JP2001148246A - アルカリ二次電池負極用水素吸蔵合金粉末及びその製造方法 - Google Patents

アルカリ二次電池負極用水素吸蔵合金粉末及びその製造方法

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JP2001148246A
JP2001148246A JP2000224831A JP2000224831A JP2001148246A JP 2001148246 A JP2001148246 A JP 2001148246A JP 2000224831 A JP2000224831 A JP 2000224831A JP 2000224831 A JP2000224831 A JP 2000224831A JP 2001148246 A JP2001148246 A JP 2001148246A
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hydrogen storage
storage alloy
alloy powder
secondary battery
alkaline secondary
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JP2000224831A
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English (en)
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Tama Nakano
瑞 中野
Noriaki Hamaya
典明 浜谷
Satoshi Shima
聡 島
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 初期特性および高率放電特性に優れ、さらに
寿命特性を満足する実用上極めて有益なアルカリ二次電
池負極用水素吸蔵合金粉末およびその製造方法を提供す
る。 【解決手段】 具体的には、平均粒径が5〜20μmで
あり、酸素含有量が2000〜6000ppmであり、
さらに、水素吸蔵合金粒子の表面の酸素が水酸基として
存在するアルカリ二次電池負極用の水素吸蔵合金粉末を
提供する。水素吸蔵合金の粉砕時に、導電材として、N
i,Co,Cu等を混合してもよい。図1に合金粉末の
Niと結合した酸素の状態を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルカリ二次電池
負極用の水素吸蔵合金粉末およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】電子情報機器の小型軽量化や、電動工具
の小型化と高出力化、電気自動車の小型軽量化などの高
性能化にかかる目的で、これらに用いられる二次電池に
は小型軽量高性能化が求められている。その結果、高い
初期活性、高率放電特性、長寿命を主とする二次電池の
性能改善が必須となっている。しかしながら、それらに
用いられている二次電池、とりわけ広く用いられるよう
になってきたニッケル水素アルカリ二次電池において
は、構成部材の負極活物質である水素吸蔵合金の特質か
ら、初期活性および高率放電特性と寿命特性とが相反す
る状況にある。これらを両立させるために、合金組成や
合金製法などについて色々な試みが行われているが、十
分なものが得られていない。ニッケル水素アルカリ二次
電池の初期特性、高率放電特性を改善する手段の一つと
して、負極水素吸蔵合金粉末を細かくすることが考えら
れる。そのため、特開平2−306541号や特開平3
−116655号、特開平4−292860号などで
は、水素吸蔵合金粉末の粒度、粒径に対して種々の検討
がなされており、粒径を細かくする記載もあるが、電池
特性や製造プロセス、水素吸蔵合金粉末の取り扱いの点
で実用上の問題があった。また、ニッケル水素アルカリ
二次電池の負極に対する導電材の添加は、一般的には、
結着剤、増粘剤と共にペースト製造時に行う。また、特
開平6−44965号公報や特開平8−213005号
公報に合金粉末に導電材を混合する方法も提案されてい
