JP2002069511A - 水素吸蔵合金の製造方法および水素吸蔵合金電極 - Google Patents

水素吸蔵合金の製造方法および水素吸蔵合金電極

Info

Publication number
JP2002069511A
JP2002069511A JP2000258340A JP2000258340A JP2002069511A JP 2002069511 A JP2002069511 A JP 2002069511A JP 2000258340 A JP2000258340 A JP 2000258340A JP 2000258340 A JP2000258340 A JP 2000258340A JP 2002069511 A JP2002069511 A JP 2002069511A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydrogen storage
storage alloy
alloy
alloy powder
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000258340A
Other languages
English (en)
Inventor
Hisafumi Shintani
尚史 新谷
Satoshi Shima
聡 島
Takao Maeda
孝雄 前田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Chemical Co Ltd filed Critical Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority to JP2000258340A priority Critical patent/JP2002069511A/ja
Publication of JP2002069511A publication Critical patent/JP2002069511A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Manufacture Of Metal Powder And Suspensions Thereof (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高率放電特性に優れ、高容量で充放電サイク
ル寿命が長いニッケル−水素蓄電池に好適な水素吸蔵合
金粉末の安価な製造方法を提供する。 【解決手段】 CaCu5型の結晶構造を主相に持ち、
Mg又はCaを含有する水素吸蔵合金を、不活性雰囲気
下もしくは真空中で熱処理した後、冷却し、次いで粉砕
し、希土類酸化物もしくは水酸化物を添加し、これを湿
式もしくは乾式で混合した後、不活性雰囲気下もしくは
真空中でさらに熱処理することを特徴とする水素吸蔵合
金粉末の製造方法を提供する。また、該製造方法によっ
て得られた水素吸蔵合金粉末を使用してなることを特徴
とするニッケル−水素蓄電池用水素吸蔵合金電極を提供
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルカリ蓄電池の
負極に使用するのに好適な水素吸蔵合金粉末の製造方
法、及びその方法によって得られた水素吸蔵合金粉末を
用いた水素吸蔵合金電極に関し、特にサイクル寿命や高
率放電特性に優れたニッケル−水素蓄電池用として好適
な水素吸蔵合金粉末の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】水素を吸蔵したり放出することのできる
水素吸蔵合金が発見されて以来、その応用が積極的に展
開され、水素吸蔵合金を負電極として用いるアルカリ蓄
電池はすでに実用化されるに至り、用いる水素吸蔵合金
も次々に改良されている。
【0003】当初に検討されたLaNi5合金(特開昭
51−13934号公報)は水素吸蔵量が大きいという
利点がある一方、La金属が高価であるうえ、水素を吸
蔵したり、放出することの繰り返しにより微粉化し易
く、さらにアルカリ溶液や酸溶液により腐食され易いと
いう欠点があった。このため、上記の水素吸蔵合金をア
ルカリ蓄電池として使用すると、初期の電気容量は高い
が、充放電サイクルを50回繰り返すと電気容量が半分
以下となり、長期間にわたり使用することができないと
いう欠点があった。
【0004】かかる欠点はLaの一部をCe、Pr、N
dその他の希土類元素で置換したミッシュメタル(以
後、Mmと略記する。)を使用及び/又はNiの一部を
Co、Al、Mn等の金属で置換するLaNi5系水素
吸蔵合金によって改良された(特開昭53−4918
号、特開昭54−64014号、特開昭60−2505
