JP2005196971A - リチウム二次電池用負極とその製造方法ならびにリチウム二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】 充放電サイクル特性などの特性が高いリチウム二次電池と、上記リチウム二次電池を実現するリチウム二次電池用負極およびその製造方法とを提供する。
【解決手段】 リチウムを可逆的に吸蔵および放出できるリチウム二次電池用負極(1)であって、集電体(2)と、集電体(2)上に配置された負極材料層(3)とを含み、負極材料層(3)は、リチウムを可逆的に吸蔵および放出できる薄膜状の負極材料を含み、負極材料層(3)の表面および内部から選ばれる少なくとも一方に、リチウム非吸蔵性材料(4)が配置されていることを特徴とするリチウム二次電池用負極とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 リチウムを可逆的に吸蔵および放出できるリチウム二次電池用負極(1)であって、集電体(2)と、集電体(2)上に配置された負極材料層(3)とを含み、負極材料層(3)は、リチウムを可逆的に吸蔵および放出できる薄膜状の負極材料を含み、負極材料層(3)の表面および内部から選ばれる少なくとも一方に、リチウム非吸蔵性材料(4)が配置されていることを特徴とするリチウム二次電池用負極とする。
【選択図】 図1
Description
本発明はリチウム二次電池用負極とその製造方法に関し、ならびに、それを用いたリチウム二次電池に関する。
リチウム二次電池は、出力電圧が高く、高エネルギー密度であるなどの特長を有することから、近年、研究や開発が盛んである。なかでも、内部抵抗が低く、充放電による電池容量の低下が少ない(充放電サイクル特性が高い)リチウム二次電池が求められている。このようなリチウム二次電池を実現するために、薄膜状の非晶質シリコンまたは微結晶シリコンを負極材料(負極活物質)に用いる技術が知られている(例えば、特許文献1などに記載)。特許文献1には、集電体上にシリコン薄膜からなる負極材料層を形成したリチウム二次電池用負極(およびその負極を用いたリチウム二次電池)が開示されている。シリコン薄膜の形成には、CVD法(化学気相成長法、化学蒸着法ともいう)やスパッタリング法などの薄膜形成手法が用いられている。
シリコンなどの材料は、リチウムの吸蔵および放出に伴って膨張および収縮を繰り返すと考えられる。集電体上にシリコン薄膜を形成した負極では集電体と負極材料層との密着性が高いため、負極材料の膨張および収縮に伴う集電体の伸長/収縮が頻繁に行われることになる。このため、充放電に伴って負極材料層および集電体に皺などの不可逆的な変形が発生する可能性がある。なかでも集電体に銅箔などの延性に富んだ金属箔を用いた場合、変形の程度が大きくなる傾向にある。負極が変形すると、電極としての体積が増加する、電気化学反応が不均一になるなどの理由から電池のエネルギー密度が低下する可能性がある。また、充放電に伴う膨張/収縮を繰り返す間に、負極材料が微粉化して集電体から脱離したり、場合によっては薄膜状のまま脱離したりする可能性もあり、電池の充放電サイクル特性が劣化する要因になりうる。
負極の変形を抑制するために、機械的強度(例えば、引張り強さ、引張り弾性率など)が高い材料を集電体として用いる方法が考えられる。しかしながらこのような材料からなる集電体上に薄膜状の負極材料からなる負極材料層を形成した場合、負極材料層と集電体との密着性が不十分となり、十分な充放電サイクル特性が得られない可能性がある。
このような課題を解決するために、特許文献1には、負極材料と合金化する材料からなる中間層を集電体と負極材料層との間に配置し、中間層よりも機械的強度が高い集電体を用いることによって、充放電時における負極材料の脱離を抑制するとともに、皺などの発生を抑制する技術が開示されている。具体的な例として、中間層に銅層、集電体にニッケル箔が開示されている。
特許文献2には、負極材料層としてシリコンに銅を固溶させた薄膜を用い、リチウムの吸蔵量を抑制することによって、リチウムを吸蔵した場合の負極材料の膨張を抑制する技術が開示されている。
特許文献3には、負極材料層として、リチウムと合金化する金属と、リチウムと合金化しない金属とからなる合金薄膜を用い、リチウムの吸蔵量を抑制することによって、リチウムを吸蔵した場合の負極材料の膨張を抑制する技術が開示されている。具体的には、リチウムと合金化する(固溶体または金属間化合物などを形成する)金属として、Sn、Ge、Al、In、MgおよびSiなどが開示されている。リチウムと合金化しない金属として、Cu、Fe、Ni、Co、Mo、W、TaおよびMnなどが開示されている。
特許文献4には、厚さ方向への変形量が5μm〜20μmである変形部が1cm2あたり10個以上形成されており、かつ、上記変形部による開口率が4%以下である集電体を用いることによって、充放電に伴う電極の変形を抑制する技術が開示されている。
特開2002−83594号公報
特開2002−289177号公報
特開2002−373647号公報
特開2003−17069号公報
上述したように、シリコンなどのリチウムを吸蔵する材料は、リチウムの吸蔵および放出に伴って膨張および収縮を繰り返すと考えられる。集電体上にシリコン薄膜を形成した負極では集電体と負極材料層との密着性が高いため、負極材料の膨張および収縮に伴う集電体の伸長/収縮が頻繁に行われることになる。このため、充放電に伴って負極材料層および集電体に皺などの不可逆的な変形が発生する可能性がある。なかでも集電体に銅箔などの延性に富んだ金属箔を用いた場合、変形の程度が大きくなる傾向にある。負極が変形すると、電極としての体積が増加する、電気化学反応が不均一になるなどの理由から電池のエネルギー密度が低下する可能性がある。また、充放電に伴う膨張/収縮を繰り返す間に、負極材料が微粉化して集電体から脱離したり、場合によっては薄膜状のまま脱離したりする可能性もあり、電池の充放電サイクル特性が劣化する要因になりうる。
本発明は、上述した従来の技術とは異なる構成により、充放電サイクル特性などの特性が高いリチウム二次電池と、このようなリチウム二次電池を実現できるリチウム二次電池用負極およびその製造方法とを提供することを目的とする。
本発明のリチウム二次電池用負極は、リチウムを可逆的に吸蔵および放出できるリチウム二次電池用負極であって、集電体と、前記集電体上に配置された負極材料層とを含み、前記負極材料層は、リチウムを可逆的に吸蔵および放出できる薄膜状の負極材料を含み、前記負極材料層の表面および内部から選ばれる少なくとも一方に、リチウム非吸蔵性材料が配置されていることを特徴としている。
