JP2007176046A - 加飾成形体及びその製造方法 - Google Patents

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Koji Shioda
浩二 塩田
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Abstract

【課題】深絞りが可能な成形体に深み感のある意匠をもち、良好な表面強度及び全体強度を有する加飾成形体及びその製造方法の提供。
【解決手段】0.5mm以上の厚みの熱可塑性樹脂層と、熱可塑性樹脂フィルム層4と、装飾層5とがこの順に積層された三次元形状の加飾成形体を提供する。また、熱可塑性樹脂フィルム層4と、前記装飾層5とが積層された成形用積層シートを熱成形することにより三次元形状の成形体を得る工程と、得られた三次元形状の成形体を射出成形体金型に装着し、熱可塑性樹脂フィルム層側から成形樹脂を射出することを特徴とする三次元形状の加飾成形体の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、インキ又は金属蒸着層を有する三次元形状の加飾成形体、その製造方法及び成形用金型に関する。
色、柄で装飾された樹脂成形部材を製造する場合には、部材の表面に装飾する場合と透明な樹脂成形部材の裏側に装飾して、透明樹脂を通して装飾を見せる方法がある。高級感のある意匠を要求される場合には、透明樹脂層の厚みが深みを感じさせる意匠になるので裏側に装飾する方法が好まれる。樹脂成形部材裏面への装飾方法は、塗装方式やホットスタンピング、シルクスクリーン印刷等の手法が挙げられる。しかし塗装では単一色の装飾はできるが、柄装飾は出来ず、塗り分けにもマスキングが必要で前処理、後処理が煩雑である。またホットスタンピングやシルクスクリーン印刷では樹脂成形部材の形状が複雑であると対応出来ない欠点がある。
また、ベースフィルムに色、柄をあらかじめ印刷しておき金型内に装着、位置決め後に射出成形を行ない装飾層を転写させる成形転写方式や、金型内で真空成形後にそのまま射出成形に移行する射出同時成形方式などもある(例えば、特許文献1参照)。こうした方式では印刷を使用するために装飾に柄を用いることは可能であるが、深絞りを伴う三次元形状では装飾層に割れが生じて外観を損ない使用範囲が大きく限定される欠点がある。
ベースフィルムに色、柄をあらかじめ印刷しておき真空成形で三次元加飾成形体を製造する方法もあるが、こうした方法では成形体の強度はフィルムの厚みに依存して十分な表面強度と全体強度が得られず、また十分な厚みのある透明樹脂層を通しての装飾にはならず深み感のある意匠は得られない欠点がある。
特開平7−9484号公報
本発明の目的は、深絞りが可能な成形体に深み感のある意匠をもち、良好な表面強度及び全体強度を有する加飾成形体を提供することにある。
本発明者らは、検討の結果、特定以上の厚みを有する熱可塑性樹脂層と、装飾層を有する三次元形状の加飾成形体は、深み感と、良好な表面強度及び全体強度を有することを見出した。また、該三次元形状の加飾成形体は、熱可塑性樹脂フィルム層と、装飾層とが積層された成形用積層シートを熱成形して三次元形状の成形体を得、該成形体の熱可塑性樹脂フィルム層側から成形樹脂を射出することにより製造することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、0.5mm以上の厚みの熱可塑性樹脂層と、熱可塑性樹脂フィルム層と、装飾層とがこの順に積層された三次元形状の加飾成形体を提供する。
また、熱可塑性樹脂フィルム層と、前記装飾層とが積層された成形用積層シートを熱成形することにより三次元形状の成形体を得る工程と、
得られた三次元形状の成形体を射出成形体金型に装着し、熱可塑性樹脂フィルム層側から成形樹脂を射出することを特徴とする三次元形状の加飾成形体の製造方法を提供する。