るが、合金形状が大きく、溶剤系で粉砕処理するため、
電池特性や製造プロセスの点で実用上の問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記問
題点に鑑み、初期特性および高率放電特性に優れ、さら
に寿命特性を満足する実用上極めて有益なアルカリ二次
電池負極用水素吸蔵合金粉末を開発すべく、鋭意研究を
行った。その結果、本発明者らは、合金粉末を微粒子と
して反応面積を大きくし、また酸素含有量を表面積に比
較して低くし、さらに酸素を水酸基として存在させるこ
とによって、かかる問題点が解決されることを見い出し
た。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明のアルカリ二次電池負極用水素吸蔵合金粉
末は、平均粒径が5〜20μmであり、酸素含有量が2
000〜6000ppmであり、さらに、水素吸蔵合金
粒子の表面の酸素が水酸基として存在することを特徴と
する。このように、粉末が微粒子であるために反応面積
が大きく、また酸素含有量が表面積に比較して低く、さ
らに酸素が水酸基として存在するため、充放電反応が速
やかに進行し、表面での腐食も抑制できるため、初期特
性および高率放電特性に優れ、かつ寿命特性も満足する
ことができる。
【0005】また、本発明は別の側面として、アルカリ
二次電池負極用水素吸蔵合金粉末の製造方法であり、不
活性ガス中で水素吸蔵合金を微粉砕した後、大気に暴露
する前に水分を微量含んだ不活性ガス中で処理すること
を含む。また、本発明のアルカリ二次電池負極用水素吸
蔵合金粉末の製造方法は、その形態として、微量の水分
を含んだ不活性ガス雰囲気中で水素吸蔵合金を粉砕する
ことを含むことができる。さらに、本発明では、導電材
が不活性ガス雰囲気中での粉砕時に混合されるため、粉
砕によってできた新生面の表面エネルギーにより導電材
が水素吸蔵合金粒子表面に付着することで、導電材同士
の凝集がなく均一に分散する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係るアルカリ二
次電池負極用水素吸蔵合金粉末およびその製造方法につ
いて、その実施の形態を詳細に説明する。まず、本発明
で用いる水素吸蔵合金について説明する。本発明で用い
る水素吸蔵合金の組成については、特に限定するもので
はなく、一般にAxy(x、yは1〜17の正の整数で
ある。)で表される金属間化合物であれば良い。A側元
素としては、例えば、La等の希土類、Ti、V、Zr
等を挙げることができる。また、B側元素としては、例
えば、Ni、Fe、Co、Mn、Al等を挙げることが
できる。
【0007】本発明では、各元素を所定の合金組成にな
るように秤量し、高周波誘導溶解、アーク溶解、電子ビ
ーム溶解等の方法で溶解した後、鋳造を行う。鋳造につ
いては、塊状のインゴット、ロール急冷による薄帯、ア
トマイズによる球状粉のいずれでも良く、溶解時の雰囲
気は合金組成にもよるがAr等の不活性雰囲気でもかま
わない。このようにして得られた水素吸蔵合金は、必要
があれば熱処理を行っても良い。また、熱処理時の雰囲
気はAr等の不活性雰囲気で処理することが望ましい。
【0008】次いで、得られた水素吸蔵合金を、ジョー
クラッシャー、ロールミル、ブラウンミル等により平均
粒径で数mm以下程度にまで粗粉砕する。粗粉砕は、合
金粉末の酸素含有量を下げるため、Arや窒素等の不活
性雰囲気中で行うのが好ましい。次に、この水素吸蔵合
金の粗粉砕粉を平均粒径5〜20μmの範囲に微粉砕す
る。水素吸蔵合金粉末の平均粒径が5μm未満の場合、
表面積が大きくなりすぎて腐食の進行が早くなり、サイ
クル特性が低下するため好ましくない。一方、平均粒径
が20μmを超えると、本発明の特徴の一つである高効
率放電特性が低下するため好ましくない。また、上記水
素吸蔵合金粉末の平均粒径としては、5〜15μm更に
5〜10μmの範囲が好ましい。また、水素吸蔵合金の
粗粉砕粉と導電材をブレンダー等を用いて混合した後、
平均粒径20μm以下、好ましくは5〜15μm、特に
好ましくは5〜10μmの範囲に微粉砕する。また、導