次に、本発明のリチウム二次電池は、上記のリチウム二次電池用負極と、リチウムを可逆的に吸蔵および放出できる正極と、リチウム伝導性を有する電解質とを含んでいる。
次に、本発明のリチウム二次電池用負極の製造方法は、リチウムを可逆的に吸蔵および放出できるリチウム二次電池用負極の製造方法であって、
(i)集電体上に、リチウムを可逆的に吸蔵および放出できる薄膜状の負極材料を含む負極材料層を配置する工程と、
(ii)前記負極材料層の表面にリチウム非吸蔵性材料を配置する工程とを含むことを特徴としている。
(i)集電体上に、リチウムを可逆的に吸蔵および放出できる薄膜状の負極材料を含む負極材料層を配置する工程と、
(ii)前記負極材料層の表面にリチウム非吸蔵性材料を配置する工程とを含むことを特徴としている。
また、本発明のリチウム二次電池用負極の製造方法は、リチウムを可逆的に吸蔵および放出できるリチウム二次電池用負極の製造方法であって、
(I)集電体上に、リチウム非吸蔵性材料を配置する工程と、
(II)前記集電体および前記材料上に、リチウムを可逆的に吸蔵および放出できる薄膜状の負極材料を含む負極材料層を配置する工程とを含むことを特徴としていてもよい。
(I)集電体上に、リチウム非吸蔵性材料を配置する工程と、
(II)前記集電体および前記材料上に、リチウムを可逆的に吸蔵および放出できる薄膜状の負極材料を含む負極材料層を配置する工程とを含むことを特徴としていてもよい。
本発明によれば、充放電サイクル特性などの特性が高いリチウム二次電池を提供することができる。また、このようなリチウム二次電池を実現できるリチウム二次電池用負極およびその製造方法とを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。最初に、本発明のリチウム二次電池用負極について説明する。
図1は、本発明におけるリチウム二次電池用負極(以下、単に「負極」ともいう)の一例を示す模式図である。図1に示す負極1は、集電体2と、集電体2上に配置された負極材料層3とを含んでいる。負極材料層3は、リチウムを可逆的に吸蔵および放出できる薄膜状の負極材料を含む層である。負極材料層3の表面には、リチウム非吸蔵性材料4が配置されている。このような負極とすることによって、充放電サイクル特性などの特性が高いリチウム二次電池用負極とすることができる。
一般に、集電体上に薄膜状の負極材料を積層した負極では、粒子状の負極材料を結着剤などとともに集電体上に積層した負極に比べて内部抵抗を低減することができる。即ち、このような負極を用いることによって、発電特性が高いリチウム二次電池(以下、単に「電池」ともいう)とすることができる。しかしながら、集電体上に薄膜状の負極材料を積層した負極では、負極材料(あるいは、上記負極材料を含む負極材料層)と集電体との密着性が大きい傾向にあり、充放電に伴う負極材料の膨張および収縮によって、負極材料(層)および/または集電体に皺などの変形が発生する可能性がある。なかでも、銅箔などの延性に富んだ金属箔を集電体に用いた場合、変形の程度がより大きくなる傾向にある。このため、薄膜状の負極材料を集電体上に単に積層するだけでは、上述したように、電池としてのエネルギー密度が低下したり、充放電サイクル特性が劣化したりする可能性が残される。
これに対して、図1に示す負極1では、薄膜状の負極材料を含む負極材料層3の表面にリチウム非吸蔵性材料4が配置されている。リチウム非吸蔵性材料4は、例えば、リチウム二次電池内において負極1がとりうる電位の範囲内で、リチウム非吸蔵性を有する材料である。このため、負極材料層3におけるリチウム非吸蔵性材料4が配置された近傍の領域において、電池の充電時(以下、単に「充電時」ともいう。「放電時」「充放電時」についても同様とする)にリチウムの吸蔵を抑制することができる。充電時における負極1の状態の一例を図2に示す。なお、リチウム非吸蔵性材料4の具体例については後述する。
図2は、図1に示す負極1における充電時の状態(即ち、負極材料層3がリチウムを吸蔵した状態)の一例を示す模式図である。図2に示すように、負極材料層3のうちリチウム非吸蔵性材料4が配置されている近傍の領域5bでは、その他の領域5aに比べて吸蔵しているリチウムの量を低減させることができる。リチウム非吸蔵性材料4の種類、配置形状などによっては、領域5bにおけるリチウムの吸蔵量をほとんど0とすることも可能である。即ち、負極材料層3の領域5bではリチウムの吸蔵/放出に伴う膨張/収縮が抑制されており、領域5bにおける充放電時の応力の増大を抑制することができる。これに対して、領域5aでは、リチウム非吸蔵性材料4にほぼ影響を受けることなくリチウムを吸蔵/放出することができるため、負極1の容量の低下を最小限にすることができる。
ここで、リチウム非吸蔵性材料4を負極材料層3の表面に散在するように配置すれば、充放電に伴う負極材料層3の膨張/収縮が抑制された領域5bを(領域5bにおけるリチウムの吸蔵量をほぼ0にできる場合は、負極材料層3の膨張/収縮がほとんど生じない領域5bを)、負極材料層3に散在して形成することができる。この結果、電池の充放電に伴って発生する負極材料層3内の応力を緩和させることが可能となり、負極材料層3および/または集電体2における皺などの変形の発生を抑制することができる。また、負極材料層3の亀裂や集電体2からの剥離を抑制することができる。
即ち、図1に示す負極1は、薄膜状の負極材料を含むことによって内部抵抗を低減した負極とすることができる。また、負極材料層3の表面にリチウム非吸蔵性材料4を配置することによって、充放電サイクル特性が向上した負極とすることができる。
なお、図2では、説明を分かりやすくするために領域5aと領域5bとの境界を明瞭に示しているが、実際の負極では、上記両領域の境界が明瞭であるとは限らない。多くの場合、上記境界において、負極材料層3が吸蔵できる、あるいは負極材料層3が吸蔵したリチウムの濃度は段階的、あるいは、連続的に変化していると考えられる。換言すれば、リチウムの段階的な、あるいは連続的な濃度勾配が負極材料層3の内部に生じていると考えられる。負極材料層3における亀裂の発生を抑制する観点からは、上記境界においてリチウムの濃度が連続的に変化している方が好ましいと考えられる。負極材料層3に生じる応力をより緩和できるからである。また、図2に示す負極1では、リチウムの吸蔵に伴い領域5aの表面が盛り上がっているが、実際の負極1において図2に示すような形状になるとは限らない。
