JP2015016635A - 射出成形同時転写用金型及び加飾成形体の製造方法 - Google Patents

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浩二 塩田
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秀樹 川岸
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Abstract

【課題】箔バリや箔切れ不良が生じることがなく使用する加飾フィルムの余剰領域の削除も同時に行うことが可能な射出成形同時加飾金型と、該金型を使用した加飾成形体を提供する。
【解決手段】各々が可動側取り付け板5または固定側取り付け版4に固定された雄型金型10と雌型金型11との組み合わせからなる射出成形同時転写用金型であって、前記雌型のパーティング面8は、前記雌型の取り付け板の面方向に対して、開口部周縁6を頂点とし該開口部周縁から該雌型の外側に下がる2°以上の傾斜角度9を有し、且つ、前記雄型のパーティング面は、前記雄型の取り付け板の面方向に対して、開口部周縁を頂点とし該開口部周縁から該雄型の外側に上がる2°以上の傾斜角度9を有し、且つ、前記雌型の傾斜角度と前記雄型の傾斜角度とは同じ角度であることを特徴とする、射出成形同時転写用金型、及びそれを使用した加飾成形体の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、箔切れ性を向上させた射出成形同時転写用金型及び加飾成形体の製造方法に関する。
従来から、物品表面を装飾するのに転写フィルムが用いられている。転写フィルムは、基体フィルム上に、剥離層、絵柄層、接着層などで構成される加飾層(転写層ともいう)を設けたものである。転写フィルムにより被転写物面を装飾する転写法は、転写フィルムを加熱加圧して加飾層を被転写物に密着させた後、基体フィルムを剥離して、被転写物面に加飾層のみを転移して装飾を行う方法であり、特に、転写フィルムを金型のキャビティ内に配置した状態で金型内に挟み込み、当該金型内に溶融樹脂を射出したのち適宜冷却して樹脂成形品を得るのと同時に、当該樹脂成形品の表面に転写フィルムを接着したのち基体フィルムを剥離して、樹脂成形品の表面に装飾を行う射出成形同時転写法が知られている。
このような基体フィルムを剥離する際には、転写面と非転写面との境界部分の切れが悪いと、非転写面が転写面に引っ張られて箔バリが発生したり、非転写面が転写面を引っ張って箔切れ不良が発生したりすることがある。そこで、このような不具合を解消するために、金型内において加飾フィルムの転写面と非転写面との境界部分をカット加工して箔切れの切り欠きを行う方法が行われている。(例えば特許文献1参照)
また特許文献2では、金型の凸型に設けられ、前記金型の型締め時に前記転写層における樹脂の表面に転写すべき転写面と前記加飾フィルム側に残すべき非転写面との境界に接触し、前記転写層に切り込みを付ける切断手段を備えた射出成形同時加飾金型が開示されている。凸型の切断エッジは、製品面の末端で加飾フィルムの転写面と非転写面との境界線に位置して、PL面から転写層の厚みと同じ高さだけ突起しているため、凸型の型締め工程時に凹型とのクリアランスが基体フィルムの厚みと同じ高さになり、転写層だけに切り込みを入れることができる。しかしながら、特許文献2の方法は、切断エッジ部のクリアランスを調整することが難しく、例えば高すぎて基体フィルムまで切り込みが入ってしまうことや、低すぎて転写層にきちんと切り込みが入らず、箔切れ不良が生じることがあった。
特開昭60-212314号公報 特開2013-67131号公報
本発明が解決しようとする課題は、射出成形同時転写法において、箔バリや箔切れ不良が生じることがなく使用する加飾フィルムの余剰領域の削除も同時に行うことが可能な、射出成形同時加飾金型と、該金型を使用した加飾成形体を提供することを目的とする。
本発明者らは、射出成形に使用する金型として特定の形状の金型を使用することで、上記課題を解決した。
即ち本発明は、各々が可動側取り付け板または固定側取り付け板に固定された雄型金型と雌型金型との組み合わせからなる射出成形用金型であって、前記雌型のパーティング面は、前記雌型の取り付け板の面方向に対して、開口部周縁を頂点とし該開口部周縁から該雌型の外側に下がる2°以上の傾斜角度を有し、且つ、前記雄型のパーティング面は、前記雄型の取り付け板の面方向に対して、開口部周縁を頂点とし該開口部周縁から該雄型の外側に上がる2°以上の傾斜角度を有し、且つ、前記雌型の傾斜角度と前記雄型の傾斜角度とは同じ角度である射出成形同時転写用金型を提供する。
また本発明は、転写型の加飾フィルムを1対の金型内に設置する工程と、ゲート部から溶融した成形樹脂を射出し、成形樹脂表面に前記加飾フィルムを一体化接着させる工程とを含む加飾成形体の製造方法であって、前記記載の射出成型用同時転写用金型を使用する加飾成形体の製造方法を提供する。