58号、特開昭61−91862号、特開昭61−23
3969号の各公報)。このようなMmを使用した水素
吸蔵合金はMmが安価であるという利点もあるが、用途
がさらに拡大しつつある最近においては、さらに高率放
電特性が要求されるようになった。この高率放電特性を
改善するために、従来合金粉末の表面処理やメッキ処
理、合金中へのB、Mo等の添加が行われているが、単
にアルカリ、酸処理等の表面処理や組成以外の元素の添
加では合金表面の活性を維持することが難しい欠点があ
った。
【0005】また、ニッケル−水素二次電池において、
負極に用いられる水素吸蔵合金として、従来から 比較
的コバルトを多く含有した合金が用いられてきた。これ
は、Coが水素を吸蔵したときの微粉化がしにくく、ア
ルカリ中での耐食性に優れ、ニッケル−水素二次電池の
負極に使用した場合に電池の寿命を長くする効果がある
ことがわかっている。一方、高率放電特性改善のために
は、コバルト含有量が少ないほうがよいことがわかって
いる。この理由は、コバルト含有量が少なくなることに
よって、微粉化が促進し、重量あたりの表面積が増大し
ているためである。しかし、単にコバルト含有量を減少
させると、高率放電特性は改善するものの電池のサイク
ル寿命が低下してしまう問題があった。この原因として
は、先に述べたように微粉化が促進するに加えて、合金
表面の耐食性が低下するために、合金表面の腐食が進行
し負極が電池内の電解液を取り込んで、ドライアウトが
起こり電池容量が低下してしまうためである。
【0006】
【本発明が解決しようとする課題】従って、本発明の第
一の目的は、高率放電特性に優れたニッケル−水素蓄電
池に好適な水素吸蔵合金粉末の安価な製造方法を提供す
ることにある。また、第二の目的は、第一の目的かつ高
容量で充放電サイクル寿命が長いニッケル−水素蓄電池
に好適な水素吸蔵合金粉末の安価な製造方法を提供する
ことにある。さらに、第三の目的は、第一、第二の高容
量かつ高率放電特性に優れ、原材料コストの安価な合金
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の欠
点について鋭意検討した結果、粉砕された水素吸蔵合金
粉末に希土類酸化物もしくは水酸化物を添加し、これを
湿式もしくは乾式で混合した後、不活性雰囲気下もしく
は、真空中で熱処理することにより、サイクル寿命、高
率放電特性を改善することが出来ることを見出し、本発
明に到達した。
【0008】本発明は、CaCu5型の結晶構造を主相
に持ち、Mg又はCaを含有する水素吸蔵合金を、不活
性雰囲気下もしくは真空中で熱処理した後、冷却し、次
いで粉砕し、希土類酸化物もしくは水酸化物を添加し、
これを湿式もしくは乾式で混合した後、不活性雰囲気下
もしくは真空中でさらに熱処理することを特徴とする水
素吸蔵合金粉末の製造方法を提供する。また、該製造方
法によって得られた水素吸蔵合金粉末を使用してなるこ
とを特徴とするニッケル−水素蓄電池用水素吸蔵合金電
極を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は、CaCu5型の結晶構
造を主相に持ちMg又はCaを含有する水素吸蔵合金で
あって、好ましくは、Mg又はCaを合金中に0.1〜
1重量%含有する塊状水素吸蔵合金を800〜1100
℃で不活性雰囲気下もしくは真空中で熱処理した後、冷
却し、次いで粉砕された水素吸蔵合金粉末に希土類酸化
物もしくは水酸化物を添加し、これを湿式もしくは乾式
で混合した後、不活性雰囲気下もしくは真空中で熱処理
することを特徴とする水素吸蔵合金の製造方法である。
【0010】本発明において、CaCu5型の結晶構造
を主相に持つ水素吸蔵合金は、断面の組織観察では一部
に偏析相を確認しながらも、XRDでの回折パターンで
CaCu5型を示す合金相をいう。本発明で使用するこ
とのできる塊状の水素吸蔵合金の組成及び製造方法は特
に限定されるものではないが、好ましくは化学量論比が
LaNi5で表わされるとともに、Laの一部がCe、
Pr、又はNd、又はその他の希土類元素によって置換
され、さらに該Niの一部が、Co、Mn、Al、F
e、Cu又はSiなどの金属により置換された金属間化
合物であるが、特にサイクル寿命を良好とする観点か
ら、少なくともNiの一部をCo、Mn又はAlで置換
したものが好ましく、特にCoで置換したものであるこ
とが好ましい。好ましくは、Laの0〜70重量%がC
e、Pr又はNd、又はその他の希土類元素によって置
換され、かつNiの一部がCoによって置換されNiに
対するCoの置換比が(Co/Ni=0.7/4)原子
比以下である。
【0011】本発明は、上記組成を満たす水素吸蔵合金