図1に示す負極1における各部材について説明する。
リチウム非吸蔵性材料4は、リチウム二次電池内において負極1がとりうる電位の範囲内で、リチウム非吸蔵性を有する(即ち、リチウムを吸蔵しない)材料である限り特に限定されない。上記電位の範囲は、例えば、リチウム基準で0.05V〜4Vの範囲である。「リチウム非吸蔵性」の「リチウム」とは、リチウムイオン(Li+)および/またはリチウム原子の意味である。「吸蔵」とは、リチウムを可逆的に内包したり、リチウムと可逆的に合金、固溶体などを形成したり、リチウムと可逆的に化学結合したりすることを意味する。なお、リチウム非吸蔵性材料4は、完全にリチウム非吸蔵性の材料である必要はなく、多少(例えば、充放電に伴い、使用したリチウム非吸蔵性材料の形状が変化せず、かつ、リチウム吸蔵量が電池容量に影響を及ぼさない程度の割合(例えば、全電池容量の10-4%程度以下))リチウムを吸蔵する材料であってもよい。また、初回から数回の初期の充電時に限り、不可逆的にリチウムと結合する材料であってもよい。
具体的には、リチウム非吸蔵性材料4として、金属、金属酸化物、有機化合物および樹脂から選ばれる少なくとも1種を含んでいてもよい。また、これらの材料以外にも、必要に応じて任意の材料をさらに含んでいてもよい。
リチウム非吸蔵性材料4に用いる金属は、例えば、銅、ニッケル、ステンレス、モリブデン、タングステン、チタンおよびタンタルから選ばれる少なくとも1種を用いればよい。リチウム非吸蔵性材料4に用いる金属酸化物は、例えば、上記金属の酸化物を用いればよい。これら、金属および/または金属酸化物は、リチウムと合金などを形成しないため、リチウム非吸蔵性材料として使用できる。また、リチウム非吸蔵性材料4に銅などの金属を用いた場合、その成分の一部を負極材料層3の内部に拡散させることができる。これら金属が拡散した領域では、リチウムの吸蔵が抑制されるため、充放電反応に伴って負極材料層3に生じる応力をより緩和することができる。また、金属の拡散に伴って負極材料層3とリチウム非吸蔵性材料4との接着性を向上させることができ、より安定した負極とすることができる。
リチウム非吸蔵性材料4に用いる有機化合物は、例えば、フッ素系シラン化合物などを用いればよい。
リチウム非吸蔵性材料4に用いる樹脂は、例えば、ゴム、フッ素樹脂、熱硬化性樹脂および感光性樹脂から選ばれる少なくとも1種を用いればよい。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シアネート樹脂、ポリフェニレンフタレート樹脂などを用いればよい。また、一般的な一次電池、二次電池の正極あるいは負極に用いられている結着剤をリチウム非吸蔵性材料4として用いてもよい。例えば、ゴム系結着剤として水素化ニトリルブタジエンゴム(HNBR)、水素化スチレンブタジエンゴム(HSBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ニトリルブタジエンゴム(NBR)などを、樹脂系結着剤としてポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレン(PE)などを、フッ素樹脂系結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリトリフルオロエチレン(PTrFE)などをリチウム非吸蔵性材料4に用いてもよい。
これら有機化合物や樹脂は、例えば、一般的な印刷、塗布工程を用いて配置することができる。より具体的には、例えば、スクリーン印刷、スプレーによる塗布、インクジェット印刷、半導体などの作製に用いられるレジスト塗布の技法、フォトリソグラフィーの技法などを用いて配置すればよい。これらの手法を用いれば、任意の形状にリチウム非吸蔵性材料を配置した負極1を、比較的容易に作製することができる。また、印刷や塗布時に、有機化合物および/または樹脂の溶液、スラリーなどを用いる場合、有機化合物および/または樹脂を溶解、分散させる溶媒を選択することによって、負極材料層3の内部に有機化合物および/または樹脂の一部を浸透させることも可能である。この場合、金属を負極材料層3の内部に拡散させた場合と同様の効果を得ることができる。有機化合物および/または樹脂と溶媒との組み合わせとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)とN−メチルピロリドン(NMP)との組み合わせや、フッ素系シラン化合物とフッ素溶剤を含む溶液との組み合わせなどが考えられる。なお、リチウム非吸蔵性材料が樹脂を含む場合、リチウム非吸蔵性材料を配置する際の溶液、スラリーなどにおける樹脂の含有率は、作業性の観点からは、例えば、3重量%〜30重量%の範囲であればよい。
本発明の負極では、リチウム非吸蔵性材料4がリチウムを含む非水溶液に対して撥性を有する、即ち、リチウム非吸蔵性材料4がリチウムを含む非水溶液を含浸しない材料であってもよい。電解質に液体を用いるタイプのリチウム二次電池では、一般に、リチウムを含む非水溶液であるリチウム伝導性の非水電解質溶液が負極と常に接触しており、上記非水電解質溶液と負極材料との間でリチウムの授受が行われる。リチウム非吸蔵性材料4が非水電解質溶液に対して撥性を有する場合、リチウム非吸蔵性材料4の近傍において、非水電解質−負極材料層3間のリチウムの授受を阻害することができる。このため、図2に示すような負極材料層3内におけるリチウム濃度の分布をより確実に実現することができる。このようなリチウム非吸蔵性材料4としては、例えば、両者の接触角度が20°以上となる材料(好ましくは、30°以上)を用いればよい。なかでも後述するように集電体上にリチウム非吸蔵性材料を配置した場合、リチウム非吸蔵性材料の近傍における非水電解質と集電体との直接の接触を阻害することもできる。非水電解質と集電体との接触を阻害すれば、導電性に劣る酸化被膜など、種々の分解物の生成に基づく被膜が集電体上に形成するのを抑制することができる。このため、充放電サイクル特性がより高い負極とすることができる。
また、リチウム非吸蔵性材料4が撥油剤を含んでいてもよい。撥性を有するリチウム非吸蔵性材料とすることができる。撥油剤は、例えば、フッ素系シラン化合物、フッ素系コーティング剤(例えば、ダイキン工業株式会社製ダイフリーA441)、ポリブタジエン、ピッチ、ポリアクリル酸のパーフルオロアルキルエステルなどを用いればよい。
