JP2005108522A - 薄膜電極とその製造方法およびその薄膜電極を用いたリチウム二次電池 - Google Patents

薄膜電極とその製造方法およびその薄膜電極を用いたリチウム二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 活物質薄膜の体積変化による影響を最小限に抑えて、電極の膨張、集電体の皺寄れなどの発生を抑制し、高容量でサイクル特性の高いリチウム二次電池を提供する。
【解決手段】 リチウムと合金化しない金属から形成された集電体11と、集電体11の表面に形成され、リチウムと合金化する元素を含む薄膜12とを備え、薄膜12が網目状のクラック15aを備えている薄膜電極とする。また、リチウムと合金化しない金属からなる集電体11に、集電体11の実効厚みが15μm以上100μm以下となるように凹凸を形成する工程と、上記凹凸を形成した集電体11の表面に、リチウムと合金化する元素を含む薄膜12を形成する工程と、薄膜12を形成した集電体11を加圧して上記凹凸を平坦化する工程とを含む薄膜電極の製造方法とする。
【選択図】 図4

Description

本発明は、薄膜電極とその製造方法およびその薄膜電極を用いたリチウム二次電池に関するものである。
近年、携帯電話、ノートパソコン、PDAなどの携帯端末機器の需要が急激に拡大しており、これらの機器の小型軽量化および高機能化に伴って、それらの電源として主として用いられるリチウム二次電池のさらなる高エネルギー密度化が要求されている。しかし、現在実用化されているリチウム二次電池に用いられる炭素系負極の電気容量は理論値に近い値にまで到達しており、より高容量なリチウム二次電池を実現するためには負極材料の新規開発が必須である。
このような中で最近では、高容量リチウム二次電池用の新たな負極材料として、Liと合金化しない材料からなる集電体上に、Liと合金化するSnまたはSn含有合金からなる薄膜を形成し、その薄膜を負極材料として用いる薄膜電極が注目されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。特許文献1は、集電体である銅板上に、電解めっき法によりSn薄膜を形成するものであり、特許文献2は、電解めっき法により、銅箔上にSn、Zn、Sb、またはそれらを含有する合金を素材とする薄膜を形成するものである。
Liと合金化する金属の中でも、特にSnは従来の黒鉛系負極材料と比較して高いエネルギー密度(994mAh/g)を有するため、次世代の負極材料として注目されている。しかし、実際の薄膜電極にSnを用いた場合は、LixSnの組成式でx=4.4までLiを電気化学的に挿入すると、薄膜の体積が3〜4倍にまで膨張してしまう。かかる体積膨張はリチウム二次電池の充放電特性(サイクル特性)の低下を招くことになる。さらに、Snを単独で用いると、Sn自身が触媒能を持つために電解液を分解してしまうという問題もある。
上記問題を解決するために、Sn系の合金薄膜が提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。非特許文献1には、電解めっき法によりCu箔上に形成されたSn薄膜を、Snの融点付近で熱処理することで、Cu−Sn界面でCu原子とSn原子とが相互拡散した傾斜性構造の薄膜を得ることができると記載されている。即ち、Cu箔上にSnをめっきすることで形成した薄膜をSnの融点付近で長時間熱処理するとCu−Sn界面で原子の相互拡散が起こり、最終的にCu/Cu3Sn/Cu6Sn5/Snもしくはこの組成に近い結晶構造を有するCu−Sn合金が形成される。このとき形成されるCu6Sn5合金はLiを可逆的に吸蔵・脱離可能であり、体積変化もSnと比較して小さく、加えて触媒能を持たないため、前述のSn薄膜特有の問題を解決できる負極材料として期待されている。
特開2001−68094号公報 特開2001−256968号公報 Journal of Power Sources, 107(2002),p.48−55
