JP2005110617A - 耐冷凍性穀物製食品およびその製造方法 - Google Patents

耐冷凍性穀物製食品およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005110617A
JP2005110617A JP2003351649A JP2003351649A JP2005110617A JP 2005110617 A JP2005110617 A JP 2005110617A JP 2003351649 A JP2003351649 A JP 2003351649A JP 2003351649 A JP2003351649 A JP 2003351649A JP 2005110617 A JP2005110617 A JP 2005110617A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cereal
food
freeze
product
producing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003351649A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoshi Arai
聡 新居
Isao Sugimoto
勲 杉本
Hidenao Sugimoto
秀直 杉本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
HACHINOHE SEIMEN KK
NI FOODS KK
Original Assignee
HACHINOHE SEIMEN KK
NI FOODS KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by HACHINOHE SEIMEN KK, NI FOODS KK filed Critical HACHINOHE SEIMEN KK
Priority to JP2003351649A priority Critical patent/JP2005110617A/ja
Publication of JP2005110617A publication Critical patent/JP2005110617A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Noodles (AREA)

Abstract

【課題】 冷凍と解凍を一回以上行った際の冷凍やけ、色や食味の変化を抑制することができるとともに、保存中における微生物汚染抑制効果および消臭効果があり、これにより高品質の状態でかつ簡易に冷凍保存することのできる、耐冷凍性穀物製食品およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】 本製造方法を、穀粉1に、水4、塩5、無蒸煮醗酵大豆乳化油脂組成物3、および貝殻焼成物2を加えて混練して混練物10を得る混練過程P1と、該混練物10を成形して最終製品20を得る成形過程P2とから、構成する。
【選択図】 図1