負極材料層3は、リチウムを可逆的に吸蔵および放出できる薄膜状の負極材料を含む層である限り、その組成、構造などは特に限定されない。負極材料のみからなる層であってもよいし(この場合、負極材料=負極材料層となる)、必要に応じて負極材料以外の材料、あるいは負極材料以外の材料からなる層などを含んでいてもよい。
負極材料は、薄膜を形成することが可能で、リチウムを可逆的に吸蔵および放出できる限り特に限定されない。例えば、炭素(C)、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、アルミニウム(Al)、インジウム(In)、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)およびビスマス(Bi)から選ばれる少なくとも1種の元素を含む材料を用いればよい。なかでも、シリコン、ゲルマニウム、あるいはシリコンとゲルマニウムとの合金を用いることが好ましい。負極材料には、上記元素以外の元素がドープされていてもよく、例えば、リン、アルミニウム、砒素、アンチモン、硼素、ガリウム、酸素、窒素などを含んでいてもよい。
負極材料層3は、上述した材料を含む単層の層であってもよいし、複数の層を積層した積層体であってもよい。積層された各層においては、その組成、結晶性、ドープ元素の濃度などは異なっていてもよい。
負極材料層3の厚さは特に限定されず、例えば、1μm以上である。なかでも3μm〜25μmの範囲が好ましい。これらの範囲よりも薄い場合、リチウム二次電池として十分な充放電容量が得られなくなる可能性がある。
集電体2は、導電性を有する限り、その材料、構造などは特に限定されない。例えば、一般的なリチウム二次電池に用いられる集電体を用いればよい。なかでも、負極材料層3との密着性が良好である材料、構造が好ましい。また、リチウムと合金化しない材料が好ましい。具体的には、例えば、銅、ニッケル、ステンレス、モリブデン、タングステン、チタンおよびタンタルから選ばれる少なくとも1種の元素を含む材料を用いればよい。また、例えば、金属箔、不織布、三次元構造を有する金属集電体などの構造であればよい。なかでも金属箔を用いることが好ましく、具体的には、銅箔などを用いることが好ましい。集電体2と負極材料層3との間には、負極材料層に集電体元素が分散した材料を含む中間層を配置してもよい。
集電体2の厚さは特に限定されず、例えば、金属箔を使用した場合には、3μm〜30μmの範囲である。
リチウム非吸蔵性材料4を配置する位置、形状などについて述べる。
図3は、本発明の負極の別の一例を示す模式図である。
図3に示す負極1では、図1に示す負極1と異なり、リチウム非吸蔵性材料4が集電体2上に配置されており、負極材料層3は集電体2上およびリチウム非吸蔵性材料4上に配置されている。図4は、図3に示す負極1の充電時の状態(即ち、負極材料層3がリチウムを吸蔵した状態)の一例を示す模式図である。図4に示すように、負極材料層3のうちリチウム非吸蔵性材料4が配置されている近傍の領域5bでは、その他の領域5aに比べて吸蔵しているリチウムの量を低減させることができる。リチウム非吸蔵性材料4の種類、配置する形状などによっては、領域5bにおけるリチウムの吸蔵量をほとんど0とすることも可能である。このため、図3に示す負極1においても、図1に示す負極1と同様の効果を得ることができる。
図5は、本発明の負極のまた別の一例を示す模式図である。
図5に示す負極1では、図1および図3に示す負極1と異なり、リチウム非吸蔵性材料4が集電体2上と、負極材料層3上とのそれぞれに配置されている。図6は、図5に示す負極1の充電時の状態の一例を示す模式図である。図6に示すように、負極材料層3のうちリチウム非吸蔵性材料4が配置されている近傍の領域5bでは、その他の領域5aに比べて吸蔵しているリチウムの量を低減させることができる。リチウム非吸蔵性材料4の種類、配置する形状などによっては、領域5bにおけるリチウムの吸蔵量をほとんど0とすることも可能である。このため、図5に示す負極1においても、図1および図3に示す負極1と同様の効果を得ることができる。
このように本発明の負極では、リチウム非吸蔵性材料4を、負極材料層3の表面および内部から選ばれる少なくとも一方に配置すればよい。必ずしも、図1、図3および図5に示すようにリチウム非吸蔵性材料4を配置する必要はない。例えば、負極材料層3の厚さ方向の中央部付近に(即ち、集電体2にも負極材料層3の表面にも接しないように)リチウム非吸蔵性材料が配置されていてもよい。図1に示す負極1と同様の効果を得ることができる。
なお、図5に示すように、集電体2上と負極材料層3上の双方にリチウム非吸蔵性材料4を配置する場合(即ち、負極材料層3の厚さ方向に対して複数のリチウム非吸蔵性材料4を配置する場合)には、負極材料層3の主面に対して垂直な方向から見た場合に、双方のリチウム非吸蔵性材料4が重なって見えるように配置することが好ましい。また、リチウム非吸蔵性材料4と集電体2との間、あるいは、リチウム非吸蔵性材料4と負極材料層3との間に、必要に応じて別の層をさらに配置してもよい。
リチウム非吸蔵性材料4を配置する形状は、負極材料層3の表面および内部から選ばれる少なくとも一方に配置されている限り、特に限定されない。負極材料層3の主面に対して垂直な方向から見た場合に、散在するように配置してもよい。負極材料層3の主面に対して垂直な方向から見た場合に、均等に配置しても、ある特定のパターンに従って配置してもよい。図7〜図10に、リチウム非吸蔵性材料4の配置例を示す。図7〜図10は、負極材料層3の表面にリチウム非吸蔵性材料4を配置した場合の配置例を示す図であり、負極材料層3の主面(負極1の主面)に対して垂直な方向から見た場合の模式図である。
図7に示す負極1では、負極材料層3の主面に対して垂直な方向から見た場合に、リチウム非吸蔵性材料4が島状に配置されている。このような負極1を図7に示すA−A’で切断した断面図が図1となる。図8に示す負極1では、負極材料層3の主面に対して垂直な方向から見た場合に、リチウム非吸蔵性材料4が縞状に配置されている。また、図9に示す負極1では、負極材料層3の主面に対して垂直な方向から見た場合に、リチウム非吸蔵性材料4が格子状に配置されている。
図7に示すようにリチウム非吸蔵性材料4を島状に配置する場合、各々のリチウム非吸蔵性材料4の大きさは、例えば、その平均直径にして5μm〜300μmの範囲である。各島の高さは、例えば、0.05μm〜10μmの範囲であり、島と島との平均間隔は、例えば、10μm〜1500μmの範囲である。島の形状は特に限定されず、例えば、略円形状、略楕円形状、略矩形状、略方形状、略多角形状などであればよい。