さらに、熱可塑性樹脂フィルム層と、前記装飾層とが積層された成形用積層シートを熱成形することにより三次元形状の成形体を得る工程と、
得られた三次元形状の成形体を射出成形体金型に装着し、熱可塑性樹脂フィルム層側から成形樹脂を射出することを特徴とする三次元形状の加飾成形体の製造方法を提供する。
深絞りが可能な成形体に深み感のある意匠をもち、良好な表面強度及び全体強度を有する三次元形状の加飾成形体を煩雑な操作なしに、低コストで提供することができる。
以下に本発明について詳述する。
(熱可塑性樹脂)
本発明において使用される熱可塑性樹脂は透明または半透明の樹脂が好適に用いられる。例えばアクリル系樹脂、透明ABS樹脂、AS樹脂、MS樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂等を使用することが出来る。また透明性を損なわない範囲でこれらのブレンド物やポリマーアロイを使用することができる。特に透明性の美しさからアクリル系樹脂または透明ABS樹脂が好ましく使用される。また透明性を損なわない範囲での添加剤、例えばゴム、フィラーなどの補強剤を配合することができる。更に、透明性を損なわない範囲で着色してよい。
前記、熱可塑性樹脂は深み感のある意匠性を付与するためと、三次元形状の加飾成形体の強度を保持するために、樹脂一定の厚みが必要であり、樹脂層の厚みとしては0.5mm以上7mm以下が好ましい。
(熱可塑性樹脂フィルム層)
熱可塑性フィルム層は透明または半透明の単層または多層フィルムであって、加熱により展延性を示すフィルムが用いられる。
真空成形等の熱による成形工程を行なうため、軟化点が50〜300℃の範囲にある熱可塑性樹脂を主体とするフィルムが好ましく、例えば、アクリル系樹脂、透明ABS樹脂、AS樹脂、MS樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂等を使用することが出来る。また透明性を損なわない範囲でこれらのブレンド物やポリマーアロイを使用することができる。またこれらは単層、多層で使用しても良い。
これらのフィルムは前記の熱可塑性樹脂と射出成形工程で一体化する組合せであれば、特に限定されるものではないが、例を挙げればアクリル樹脂に対しては、アクリルフィルム、透明ABSフィルム、ASフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム等が使用される。また、透明ABS樹脂に対しては、透明ABSフィルム、アクリルフィルム、ASフィルム、ポリカーボネートフィルム等が使用される
(装飾層)
本発明における装飾層はインキ層、または高輝性インキ層、または金属蒸着層で装飾される。これらの各層は単層でも良いし、積層しても良い。積層する場合には互いを組み合わせても構わない。
(インキ層)
インキ層に使用される樹脂成分は特に限定されるものでなく、例えば、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ウレア樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル樹脂(塩ビ、酢ビ、塩ビ−酢ビ共重合樹脂)、ビニリデン樹脂、セルロース誘導体樹脂などが用いられたインキを使用すればよい。
(高輝性インキ層)
本発明では、装飾層として高輝度インキを使用することができる。高輝度インキは、金属薄膜細片を結着樹脂ワニス中に分散した、金属調で高い光沢を有するインキである。通常メタリックインキは金属粉が使用されるが、金属薄膜細片を使用した場合には、該インキを印刷または塗工した際に金属薄膜細片が被塗物表面に対して平行方向に配向する結果、従来の金属粉では得られない高輝度の鏡面状で金属調の高い光沢が得られる。
(金属蒸着層)
金属蒸着層に使用する金属としては、アルミニウム、クロム、ニッケル、金、銀、銅、ゲルマニウム、酸化亜鉛、酸化錫等の金属または合金または化合物を用いる。金属蒸着層の形成は真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法等で行う。