上記電解めっき法により薄膜電極を形成すると、集電箔(集電体)と活物質層とがより強固に一体化する。そのため、充放電に伴う活物質の微粉化などが発生しても集電箔から活物質が脱落しにくく、サイクル特性が向上するといった利点もある。
しかし、集電箔と活物質との密着性が高くなると、Liの挿入・脱離に伴う活物質薄膜の体積変化の影響を電極自体が受けやすくなるため、電極の膨張、集電箔の皺寄れなどが顕著に発生する。その結果、電極内の電子伝導性が低下するため、サイクル特性が低下することになる。
本発明は、リチウムと合金化しない金属から形成された集電体と、前記集電体の表面に形成され、リチウムと合金化する元素を含む薄膜とを備えた薄膜電極であって、前記薄膜が網目状のクラックを備えていることを特徴とする薄膜電極を提供する。
また、本発明は、リチウムと合金化しない金属からなる集電体に、前記集電体の実効厚みが15μm以上100μm以下となるように凹凸を形成する工程と、前記凹凸を形成した集電体の表面に、リチウムと合金化する元素を含む薄膜を形成する工程と、前記薄膜を形成した集電体を加圧して前記凹凸を平坦化する工程とを含むことを特徴とする薄膜電極の製造方法を提供する。
また、本発明は、上記薄膜電極を負極として用いたことを特徴とするリチウム二次電池を提供する。
本発明の薄膜電極は、集電体の表面に形成された活物質薄膜に網目状のクラックを形成することにより、Liの挿入・脱離に伴う活物質薄膜の体積変化によって発生した応力を多方向に分散させることができるため、応力の集中による電極の膨張、集電体の皺寄れなどの発生を抑制することができる。
また、本発明の薄膜電極の製造方法は、集電体の表面に形成された活物質薄膜にクラックを簡易かつ効率的に形成できる。
また、本発明のリチウム二次電池は、上記薄膜電極を負極に用いることにより、電池容量およびサイクル特性の向上を図ることができる。
先ず、本発明の薄膜電極の実施の形態を説明する。本発明の薄膜電極の一例は、Liと合金化しない金属から形成された集電体と、上記集電体の表面に形成され、Liと合金化する元素を含む薄膜とを備えている。また、上記薄膜は、網目状のクラックを備えている。
上記網目状のクラックは、上記薄膜の全面に設けることが好ましく、これにより薄膜の全面に相互に連結したクラックのネットワークが形成され、Liの挿入・脱離に伴う活物質薄膜の体積変化によって発生した応力をこのクラックにより効果的に分散させることができる。
上記集電体の材質としては、Liと合金化しない金属から形成されていることが必要であり、例えば、Ni、Cu、ステンレス鋼、Ni合金、Cu合金などが好ましい。Liと合金化する金属であると、電池に組み込んだ場合に活物質層より先にLiと反応してしまい、集電体として機能しなくなるからである。なお、NiおよびCuと合金化する元素としては、例えば、Si、Fe、Cu、Ni、Sn、Zn、In、Sb、Zrなどが挙げられ、集電体の特性を損なわない範囲で合金化することができる。
上記Liと合金化する元素としては、Al、Si、Sn、Pb、Ge、Sbなどが使用でき、特にSiおよびSnから選ばれる少なくとも一つの元素であることが好ましい。これらは、Liの挿入・脱離における可逆性が高いからである。
上記集電体の厚みは、5μm以上30μm以下であることが好ましく、10μm以上20μm以下がより好ましい。この範囲内であれば、上記薄膜電極を作製する上で、集電体自体の強度と柔軟性とをともに確保できるからである。
薄膜の体積変化を減少させるためには、薄膜の厚みは小さいほうが好ましいが、厚みが小さすぎると電池容量が低下するので、上記薄膜の厚みは、1μm以上10μm以下であることが好ましい。