本発明により、射出成形同時転写法において、箔バリや箔切れ不良のない加飾成形体を提供できる。
以下、本発明の最良の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(射出成形用金型)
図1〜図4は、本発明の射出成形同時転写用金型の具体的態様の一例を示す断面図である。
図1は、可動側取り付け板5に雌型金型が取り付けられ、一方固定側取り付け板4には雄型金型が取り付けられた本発明の射出成形用金型に、加飾フィルムを設置した図である。図2は、本発明の射出成形同時転写用金型の雌型の具体的態様の一例を示す断面図である。図3は、本発明の射出成形同時転写用金型の雄型の具体的態様の一例を示す断面図である。図4は、前記雄型及び/または雌型のパーティング面の近傍に冷却温調部が内蔵された、あるいは高い熱伝導率を有する物質が内蔵された具体的態様の一例を示す断面図である。
本発明の射出成形同時転写用金型は、図2に示すように、前記雌型のパーティング面が前記雌型の取り付け板の面方向に対して、開口部周縁を頂点とし該開口部周縁から該雌型の外側に下がる2°以上の傾斜角度を有し、且つ、図3に示すように、前記雄型のパーティング面は、前記雄型の取り付け板の面方向に対して、開口部周縁を頂点とし該開口部周縁から該雄型の外側に上がる2°以上の傾斜角度を有している。
本発明において開口部周縁とは、キャビティ部とパーティング面との際部である。通常パーティング面は、取り付け板の面方向に対して平行に設計されるが、本発明はここに傾斜角度を設けたことが特徴である。
「前記雌型のパーティング面は、前記雌型の取り付け板の面方向に対して、開口部周縁を頂点とし該開口部周縁から該雌型の外側に下がる2°以上の傾斜角度を有する」を図2をもって説明する。該雌型11のパーティング面8が、該雌型11の開口部周縁6から外側Bに向かって、該雌型11の凹の深さ方向Aへ、傾斜角度9を有して傾斜が下がることを示す。該傾斜角度9を有することで、雌型11の開口部周縁6の角度は、パーティング面8を取り付け板の面方向12に対して平行に設計したときと比較して小さくなる。例えば傾斜角度9を2°とした場合、雌型11の開口部周縁6の角度はパーティング面8を取り付け板の面方向12に対して平行に設計したときと比較し、2°小さくなる。
また、「前記雄型のパーティング面は、前記雄型の取り付け板の面方向に対して、開口部周縁を頂点とし該開口部周縁から該雄型の外側に上がる2°以上の傾斜角度を有する」を図3をもって説明する。該雄型10のパーティング面8が、該雄型10の開口部周縁6から外側Bに向かって、該雄型10の凸の高さ方向Cへ、傾斜角度9を有して傾斜が上がることを示す。該傾斜角度9を有することで、雄型10の開口部周縁6の角度は、パーティング面8を取り付け板の面方向12に対して平行に設計したときと比較して大きくなる。例えば傾斜角度を2°とした場合、雄型10の開口部周縁6の角度はパーティング面8を取り付け板の面方向12に対して平行に設計したときと比較し、2°大きくなる。
前記雌型の傾斜角度と前記雄型の傾斜角度は、雄型と雌型のパーティング面が成形時に密着するよう、金型を閉じる際に接する箇所の角度は同じ角度である。なお頂点となる開口部周縁は、ピン角で残してあっても良いし、糸面取りをしても良い。
一方、前記雄型そのものが有するパーティング面、あるいは前記雌型そのものが有するパーティング面の傾斜角度は、2°以上であれば、全てのパーティング面が同一の傾斜角度を有していてもよいし有さなくてもよい。例えば成形品の形状により箔切れが悪いと認識できる箇所については、該箇所のパーティング面の傾斜角度をより大きくすることで、箔切れがより向上する。
本発明の前記雄型及び/または雌型のパーティング面の近傍には、冷却温調部が内蔵されていてもよく好ましい(図4参照 符号14)。金型には成形品外観を向上させ外観不良をなくするために金型温調機構を設けている(図1,4参照 符号13)が、製品部分以外となる箔切れを行いたい箇所には別温調の機構を設けて個別の温調を行えるようにする。すなわち、製品部分は外観向上のために高めの温度設定とし、箔切れ箇所は低めの温度設定が可能な金型温調設計とする。
金型温調の方式には制限は無く、媒体としては水、エチレングリコール、各種熱媒体油等の一般的に使用されているものでよく、媒体を必要としない電気ヒーター方式でも構わない。また温度調節機の機構としては空冷式冷却方式、電気式冷却方式、電気式加熱方式はこれらの組み合わせでも良い。また条件によっては水道水、工業用水を直接使用しても構わない。
また、前記雄型及び/または雌型のパーティング面に、高い熱伝導率を有する物質が内蔵されていてもよく好ましい(図4参照 符号15)。高い熱伝導率を有する物質であれば特に制限は無く、金、銀、銅、アルミニウム、タングステン等の金属およびこれらの合金類を使用すればよい。