電材は粗粉砕時に添加してもよい。使用する導電材とし
ては、ニッケル、コバルト、銅の金属、該化合物(一酸
化コバルト等)や炭素を用いることができる。該化合物
は、該金属の複合酸化物であってもよい。導電材の添加
量は、水素吸蔵合金に対して好ましくは0.01重量%
〜20重量%が望ましい。導電材の量が0.01重量%
未満の場合は添加の効果が極めて小さく、また20重量
%を越える場合は電極の電気容量の低下が大きく実用的
ではない。導電材の添加は、粗粉砕の前であっても、粗
粉砕後で微粉砕前、微粉砕時であってもよい。従って、
添加する導電材の平均粒径は、その添加の時期により、
粗粉砕前であれば、平均粒径は1mm以上であってもよ
く、微粉砕時では1〜30μm程度となる。最終的には
微粉砕後の導電材の平均粒径は1〜10μmであること
が好ましい。この範囲では、水素吸蔵合金中に均一に分
散し、効果的に導電性を改善することができる。
【0009】微粉砕の方法としては、乾式粉砕の場合、
ピンミル、ジェットミルなどを用いることができる。所
望の平均粒度や酸素含有量の範囲を満たす水素吸蔵合金
粉末を得る方法としては、特にジェットミルによる衝撃
式の乾式粉砕が好ましい。
【0010】この衝撃式の乾式粉砕では、所定量の導電
材と粗粉砕した水素吸蔵合金を混合後、窒素やアルゴン
のような不活性ガス雰囲気中で微粉砕する。その後、大
気に暴露する前に、微粉砕された水素吸蔵合金粉末を、
微量の(具体的には2000ppm以下の)水分を含ん
だ不活性ガス雰囲気中で安定化させる。粉砕時に形成し
た新生面を改質することによって、粒径の細かい水素吸
蔵合金粉末の酸素含有量をより低下させて、2000〜
6000ppmの範囲の酸素含有量にすることができ
る。この内さらに、2000〜4000ppmの範囲の
酸素含有量が好ましい。水素吸蔵合金粉末の酸素含有量
が2000ppm未満の場合、表面活性が強く燃焼する
危険性が大きく好ましくない。一方、酸素含有量が60
00ppmを超えると、電極とした場合、初期特性、電
気容量が低下するため好ましくない。上記範囲の酸素含
有量を達成するために、微粉砕時の不活性ガス中の酸
素、水分を最適な範囲にコントロールすることにより得
られる。
【0011】さらに、粉砕時に形成した新生面を改質す
ることによって、合金表面の酸素を水酸基として存在さ
せることができる。上記酸素が水酸基以外で存在する
と、合金表面に薄い酸化膜が形成され水素吸蔵放出の障
害になるため好ましくない。合金表面の酸素は、合金表
面に吸着したり、合金表面で合金成分元素と結合し、酸
化物または水酸化物として存在する。また、粉砕時に導
電材を含んだ際においても、導電材が付着した部分を含
む新生面を改質することによって、合金表面の酸素を水
酸基として存在させることができる。
【0012】したがって、上記したように粉砕時に導電
材を混合することにより、合金間での導電材の分散性が
向上し、該付着面により、電池として特に高率放電特性
が向上するものである。また、粉砕時に形成した新生面
を改質する方法としては、上記の他に、衝撃式の乾式粉
砕時に不活性ガス中に微量の水分を混入させて(具体的
には水分2000ppmの不活性ガス下で)水素吸蔵合
金を微粉砕することによっても可能である。微量の水分
を混入させる方法としては、例えば、粉砕雰囲気中に大
気を混入させる方法などがある。一方、ブラウンミル等
による摩砕式の乾式粉砕を用いた場合、本発明のような
小さい平均粒径の水素吸蔵合金粉末を製造しようとして
も、発熱や粉砕面のクリアランスの問題があり、実用的
には困難である。また、ボールミルやアトライターによ
る湿式粉砕は、本発明の平均粒径の水素吸蔵合金粉末を
比較的容易に得ることができる。しかし、粉砕媒体とし
て水を用いた場合は、水素吸蔵合金の酸素含有量が本発
明の範囲まで低くならない。そのため、粉砕媒体として
トルエン等の有機溶媒を用いることで粉砕後の水素吸蔵
合金の酸素含有量を低くすることは可能である。しか
し、有機溶媒の回収や安全性の面から、工業的に実施す
ることは困難である。
【0013】上述したように、本発明の水素吸蔵合金粉
末は、平均粒径が5〜20μmの範囲と小さく、酸素含
有量が2000〜6000ppmの範囲と低く、さらに
