JP2005109006A - 高電圧貫通型コンデンサ及びマグネトロン - Google Patents

高電圧貫通型コンデンサ及びマグネトロン Download PDF

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Abstract

【課題】絶縁樹脂の界面における接着力を増大させ、界面剥離を阻止し、特性劣化及び電気的短絡を回避し得るようにした高信頼度の高電圧貫通型コンデンサ及び高信頼度のマグネトロンを提供する。
【解決手段】コンデンサ2は、両面に電極213、214、215を備え、電極の一方215が接地金具1の一面上に固着されている。貫通導体4、5は、コンデンサ2及び接地金具1を貫通し、電極の他方213、214に導通接続されている。絶縁ケース6は、接地金具1の一面側に備えられ、一端が浮き上がり部111の外周に嵌め込まれている。絶縁樹脂は7、8、絶縁ケース6の内部及び接地金具1の内部空間に充填されるとともに、コンデンサ2の周りに充填されている。絶縁樹脂7、8は、臭素系の難燃剤を含むエポキシ樹脂でなり、臭素系難燃剤は、臭素化芳香族グリシジルエーテルである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高電圧貫通型コンデンサ及びこの高電圧貫通型コンデンサでなるフィルタを有するマグネトロンに関する。
従来のこの種の高電圧貫通型コンデンサは、例えば特許文献1や特許文献2等でよく知られている。その一般的な構造は次のようなものである。コンデンサを構成する誘電体磁器に、2つの貫通孔を間隔をおいて形成する。誘電体磁器の貫通孔を開口させた両面に、互いに独立した個別電極及び個別電極に対して共通となる共通電極を設ける。共通電極は、接地金具の浮上り部上に半田付け等の手段によって固着される。コンデンサの貫通孔及び接地金具の貫通孔を通って、貫通導体を貫通させる。この貫通導体は、コンデンサの個別電極に、電極接続体等を用いて半田付けされる。接地金具の浮上り部の外周に、コンデンサを包囲するように、絶縁ケースが挿着される。接地金具の他面側に、貫通導体を包囲するように、絶縁カバーが挿着される。絶縁カバーは接地金具の浮き上がり部の内周面に密着するように装着される。そして、絶縁ケース及び絶縁ケースで包囲されたコンデンサの内外に、エポキシ樹脂等の熱硬化性絶縁樹脂が充填され、それによって耐湿性及び絶縁性が確保される。
ところが、絶縁樹脂は、接地金具の浮き上がり部の内外周面、絶縁ケースの内周面及びコンデンサの内外面に密着するように充填されているだけであって、両者は非接着状態にある。このため、絶縁樹脂の硬化収縮時に発生するストレス及び使用時において、繰り返し発生するストレスにより、誘電体磁器と絶縁樹脂との間に隙間が発生し、さらに、絶縁樹脂と絶縁ケースの内周面及び接地金具との境界にも隙間を誘発する。
上述した隙間を発生させる主な原因としては、エポキシ樹脂等の熱硬化性絶縁樹脂が硬化収縮する時のストレス及びコンデンサを構成する誘電体磁器の電歪現象に起因するストレスをあげることができる。
コンデンサを構成する誘電体磁器は、チタン酸バリウムを主成分とした誘電体磁器によって構成される。このような誘電体磁器は圧電性結晶族に属する強誘電体である。圧電性結晶族に属する強誘電体は逆圧電効果を示す。このため、交流高電圧が印加された場合、コンデンサを構成する誘電体磁器の内部に機械的エネルギーが発生する。
例えば、この種の高電圧貫通型コンデンサが、電子レンジのマグネトロンにおいてフィルタとして用いられた場合、マグネトロンを発振させる交流高電圧がコンデンサに印加される。交流高電圧が印加されると、誘電体磁器の内部で、前述した逆圧電効果により、電気的エネルーが機械的エネルギーに変換される。このため、誘電体磁器は電圧印加時に伸び、無印加時に元の状態に戻ろうとして縮む。
電子レンジのマグネトロンを発振させるために、商用周波数または20kHz〜40kHzの周波数を持つ4kV0-p程度の電圧が印加される。また、マグネトロンが発振を開始する直前に、0〜40kVp-pの過渡電圧が印加される。コンデンサを構成する誘電体磁器は、これらの交流電圧を受けて伸び縮みを繰り返す。このような現象は、誘電体磁器の電歪現象と称されているものである。
