JP2014177062A - 加飾成形体の製造方法 - Google Patents

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浩二 塩田
Hideki Kawagishi
秀樹 川岸
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Abstract

【課題】金属調の意匠を与え、均一な金属光沢層を有する加飾フィルムを使用して、複雑な意匠を与える加飾成形体の製造方法を提供する。
【解決手段】基体フィルム上に蒸着層を有する加飾フィルム6を、1対の金型5,7内に設置する工程と、ゲート部8を有する金型7のゲート8から成形樹脂を射出し、成形樹脂表面に前記加飾フィルムを一体化接着させる工程と、を含む加飾成形体の製造方法であって、前記金型7の内部に凹凸が設けられていることを特徴とする加飾成形体の製造方法。
【選択図】図3

Description

本発明は、金属調の意匠を与える加飾成形体の製造方法に関する。
従来から、物品表面を装飾するのにインサートフィルムや転写フィルムなどの加飾フィルムが用いられている。
インサートフィルムは、基体フィルム上に、絵柄層や接着層などで構成される加飾層を設けたものである。インサートフィルムにより被加飾物面を装飾するインサート方法は、インサートフィルムを加熱加圧して被加飾物面に貼合し、被加飾物面の装飾を行う方法であり、特に、インサートフィルムを金型のキャビティ内に配置した状態で金型内に挟み込み、当該金型内に溶融樹脂を射出したのち適宜冷却して樹脂成形品を得るのと同時に、当該樹脂成形品の表面にインサートフィルムを貼合して、樹脂成形品の表面に装飾を行う成形同時インサート法が知られている。
また転写フィルムは、基体フィルム上に、剥離層、絵柄層、接着層などで構成される加飾層(転写層ともいう)を設けたものである。転写フィルムにより被転写物面を装飾する転写法は、転写フィルムを加熱加圧して加飾層を被転写物に密着させた後、基体フィルムを剥離して、被転写物面に加飾層のみを転移して装飾を行う方法であり、特に、転写フィルムを金型のキャビティ内に配置した状態で金型内に挟み込み、当該金型内に溶融樹脂を射出したのち適宜冷却して樹脂成形品を得るのと同時に、当該樹脂成形品の表面に転写フィルムを接着したのち基体フィルムを剥離して、樹脂成形品の表面に装飾を行う成形同時転写法が知られている。
なお、インサートフィルムと転写フィルムとが異なる点は、樹脂成形品に貼り付けた後において、転写フィルムは基体フィルムを剥離するのに対して、インサートフィルムは基体フィルムを剥離しない点である。すなわち、転写フィルムは基体フィルムの剥離を容易にするために剥離層を備えているのに対して、インサートフィルムは基体フィルムを剥離しないので剥離層を備える必要がない点で、両者は異なっている。ここでは、両者を含み、物品表面を装飾する用途に使用されるものを加飾フィルムと呼んでいる。
近年、携帯電話やパーソナルコンピュータの筐体などに用いられる樹脂成形品においては、デザインの嗜好が多様化しており、様々なデザインのものが求められている。その要望に応える加飾フィルムとして、金属光沢膜層を備えた加飾フィルムがある。特許文献1には、互いに重ならないように形成された2つの金属光沢膜層を備える加飾フィルムが開示されている。この加飾フィルムを用いることにより、物品表面に2種類の金属光沢を付与することができ、デザインの多様化を図ることができる。
しかし該方法は、2つの金属光沢膜層を加飾フィルムに備える必要があり、水溶性パターン形成と金属光沢膜層形成と水洗の3工程を2度繰り返す必要があり工程が煩雑化する等の問題があった。
特開2009−6613号公報
本発明が解決しようとする課題は、金属調の意匠を与え、均一な金属光沢層を有する加飾フィルムを使用して、複雑な意匠を与える加飾成形体の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、射出成形に使用する金型として、特定の金型を使用することで、均一な金属光沢層を有する加飾フィルムを使用しても複雑な意匠を与える加飾成形体が得られることを見出した。
即ち本発明は、基体フィルム上に蒸着層を有する加飾フィルムを、1対の金型内に設置する工程と、ゲートを有する金型Aのゲートから成形樹脂を射出し、成形樹脂表面に前記加飾フィルムを一体化接着させる工程と、を含む加飾成形体の製造方法であって、前記金型Aの内部に凹凸が設けられている加飾成形体の製造方法を提供する。
本発明により、金属調の意匠を与え、均一な金属光沢層を有する加飾フィルムを使用して、複雑な意匠を与える加飾成形体を提供できる。
以下、本発明の最良の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
本発明で使用する。加飾フィルムについて説明する。ここでは、加飾フィルムとして転写フィルムを例に挙げて説明する。図1は、本発明で使用する転写フィルムの断面図である。