を使用することができるが、さらに好ましくは、下記組
成から成るMmNi5系水素吸蔵合金が良く、具体的に
は一般式Lna(Ni(w-x-y-z)MnxAlyCoz)で表
わされ、Lnは、Laまたは少なくともLaを含む希土
類元素(Ce、Pr、Nd等から選ばれる希土類元素)
の混合物である。a、w、x、y、zは、原子比を表わ
し、aは、基準として1.00、wは4.0〜6.0、
x、y及びzは、それぞれ、0<x≦0.6、0<y≦
0.6、及び0<z≦0.7の範囲にある数である。好
ましくは、5.00≦w+x+y+z≦6.00、さら
に、合金中に含有するMgまたはCaは0.1〜1.0
重量%である。また、上記水素吸蔵合金中に用いる希土
類はMmで表され、容量を大きくするためにもMm中に
Laを単独または少なくとも30重量%以上、更には7
0重量%以上含むことを特徴とするものである。
【0012】本発明に用いる水素吸蔵合金は、好ましく
は、Mg又はCaを合金中に0.1〜1重量%含有す
る。0.1未満では耐食性や微粉化抑制に効果がなくな
る場合があり、1重量%をこえるとMg、Caが第2相
として合金中に偏析し、逆に微粉化を進行させてしまう
場合があるからである。
【0013】本発明に用いる塊状の水素吸蔵合金の製造
方法は、特に限定されるものではないが、製造コストが
安価であるという観点から特に各金属成分を溶解した溶
湯を鋳型に鋳込む方法で製造することが好ましいが、急
冷法などの他の方法によって製造された水素吸蔵合金を
使用しても同等かそれ以上の効果が得られる。
【0014】本発明は、合金塊を熱処理するとよく、熱
処理方法は公知の方法から適宜選択して採用すればよい
が、一般には、抵抗式加熱炉でAr等の不活性雰囲気
(0.08〜0.2MPa)または真空下(1.33P
a以下)で800〜1100℃のもと、5〜20時間行
われる。粉砕前に熱処理することにより、合金内部の偏
析(希土類元素、Ni、Co、Mn、Al等の合金主成
分元素の偏り)及び合金の歪みをなくするという効果が
ある。800未満では、Mn、Al等の偏析が生じる場
合があり、1100℃をこえると一旦なくなったMn、
Al等の偏析が増大する場合があるからである。
【0015】熱処理後は、より急冷が好ましいが、10
℃/分以上の冷却スピードが良い。
【0016】このように得られた合金は、ボールミル、
ジェットミル、パルぺライザー等の粉砕機によって、好
ましくは平均粒径5〜100μmの粉末化を行う。
【0017】本発明では、上記の特徴とする合金表面に
希土類酸化物もしくは水酸化物を島状に形成させ、さら
に合金表面より深さ方向で500nm以内にCoリッチ
層がある合金粉を製造する。このための方法としては、
粉砕して製造した水素吸蔵合金粉末に、Ni、Coより
も酸化還元電位が卑であり(即ち、Ni、Coよりも酸
化還元電位が低いものであり)、電位が−2.0以上で
ある希土類金属の酸化物または水酸化物を用いると良
い。Co、Niよりも電位が貴な金属の酸化物または水
酸化物を使用すると、Co等の溶出を増大させるので好
ましくない。添加する酸化物、水酸化物の量は、水素吸
蔵合金に対し、0.1〜20重量%が良い。0.1重量
%未満では水素吸蔵合金とした場合の耐蝕性や水素の吸
蔵放出サイクル寿命特性の向上が不十分となる場合があ
り、20重量%を超えると合金同士のコンタクトが悪く
なり、熱伝導性及び電気電導性が悪くなる場合があり、
製造コストも上昇し好ましくない。
【0018】用いる金属酸化物または金属水酸化物につ
いては、Fe、Mn及び希土類からなる一群から選ばれ
た1種以上からなる金属で構成される。金属酸化物の具
体例としては、Y23、La23、CeO2、Pr
611、Nd 23、Sm23、Eu23、Gd23、T
47、Dy23、Ho23、Er23、Tm23、Y
23、Lu23、Fe23、MnO2が挙げられ、単
独または二種以上混合させて使用してもよい。金属水酸
化物の具体例としては、Y(OH)3、La(OH)3
Ce(OH)3、Pr(OH)3、Nd(OH)3、Sm
(OH)3、Eu(OH)3、Gd(OH)3、Tb(O
H)3、Dy(OH)3、Ho(OH)3、Er(O
H)3、Tm(OH)3、Yb(OH)3、Lu(OH) 3
が挙げられ、単独または二種以上混合させてもよい。金
属酸化物と金属水酸化物とを併用することもできる。金
属酸化物も金属水酸化物も、平均粒径0.2〜5μm
で、最大粒径10μm以下の粉体として添加するのが好
ましいが、懸濁液又は溶液等の形態で加えることもでき
る。好ましくは、希土類酸化物または水酸化物がよく、
Y、La、Ce、Pr、Nd、Gd、Dy、Ho、E
r、Yb等の金属化合物がよく、さらにはY 、Er、