Description

この発明は耐冷凍性穀物製食品およびその製造方法に係り、特に、冷凍と解凍を一回以上行った際の冷凍やけ、色や食味の変化を抑制することができるとともに保存中における微生物汚染抑制効果および消臭効果があり、これにより高品質の状態でかつ簡易に冷凍保存することのできる、耐冷凍性穀物製食品およびその製造方法に関する。
生麺、餃子・焼売等の皮など、小麦粉を水で混練してなる混練物からなる穀物製食品は、これを冷凍しその後解凍すると、色が変化したり、香味・食感といった食味が劣化する等の品質低下を招く。また、長期の冷凍保存に供した場合は、食品内部において水分の昇華して食品表面部に再結晶することにより生じる、いわゆる冷凍やけが発生し、外観の低下のみならず水分分布の変化や状態変化、それに伴う構造変化等のために、やはり食味が劣化する等の品質低下を招く。したがって、従来これらの食品の低温保存は、氷点温度以上の冷蔵によりなされているのが通常である。
ところで、小麦粉製食品であるパン生地に耐冷凍性を付与する技術として、無蒸煮発酵大豆乳化油脂組成物が、既に本願出願人の一人により提供されている。無蒸煮醗酵大豆乳化油脂組成物は、無蒸煮膨化大豆粉末に80〜95℃の熱湯を散布した後、これに麹と食塩を添加して発酵させることにより得られる無蒸煮醗酵大豆ペーストを、油脂と混合し、完全に乳化させたものである(特許文献1:特許第2571513号)。ここで用いる無蒸煮膨化大豆粉末は、常温以下で粗砕した大豆を密閉容器中に入れ、その容器内にゲージ圧1kg/cm以下の水蒸気を噴射し、蒸煮することなく3〜20分間加圧状態に維持した後、急激に大気圧以下の密閉容器外に排出して膨化させ、粉末化したものである(特許文献2:特公平5−74332号公報)。製造された無蒸煮膨化大豆粉末は、大豆の細胞内の水分の気化によって細胞壁が破壊され、比表面積が極めて大きくなっているため、無蒸煮であっても発酵可能であるという特徴を有する。
この無蒸煮発酵大豆乳化油脂組成物を用いて、冷凍パン生地およびパンを製造する技術もまた、本願出願人の一人により開示されている(特許文献3:特開2000−316464)。すなわち、冷凍保存中のイースト劣化防止のため化学合成物を一切添加せず、天然抗酸化剤であるレシチンやトコフェロール等を含有する無蒸煮膨化大豆粉末と無蒸煮醗酵大豆乳化油脂組成物を添加してイーストの活力を維持し、さらにその強力な乳化作用により氷の結晶の成長を抑制してグルテン組織の破壊を防止し、その抗酸化作用等により生地の劣化を防止して、冷凍パン生地の寿命を延ばす技術である。
特許第2571513号「乳化油脂組成物、及び、それを使用したパン」。 特公平5−74332号公報「無蒸煮大豆醗酵食品製造方法」。 特開2000−316464号公報「冷凍パン生地、及び、パンの製造方法」。
上述の耐冷凍性付与技術の効果は、しかし、未だ多くの他の穀物製食品については検討されていない。また、この技術を一つの基礎としつつ、穀物製食品の耐冷凍性を、さらに高品質維持・獲得の観点からも追究することにより、製品の付加価値を一層高めることができる。特に、先の特許文献において開示された物性面を主とした改善に加え、保存中における微生物汚染抑制効果や消臭効果等をさらに備えることができれば、生麺等のように水分含量の多い穀粉混練食品の低温保存技術は、より望ましい品質を簡易かつ高度に維持できる技術となり得る。さらに、冷凍と解凍を繰り返し行った場合においても、香味、食感といった食味が低下しない保存技術があれば、流通、業務用途や個人消費用途での食品の取り扱いにおいて便利である。
本発明の課題はかかる従来技術の状況を踏まえ、特に、冷凍と解凍を一回以上行った際の冷凍やけ、色や食味の変化を抑制することができるとともに、保存中における微生物汚染抑制効果および消臭効果があり、これにより高品質の状態でかつ簡易に冷凍保存することのできる、耐冷凍性穀物製食品およびその製造方法を提供することである。
本願発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討し、本発明に至った。すなわち、本願において特許請求される発明は以下のとおりである。
(1) 無蒸煮醗酵大豆乳化油脂組成物および貝殻焼成物が穀物製食品に添加されてなることを特徴とする、耐冷凍性穀物製食品。
(2) ビタミンDがさらに添加されていることを特徴とする、(1)に記載の耐冷凍性穀物製食品。
(3) 前記穀物製食品は小麦粉製食品であることを特徴とする、(1)または(2)に記載の耐冷凍性穀物製食品。
(4) 前記貝殻焼成物はホタテガイの貝殻焼成物であることを特徴とする、(1)ないし(3)のいずれかに記載の耐冷凍性穀物製食品。
(5) 前記穀物製食品は生麺であることを特徴とする、(1)ないし(4)のいずれかに記載の耐冷凍性穀物製食品。
(6) 穀粉に、水、塩、無蒸煮醗酵大豆乳化油脂組成物、および貝殻焼成物を加えて混練して混練物を得る混練過程と、該混練物を成形して最終製品を得る成形過程とからなる、耐冷凍性穀物製食品の製造方法。
(7) 前記混練過程において、さらにビタミンDを加えることを特徴とする、(6)に記載の耐冷凍性穀物製食品の製造方法。
(8) 前記穀粉は小麦粉であることを特徴とする、(6)または(7)に記載の耐冷凍性穀物製食品の製造方法。
(9) 前記貝殻焼成物はホタテガイの貝殻焼成物であることを特徴とする、(6)ないし(8)のいずれかに記載の耐冷凍性穀物製食品の製造方法。
(10) 前記穀物製食品は生麺であることを特徴とする、(6)ないし(9)のいずれかに記載の耐冷凍性穀物製食品の製造方法。
本発明の耐冷凍性穀物製食品およびその製造方法は上述のように構成されるため、本発明に係る耐冷凍性穀物製食品を用いれば、冷凍と解凍を一回以上行った際の冷凍やけ、色や食味の変化を効果的に抑制することができるとともに、保存中における微生物汚染抑制効果および消臭効果が発揮され、これにより高品質の状態で、かつ簡易に、穀物製食品の冷凍保存を行うことができる。