本発明においては、前述の通りパーティング面に傾斜を有する以外は特に限定なく、公知の射出成形装置の設備を有しておればよい。例えばゲート部は雄型雌型いずれかに設置されておればよい。またランナー方式にも特に制限はなくホットランナー機構としてもよい。ホットランナーのゲート機構はオープンゲート式、サイクル加熱式、バルブゲート式の何れでもよく特に制限は無い。コールドランナー機構においても2プレート方式、3プレート方式で使用される一般的なランナー形式、ゲート形式を使用すればよい。
また加飾フィルムを装着するためにキャビティ内の空気とガスの排出を行ない、加飾フィルムの金型への密着性を上げてもよい。金型にはガスベントを設定してもよく、真空ポンプ等でガス排出を補助してもよい。
前記金型を使用することで、箔切れが容易になる理由については明らかではないが、以下のように推定している。すなわち、パーティング面に沿って加飾フィルムが変形して且つその箇所が低めの温度が保たれることにより、箔切れの良好な加飾成形体が得られたと考えられる。
(加飾成形体の製造方法)
本発明の加飾成形体の製造方法は、後述の加飾フィルムを、前記射出成型用同時転写用金型を使用して製造する。
具体的には、前記雄型金型と前記雌型金型との間に加飾フィルムと設置し、ゲートを有する金型Aのゲートから成形樹脂を射出し、成形樹脂表面に前記加飾フィルムを一体化接着させる工程と、を含む。
加飾フィルムを1対の金型内に設置する工程の具体的態様を図1に示す。加飾フィルムの金型内へのセットの仕方の具体例としては、ロール軸に長尺の加飾フィルムを一旦巻き取ってロール状巻物とし、このロール状巻物を前記射出成形用金型の上部に載置し、ロール状巻物から加飾フィルムを巻き出しながら、金型内を通過させ、射出成形用金型の下部に設置したフィルム巻き取り手段のロール軸により加飾フィルムを巻き取るようにしてもよい。別の例としては、枚葉の加飾フィルムを用いて、ロボットや人手により金型内に入れてもよい。加飾フィルムを金型内に入れた後に真空成形等する場合は、金型に対する加飾フィルムの位置を決定した後、真空成形する前に加飾フィルムを射出成形用金型の表面にクランプ部材によって押さえ付けるとよい。
次に、前記雄型あるいは雌型のうちゲートを有する金型のゲートから成形樹脂をキャビティに射出し、成形樹脂表面に前記加飾フィルムを一体化接着させる。
射出される成形樹脂としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、PPとPEの混合物などのポリオレフィン系樹脂;アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂(ABS樹脂);ポリカーボネート(PC);ABS樹脂とPCの混合物;アクリル樹脂;ポリスチレン;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、及びこれらの混合物などが挙げられる。またこれらの成形樹脂はハロゲン系、リン系、窒素系、シリコン系、金属水酸化物等の難燃剤で難燃化されていてもよく、またガラス繊維、炭素繊維、タルク、シリカ、酸化チタン、カオリン、ウィスカ等の無機系フィラーやポリエステル系、アクリル系、フェノール系、ポリオレフィン系、ウレタン系、エポキシ系、EVA系、EPDM系等の有機系フィラーを配合させてもよい。
金型からゲート部を通じて射出された成形樹脂は、設置された加飾フィルムをもう一方の金型に圧着させる形でキャビティ内に充填される。
本発明で使用する加飾用の転写フィルムについて説明する。図5は、本発明で使用する転写フィルムの断面図である。
図5において、転写フィルムは、基体フィルム(図5における1)と、基体フィルム1上に積層され、少なくとも意匠層(図5における2)、接着層(図5における3)の順に積層して構成された加飾層とを有している。該転写フィルムを使用した成形同時転写法では、該フィルムの接着層側に溶融樹脂が射出されるように金型のキャビティ内に配置した状態で金型内に挟み込み、射出成形を行う。
(基体フィルム)
本発明で使用する基体フィルムとしては、特に限定なく公知の熱転写用基体フィルムを使用できる。具体的には例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアミド6、66(PA6,PA66)、ポリイミド(PI)、ポリビニルアルコール(PVA)等の耐熱樹脂製フィルムが好適に用いられる。中でもPET樹脂製フィルムがコスト、美麗性に優れるので最も好適に用いられる。ベース樹脂フィルム1の厚さは20〜125μmが好ましいが、立体形状への追従性を考慮すると30〜75μmが好ましい。
