JP2010250994A - 電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】合剤層とシート状集電体との密着性を向上させた電極を用いることにより、充放電サイクル寿命に優れた電池を提供する。
【解決手段】正極と負極の少なくとも一方に、活物質を含む合剤層をシート状集電体上に保持したシート状電極を備えた電池において、前記シート状集電体の表面に凹部が存在し、前記凹部の上部に位置する合剤層の密度が、前記凹部の上部以外の合剤層の密度よりも大きいことを特徴とする。その製造方法は、合剤層表面に凸部を形成する工程と、前記凸部と前記合剤層とを同時に加圧する工程とを経ることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明はシート状電極を用いた電池に関するものである。
リチウムイオン二次電池をはじめとする非水電解質二次電池は、高エネルギー密度、高出力などの優れた特徴をもっているため、携帯電話、ビデオカメラ、パソコンなどの携帯型電子機器の電源として広く利用されており、今後はより大型にして電気自動車などの電源に使用することが検討されている。
非水電解質二次電池の電極は、特許文献1および特許文献2に記載されているように、正極・負極とも、金属製のシート状集電体の表面に、活物質、結着剤、導電助剤などの粉末と有機溶剤とを混合した合剤ペーストを塗布し、乾燥し、ロールプレスなどでプレスして、合剤層の厚みを調整することによって製造されている。
そして、このシート状電極を、積層または巻回した発電要素とし、非水電解質とともに容器に収納し、非水電解質二次電池としている。なお、シート状電極は、非水電解質二次電池に限らず、その他の電池にも用いることができる。
特許文献3および特許文献4では、合剤層とシート状集電体との密着性を向上させるため、シート状集電体の表面を粗面化処理する技術が開示されている。また、特許文献5および特許文献6では、合剤層を2層にする技術が開示されている。
このような製造方法によって得られた電極の合剤層は、活物質・結着剤・導電助剤などがほぼ均一に混合されているため、プレス時にシート状集電体に加わる力もほぼ均一となる。したがって、合剤層とシート状集電体との密着性も、全ての場所で一定となっていた。
特開平10−188952号公報 特開平10−241737号公報 特開2001−357855号公報 特開2002−158996号公報 特開平09−147858号公報 特開2001−303717号公報
従来の製造方法で得られた電極を用いた電池では、充放電サイクルを繰り返すと、活物質の膨張・収縮に伴い、合剤層とシート状集電体との密着性が悪くなり、合剤層とシート状集電体との間の接触抵抗が上昇し、その結果、放電容量の低下や出力の低下が起こり、充放電サイク寿命が短くなるという問題があった。
しかし、特許文献1〜6で開示された従来の技術では、いずれの場合も、合剤層とシート状集電体との密着性が不十分で、優れた充放電サイクル寿命を持つ電池を得ることが難しかった。
そこで、本発明の目的は、合剤層とシート状集電体との密着性を向上させた電極を用いることにより、充放電サイクル寿命に優れた電池を提供することにある。
請求項1の発明は、正極と負極の少なくとも一方に、活物質を含む合剤層をシート状集電体上に保持したシート状電極を備えた電池において、前記シート状集電体の表面に凹部が存在し、前記凹部の上部に位置する合剤層の密度が、前記凹部の上部以外の合剤層の密度よりも大きいことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載の電池の製造方法に関するもので、合剤層表面に凸部を形成する工程と、前記凸部と前記合剤層とを同時に加圧する工程とを経ることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、電極のシート状集電体表面の凹部が存在する場所は、凹部が存在しない場所に比べて、合剤層とシート状集電体との密着性が高くなり、充放電サイクルを繰り返しても密着性がほとんど低下することなく良好な状態に保たれ、充放電サイクル特性に優れた電池を得ることができる。
請求項2の発明によれば、合剤層表面の凸部と合剤層とを同時に加圧する工程において、凸部を形成した部分の合剤層密度が高くなり、この高密度部分が集電体にめり込み、この高密度部分に対応する集電体表面に凹部が形成され、この凹部では、凹部が形成されていない場所よりも加圧時の圧力が高いため、合剤層と集電体の密着性が高くなる。その結果、充放電サイクル寿命に優れた電池を得ることができる。
本発明は、正極と負極の少なくとも一方に、活物質を含む合剤層をシート状集電体上に保持したシート状電極を備えた電池において、前記シート状集電体の表面に凹部が存在し、前記凹部の上部に位置する合剤層の密度が、前記凹部の上部以外の合剤層の密度よりも大きいことを特徴とするものである。
本発明の電池に用いる電極の構造を図1〜図3を用いて説明する。図1は電極の平面図、図2は図1の電極のA−A’断面図、図3は電極の斜視図である。図1〜図3において、1は合剤層、2はシート状集電体、3はシート状集電体の長さ方向の合剤層未塗布部、4はシート状集電体の幅方向の合剤層未塗布部、5は集電体表面に形成された凹部、6はこの凹部の上部に位置する合剤層、7は凹部の上部以外の合剤層、8はシート状集電体の表面の凹部5を囲むシート状集電体の表面に垂直な面(図3では、点線で円筒状に表示した)である。