この電歪現象が、誘電体磁器と絶縁樹脂との間、さらに、絶縁樹脂と絶縁ケースの内周面及び接地金具との境界に隙間を誘発する大きな原因となる。このため、従来のこの種の高電圧貫通型コンデンサは、短時間で、特性劣化及び電極間短絡による不良の問題を発生する危険性を抱えていた。
また、特性劣化の他の原因として、誘電体磁器のセラミック素地溝部に対する難燃剤の沈降もあげられる。
従来から一般に用いられている絶縁樹脂は、添加型の難燃剤ヘキサブロモベンゼンを含んだエポキシ樹脂である。この添加型の場合、難燃剤の比重がベース樹脂より大きいため、沈降して絶縁界面に存在する傾向にあった。難燃剤の形状は、大きなものであるとともに、棒状にもなっている。難燃剤はそれ自体がベース樹脂よりも絶縁性が劣るとともに、ベース樹脂と素地との密着強度にも悪影響を及ぼす。難燃剤の沈降は、初期破壊電圧値がばらついたり、高温負荷特性が比較的短時間しかもたない問題をも発生させる。
特開平8−316099号公報 実開平4−40524号公報
本発明の課題は、絶縁ケース及び接地金具と、それぞれの内部に充填された絶縁樹脂との間の界面における接着力及びコンデンサとその周りに充填された絶縁樹脂との間の界面における接着力を増大させ、両者間の界面剥離を阻止し、特性劣化及び電気的短絡を回避し得るようにした高信頼度の高電圧貫通型コンデンサを提供することである。
本発明のもう一つの課題は、本発明に係る高電圧貫通型コンデンサをフィルタとして組込んだ高信頼度のマグネトロンを提供することである。
上述した課題を解決するため、本発明に係る高電圧貫通型コンデンサは、少なくとも1つの接地金具と、少なくとも1つのコンデンサと、少なくとも1つの貫通導体と、少なくとも1つの絶縁チューブと、少なくとも1の絶縁ケースと、絶縁樹脂とを含む。
前記接地金具は、一面側に浮き上がり部を有し、前記浮き上がり部は一面側から他面側に貫通する貫通孔及び前記貫通孔に連続する内部空間を有する。
前記コンデンサは、貫通孔を有する誘電体磁器を含み、前記誘電体磁器の前記貫通孔の開口する両面に電極を備えて構成され、前記電極の一方が前記接地金具の前記一面上に固着されている。
前記貫通導体は、前記コンデンサ及び前記接地金具を貫通し、前記電極の他方に導通接続されている。前記絶縁チューブは、前記貫通導体に被せて設けられている。
前記絶縁ケースは、前記接地金具の一面側に備えられ、一端が前記浮き上がり部の前記外周に嵌めこまれている。前記絶縁樹脂は、前記絶縁ケースの内部及び前記接地金具の前記内部空間に充填されるとともに、前記コンデンサの周りに充填されており、前記絶縁カバーの内部において前記コンデンサの周りに充填されている。
前記ケース側の絶縁樹脂は、臭素系の難燃剤を含むエポキシ樹脂でなり、前記臭素系難燃剤は、臭素化芳香族グリシジルエーテルである。
上記構造の高電圧貫通型コンデンサによれば、電子レンジのマグネトロンに使用した場合、貫通導体を給電端子とし、この貫通端子と、アース電位となる接地金具との間にコンデンサを接続し、貫通導体を通るノイズをコンデンサのフィルタ作用によって吸収することができる。
また、接地金具は、貫通孔を有しており、コンデンサも誘電体磁器を貫通する貫通孔を有しているから、アースに対して高電位となる貫通端子を、アース電位となる接地金具及びコンデンサの電極の一方との間に、貫通孔による充分な電気絶縁を確保して、取り付けることができる。
さらに、絶縁樹脂が、絶縁ケースの内部及び接地金具の内部空間に充填されるとともに、絶縁樹脂がコンデンサの周りに充填されているから、高温負荷試験や耐湿負荷試験等の信頼性試験または高温多湿の環境で使用された場合等の信頼性が向上する。
本発明の特徴は、上述した一般的構造において、ケース側の絶縁樹脂として、臭素系の難燃剤を含むエポキシ樹脂を用い、臭素系の難燃剤は、臭素化芳香族グリシジルエーテルを用いた点にある。
臭素化芳香族グリシジルエーテルは、液状であり、難燃剤の粒子が細かいので、絶縁樹脂界面の密着性が保持される。このため、絶縁ケース及び接地金具と、ケース側の内部に充填された絶縁樹脂との間の界面における接着力及びコンデンサとその周りに充填された絶縁樹脂との間の界面における接着力が増大するので、絶縁樹脂の硬化収縮、または、使用時に誘電体磁器の電歪現象が生じても、その機械的ストレスに十分に耐えることができるようになる。従って、絶縁ケース及び接地金具と、ケース側の内部に充填された絶縁樹脂との間の界面及びコンデンサとその周りに充填された絶縁樹脂との間の界面剥離を阻止し、特性劣化及び電気的短絡を回避し得るようにした高信頼度の高電圧貫通型コンデンサを提供することができる。