Yb、 Ho、Gdから1種以上選ばれた金属化合物を
用いるとよい。
【0019】また、本発明では、上記金属酸化物または
金属水酸化物を2種以上用いた複合酸化物または複合水
酸化物を用いてもよい。複合酸化物及び複合水酸化物と
は単に金属酸化物又は金属水酸化物を混合させたもので
はなく、それぞれ固溶した固溶体を示す。具体的には、
上記金属酸化物又は金属水酸化物を二種以上用いて、
(R1a・(R2b又は(R1c・(R2d・(R3e
例示できるものである。R1、R2、R3は、上記金属酸
化物又は金属水酸化物である。式中、a、bは、それぞ
れ0.1〜0.9の正の数であり、かつa+b=1の関
係を満足する。c、d、eは、それぞれ0.1〜0.8
の正の数であり、かつc+d+e=1の関係を満足す
る。具体的には、(Yb23a・(Lu23b 、(Y
23a ・ (Er23b 、(Er23a・(Dy2
3b 、(Yb23c ・ (Sm23d・(Gd
23e、(Y23c・(Er2 3d・(Yb23e
(Yb(OH)3a・(Er(OH)3b、(Er(O
H) 3a・(Dy(OH)3b等が例示できる。好まし
くは、希土類酸化物または水酸化物がよく、Y、La、
Ce、Pr、Nd、Gd、Dy、Ho、Er、Ybから
選ばれた金属化合物を等を含み、さらに好ましくはY
、Er、Yb、 Ho、Gdから選ばれた金属化合物を
含む複合酸化物または水酸化物である。
【0020】本発明は、金属酸化物または金属水酸化物
を添加した後、湿式もしくは乾式で混合した後、不活性
雰囲気もしくは、真空中で熱処理することにより、合金
表面に島状に酸化物または、水酸化物を得ることができ
る。湿式混合の場合、水を添加し混合するが、水以外の
液体でも使用可能である。しかし、混合した後で、乾
燥、熱処理の後に残留するものは好ましくない。添加量
は、合金物の粒子径に依存するので限定できないが、合
金粉と酸化物が充分混合できる、体積比として合金1に
対し水1以上が好ましい。乾式混合の場合、混合中の酸
化や安全性の点から真空中又は不活性雰囲気での混合が
好ましい。不活性雰囲気としては、Ne、Ar等が好ま
しい。熱処理により、合金表面にNi又は/及びCoの
リッチ層が形成されるため、表面活性が向上し、電池と
した場合、高率放電特性が上がるという効果が得られ
る。
【0021】本発明の場合、希土類酸化物、水酸化物を
添加した後、アルゴン等の不活性雰囲気中(0.08〜
0.2MPa)もしくは真空中(1.33Pa以下)で
熱処理(好ましくは100〜800℃、より好ましくは
200〜500℃)しているため、金属酸化物または、
水酸化物は、合金表面に島状に強固に付着している。こ
のため、単に、酸化物を合金粉と混合したものと違い、
ペーステイングの段階で合金表面からバインダーに取り
込まれることがなく、合金表面に希土類酸化物、水酸化
物が存在するため、負極とした場合でも合金表面に希土
類酸化物または水酸化物が存在し、耐食性を向上させて
いる。
【0022】このようにして得られた本発明の島状に希
土類酸化物、水酸化物の存在する水素吸蔵合金粉末を用
いて電極を製造するために用いるバインダーは、特に限
定されるものではないが、好ましくは、ポリビニルアル
コール、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロ
ース等のセルロース類、PTFE、ポリエチレンオキサ
イド、高分子ラテックス等の有機バインダーの中から適
宜選択され2種以上併用してもよい。バインダーの使用
量は合金粉末に対し0.1〜20重量%用いられる。
【0023】また、本発明では、合金とバインダーの混
合物を充填する導電性支持体としては特に限定されるも
のではないが、好ましくは、繊維ニッケル、発泡ニッケ
ル等の三次元導電支持体、パンチングメタル等の二次元
導電性支持体等の中から適宜選択して使用することがで
きる。
【0024】したがって、本発明の水素吸蔵合金電極
は、たとえば前記バインダーを含有する水溶液に本発明
の水素吸蔵合金粉末を添加し、混練して調整したペース
トを導電性支持体表面に塗布・乾燥した後、加圧成形す
ることにより製造することができる。また上記ペースト
から成形したシートを導電性支持体表面に圧着し固定す
ることによっても製造することができる。
【0025】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに詳細に
のべるが、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1、2 La80重量%、Ce20重量%(Laの20重量%を
Ceで置換)からなる合金1.00(原子比)に対し、
Ni、Co、Mn、Alを原子比で各々4.25、0.