金属蒸着層は全面に実施しても良いし、マスキングによって部分的に実施して色インキとの組合せで柄にしてもよい。
(支持基材層)
熱可塑性フィルム層に装飾層を形成した後に、更に支持基材層を積層することもできる。この層には熱可塑性フィルムが使用され、軟化点が30〜300℃の範囲にある熱可塑性樹脂が好ましい。たとえば、ABS系樹脂、アクリル系樹脂、AS樹脂、AAS樹脂、AES樹脂、MS樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、塩ビ系樹脂、環状オレフィン/エチレン共重合体等の樹脂、ならびに、オレフィン系エラストマー、塩ビ系エラストマー、スチレン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー等の熱可塑性エラストマー等を用いることができる。
(接着剤層)
熱可塑性フィルム層に装飾層を形成した後に、更に支持基材層を積層する場合には接着剤層を介して積層することができる。接着方法としては慣用の溶剤型接着剤を用いたドライラミネーション法、ウェットラミネーション法、ホットメルトラミネーション法等で積層することができる。
接着剤を構成する成分は、慣用のフェノール樹脂系接着剤、レゾルシノール樹脂系接着剤、フェノール−レゾルシノール樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、ユリア樹脂系接着剤、ポリウレタン系接着剤、およびポリアロマチック系接着剤等の熱硬化性樹脂接着剤やエチレン不飽和カルボン酸等を用いた反応型接着剤、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、塩化ビニル、ナイロン、及びシアノアクリレート樹脂等の熱可塑性樹脂系接着剤やクロロプレン系接着剤、ニトリルゴム系接着剤、SBR系接着剤および天然ゴム系接着剤等のゴム系接着剤等が挙げられる。
これら接着剤の塗工方式は、グラビアコーター、グラビアリバースコーター、フレキソコーター、ブランケットコーター、ロールコーター、ナイフコーター、キスタッチコーター、コンマコーター等を用いることが出来る。
接着剤の塗布量は接着力が十分で乾燥性も良好なためには、0.1〜30g/mの範囲が好ましく、特に好ましくは2〜10g/mである。2g/mより少なすぎると接着力が弱くなり、10g/mより多くすると乾燥性が低下する。
接着剤層の厚さとしては、0.1〜30μmの範囲が好ましく、より好ましくは、1〜20μm、特に好ましくは、2〜10μmである。
また、支持基材層の接着面は、接着剤との親和性を向上させる目的で、プラズマ処理、コロナ処理、フレーム処理、電子線照射処理、サンディング処理、オゾン処理等の表面処理、または真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等のドライプレーティング処理が施されてもよい。
また、接着剤層に代えて、粘着剤層を設けることも出来る。粘着剤としては、アクリル系、ゴム系、ポリアルキルシリコン系、ウレタン系、ポリエステル系等が好ましく用いられる。
(成形法)
本発明の三次元形状の加飾成形体は、成形用積層シートを熱成形して三次元の成形体にした後に、インサート成形法により積層シートの透明フィルム側に射出樹脂を充填して成形する方法である。
本発明では、上記の成形法で得られた三次元形状の加飾成形体の装飾側にさらに樹脂を一体成形することによる三次元形状の加飾成形体を得ることができる。
(三次元形状の成形体製造方法)
(支持基材層のない場合)
成形用積層シートを三次元の成形体にするには熱成形を行なう。熱成形法としては真空成形、真空圧空成形、圧空成形、プラグアシスト成形、マッチモールド成形が好ましく用いられる。
(支持基材層のある場合)