本図1に示すように、本発明の電池に用いるシート状電極は、シート状集電体2の表面に合剤層1を備えたものである。なお、シート状集電体2の表面には、集電体の長さ方向の合剤層未塗布部3や集電体の幅方向の合剤層未塗布部4を設け、この合剤層未塗布部と電池の端子の間を集電部材で接続して、電流を電池の外部に取り出す。なお、集電体の長さ方向の合剤層未塗布部3と集電体の幅方向の合剤層未塗布部4は、発電要素の形状に合せて、どちらか一方のみに設けてもよいし、両方同時に設けてもよい。
本発明の電池に用いるシート状電極は、断面を図2に示すように、合剤層1の表面は平坦であるが、シート状集電体の表面に凹部5が存在し、この凹部の上部に位置する合剤層6の密度が、凹部の上部以外の合剤層部分7の密度よりも大きくなっている。また、図3に示した斜視図のように、「シート状集電体の表面の凹部の上部に位置する合剤層」とは、シート状集電体2を水平に置き、シート状集電体の表面の凹部5をシート状集電体の表面に垂直な面8で囲んだ場合、この面8の内部にある合剤層6のことを意味し、また、「凹部の上部以外の合剤層部分」とは、シート状集電体の表面に垂直な面8の外部にある合剤層7を意味する。
そして、このシート状集電体の表面の凹部5の上部に位置する合剤層6の水平方向の平均径を50〜800μmの範囲とすることにより、シート状集電体2の表面に形成される凹部5の平均径も50〜800μmの範囲となる。
シート状集電体の表面の凹部5の上部に位置する合剤層6の水平方向の平均径が50μmより小さい場合には、形成される凹部が浅くなって、合剤層とシート状集電体との密着性が高くならず、従来の凹部を形成していない電極と比較しても、あまりサイクル特性は改善されない。
シート状集電体の表面の凹部5の上部に位置する合剤層6の水平方向の平均径が800μmよりも大きい場合には、合剤層表面からの電解液の浸透が不十分となり、合剤層全体に電解液が浸透せず、活物質と電解液との接触が不十分となって、活物質の利用率が低下する。
本発明において、「シート状集電体の表面の凹部5の上部に位置する合剤層6の水平方向の平均径」または「シート状集電体の表面に形成される凹部5の平均径」で用いる「平均径」とは、異なる5箇所でそれぞれ10個の、シート状集電体の表面の凹部5の上部に位置する合剤層6の水平方向の直径またはシート状集電体の表面に形成された凹部の直径を測定し、合計50個の直径の平均値を意味するものとする。
なお、図3において、シート状集電体の表面の凹部5の上部に位置する合剤層6の水平方向の断面およびシート状集電体の表面に形成された凹部の形状は「円形」として表示したが、これらの形状は必ずしも円形である必要はなく、楕円形などの円形以外の形状でもかまわない。なお、形状が円形でない場合の「径」は、それぞれの形状の最大径を意味するものとする。
シート状集電体の表面の凹部の上部に位置する合剤層の密度は、合剤層の該当部分の体積をレーザー顕微鏡などで確認し、この箇所の合剤層を取り除いた後、その重量を測定することによって求めることができる。なお、凹部の上部以外の合剤層の密度も同様の方法によって求めることができる。
また、本発明の電池に用いるシート状電極において、シート状集電体の表面に形成される凹部5は海島状に分布していることが好ましい。このように、シート状集電体の表面に形成される凹部5が特定の部分に偏在するのではなく、シート状集電体の表面全体に海島状に均一に分布していることにより、シート状集電体2の表面に形成される凹部5が特定の場所に偏らずに、適度に分散しているため、合剤層と集電体との密着性が良好になる。
本発明の電池に用いるシート状電極において、合剤層は活物質を含み、活物質の種類に応じて結着剤を含ませる。また、活物質の導電性が低い場合には、導電性の高い物質からなる導電助剤を含ませる。場合によっては、活物質、結着剤、導電助剤以外の物質を含ませてもよい。
合剤層における活物質・結着剤・導電助剤などの混合比率は、用いる材料の物性によって最適値を選べばよいが、活物質約90wt%、結着剤と導電助剤はそれぞれ数wt%とするのが適している。活物質・結着剤・導電助剤の形状は、通常は粒子または粉末であるので、これらを混合して合剤ペーストとする場合、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などの有機溶媒を混合してペースト状とする。
本発明のシート状電極は、合剤層表面に凸部を形成する工程と、凸部と合剤層とを同時に加圧する工程とを経ることによって製造することができる。本発明の電極の製造工程を、図4および図5を用いて説明する。
図4は、本発明のシート状電極の製造手順の一例を示す図で、電極の断面を示し、図4において、2はシート状集電体、9は合剤層、10は粒子を示す。
まず、図4(A)に示したように、シート状集電体2の表面に合剤層9を形成する。次に、あらかじめ粒子10を作製しておき、この粒子を図4(B)のように、合剤層9の表面にばらまいて、合剤層の表面に凸部を形成する。そして、ロールプレスなどで粒子10と合剤層9とを同時に加圧する。この加圧時に、合剤層9の表面の粒子10が合剤層9にめり込み、合剤層の表面は平坦となる。この時、シート状集電体表面に凹部が形成され、この凹部の上部に位置する合剤層の密度が、その他の部分の合剤層の密度よりも大きい、図2や図3に示したような電極が得られる。
なお、合剤層9の表面にばらまく粒子は、合剤層と同一の材料を含んでいてもよいし、合剤層とは異なる材料でもよい。
図5は、本発明のシート状電極の製造手順の他の例を示す図で、電極の断面を示し、図5において、記号2はシート状集電体、11は第1合剤層、12は第2合剤層ペースト、13は第一合剤層表面の凸部を示す。