図1において、転写フィルムは、基体フィルム(図1における1)と、基体フィルム1上に積層され、少なくとも蒸着層(図1における2)、蒸着保護層(図1における3)、接着層(図1における4)の順に積層して構成された加飾層とを有している。該転写フィルムを使用した成形同時転写法では、該フィルムの接着層側に溶融樹脂が射出されるように金型のキャビティ内に配置した状態で金型内に挟み込み、射出成形を行う。
(基体フィルム)
本発明で使用する基体フィルムとしては、特に限定なく公知の熱転写用基体フィルムを使用できる。具体的には例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアミド6、66(PA6,PA66)、ポリイミド(PI)、ポリビニルアルコール(PVA)等の耐熱樹脂製フィルムが好適に用いられる。中でもPET樹脂製フィルムがコスト、美麗性に優れるので最も好適に用いられる。ベース樹脂フィルム1の厚さは20〜125μmが好ましいが、立体形状への追従性を考慮すると30〜75μmが好ましい。
前記基体フィルムと後述の転写層との間には、離型層を設けても良い。離型層は、被転写基材あるいは射出樹脂の成型物である射出成形体に転写される転写層と基体フィルムを離型する層として機能する。離型層には転写層との離型性が要求されるが、ハンドリングの際、基材フィルムと転写層が離型しない程度の転写層との接着性も要求される。
離型層としては、通常用いられているもので良く、シリコーン樹脂系、フッ素樹脂系、セルロース誘導体樹脂系、尿素樹脂系、ポリオレフィン樹脂系、メラミン樹脂系等の離型剤を用いることができる。例えば、ベース樹脂フィルム1としてPET樹脂製フィルムを用いた場合には適度な離型性を有するシリコーン樹脂系離型剤、メラミン樹脂系離型剤が好適に用いられる。離型層2はロールコーター等を用いて塗布することができ、その厚さは0.01μm〜5μmが好ましい。
(加飾層)
加飾層は、基体フィルム側から、少なくとも、蒸着層、蒸着保護層層、接着層で構成される。本発明においては、得られる加飾成形体の蒸着層を保護する目的で、保護層を有していてもよく好ましい。保護層としては、熱可塑性樹脂層等があげられるが、強度や透明性の点から活性エネルギー線重合性樹脂組成物層を少なくとも有する層が好ましい。
(転写層 活性エネルギー線重合性樹脂組成物層)
本発明で使用する活性エネルギー線重合性樹脂組成物層は特に限定はないが、ラジカル重合性不飽和基を含有する(メタ)アクリル樹脂を主成分とする活性エネルギー線重合性樹脂組成物層が好ましい。
(ラジカル重合性不飽和基を含有する(メタ)アクリル樹脂)
本発明で使用するラジカル重合性不飽和基を含有する(メタ)アクリル樹脂は、特に限定はなく公知の方法で得た(メタ)アクリル樹脂を使用することができる。具体的には例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸エチルヘキシル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸エチルヘキシル、メタクリル酸、アクリル酸、アクリロニトリル、メタクリルニトリル等の( メタ) アクリル系モノマーを単独もしくは共重合して得た(メタ)アクリル樹脂、あるいは前記(メタ)アクリレート類を主成分とし、必要に応じてこれらと共重合可能な重合性二重結合を有するモノマー、例えばエチレン、ブタジエン、イソプレン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、スチレン、α − メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、N − シクロヘキシルマレイミド、N − エチルマレイミド、N − フェニルマレイミド等が共重合成分として添加された(メタ)アクリル樹脂が挙げられる。
前記(メタ)アクリル樹脂は前記(メタ)アクリル系モノマーあるいは共重合可能な重合性二重結合を有するモノマーを常法により重合することで得られる。
前記(メタ)アクリル樹脂へ、重合性不飽和基を導入する方法としては、例えば、予め前記共重合成分としてアクリル酸やメタクリル酸等のカルボキシル基含有重合性単量体や、ジメチルアミノエチルメタクリレートやジメチルアミノプロピルアクリルアミド等のアミノ基含有重合性単量体を配合し共重合させ、カルボキシル基やアミノ基を有する前記共重合体を得、次に該カルボキシル基やアミノ基と、グリシジルメタクリレート等のグリシジル基及び重合性不飽和基を有する単量体を反応させる方法、
予め前記共重合成分として2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート等の水酸基含有単量体を配合し共重合させ、水酸基を有する前記共重合体を得、次に該水酸基と、イソシアネートエチルメタクリレートの等のイソシアネート基と重合性不飽和基を有する単量体を反応させる方法、
予め前記共重合成分としてグリシジルメタクリレート等のグリシジル基含有重合性単量体を配合し共重合させ、グリシジル基を有する前記共重合体を得、次にグリシジル基と、アクリル酸やメタクリル酸のカルボキシル基含有重合性単量体を反応させる方法、
重合の際にチオグリコール酸を連鎖移動剤として使用して共重合体末端にカルボキシル基を導入し、該カルボキシル基に、グリシジルメタクリレートの等のグリシジル基と重合性不飽和基を有する単量体を反応させる方法、