また、上記薄膜の主成分としては、Cu6Sn5、Cu2Sb、Bを添加させたSi、Ni3Sn4、MnSb、Mn2Sb、CoSb、Co2Sb、Zn4Sb3などを採用できるが、Cu6Sn5、Bを添加させたSi、およびNi3Sn4から選ばれるいずれか一つであることが好ましい。これらは、Liを可逆的に吸蔵・脱離可能であり、体積変化もSn、Siの単体に比べて小さいからである。ここで、主成分とは、薄膜全体の重量に対して50重量%以上含まれていることをいう。
次に、本発明の薄膜電極の製造方法の実施の形態を説明する。本発明の薄膜電極の製造方法の一例は、Liと合金化しない金属からなる集電体に、上記集電体の実効厚みが15μm以上100μm以下となるように凹凸を形成する工程(A)と、上記凹凸を形成した集電体の表面に、Liと合金化する元素を含む薄膜を形成する工程(B)と、上記薄膜を形成した集電体を加圧して上記凹凸を平坦化する工程(C)とを含んでいる。
上記工程(C)において、凹凸を形成した集電体を加圧して平坦化することにより、集電体と薄膜とに応力が加わり、薄膜にクラックを簡易かつ効率的に形成することができる。集電体を平坦化する方法としては、例えば、ロールプレスなどにより集電体を加圧する方法などが挙げられる。
上記工程(A)において、集電体の実効厚みが15μmを下回ると、平坦化工程で集電体と薄膜とに加わる応力が不十分となり、クラックの形成も不十分となる。この点で、実効厚みは30μm以上がより好ましい。また、上記実効厚みが100μmを上回ると、集電体と薄膜とに加わる応力が大きくなりすぎ、集電体に損傷を与える可能性がある。この点で、実効厚みは50μm以下がより好ましい。
ここで、実効厚みとは、集電体の一方の側に形成された凸部に最近接する平面と、集電体の他方の側に形成された凸部に最近接する平面との最大距離を意味する。
また、上記工程(A)において、凹凸の形状は、円形、三角形、四角形、五角形、および六角形から選ばれる少なくとも一つの形状に形成されることが好ましく、これらの形状を複数組み合わせた凹凸を形成してもよい。クラックは主として集電体の凸部と凹部との境目で形成されるため、凹凸の形状を上記形状とすることにより、クラックを円形、三角形、四角形、五角形、六角形などの閉鎖図形にほぼ沿って形成できる。これにより、クラックが連続したループ状に形成され、薄膜の表面方向への膨張による応力を多方向により効果的に吸収できる。
さらに、上記工程(A)において、凹凸は集電体の全面に形成することが好ましく、特に凹凸を千鳥格子状に形成することが好ましい。これにより、クラックが連続した網目状に形成でき、薄膜の全面に相互に連結したクラックのネットワークが形成され、Liの挿入・脱離に伴う活物質薄膜の体積変化によって発生した応力をこのクラックにより効果的に分散させることができる。
また、上記工程(B)において、薄膜と集電体とは密着して形成することが望ましく、その薄膜の形成方法としては、例えば、物理的気相成長法(PVD法)、化学的気相成長法(CVD法)、液相成長法などが挙げられる。物理的気相成長法としては真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、分子線エピタクシー法(MBE法)、レーザーアブレーション法など、化学的気相成長法としては熱CVD法、有機金属CVD法(MOCVD法)、RFプラズマCVD法、電子サイクロン(ECR)プラズマCVD法、光CVD法、レーザーCVD法、原子層エピタクシー法(ALE法)など、液相成長法としてはめっき法(電解めっき法、無電解めっき法)、陽極酸化法、塗布法、ゾル−ゲル法などが挙げられる。これらの中でも、液相成長法は比較的簡易な設備で実施可能であるため望ましく、特に電解めっき法は集電体表面への密着性が良く、めっき薄膜表面の平滑性も高く、さらに大面積での成膜が容易かつ安価に行えるためより好ましい。なお、これらの薄膜形成方法は、単独で用いても複数を組み合わせて用いてもよい。
続いて、本発明のリチウム二次電池の実施形態を説明する。本発明のリチウム二次電池の一例は、上記で説明した薄膜電極を負極として用いたリチウム二次電池である。充放電に伴う電極の膨張、集電体の皺寄れなどの発生を抑制した薄膜電極を用いることにより、高容量でサイクル特性の高いリチウム二次電池を提供できる。