図8に示すようにリチウム非吸蔵性材料4を縞状に配置する場合、各々のリチウム非吸蔵性材料4の幅は、例えば、5μm〜250μmの範囲であり、各々の縞の高さは、例えば、上記島状の場合と同様であればよい。縞と縞との平均間隔は、例えば、30μm〜1500μmの範囲である。それぞれの縞の長さは限定されず、任意に設定すればよい。
図9に示すようにリチウム非吸蔵性材料4を格子状に配置する場合、各々のリチウム非吸蔵性材料4の幅、高さは、例えば、上記縞状の場合と同様であればよい。格子の平均間隔は、例えば、30μm〜1500μmの範囲である。
リチウム非吸蔵性材料4を配置する形状は、図7〜図10に示す例に限定されない。配置する形状は、任意に設定することができる。例えば、島状と縞状、島状と格子状とを混在させてもよい。
リチウム非吸蔵性材料4が配置されている領域の面積は、負極材料層3の主面に対して垂直な方向から見た場合に、例えば、負極材料層の主面の面積の1%〜15%の範囲である。リチウム非吸蔵性材料4が配置されている領域の面積の割合があまりに大きすぎる場合は、非水電解質と負極材料との間のリチウムの授受が阻害され、負極の容量が低下する可能性がある。なお、リチウム非吸蔵性材料4が負極材料層3の厚さ方向に複数配置されている場合には、負極材料層3の主面に対して垂直な方向から見て、二次元に投影したときのリチウム非吸蔵性材料4の面積を用いればよい。換言すれば、負極材料層3の主面に対して垂直な方向から見て、リチウム非吸蔵性材料4が重複して見える部分のリチウム非吸蔵性材料4の面積は、その重複分を除けばよい。
リチウム非吸蔵性材料4の高さ(負極材料層の主面に垂直な方向の厚さ)は、例えば、0.05μm〜10μmの範囲である。なかでも上記範囲内において、負極材料層3の厚さの1.5%〜40%程度の高さであることが好ましい。なお、図3に示すように、集電体2の表面にリチウム非吸蔵性材料4を配置する場合は、リチウム非吸蔵性材料4の高さが負極材料層3の厚さよりも小さいことが好ましい。
次に、本発明のリチウム二次電池について説明する。
本発明のリチウム二次電池の一例を図10に示す。図10に示すリチウム二次電池11は、上述したリチウム二次電池用負極1と、リチウムを可逆的に吸蔵および放出できる正極12と、リチウム伝導性を有する電解質とを含んでいる。電解質はセパレータ15によって保持されており、セパレータ15に保持された状態で負極材料層3および正極材料層13と接触し、リチウムを交換することができる。正極12は、正極集電体14と正極材料層13とを含んでおり、正極材料層13は正極集電体14上に積層されている。正極集電体14は正極を兼ねた収容ケース17と電気的に接続されており、負極1の集電体2は負極を兼ねた封口板16と電気的に接続されている。収容ケース17と封口板16とは絶縁ガスケット18により固定されており、負極1、正極12および電解質を含む発電要素は収容ケース17の内部に密閉されている。このようなリチウム二次電池とすることによって、内部抵抗が低減され、充放電サイクル特性などの特性が高いリチウム二次電池とすることができる。
正極12は、リチウムを可逆的に吸蔵および放出できる限り特に限定されず、例えば、リチウム二次電池に一般的に用いる正極を用いればよい。より具体的には、例えば、図10に示すように、正極集電体14上に正極材料を含む正極材料層13を積層した正極を用いればよい。この場合正極集電体14として、例えば、アルミニウムなどの元素を含む材料を用いればよい。またその構造は、負極1に用いる集電体2と同様であればよい。
正極材料層13は、リチウムを可逆的に吸蔵および放出できる正極材料を含む限り、その構造などは特に限定されない。例えば、正極材料と導電剤、結着剤とを含む正極材料層13であればよい。このような正極材料層13は、正極材料と導電剤、結着剤とを分散溶媒中に分散させてスラリー状とし、正極集電体14上に塗布した後に乾燥させることによって形成することができる。上記乾燥後に圧延を行ってもよい。圧延は、圧延ロールを40℃〜90℃に加熱して実施することが好ましい。加熱圧延を行えば、熱が加わることによって結着剤が軟化し、室温のまま圧延した場合よりも正極材料層13の充填密度の向上を図ることができる。また、より少ない圧延回数で正極材料層13を所望の充填密度とすることができ、圧延後における正極材料層13の厚さの戻りを抑制することもできる。さらに、加熱に伴う結着剤の軟化によって接着有効面積が大きくなり、正極材料間や集電体と正極活物質層の間の密着性を向上でき、正極の容量を増大させることができる。
正極集電体14の厚さは、例えば、10μm〜30μmの範囲である。正極材料層13の厚さは特に限定されず、電池設計容量などに応じて任意に設定すればよい。
正極材料は、リチウム二次電池に一般的に用いる正極材料と同様であればよい。例えば、リチウムと遷移元素とを含む酸化物を用いればよい。より具体的には、例えば、LiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、LiMn2O4、LiCo0.5Ni0.5O2などを用いればよい。複数の種類の正極材料を混合して用いてもよい。この他にも、リチウムを電気化学的に挿入・脱離できる物質であれば特に制限を受けることなく用いることができる。導電剤は、電気伝導性を有する材料であれば特に限定されず、例えば、アセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛粉末などを用いればよい。結着剤は、正極を形成した後に正極材料層13の形状を保持できるものであれば特に限定されず、例えば、ゴム系結着剤として水素化ニトリルブタジエンゴム(HNBR)、水素化スチレンブタジエンゴム(HSBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ニトリルブタジエンゴム(NBR)など、樹脂系結着剤としてポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレン(PE)など、フッ素樹脂系結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリトリフルオロエチレン(PTrFE)などを用いればよい。複数の種類の結着剤を混合して用いてもよい。正極材料と結着剤との配合比は、例えば、正極材料100重量部に対して結着剤が2重量部〜10重量部の範囲である。