第1の工程では、あらかじめ、シート状集電体2と、活物質と結着剤と有機溶媒とを含む合剤ペーストを準備して置き、シート状集電体2の表面に第1合剤層ペーストを塗布し、乾燥することにより、図5(A)に示したように、シート状集電体2の表面に第1合剤層11を形成する。
第2の工程では、図5(B)に示すように、第1合剤層11の表面に第2合剤層ペースト12を塗布し、乾燥する。この時、第2合剤層ペーストの厚さを30μm以下にすることで、乾燥時に第2合剤層ペーストから有機溶媒が除去する際、第2合剤層ペースト中の活物質などの粒子や粉末が凝集し、図5(C)に示したように、第1合剤層11の表面に凸部13が形成される。
第3の工程では、ロールプレスなどで第1合剤層11および凸部13を同時に加圧する。この加圧時に、第1合剤層11の表面の凸部13が第1合剤層11にめり込み、第1合剤層11と凸部13とを合せた合剤層の表面は平坦となる。この時、シート状集電体表面に凹部が形成され、この凹部の上部に位置する合剤層の密度が、その他の部分の合剤層の密度よりも大きい、図2に示したような電極が得られる。
図4においては、合剤層9の表面の粒子10が合剤層9にめり込む際、また、図5においては、凸部13が第1合剤層11にめり込む際、いずれの場合も大きな圧力が加わり、図2に示すようにシート状集電体表面に凹部5が形成されるため、この凹部5では合剤層とシート状集電体との密着性が高くなる。
本発明のシート状電極を非水電解質二次電池の電極として用いる場合、正極活物質としては、リチウムを吸蔵・放出可能なマンガン酸リチウム(LiMn)、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)などのリチウムを吸蔵放出可能なリチウム複合酸化物、これらの複合酸化物の遷移金属部分を他の遷移金属や軽金属で置換されたリチウム複合酸化物等を用いることができる。
また、負極活物質としては、難黒鉛化性炭素、易黒鉛化性炭素、黒鉛、気相成長炭素繊維などの炭素材料を用いることができる。
さらに、結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン(NMP)、ポリアクリロニトリル(AN)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)等を用いることができ、導電助剤としては、アセチレンブラック等の炭素材料からなる粉末を用いることができる。
合剤ペーストに混合する有機溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、テトラヒドロフラン(THF)等を用いることができる。
シート状集電体の材質としては、正極用にはアルミニウムやアルミニウム合金、負極用には銅や銅合金を用いることができる。
また、セパレータとしては、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂からなる微多孔膜が用いられ、材料、重量平均分子量や空孔率の異なる複数の微多孔膜が積層してなるものや、これらの微多孔膜に各種の可塑剤、酸化防止剤、難燃剤などの添加剤を適量含有しているものであってもよい。
非水電解質二次電池で用いられる非水電解質としては、有機電解液であっても、ポリマー電解質、室温溶融塩またはイオン液体、固体電解質であっても構わない。
有機電解液の溶媒には、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどの低粘度の鎖状炭酸エステルと、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートなどの高誘電率の環状炭酸エステル、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1−3ジオキソラン、メチルアセテート、メチルプロピオネート、ビニレンカーボネート、ジメチルホルムアミド、スルホランおよびこれらの混合溶媒等を挙げることができる。
ポリマー電解質に用いるポリマーとしては、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ビニリデンフルオライド・ヘキサフルオロプロピレンコポリマー(P(VDF/HFP))、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリアクリロニトリル(PAN)もしくはこれらの誘導体を、単独で、あるいは混合したものを用いることができる。
また、電解質塩としては、特に制限はなく、LiClO、LiBF、LiAsF、LiPF、LiCFSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiI、LiAlCl等およびそれらの混合物が挙げられる。好ましくは、LiBF、LiPFのうちの1種または2種以上を混合したリチウム塩がよい。
なお、本発明のシート状電極を非水電解質二次電池以外の電池に適用する場合には、正極活物質、負極活物質、電解液、セパレータなどは、それぞれの電池にふさわしい材料を用いればよい。
また、発電要素の形状としては巻回型の長円形状、円形状を用いることができる。また、発電要素の形状は巻回型に限らず、平板状極板を積層した形状でもよい。その他の電池の構成要素として、集電体、端子、絶縁板、電池ケース等があるが、これらの部品についても従来用いられてきたものをそのまま用いることができる。
以下の実施例は非水電解質二次電池について述べたものであるが、本発明の電極は、シート状電極を用いる非水電解質二次電池以外のあらゆる電池にも適用可能である。
[正極板]