本実施形態のリチウム二次電池に用いる正極としては、正極活物質に導電助剤およびポリフッ化ビニリデンなどの結着剤などを適宜添加した合剤を、アルミニウム箔などの集電体を芯材として成形体に仕上げたものが用いられる。正極活物質としては、例えば、LiCoO2などのリチウム・コバルト酸化物、LiMn24などのリチウム・マンガン酸化物、LiNiO2などのリチウム・ニッケル酸化物、LiNiO2のNiの一部をCoで置換したLiNixCo(1-x)2、さらに、MnとNiとを等量含んだLiNi(1-x)/2Mn(1-x)/2Cox2、オリビン型LiMPO4(M:Co、Ni、Mn、Fe)を用いることができる。
上記リチウム二次電池に用いる電解質の溶媒としては、例えば、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどが挙げられ、これらは複数を同時に使用することもできる。また、この溶媒には必要に応じて他の成分を添加することも可能である。
上記電解質の溶質としては、例えば、LiClO4、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiSbF6、LiCF3SO3、LiC49SO3、LiCF3CO2、Li224(SO32、LiN(CF3SO22、LiN(CF3SO22、LiCn2n+1SO3(n≧2)、LiN(RfOSO22[ここで、Rfはフルオロアルキル基を示す。]、LiN(CF3SO2)(C49SO2)、LiN(C25SO2)(C49SO2)、LiN(CF3SO2)(C25SO2)などが挙げられる。
さらに、上記電解質(電解液)以外にも、Liイオンの輸送体であれば制約無く用いることができ、例えば、各種ポリマーからなるゲルポリマー電解質、真性ポリマー電解質、LiPONなどの無機固体電解質、Liイオン含有常温溶融塩などを用いることができる。
上記リチウム二次電池に用いるセパレータとしては、強度が充分で上記電解液を多く保持できるものが良く、この点から、厚み10〜50μm、開口率30〜70%のポリプロピレン製、ポリエチレン製、またはポリプロピレンとポリエチレンのコポリマー製のフィルムや不織布からなるセパレータが好ましい。
さらに、本実施形態の薄膜電極は、上記リチウム二次電池以外にも、リチウム一次電池などの電極としても使用することができる。
次に、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
(実施形態1)
本発明の薄膜電極の製造方法の一例は、図1に示すように、先ず、Liと合金化しない金属からなる集電体11に、集電体11の実効厚みdが15μm以上100μm以下となるように凸部13a、13bおよび凹部14a、14bを形成する。本実施形態では、凹凸の形状を四角形とし、且つその凹凸を千鳥格子状に配置した。
ここで、実効厚みとは、集電体11の一方の側に形成された凸部13aに最近接する平面と、集電体11の他方の側に形成された凸部13bに最近接する平面との最大距離dを意味する。なお、図1において、tは集電体11の厚みを表す。
次に、図2に示すように、凸部13a、13bおよび凹部14a、14bを形成した集電体11の表面に、Liと合金化する元素を含む薄膜12を形成する。図3は、図2のA−A部の要部断面図である。
その後、薄膜12を形成した集電体11を真空、不活性雰囲気、または還元性雰囲気の下で150〜220℃程度の温度で加熱する。これにより、薄膜12と集電体11とは完全に密着する。
続いて、図4に示すように、薄膜12を形成した集電体11をロールプレスなどで加圧することにより、凸部13a、13bおよび凹部14a、14bが平坦化されて、薄膜12の全面に主たるクラック15aが形成されるとともに、従たるクラック15bも形成され、本実施形態の薄膜電極16が完成する。主たるクラック15aは、図4の矢印で示すように、集電体11の凸部13a、13bと凹部14a、14bとの境目で主として形成される。図5は、本実施形態の薄膜電極16の平面図であり、薄膜12の全面に相互に連結した主たるクラック15aのネットワークが形成され、また、従たるクラック15bも形成される。