特に、生麺、餃子・焼売等の皮等のように穀粉に水を加えて混練してなる水分含量の多い食品において、上述の冷凍やけ、色や食味の変化を抑制し、また保存中における微生物汚染抑制および消臭効果が発揮されるため、これら食品を容易に高品質状態で長期保存することができる。しかも、業務用の急速冷凍機のような特殊かつ高価な冷凍設備を用いることなく、家庭用の汎用冷凍庫においてもこれらの効果を得られるため、製造・流通・飲食物提供の各用途においてコストを低減することができる。
また、特にビタミンDを加え他場合には、その添加によってカルシウム摂取効果を高めることができるため、骨粗鬆症対策など栄養補助効果を大いに改善でき、それにより製品・商品価値を高めることができるという効果もある。
さらに、貝殻焼成物に用いる貝殻として特にホタテガイを用いることにより、他の原料に由来するカルシウムと比較して、より無味無臭に近い製品を提供することができ、香味面で一層製品価値を高めることができるという効果もある。
本発明において用いる貝殻焼成物は、以下のようにして製造される。すなわち、原料であるホタテガイ貝殻を電気炉にて約1000℃で3時間焼成する。焼成物においてカルシウムは50〜60重量%程度含まれており、酸化カルシウムとなっている。粒度は約80〜90メッシュ、pHは12.5〜12.7である。本ホタテガイ貝殻焼成物は生麺以外にも広く、菓子類、パン類、ふりかけ等の補助食品、その他の食品製造、食品提供において、摂取効率の高いカルシウム提供の用途に用いることが可能である。したがって本貝殻焼成物は、生麺、餃子・焼売等の皮、菓子類、パン類、米粉製食品といった穀物製食品以外にも、ふりかけ等の補助食品、その他の食品製造、食品提供において、摂取効率の高いカルシウム提供の用途に用いることが可能である。
発明についてより詳細に説明する。
図1は、本発明の耐冷凍性穀物製食品の製造方法を示すフロー図である。図において本製造方法は、穀粉1に、水4、塩5、無蒸煮醗酵大豆乳化油脂組成物3、および貝殻焼成物2を加えて混練して混練物10を得る混練過程P1と、該混練物10を成形して最終製品20を得る成形過程P2とから構成される。したがって、本製造方法を実施することにより、混練過程P1において穀粉1に、水4、塩5、無蒸煮醗酵大豆乳化油脂組成物3、および貝殻焼成物2が加えられ混練されて混練物10が得られ、ついで成形過程P2において該混練物10が適宜の方法で成形されて最終製品20が製造される。かかるフローを経ることにより、本発明の目的である耐冷凍性穀物製食品を得ることができる。
図において、前記成形過程P2における成形は、圧延、押し出し、ケーシング、切断、容器充填など、最終製品の種類・仕様により必要な方法を適宜用いて行う。
無蒸煮醗酵大豆乳化油脂組成物3は、無蒸煮膨化大豆粉末に80〜95℃の熱湯を散布した後、これに麹と食塩を添加して発酵させることにより得られる無蒸煮醗酵大豆ペーストを、油脂と混合し、完全に乳化させたものである。ここで用いる無蒸煮膨化大豆粉末は、常温以下で粗砕した大豆を密閉容器中に入れ、その容器内にゲージ圧1kg/cm以下の水蒸気を噴射し、蒸煮することなく3〜20分間加圧状態に維持した後、急激に大気圧以下の密閉容器外に排出して膨化させ、粉末化したものである。製造された無蒸煮膨化大豆粉末は、大豆の細胞内の水分の気化によって細胞壁が破壊され、比表面積が極めて大きくなっているため、無蒸煮であっても発酵可能であるという特徴を有する。なお、無蒸煮膨化大豆粉末としてはエヌアイフーズ(株)製「プロメットS」を、また無蒸煮醗酵大豆乳化油脂組成物としてはエヌアイフーズ(株)製「クレマール」を用いることができる。
図1の混練過程P1において、かかる無蒸煮発酵大豆乳化油脂組成物3を添加することにより、冷凍耐性を有する穀物製食品を製造することができる。しかも、単に冷凍耐性が付与されるのみではなく、冷凍と解凍を複数回繰り返しても穀物製食品の食感および香味の劣化が抑制され、さらに冷凍やけの発生も効果的に抑制することができる。
混練過程P1において添加する貝殻焼成物2はカルシウム分を主成分とするものであるが、これと前記無蒸煮発酵大豆乳化油脂組成物3を添加して得られる本発明穀物製食品は、上述の耐冷凍性に加え、貝殻焼成物2により発揮される微生物汚染抑制効果および消臭効果が付加され、しかも後述するような貝殻焼成物による香味改善あるいは香味低下抑制の効果等も発揮される。
図において本製造方法では、前記混練過程P1においてさらにビタミンDを加えることができる。これにより、従来のカルシウム製剤よりも安価でありかつカルシウム分を豊富に含んだ貝殻焼成物2が麺中に添加された貝殻焼成物2中のカルシウムは、本耐冷凍性穀物製食品を摂食する際、ビタミンD3の有する化学的な機能によってより体内に摂取されやすくなる。すなわち、ビタミンDの添加によって、カルシウム摂取効果をより高めることができ、骨粗鬆症等カルシウム欠乏が原因となる疾患の予防に寄与するなどの、栄養補助効果を大いに改善することができる。
図においてまた本製造方法では、前記穀粉として小麦粉を用い、あるいはまた前記貝殻焼成物としてホタテガイの貝殻焼成物を用いることとすることができる。ホタテガイを用いた貝殻焼成物つまりホタテガイ焼成カルシウムには、殺菌効果および消臭効果もあるため、これを添加することは、本穀物製食品の保存性や食味向上にも寄与する。さらに、他の原料に由来するカルシウムと比較してより無味無臭となり、穀物製食品本来の香味を余計に損なうことがないという利点もある。ホタテガイ焼成カルシウムの殺菌効果および消臭効果については、日経産業新聞(2001年11月20日)、日本工業新聞(2001年7月18日)など、近年、新聞・テレビ等において広く開示されている。
またさらに、本製造方法フロー中、化学合成物については一切添加しないこととすることができる。これにより、化学合成物により付与される不自然な香味を排除することができて穀物本来の香味を充分に製品において提供することができるとともに、これを摂食することによる人体への負荷・悪影響を防止することができ、加えて、添加物不使用の食品として自然志向、健康志向にも合致し、商品価値を高めることができる。特に、化学合成物の乱用された食品に対して敏感に反応する小児やアレルギー体質者であっても、安心して摂食できる食品を提供することができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