図5に示した製造手順によって、4種類の正極板を作製した。正極板X1は、第1の工程で、正極活物質としてのLiCoOの粉体87重量%と導電助剤であるアセチレンブラック5重量%と結着剤であるポリフッ化ビニリデン(以下「PVdF」とする)8重量%とからなる混合物100gに、含水量50ppm以下のN−メチル−2−ピロリドン(以下「NMP」とする)を150ml加えてペースト状とした正極合剤ペーストを、厚さ20μmのシート状アルミニウム製集電体の表面に塗布、乾燥して、集電体表面に厚さ74μmの第1合剤層を形成した。第2の工程では、第1合剤層の表面に、第1合剤層に用いたのと同じ正極合剤ペーストを厚さ20μmとなるように均一に塗布し、乾燥することにより、第1合剤層の表面に凸部を形成した。第3の工程では、第1合剤層および凸部をロールプレスで加圧した。第1の工程における乾燥条件は、0.01torr以下の減圧下、150℃で12時間おこない、第2の工程における乾燥条件は、0.01torr以下の減圧下、100℃で5時間とした。
この正極板X1では、シート状集電体の表面に海島状に分布した凹部が形成される。そして、この凹部の上部に位置する合剤層の密度が、凹部の上部以外の合剤層の密度よりも高くなっていた。なお、このシート状集電体の表面の凹部の上部に位置する合剤層の水平方向の平均径およびシート状集電体の表面に形成される凹部の平均径は、ともに300μmであり、シート状集電体表面に占める凹部の面積は50%であった。
正極板X2は、第1の工程および第3の工程は上記正極板X1と同じとし、第2の工程では、第1合剤層の表面に第1合剤層に用いたのと同じ正極合剤ペーストを厚さ30μm、直径約3mmの斑点状で、斑点の中心の距離が約8mmとなるように塗布し、正極板X1と同じ条件で乾燥することによって作製した。
この正極板X2では、シート状集電体の表面に凹部が形成され、この凹部の上部に位置する合剤層の密度が、凹部の上部以外の合剤層の密度よりも高くなっていた。ただし、この凹部はシート状集電体表面に部分的に斑点状に集まっており、シート状集電体表面には直径4mmの範囲には全く凹部がないところがあった。なお、シート状集電体表面に占める凹部の面積は50%であった。
正極板X3は、第1の工程および第3の工程は上記正極板X1と同じとし、第2の工程では、第1合剤層の表面に第1合剤層に用いたのと同じ正極合剤ペーストを、厚さ30μmで、極板の長さ方向に幅約0.5mm、間隔約3mmのすじ状に塗布し、正極板X1と同じ条件で乾燥することによって作製した。
この正極板X3では、シート状集電体の表面に凹部が形成され、この凹部の上部に位置する合剤層の密度が、凹部の上部以外の合剤層の密度よりも高くなっていた。ただし、この凹部はすじ状であり、シート状集電体表面に占める凹部の面積は50%であった。
正極板X0は、第1合剤層のみを形成したものである。この正極板X0では、正極合剤層の密度はすべての部分で同じであり、シート状正極集電体表面には凹部が形成されなかった。
[負極]
図5に示した製造手順によって、4種類の負極板を作製した。負極板Y1は、負極活物質としてのグラファイト(Gr)94重量%と結着剤であるPVdF6重量%とからなる混合物100gに、含水量50ppm以下のNMPを180ml加えてペースト状とした負極合剤ペーストを、厚さ15μmのシート状銅製集電体の表面に塗布、乾燥して、集電体表面に厚さ98μmの第1合剤層をとりつけた。第2の工程では、第1合剤層の表面に、第1合剤層に用いたのと同じ負極合剤ペーストを厚さ20μmとなるように均一に塗布し、乾燥することにより、第1合剤層の表面に凸部を形成した。第3の工程では、第1合剤層および凸部をロールプレスで加圧した。第1の工程における乾燥条件は、0.01torr以下の減圧下、150℃で12時間おこない、第2の工程における乾燥条件は、0.01torr以下の減圧下、90℃で6時間とした。
この負極板Y1では、シート状集電体の表面に海島状に分布した凹部が形成される。そして、この凹部の上部に位置する合剤層の密度が、凹部の上部以外の合剤層の密度よりも高くなっていた。なお、このシート状集電体の表面の凹部の上部に位置する合剤層の水平方向の平均径およびシート状集電体の表面に形成される凹部の平均径は、ともに300μmであり、シート状集電体表面に占める凹部の面積は50%であった。
負極板Y2は、第1の工程および第3の工程は上記負極板Y1と同じとし、第2の工程では、第1合剤層の表面に上記負極合剤ペーストを厚さ30μm、直径約3mmの斑点状で、斑点の中心の距離が約8mmとなるように塗布し、乾燥することによって作製した。
この負極板Y2では、シート状集電体の表面に凹部が形成され、この凹部の上部に位置する合剤層の密度が、凹部の上部以外の合剤層の密度よりも高くなっていた。ただし、この凹部はシート状集電体表面に部分的に斑点状に集まっており、シート状集電体表面には直径4mmの範囲には全く凹部がないところもあった。なお、シート状集電体表面に占める凹部の面積は50%であった。
負極板Y3は、第1の工程および第3の工程は上記負極板Y1と同じとし、第2の工程では、第1合剤層の表面に第1合剤層に用いたのと同じ負極合剤ペーストを、厚さ30μmで、極板の長さ方向に幅約0.5mm、間隔約3mmのすじ状に塗布し、乾燥することによって作製した。
この負極板Y3では、シート状集電体の表面に凹部が形成され、この凹部の上部に位置する合剤層の密度が、凹部の上部以外の合剤層の密度よりも高くなっていた。ただし、この凹部はすじ状であり、シート状集電体表面に占める凹部の面積は50%であった。