(実施形態2)
本発明の薄膜電極の製造方法の他の一例は、図6および図7に示すように、Liと合金化しない金属からなる集電体21に、集電体21の実効厚みdが15μm以上100μm以下となるように凸部23および凹部24を形成する。本実施形態では、凹凸の形状を六角形とした。この後は、実施形態1と同様にして本実施形態の薄膜電極を形成できる。なお、図6は本実施形態に使用する集電体の平面図、図7は、図6の集電体の側面図である。また、図7において、tは集電体21の厚みを表す。
上記実施形態1および実施形態2ではともに、上記Liと合金化する元素としては、Al、Si、Sn、Pb、Ge、Sbなどが使用でき、特にSiおよびSnから選ばれる少なくとも一つの元素であることが好ましい。これらは、Liの挿入・脱離における可逆性が高いからである。また、上記薄膜の主成分としては、Cu6Sn5およびNi3Sn4から選ばれるいずれか一つであることが好ましい。これらは、Liを可逆的に吸蔵・脱離可能であり、体積変化もSn、Siの単体に比べて小さいからである。ここで、主成分とは、薄膜全体の重量に対して50重量%以上含まれていることをいう。
特に、上記実施形態1、実施形態2で、集電体としてCu箔を用い、その集電体の表面に例えば厚み15μm以下のSn薄膜を形成した場合、その後に真空、不活性雰囲気、または還元性雰囲気の下で150〜230℃で加熱することにより、薄膜の主成分をLiの可逆性に優れたCu6Sn5合金とすることができる。形成されたCu6Sn5合金は、大きな硬度を有するため割れやすく、その後に集電体を平坦化することにより、Cu6Sn5合金薄膜に容易にクラックを形成できる。
なお、上記Cu6Sn5合金を効率よく形成するためには、上記Cu箔上に例えば厚み5μm以下のSn薄膜と厚み2μm以下のCu薄膜とを交互に所定層数を形成した後に、上記加熱処理を行うことが好ましい。
次に、本発明を実施例に基づき具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
古河サーキットフォイル社製の厚み15μmの電解銅箔をエンボス加工することにより、図1に示すように四角形の凹凸を形成した。凹凸の大きさは50μm×50μmとし、電解銅箔の実効厚みは80μmとした。その後、凹凸を形成した電解銅箔を50mm×30mmに切り出して本実施例の集電体とした。
次に、表面の酸化被膜、油脂、汚れなどを除去するために、上記集電体を40℃に加熱した濃度10%の硫酸水溶液中に4分間浸漬した。その後、水酸化ナトリウム5g/dm3、オルトケイ酸ナトリウム20g/dm3、炭酸ナトリウム(無水)10g/dm3、n−ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド1g/dm3をそれぞれ溶解させた脱脂水溶液を準備し、この脱脂水溶液を60℃に加熱した浴中で、上記集電体を5A/dm2の電流密度で1分間の陰極電解脱脂を行った。次に、この集電体を蒸留水で水洗した後、再び濃度10%の硫酸水溶液中に浸漬して集電体表面を中和するとともに脱脂剤を完全に除去した。
続いて、硫酸第一錫40g/dm3、硫酸60g/dm3、クレゾールスルホン酸40g/dm3、ゼラチン2g/dm3、β−ナフトール1g/dm3を溶解させた水溶液からなるSnめっき液を調製した。このめっき液をスターラーで攪拌しながら、めっき液中に上記集電体を浸漬して、1A/dm2の電流密度で150分間の電解めっきを行い、集電体表面に厚み7μmのSnめっき薄膜を形成し、その後水洗して薄膜電極を得た。