成形用積層シートを三次元の成形体にするには熱成形を行なう。熱成形法としては真空成形、真空圧空成形、圧空成形、プラグアシスト成形、マッチモールド成形が好ましく用いられる。
(三次元形状の加飾体製造方法)
三次元形状の加飾体を成形するには、射出成形金型内に三次元の成形体をセットした後に三次元の成形体のアクリルフィルム側に射出樹脂を充填させるインサート成形法を用いて射出樹脂と三次元の成形体を一体化させる。
(端面まで成形用フィルムでカバーされた全体加飾体(端面での透け防止))
三次元形状の加飾体の末端部分の一例を図面により詳述すると、図1に示すように成形用積層シートを三次元の成形体とした後、装飾層5側を射出成形金型−コア2に向け、熱可塑性樹脂フィルム4を射出成形金型−キャビティ1側に向けてセットする。その後、射出成形樹脂3を充填して三次元形状の加飾体を作製する。三次元形状の加飾体の末端部分6には、成形用積層シートの三次元の成形体が入るようにセットする。このようにすると、透明の射出成形樹脂を通して末端部分が透けてみえることが無く、三次元形状の加飾体を全体加飾することが出来る。
(トリミング)
成形用積層シートを熱成形で三次元の成形体にした後に、射出成形金型内に装着するために不要部分をカットして射出成形金型の形状に合わせる。このとき射出成形樹脂の肉厚分だけ熱成形で得られた三次元の成形体の末端部分を長めにトリミングする。トリミングの方法については特に限定されるものではないが、例を挙げるとダイカット法、レーザーカット法、ウォータージェット法、抜き刃プレス法等がある。
(射出成形)
熱成形で得られた三次元の成形体を射出成形金型にセットした後に、三次元の成形体の熱可塑性樹脂フィルム側に射出成形樹脂を充填する。インサート射出成形の条件については特に制限は無く通常の射出成形の条件範囲内で対応できる。また射出成形機は縦型射出成形機、横型射出成形機にいずれを使用しても良い。
(射出成形体金型)
射出成形金型は熱成形で得られた三次元の成形体の熱可塑性樹脂フィルム側に射出樹脂が充填される向きにセットする機構を備える。竪型射出成形機の場合には金型の下型にセットすれば重力で固定される。金型の上型にセットしなければならない場合には三次元の成形体を金型から真空吸引して固定する方式や金型の凸部分を利用して被せる方法や、ピンで固定する方法等がある。横型射出成形機の場合には固定側、可動側のいづれにセットする場合も真空吸引して固定する方式や金型の凸部分を利用して被せる方法や、ピンで固定する方法等がある。
(製造例)
(熱成形用積層シートの製造)
(三次元形状の加飾成形体の製造:高輝性インキ層)
(1)アルミニウム薄膜細片
ニトロセルロース(HIG7)を、酢酸エチル:イソプロピルアルコール=6:4の混合溶剤に溶解して6%溶液とした。該溶液を、スクリーン線数175線/インチ、セル深度25μmのグラビア版でポリエステルフィルム上に塗布して剥離層を形成した。十分乾燥した後、剥離層上に厚さが0.04μmとなるようにアルミニウムを蒸着し、蒸着膜面に、剥離層に使用したものと同じニトロセルロース溶液を、剥離層の場合と同じ条件で塗布し、トップコート層を形成した。
上記蒸着フィルムを、酢酸エチル:イソプロピルアルコール=6:4の混合溶剤中に浸漬したポリエステルフィルムからアルミニウム蒸着膜を剥離したのち、大きさが約150μmとなるように攪拌機でアルミニウム蒸着膜を粉砕し、アルミニウム薄膜細片を調整した。
(2)アルミニウム薄膜細片スラリー
アルミニウム薄膜細片 10部
酢酸エチル 35部
メチルエチルケトン 30部
イソプロピルアルコール 30部
上記を混合し、攪拌しながら、下記組成のニトロセルロース溶液5部を加えた。
ニトロセルロース(HIG1/4) 25%
酢酸エチル:イソプロピルアルコール=6:4混合溶剤 75%
上記混合物を、温度を35℃以下に保ちながら、ターボミキサーを使用して、アルミニウム薄膜細片の大きさが5〜25μmになるまで攪拌し、アルミニウム薄膜細片スラリー(不揮発分10%)を調整した。