合金表面の酸素が水酸基として存在する。そのため、ア
ルカリ二次電池用の負極活物質とした場合、充放電反応
が速やかに進行し、表面での腐食も抑制できるため、初
期特性と高率放電特性に優れ、かつ寿命特性も良好であ
る。
【0014】本発明の水素吸蔵合金粉末を用いて電極を
製造するために用いるバインダーは、特に限定されるも
のではないが、ポリビニルアルコール、メチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース等のセルロース類、P
TFE、ポリエチレンオキサイド、高分子ラテックス等
の有機バインダーの中から適宜選択され2種以上併用し
てもよい。バインダーの使用量は合金粉末に対し0.1
〜20重量%用いられる。
【0015】また、本発明では合金とバインダーの混合
物を充填する導電性支持体としては、特に限定されるも
のではないが、繊維ニッケル、発泡ニッケル等の三次元
導電支持体、パンチングメタル等の二次元導電性支持体
等の中から適宜選択して使用することができる。また、
本発明の水素吸蔵合金粉末を金型成形して負極用成形体
として製造してもよい。
【0016】したがって、本発明の水素吸蔵合金電極
は、たとえば、前記バインダーを含有する水溶液に本発
明の水素吸蔵合金粉末を添加し、混練して調整したペー
ストを導電性支持体表面に塗布・乾燥した後、加圧成形
することにより製造することができる。また、上記ペー
ストから成形したシートを、導電性支持体表面に圧着し
固定することによっても製造することができる。よって
Ni正極と共に本願負極を電解液、セパレータと共にア
ルカリ二次電池として製造することができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。1.水素吸蔵合金粉末の作成 実施例1 高周波溶解炉にて製造された水素吸蔵合金インゴット
(La63重量%、Ce7重量%、Pr22重量%、N
d8重量%を原子比1.0に対し、Niを3.75、C
oを0.75、Mnを0.20、Alを0.30)をア
ルゴン中で熱処理し、均一な水素吸蔵合金インゴットを
準備した。その合金インゴットを、先ず、窒素雰囲気中
で粗粉砕した。次に、ブラウンミルで平均粒径が1mm
以下になるように粉砕して、水素吸蔵合金の粗粉砕粉を
得た。さらに、窒素雰囲気中で衝撃式のピンミルを用い
て微粉砕を行い、微粉砕された水素吸蔵合金粉末を外気
と接触しないように回収容器に回収した。その後、回収
容器内に1000ppmの水分を含有した窒素を導入し
た。その状態で10時間処理した後、目開き20μmの
篩で篩い分けを行い、水素吸蔵合金粉末を得た。
【0018】実施例2 実施例1と同様にして水素吸蔵合金の粗粉砕粉を得た。
次に、ジェットミルによりガス圧5.8kgf/cm2
の窒素ガス雰囲気中で乾式粉砕を行った。微粉砕された
水素吸蔵合金粉末を外気と接触しないように回収容器に
回収した。その後、回収容器内に1000ppmの水分
を含有させた窒素を導入した。その状態で10時間処理
した後、水素吸蔵合金粉末を得た。
【0019】実施例3 実施例1と同様にして水素吸蔵合金の粗粉砕粉を得た。
次に、ジェットミルによりガス圧5.8kgf/cm2
の窒素ガス雰囲気中で微粉砕を行うが、雰囲気中に水分
を含有させるため、酸素濃度で0.5体積%になるよう
に大気を混入した。微粉砕された水素吸蔵合金粉末を外
気と接触しないように回収容器に回収し、水素吸蔵合金
粉末を得た。
【0020】比較例1 実施例1と同様にして作製した水素吸蔵合金の粗粉砕粉
を、窒素雰囲気中で衝撃式ピンミルを用いて微粉砕を行
った。微粉砕された水素吸蔵合金粉末を外気と接触しな
いように回収容器に回収し、目開き20μmの篩で篩分
けを行って、水素吸蔵合金粉末を得た。
【0021】比較例2 実施例1と同様にして作製した水素吸蔵合金の粗粉砕粉
を、粉砕媒体として水を用いてボールミル粉砕を行っ
た。その後、濾過して水、ボールと分別し、真空乾燥を
行って、水素吸蔵合金粉末を得た。
【0022】比較例3 実施例1と同様にして作製した水素吸蔵合金の粗粉砕粉
を、窒素雰囲気中で衝撃式ピンミルの運転条件を変更し