<実施例1 無蒸煮発酵大豆乳化油脂組成物および貝殻焼成物添加生麺の冷凍−解凍試験>
材料
以下の材料を用いた。
小麦粉 68.17%(重量%。以下も同様。)
卵白 3.41%
並塩 1.36%
無蒸煮発酵大豆乳化油脂組成物
1.36%
ホタテガイ貝殻焼成物 0.34%
ビタミンD 0.001%
打ち粉 3.41%
水 21.81%
上記無蒸煮発酵大豆乳化油脂組成物としては、エヌアイフーズ(株)製「クレマール」を用いた。
製造フロー
前記図1に示したフローに即して行った。成形は、混練物を圧延し、ついでこれを切り出し、打ち粉を噴霧して最終製品とした。製造時の環境は次のとおりである。
水温:18℃、 粉温:18℃、 室温:20℃、 湿度:55%
また、混練過程に用いるミキサー、圧延過程に用いるローラー、成形過程に用いる切り出し用装置はいずれも、福田麺機株式会社製の装置を用いた。
ミキシング(混練)時間は、高速(80回転/分)で5分間、ついで低速(45回転/分)で12分間とした。ローラー回転速度は、48回転/分、切り出し速度は、32玉/分とした。
耐冷凍性試験
製品の冷凍および自然解凍を繰り返し、冷凍やけの有無、色および食味の変化、その他の状態の変化を、観察および官能評価により調べた。冷凍、解凍の条件は次のとおりである。
製品:一度に30玉以上製造した生麺は、1玉ごと無色透明のポリエチレン製袋にて簡易包装し、一日おきに1袋ずつ検品した。
使用した冷凍庫:家庭用冷凍冷蔵庫(サンヨー、SR−42VP)
冷凍:−18〜−20℃で12時間
解凍:20〜25℃(室温)で1時間30分
冷凍状態から庫外に移して自然解凍した。解凍開始後1時間30分経過時点で、上記の観察および官能評価を行い、その後すぐに再び所定温度に維持している冷凍庫内に戻した。ただし冷凍やけの有無は、庫外から出した時点で観察した。なお、急速冷凍は行わなかった。
官能評価は6名のパネラーにより行った。官能評価は、食味について3段階の評点を与えることによって行った。「劣る」を0、「やや劣る」を+1、「良い」を+2とした。各パネラーによる評価の単純平均を求めた。パネラーの構成は、男女各3名ずつ、かつ男女とも20歳代、40歳代、50歳代を各1名ずつとした。
<比較例1 従来製法による生麺の冷凍−解凍試験>
ホタテガイ貝殻焼成物、無蒸煮発酵大豆乳化油脂組成物、およびビタミンDを添加しない以外は実施例1と同様に、生麺の製造および試験を行った。
<比較例2 従来製法による生麺の冷蔵試験>
比較例1と同様に生麺の製造を行った。冷凍の代わりに10℃での冷蔵とした他は、実施例1と同様に試験を行った。なおここでの試験は、実施例1と同時点で行った。
使用した冷蔵庫:メーカー、型名
<比較例3 従来製法による生麺の室温保存>
比較例1と同様に生麺の製造を行った。冷凍−解凍の代わりに20℃で保存した他は、実施例1と同様に試験を行った。なおここでの試験は、実施例1と同時点で行った。
これら4例についての観察および官能評価結果を、表1、2に示す。表1には実施例1と比較例1、表2は実施例1と比較例2、3を、それぞれ示す。表中、官能評価結果は6名のパネラーによる評点の平均値で示す。なお時間の経過は、実施例1における冷凍−解凍計13時間30分を1クールとして、クール数により示した。
Figure 2005110617
Figure 2005110617
表1の結果より、本発明を実施した実施例1においては、冷凍−解凍を繰り返しても、冷凍やけその他の外観上の変化がなく、また色の変化、食味の変化がなく、製造時の品質が極めて良好な状態で維持されることが確認できた。
一方、従来品を同様に試験した比較例1では、初回の解凍時で既に麺の一部が溶解状態となった。これは、解凍後の水分移動によるものと考えられる。食味も著しく低下した。また2クール目では、完全に乾燥した部分と溶解した部分に分離してしまい、商品価値を完全に喪失してしまったため、結局、以後の試験を中止した。
表2の結果より、保存方法としてそれぞれ冷蔵、常温保存をもちいた比較例2、3では、ある程度の期間は品質を維持できたものの、早期にカビの発生が認められ、商品価値を喪失した。したがって、途中で試験を中止した。
<実施例2 冷凍−解凍試験その2>
なお、上記試験とは別に、冷凍24時間(−18〜−20℃)および解凍24時間(とけたまま、20〜25℃の室温に放置)、計48時間を1クールとして、他の条件は実施例1と同様にして、外観・色・臭い・食味について試験を行ったところ、10クールすなわち20日間に亘る冷凍−解凍繰り返しによっても、実施例1の結果と同様に、製造時の品質が維持されることを確認済みである。
以上のとおり、本発明の耐冷凍性穀物製食品およびその製造方法によれば、冷凍と解凍を一回以上行った際の冷凍やけ、色や食味の変化を効果的に抑制することができるとともに、保存中における微生物汚染抑制効果および消臭効果が発揮され、これにより高品質の状態で、かつ簡易に、穀物製食品の冷凍保存を行うことができる。
特に、生麺、餃子・焼売等の皮等のように穀粉に水を加えて混練してなる水分含量の多い食品において、上述の冷凍やけ、色や食味の変化を抑制し、また保存中における微生物汚染抑制および消臭効果が発揮されるため、これら食品を容易に高品質状態で長期保存することができる。しかも、業務用の急速冷凍機のような特殊かつ高価な冷凍設備を用いることなく、家庭用の汎用冷凍庫においてもこれらの効果を得られるため、製造・流通・飲食物提供の各用途においてコストを低減することができ、産業上の利用性が高い。
本発明の耐冷凍性穀物製食品の製造方法を示すフロー図である。
符号の説明
1…穀粉、 2…貝殻焼成物、 3…無蒸煮発酵大豆乳化油脂組成物、 4…水、 5…塩、 6…ビタミンD、 10…混練物、 20…最終製品
P1…混練過程、 P2…成形過程