重合開始剤として、アゾビスシアノペンタン酸の等のカルボキシル基含有アゾ開始剤を使用して共重合体にカルボキシル基を導入し、該カルボキシル基にグリシジルメタクリレートの等のグリシジル基と重合性不飽和基を有する単量体を反応させる方法等が挙げられる。
中でも、アクリル酸やメタクリル酸等のカルボキシル基含有単量体あるいはジメチルアミノエチルメタクリレートやジメチルアミノプロピルアクリルアミド等のアミノ基含有単量体を共重合しておき、そのカルボキシル基あるいはアミノ基とグリシジルメタクリレートの等のグリシジル基と重合性不飽和基を有する単量体を反応させる方法、あるいは、予め前記共重合成分としてグリシジルメタクリレート等のグリシジル基含有重合性単量体を配合し共重合させ、グリシジル基を有する前記共重合体を得、次にグリシジル基と、アクリル酸やメタクリル酸のカルボキシル基含有重合性単量体を反応させる方法が最も簡便であり好ましい。
前記ラジカル重合性不飽和基を含有する(メタ)アクリル樹脂は、活性エネルギー線重合性樹脂組成物の全固形分量の10〜99.9重量%含有することが好ましく、40〜99.9重量%の範囲が最も好ましい。10%未満では常温で液状であるエポキシ化植物油(メタ)アクリレートの添加により、表面にタック残存のおそれがある。
(その他の成分 光重合開始剤)
本発明の熱転写用フィルムを紫外線等で硬化させる場合は、前記活性エネルギー線重合性樹脂組成物層に光重合開始剤を使用してもよく好ましい。光重合開始剤の例としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン系化合物;2,4,6−トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキシド等のアシルホスフィンオキシド系化合物;ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル−4−フェニルベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;2,4−ジメチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;4,4′−ジエチルアミノベンゾフェノン等のアミノベンゾフェノン系化合物;ポリエーテル系マレイミドカルボン酸エステル化合物などが挙げられ、これらは併用して使用することもできる。光重合開始剤の使用量は、活性エネルギー線重合性樹脂組成物の全固形分量に対して、0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜15重量%である。光増感剤としては、例えば、トリエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル等のアミン類が挙げられる。さらに、ベンジルスルホニウム塩やベンジルピリジニウム塩、アリールスルホニウム塩などのオニウム塩は、光カチオン開始剤として知られており、これらの開始剤を用いることも可能であり、上記の光重合開始剤と併用することもできる。
(その他の成分 熱可塑性樹脂)
また、熱可塑性樹脂を併用してもよく好ましい。使用する熱可塑性樹脂としては、活性エネルギー線硬化性樹脂に相溶できるものが好ましく、具体例としては、ポリメタアクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリエステルなどが挙げられる。これらはホモポリマーまたは複数のモノマーが共重合したものであって良い。熱可塑性樹脂は、非重合性であることが好ましい。
なかでも、ポリスチレンおよびポリメタアクリレートは、ガラス転移温度(以下Tgと称す)が高く硬化性樹脂層の粘着性低減に適しているために好ましく、特にポリメチルメタアクリレートを主成分としたポリメタアクリレートが透明性、耐溶剤性および耐擦傷性に優れる点で好ましい。
また、熱可塑性樹脂の分子量とTgは塗膜形成能に大きな影響を与える。硬化性樹脂の流動性を抑制し、かつ硬化性樹脂層の活性化を容易にするために、熱可塑性樹脂の質量平均分子量は好ましくは3,000〜40万、より好ましくは1万〜20万であり、Tgは好ましくは35℃〜200℃、より好ましくは35℃〜150℃である。35℃付近の比較的低いTgを有する熱可塑性樹脂を用いる場合は、熱可塑性樹脂の質量平均分子量は10万以上であることが好ましい。
熱可塑性樹脂は、あまり多いと硬化性樹脂の硬化反応を阻害するので、硬化性樹脂層の全樹脂量100重量%に対して熱可塑性樹脂は70重量%を超えない範囲で添加することが好ましい。
(イソシアネート化合物)
本発明の熱転写用フィルムは活性エネルギー線硬化性であるが、熱硬化系を併用させてもよく好ましい。前記ジカル重合性不飽和基を含有する(メタ)アクリル樹脂が水酸基を有する場合、イソシアネート化合物を添加することで、ラジカル重合性不飽和基由来の架橋構造とは異なるウレタン架橋構造を導入することができ好ましい。