前記基体フィルムと後述の転写層との間には、離型層を設けても良い。離型層は、被転写基材あるいは射出樹脂の成型物である加飾成形体に転写される転写層と基体フィルムを離型する層として機能する。離型層には転写層との離型性が要求されるが、ハンドリングの際、基材フィルムと転写層が離型しない程度の転写層との接着性も要求される。
離型層としては、通常用いられているもので良く、シリコーン樹脂系、フッ素樹脂系、セルロース誘導体樹脂系、尿素樹脂系、ポリオレフィン樹脂系、メラミン樹脂系等の離型剤を用いることができる。例えば、ベース樹脂フィルム1としてPET樹脂製フィルムを用いた場合には適度な離型性を有するシリコーン樹脂系離型剤、メラミン樹脂系離型剤が好適に用いられる。離型層2はロールコーター等を用いて塗布することができ、その厚さは0.01μm〜5μmが好ましい。
(加飾層)
加飾層は、基体フィルム側から、少なくとも、意匠層、接着層で構成される。本発明においては、得られる加飾成形体の意匠層を保護する目的で、保護層を有していてもよく好ましく、意匠層を保護層としても良い。保護層としては、熱可塑性樹脂層等があげられるが、強度や透明性の点から活性エネルギー線重合性樹脂組成物層を少なくとも有する層が好ましい。
(転写層 活性エネルギー線重合性樹脂組成物層)
本発明で使用する活性エネルギー線重合性樹脂組成物層は特に限定はないが、ラジカル重合性不飽和基を含有する(メタ)アクリル樹脂を主成分とする活性エネルギー線重合性樹脂組成物層が好ましい。
(ラジカル重合性不飽和基を含有する(メタ)アクリル樹脂)
本発明で使用するラジカル重合性不飽和基を含有する(メタ)アクリル樹脂は、特に限定はなく公知の方法で得た(メタ)アクリル樹脂を使用することができる。具体的には例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸エチルヘキシル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸エチルヘキシル、メタクリル酸、アクリル酸、アクリロニトリル、メタクリルニトリル等の( メタ) アクリル系モノマーを単独もしくは共重合して得た(メタ)アクリル樹脂、あるいは前記(メタ)アクリレート類を主成分とし、必要に応じてこれらと共重合可能な重合性二重結合を有するモノマー、例えばエチレン、ブタジエン、イソプレン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、スチレン、α − メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、N − シクロヘキシルマレイミド、N − エチルマレイミド、N − フェニルマレイミド等が共重合成分として添加された(メタ)アクリル樹脂が挙げられる。
前記(メタ)アクリル樹脂は前記(メタ)アクリル系モノマーあるいは共重合可能な重合性二重結合を有するモノマーを常法により重合することで得られる。
前記(メタ)アクリル樹脂へ、重合性不飽和基を導入する方法としては、例えば、予め前記共重合成分としてアクリル酸やメタクリル酸等のカルボキシル基含有重合性単量体や、ジメチルアミノエチルメタクリレートやジメチルアミノプロピルアクリルアミド等のアミノ基含有重合性単量体を配合し共重合させ、カルボキシル基やアミノ基を有する前記共重合体を得、次に該カルボキシル基やアミノ基と、グリシジルメタクリレート等のグリシジル基及び重合性不飽和基を有する単量体を反応させる方法、
予め前記共重合成分として2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート等の水酸基含有単量体を配合し共重合させ、水酸基を有する前記共重合体を得、次に該水酸基と、イソシアネートエチルメタクリレートの等のイソシアネート基と重合性不飽和基を有する単量体を反応させる方法、
予め前記共重合成分としてグリシジルメタクリレート等のグリシジル基含有重合性単量体を配合し共重合させ、グリシジル基を有する前記共重合体を得、次にグリシジル基と、アクリル酸やメタクリル酸のカルボキシル基含有重合性単量体を反応させる方法、
重合の際にチオグリコール酸を連鎖移動剤として使用して共重合体末端にカルボキシル基を導入し、該カルボキシル基に、グリシジルメタクリレートの等のグリシジル基と重合性不飽和基を有する単量体を反応させる方法、
重合開始剤として、アゾビスシアノペンタン酸の等のカルボキシル基含有アゾ開始剤を使用して共重合体にカルボキシル基を導入し、該カルボキシル基にグリシジルメタクリレートの等のグリシジル基と重合性不飽和基を有する単量体を反応させる方法等が挙げられる。
中でも、アクリル酸やメタクリル酸等のカルボキシル基含有単量体あるいはジメチルアミノエチルメタクリレートやジメチルアミノプロピルアクリルアミド等のアミノ基含有単量体を共重合しておき、そのカルボキシル基あるいはアミノ基とグリシジルメタクリレートの等のグリシジル基と重合性不飽和基を有する単量体を反応させる方法、あるいは、予め前記共重合成分としてグリシジルメタクリレート等のグリシジル基含有重合性単量体を配合し共重合させ、グリシジル基を有する前記共重合体を得、次にグリシジル基と、アクリル酸やメタクリル酸のカルボキシル基含有重合性単量体を反応させる方法が最も簡便であり好ましい。