次に、上記薄膜電極を真空電気炉にて220℃で17時間熱処理してSnめっき薄膜をCu合金化した後、室温まで徐冷した。続いて、この薄膜電極をロールプレス機を用いてギャップを調節して加圧し、集電体の凹凸を平坦化した。次に、この平坦化した薄膜電極をアルゴン雰囲気中のドライボックスに移し、41mm×25.5mmに打ち抜いて実施例1の負極とした。
上記負極を顕微鏡により観察したところ、表面に網目状のクラックが確認された。
(実施例2)
図6に示すように、集電体の凹凸の形状を一辺50μmの六角形とし、その実効厚みを50μmとした以外は、実施例1と同様にして実施例2の負極を作製した。この負極を顕微鏡により観察したところ、表面にクラックが確認された。
(実施例3)
集電体の実効厚みを30μmとした以外は、実施例2と同様にして実施例3の負極を作製した。この負極を顕微鏡により観察したところ、表面にクラックが確認された。
(比較例1)
集電体に凹凸を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして比較例1の負極を作製した。この負極を顕微鏡により観察したところ、表面にクラックは確認されなかった。
(比較例2)
集電体の実効厚みを3μmとした以外は、実施例1と同様にして比較例2の負極を作製した。この負極を顕微鏡により観察したところ、表面にクラックはほとんど確認されなかった。
(比較例3)
集電体の実効厚みを120μmとした以外は、実施例1と同様にして比較例3の負極の作製を試みたが、集電体の凹凸を平坦化する工程で集電体が部分的に切断したため、その時点で作業を中止した。
上記実施例1〜3および比較例1〜3の負極の主な構成を表1に示す。
Figure 2005108522
次に、上記で作製した負極と組み合わせるための正極を以下のように作製した。先ず、正極活物質であるLiCoO2を90重量部、導電助剤であるカーボンブラックを6重量部、バインダとしてポリフッ化ビニリデンを4重量部、溶剤としてN−メチルピロリドンを40重量部、をそれぞれ均一になるように混合して正極合剤含有ペーストを調製した。続いて、集電体となる厚さ20μmのアルミニウム箔の片面に、上記正極合剤含有ペーストを、単位面積あたりの合剤重量が32mg/cm2になるように塗布して乾燥した後、カレンダー処理を行って、全厚94μm、電極密度3.2g/cm3となるように正極合剤層の厚みを調整した。その後、41mm×25.5mmに打ち抜いて正極とした。
電解液としては、1mol/dm3のLiPF6を、エチレンカーボネートとジエチレンカーボネートの混合溶媒(混合体積比=1:2)に溶解したものを用いた。セパレータとしては、ヘキストセラニーズ社製のポリプロピレン製セパレータ“Celgard♯2400”(商品名、厚さ10μm)を用いた。
上記正極と、実施例1〜3および比較例1、2の負極とをそれぞれ組み合わせ、その正極と負極との間に上記セパレータを配置して積層した後、アルミラミネートフィルム製の外装材に挿入し、上記電解液を注入し、外装材の電解液注入口をヒートシールにより封止して、モデルセルを作製した。
このモデルセルを用いて温度25℃にて充放電試験を行った。充電は、電流密度0.5mA/cm2の定電流で4.3Vまで充電後、4.3Vの定電圧で充電電流が0.05mA/cm2に到達するまで充電し、放電は、電流密度0.5mA/cm2の定電流で放電終止電圧3Vまで放電し、初回充電容量および初回放電容量を測定して、下記式1により初回充放電効率を算出した。なお、初回充電とは電池作製後の第1回目の充電をいい、初回放電とは電池作製後の第1回目の放電をいう。
また、この条件で充放電試験を行い、下記式2によりサイクル特性を算出した。なお、下記放電容量および充電容量は、Sn(錫)1gあたりの電気容量(mAh/g)で表される。
(数1)
初回充放電効率(%)=(初回放電容量/初回充電容量)×100 (式1)
(数2)
サイクル特性(%)=(20サイクル後の放電容量/初回放電容量)×100 (式2)
