JP2005108610A - アルカリ蓄電池および組電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電池中の電解液量を多くすることにより、高温でのパルスサイクル特性に優れたアルカリ蓄電池を提供する。
【解決手段】 本発明のアルカリ蓄電池は、電池内10のアルカリ電解液量は電池容量に対して1.8cm3/Ah以上であるとともに、水素吸蔵合金負極12中の酸素濃度が水素吸蔵合金の質量に対して0.5〜1.0質量%の時に、正極11の正極活物質中のアルミニウム含有量が正極活物質の質量に対して0.30質量%以下となるように規制している。これにより、高温でのパルスサイクル特性に優れたアルカリ蓄電池を得ることができるようになる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、水酸化ニッケルを主体とする正極活物質を有する正極と、アルミニウムを含有する水素吸蔵合金を有する負極と、これらの正極と負極を隔離するセパレータとを備えたアルカリ蓄電池に係り、特に、充電深度(SOC:State Of Charge)が100%未満となるように部分充放電が繰り返される用途に最適なアルカリ蓄電池およびこのアルカリ蓄電池を用いた組電池に関する。
近年、二次電池(蓄電池)の用途が拡大して、携帯電話、ノートパソコン、電動工具、電動自転車、ハイブリッド車(HEV)、電気自動車(EV)など広範囲にわたって用いられるようになった。このうち、特に、電動工具、電動自転車、ハイブリッド車(HEV)、電気自動車(EV)などの高出力が求められる機器の電源としては、ニッケル−水素蓄電池やニッケル−カドミウム蓄電池などのアルカリ蓄電池が用いられている。
ところで、新たな二次電池の用途となるHEV用やEV用等の車両駆動用の動力源の用途に用いられるニッケル−水素蓄電池においては、自動車に搭載される性質上、高温でのパルスサイクル特性が要求される。通常、この種のニッケル−水素蓄電池の負極に用いられる水素吸蔵合金においては、平衡圧を下げて電池内圧を低減させるために、水素吸蔵合金中にアルミニウム(Al)を添加し、このアルミニウム(Al)の添加量を増大させるようになされている。
そして、この種のHEV用やEV用等の車両駆動用の動力源の用途に用いられるニッケル−水素蓄電池においては、電解液量を理論容量に対して0.7cm3/Ah〜1.7cm3/Ahに規制する必要があることが、例えば、特許文献1で提案されている。
特開2001−217000号公報
ところが、水素吸蔵合金中に添加されたアルミニウム(Al)の添加量を増大させると、充放電を繰り返すことにより水素吸蔵合金中に添加されたアルミニウム(Al)がアルカリ電解液中に溶出し、溶出したアルミニウム(Al)が正極中に侵入するようになる。そして、正極中に侵入したアルミニウム(Al)が正極活物質中に存在するようになると、正極中の抵抗が増大するようになる。これはアルミニウム(Al)が増大すると充放電反応の一部が、α−Ni(OH)2とγ−NiOOHの間で起こるようになるためと考えられる。
これにより、正、負極間での反応性が低下するようになって、特に、高温でのパルスサイクル特性に悪影響を及ぼすという問題を生じるようになった。このような問題は、HEV用やEV用などの部分充放電を繰り返す用途で顕著に認められる。
そこで、本発明は上記問題点を解消するためになされたものであって、通常の電解液量よりも多くの電解液を注液することにより、高温でのパルスサイクル特性に優れたアルカリ蓄電池を提供するとともに、このアルカリ蓄電池を用いた組電池を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のアルカリ蓄電池は、アルカリ電解液量が電池容量に対して1.8cm3/Ah以上であるとともに、水素吸蔵合金中の酸素濃度が該水素吸蔵合金の質量に対して0.5〜1.0質量%の時に、正極活物質中のアルミニウム含有量が該正極活物質の質量に対して0.30質量%以下であることを特徴とする。
このように、アルカリ蓄電池中に含有されるアルカリ電解液量を電池容量に対して1.8cm3/Ah以上になるように増大させると、正極活物質中のアルミニウム含有量を正極活物質の質量に対して0.30質量%以下に低減させることが可能となる。これにより、充放電反応に伴う、α−Ni(OH)2とγ−NiOOHの間での反応を抑制することが可能となって、正極中での抵抗増加を抑制できるようになる。この結果、高温でのパルスサイクル特性に優れたアルカリ蓄電池を得ることができるようになる。