本発明は、更に本発明に係る高電圧貫通型コンデンサをフィルタとして組込んだマグネトロンについても開示する。
本発明の他の目的、構成及び利点については、添付図面を参照し、更に詳しく説明する。但し、添付図面は、単なる例示に過ぎない。
以上述べたように、本発明によれば次のような効果を得ることができる。
(a)絶縁ケース及び接地金具と、ケース側の内部に充填された絶縁樹脂との間の界面における接着力及びコンデンサとその周りに充填された絶縁樹脂との間の界面における接着力を増大させ、両者間の界面剥離を阻止し、特性劣化及び電気的短絡を回避し得るようにした高信頼度の高電圧貫通型コンデンサを提供することができる。
(b)高電圧貫通型コンデンサをフィルタとして組込んだ高信頼度のマグネトロンを提供することができる。
図1は、本発明に係る高電圧貫通型コンデンサの一例を示す正面断面図である。図2は、図1に示した高電圧貫通型コンデンサの分解斜視図である。図1及び図2に示された高電圧貫通型コンデンサは、接地金具1、コンデンサ2、貫通導体4、5、絶縁ケース6、外側絶縁樹脂7、内側絶縁樹脂8、絶縁カバー9及びシリコーン等で構成された絶縁チューブ10、11等を含んでいる。
接地金具1は、一面側に浮上り部111を有し、浮上り部111が貫通孔112を有している。コンデンサ2は、浮上り部111上に配置され、電極215が浮上り部111に半田付け等の手段によって固着されている。貫通導体4、5は、コンデンサ2に形成された貫通孔211、212及び接地金具1に形成された貫通孔112の内部を貫通し、電極213、214に電極接続体12、13を介して導通接続されている。
外側絶縁樹脂7は、接地金具1の一面側でコンデンサ2の周りに充填され、誘電体磁器210の表面に密着している。内側絶縁樹脂8は、接地金具1の他面においてコンデンサ2の貫通孔211、212内に充填され、誘電体磁器210の表面に密着している。外側絶縁樹脂7は、臭素系の難燃剤を含む熱硬化性エポキシ樹脂で構成され、前記臭素系難燃剤は、臭素化芳香族グリシジルエーテルである。
絶縁チューブ10、11は、貫通導体4、5の貫通孔211、212内に位置する部分に被せて設けられている。
絶縁ケース6及び絶縁カバー9はポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートあるいは変性メラミン等で構成できる。絶縁ケース6は接地金具1の浮き上がり部111の外周に嵌め込まれている。絶縁カバー9は接地金具1の浮き上がり部111の内周に嵌め込まれている。外側絶縁樹脂7は絶縁ケース6の内部に充填され、内側絶縁樹脂8は絶縁カバー9の内側、接地金具1に備えられた浮き上がり部111の内側及びコンデンサ2の貫通孔211、212内に充填されている。
コンデンサ2を構成する誘電体磁器210の組成は周知である。具体例としては、BaTiO3−BaZrO3−CaTiO3−MgTiO3を主成分とし、一種または複数種の添加物を含む組成をあげることができる。
コンデンサ2は電極215が接地金具1の一面上に固着されて、接地金具1上に備えられている。貫通導体4、5は、コンデンサ2及び接地金具1を貫通し、電極213、214に導通接続されている。従って、電子レンジのマグネトロンに使用した場合、貫通導体4、5を給電端子とし、この貫通導体4、5と、アース電位となる接地金具1との間にコンデンサ2を接続し、貫通導体4、5を通るノイズをコンデンサ2のフィルタ作用によって吸収する高電圧貫通型コンデンサが得られる。
接地金具1は、少なくとも一つの貫通孔112を有しており、コンデンサ2は誘電体磁器210を貫通する少なくとも一つの貫通孔211、212を有しているから、アースに対して高電位となる貫通導体4、5を、アース電位となる接地金具1及びコンデンサ2の電極215との間に、貫通孔211、212による充分な電気絶縁を確保することができる。
絶縁樹脂7、8がコンデンサ2の回りに充填されているから、高温負荷試験や耐湿負荷試験等の信頼性試験または高温多湿の環境で使用された場合等の信頼性が向上する。