セパレータ15は、リチウム伝導性を有する電解質を保持することができ、負極1と正極12との間の電気的な絶縁を保つことができる限り、その材料、構造などは特に限定されない。例えば、多孔質性の樹脂薄膜(例えば、多孔質ポリプロピレン薄膜、多孔質ポリエチレン薄膜)、ポリオレフィンなどを含む樹脂製不織布のような、リチウム二次電池に一般的に用いられるセパレータを用いればよい。なお電解質が固体電解質である場合など、セパレータは常に必要であるとは限らない。セパレータ15の厚さは、例えば、10μm〜30μmの範囲である。
電解質は、リチウム伝導性を有する限り特に限定されない。例えば、リチウムを含む電解質を非水溶媒に溶解させた非水電解質溶液を用いればよい。リチウムを含む電解質は、例えば、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、LiCF3SO3などのリチウム塩を用いればよい。非水溶媒は、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、エトキシメトキシエタンなど、あるいはこれら非水溶媒の混合溶媒を用いればよい。非水電解質溶液の濃度は、例えば、0.5mol/l以上の範囲である。なお、電解質として、その他、いわゆるポリマー電解質、固体電解質などを用いてもよい。
その他、図10に示す収納ケース17、封口板16、絶縁ガスケット18などには、リチウム二次電池に一般的に用いられる材料を用いればよい。
なお、本発明のリチウム二次電池は図10に示すようなコイン型の電池に限定されない。負極として上述した本発明の負極を用いる限り、円筒形、角形、あるいは平板形の電池などの様々な形状のリチウム二次電池とすることができる。またその容量も特に限定されず、本発明は、精密機器などに用いる小型の電池からハイブリッド自動車などに用いる大型の電池まで適用することが可能である。
次に、本発明のリチウム二次電池用負極の製造方法について説明する。
本発明のリチウム二次電池用負極の製造方法は、リチウムを可逆的に吸蔵および放出できるリチウム二次電池用負極の製造方法であって、(i)集電体上に、リチウムを可逆的に吸蔵および放出できる薄膜状の負極材料を含む負極材料層を配置する工程と、(ii)負極材料層の表面にリチウム非吸蔵性材料を配置する工程とを含むことを特徴としている。
また、本発明のリチウム二次電池用負極の製造方法は、リチウムを可逆的に吸蔵および放出できるリチウム二次電池用負極の製造方法であって、(I)集電体上に、リチウムを非吸蔵性材料を配置する工程と、(II)集電体およびリチウムを非吸蔵性材料上に、リチウムを可逆的に吸蔵するおよび放出できる薄膜状の負極材料を含む負極材料層を配置する工程とを含むことを特徴としていてもよい。
このような製造方法とすることによって、充放電に伴う負極材料の剥離や割れが抑制されることにより内部抵抗が低減され、充放電サイクル特性などの特性が高いリチウム二次電池用負極を得ることができる。なお、上記(i)および(ii)の工程と、上記(I)および(II)の工程とを組み合わせてもよく、例えば、工程(I)、工程(II)、工程(ii)の順で行ってもよい。この場合、図5で示した負極1を形成することができる。
上記(i)あるいは上記(II)の工程において、負極材料層を配置する方法は特に限定されない。一般的な薄膜形成方法を用いればよい。例えば、PVD法(物理気相成長法)、CVD法、スパッタリング法、ゾルゲル法および真空蒸着法から選ばれる少なくとも1種の方法を用いればよい。なかでも、CVD法、スパッタリング法および真空蒸着法から選ばれる少なくとも1種の方法が好ましい。これら薄膜形成方法の具体的な条件は、必要とする負極材料層の特性などに応じて任意に設定すればよい。配置する負極材料層に含まれる元素および材料、負極材料層の構造などは上述した負極と同様であればよい。集電体に用いる材料、集電体の構造などは上述した負極に用いる集電体と同様であればよい。
上記(ii)あるいは上記(I)の工程において負極材料層あるいは集電体の表面にリチウム非吸蔵性材料を配置する方法は特に限定されない。リチウム非吸蔵性材料に用いる材料、特性などに応じて任意に選択すればよい。リチウム非吸蔵性材料が、金属あるいは金属酸化物である場合、例えば、CVD法、スパッタリング法、真空蒸着法などの手法を用いてリチウム非吸蔵性材料を配置すればよい。リチウム非吸蔵性材料が、有機化合物あるいは樹脂である場合、例えば、一般的な印刷、塗布工程を用いて配置すればよい。より具体的には、例えば、スクリーン印刷、スプレーによる塗布、インクジェット印刷、半導体などの作製に用いられるレジスト塗布の技法、フォトリソグラフィーの技法などを用いて配置すればよい。これら手法によればリチウム非吸蔵性材料を配置する形状などを比較的自由に設定することができる。また、配置するコストを抑制することができる。塗布、印刷の際には、必要に応じて、有機化合物あるいは樹脂を溶媒中に溶解させたり、分散媒中に分散させたりしてもよい。なお、リチウム非吸蔵性材料の具体的な種類、リチウム非吸蔵性材料を配置する形状、位置などは上述した説明と同様であればよい。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されない。
本実施例では、サンプルA〜サンプルGまでの7種類(うちサンプルGは比較例)の負極を作製してリチウム二次電池に組み込み、電池特性(充放電サイクル特性)の評価を行った。各負極サンプルの製造方法を示す。
−サンプルA−
最初に、Arガスプラズマを用いたRFスパッタリング法を用いて、負極材料としてシリコン薄膜(厚さ:10μm)を集電体(銅箔、厚さ:10μm)の上に積層させた。サンプルAではシリコン薄膜をそのまま負極材料層とした(以降のサンプルにおいても同様である)。
最初に、Arガスプラズマを用いたRFスパッタリング法を用いて、負極材料としてシリコン薄膜(厚さ:10μm)を集電体(銅箔、厚さ:10μm)の上に積層させた。サンプルAではシリコン薄膜をそのまま負極材料層とした(以降のサンプルにおいても同様である)。
次に、形成したシリコン薄膜(負極材料層)の表面に、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)を含むリチウム非吸蔵性材料をスクリーン印刷により堆積(厚さ1.5μm)させた。スクリーン印刷を行うにあたっては、PVDFをN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解させた溶液(濃度:3wt%)を用いた。また、平均直径が約200μmの略円形状のPVDFを、シリコン薄膜の表面1cm2あたりおよそ150個づつ、図7に示すように万遍なく形成した。