この場合、正極活物質中のアルミニウム含有量は、水素吸蔵合金負極中の酸素濃度が水素吸蔵合金の質量に対して0.5〜1.0質量%の時、即ち、このような正極と負極とを用いて電池を形成し、この電池を活性化した直後での含有量を規定している。このことは、特に、正極活物質の導電性が不完全な初期の状態において、正極活物質中のアルミニウム含有量を低減させ、良好な環境で初期のコンディショニングを進行することが、後々のサイクル寿命に対して重要であることを示している。
なお、電解液中のリチウム濃度が0.05mol/l未満であると、正極活物質中のアルミニウム含有量を低減させる効果が小さく、電解液中のリチウム濃度が増大すると高温でのパルスサイクル特性が向上することが明らかになった。このため、電解液中のリチウム濃度を0.05mol/l以上にするのが望ましいということができる。また、正極中に酸化亜鉛(ZnO)および水酸化コバルト(Co(OH)2)を添加するようにすると、充放電時に電解液中に溶出したアルミニウムが正極活物質中に侵入するのを抑制できるようになる。このため、正極中に酸化亜鉛(ZnO)および水酸化コバルト(Co(OH)2)を添加するのが望ましい。
上述したように、本発明においては、アルカリ蓄電池中に含有されるアルカリ電解液量を電池容量に対して1.8cm3/Ah以上に規制するとともに、水素吸蔵合金中の酸素濃度が該水素吸蔵合金の質量に対して0.5〜1.0質量%の時に、正極活物質中のアルミニウム含有量が該正極活物質の質量に対して0.30質量%以下になるように規制しているので、高温でのパルスサイクル特性に優れたアルカリ蓄電池を得ることができるようになる。
以下に、本発明の実施の形態を図1に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものでなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することができる。なお、図1は本発明のアルカリ蓄電池を模式的に示す断面図である。
1.ニッケル正極
(1)正極活物質の調製
まず、硫酸ニッケル、硫酸亜鉛、硫酸コバルトの各水溶液を用意し、これらを質量比で金属ニッケル100に対して亜鉛3質量%、コバルト1質量%となるような混合水溶液とした。ついで、得られた混合水溶液を攪拌しながら、水酸化ナトリウム水溶液を徐々に添加し、反応溶液中のpHが13〜14になるように維持させて粒状の水酸化ニッケルを析出させた。この粒状の水酸化ニッケルが析出した溶液に対して、硫酸コバルト水溶液を添加し、この反応溶液中のpHが9〜10になるように維持させて、主成分が水酸化ニッケルである球状水酸化物粒子を結晶核として、この核の周囲に水酸化コバルトを析出させた。
このようにして表面に水酸化コバルト被覆層を有する粒状の水酸化ニッケル(正極活物質粒子)を得た後、この正極活物質粒子を熱気流中でアルカリ溶液を噴霧するアルカリ熱処理を行った。なお、このアルカリ熱処理において、正極活物質粒子の温度が60℃になるように温度調節し、コバルト量に対して5倍量の35質量%のアルカリ溶液(水酸化ナトリウム水溶液)を噴霧した。この後、正極活物質粒子の温度が90℃になるまで昇温し、水洗した後、60℃で乾燥させた。これにより、水酸化ニッケル粒子の表面にナトリウム含有コバルト化合物の高導電性被膜が形成された水酸化ニッケル粉末を得、これを正極活物質とした。
(2)活物質スラリーの作製
ついで、上述のように調製した正極活物質にニオブ化合物(例えば、Nb25)を添加して混合物とした後、この混合物500gに対して0.25質量%のHPC(ヒドロキシルプロピルセルロース)ディスパージョン液を200g混合して活物質スラリーを作製した。この場合、活物質スラリーに適量の酸化亜鉛(ZnO)および水酸化コバルト(Co(OH)2)を添加するのが望ましい。これは、正極活物質中に酸化亜鉛(ZnO)および水酸化コバルト(Co(OH)2)を含む方が、充放電時に電解液中に溶出したアルミニウム(Al)が正極活物質中に侵入するのを抑制できるためである。
なお、ニオブ化合物(Nb25)を添加する際に、正極活物質の質量に対して0.3質量%となるように添加した活物質スラリーを作製した。ただし、正極活物質に添加するニオブ化合物としては、Nb25以外に、Nb23、NbO、NbO2、NaNbO3、LiNbO3、KNbO3、Nb25・xH2O等を用いてもよい。
(3)ニッケル正極の作製