40、0.0.40、0.30となるよう秤量し、さら
に合金中にMgが0.3重量%含有するよう秤量しこれ
らを高周波溶解炉で溶解し冷却してLaNi5系合金を
得た。得られた合金を1000℃で10時間アルゴンガ
ス雰囲気中で熱処理した後、平均が約40μmの粉末と
なるように粉砕し次いでYb23、Er23を各々合金
粉末100重量部に対し0.3重量部添加し、合金粉1
00gに対し水100mlを加え30分間湿式混合した
後ろ過、乾燥した。次いで、300℃の真空中で1時間
処理した。
【0026】得られた水素吸蔵合金粉末16gに対し、
3重量%PVA水溶液4gを混合してペーストとし、こ
れを多孔度95%の発泡ニッケル多孔体内へ均一に充填
した後、加圧・加工成形して厚さ0.5〜1.0mmの
シート状とし次いでその表面にリード線を取り付けて負
電極とした。尚、正電極は容量が2400mAhの公知
の発泡メタル式ニッケルを使用した。このようにして作
製したシート状の各負電極及び正電極を公知の方法によ
り親水処理済のポリプロピレン不織布で作製したセパレ
ーターを介して巻取り、円筒状の容器に充填するととも
に、電解液として6N−KOH水溶液を注入した後封か
んしSCサイズの密閉型ニッケル−水素蓄電池を作製し
た。この電池を20℃の一定温度下、720mAで4時
間充電する一方480mA(0.2C)で電池電圧が
1.0Vになるまで放電するサイクルを10回繰り返し
た後、20℃で720mAで4時間充電し2400mA
(1C)で電池電圧が1.0Vになるまで放電した。こ
のようにして得られた480mA、2400mAでの放
電容量の維持率((2400mA/480mA)×100(%))を表1
に示した。また、充電720mAで4時間、放電を48
0mAで電池電圧が1.0Vになる充放電サイクル試験
を行い、初期の容量に対して60%の容量になった時の
サイクルを寿命とした。
【0027】また、得られた水素吸蔵合金粉末10gに
対し、3重量%PVA(平均重合度2000、けん化度
98モル%)水溶液2.5gを混合してペーストとし、
これを多孔度95%の発泡ニッケル多孔体内に30vol
%充填、乾燥後、加圧・加工成形し均一に充填した後
0.5〜1.0mmの極板を製作し、次いでリード線を
取り付けて負極とした。正極には焼結式電極を用いて、
ポリプロピレン製セパレータを介して負極と張り合わ
せ、6N−KOH電解液に浸漬して電池を作成した。
【0028】微粉化維持率の測定 得られた電池についてまず、20℃にて負極容量に対し
0.3Cで120%充電、30分休止後、0.2Cで電
池電圧が0.6Vになるまで放電した。このサイクルを
20回繰り返した後、微粉化の進行具合を観測するため
に、電極を分解し、合金粉を水中で超音波ホーンにて集
電体から分離し、充放電後の粒度分布をマイクロトラッ
クにて測定し、平均粒径D50μmを得た。なお、D
50は、粒度分布を測定した場合に、個々の粒子径を検出
したときの頻度累計において、小径粒子から累積加算し
た値が分布全体の50%にあたる粒子径をD50と定義す
るものである。 微粉化維持率(%)=[(充放電後(20サイクル)粒度)/(充放
電前粒度)]×100
【0029】容量(放電容量) 水素吸蔵合金粉0.5gとNi粉1.5gを乾式混合
後、φ20mm金型で成形し、0.5Cで125%充電
し、10分間休止した後0.5Cで0.6V(Hg/H
gO)になるまで放電し、これを10回繰り返した後の
容量を示した。
【0030】実施例3〜11 La60重量%、Ce20重量%、Pr10重量%、N
d10重量%からなる合金1.00(原子比)に対し、
Ni、Co、Mn、Alを原子比で各々4.60、x、
0.40、0.30とし、x(Coの置換比)を0〜
0.80まで変化させ、さらに合金中にMgが0.5重
量%含有するよう秤量した。そして実施例1と同様に溶
解し、平均粒径が40μmの合金粉末を得た。次いでD
23を合金粉末100重量部に対し0.5重量部添加
し、アルゴンガス雰囲気中で乾式混合した後、400℃
のアルゴン雰囲気中で1時間処理した。得られた水素吸
蔵合金粉末16gに対し、3重量%PVA水溶液4gを
混合してペーストとし、これを多孔度95%の発泡ニッ
ケル多孔体内へ均一に充填した後、加工成形して厚さ
0.5〜1.0mmのシート状とし次いでその表面にリ
ード線を取り付けて負電極とした。尚、その後の工程は
実施例1と同様に処理した。
【0031】実施例12〜14 La90重量%、Ce10重量%(Laの10重量%を
Ceで置換)からなる合金1.00(原子比)に対し、
Ni、Co、Mn、Alを原子比で各々4.25、0.