て微粉砕を行った。微粉砕された水素吸蔵合金粉末を外
気と接触しないように回収容器に回収した。その後、目
開き75μmの篩で篩い分けを行って、水素吸蔵合金粉
末を得た。
【0023】実施例4 実施例1の水素吸蔵合金の粗粉砕粉を用いて、導電材を
加えて微粉砕した。導電材としてカルボニルニッケル
(INCO社製#255、 平均粒径15μm)を5重
量%添加し窒素雰囲気にしたコニカルブレンダーで30
分間混合後、ジェットミルによりガス圧5.8kgf/
cm2の窒素ガス雰囲気中で乾式粉砕を行った。微粉砕
された水素吸蔵合金粉末を外気と接触しないように回収
容器に回収した。その後、回収容器内に1000ppm
の水分を含有させた窒素を導入した。その状態で10時
間処理した後、導電材を含む水素吸蔵合金粉末を得た。
【0024】実施例5 実施例1と同様にして導電材を混合した水素吸蔵合金の
粗粉砕粉を得た。次に、実施例4と同様にジェットミル
によりガス圧5.8kgf/cm2の窒素ガス雰囲気中
で微粉砕を行うが、雰囲気中に水分を含有させるため、
酸素濃度で0.5体積%になるように大気を混入した。
微粉砕された水素吸蔵合金粉末を外気と接触しないよう
に回収容器に回収し、導電材を含む水素吸蔵合金粉末を
得た。
【0025】実施例6 導電材としてカルボニルニッケル(INCO社製#25
5)を20重量%添加した以外は実施例4と同様にして
導電材を含有する水素吸蔵合金粉末を得た。
【0026】実施例7 導電材としてケッチェンブラックを2重量%添加した以
外は実施例4と同様にして導電材を含有する水素吸蔵合
金粉末を得た。
【0027】実施例8 実施例1と同様にして水素吸蔵合金粗粉砕粉を得た後、
ジェットミルによりガス圧5.8kgf/cm2の窒素
ガス雰囲気中で乾式粉砕を行った。微粉砕された水素吸
蔵合金粉末を外気と接触しないように回収容器に回収し
た。その後、回収容器内に1000ppmの水分を含有
させた窒素を導入した。その状態で10時間処理した
後、水素吸蔵合金粉末を得た。得られた水素吸蔵合金と
導電材としてカルボニルニッケル(INCO社製#25
5)5重量%を窒素雰囲気にしたコニカルブレンダーで
30分間混合して導電材含有水素吸蔵合金を得た。
【0028】比較例4 実施例1と同様にして作製した水素吸蔵合金の粗粉砕粉
と導電材としてカルボニルニッケル(INCO社製#2
55)5重量%とを粉砕媒体として水を用いてボールミ
ル粉砕を行った。その後、濾過して水、ボールと分別
し、真空乾燥を行って導電材を含有する水素吸蔵合金粉
末を得た。
【0029】比較例5 実施例1と同様にして作製した水素吸蔵合金の粗粉砕粉
を、窒素雰囲気中で衝撃式ピンミルの運転条件を変更し
て微粉砕を行った。微粉砕された水素吸蔵合金粉末を外
気と接触しないように回収容器に回収した。その後、目
開き75μmの篩で篩い分けを行って、水素吸蔵合金粉
末を得た。得られた水素吸蔵合金粉と導電材としてカル
ボニルニッケル(INCO社製#255)5重量%とを
窒素雰囲気にしたコニカルブレンダーで30分間混合し
て導電材含有水素吸蔵合金を得た。
【0030】2.特性値の測定 上述の実施例1〜8および比較例1〜5で得られた水素
吸蔵合金粉末について、粒度分布、平均粒径、酸素濃度
をそれぞれ測定した。粒度分布および平均粒径の測定は
レーザー回折法を用いて、また酸素濃度の測定は不活性
ガス融解赤外吸収測定法を用いて測定した。その結果を
表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】表1に示すように、実施例1〜8の水素吸
蔵合金粉末は、平均粒径5〜20μmで酸素含有量が2
000〜6000ppmを有していることが確認でき
た。一方、比較例1〜2の水素吸蔵合金粉末は、平均粒
径を5〜20μmにすることは可能であるが、その場合
は粉砕条件、処理条件により酸素含有量が6000pp
mを越えてしまい、本発明の要件を全て満たす水素吸蔵
合金粉末は製造できなかった。また、水素吸蔵合金の表
面の酸素の状態分析として、X線光電子分光装置を用い
て、実施例および比較例で用いた水素吸蔵合金の主成分
であるNi、Co、Laと酸素との結合状態を調べた。