(その他の成分 光重合開始剤)
本発明の転写フィルムを紫外線等で硬化させる場合は、前記活性エネルギー線重合性樹脂組成物層に光重合開始剤を使用してもよく好ましい。光重合開始剤の例としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン系化合物;2,4,6−トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキシド等のアシルホスフィンオキシド系化合物;ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル−4−フェニルベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;2,4−ジメチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;4,4′−ジエチルアミノベンゾフェノン等のアミノベンゾフェノン系化合物;ポリエーテル系マレイミドカルボン酸エステル化合物などが挙げられ、これらは併用して使用することもできる。光重合開始剤の使用量は、活性エネルギー線重合性樹脂組成物の全固形分量に対して、0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜15重量%である。光増感剤としては、例えば、トリエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル等のアミン類が挙げられる。さらに、ベンジルスルホニウム塩やベンジルピリジニウム塩、アリールスルホニウム塩などのオニウム塩は、光カチオン開始剤として知られており、これらの開始剤を用いることも可能であり、上記の光重合開始剤と併用することもできる。
(その他の成分 熱可塑性樹脂)
また、熱可塑性樹脂を併用してもよく好ましい。使用する熱可塑性樹脂としては、活性エネルギー線硬化性樹脂に相溶できるものが好ましく、具体例としては、ポリメタアクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリエステルなどが挙げられる。これらはホモポリマーまたは複数のモノマーが共重合したものであって良い。熱可塑性樹脂は、非重合性であることが好ましい。
なかでも、ポリスチレンおよびポリメタアクリレートは、ガラス転移温度(以下Tgと称す)が高く硬化性樹脂層の粘着性低減に適しているために好ましく、特にポリメチルメタアクリレートを主成分としたポリメタアクリレートが透明性、耐溶剤性および耐擦傷性に優れる点で好ましい。
また、熱可塑性樹脂の分子量とTgは塗膜形成能に大きな影響を与える。硬化性樹脂の流動性を抑制し、かつ硬化性樹脂層の活性化を容易にするために、熱可塑性樹脂の質量平均分子量は好ましくは3,000〜40万、より好ましくは1万〜20万であり、Tgは好ましくは35℃〜200℃、より好ましくは35℃〜150℃である。35℃付近の比較的低いTgを有する熱可塑性樹脂を用いる場合は、熱可塑性樹脂の質量平均分子量は10万以上であることが好ましい。
熱可塑性樹脂は、あまり多いと硬化性樹脂の硬化反応を阻害するので、硬化性樹脂層の全樹脂量100重量%に対して熱可塑性樹脂は70重量%を超えない範囲で添加することが好ましい。
(イソシアネート化合物)
本発明の転写フィルムは活性エネルギー線硬化性であるが、熱硬化系を併用させてもよく好ましい。前記ジカル重合性不飽和基を含有する(メタ)アクリル樹脂が水酸基を有する場合、イソシアネート化合物を添加することで、ラジカル重合性不飽和基由来の架橋構造とは異なるウレタン架橋構造を導入することができ好ましい。
前記ラジカル重合性不飽和基を含有し、且つ水酸基を有する(メタ)アクリル樹脂としては、例えば、アクリル酸やメタクリル酸等のカルボキシル基含有単量体を共重合しておき、そのカルボキシル基とグリシジルメタクリレートの等のグリシジル基と重合性不飽和基を有する単量体を反応させる方法、あるいは、予め前記共重合成分としてグリシジルメタクリレート等のグリシジル基含有重合性単量体を配合し共重合させ、グリシジル基を有する前記共重合体を得、次にグリシジル基と、アクリル酸やメタクリル酸のカルボキシル基含有重合性単量体を反応させる方法により得た(メタ)アクリル樹脂、あるいは、アクリル酸ヒドロキシエチル等の水酸基を有する(メタ)アクリレートを共重合させた(メタ)アクリル樹脂等が挙げられる。
イソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類、メタ−キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチル−メタ−キシリレンジイソシアネート等のアラルキルジイソシアネート類を主原料とするポリイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、1,5−ペンタメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−(又は、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソイシアネート、リジンイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、1,4−ジイソシアネートシクロヘキサン、1,3−ビス(ジイソシアネートメチル)シクロヘキサン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネートから得られる脂肪族ポリイソシアネートであるアロファネート型ポリイソシアネート、ビウレット型ポリイソシアネート、アダクト型ポリイソシアネート及びイソシアヌレート型ポリイソシアネートが挙げられ、いずれも好適に使用することができる。
なお、前記したポリイソシアネートとしては、種々のブロック剤でブロック化された、いわゆるブロックポリイソシアネート化合物を使用することもできる。ブロック剤としては、例えばメタノール、エタノール、乳酸エステル等のアルコール類;フェノール、サリチル酸エステル等のフェノール性水酸基含有化合物類;ε−カプロラクタム、2−ピロリドン等のアマイド類;アセトンオキシム、メチルエチルケトオキシム等のオキシム類;アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン等の活性メチレン化合物類等を使用することができる。ブロックポリイソシアネート化合物を使用することにより、後述する活性エネルギー線重合性樹脂組成物層を形成する際の塗料に対して、アルコールのような水酸基含有の溶剤を使用することも可能になる。
(その他の成分)
また、活性エネルギー線重合性樹脂組成物層は、無機あるいは金属化合物、有機微粒子等を添加することもできる。無機あるいは金属化合物としては、シリカ、シリガゲル、シリカゾル、シリコーン、モンモリロナイト、マイカ、アルミナ、酸化チタン、タルク、硫酸バリウム、ステアリン酸アルミニウム、炭酸マグネシウム、ガラスビーズ等があげられる。また該無機あるいは金属化合物を有機処理した、オルガノシリカゾル、アクリル変性シリカ、クロイサイト等を使用してもよい。有機微粒子としては、例えば、ポリエチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、フッ素樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂およびフェノール樹脂等の微粒子があげられる。これらは、単独で使用しても、複数を併用してもよい。その他本発明の効果を損なわない範囲において、汎用の添加剤、例えば紫外線吸収剤、レベリング剤、アンチブロッキング剤等を添加することもできる。
本発明で使用する活性エネルギー線重合性樹脂組成物層の厚みとしては、被転写基材あるいは射出成型体の表面保護及び凹凸の固定化の観点から、1〜50μmが好ましく、3〜40μmがより好ましい。求める意匠にもよるが、艶消し調のような、きめ細かい凹凸を効果的に発現させるためには、1〜20μmが好ましく、1〜10μmがより好ましい。
(印刷層)
本発明においては、意匠層として、汎用の印刷インキまたは塗料を使用した印刷層を有していてもよい。具体的には、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷、熱転写印刷などを用いて形成することができる。印刷層の乾燥膜厚は0.5〜15μmであることが好ましく、更に好ましくは、1〜7μmである。また絵柄のない着色層や、無色のワニス樹脂層についても塗工によって形成することができる。
また、印刷の場合の印刷柄は、版を起こせるあるいは印字できる模様や文字であればどのような印刷柄も可能である。またベタ版であってもよい。
印刷インキまたは塗料に使用する着色材としては、公知の有機顔料あるいは無機顔料を使用して印刷することができ好ましい。
前記有機顔料としては、たとえば、キナクリドン系顔料、フタロシアニン系顔料、スレン系顔料、ペリレン系顔料、フタロン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、メチン・アゾメチン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、アゾレーキ顔料系顔料、不溶性アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料等が挙げられる。