40、0.30、0.30となるよう秤量し、実施例1
と同様に溶解し、平均粒径が40μmの合金粉末を得
た。次いでEr23、Yb23を各々合金粉末100重
量部に対し0.3重量部添加し、アルゴンガス雰囲気中
で乾式混合した後、400℃のアルゴン雰囲気中で1時
間処理した。得られた水素吸蔵合金粉末16gに対し、
3重量%PVA水溶液4gを混合してペーストとし、こ
れを多孔度95%の発泡ニッケル多孔体内へ均一に充填
した後、加工成形して厚さ0.5〜1.0mmのシート
状とし次いでその表面にリード線を取り付けて負電極と
した。尚、その後の工程は実施例1と同様に処理した。
【0032】実施例15〜20 La80重量%、Ce10重量%、Pr5重量%、Nd
5重量%からなる合金1.00(原子比)に対し、N
i、Co、Mn、Alを原子比で各々4.18〜4.4
5、0.30、0.22〜0.55、0.30(B/A
比が5.00〜5.60)となるよう秤量し、実施例1
と同様に溶解し、平均粒径が40μmの合金粉末を得
た。次いでYb23とEr23を1:1で混合し各々合
金粉末100重量部に対し0.3重量部添加し、アルゴ
ンガス雰囲気中で乾式混合した後、400℃のアルゴン
雰囲気中で1時間処理した。得られた水素吸蔵合金粉末
16gに対し、3重量%PVA水溶液4gを混合してペ
ーストとし、これを多孔度95%の発泡ニッケル多孔体
内へ均一に充填した後、加工成形して厚さ0.5〜1.
0mmのシート状とし次いでその表面にリード線を取り
付けて負電極とした。尚、その後の工程は実施例1と同
様に処理した。
【0033】比較例1〜4 La60重量%、Ce20重量%、Pr10重量%、N
d10重量%からなる合金1.00(原子比)に対し、
Ni、Co、Mn、Alを原子比で各々4.60、x、
0.40、0.30とし、x(Coの置換比)を0〜
0.40まで変化させ、さらに合金中にMgが0.5重
量%含有するよう秤量した。そして実施例1と同様に溶
解し、平均粒径が40μmの合金粉末を得た。次いでD
23を合金粉末100重量部に対し0.5重量部添加
し、アルゴンガス雰囲気中で乾式混合した。得られた水
素吸蔵合金粉末16gに対し、3重量%PVA水溶液4
gを混合してペーストとし、これを多孔度95%の発泡
ニッケル多孔体内へ均一に充填した後、加工成形して厚
さ0.5〜1.0mmのシート状とし次いでその表面に
リード線を取り付けて負電極とした。尚、その後の工程
は実施例1と同様に処理した。
【0034】比較例5〜6 La60重量%、Ce20重量%、Pr10重量%、N
d10重量%からなる合金1.00(原子比)に対し、
Ni、Co、Mn、Alを原子比で各々4.60、0.