前記ラジカル重合性不飽和基を含有し、且つ水酸基を有する(メタ)アクリル樹脂としては、例えば、アクリル酸やメタクリル酸等のカルボキシル基含有単量体を共重合しておき、そのカルボキシル基とグリシジルメタクリレートの等のグリシジル基と重合性不飽和基を有する単量体を反応させる方法、あるいは、予め前記共重合成分としてグリシジルメタクリレート等のグリシジル基含有重合性単量体を配合し共重合させ、グリシジル基を有する前記共重合体を得、次にグリシジル基と、アクリル酸やメタクリル酸のカルボキシル基含有重合性単量体を反応させる方法により得た(メタ)アクリル樹脂、あるいは、アクリル酸ヒドロキシエチル等の水酸基を有する(メタ)アクリレートを共重合させた(メタ)アクリル樹脂等が挙げられる。
イソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類、メタ−キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチル−メタ−キシリレンジイソシアネート等のアラルキルジイソシアネート類を主原料とするポリイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、1,5−ペンタメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−(又は、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソイシアネート、リジンイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、1,4−ジイソシアネートシクロヘキサン、1,3−ビス(ジイソシアネートメチル)シクロヘキサン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネートから得られる脂肪族ポリイソシアネートであるアロファネート型ポリイソシアネート、ビウレット型ポリイソシアネート、アダクト型ポリイソシアネート及びイソシアヌレート型ポリイソシアネートが挙げられ、いずれも好適に使用することができる。
なお、前記したポリイソシアネートとしては、種々のブロック剤でブロック化された、いわゆるブロックポリイソシアネート化合物を使用することもできる。ブロック剤としては、例えばメタノール、エタノール、乳酸エステル等のアルコール類;フェノール、サリチル酸エステル等のフェノール性水酸基含有化合物類;ε−カプロラクタム、2−ピロリドン等のアマイド類;アセトンオキシム、メチルエチルケトオキシム等のオキシム類;アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン等の活性メチレン化合物類等を使用することができる。ブロックポリイソシアネート化合物を使用することにより、後述する活性エネルギー線重合性樹脂組成物層を形成する際の塗料に対して、アルコールのような水酸基含有の溶剤を使用することも可能になる。
(その他の成分)
また、活性エネルギー線重合性樹脂組成物層は、無機あるいは金属化合物、有機微粒子等を添加することもできる。無機あるいは金属化合物としては、シリカ、シリガゲル、シリカゾル、シリコーン、モンモリロナイト、マイカ、アルミナ、酸化チタン、タルク、硫酸バリウム、ステアリン酸アルミニウム、炭酸マグネシウム、ガラスビーズ等があげられる。また該無機あるいは金属化合物を有機処理した、オルガノシリカゾル、アクリル変性シリカ、クロイサイト等を使用してもよい。有機微粒子としては、例えば、ポリエチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、フッ素樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂およびフェノール樹脂等の微粒子があげられる。これらは、単独で使用しても、複数を併用してもよい。その他本発明の効果を損なわない範囲において、汎用の添加剤、例えば紫外線吸収剤、レベリング剤、アンチブロッキング剤等を添加することもできる。
本発明で使用する活性エネルギー線重合性樹脂組成物層の厚みとしては、被転写基材あるいは射出成型体の表面保護及び凹凸の固定化の観点から、1〜50μmが好ましく、3〜40μmがより好ましい。求める意匠にもよるが、艶消し調のような、きめ細かい凹凸を効果的に発現させるためには、1〜20μmが好ましく、1〜10μmがより好ましい。
(蒸着層)
本発明の熱転写用フィルムで使用する蒸着層は、真空蒸着法、スパッタリング蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法等の公知の方式で形成することができる。また、蒸着層に使用される金属についても特に制約はなく、スズ、インジウム、亜鉛、鉛、クロム、チタン、鉄、ニッケル、コバルト、鉛、ビスマス、ケイ素、ゲルマニウム、アルミニウム、銅、銀、金やこれらの合金等の金属が使用できる。
加飾成形体の製造において加飾フィルムが引き伸ばされる事を考慮すると蒸着層は島状構造となる蒸着層とするのがよく、スズ、インジウム、亜鉛、鉛、クロム、チタン、鉄、ニッケル、コバルト、鉛、ビスマス、ケイ素、ゲルマニウムが好ましく、特に好ましくはスズ、インジウムが挙げられる。
蒸着層の膜厚は特に限定はないが、通常1nm〜1000nmの範囲で設けられる場合が多い。中でも5nm〜500nmの範囲が好ましく、10〜300nm の範囲が最も好ましい。