また、無機顔料としては、カーボンブラック、酸化鉄系、酸化チタン系等の無機顔料、アルミニウム粉、ブロンズ粉等の金属粉顔料、酸化チタン被覆雲母等の真珠光沢顔料等が挙げられる。
前記インキに含有されるワニス用樹脂は、特に限定はないが、例えば、アクリル樹脂系、ポリウレタン樹脂系、ポリエステル樹脂系、ビニル樹脂系(塩ビ、酢ビ、塩ビ−酢ビ共重合樹脂)、塩素化オレフィン樹脂系、エチレン−アクリル樹脂系、石油系樹脂系、セルロース誘導体樹脂系などの公知のインキを用いることができる。
また、インキに含有される有機溶剤としては、硬化性樹脂層あるいは後述の剥離性フィルムを侵すものでなければ特に制限なく使用でき、具体例として、例えば、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサンもしくはミネラルスピリット等の炭化水素系有機溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートもしくは酢酸アミル等のエステル系有機溶剤、n−ブチルエーテル、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルもしくはジエチレングリコール等のエーテル系有機溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミノケトン、ジイソブチルケトンもしくはシクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤、N−メチルピロリドン等の含窒素系、「スワゾール310、スワゾール1000、スワゾール1500」〔コスモ石油(株)製〕等の芳香族石油溶剤系を挙げることができる。これらの有機溶剤は、単独使用でも2種以上の併用でもよい。
印刷インキ又は塗料には、基材樹脂と着色剤のほか、必要に応じて可塑剤、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、艶消し剤、溶媒などを含有させてよい。
(接着層)
接着層としては例えば、アクリル樹脂系、ウレタン樹脂系、ウレタン変性ポリエステル樹脂系、ポリエステル樹脂系、エポキシ樹脂系、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)系、ビニル樹脂系(塩ビ、酢ビ、塩ビ−酢ビ共重合樹脂)、スチレン−エチレン−ブチレン共重合体樹脂系、ポリビニルアルコール樹脂系、ポリアクリルアミド樹脂系、ポリアクリルアミド樹脂系、イソブチレンゴム、イソプレンゴム、天然ゴム、SBR、NBR、シリコーンゴム等が挙げられ、溶剤型又は無溶剤型のものが使用できる。
以下、本発明を実施例により説明する。特に断りのない限り「部」、「%」は重量基準である。
(ラジカル重合性不飽和基を含有する(メタ)アクリル樹脂の製造方法)
<参考例1>
温度計、攪拌機、還流冷却器および窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、酢酸ブチルの950部を仕込んで80℃に昇温し、同温度に達したところで、アクリル酸ブチルの970部、メタクリル酸30部、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)の7部からなる混合物を4時間かけて滴下し、滴下終了後90℃に昇温し、10時間保持して反応を続行した。
反応液の温度を50℃に下げ、t−ブチルピロカテコールの0.2部を酢酸ブチルの20部に溶解した溶液を加え、さらにグリシジルメタクリレートの20部、ジメチルアミノエタノール3部を加えた後に、80℃まで昇温し、同温度で10時間反応を行なう事で、ラジカル重合性不飽和基を含有する(メタ)アクリル樹脂(A−1)の溶液を得た。
<参考例2>
参考例1で得たラジカル重合性不飽和基を含有する(メタ)アクリル樹脂(A−1)の溶液の不揮発分に対して、10重量%の光重合開始剤イルガキュア184(BASF製)を添加し、活性エネルギー線重合性樹脂組成物(B−1)を調製した。
活性エネルギー線重合性樹脂組成物(B−1)をロッドグラビアコーターを用い、東レフィルム加工社製のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム「セラピールHP2/TB(S)」(膜厚50μm)上に塗布し、100℃、1分間乾燥させることにより、乾燥後膜厚5μmの活性エネルギー線重合性樹脂組成物(B−1)層を有するフィルム(C−1)を得た。
フィルム(C−1)に対し、DICグラフィックス(株)製「XS−756IMメジウム」を用いてグラビア印刷でベタ柄印刷を実施して、透明調意匠を有する加飾フィルム(I−1)を得た。
<参考例3>