(3)高輝性インキ
(インキ調整)
アルミニウム薄膜細片スラリー(不揮発分10%) 30部
結着樹脂 カルボン酸含有塩酢ビ樹脂 3部
(UCC社製「ビニライト VMCH」)
カルボン酸含有ウレタン樹脂 7部
(大日本インキ化学製「タイフォースNT810−45」不揮発分45%)
酢酸エチル 23部
メチルエチルケトン 26部
イソプロパノール 10部
上記を混合し、不揮発分中のアルミニウム薄膜細片濃度35質量%である高輝性インキAを調整した。
(4)インキ
多色印刷用にウレタン系インキB(大日本インキ化学工業(株)製ユニビアA)を使用した。
(5)表面保護層及びインキ保護層
(水酸基含有共重合体)
温度調節機、窒素導入管、滴下装置(2基)、攪拌装置を備え付けた反応容器に酢酸ブチル850部、パーブチルZ(商品名、日本油脂株式会社製、t−ブチルパーオキシベンゾエート)1部を仕込み、窒素置換後、110℃まで1.5時間かけて昇温した。
別途、メチルメタクリレート660部、t−ブチルメタクリレート150部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート190部を良く攪拌した溶液(以下モノマー溶液と表記)と酢酸イソブチル200部、パーブチルO(商品名、日本油脂株式会社製、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート)9部、パーブチルZ(商品名、日本油脂株式会社製、t−ブチルパーオキシベンゾエート)2部をよく攪拌した溶液(以下、触媒溶液と表記する。)、それぞれを滴下装置に仕込み、直ちに窒素置換した。
窒素雰囲気下で反応容器内に前述のモノマー溶液と触媒溶液を反応温度の急激な上昇がないように監視しつつ、5時間かけて滴下した。滴下終了後、約15時間攪拌を続けた結果、固形分含有率60%の樹脂組成物(O−1)を得た。得られた樹脂の重量平均分子量は100,000、固形分の水酸基価は79KOHmg/g、Tgは95℃であった。
(ポリイソシアネート)
「BURNOCK DN−981」(商品名、大日本インキ化学工業株式会社製、イソシアヌレート環含有ポリイソシアネート、数平均分子量約1000、不揮発分75%(溶剤:酢酸エチル)、官能基数3、NCO濃度13〜14%)をポリイソシアネート化合物とする。
(インキ保護層)
上記水酸基含有共重合体と、ポリイソシアネート化合物を1:1の割合で配合、混合し、インキ保護層用溶液Cを調整した。
但し、重量平均分子量はGPC測定結果のポリスチレン換算値である。
固形分の測定は、アルミ皿に試料1gを採り、トルエンにて薄く均一に拡げた後、風乾し更に108℃の熱風乾燥機中で1時間乾燥し、乾燥後の重量より算出した。
水酸基価はモノマー仕込み組成よりKOH中和量として算出し、ポリマーTgはDSCにより、酸価は0.05mol・dm−3水酸化カリウムートルエン溶液滴定法により測定した。
(6)接着剤
二液型のポリエステルウレタン系接着剤(大日本インキ化学工業株式会社製「LX−630PX」と「KR−90」の二液混合型接着剤)を30:1の割合で混合し接着剤Dを調整した。
(7)支持基材層
支持基材層として住友化学工業製ランダムPP(ノーブレンFS3611)を押出機より投入し、加工温度200℃にてTダイから押出成形し、40℃に加熱されたキャストロールを通した後、巻き取り、無延伸原反シート(支持基材層E−1)を製造した。
次に、日本エイアンドエル株式会社製ABS(クララスチックMTH−2)を押出機ホッパーより投入し、加工温度240℃にてTダイから押出成形し、100℃に加熱されたキャストロールを通した後、巻き取り、無延伸原反シート(支持基材層E−2)を製造した。
(8)熱可塑性樹脂フィルム層
熱可塑性フィルム層として透明で表面光沢値が140%、鉛筆硬度H、Tg104℃(JISK7121)、厚さ125μmのゴム変性PMMAフィルムF−1(住友化学工業(株)製テクノロイS001)と同じく厚さ75μmのフィルムF−2を使用した。