(蒸着前アンカー層)
前記蒸着層は、形成する面の状況によって光輝感が影響され、仕上がり感に差が生じたり、蒸着膜の密着性が悪くなることがある。例えば、基体フィルムの表面がシャークスキン、フィッシュアイ、ダイライン、キズ、スジ、発泡などにより表面平滑性が損なわれている場合や、保護層、さらには保護層にベタや柄を意匠性を付与する目的で施した際の樹脂の組み合わせによっては密着性が損なわれる場合がある。従って、蒸着により薄膜層を形成する前に蒸着前アンカー層を形成させても良い。蒸着前アンカーに使用される樹脂は蒸着の密着性を阻害しないものであれば特に制約はなく、例えば、アクリル樹脂系、ポリウレタン樹脂系、ポリエステル樹脂系、ビニル樹脂系(塩ビ、酢ビ、塩ビ−酢ビ共重合樹脂)、塩素化オレフィン樹脂系、エチレン−アクリル樹脂系、石油系樹脂系、セルロース誘導体樹脂系などの公知の樹脂を用いることができる。
前記蒸着前アンカー層の膜厚は、例えば0.1μm〜10μmの範囲が好ましく、0.5μm〜3μmの範囲が最も好ましい。
(蒸着保護層)
前記蒸着層は一般的には1nmから1000nmと非常に薄く傷つきやすく、剥離しやすい。また酸化されやすく金属光沢が損なわれる特徴を有している。そのため蒸着層の金属光沢を保持し、傷を防止するため蒸着保護層を設ける必要がある。蒸着保護層としては特に限定されるものではないが、例えば、アクリル樹脂系、ポリウレタン樹脂系、ポリエステル樹脂系、シリコーン系、シロキサン系、フッ素系、メラミン系、ビニル樹脂系(塩ビ、酢ビ、塩ビ−酢ビ共重合樹脂)、塩素化オレフィン樹脂系、エチレン−アクリル樹脂系、石油系樹脂系、セルロース誘導体樹脂系などの公知の樹脂を用いることができる。
前記蒸着前保護層の膜厚は、例えば0.1μm〜10μmの範囲が好ましく、0.5μm〜2μmの範囲が最も好ましい。
(全光線透過率)
前記蒸着層の全光線透過率は2%〜40%の範囲が好ましく、5%〜25%の範囲が最も好ましい。全光線透過率が2%未満の場合、射出成形による意匠性が、視覚的に認識できるほど発現されない場合があり、特にアルミニウムのように蒸着層が連続膜となる場合には、得られる加飾成形体がひび割れたような外観になることがあり意匠性を大きく損なう場合がある。一方、全光線透過率が40%を超える場合、蒸着層に金属特有の光輝感が得られ難くなり、所望の意匠性が発現しにくい場合がある。
(印刷層)
本発明においては、その他、汎用の印刷インキまたは塗料を使用した印刷層を有していてもよい。具体的には、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷、熱転写印刷などを用いて形成することができる。印刷層の乾燥膜厚は0.5〜15μmであることが好ましく、更に好ましくは、1〜7μmである。また絵柄のない着色層や、無色のワニス樹脂層についても塗工によって形成することができる。
また、印刷の場合の印刷柄は、版を起こせるあるいは印字できる模様や文字であればどのような印刷柄も可能である。またベタ版であってもよい。
印刷インキまたは塗料に使用する着色材としては、公知の有機顔料あるいは無機顔料を使用して印刷することができ好ましい。
前記有機顔料としては、たとえば、キナクリドン系顔料、フタロシアニン系顔料、スレン系顔料、ペリレン系顔料、フタロン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、メチン・アゾメチン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、アゾレーキ顔料系顔料、不溶性アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料等が挙げられる。
また、無機顔料としては、カーボンブラック、酸化鉄系、酸化チタン系等の無機顔料、アルミニウム粉、ブロンズ粉等の金属粉顔料、酸化チタン被覆雲母等の真珠光沢顔料等が挙げられる。
前記インキに含有されるワニス用樹脂は、特に限定はないが、例えば、アクリル樹脂系、ポリウレタン樹脂系、ポリエステル樹脂系、ビニル樹脂系(塩ビ、酢ビ、塩ビ−酢ビ共重合樹脂)、塩素化オレフィン樹脂系、エチレン−アクリル樹脂系、石油系樹脂系、セルロース誘導体樹脂系などの公知のインキを用いることができる。
また、インキに含有される有機溶剤としては、硬化性樹脂層あるいは後述の剥離性フィルムを侵すものでなければ特に制限なく使用でき、具体例として、例えば、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサンもしくはミネラルスピリット等の炭化水素系有機溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートもしくは酢酸アミル等のエステル系有機溶剤、n−ブチルエーテル、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルもしくはジエチレングリコール等のエーテル系有機溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミノケトン、ジイソブチルケトンもしくはシクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤、N−メチルピロリドン等の含窒素系、「スワゾール310、スワゾール1000、スワゾール1500」〔コスモ石油(株)製〕等の芳香族石油溶剤系を挙げることができる。これらの有機溶剤は、単独使用でも2種以上の併用でもよい。