ついで、上述のように作製した活物質スラリーを、厚みが1.7mmの発砲ニッケルからなる電極基板に所定の充填密度となるように充填した。この後、乾燥させて、厚みが0.75mmになるまで圧延し、所定の寸法に切断して非焼結式ニッケル正極11を作製した。
2.水素吸蔵合金負極
一方、ミッシュメタル(Mm)、ニッケル(Ni:純度99.9%)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、およびアルミニウム(Al)を所定のモル比になるように混合した後、この混合物をアルゴンガス雰囲気の高周波誘導炉で誘導加熱して合金溶湯とした。この合金溶湯を公知の方法で鋳型に流し込み、冷却して、組成式がMmNiaCobMncAld(但し、a,b,c,dは比率を表す数値)で表される水素吸蔵合金のインゴットを作製した。
この水素吸蔵合金インゴットを機械的粉砕法により、平均粒子径が60μmになるまで粉砕して、水素吸蔵合金粉末とした。ついで、得られた水素吸蔵合金粉末100質量部に対して、結着剤としての5質量%のポリエチレンオキサイド(PEO)20質量部を混合して水素吸蔵合金ペーストを作製した。この水素吸蔵合金ペーストをパンチングメタルからなる芯体12aの両面に塗布し、室温で乾燥させた後、所定の厚みに圧延し、所定の寸法に切断して水素吸蔵合金負極12を作製した。
3.ニッケル−水素蓄電池
ついで、上述のようにして作製した非焼結式ニッケル正極11と、水素吸蔵合金負極12とを用い、これらの間にポリプロピレン製不織布からなるセパレータ13を介在させて、これらを渦巻状に巻回して渦巻状電極群を作製した。得られた渦巻状電極群の上部に正極集電体11aを抵抗溶接するとともに、渦巻状電極群の下部に負極集電体12bを抵抗溶接して渦巻状電極体をそれぞれ作製した。ついで、鉄にニッケルメッキを施した有底円筒形の金属外装缶15内に渦巻状電極体を挿入した後、負極集電体12bと金属外装缶15の底部をスポット溶接した。
一方、正極キャップ17bと蓋体17aとからなる封口体を用意し、正極集電体11aに設けられたリード部11bを蓋体17aの底部17cに接触させて、蓋体17aの底部17cとリード部11bとを溶接した。この後、渦巻状電極体の上端面に防振リング14を挿入し、外装缶15の上部外周面に溝入れ加工を施して、防振リング14の上端部に環状溝部15aを形成した。この後、金属製外装缶15内に電解液(水酸化リチウム(LiOH)と水酸化ナトリウム(NaOH)を含有した7Nの水酸化カリウム(KOH)水溶液でリチウム濃度が0.05mol/lのもの)を注液し、封口体を封口ガスケット16を介して外装缶15の環状溝部15aに載置するとともに、外装缶15の先端部を封口体側にカシメて封口して、公称容量が6000mAhのニッケル−水素蓄電池10(A〜G)をそれぞれ組み立てた。
ここで、金属製外装缶15内の電解液量が電池容量に対して1.2cm3/Ahになるように注液したものを電池Aとした。同様に、1.4cm3/Ahとしたものを電池Bとし、1.6cm3/Ahとしたものを電池Cとし、1.8cm3/Ahとしたものを電池Dとし、2.0cm3/Ahとしたものを電池Eとし、2.2cm3/Ahとしたものを電池Fとし、2.4cm3/Ahとしたものを電池Gとした。
4.試験
(1)活性化後の正極活物質中のアルミニウム量の測定
この後、これらの各電池A〜Gに120%の充電を行った後、24時間高温(例えば65℃)熟成し、ついで放置し、放電させるというサイクルを2サイクル繰り返して、各電池A〜Gを活性化した。この後、各電池A〜Gを解体して、正極活物質中に含まれるアルミニウム(Al)量をIPC−MS(Inductively Coupled Plasma Mass Spectrometer)により分析して求めると、下記の表1に示すような結果が得られた。なお、正極活物質の分析に際しては、正極11を電池から摘出した後、30分間純水で洗浄し、乾燥したものを切り出して分析に供した。また、このときの水素吸蔵合金負極12の酸素濃度を測定したところ、水素吸蔵合金の質量に対して0.5質量%〜1.0質量%であることが分かった。
Figure 2005108610