負極板Y0は、第1合剤層のみを形成したものである。この負極板Y0では、負極合剤層の密度はすべての部分で同じであり、シート状負極集電体表面には凹部が形成されなかった。
[非水電解質二次電池]
本発明の非水電解質二次電池に用いた電極群の外観を図6に、非水電解質二次電池の外観を図7に示す。図5および図6において、21は非水電解質二次電池、22は電極群、22aは正極板、22bは負極板、22cはセパレータ、23は電池ケース、23aは電池ケースのケース部、23bは電池ケースの蓋部、24は正極端子、25は負極端子、26は安全弁、27は電解液注液口である。
本発明の非水電解質二次電池は、正極板22aと負極板22bとがセパレータ22cを介して長円形状に巻回した電極群22を電池ケースのケース部23aに収納し、ケース部23aと電池ケースの蓋部23bとをレーザー溶接で封口し、非水電解液(図示せず)を電解液注液口27から注液し、その後、電解液注液口27を封口して構成されている。なお、正極板および負極板の作製から電池組立に至る全ての工程は、露点−50℃以下のドライルーム中でおこなった。作製した電池の設計容量は690mAhとした。
非水電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とメチルエチルカーボネート(MEC)との体積比30:40:30の混合溶媒に、LiPFを1mol/L溶解したものを用いた。
[実施例1〜7および比較例1]
[実施例1]
正極板X1と負極板Y1とを用いて、実施例1の非水電解質二次電池(以下では単に「電池」とする)A1を作製した。
[実施例2]
正極板X1と負極板Y0とを用いて、実施例2の電池A2を作製した。
[実施例3]
正極板X0と負極板Y1とを用いて、実施例3の電池A3を作製した。
[実施例4]
正極板X1と負極板Y2とを用いて、実施例4の電池A4を作製した。
[実施例5]
正極板X1と負極板Y3とを用いて、実施例5の電池A5を作製した。
[実施例6]
正極板X2と負極板Y1とを用いて、実施例6の電池A6を作製した。
[実施例7]
正極板X3と負極板Y1とを用いて、実施例7の電池A7を作製した。
[比較例1]
正極板X0と負極板Y0とを用いて、比較例1の電池B1を作製した。
[特性測定]
実施例1〜7および比較例1の非水電解質二次電池A1〜A7およびB1について、次の条件で初期放電容量を測定し、充放電サイクル試験および内部抵抗の測定をおこなった。
(1)初期放電容量測定
試験電池を25℃環境下で、690mA定電流で4.2Vまで充電した後、さらに4.2V定電圧で、充電時間の合計が3時間となるように定電圧充電をおこなった。その後、690mA定電流で2.5Vまで放電した。この充放電を3回繰り返し、3回目の放電容量を初期放電容量と定めた。
(2)充放電サイクル試験
試験電池を、初期放電容量測定と同じ条件で500回充放電し、500サイクル目の放電容量を求めた。そして、初期放電容量に対する500サイクル目の放電容量の比を「容量保持率(%)」とした。
(3)内部抵抗測定
電池の内部抵抗は、鶴賀電気製DIGITAL AC METERを用いて測定した。
そして、充放電サイクル試験前の内部抵抗Rと、500サイクル充放電後の内部抵抗R500とを求め、(R500/R)を内部抵抗増加率(%)とした。
実施例1〜7および比較例1の非水電解質二次電池A1〜A7およびB1についての特性測定結果を表1にまとめた。
Figure 2010250994
表1から、正極と負極の少なくとも一方に、シート状集電体の表面に凹部が存在し、この凹部の上部に位置する合剤層の密度が、凹部の上部以外の合剤層の密度よりも大きい電極を用いた実施例1〜7の電池A1〜A7では、容量保持率が90%以上で、内部抵抗増加率も140%以下の優れたサイクル特性を示したのに対し、正極板および負極板の集電体表面に凹部が存在しない電極を用いた比較例1の電池B1では、容量保持率と内部抵抗増加率はともに悪かった。
また、シート状電極集電体表面に凹部が存在する電極を用いた実施例1〜7の電池A1〜A7の中では、正極板と負極板の両方に、シート状電極集電体表面に凹部が存在する電極を用いた実施例1の電池A1、実施例4〜7の電池A4〜A7の特性が優れていることがわかった。
[実施例8〜15]
[実施例8]
正極板を作製する第2の工程において、正極合剤ペーストの混合に用いるNMPを500mlとし、乾燥温度を120℃としたこと以外は正極板X1と同様にして、正極板X4を作製した。
この正極板X4では、シート状集電体の表面に海島状に分布した凹部が形成され、この凹部の上部に位置する合剤層の密度が、凹部の上部以外の合剤層の密度よりも高くなっていた。なお、このシート状集電体の表面の凹部の上部に位置する合剤層の水平方向の平均径およびシート状集電体の表面に形成される凹部の平均径は、ともに30μmであった。そして、正極板X4を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例8の電池C1を作製した。
[実施例9]
正極板を作製する第2の工程において、正極合剤ペーストの混合に用いるNMPを400mlとし、乾燥温度を110℃としたこと以外は正極板X1と同様にして、正極板X5を作製した。
この正極板X5では、シート状集電体の表面に海島状に分布した凹部が形成され、この凹部の上部に位置する合剤層の密度が、凹部の上部以外の合剤層の密度よりも高くなっていた。なお、このシート状集電体の表面の凹部の上部に位置する合剤層の水平方向の平均径およびシート状集電体の表面に形成される凹部の平均径は、ともに50μmであった。そして、正極板X5を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例9の電池C2を作製した。
