、10秒保持)した。次いで、図1に示すように、凹凸部位を有する金型にて立体形状に真空成形した。トリミングした後、型締力220トンの射出成形機の金型(40℃)内部に、真空成形された加飾フィルムを吸引にて固定することにより設置し、溶融したポリプロピレン(コア材料:ブロック型コポリマー)を射出圧にて金型内へ充填し、加飾成形体を作製した。このとき、射出成形温度は230℃であった。コア材には、30%の端材回収品を含むものを用いた。
〜試験方法と評価〜
上記の加飾成形体について下記の評価を行なった。評価結果は、下記表1に示す。
(1)色調・外観
加飾成形体を目視により観察し、下記の評価基準にしたがって色調・外観を評価した。
<評価基準>
○:金属の色調及び光沢が良好であった。
△:金属の色調又は光沢が劣っていた。
×:金属の色調及び光沢が顕著に劣っていた。
(2)深絞り性
加飾成形体の深絞り性について、成形体における形状、色合いの程度から下記の評価基準にしたがって深絞り性を評価した。
<評価基準>
○:真空成形法による立体形状付形における形状追随性が良好で偏肉や形状のゆがみがなく、層間の剥離、白化の発生がなく、外観色調も良好であった。
△:偏肉や形状のゆがみ、層間の剥離、白化、外観色調のうちびいずれかが劣っていた。
×:偏肉や形状のゆがみ、層間の剥離、白化、外観色調が悪かった。
(3)耐衝撃性
加飾成形体に対してデュポン衝撃試験機を用いて加飾面に衝撃を与え、割れ及び剥がれの発生の有無を下記の評価基準にしたがって評価した。
<評価基準>
○:外観変化は無かった。
△:僅かに割れ、又は剥がれがみられた。
×:著しい割れや剥がれがみられた。
(4)耐水性
加飾成形体を40℃の温水中に1週間浸漬し、浸漬後の成形体について外観上の変化の有無を下記の評価基準に従って評価した。
<評価基準>
○:外観変化は無かった。
△:僅かに割れ、又は膨れがみられた。
×:著しい割れや膨れがみられた。
(5)耐摩耗性
加飾成形体のアイオノマー層上からテーパー摩耗試験(CS10摩耗輪/500g荷重/400回転)を施し、インジウム蒸着膜の露出の有無を評価した。このとき、インジウム蒸着膜の露出がみられない場合を「○」とし、インジウム蒸着膜が露出した場合を「×」として評価した。
(6)耐候性
加飾成形体に対して、サンシャインカーボンアーク灯式促進耐候性試験機(BPT=63℃、シャワー12分/時間)を用いて2,000時間照射を行ない、外観変化の有無を目視で観察し、下記の評価基準に従って評価した。
<評価基準>
○:外観変化は無かった。
△:クレージング、又は変着色がみられた。
×:著しいクラッキングや変着色がみられた。
前記表1に示すように、実施例で作製した加飾成形体は、耐摩耗性及び耐衝撃性が高く、硬度及び外力から与えられた応力等に対する耐性に優れると共に、層間での剥離や白化の発生がなく良好な成形性を示した。また、加飾成形体は、耐水性、耐候性にも優れていた。加飾成形体の加飾部は、均一な金属調の色相を有しており、所望の色彩や光沢が得られていた。
12・・・フィルムインモールド成形用の加飾フィルム
16・・・熱可塑性樹脂
20・・・加飾成形体

Claims (3)

  1. (A)アイオノマー層と、
    (B)エチレンテレフタレート単位及びブチレンテレフタレート単位を含むポリエステル系高分子化合物、並びにベンゼン環とシクロヘキサン環及びナフタレン環の少なくとも一方とを主鎖に有するポリエステル系高分子化合物からなる群より選択される少なくとも一種を含むポリエステル樹脂層と、
    (C)着色層と、
    をこの順に有するフィルムインモールド成形用加飾フィルム。
  2. 前記着色層(C)が金属層である請求項1に記載のフィルムインモールド成形用加飾フィルム。
  3. 前記金属層は、印刷又は蒸着により前記ポリエステル樹脂層(B)の表面に形成された請求項2に記載のフィルムインモールド成形用加飾フィルム。
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