40、0.40、0.30とし、さらに合金中にMgが
0.5重量%含有するよう秤量した。そして実施例1と
同様に溶解し、平均粒径が40μmの合金粉末を得た。
次いでこの合金粉末を300℃および400℃のアルゴ
ン雰囲気中で1時間処理した。得られた水素吸蔵合金粉
末16gに対し、3重量%PVA水溶液4gを混合して
ペーストとし、これを多孔度95%の発泡ニッケル多孔
体内へ均一に充填した後、加工成形して厚さ0.5〜
1.0mmのシート状とし次いでその表面にリード線を
取り付けて負電極とした。尚、その後の工程は実施例1
と同様に処理した。
【0035】実施例1〜20及び比較例1〜6につい
て、合金組成等を表1にまとめた。また、電池評価の結
果を表2にまとめた。
【0036】
【発明の効果】CaCu5型の結晶構造を主相に持つ水
素吸蔵合金において表わされる水素吸蔵合金であって、
合金中に含有するMgまたはCaが合金中に0.1〜1
重量%の塊状の水素吸蔵合金を800〜1100℃で不
活性雰囲気下もしくは、真空中で熱処理した後、冷却し
次いで粉砕した水素吸蔵合金粉末100重量部に対し、
希土類酸化物もしくは水酸化物を0.2〜20重量部添
加し、これを湿式もしくは乾式で混合した後、不活性雰
囲気下もしくは、真空中でさらに100〜800℃で熱
処理することにより、アルカリ電解液により合金表面の
活性が損なわれず、高率放電特性に優れた蓄電池を得る
ことができる。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C22C 19/00 C22C 19/00 F C22F 1/00 621 C22F 1/00 621 641 641A 661 661C 687 687 691 691B (72)発明者 前田 孝雄 福井県武生市北府二丁目1番5号 信越化 学工業株式会社磁性材料研究所内 Fターム(参考) 4K017 AA04 BA03 BB06 BB12 CA07 DA01 EA04 FB08 5H050 AA02 AA07 AA08 BA14 CA03 CB17 GA02 HA01 HA02 HA14

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 CaCu5型の結晶構造を主相に持ちM
    g又はCaを含有する水素吸蔵合金を、不活性雰囲気下
    もしくは真空中で第1の熱処理した後、冷却し、次いで
    粉砕し、希土類酸化物もしくは水酸化物を添加し、これ
    を湿式もしくは乾式で混合した後、不活性雰囲気下もし
    くは真空中で第2の熱処理することを含む水素吸蔵合金
    粉末の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記Mg又はCaが、上記水素吸蔵合金
    中に0.1〜1重量%含有される請求項1に記載の水素
    吸蔵合金粉末の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記CaCu5型の結晶構造を主相に持
    つ水素吸蔵合金が、LaNi5系であり、該Laの0〜
    70重量%がCe、Pr又はNd、又はその他の希土類
    元素によって置換され、かつ該Niの一部がCoによっ
    て置換されNiに対するCoの置換比が(Co/Ni=
    0.7/4)原子比以下である請求項1又は請求項2に
    記載の水素吸蔵合金の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記希土類酸化物もしくは水酸化物が、
    YとErとYbとHoとGdとからなる一群から選ばれ
    る少なくとも一種以上の希土類の酸化物もしくは水酸化
    物であるか、もしくは該一群から選ばれる二種以上の希
    土類の複合酸化物もしくは複合水酸化物である請求項1
    〜3のいずれかに記載の水素吸蔵合金粉末の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記第2の熱処理が、100〜800℃
    で行われる請求項1〜4のいずれかに記載の水素吸蔵合
    金粉末の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の製造方
    法によって得られた水素吸蔵合金粉末を使用してなるこ
    とを特徴とするニッケル−水素蓄電池用水素吸蔵合金電
    極。
JP2000258340A 2000-08-29 2000-08-29 水素吸蔵合金の製造方法および水素吸蔵合金電極 Pending JP2002069511A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000258340A JP2002069511A (ja) 2000-08-29 2000-08-29 水素吸蔵合金の製造方法および水素吸蔵合金電極

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000258340A JP2002069511A (ja) 2000-08-29 2000-08-29 水素吸蔵合金の製造方法および水素吸蔵合金電極

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002069511A true JP2002069511A (ja) 2002-03-08

Family

ID=18746666

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000258340A Pending JP2002069511A (ja) 2000-08-29 2000-08-29 水素吸蔵合金の製造方法および水素吸蔵合金電極