次に、透明で表面光沢値が149%、鉛筆硬度2H、Tg113℃(JISK7121)、厚さ100μmのゴム変性PMMAフィルムF−3(鐘淵化学工業株式会社製)を使用した。
(9)蒸着層
熱可塑性フィルム層の片面に真空蒸着法により、アルミニウム蒸着層Gを成形した。
(10)シートの積層方法
熱可塑性フィルム層のインキ保護層用に調整した溶液をマイクログラビアコーターを使用し乾燥膜厚2μmとなるように塗工し、その後40℃で3日間エージング処理を行なった。次に高輝性インキをインキ保護層にマイクログラビアコーターを使用し乾燥膜厚が1μmになるように塗工した。
これとは別に、熱可塑性フィルム層の片面にコロナ処理を施した後に多色印刷用に用意したグラビアインキをグラビア多色印刷機にてコロナ処理面に印刷して装飾した。
次に、支持基材層の接着面にコロナ処理を行ない、グラビアコーターを使用し乾燥膜厚5μmになるように塗工し、上記高輝性インキ層またはインキ層またはアルミニウム蒸着層と貼り合せを行ない、その後40℃で3日間エージング処理を行なった。
(11)熱成形
得られた積層シートを三和興業株式会社製PLAVAC真空成形機を用いて金型温度60〜80℃、ヒーター温度300℃で真空成形を行ない三次元形状熱成形体を得た。
(12)インサート成形
熱成形で得られるのと同じ三次元形状をした射出成形用金型に対して、熱可塑性フィルム層に射出樹脂が充填される向きになるように、熱成形の加飾成形体を装着し、射出成形後に三次元形状の加飾成形体を得た。射出成形用樹脂はアクリル樹脂H−1(三菱レーヨン製アクリペットIRS204)、透明ABS樹脂H−2(日本エイアンドエル株式会社製クララスチックST−100)、AS樹脂H−3(日本エイアンドエル株式会社製ライタックA230PCU)、ポリカーボネート樹脂H−4(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製ユーピロンH−3000)を使用した。射出成形機は住友重機械工業株式会社製の住友ネスタールC160を使用した。金型は三次元形状の熱成形体に対して熱可塑性フィルム側に3mm厚と0.3mm厚の射出樹脂を充填できる構造である。
(実施例1)
積層シートの層構成を熱可塑性樹脂フィルム層F−1/インキB/接着剤D/支持基材E−2とし、インキBでは4色印刷機を用いて木目柄の意匠とした。積層シートは真空成形の後に、射出成形金型に装着し金型温度70℃、シリンダー温度260℃で積層シートのF−1側に射出成形用樹脂H−1を3mm厚で射出成形して良好な外観のインサート成形品を得た。
(実施例2)
層構成を熱可塑性樹脂フィルム層F−1/インキ保護層C/高輝性インキA/接着剤D/支持基材E−1とし、インキAはマイクログラビアコーターで全面に塗工した。この積層シートを実施例1と同じく、真空成形の後に金型温度70℃、シリンダー温度260℃で射出成形用樹脂H−2を3mm厚で射出成形して、良好な外観のインサート成形品を得た。
(実施例3)
層構成を熱可塑性樹脂フィルム層F−1/インキB/インキ保護層C/高輝性インキA/接着剤D/支持基材E−2とし、インキBでは4色印刷機を用いて幾何学模様を印刷し、高輝性インキAではマイクログラビアコーターで全面に塗工した。この積層シートを実施例2と同じく、真空成形の後に射出成形用樹脂H−2を3mm厚で射出成形して、良好な外観のインサート成形品を得た。
(実施例4)
層構成を熱可塑性樹脂フィルム層F−1/アルミニウム蒸着層G/接着剤D/支持基材E−2とし、この積層シートを実施例1と同じく、真空成形の後に金型温度70℃、シリンダー温度260℃射出成形用樹脂H−3を3mm厚で射出成形して、良好な外観のインサート成形品を得た。
(実施例5)
実施例1の射出成形樹脂H−1をH−4に替えて、金型温度80℃、シリンダー温度270℃にて3mm厚で射出成形して、良好な外観のインサート成形品を得た。
(実施例6)