本発明の特徴は、上述した一般的構造において、ケース側絶縁樹脂として、臭素系の難燃剤を含むエポキシ樹脂を用い、臭素系の難燃剤は、臭素化芳香族グリシジルエーテルを用いた点にある。臭素化芳香族グリシジルエーテルは、液状であり、難燃剤の粒子が細かいので、絶縁樹脂界面の密着性が保持される。
このため、絶縁ケース及び接地金具と、ケース側の内部に充填された絶縁樹脂との間の界面における接着力及びコンデンサとその周りに充填された絶縁樹脂との間の界面における接着力が増大するので、絶縁樹脂の硬化収縮、または、使用時に誘電体磁器の電歪現象が生じても、その機械的ストレスに十分に耐えることができるようになる。
従って、絶縁ケース及び接地金具と、ケース側の内部に充填された絶縁樹脂との間の界面及びコンデンサとその周りに充填された絶縁樹脂との間の界面剥離を阻止し、特性劣化及び電気的短絡を回避し得るようにした高信頼度の高電圧貫通型コンデンサが得られる。
次に、試験データを挙げて説明する。
本実施例の高電圧貫通型コンデンサは、臭素系の難燃剤として臭素化芳香族グリシジルエーテルを含むエポキシ樹脂を用いて作製した。臭素含有量は、臭素化芳香族グリシジルエーテルに対して40〜60wt%、エポキシ樹脂全体(充填剤も含む)に対して2〜6wt%となるように調製した。臭素化芳香族グリシジルエーテルの分子量は200〜400である。
他方、比較例の高電圧貫通型コンデンサは、添加型難燃剤ヘキサブロモベンゼンを含むエポキシ樹脂を用いて作製した。
1.高温負荷試験
上述の絶縁樹脂を用いて、図1、図2に図示した高電圧貫通型コンデンサのサンプルをそれぞれ10個作製し、高温負荷試験を行った。高温負荷試験は、恒温槽内にサンプルを収容し、温度を120℃に保ち、DC10kVの電圧を連続印加し、故障が発生するまでの時間を計測した。表1は、高温負荷試験結果を示している。
Figure 2005109006
表1により、実施例の高電圧貫通型コンデンサは、比較例に対して、故障に至るまでの時間が2.6〜40倍伸びており信頼性が向上していることが判る。
2.交流破壊電圧試験
上述の絶縁樹脂を用いて、図1、図2に図示した高電圧貫通型コンデンサのサンプルをそれぞれ20個作製し、交流破壊電圧試験を行った。交流破壊電圧試験は、常温でサンプルに周波数50Hzの正弦波交流電圧を印加し、0Vから徐々に上昇させ、破壊に至ったときの電圧を測定した。表2は、交流破壊電圧試験結果を示している。図3は、表2に示した交流破壊電圧試験結果の分布図である。
Figure 2005109006
表2によれば、実施例の高電圧貫通型コンデンサは、平均破壊電圧(ave)が、36.0kVであり、比較例の平均破壊電圧(ave)31.3kVより約5kV高い。また、破壊電圧の標準偏差σは、実施例では3.6kVであり、比較例の4.5kVよりも低く、ばらつきが小さい。従って、本発明によれば、高信頼性の高電圧貫通型コンデンサを実現できる。また、破壊モードにおいて、実施例の高電圧貫通型コンデンサは、溝での破壊数が低下している。このことは、誘電体磁器素体と絶縁樹脂との密着性の向上を示している。
図1、図2に図示した高電圧貫通型コンデンサの断面・樹脂の断面の拡大写真、上述の絶縁樹脂テストピースの断面・樹脂の断面の拡大写真を検討したところ、実施例の難燃剤の粒子(凝集も含む)は、比較例の粒子より細かく、誘電体磁器素体と絶縁樹脂との密着性が良好であることが判った。
以上の結果より、本実施例の絶縁樹脂に用いた高電圧貫通型コンデンサは、絶縁ケース及び接地金具と、それぞれの内部に充填された絶縁樹脂との間の界面における接着力及びコンデンサとその周りに充填された絶縁樹脂との間の界面における接着力を増大させ、両者間の界面剥離を阻止し、特性劣化及び電気的短絡を回避することができる。
実施例に用いた絶縁樹脂において、臭素化芳香族グリシジルエーテルの分子量は200〜400である。
図4は本発明に係る高電圧貫通型コンデンサをフィルタとして組込んだマグネトロンの部分破断面図で、15は陰極ステム、16はフィルタボックス、17、18はインダクタ、19はインダクタ17、18と共にフィルタとして使用された本発明に係る高電圧貫通型コンデンサである。フィルタボックス16は陰極ステム15を覆うように配置してあり、また高電圧貫通型コンデンサ19は、フィルタボックス16の側面板161に設けた貫通孔を通して、外側絶縁樹脂7が外部に出るように貫通して設けられ、接地金具1の部分で、フィルタボックス16の側面板161に取付け固定されている。インダクタ17、18はフィルタボックス16の内部において、陰極ステム15の陰極端子と、高電圧貫通型コンデンサ19の貫通導体4、5との間に直列に接続されている。21は冷却フィン、22はガスケット、23はRF出力端、24は磁石である。