東レフィルム加工社製のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム「セラピールHP2/TB(S)」(膜厚50μm)に対してDIC(株)製アクリル系樹脂「TR−16 ニス」をグラビア印刷し、さらにサカタインクス(株)製ウレタン系樹脂「ラミオールマークIII」をグラビア印刷して、透明調意匠を有する加飾フィルム(I−2)を得た。
<実施例1>
パーティング面の傾斜角度が10°になるように調整し、且つ冷却温調部を設けた金型(J−1)を作製した。
<実施例2>
パーティング面の傾斜角度が5°になるように調整し、且つ冷却温調部を設けた金型(J−2)を作製した。
<実施例3>
パーティング面の傾斜角度が5°になるように調整し、冷却温調部、及び冷却温調部近傍のパーティング面に銅を取り付けた金型(J−3)を作製した。
<実施例4>
パーティング面の傾斜角度を2°となるように調整し、且つ冷却温調部を設けた金型(J−4)を作製した。
<比較例1>
パーティング面の傾斜角度を0°になるように調整し、且つ冷却温調部を設けた金型(J−5)を作製した。
<比較例2>
比較例1で作成した(J−5)金型の冷却温調部近傍のパーティング面に、銅を取り付けた金型(J−6)を作製した。
(加飾成形体の製造方法)
実施例または比較例で得た金型は、東芝機械社製の射出成形機「EC75N−1.5Y」に設置した。
参考例で得た加飾フィルムを前記射出成形機に設置した後、金型を閉めた。金型は全体温調には金型温調機を使用して調温し、箔切れ箇所の温調には別の金型温調機を使用して温調した。射出樹脂は帝人化成製「マルチロンTN−3715B」を使用して樹脂温度265℃にて射出した。20秒間の冷却後に金型内から成形体を取り出した。この後基体フィルムを剥離し加飾された成形体を得た。
次に加飾フィルム(I−1)を使用した活性エネルギー線重合性樹脂組成物が転写された成形体に対しては、総照射量1000mJ/cm(ピーク強度180mW/cm)の紫外線照射を行なうことにより、加飾成形体を得た。
(実施例)
参考例で得た加飾フィルムと金型を使用して加飾成形体を得た。該成形体の外観を評価した結果を表1に示す。
Figure 2015016635
◎: 箔バリは残存せず除去する必要がない
〇: 箔バリは僅かに残存するが除去する必要がない
△: 箔バリは小さく残存し除去する必要がある
×: 箔バリは大きく残存し除去する必要がある
この結果、実施例5〜12で得た加飾成形体では、箔バリの除去処理の不要な仕上がりになった。一方、比較例3〜7で得た加飾成形体では、箔バリの除去処理が必要であった。
可動側取り付け板5に雌型金型が取り付けられ、一方固定側取り付け板4には雄型金型が取り付けられた本発明の射出成形用金型に、加飾フィルムを設置した図である。 本発明の射出成形同時転写用金型の雌型の具体的態様の一例を示す断面図である。 本発明の射出成形同時転写用金型の雄型の具体的態様の一例を示す断面図である。 は、前記雄型及び/または雌型のパーティング面の近傍に冷却温調部が内蔵された、あるいは高い熱伝導率を有する物質が内蔵された具体的態様の一例を示す断面図である。 本発明で使用する転写フィルムの断面図である。
1 基体フィルム
2 意匠層
3 接着層
4 固定側取り付け板
5 可動側取り付け板
6 開口部周縁
7 加飾フィルム
8 パーティング面
9 傾斜角度
10 雄型金型
11 雌型金型
12 取り付け板面方向
13 水管(金型温調部)
14 水管(冷却温調部)
15 高熱伝導率物質
A 下がる方向
B 外側
C 上がる方向

Claims (4)

  1. 各々が可動側取り付け板または固定側取り付け版に固定された雄型金型と雌型金型との組み合わせからなる射出成形同時転写用金型であって、前記雌型のパーティング面は、前記雌型の取り付け板の面方向に対して、開口部周縁を頂点とし該開口部周縁から該雌型の外側に下がる2°以上の傾斜角度を有し、且つ、前記雄型のパーティング面は、前記雄型の取り付け板の面方向に対して、開口部周縁を頂点とし該開口部周縁から該雄型の外側に上がる2°以上の傾斜角度を有し、且つ、前記雌型の傾斜角度と前記雄型の傾斜角度とは同じ角度であることを特徴とする、射出成形同時転写用金型。
  2. 前記雄型及び/または雌型のパーティング面の近傍に冷却温調部が内蔵される請求項1に記載の射出成型用同時転写用金型。
  3. 前記雄型及び/または雌型のパーティング面に、高い熱伝導率を有する物質が内蔵される請求項1または2に記載の射出成型用同時転写用金型。
  4. 転写型の加飾フィルムを1対の金型内に設置する工程と、ゲート部から溶融した成形樹脂を射出し、成形樹脂表面に前記加飾フィルムを一体化接着させる工程とを含む加飾成形体の製造方法であって、請求項1〜3のいずれかに記載の射出成型用同時転写用金型を使用することを特徴とする加飾成形体の製造方法。
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