積層シートの層構成を熱可塑性樹脂フィルム層F−1/インキBとし、インキBでは4色印刷機を用いて木目柄の意匠とした。積層シートは真空成形の後に、射出成形金型に装着し金型温度70℃、シリンダー温度260℃で積層シートのF−1側に射出成形用樹脂H−1を3mm厚で射出成形して良好な外観のインサート成形品を得た。
(比較例1)
(塗装法)
射出成形用樹脂H−1を使用して射出成形を行ない、装飾層の相当する側に、スプレーガンで単色の塗装を施した。スプレー前には反対面の色回りを防止するために、成形品の3次元形状に追従した複雑なマスキングを行ったが、端面での透けが発生した。また、多色への対応ができなかった。
(比較例2)
(射出樹脂なし)
射出成形を実施していない以外は実施例1と同じ三次元形状の意匠体を作製した。この意匠体は指で押すと容易に変形して破損した。また外観上も深み観の無い意匠であった。
(比較例3)
(射出樹脂なし)
実施例1の金型を0.3mm厚用に替えて、金型温度80℃、シリンダー温度270℃で射出成形を実施した。この意匠体は指で押すと容易に変形した。また外観上も深み観の無い意匠であった。
(応用例)
実施例1の三次元形状の加飾成形体に接着剤を塗ってウレタン樹脂と接着してシステムキッチンの扉に成形することにより、深み感のある意匠を有する扉が得られた。
システムキッチン・洗面ドレッシング・バスルーム−−深み感のある意匠で、トータルデザインが可能
本発明の三次元形状の加飾体の末端部分の一例を示す断面図である。
符号の説明

1:射出成形金型―キャビティ
2:射出成形金型−コア
3:射出成形樹脂
4:熱可塑性樹脂フィルム
5:装飾層
6:インサート成形品端面



Claims (11)

  1. 0.5mm以上の厚みの熱可塑性樹脂層と、熱可塑性樹脂フィルム層と、装飾層とがこの順に積層された三次元形状の加飾成形体。
  2. 0.5mm以上の厚みの熱可塑性樹脂層と、熱可塑性樹脂フィルム層と、装飾層と、支持基材層とがこの順に積層された請求項1に記載の加飾成形体。
  3. 前記熱可塑性樹脂層が、透明又は半透明の熱可塑性樹脂からなる層である請求項1又は2に記載の三次元形状の加飾成形体。
  4. 前記熱可塑性樹脂フィルム層が透明又は半透明の熱可塑性樹脂からなる層である請求項1〜3のいずれかの請求項に記載の三次元形状の加飾成形体。
  5. 前記装飾層がインキ層又は金属蒸着層である請求項1〜4のいずれかの請求項に記載の三次元形状の加飾成形体。
  6. 前記装飾層が、金属薄膜細片と結着樹脂を含有し金属調の光沢を有する高輝性インキ層である請求項5に記載の三次元形状の加飾成形体。
  7. 前記装飾層と支持基材層との間に、接着剤層を有する請求項2記載の三次元形状の加飾成形体。
  8. 請求項1〜7のいずれかの請求項に記載の三次元形状の加飾成形体の前記装飾層側に更に樹脂を一体成形して得られる三次元形状の加飾成形体。
  9. 熱可塑性樹脂フィルム層と、前記装飾層とが積層された成形用積層シートを熱成形することにより三次元形状の成形体を得る工程と、
    得られた三次元形状の成形体を射出成形体金型に装着し、熱可塑性樹脂フィルム層側から成形樹脂を射出することを特徴とする三次元形状の加飾成形体の製造方法。
  10. 熱可塑性樹脂フィルム層と、前記装飾層と支持基材層とがこの順に積層された成形用積層シートを熱成形することにより三次元形状の成形体を得る工程と、
    得られた三次元形状の成形体を射出成形体金型に装着し、熱可塑性樹脂フィルム層側から成形樹脂を射出することを特徴とする三次元形状の加飾成形体の製造方法。
  11. 0.5mm以上の厚みの熱可塑性樹脂層と、熱可塑性樹脂フィルム層と、装飾層とがこの順に積層されることを特徴とする請求項9又は10に記載の三次元形状の加飾成形体の製造方法に用いる射出成形体金型。
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