JP2005103706A - 切削工具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 工具本体が後部側本体部111と前部側本体部112とが軸方向に分割形成される。前部側本体部112には取付孔13が設けられ、後部側本体部111には把持部及びアーバが設けられる。前部側本体部112のフランジ30に円柱状の凸31が軸線に沿い突設され、後部側本体部111の先端面に凸31と対応する形状に凹ませて形成された凹32が設けられ、両者が嵌合する。工具本体は、後部側本体部111と前部側本体部112間を軸芯上に一致させるため、スラスト方向調整部34及びラジアル方向調整部40を有する芯出し機構を備える。
【選択図】 図2
Description
この切削工具は、軸線回りに回転される工具本体の先端面に穿設された取付孔に、長尺の略円柱状をなす穴加工工具としてのリーマが軸線と同軸に装着されたものであり、更に、工具本体の先端部外周には、軸線に対して傾斜する切刃が設けられたものである。工具本体は、多段円柱状をなしている。
支持手段は、複数の調整ネジとクランプネジとからなり、リーマが工具本体の取付孔に挿入されたとき、調整ネジで径方向にそれぞれリーマを締め付けて該リーマの先端の振れ出しを調整すると共に、クランプネジで締め付け固定するようになっている。
しかしながら、工具本体が多段円柱状をなす一体品であって、その先端面にリーマの長さに対応する取付孔が設けられているので、工具本体自体と、これに対して設けられた取付孔との同芯度が芳しくなく、そのため、工具本体と取付孔との精度をより高めることが困難で、リーマの加工精度が低下する問題があった。
一方、工具本体に対するリーマの先端の振れ出しを調整するためクランプネジ及び調整ネジからなる支持手段が設けられているものの、取付孔とリーマとが同径であるので、上記各ネジによる締め付け力を調整しても、その調整量が極めて微小な範囲であって調整しにくく、その上、その調整時間がかかり過ぎるばかりでなく、調整がある一定の範囲を越えてしまうと、上述のように略同径であることから、調整することができなくなるという問題があった。
請求項1に係る発明は、軸線回りに回転される工具本体と、該工具本体の先端面に軸線に沿って設けられた取付孔と、工具本体の取付孔に装着される長尺状の穴加工工具とを備えた切削工具において、前記工具本体は、軸方向に沿い後部側本体部と前部側本体部とに分割形成されると共に、後部側本体部と前部側本体部とが互いに嵌合したとき、相対的に前記軸線に一致される芯出し機構を備えていることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1記載の切削工具において、前記後部側本体部に把持部及びアーバが設けられ、前記前部側本体部に前記取付孔が設けられていることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2記載の切削工具において、前記芯出し機構は、後部側本体部と前部側本体部とを互いに軸線方向に調整するスラスト方向調整部を備えていることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1から3のいずれか記載の切削工具において、前記芯出し機構は、後部側本体部と前部側本体部を相対的に径方向に調整するラジアル方向調整部を有することを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1から4のいずれか記載の切削工具において、前記工具本体の先端部に、前記穴加工工具の先端の振れ出しを調整する調整ネジが径方向に設けられる一方、前記取付孔に穴加工工具との間で隙間を発生させる調整代が設けられることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項5記載の切削工具において、前記調整代は、前記取付孔の穴加工工具と対応する周面に凹んで形成された凹み溝であることを特徴とする。
また、工具本体が後部側本体部と前部側本体部とに分割されていると、後部側本体部が損傷しても、それを交換することで容易に対処することができ、工具本体を新たに用いることが不要になる効果が得られる。
図1に示す切削工具10は、工具本体11が軸線Oを中心として外形略多段円柱状をなしている。この工具本体11の先端部が軸線Oを中心として先端側に向かうに従い漸次縮径する略円錐台状に形成される一方、外周部後端側には当該工具本体11を図示しない工作機械のATC(自動工具交換装置)のアームによって把持するための把持部11Aが形成され、また、後端部が工具本体11をマシニングセンタ等の工作機械の駆動軸に取り付けるためのアーバ11Bとされている。
また、工具本体11の先端面11Cには軸線Oに沿って取付孔13が形成されていて、この取付孔13に長尺状をなす穴加工工具としてのリーマ14が支持手段(符示せず)によって支持されている。リーマ14は、略円柱状であって、そのシャンク部15の先端部に切刃部16が形成されている。この切刃部16は詳細に図示していないが、リーマ14の先端から後端側に向けて断面V字状をなす複数の条溝が周方向に等間隔に設けられている。上記支持手段は、工具本体11の先端側に径方向に沿って設けられ、リーマ14の先端の振れ出しを調整する複数の調整ネジ19と、調整ネジ19によって調整されたリーマ14を固定するクランプネジ17とを有している。更に、工具本体11には、加工時、リーマ14及びスローアウェイチップの切刃12に切削油を供給するクーラント孔18が設けられている。