Claims (10)

  1. 無蒸煮醗酵大豆乳化油脂組成物および貝殻焼成物が穀物製食品に添加されてなることを特徴とする、耐冷凍性穀物製食品。
  2. ビタミンDがさらに添加されていることを特徴とする、請求項1に記載の耐冷凍性穀物製食品。
  3. 前記穀物製食品は小麦粉製食品であることを特徴とする、請求項1または2に記載の耐冷凍性穀物製食品。
  4. 前記貝殻焼成物はホタテガイの貝殻焼成物であることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の耐冷凍性穀物製食品。
  5. 前記穀物製食品は生麺であることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の耐冷凍性穀物製食品。
  6. 穀粉に、水、塩、無蒸煮醗酵大豆乳化油脂組成物、および貝殻焼成物を加えて混練して混練物を得る混練過程と、該混練物を成形して最終製品を得る成形過程とからなる、耐冷凍性穀物製食品の製造方法。
  7. 前記混練過程において、さらにビタミンDを加えることを特徴とする、請求項6に記載の耐冷凍性穀物製食品の製造方法。
  8. 前記穀粉は小麦粉であることを特徴とする、請求項6または7に記載の耐冷凍性穀物製食品の製造方法。
  9. 前記貝殻焼成物はホタテガイの貝殻焼成物であることを特徴とする、請求項6ないし8のいずれかに記載の耐冷凍性穀物製食品の製造方法。
  10. 前記穀物製食品は生麺であることを特徴とする、請求項6ないし9のいずれかに記載の耐冷凍性穀物製食品の製造方法。