上記表1の結果から明らかなように、ニッケル−水素蓄電池に含まれるアルカリ電解液量を電池容量に対して1.8cm3/Ah以上にすることで正極活物質中のアルミニウム含有量を0.30質量%以下に低減させることができる。即ち、電池中に注液するアルカリ電解液量を増大することでアルカリ電解液中のアルミニウム含有量が低減し、結果として、正極活物質中に含有されるアルミニウム量が低減するものと考えられる。この場合、負極に用いられる水素吸蔵合金をアルミニウムの含有量が多くなるように変更しても、同様のアルカリ電解液量で正極活物質中のアルミニウムの含有量が低減していることを確認した。このことから、負極に用いられる水素吸蔵合金中のアルミニウム量よりも、アルカリ電解液量の方が正極活物質中のアルミニウムの含有量に影響する大きな因子となっているものと考えられる。
ここで、アルカリ電解液量が1.2cm3/Ahおよび1.4cm3/Ahにおいては、正極活物質中のアルミニウム量に殆ど変化が認められないことが分かる。一方、アルカリ電解液量が1.6cm3/Ahより多くなると正極活物質中のアルミニウムの含有量が低減するようになり、アルカリ電解液量が1.8cm3/Ah以上になると、後述する高温パルスサイクル特性に優位な正極活物質中のアルミニウム量を0.30質量%以下にすることができる。なお、アルカリ電解液量を2.4cm3/Ahから更に増大させていくと、徐々に正極活物質中のアルミニウム含有量の低減効果は減少していくことと、空間体積を圧迫するようになることから、アルカリ電解液量の上限値は空間体積との関係から算出することが望ましい。
(2)高温パルスサイクル寿命の測定
ついで、上述のように活性化した各電池A〜Gをそれぞれ6個ずつ用いて、これらを直列に接続して組電池を形成した。これらの組電池を用いて、25℃の温度雰囲気で、6000mA(1ItmA)の充電電流で電池容量の50%まで充電した。この後、40A放電→40A充電→80A放電→80A充電→120A放電→120A充電→160A放電→160A充電の順で、それぞれ10分間の休止を挟みながら10秒間ずつ通電した。そして、10秒目の電池電圧を放電電流に対してプロットして最小二乗法にて直線近似し、直線の傾きを初期の電池抵抗R1(mΩ)として求めた。
さらに、上述のように通電した各電池A〜Gからなる組電池を、45℃の温度雰囲気で、SOC(State Of Charge)が100%未満の範囲内に維持されるように充電制御を行いながら、50Aの間欠充放電を20000サイクル繰り返した。このような間欠充放電を繰り返した後、上述と同様に、40A放電→40A充電→80A放電→80A充電→120A放電→120A充電→160A放電→160A充電の順で、それぞれ10分間の休止を挟みながら10秒間ずつ通電した。そして、10秒目の電池電圧を放電電流に対してプロットして最小二乗法にて直線近似し、直線の傾きをサイクル後の電池抵抗R2(mΩ)として求めた。
この後、初期の電池抵抗R1(mΩ)に対するサイクル後の電池抵抗R2(mΩ)の比(R2/R1)を高温パルスサイクル寿命の特性として求めると、下記の表2に示すような結果が得られた。
Figure 2005108610
上記表2の結果から明らかなように、アルカリ電解液量が電池容量に対して1.8cm3/Ah以上、すなわち、正極活物質中のアルミニウム含有量が0.30質量%以下に低減された電池D〜Gにおいて、高温パルスサイクル寿命が0.89以上で、良好な結果が得られていることが分かる。これは、正極活物質中のアルミニウム含有量を0.30質量%以下にすることで、充放電反応に伴う、α−Ni(OH)2とγ−NiOOHの間での反応が抑制され、正極の抵抗増大が抑制されることで優れた高温でのパルスサイクル特性を得ることが可能となったものと考えられる。
また、正極活物質中のアルミニウム含有量は、負極水素吸蔵合金の酸素濃度が0.5〜1.0質量%の時、すなわち、おおよそ活性化終了後の初期時の含有量を規定している。このことは、特に正極活物質の導電性が不完全な初期の状態において、正極活物質中のアルミニウム含有量を低減させて、良好な環境で初期のコンディショニングを進行させることが、後々のサイクル寿命に対し重要であると言える。
5.電解液中のリチウム濃度の影響
ついで、アルカリ電解液中のリチウム濃度の影響について検討した。そこで、水酸化リチウム(LiOH)と水酸化ナトリウム(NaOH)を含有した7Nの水酸化カリウム(KOH)水溶液からなる電解液を調製するに際して、リチウム濃度が0.10mol/lの電解液と、リチウム濃度が0.15mol/lの電解液とを調製した。そして、これらの電解液を外装缶15内に電池容量に対して1.8cm3/Ahになるように注液して、上述と同様に、ニッケル−水素蓄電池H(リチウム濃度が0.10mol/lの電解液を用いたもの)およびI(リチウム濃度が0.15mol/lの電解液を用いたもの)をそれぞれ組み立てた。