[実施例10]
正極板を作製する第2の工程において、正極合剤ペーストの混合に用いるNMPを100mlとし、乾燥温度を90℃としたこと以外は正極板X1と同様にして、正極板X6を作製した。
この正極板X6では、シート状集電体の表面に海島状に分布した凹部が形成され、この凹部の上部に位置する合剤層の密度が、凹部の上部以外の合剤層の密度よりも高くなっていた。なお、このシート状集電体の表面の凹部の上部に位置する合剤層の水平方向の平均径およびシート状集電体の表面に形成される凹部の平均径は、ともに800μmであった。そして、正極板X6を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例10の電池C3を作製した。
[実施例11]
正極板を作製する第2の工程において、正極合剤ペーストの混合に用いるNMPを80mlとし、乾燥温度を85℃としたこと以外は正極板X1と同様にして、正極板X7を作製した。
この正極板X7では、シート状集電体の表面に海島状に分布した凹部が形成され、この凹部の上部に位置する合剤層の密度が、凹部の上部以外の合剤層の密度よりも高くなっていた。なお、このシート状集電体の表面の凹部の上部に位置する合剤層の水平方向の平均径およびシート状集電体の表面に形成される凹部の平均径は、ともに1000μmであった。そして、正極板X7を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例11の電池C4を作製した。
[実施例12]
負極板を作製する第2の工程において、負極合剤ペーストの混合に用いるNMPを400mlとし、乾燥温度を100℃としたこと以外は負極板Y1と同様にして、負極板Y4を作製した。
この負極板Y4では、シート状集電体の表面に海島状に分布した凹部が形成され、この凹部の上部に位置する合剤層の密度が、凹部の上部以外の合剤層の密度よりも高くなっていた。なお、このシート状集電体の表面の凹部の上部に位置する合剤層の水平方向の平均径およびシート状集電体の表面に形成される凹部の平均径は、ともに30μmであった。そして、負極板Y4を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例12の電池C5を作製した。
[実施例13]
負極板を作製する第2の工程において、負極合剤ペーストの混合に用いるNMPを300mlとし、乾燥温度を95℃としたこと以外は負極板Y1と同様にして、負極板Y5を作製した。
この負極板Y5では、シート状集電体の表面に海島状に分布した凹部が形成され、この凹部の上部に位置する合剤層の密度が、凹部の上部以外の合剤層の密度よりも高くなっていた。なお、このシート状集電体の表面の凹部の上部に位置する合剤層の水平方向の平均径およびシート状集電体の表面に形成される凹部の平均径は、ともに50μmであった。そして、負極板Y5を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例13の電池C6を作製した。
[実施例14]
負極板を作製する第2の工程において、負極合剤ペーストの混合に用いるNMPを100mlとし、乾燥温度を85℃としたこと以外は負極板Y1と同様にして、負極板Y6を作製した。
この負極板Y6では、シート状集電体の表面に海島状に分布した凹部が形成され、この凹部の上部に位置する合剤層の密度が、凹部の上部以外の合剤層の密度よりも高くなっていた。なお、このシート状集電体の表面の凹部の上部に位置する合剤層の水平方向の平均径およびシート状集電体の表面に形成される凹部の平均径は、ともに800μmであった。そして、負極板Y6を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例14の電池C7を作製した。
[実施例15]
負極板を作製する第2の工程において、負極合剤ペーストの混合に用いるNMPを80mlとし、乾燥温度を80℃としたこと以外は負極板Y1と同様にして、負極板Y7を作製した。
この負極板Y7では、シート状集電体の表面に海島状に分布した凹部が形成され、この凹部の上部に位置する合剤層の密度が、凹部の上部以外の合剤層の密度よりも高くなっていた。なお、このシート状集電体の表面の凹部の上部に位置する合剤層の水平方向の平均径およびシート状集電体の表面に形成される凹部の平均径は、ともに1000μmであった。そして、負極板Y7を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例15の電池C8を作製した。
実施例8〜15の電池C1〜C8に用いた正極板および負極板を表2にまとめた。なお、表2には比較のため、実施例1の電池A1も示した。
Figure 2010250994
実施例8〜15の電池C1〜C8についても、実施例1の電池と同様の条件で特性測定をおこなった。その結果を表3にまとめた。
Figure 2010250994
表3から、正極板および負極板のシート状集電体表面に存在する凹部の平均径が50〜800μmの範囲にある実施例1、9、10、13、14の電池の特性は、凹部の平均径がこの範囲外にある実施例8、11、12、15の電池よりも優れていることがわかった。
[実施例16〜23]
[実施例16]
正極板を作製する第2の工程において、正極合剤ペーストの塗布厚みを10μmとし、乾燥温度を80℃としたこと以外は正極板X1と同様にして、正極板X8を作製した。正極板X8ではシート状集電体表面に占める凹部の面積が10%となった以外は正極板X1と同じものが得られた。そして、正極板X8を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例16の電池D1を作製した。