なお、図1において、符号20はリーマ14の突き出し量を調整する中空の調整ネジであり、符号22はクーラント孔18からスローアウェイチップの切刃に切削油を導く切刃用供給孔22である。但し、クーラント孔18からリーマ14に切削油を導く供給孔が図示省略されている。符号25は切刃用供給孔22の埋め栓である。
即ち、前部側本体部112には取付孔13が設けられてあって、取付孔13に装着されたリーマ14が支持手段によって支持されるようにする一方、後部側本体部111には把持部11A及びアーバ11Bが設けられてあって、工作機械のATCに把持されてマシニングセンタ等の工作機械によって回転駆動されるようになっている。
そして、図1に示すように、前部側本体部112の凸31が後部側本体部111の凹32に嵌合されたとき、調整ボルト42が回転操作によって求心方向に前進したりその逆に後退したりすると、凹32内における凸31の位置が微妙に調整されることで、後部側本体部111と前部側本体部112とを相対的に径方向に調整できるようになっている。
まず、工具本体11の使用に際しては、工具本体11の分割されている後部側本体部111と前部側本体部112とを結合させる。その際、後部側本体部111に設けられている凹部32に前部側本体部112に設けられている凸部31を嵌め込むと、図4に示すように、後部側本体部111の中心軸Aに対し前部側本体部112の中心軸Bが鎖線のようなくの字状にずれている場合がある。
しかも、後部側本体部111に把持部11A及びアーバ11Bが設けられ、前部側本体部112に取付孔13が設けられているので、後部側本体部111を取り付ける工作機械としての駆動側と、取付孔13に装着されるリーマ14間の同芯度が確実に高められ、高精度な加工を確実に実現でき、また工作機械に対する後部側本体部111の形状を変更できることで、工作機械に対する取付方法を種々選定できる。
図6において、切削工具10の工具本体11には、取付孔13に装着されるリーマ14の先端の振れ出しを調整する調整ネジ19が設けられている。調整ネジ19は、工具本体11(前部側本体部112)の先端部の外周に径方向に沿って複数螺着され、操作されることで取付孔13に対して進退できるようになっている。
取付孔13には、上記調整ネジ19と対応する位置に調整代50が設けられている。この調整代50は、取付孔13の調整ネジと対応する周面が、例えば0.01〜0.1程度の深さΔで外周方向に凹んで形成された凹み溝をなしており、取付孔13に装着されるリーマ14との間で深さΔに相当する隙間が存在するようにしている。
しかも、調整代50は、取付孔13において、調整ネジ19と対応する内面が外方に凹んで形成された凹み溝、つまり、取付孔13の内径が局所的に大きく形成されただけの簡単な構造とするだけでよいので、特殊な部品を用いることなく良好に実現することができる。図6において、図1〜図3と同一部分には同一符号を付している。
11 工具本体
111 後部側本体部
112 前部側本体部
13 取付孔
14 リーマ(穴加工工具)
19 調整ネジ
31 凸
32 凹
33 芯出し機構
34 スラスト方向調整部
40 ラジアル方向調整部
50 調整代(凹み溝)
Claims (6)
- 軸線回りに回転される工具本体と、該工具本体の先端面に軸線に沿って設けられた取付孔と、工具本体の取付孔に装着される長尺状の穴加工工具とを備えた切削工具において、
前記工具本体は、軸方向に沿い後部側本体部と前部側本体部とに分割形成されると共に、後部側本体部と前部側本体部とが互いに嵌合したとき、相対的に前記軸線に一致される芯出し機構を備えていることを特徴とする切削工具。 - 請求項1記載の切削工具において、
前記後部側本体部に把持部及びアーバが設けられ、前記前部側本体部に前記取付孔が設けられていることを特徴とする切削工具。 - 請求項1又は2記載の切削工具において、
前記芯出し機構は、後部側本体部と前部側本体部とを互いに軸線方向に調整するスラスト方向調整部を備えていることを特徴とする切削工具。 - 請求項1から3のいずれか記載の切削工具において、
前記芯出し機構は、後部側本体部と前部側本体部を相対的に径方向に調整するラジアル方向調整部を有することを特徴とする切削工具。 - 請求項1から4のいずれか記載の切削工具において、
前記工具本体の先端部に、前記穴加工工具の先端の振れ出しを調整する調整ネジが径方向に設けられる一方、前記取付孔に穴加工工具との間で隙間を発生させる調整代が設けられることを特徴とする切削工具。 - 請求項5記載の切削工具において、
前記調整代は、前記取付孔の前記穴加工工具と対応する周面に凹んで形成された凹み溝であることを特徴とする切削工具。
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