印刷インキ又は塗料には、基材樹脂と着色剤のほか、必要に応じて可塑剤、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、艶消し剤、溶媒などを含有させてよい。
(接着層)
接着層としては例えば、アクリル樹脂系、ウレタン樹脂系、ウレタン変性ポリエステル樹脂系、ポリエステル樹脂系、エポキシ樹脂系、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)系、ビニル樹脂系(塩ビ、酢ビ、塩ビ−酢ビ共重合樹脂)、スチレン−エチレン−ブチレン共重合体樹脂系、ポリビニルアルコール樹脂系、ポリアクリルアミド樹脂系、ポリアクリルアミド樹脂系、イソブチレンゴム、イソプレンゴム、天然ゴム、SBR、NBR、シリコーンゴム等が挙げられ、溶剤型又は無溶剤型のものが使用できる。
(加飾成形体の製造方法)
本発明の加飾成形体の製造方法は、前記加飾フィルムを、1対の金型内に設置する工程と、ゲートを有する金型Aのゲートから成形樹脂を射出し、成形樹脂表面に前記加飾フィルムを一体化接着させる工程と、を含む。
前記加飾フィルムを1対の金型内に設置する工程の具体的態様を図2に示す。加飾フィルムの金型内へのセットの仕方の具体例としては、ロール軸に長尺の加飾フィルムを一旦巻き取ってロール状巻物とし、このロール状巻物を射出成形用金型の上部に載置し、ロール状巻物から加飾フィルムを巻き出しながら、金型内を通過させ、射出成形用金型の下部に設置したフィルム巻き取り手段のロール軸により加飾フィルムを巻き取るようにしてもよい。別の例としては、枚葉の加飾フィルムを用いて、ロボットや人手により金型内に入れてもよい。加飾フィルムを金型内に入れた後に真空成形等する場合は、金型に対する加飾フィルムの位置を決定した後、真空成形する前に加飾フィルムを射出成形用金型の表面にクランプ部材によって押さえ付けるとよい。
次に、ゲートを有する金型Aのゲートから成形樹脂をキャビティに射出し、成形樹脂表面に前記加飾フィルムを一体化接着させる。(図3参照)
射出される成形樹脂としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、PPとPEの混合物などのポリオレフィン系樹脂;アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂(ABS樹脂);ポリカーボネート(PC);ABS樹脂とPCの混合物;アクリル樹脂;ポリスチレン;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、及びこれらの混合物などが挙げられる。またこれらの成形樹脂はハロゲン系、リン系、窒素系、シリコン系、金属水酸化物等の難燃剤で難燃化されていてもよく、またガラス繊維、炭素繊維、タルク、シリカ、酸化チタン、カオリン、ウィスカ等の無機系フィラーやポリエステル系、アクリル系、フェノール系、ポリオレフィン系、ウレタン系、エポキシ系、EVA系、EPDM系等の有機系フィラーを配合させてもよい。
本発明においては、ゲート部を有する金型を金型Aとし、ゲート部を有さない金型を金型Bと称する。金型Aからゲート部を通じて射出された成形樹脂は、設置された加飾フィルムを金型Bに圧着させる形でキャビティ内に充填される。
ゲート部の位置は特に限定はない。射出成型用金型には、普通金型として2プレートや3プレート金型があり、また、特殊金型として、スライドコア金型・割り金型・ネジ金型・スライドコアと割り型の組み合わせ金型等がある。例えば2プレート金型の場合は、コア側の金型に設置してもよいし、キャビティ側の金型に設置してもよい。
本発明で使用する金型Aには凹凸が設けられることが特徴である。該凹凸を有することで、均一な金属光沢層を有する加飾フィルムを使用しても複雑な意匠を与えることが可能となる。
金型Aの凹凸部の具体的態様の断面図を図4に示す。図4において、金型A(図4における7)に設けられる凹凸の肉厚は、前記加飾成形体の一般肉厚を1(図4における10)としたときに、前記加飾成形体の前記金型Aの凹部にあたる肉厚が1.1〜2の範囲(図4における11)であり、前記加飾成形体の前記金型Aの凸部にあたる肉厚が0.5〜0.9の範囲(図4における12)であることが特徴である。即ち、一般肉厚部に対して凹部となる箇所の加飾成形体の肉厚(以下凹部肉厚と称す)は、一般肉厚よりも最大2倍の肉厚を有し、一方凸部となる箇所の加飾成形体の肉厚(以下凸部肉厚と称す)は、一般肉厚よりも最少0.5倍の肉厚を有する。
ここで一般肉厚とは加飾成形体の意匠を発現させる主たる面で中心的な肉厚を意味する。一般肉厚は、得られる加飾成形体の用途によって異なるが、例えば表示素子用筐体用途であれば、一般肉厚は通常0.4〜5.0mm程度で設計されることが多く、したがって凹部肉厚は最大5.0mm程度となるように設計され、一方凸部肉厚は最少0.4mm程度となるように設計される。凸部肉厚は、最少でも0.6mm程度以上となるように設計した方が、強度面からは好ましい。