[実施例17]
正極板を作製する第2の工程において、正極合剤ペーストの塗布厚みを15μmとし、乾燥温度を90℃としたこと以外は正極板X1と同様にして、正極板X9を作製した。正極板X9ではシート状集電体表面に占める凹部の面積が30%となった以外は正極板X1と同じものが得られた。そして、正極板X9を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例17の電池D2を作製した。
[実施例18]
正極板を作製する第2の工程において、正極合剤ペーストの塗布厚みを25μmとし、乾燥温度を110℃としたこと以外は正極板X1と同様にして、正極板X10を作製した。正極板X10ではシート状集電体表面に占める凹部の面積が70%となった以外は正極板X1と同じものが得られた。そして、正極板X10を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例18の電池D3を作製した。
[実施例19]
正極板を作製する第2の工程において、正極合剤ペーストの塗布厚みを30μmとし、乾燥温度を120℃としたこと以外は正極板X1と同様にして、正極板X11を作製した。正極板X11ではシート状集電体表面に占める凹部の面積が90%となった以外は正極板X1と同じものが得られた。そして、正極板X11を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例19の電池D4を作製した。
[実施例20]
負極板を作製する第2の工程において、負極合剤ペーストの塗布厚みを10μmとし、乾燥温度を80℃としたこと以外は負極板Y1と同様にして、負極板Y8を作製した。この負極板Y8ではシート状集電体表面に占める凹部の面積が10%となった以外は負極板Y1と同じものが得られた。そして、負極板Y8用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例20の電池D5を作製した。
[実施例21]
負極板を作製する第2の工程において、負極合剤ペーストの塗布厚みを15μmとし、乾燥温度を85℃としたこと以外は負極板Y1と同様にして、負極板9を作製した。この負極板Y9ではシート状集電体表面に占める凹部の面積が30%となった以外は負極板Y1と同じものが得られた。そして、負極板Y9用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例21の電池D6を作製した。
[実施例22]
負極板を作製する第2の工程において、負極合剤ペーストの塗布厚みを25μmとし、乾燥温度を95℃としたこと以外は負極板Y1と同様にして、負極板10を作製した。この負極板Y10ではシート状集電体表面に占める凹部の面積が70%となった以外は負極板Y1と同じものが得られた。そして、負極板Y10用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例22の電池D7を作製した。
[実施例23]
負極板を作製する第2の工程において、負極合剤ペーストの塗布厚みを30μmとし、乾燥温度を100℃としたこと以外は負極板Y1と同様にして、負極板11を作製した。この負極板Y11ではシート状集電体表面に占める凹部の面積が90%となった以外は負極板Y1と同じものが得られた。そして、負極板Y11用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例23の電池D8を作製した。
実施例16〜23の電池D1〜D8に用いた正極板および負極板を表4にまとめた。なお、表4には比較のため、実施例1の電池A1も示した。
Figure 2010250994
実施例16〜23の電池D1〜D8についても、実施例1の電池と同様の条件で特性測定をおこなった。その結果を表5にまとめた。
Figure 2010250994
表5から、正極板および負極板のシート状集電体表面に占める凹部の面積割合が30〜70%の範囲にある実施例1、17、18、21、22の電池の特性は、面積割合がこの範囲外の実施例16、19、20、23の電池よりも優れていることがわかった。
[実施例24〜27]
[実施例24]
正極板を作製する第2の工程において、正極合剤ペーストの塗布厚みを30μmとしたこと以外は正極板X1と同様にして、正極板X12を作製した。正極板X12ではシート状集電体表面に占める凹部の面積が70%となった以外は正極板X1と同じものが得られた。そして、正極板X12を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例24の電池E1を作製した。
[実施例25]
負極板を作製する第2の工程において、負極合剤ペーストの塗布厚みを30μmとしたこと以外は負極板Y1と同様にして、負極板Y12を作製した。この負極板Y12ではシート状集電体表面に占める凹部の面積が70%となった以外は負極板Y1と同じものが得られた。そして、負極板Y12用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例25の電池E2を作製した。
[実施例26]
正極板を作製する第2の工程において、正極合剤ペーストの塗布厚みを40μmとしたこと以外は正極板X1と同様にして、正極板X13を作製した。正極板X13ではシート状集電体表面に占める凹部の面積が90%となった以外は正極板X1と同じものが得られた。そして、正極板X13を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例26の電池E3を作製した。