電子レンジのマグネトロンを発振させるために、商用周波数または20kHz〜40kHzの周波数を持つ4kV0-p程度の電圧が、高電圧貫通型コンデンサ19の貫通導体4、5に供給される。供給された高電圧は、貫通導体4、5からインダクタ17、18を通してマグネトロンに供給される。貫通導体4、5を通るノイズはコンデンサ2及びインダクタ17、18のフィルタ作用によって吸収される。
また、絶縁樹脂7、8がコンデンサ2の回りに充填されているから、高温多湿の環境である電子レンジに使用された場合も、充分な信頼性を確保できる。
さらに、高電圧貫通型コンデンサ19は、図1、図2を用いて説明したように、絶縁樹脂として、臭素系の難燃剤を含むエポキシ樹脂を用い、臭素系の難燃剤は、臭素化芳香族グリシジルエーテルを用いている。このため、絶縁樹脂の界面における接着力を増大させ、界面剥離を阻止し、特性劣化及び電気的短絡を回避できるので、耐湿性能が高まり、高温多湿の環境である電子レンジに使用された場合、さらに高い信頼性を確保できる。
以上、好ましい実施例を参照して本発明を詳細に説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、当業者であれば、その基本的技術思想および教示に基づき、種々の変形例を想到できることは自明である。
本発明に係る高電圧貫通型コンデンサの一例を示す正面断面図である。 図1に示した高電圧貫通型コンデンサの分解斜視図である。 表2に示した交流破壊電圧試験結果の分布図である。 本発明に係る高電圧貫通型コンデンサを組込んだマグネトロンの部分破断面図である。
符号の説明
1 接地金具
2 コンデンサ
10、11 絶縁チューブ
111 浮上がり部
112、211、212 貫通孔
12、13 電極接続体
121、122 接地金具底面
210 誘電体磁器
213、214、215 電極
4、5 貫通導体
6 絶縁ケース
7 外側絶縁樹脂
8 内側絶縁樹脂
9 絶縁カバー

Claims (3)

  1. 少なくとも1つの接地金具と、少なくとも1つのコンデンサと、少なくとも1つの貫通導体と、少なくとも1つの絶縁チューブと、少なくとも1つの絶縁ケースと、絶縁樹脂とを含む高電圧貫通型コンデンサであって、
    前記接地金具は、一面側に浮き上がり部を有し、
    前記浮き上がり部は、一面側から他面側に貫通する貫通孔及び前記貫通孔に連続する内部空間を有しており、
    前記コンデンサは、貫通孔を有する誘電体磁器を含み、前記誘電体磁器の前記貫通孔の開口する両面に電極を備えて構成され、前記電極の一方が前記接地金具の前記一面上に固着されており、
    前記貫通導体は、コンデンサ及び前記接地金具を貫通し、前記電極の他方に導通接続されており、
    前記絶縁チューブは、前記貫通導体に被せて設けられており、
    前記絶縁ケースは、前記接地金具の一面側に備えられ、一端が前記浮き上がり部の前記外周に嵌め込まれており、
    前記絶縁樹脂は、前記絶縁ケースの内部及び前記接地金具の前記内部空間に充填されるとともに、前記コンデンサの周りに充填されており、
    前記ケース側の絶縁樹脂は、臭素系の難燃剤を含むエポキシ樹脂でなり、前記臭素系難燃剤は、臭素化芳香族グリシジルエーテルである
    高電圧貫通型コンデンサ。
  2. 請求項1に記載された高電圧貫通型コンデンサであって、
    前記絶縁樹脂の臭素含有量は、エポキシ樹脂全体(充填剤も含む)に対して2〜6wt%であり、臭素化芳香族グリシジルエーテルに対して40〜60wt%であり、
    前記臭素化芳香族グリシジルエーテルの分子量は200〜400である
    高電圧貫通型コンデンサ。
  3. 高電圧貫通型コンデンサをフィルタとして組込んだマグネトロンであって、前記高電圧貫通型コンデンサは請求項1または2に記載されたものでなる
    マグネトロン。

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