−サンプルB−
最初に、サンプルAと同様に、集電体と負極材料層との積層体を形成した。次に、形成した負極材料層の表面に、リチウム非吸蔵性材料としてPVDFをスクリーン印刷により堆積させた。スクリーン印刷を行うにあたっては、サンプルAと同様のPVDF−NMP溶液を用い、平均線幅100μm、平均線間隔1mmの縞状にPVDFを配置した。
−サンプルC−
最初に、サンプルAと同様に、集電体と負極材料層との積層体を形成した。次に、形成した負極材料層の表面に、リチウム非吸蔵性材料としてPVDFをスクリーン印刷により堆積させた。スクリーン印刷を行うにあたっては、サンプルAと同様のPVDF−NMP溶液を用い、平均線幅50μm、平均線間隔1mmの格子状にPVDFを配置した。
−サンプルD−
最初に、集電体(銅箔、厚さ10μm)の表面に、フォトリソグラフィーにより感光性樹脂を含むリチウム非吸蔵性材料を形成した。感光性樹脂には、感光性ポリイミド樹脂を用いた。配置した樹脂の形状はサンプルAと同様に略円形状(平均直径200μm)とし、集電体の表面1cm2あたり約150個づつ、厚さ1μmで万遍無く形成した。
−サンプルB−
最初に、サンプルAと同様に、集電体と負極材料層との積層体を形成した。次に、形成した負極材料層の表面に、リチウム非吸蔵性材料としてPVDFをスクリーン印刷により堆積させた。スクリーン印刷を行うにあたっては、サンプルAと同様のPVDF−NMP溶液を用い、平均線幅100μm、平均線間隔1mmの縞状にPVDFを配置した。
−サンプルC−
最初に、サンプルAと同様に、集電体と負極材料層との積層体を形成した。次に、形成した負極材料層の表面に、リチウム非吸蔵性材料としてPVDFをスクリーン印刷により堆積させた。スクリーン印刷を行うにあたっては、サンプルAと同様のPVDF−NMP溶液を用い、平均線幅50μm、平均線間隔1mmの格子状にPVDFを配置した。
−サンプルD−
最初に、集電体(銅箔、厚さ10μm)の表面に、フォトリソグラフィーにより感光性樹脂を含むリチウム非吸蔵性材料を形成した。感光性樹脂には、感光性ポリイミド樹脂を用いた。配置した樹脂の形状はサンプルAと同様に略円形状(平均直径200μm)とし、集電体の表面1cm2あたり約150個づつ、厚さ1μmで万遍無く形成した。
次に、Arガスプラズマを用いたRFスパッタリング法を用いて、負極材料としてシリコン薄膜(厚さ:10μm)を、集電体およびリチウム非吸蔵性材料上に積層した。
−サンプルE−
最初に、集電体(銅箔、厚さ10μm)の表面に、スクリーン印刷によりリチウム非吸蔵性材料を形成した。スクリーン印刷を行うにあたっては、PVDFをNMPに溶解させた溶液(濃度:3wt%)にフッ素系コーティング剤(ダイキン工業製 ダイフリーA441)を混合、分散(濃度:3wt%)させた溶液を用いた。また、平均線幅100μm、平均線間隔1mmの縞状にフッ素系コーティング剤を含むPVDF(厚さ:1.5μm)を形成した。
−サンプルE−
最初に、集電体(銅箔、厚さ10μm)の表面に、スクリーン印刷によりリチウム非吸蔵性材料を形成した。スクリーン印刷を行うにあたっては、PVDFをNMPに溶解させた溶液(濃度:3wt%)にフッ素系コーティング剤(ダイキン工業製 ダイフリーA441)を混合、分散(濃度:3wt%)させた溶液を用いた。また、平均線幅100μm、平均線間隔1mmの縞状にフッ素系コーティング剤を含むPVDF(厚さ:1.5μm)を形成した。
次に、サンプルDと同様に、負極材料としてシリコン薄膜(厚さ:10μm)を、集電体およびリチウム非吸蔵性材料上に配置した。
−サンプルF−
最初に、サンプルDと同様に、集電体の表面にフォトリソグラフィーにより感光性樹脂を含む略円形状のリチウム非吸蔵性材料を形成し、さらに負極材料層を形成した。次に、負極材料層の表面に、サンプルAと同様に、PVDFを含む略円形状のリチウム非吸蔵性材料をさらに形成した。PVDFの形成にあたっては、集電体の表面に配置されたリチウム非吸蔵性材料の位置にほぼ対応するように(負極材料層の主面に垂直な方向から見た場合に、集電体の表面に配置された略円形状のリチウム非吸蔵性材料とほぼ重なるように)位置合わせを行った。
−サンプルG(比較例)−
サンプルAと同様に、Arガスプラズマを用いたRFスパッタリング法を用いて、負極材料としてシリコン薄膜(厚さ:10μm)を集電体(銅箔、厚さ:10μm)の上に積層させた。リチウム非吸蔵性材料の配置は行わなかった。
−サンプルF−
最初に、サンプルDと同様に、集電体の表面にフォトリソグラフィーにより感光性樹脂を含む略円形状のリチウム非吸蔵性材料を形成し、さらに負極材料層を形成した。次に、負極材料層の表面に、サンプルAと同様に、PVDFを含む略円形状のリチウム非吸蔵性材料をさらに形成した。PVDFの形成にあたっては、集電体の表面に配置されたリチウム非吸蔵性材料の位置にほぼ対応するように(負極材料層の主面に垂直な方向から見た場合に、集電体の表面に配置された略円形状のリチウム非吸蔵性材料とほぼ重なるように)位置合わせを行った。
−サンプルG(比較例)−
サンプルAと同様に、Arガスプラズマを用いたRFスパッタリング法を用いて、負極材料としてシリコン薄膜(厚さ:10μm)を集電体(銅箔、厚さ:10μm)の上に積層させた。リチウム非吸蔵性材料の配置は行わなかった。
このように作製した各負極サンプルを用いて、図10に示すようなリチウム二次電池を作製し、電池特性の評価を行った。評価に用いたリチウム二次電池の作製方法を示す。
リチウム二次電池に用いた正極は以下のようにして作製した。正極集電体にはアルミニウム箔(厚さ:15μm)を用いた。正極材料にはコバルト酸リチウム(LiCoO2)を用いた。最初に、正極材料の粉末100重量部と、導電剤としてアセチレンブラック2.5重量部およびグラファイト2.5重量部とをヘイシェルミキサを用いて混合した。次に、この混合物を、結着剤であるPVDFをNMPに溶解させた溶液(濃度:3wt%)に混合、分散させて正極材料ペーストを作製した。次に、作製した正極材料ペーストを正極集電体上に塗布し、乾燥させた。その後、圧延することによって、正極材料層の厚さが70μm、充填密度が3.3g/cm3の正極を得た。