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002069511A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007056309A (ja) * 2005-08-24 2007-03-08 Japan Metals & Chem Co Ltd 水素吸蔵合金とその製造方法ならびにニッケル水素二次電池
JP2008166027A (ja) * 2006-12-27 2008-07-17 Panasonic Ev Energy Co Ltd ニッケル水素蓄電池
WO2009013848A1 (ja) * 2007-07-24 2009-01-29 Panasonic Corporation ニッケル水素電池用負極材料とその処理方法およびニッケル水素電池
EP3279348A4 (en) * 2015-03-31 2018-03-28 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Alloy powder for electrodes, negative electrode for nickel-metal hydride storage batteries using same, and nickel-metal hydride storage battery

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007056309A (ja) * 2005-08-24 2007-03-08 Japan Metals & Chem Co Ltd 水素吸蔵合金とその製造方法ならびにニッケル水素二次電池
JP4634256B2 (ja) * 2005-08-24 2011-02-16 日本重化学工業株式会社 水素吸蔵合金とその製造方法ならびにニッケル水素二次電池
JP2008166027A (ja) * 2006-12-27 2008-07-17 Panasonic Ev Energy Co Ltd ニッケル水素蓄電池
WO2009013848A1 (ja) * 2007-07-24 2009-01-29 Panasonic Corporation ニッケル水素電池用負極材料とその処理方法およびニッケル水素電池
US8202650B2 (en) 2007-07-24 2012-06-19 Panasonic Corporation Negative electrode material for nickel-metal hydride battery and treatment method thereof, and nickel-metal hydride battery
EP3279348A4 (en) * 2015-03-31 2018-03-28 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Alloy powder for electrodes, negative electrode for nickel-metal hydride storage batteries using same, and nickel-metal hydride storage battery

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5146934B2 (ja) 水素吸蔵合金、水素吸蔵合金電極、二次電池、および水素吸蔵合金の製造方法
JP5636740B2 (ja) アルカリ蓄電池用水素吸蔵合金およびその製造方法
JP2011127185A (ja) 水素吸蔵合金、その製造方法、ニッケル水素二次電池用負極およびニッケル水素二次電池
JP3603013B2 (ja) 水素吸蔵合金及びニッケル水素二次電池
JP5481803B2 (ja) ニッケル水素蓄電池
JP4815738B2 (ja) 水素吸蔵合金粉末の製造方法
JP2002069511A (ja) 水素吸蔵合金の製造方法および水素吸蔵合金電極
JP5703468B2 (ja) 水素吸蔵合金、水素吸蔵合金電極及びニッケル水素二次電池
JP4420767B2 (ja) ニッケル・水素蓄電池
WO2001094653A1 (en) Hydrogen-occluding alloy and process for producing the same
JP3279994B2 (ja) 水素吸蔵合金粉末及びアルカリ蓄電池用負極
CN113631302B (zh) 碱蓄电池用储氢合金、负极使用其的碱蓄电池及车辆
JPH0641663A (ja) 水素吸蔵合金とその製造方法および水素吸蔵合金電極
JP5278411B2 (ja) 水素吸蔵合金粉末およびそれを用いたニッケル水素蓄電池。
US6284066B1 (en) Process for producing hydrogen absorbing alloy powder and hydrogen absorbing alloy electrode
EP1059684B1 (en) Process for producing a hydrogen absorbing alloy, and hydrogen absorbing alloy electrodes
JP2792955B2 (ja) 水素電極用水素吸蔵合金
JP2001126724A (ja) 水素吸蔵合金粉末の製造方法
JPWO2015136836A1 (ja) 水素吸蔵合金、電極用合金粉末、アルカリ蓄電池用負極およびアルカリ蓄電池
JP2020158824A (ja) アルカリ蓄電池用水素吸蔵合金およびそれを負極に用いたアルカリ蓄電池ならびに車両
JP2008269888A (ja) ニッケル水素蓄電池
JP2010262763A (ja) 水素吸蔵合金粉末の表面処理方法、ニッケル水素電池用負極活物質、ニッケル水素電池用負極、ならびにニッケル水素電池
JP2000192177A (ja) 水素吸蔵合金及びニッケル水素二次電池
JP2001266860A (ja) ニッケル−水素蓄電池
JP2000017302A (ja) 水素吸蔵合金焼結体及び水素吸蔵合金焼結体多孔質負極