前記凹凸部の角度は、金型Aの一般面の法線に対し、0°〜60°となるように設計することが好ましい。金型Aの凹凸部の角度の具体的態様の断面図を図5に示す。前記凹凸部の角度が60°を超えると、加飾成形体の意匠がうまく発現できない場合がある。また、前記凹凸部の角度がマイナスのアンダーカットになると、金型が複雑になり駒線などが意匠に悪影響を及ぼすおそれがある。
例えば凸部は、図5の13にあるように角度を調節し、一方凹部の場合も、図5の14に示すように角度を調節する。該角度は、中でも0°〜45°であることが好ましく、0.5°〜15°であることがより好ましい。
また、凹部と凸部との間隔は特に限定はなく、例えば凹部と凸部が隣接していてもよく、離れていてもよい。
前記凹凸部を有することで、複雑な金属調意匠を有する加飾成形体が得られる理由については明らかではないが、以下のように推定している。すなわち、射出成形樹脂が金型内に充填される時に金型Aの凹凸部に伴い射出成形樹脂の流動に局部的な乱れが発生し、その乱れが本来均一に蒸着されていた蒸着層の配列を部分的に変化させていると推定される。その結果、蒸着層に入った光線の反射が部分的に異なり、金型Aが凹凸を有することで、複雑な金属調意匠を有する加飾成形体が得られたと考えられる。
以下、本発明を実施例により説明する。特に断りのない限り「部」、「%」は重量基準である。
(ラジカル重合性不飽和基を含有する(メタ)アクリル樹脂の製造方法)
<参考例1>
温度計、攪拌機、還流冷却器および窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、酢酸ブチルの950部を仕込んで80℃に昇温し、同温度に達したところで、アクリル酸ブチルの970部、メタクリル酸30部、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)の7部からなる混合物を4時間かけて滴下し、滴下終了後90℃に昇温し、10時間保持して反応を続行した。
反応液の温度を50℃に下げ、t−ブチルピロカテコールの0.2部を酢酸ブチルの20部に溶解した溶液を加え、さらにグリシジルメタクリレートの20部、ジメチルアミノエタノール3部を加えた後に、80℃まで昇温し、同温度で10時間反応を行なう事で、ラジカル重合性不飽和基を含有する(メタ)アクリル樹脂(A1)の溶液を得た。
(蒸着保護層の製造方法)
<参考例2>
(水酸基含有アクリル樹脂の合成例)
温度調節器、窒素導入管、滴下装置(2基)、撹拌装置を備え付けた反応容器に酢酸ブチル850部、パーブチルZ(商品名、日本油脂株式会社製、t−ブチルパーオキシベンゾエート)1部を仕込み、窒素置換後、110℃まで1.5時間かけて昇温した。
別途、メチルメタクリレート660部、t−ブチルメタクリレート150部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート190部をよく混合した溶液(以下モノマー溶液と表記)と酢酸イソブチル200部、パーブチルO(商品名、日本油脂株式会社製、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート)9部、パーブチルZ(商品名、日本油脂株式会社製、t−ブチルパーオキシベンゾエート)2部をよく混合した溶液(以下、触媒溶液と表記)、それぞれを滴下装置に仕込み、直ちに窒素置換した。
窒素雰囲気下で反応容器内に前述のモノマー溶液と触媒溶液を反応温度の急激な上昇がないように監視しつつ、5時間かけて滴下した。滴下終了後、約15時間攪拌を続けた結果、固形分含有率60%の樹脂組成物(E−1)を得た。
(ポリイソシアネート化合物)
「BURNOCK DN−980」(商品名、DIC(株)製、イソシアヌレート環含有ポリイソシアネート、数平均分子量800、不揮発分75%(溶剤:酢酸エチル)、官能基数3、NCO濃度15%)をポリイソシアネート化合物(F−1)とする。
上記水酸基含有アクリル系樹脂(E−1)と、ポリイソシアネート化合物(F−1)を所定の割合で配合、混合し、蒸着保護層用溶液(G−1)を調製した。
<参考例3>
参考例1で得たラジカル重合性不飽和基を含有する(メタ)アクリル樹脂(A−1)の溶液の不揮発分に対して、10重量%の光重合開始剤イルガキュア184(BASF製)を添加し、活性エネルギー線重合性樹脂組成物(B−1)を調製した。
活性エネルギー線重合性樹脂組成物(B−1)をロッドグラビアコーターを用い、東レフィルム加工社製のポリエチレンテレフタレート(PET)シート「セラピールHP2/TB(S)」(膜厚50μm)上に塗布し、100℃、1分間乾燥させることにより、乾燥後膜厚5μmの活性エネルギー線重合性樹脂組成物(B−1)層を有するフィルム(C−1)を得た。
フィルム(C−1)に対し、真空蒸着法によってスズを蒸着させ、全光線透過率13%の蒸着層を有するフィルム(D−1)を得た。