[実施例27]
負極板を作製する第2の工程において、負極合剤ペーストの塗布厚みを40μmとしたこと以外は負極板Y1と同様にして、負極板Y13を作製した。この負極板Y13ではシート状集電体表面に占める凹部の面積が90%となった以外は負極板Y1と同じものが得られた。そして、負極板Y13用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例27の電池E4を作製した。
実施例24〜27の電池E1〜E4についても、実施例1の電池と同様の条件で特性測定をおこなった。その結果を表6にまとめた。
Figure 2010250994
表6から、第2の工程において、合剤ペーストの塗布厚みを40μmとした極板を用いた実施例26の電池E3および実施例27の電池E4では、容量保持率がやや小さく、内部抵抗増加率もやや大きくなり、サイクル特性がやや悪くなることがわかった。
[実施例28〜35]
[実施例28]
第1合剤層および第2合剤層に用いる正極活物質をLiMnとし、第1合剤層の厚さを119μmとした正極板X14を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例28の電池F1を作製した。
[実施例29]
第1合剤層および第2合剤層に用いる正極活物質をLiNi1/3Co1/3Mn1/3とし、第1合剤層の厚さを48μmとした正極板X15を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例29の電池F2を作製した。
[実施例30]
第1合剤層に用いる正極活物質をLiCoOとし、第2合剤層に用いる正極活物質をLiMnとした正極板X16を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例30の電池F3を作製した。
[実施例31]
第1合剤層に用いる正極活物質をLiCoOとし、第2合剤層に用いる正極活物質をLiNi1/3Co1/3Mn1/3とした正極板X17を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例31の電池F4を作製した。
[実施例32]
第1合剤層および第2合剤層に用いる負極活物質をソフトカーボン(SC)とし、第1合剤層の厚さを107μmとした負極板Y14を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例32の電池F5を作製した。
[実施例33]
第1合剤層および第2合剤層に用いる負極活物質をハードカーボン(HC)とし、第1合剤層の厚さを96μmとした負極板Y15を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例33の電池F6を作製した。
[実施例34]
第1合剤層に用いる負極活物質をグラフアイト(Gr)とし、第2合剤層に用いる負極活物質をソフトカーボン(SC)とした負極板Y16を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例34の電池F7を作製した。
[実施例35]
第1合剤層に用いる負極活物質をグラフアイト(Gr)とし、第2合剤層に用いる負極活物質をハードカーボン(HC)とした負極板Y17を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例35の電池F8を作製した。
実施例28〜35の電池F1〜F8に用いた正極板および負極板を表7にまとめた。なお、表7には比較のため、実施例1の電池A1も示した。
Figure 2010250994
実施例28〜35の電池F1〜F8についても、実施例1の電池と同様の条件で特性測定をおこなった。その結果を表8にまとめた。
Figure 2010250994
表8から、実施例28〜35の電池F1〜F8の特性は、実施例1の電池A1の特性と同様に、良好な容量保持率および内部抵抗増加率を示すことがわかった。すなわち、正極板および負極板とも、第1合剤層および第2合剤層に用いる活物質を変えた場合でも、優れた充放電サイクル特性が得られることがわかった。
本発明のシート状電極の平面図。 図1のシート状電極のA−A’断面図。 シート状電極の斜視図。 シート状電極の製造工程の一例を示す図。 シート状電極の製造工程の他の例を示す図。 非水電解質二次電池に用いた電極群の外観。 非水電解質二次電池の外観。
1:合剤層
2:シート状集電体
5:集電体表面に形成された凹部
6:凹部の上部に位置する合剤層
7:凹部の上部以外の合剤層
8:凹部を囲むシート状集電体の表面に垂直な面
9:合剤層
10:粒子
11:第1合剤層
12:第2合剤層
13:合剤層表面の凸部
21:非水電解質二次電池
22:電極群
22a:正極板
22b:負極板

Claims (2)

  1. 正極と負極の少なくとも一方に、活物質を含む合剤層をシート状集電体上に保持したシート状電極を備えた電池において、前記シート状集電体の表面に凹部が存在し、前記凹部の上部に位置する合剤層の密度が、前記凹部の上部以外の合剤層の密度よりも大きいことを特徴とする電池。
  2. 合剤層表面に凸部を形成する工程と、前記凸部と前記合剤層とを同時に加圧する工程とを経ることを特徴とする請求項1に記載の電池の製造方法。
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