JP2003351649A 2003-10-10 2003-10-10 耐冷凍性穀物製食品およびその製造方法 Pending JP2005110617A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003351649A JP2005110617A (ja) 2003-10-10 2003-10-10 耐冷凍性穀物製食品およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003351649A JP2005110617A (ja) 2003-10-10 2003-10-10 耐冷凍性穀物製食品およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005110617A true JP2005110617A (ja) 2005-04-28

Family

ID=34542828

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003351649A Pending JP2005110617A (ja) 2003-10-10 2003-10-10 耐冷凍性穀物製食品およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005110617A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005110616A (ja) * 2003-10-10 2005-04-28 Hachinohe Seimen Kk 貝殻焼成物添加生麺およびその製造方法
WO2009054100A1 (ja) * 2007-10-26 2009-04-30 Nisshin Foods Inc. 冷凍麺類、その冷凍麺類の製造方法、及び冷凍やけ防止用コーティング液

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005110616A (ja) * 2003-10-10 2005-04-28 Hachinohe Seimen Kk 貝殻焼成物添加生麺およびその製造方法
WO2009054100A1 (ja) * 2007-10-26 2009-04-30 Nisshin Foods Inc. 冷凍麺類、その冷凍麺類の製造方法、及び冷凍やけ防止用コーティング液

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Pagani et al. Traditional Italian products from wheat and other starchy flours
AU2013267707B2 (en) Food composition and method
JP6454115B2 (ja) 小麦粉代用米粉及びグルテンフリー米粉パンの製造方法
JP2013085524A (ja) たこ焼き又はお好み焼き粉ミックス
KR102053955B1 (ko) 양파 페이스트리 빵 및 이의 제조방법
KR101681965B1 (ko) 기름에 튀기지 않는 한입 크기의 파이 제조방법
WO2005009142A1 (ja) フライ食品用品質改良剤
JP2007151531A (ja) 低蛋白ラスク及びその製造方法
JP2002360200A (ja) スパイス・ハーブ入り冷凍揚げ物およびその冷凍揚げ物用衣材
JP2014008040A (ja) ベーカリー食品とその製造方法
JP2005110617A (ja) 耐冷凍性穀物製食品およびその製造方法
JP3123029U (ja) 耐冷凍性穀物製食品
JP6893368B2 (ja) ほぐれの改良された穀類加工食品、その製造方法およびほぐれ改良剤
JPH10191873A (ja) パン用ミックス粉及びこれを用いたパン類の製造方法
JP2005204649A (ja) 食品用品質改良剤
CA2391456C (en) Refrigerator stable raw alimentary paste
JP4141530B2 (ja) 発酵種を含有する麺類
JP2002272424A (ja) 魚肉入り食品の製造方法
JP4530968B2 (ja) ロールイン用油脂組成物
JP2019033690A (ja) 穀物粉の調製、保存法と本穀物粉を用いた穀物粉食品
JP2007259771A (ja) 油中水型油脂組成物およびこれを用いたパンの製造法
JP2018113865A (ja) たこ焼き又はお好み焼き用ミックス
JP3426155B2 (ja) 食品の保存性向上方法
JP2005110616A (ja) 貝殻焼成物添加生麺およびその製造方法
KR20150121503A (ko) 흑미를 포함하는 쌀 피자 도우 및 이의 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20050307

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20050418

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050427

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050624

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050801

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050825