その結果を図1〜6に示す。図1〜6は、X線光電子分
光法による実施例1および実施例4の合金表面付近のN
i、Co、Laとそれぞれ結合した酸素の状態を表す図
である。図1〜6に示されるように、水素吸蔵合金の表
面付近の酸素とその水素吸蔵合金の主成分Ni、Co、
Laとの結合は、結合エネルギーの数値、ピーク形状か
らそのほとんどが水酸基の状態であることが確認でき
た。同様に実施例2〜3、5〜6においても、水酸基の
状態が確認できた。
【0033】3.開放型電池試験 実施例1の水素吸蔵合金粉末を水素吸蔵合金の重量が1
gになるように秤量し3重量%PVA溶液0.25gを
加えて混合した。次に、集電用のニッケルリードを電気
スポット溶接した繊維ニッケル基板に、この混合液を塗
布した後、減圧下で乾燥させた。更に基板を繊維ニッケ
ルで挟み込んだ後、油圧プレス機を用いて約560kg
f/cm2の圧力で一分間加圧保持して電極(負極)を
作成した。作製した電極をポリプロピレン製セパレータ
ーで包み、その両端を水酸化ニッケルを用いて作製した
電極(正極)で挟み込んで、Hg/HgO参照極ととも
にポリプロピレン製の容器内に配置し、8規定KOH水
溶液を注ぎ込んで開放型電池を組み立てた。この電池
を、90mA×5時間の充電、30分の休止、60mA
で水銀参照極(Hg/HgO)に対し0.7Vになるま
で放電、10分の休止を1サイクルとした充放電を繰り
返し、サイクルに伴う放電容量の変化を測定した。ま
た、同様の電池を作製し、上述の条件で3サイクル充放
電を繰り返した後、放電条件を1500mAとして高率
放電特性を測定した。実施例2〜8及び比較例1〜5の
水素吸蔵合金粉末に対しても、上記と同様の試験を行っ
た。その結果を表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】表2に示す開放型電池の充放電結果から、
本発明の実施例1〜3は、比較例1〜3に比べて1サイ
クル目の放電容量が高いことから、初期特性に優れてい
ることがわかる。また、同様に、1500mA放電時の
放電容量が高いことから、高率放電特性が優れているこ
とがわかる。一方、実施例1〜3の200サイクル目の
放電容量は、平均粒径が同程度の比較例1、2に対して
は優れていて、平均粒径が35μm程度と大きな水素吸
蔵合金粉末を使用した比較例3と同程度である。実施例
4〜7は、特に導電材を合金の微粉砕時に混合処理する
ことにより、特性が優れることを示している。また、比
較例4と比較した場合粉砕中に導電材を添加することは
実施例4〜7と同様であるが湿式であるために合金表面
に酸化物または水酸化物が多量に存在し、その結果酸素
濃度が実施例4〜7のようには低くならず寿命特性、高
率放電特性が低下している。比較例4は湿式粉砕時に導
電材を混合するために、粉砕時にできる新生面の表面エ
ネルギーが乾式粉砕時に比較して小さく、本発明のよう
に導電材が水素吸蔵合金表面に付着せず均一に分散して
いないことも考えられる。一方、実施例4〜7の200
サイクル目の放電容量は、平均粒径が同程度の比較例4
に対しては優れていて、平均粒径が35μm程度と大き
な水素吸蔵合金粉末を使用した比較例5と同程度であ
る。これらから、本発明の導電材を含有する水素吸蔵合
金粉末は、アルカリ二次電池負極用の活物質に用いた場
合、初期特性、高率放電特性に優れかつ寿命特性にも優
れていることが確認できた。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、初期特性および高率放
電特性に優れ、さらに寿命特性を満足する実用上極めて
有益なアルカリ二次電池負極用水素吸蔵合金粉末を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】X線光電子分光法による実施例1で得られた合
金表面付近のNiと結合した酸素の状態を表す図であ
り、(a)実施例1で得られた合金粉末、(b)化合物Ni
(OH)2、(c)化合物Ni23、(d)NiO、(e)実施
例1で得られた合金の表面をAr+ビームで削り取った
ものを示す。
【図2】X線光電子分光法による実施例1で得られた合
金表面付近のCoと結合した酸素の状態を表す図であ