フィルム(D−1)に対して参考例2で得た蒸着保護層用溶液(G−1)をロッドグラビアコーターを用いて0.5μm厚に塗工したフィルム(H−1)を得た。次に得られたフィルム(H−1)に対して、DIC(株)製「XS−756IM系墨インキ」を用いてグラビア印刷でベタ柄印刷を実施して、金属調意匠を有する鵜加飾フィルム(I−1)を得た。
<参考例4>
参考例3のスズに代えて真空蒸着法によってアルミニウムを蒸着させ、全光線透過率25%の蒸着層を有するフィルム(D−2)を得た。
このフィルム(D−2)に対して実施例1と同様にして金属調意匠を有する加飾フィルム(I−2)を得た。
<参考例5>
東レ社製のポリエチレンテレフタレート(PET)シート「ルミラーS10」(膜厚50μm)に対し、真空蒸着法によってスズを蒸着させ、全光線透過率20%の蒸着層を有するフィルム(D−3)を得た。その後、このフィルム(D−3)に対して実施例1と同様にして金属調意匠を有する加飾フィルム(I−3)を得た。
(成形方法)
<射出成形方法>
前述の方法で得た加飾フィルムを東芝機械社製の射出成形機「EC75N−1.5Y」に設置した後、後述する金型を閉めた。金型は金型温調機を使用して50℃に調温し、帝人化成製の射出樹脂「マルチロンTN−3715B」を使用して樹脂温度265℃にて射出した。後述する使用して射出成形品を得た。20秒間の冷却後に金型内から射出成形体を取り出し、剥離性フィルムは剥離し、非剥離性フィルムは射出成形体以外の箇所を切り取り加飾された射出成形体を得た。その後、活性エネルギー線重合性樹脂組成物が転写された射出成形体に対しては、総照射量1000mJ/cm(ピーク強度180mW/cm)の紫外線照射を行なうことにより加飾成形体を得た。
<参考例6>
図2、図3に示す金型態様1、金型態様2を使用し、図4に示す具体的態様3の10および11の法線に対する角度をともに0.5°とし、図5に示す肉厚を可変させて、図6に示す成形品の具体的態様1が得られる金型(J−1)を作製した。
この時の肉厚は一般面を1.2mm、厚肉部−1を1.8mm、厚肉部―2を2.4mm、薄肉部―1を1.0mm、薄肉部―2を0.6mmとした。
<参考例7>
図2、図3に示す金型態様1、金型態様2を使用し、図4に示す具体的態様3の10の法線に対する角度を60°、11の法線に対する角度を45°とし、図5に示す14の薄肉部を0.8mm、13の厚肉部を3.0mmとして、図7に示す成形品の具体的態様2が得られる金型(J−2)を作製した。
<参考例8>
参考例6で示した成形品が得られる金型の肉厚をすべて1.2mmとする、即ち凹凸がない金型(J−3)を作製した。
(実施例)
得られた実施例と比較例の加飾フィルムと金型について射出成形を行い、成形品外観を調べた結果を表1に示した
Figure 2014177062
この結果、実施例1〜6で得た加飾成形体は、金型Aに施した凹凸形状に従って、金属調加飾面に模様が現れ、高い意匠性を示した。一方、比較例1〜3で得た加飾成形体は、加飾面には変化がなく、加飾フィルムと同じ金属調意匠を示したにすぎなかった。
本発明で使用する転写フィルムの断面図である。 加飾フィルムを1対の金型内に設置する工程の具体的態様を示す図である。 成形樹脂表面に加飾フィルムを一体化接着させる工程の具体的態様を示す図である。 金型Aの凹凸部の具体的態様の断面図である。 金型Aの凹凸部の角度の具体的態様の断面図である。 実施例における金型J−1で得た加飾成形体の裏面(射出側)から見た平面図と断面図である。 実施例における金型J−2で得た加飾成形体の裏面(射出側)から見た平面図と断面図である。
1 基体フィルム
2 蒸着層
3 蒸着保護層
4 接着層
5 金型B
6 加飾フィルム
7 金型A
8 ゲート
9 射出樹脂
10 一般肉厚部
11 凹部肉厚部
12 凸部肉厚部
13 法線に対する角度
14 法線に対する角度
15 凸部肉厚部−2
16 凸部肉厚部−1
17 一般肉厚部
18 凹部肉厚部−1
19 凹部肉厚部−2
20 ゲート部
21 一般肉厚部
22 凹部肉厚部
23 凸部肉厚部
24 法線に対する角度
25 法線に対する角度

Claims (5)

  1. 基体フィルム上に蒸着層を有する加飾フィルムを1対の金型内に設置する工程と、ゲート部を有する金型Aのゲート部から成形樹脂を射出し、成形樹脂表面に前記加飾フィルムを一体化接着させる工程と、を含む加飾成形体の製造方法であって、前記金型Aの内部に凹凸が設けられていることを特徴とする加飾成形体の製造方法。
  2. 前記金型Aに設けられた凹凸が、前記加飾成形体の一般肉厚を1としたとき、前記加飾成形体の前記金型Aの凹部にあたる肉厚が1.1〜2の範囲であり、前記加飾成形体の前記金型Aの凸部にあたる肉厚が0.5〜0.9である請求項1に記載の加飾成形体の製造方法。
  3. 前記金型Aの一般面の法線に対する凹部または凸部の角度が0°〜60°の範囲である請求項1または2に記載の加飾成形体の製造方法。
  4. 前記加飾フィルムが、基体フィルム上に、蒸着層、蒸着保護層、接着層をこの順に有する請求項1〜3のいずれかに記載の加飾成形体の製造方法。
  5. 前記加飾フィルムの蒸着層の全光線透過率が2%〜40%の範囲である請求項1〜4のいずれかに加飾成形体の製造方法。
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