このようにして作製した負極および正極と、ポリエチレン製多孔質フィルムからなるセパレータ(厚さ20μm)とを、負極および正極によってセパレータを狭持するように積層した。これとは別に、1モルの六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)をエチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートの混合溶媒(混合体積比=1:2)に溶解して、非水電解質溶液を調整した。負極、正極およびセパレータの積層体と、非水電解質溶液とをステンレス製の収納ケースに収容し、封口板および絶縁ガスケットによって封口して、図10に示すようなコイン型のリチウム二次電池を作製した。作製したリチウム二次電池の設計容量は9.0mAhとした。
電池の評価方法について示す。上述したように作製した電池を、温度20℃において、電池電圧が4.2Vになるまで定電流(9.0mA)で充電した後に、電池電圧が3.0Vになるまで定電流(9.0mA)で放電するサイクルを繰り返した。1、10、50、200および500サイクル目における電池の放電容量を測定し、電池の充放電サイクル特性を評価した。結果を表1に示す。
表1に示すように、実施例であるサンプルA〜サンプルFの負極を用いた電池では、比較例であるサンプルGの負極を用いた電池に比べて、初期の放電容量にはやや劣るが、200サイクル以上充放電を繰り返した場合、放電容量に優る結果となった。また、1サイクル目の放電容量に対する500サイクル目の放電容量から算出した容量維持率を見てみると、サンプルA〜FではサンプルGに比べて大幅に改善されていることがわかる。よって、リチウム非吸蔵性材料を配置することによって、充放電サイクル特性が向上した電池が得られることがわかった。
サンプルA〜Fの各サンプル間で比較すると、リチウム非吸蔵性材料の配置形状が島状、縞状、格子状の順に500サイクル後の容量維持率が向上していることがわかった。また、リチウム非吸蔵性材料を集電体の表面に配置した場合と、負極材料層の表面に配置した場合、集電体の表面および負極材料層の表面の双方に配置した場合との間にはそれほど差がみられなかった。
本発明によれば、充放電サイクル特性などの特性が高いリチウム二次電池を提供することができる。また、このようなリチウム二次電池を実現できるリチウム二次電池用負極およびその製造方法とを提供することができる。
本発明のリチウム二次電池の用途は特に限定されず、例えば、携帯機器などに用いる小型の電池から、ハイブリッド自動車などに用いる大型の電池まで、容量を問わず、各種用途に用いることができる。
1 負極
2 集電体
3 負極材料層
4 リチウム非吸蔵性材料
5a、5b 領域
11 リチウム二次電池
12 正極
13 正極材料層
14 正極集電体
15 セパレータ
16 封口板
17 収納ケース
18 絶縁ガスケット
2 集電体
3 負極材料層
4 リチウム非吸蔵性材料
5a、5b 領域
11 リチウム二次電池
12 正極
13 正極材料層
14 正極集電体
15 セパレータ
16 封口板
17 収納ケース
18 絶縁ガスケット
Claims (15)
- リチウムを可逆的に吸蔵および放出できるリチウム二次電池用負極であって、
集電体と、前記集電体上に配置された負極材料層とを含み、
前記負極材料層は、リチウムを可逆的に吸蔵および放出できる薄膜状の負極材料を含み、
前記負極材料層の表面および内部から選ばれる少なくとも一方に、リチウム非吸蔵性材料が配置されていることを特徴とするリチウム二次電池用負極。 - 前記材料が前記負極材料層の表面に配置されている請求項1に記載のリチウム二次電池用負極。
- 前記材料が前記集電体上に配置され、前記負極材料層が前記集電体上および前記材料上に配置されている請求項1に記載のリチウム二次電池用負極。
- 前記負極材料層の主面に対して垂直な方向から見た場合に、前記負極材料層において前記材料が配置されている領域の面積が、前記主面の面積の1%〜15%の範囲である請求項1に記載のリチウム二次電池用負極。
- 前記材料が配置されている形状が、前記負極材料層の主面に対して垂直な方向から見た場合に、島状、縞状および格子状から選ばれる少なくとも1種の形状である請求項1に記載のリチウム二次電池用負極。
- 前記材料が、金属、金属酸化物、有機化合物および樹脂から選ばれる少なくとも1種を含む請求項1に記載のリチウム二次電池用負極。
- 前記樹脂が、ゴム、フッ素樹脂、熱硬化性樹脂および感光性樹脂から選ばれる少なくとも1種である請求項6に記載のリチウム二次電池用負極。
- 前記材料が、リチウムを含む非水溶液に対して撥性を有する請求項1に記載のリチウム二次電池用負極。
- 前記負極材料が、C、Si、Ge、Sn、Pb、Al、In、Zn、CdおよびBiから選ばれる少なくとも1種の元素を含む請求項1に記載のリチウム二次電池用負極。
- 請求項1〜9のいずれかに記載のリチウム二次電池用負極と、リチウムを可逆的に吸蔵および放出できる正極と、リチウム伝導性を有する電解質とを含むリチウム二次電池。
- リチウムを可逆的に吸蔵および放出できるリチウム二次電池用負極の製造方法であって、
(i)集電体上に、リチウムを可逆的に吸蔵および放出できる薄膜状の負極材料を含む負極材料層を配置する工程と、
(ii)前記負極材料層の表面にリチウム非吸蔵性材料を配置する工程とを含むことを特徴とするリチウム二次電池用負極の製造方法。 - 前記負極材料が、C、Si、Ge、Sn、Pb、Al、In、Zn、CdおよびBiから選ばれる少なくとも1種の元素を含み、
前記(i)の工程が、PVD法(物理気相成長法)、CVD法(化学気相成長法)、スパッタ法、ゾルゲル法および真空蒸着法から選ばれる少なくとも1種の方法により行われる請求項11に記載のリチウム二次電池用負極の製造方法。 - 前記(ii)の工程が、塗布および印刷から選ばれる少なくとも1種の手法によって行われる請求項11に記載のリチウム二次電池用負極の製造方法。
- 前記(ii)の工程において、前記負極材料層の主面に対して垂直な方向から見た場合に、島状、縞状および格子状から選ばれる少なくとも1種の形状となるように前記材料を配置する請求項11に記載のリチウム二次電池用負極の製造方法。
- リチウムを可逆的に吸蔵および放出できるリチウム二次電池用負極の製造方法であって、
(I)集電体上に、リチウム非吸蔵性材料を配置する工程と、
(II)前記集電体および前記材料上に、リチウムを可逆的に吸蔵および放出できる薄膜状の負極材料を含む負極材料層を配置する工程とを含むことを特徴とするリチウム二次電池用負極の製造方法。
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