ついで、これらの電池H,Iを上述と同様に活性化した後、これらの各電池H,Iをそれぞれ6個ずつ用いて、これらを直列に接続して組電池を形成した。そして、これらの組電池を用いて、上述と同様にして高温パルスサイクル寿命特性を求めると、下記の表3に示すような結果が得られた。
Figure 2005108610
上記表3の結果から明らかなように、アルカリ電解液中のリチウム濃度(mol/l)が濃くなるほど高温パルスサイクル寿命(R2/R1)が向上することが分かる。そして、アルカリ電解液中のリチウム濃度が0.05mol/l未満であると、正極活物質中のアルミニウム含有量を低減させる効果が小さく、高温パルスサイクル寿命(R2/R1)が低下することから、アルカリ電解液中のリチウム濃度は0.05mol/l以上にするのが望ましいということができる。さらに、アルカリ電解液中のリチウム濃度が0.10mol/lではその効果がさらに顕著である。
なお、正極11中に酸化亜鉛(ZnO)および水酸化コバルト(Co(OH)2)を添加するようにすると、充放電時に電解液中に溶出したアルミニウム(Al)が正極活物質中に侵入するのを抑制できることが確認できた。このため、正極11中に適量の酸化亜鉛(ZnO)および水酸化コバルト(Co(OH)2)を添加するのが望ましい。
6.組電池
ついで、上述のようにして作製された各電池A〜Iを用いて、これらを120個直列接続するとともに、これらにSOC(State Of Charge)を制御できる、例えば、特開2000−166105号公報に示されるような公知の部分充放電制御回路を接続して、それぞれ組電池を作製した。そして、SOCが100%未満に維持されるように制御を行ったところ、組電池内のいずれの電池も完全放電、満充電されることがなく、他の劣化モードの発生も認められなかった。
このことから、本発明の電池A〜Iを用いて組電池を構成すれば、高出力特性と、低自己放電率を長期間にわたって維持できるニッケル−水素蓄電池よりなる組電池を提供することが可能となる。この場合、電池固有もしくは組電池内での配置位置による電池温度差による容量のばらつきによって、一部の電池が完全放電もしくは満充電されないようにするためには、SOCを50〜80%、好ましくは40〜60%に制限するように制御することが望ましい。
本発明のアルカリ蓄電池を模式的に示す断面図である。
符号の説明
10…アルカリ蓄電池、11…ニッケル電極、11a…正極集電体、11b…リード部、12…カドミウム電極、12a…導電芯体、12b…負極集電体、13…セパレータ、14…防振リング、15…金属製外装缶、15a…環状溝部、16…封口ガスケット、17a…蓋体、17b…正極キャップ、17c…底部

Claims (6)

  1. 水酸化ニッケルを主体とする正極活物質を含有する正極と、アルミニウムを含有する水素吸蔵合金を有する負極と、これらの正極と負極を隔離するセパレータを備えて、充電深度(SOC)が100%未満となるように部分充電が施されるアルカリ蓄電池であって、
    前記アルカリ蓄電池中に含有されるアルカリ電解液量は電池容量に対して1.8cm3/Ah以上であるとともに、
    前記水素吸蔵合金中の酸素濃度が該水素吸蔵合金の質量に対して0.5〜1.0質量%の時に、前記正極活物質中のアルミニウム含有量が該正極活物質の質量に対して0.30質量%以下であることを特徴とするアルカリ蓄電池。
  2. 前記アルカリ電解液は0.05mol/l以上のリチウム(Li)を含有することを特徴とする請求項1に記載のアルカリ蓄電池。
  3. 前記正極活物質は酸化亜鉛(ZnO)を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のアルカリ蓄電池。
  4. 前記正極活物質は水酸化コバルト(Co(OH)2)を含有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のアルカリ蓄電池。
  5. 複数個のアルカリ蓄電池が直列接続された組電池であって、
    請求項1から請求項4のいずれかに記載のアルカリ蓄電池の複数個と、
    前記複数個のアルカリ蓄電池に接続されて、これらの複数個のアルカリ蓄電池の充放電を制御する部分充放電制御手段とを備えたことを特徴とする組電池。
  6. 前記部分充放電制御手段は充電深度(SOC)が100%未満の範囲に維持されるように制御することを特徴とする請求項5に記載の組電池。
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