また、初回充電時の電池の厚み変化をすべて負極の厚み変化によるものとして、下記式3により充電時の負極の厚み変化率(%)を算出した。
(数3)
厚み変化率(%)=〔(初回充電時の電池厚み)−(充電前の電池厚み)〕/(充電前の負極の厚み)×100 (式3)
充電前の負極の厚みの測定は、マイクロメーターを用いて行った。また、電池の厚みの測定は、上記各モデルセルをミツトヨ社製のレーザホロゲージに取り付けてカウンタ装置によって厚み変化を測定した。その結果を表2に示す。
Figure 2005108522
表2から明らかなように、実施例1〜3は、比較例1に比べて、サイクル特性が高く、厚み変化率が低かった。これは、実施例1〜3では、活物質薄膜の体積膨張による応力を薄膜電極のクラックが緩和し、電極の膨張、集電体の皺寄れなどの発生が抑制されているためと考えられる。また、集電体の実効厚みが15μmを下回った比較例2では、活物質薄膜の体積膨張による応力の緩和が不十分となり、厚み変化率が高くなったため、サイクル特性も低下したもと考えられる。
なお、初回放電容量は、活物質であるSnの量に依存するため、薄膜のクラックの有無に関わりなく約660mAh/gの容量となった。
本発明の薄膜電極は、活物質薄膜の体積変化による影響を最小限に抑えて、電極の膨張、集電体の皺寄れなどの発生を抑制することが可能である。このため、本発明の薄膜電極を用いることでサイクル特性などの信頼性に優れ、かつ高容量のリチウム二次電池の作製が可能となり、このリチウム二次電池を電源とする各種の携帯電子端末機器などの小型軽量化に貢献できる。
本発明に用いる集電体の一例を示す斜視図である。 図1の集電体に薄膜を形成した状態を示す斜視図である。 図2のA−A部の要部断面図である。 本発明の薄膜電極の製造工程の一部を示す断面図である。 本発明の薄膜電極の一例を示す平面図である。 本発明に用いる集電体の他の一例を示す平面図である。 図6の集電体の側面図である。
符号の説明
11、21 集電体
12 薄膜
13a、13b 凸部
14a、14b 凹部
15a 主たるクラック
15b 従たるクラック
16 薄膜電極
23 凸部
24 凹部
d 集電体の実効厚み
t 集電体の厚み

Claims (9)

  1. リチウムと合金化しない金属から形成された集電体と、前記集電体の表面に形成され、リチウムと合金化する元素を含む薄膜とを備えた薄膜電極であって、
    前記薄膜が、網目状のクラックを備えていることを特徴とする薄膜電極。
  2. 前記集電体の厚みが、5μm以上30μm以下である請求項1に記載の薄膜電極。
  3. 前記薄膜の厚みが、1μm以上10μm以下である請求項1または2に記載の薄膜電極。
  4. 前記リチウムと合金化する元素が、ケイ素、錫、およびアンチモンから選ばれる少なくとも一つの元素である請求項1〜3のいずれかに記載の薄膜電極。
  5. 前記薄膜の主成分が、Cu6Sn5およびNi3Sn4から選ばれるいずれか一つである請求項1〜4のいずれかに記載の薄膜電極。
  6. リチウムと合金化しない金属からなる集電体に、前記集電体の実効厚みが15μm以上100μm以下となるように凹凸を形成する工程と、
    前記凹凸を形成した集電体の表面に、リチウムと合金化する元素を含む薄膜を形成する工程と、
    前記薄膜を形成した集電体を加圧して前記凹凸を平坦化する工程と、
    を含むことを特徴とする薄膜電極の製造方法。
  7. 前記凹凸を形成する工程において、前記凹凸の形状を、円形、三角形、四角形、五角形、および六角形から選ばれる少なくとも一つの形状に形成する請求項6に記載の薄膜電極の製造方法。
  8. 前記凹凸を形成する工程において、前記凹凸を千鳥格子状に形成する請求項6または7に記載の薄膜電極の製造方法。
  9. 請求項1〜5のいずれかに記載の薄膜電極を負極として用いたことを特徴とするリチウム二次電池。
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