り、(a)実施例1で得られた合金粉末、(b)Co(OH)
2、(c)CoO、(d) 実施例1で得られた合金の表面をA
+ビームで削り取ったものを示す。
【図3】X線光電子分光法による実施例1で得られた合
金表面付近のLaと結合した酸素の状態を表す図であ
り、(a) 実施例1で得られた合金、(b)≒La(O
H)3、(c)≒La23、(d)La金属、(e)実施例1で得
られた合金の表面をAr+ビームで削り取ったものを示
す。
【図4】X線光電子分光法による実施例4で得られた合
金表面付近のNiと結合した酸素の状態を表す図であ
り、(a)実施例4で得られた合金粉末、(b)化合物Ni
(OH)2、(c)化合物Ni23、(d)NiO、(e)実施
例4で得られた合金の表面をAr+ビームで削り取った
ものを示す。
【図5】X線光電子分光法による実施例4で得られた合
金表面付近のCoと結合した酸素の状態を表す図であ
り、(a)実施例4で得られた合金粉末、(b)Co(OH)
2、(c)CoO、(d) 実施例4で得られた合金の表面をA
+ビームで削り取ったものを示す。
【図6】X線光電子分光法による実施例4で得られた本
発明の合金表面付近のLaと結合した酸素の状態を表す
図であり、(a) 実施例4で得られた合金、(b)≒La
(OH)3、(c)≒La23、(d)La金属、(e)実施例4
で得られた合金の表面をAr+ビームで削り取ったもの
を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01M 4/26 H01M 4/26 J 4/62 4/62 C 10/30 10/30 Z (72)発明者 島 聡 福井県武生市北府二丁目1番5号 信越化 学工業株式会社磁性材料研究所内 Fターム(参考) 4K017 AA04 BA08 DA01 EA03 EB00 EE00 EK01 EK07 FA03 4K018 AA40 BB04 BB06 BC01 BC08 BD07 KA38 5H028 BB06 BB15 EE01 FF04 HH03 HH05 5H050 AA07 AA08 BA14 CA03 CB17 CB18 DA10 EA03 FA17 FA18 GA05 GA21 GA27 HA05 HA10

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径が5〜20μmであり、酸素含
    有量が2000〜6000ppmであることを特徴とす
    るアルカリ二次電池負極用水素吸蔵合金粉末。
  2. 【請求項2】 平均粒経が5〜15μmであることを特
    徴とする請求項1記載のアルカリ二次電池負極用水素吸
    蔵合金粉末。
  3. 【請求項3】 さらに、導電材を含有することを特徴と
    する請求項1に記載のアルカリ二次電池負極用水素吸蔵
    合金粉末。
  4. 【請求項4】 上記酸素の少なくとも一部が、水素吸蔵
    合金粒子の表面に、水酸基として存在することを特徴と
    する請求項1から請求項3に記載のアルカリ二次電池負
    極用水素吸蔵合金粉末。
  5. 【請求項5】 不活性ガス中で水素吸蔵合金を粉砕した
    後、大気に暴露する前に水分を微量含んだ不活性ガス中
    に処理することを含むアルカリ二次電池負極用水素吸蔵
    合金粉末の製造方法。
  6. 【請求項6】 微量の水分を含んだ不活性ガス中で水素
    吸蔵合金を粉砕することを含むアルカリ二次電池負極用
    水素吸蔵合金粉末の製造方法。
  7. 【請求項7】 上記不活性ガス中での粉砕の際に、導電
    材を混合することを特徴とする請求項4または請求項5
    に記載のアルカリ二次電池負極用水素吸蔵合金粉末の製
    造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1から4の水素吸蔵合金粉末を用
    いたアルカリ二次電池負極用成形体。
  9. 【請求項9】 請求項1から4の水素吸蔵合金粉末を用
    いたアルカリ二次電池。
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