JP5266684B2 - 切削工具 - Google Patents

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本発明は、下穴に予め形成された下穴の内壁面を所定の内径に切削加工する際に使用されるボーリングバー等の切削工具に関する。
近年、エンジンのシリンダーボアの加工等に用いられる切削工具として、例えば、特許文献1に示されるような、切刃を有するインサートを工具本体の先端部外周に着脱可能に装着したものが知られている。
上記の切削工具は、アダプタ等を介して工具本体が工作機械の主端軸に取り付けられ、工具本体の軸線回りに高速回転されるとともに、工具本体の軸線方向に送りを与えられ、被切削材に予め設けられた下穴に挿入され、工具本体の先端部に工具径方向外側に向かって突出するように設けられた切刃によって下穴の内壁面を切削加工し、所定の内径の加工穴を形成するものである。
この切削工具では、先端部に設けられたインサートの切刃による下穴の内壁面の切削加工を高精度に行うためには、切刃の工具本体径方向の位置調整を行って、切刃の突出量を加工対象となる下穴に適したものに設定する必要がある。また、切刃は、使用初期段階での磨耗量が大きく、切削工具の使用途中で切刃の工具本体径方向の位置が変化していくため、磨耗した分を補うべく工具本体径方向の位置の微調整を施す必要がある場合もある。さらに、通常は周方向に間隔を空けて複数の切刃が設けられており、それら複数の切刃の工具本体径方向の位置を等しくするために調整を施す必要もある。
そこで、図6に示すように、径方向調整クサビ2を設けて切刃4の工具本体径方向の突出量の調整を図る切削工具が提供されている。これは、軸線O回りに回転される長尺円柱状の工具本体1の先端外周に、工具本体1の工具先端面及び工具外周側面に開口する凹溝3が周方向に等しい間隔を空けて複数形成されており、切刃4を備えたインサート5を装着したカートリッジ6が、これら凹溝3の工具回転方向T前方を向く面7にその底面8を当接させて、インサート5の切刃4を工具径方向外側に突き出させるようにして取り付けられたものである。
そして、この切削工具においては、カートリッジ6に装着されたインサート5の切刃4における工具径方向の突出量、すなわち切刃4の振れを調整するための調整機構として、カートリッジ6の工具径方向内側を向く面9を押圧する径方向調整クサビ2が、凹溝3の工具径方向内側に挿入されている。この径方向調整クサビ2の軸線O方向の変位を調整することによって、径方向調整クサビ2がカートリッジ6の工具径方向内側を向く面9を押圧し、カートリッジ6が弾性変形することによって、インサート5の切刃4の工具径方向の突出量が調整される。
特開2003−266216号公報
ところで、上記の切削工具において切刃の径方向の突出量の調整を行う際には、カートリッジは凹溝の工具回転方向前方を向く当接面に該カートリッジの底面が当接するように固定されているが、径方向調整クサビによりカートリッジが径方向外側に向かって前記当接面に沿うように直線的に押圧されているため、場合によってはこのカートリッジの弾性変形によって、カートリッジの底面と凹溝の当接面との間に隙間が発生してしまうことがあった。
このカートリッジの底面と凹溝の当接面が密着している場合には該カートリッジは切削抵抗が作用する方向に固定されるため、切刃の位置を安定させて精度を高くして切削加工を行うことができるが、上記のように隙間が発生した場合には、切刃の位置が安定せず振動が発生し、加工精度の低下を招いてしまうという問題があった。また、隙間が空いた状態で切刃の突出量が調整されると、切削抵抗によってカートリッジの底面と凹溝の当接面が密着した状態では突出量が変化してしまい、これによって加工精度が低下することになる。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、切刃の工具径方向の突出量を調整する際に、切刃を備えたカートリッジと、該カートリッジを切削抵抗が作用する方向に固定する工具本体の凹溝の工具回転方向前方を向く当接面との間に隙間が発生することを防止して、加工精度を高くして切削加工を行うことができる切削工具の提供を目的とする。
前記課題を解決するため、この発明は以下の手段を提案している。
即ち、本発明に係る切削工具は、被切削材に予め形成された下穴に挿入され、この下穴の内壁面を切削加工して所定の内径の加工穴を形成する切削工具であって、軸線回りに回転される略円柱状の工具本体を有し、該工具本体の先端外周に、工具先端面と工具外周側面に向けて開口された凹溝が周方向に間隔を空けて複数形成されており、これら複数の凹溝に、一面に工具径方向外側に突出する切刃を備えたカートリッジが、前記一面と対向する底面を該凹溝の工具回転方向前方を向く当接面に当接するようにして取り付けられるとともに、前記カートリッジの工具径方向内側を向く面には、前記軸線に直交する断面において前記底面と鋭角に交差するように傾斜する被押圧面が形成され、前記凹溝の工具径方向内側には、前記工具本体の先端部が断面円形の穴状に切り欠かれて形成された切欠部が設けられ、この切欠部の底部には、クサビ取付ネジ孔が、前記円形の中心から工具径方向内側に偏った位置に形成され、該切欠部には、前記被押圧面に当接して前記カートリッジを押圧する径方向調整クサビが挿入され、この径方向調整クサビは、正面視にて円形の一部が直線状に切除された円柱形状をなしており、その内部には、該径方向調整クサビを前記工具本体の前記切欠部に取り付けるためのクサビ取付ネジが挿通されるクサビ挿通孔が、正面視における前記円形の中心から、切除された直線とは反対側に偏った位置に設けられ、前記正面視にて直線状とされた該径方向調整クサビの面は、工具回転方向へ向かうに従い工具径方向外側へ向かうとともに、工具先端方向に向かうに従って工具径方向外側へ向かうように傾斜する押圧面とされ、前記クサビ挿通孔に挿通された前記クサビ取付ネジが前記クサビ取付ネジ孔にねじ込まれることによって、前記径方向調整クサビの前記押圧面が前記カートリッジの前記被押圧面を押圧して前記切刃の工具径方向の突出量を調整することを特徴としている。
このような構成の切削工具では、カートリッジの被押圧面が該カートリッジの底面に対して鋭角の傾斜面とされており、この被押圧面が径方向調整クサビによって押圧される。これにより、カートリッジが径方向外側に弾性変形し、該カートリッジに備えられた切刃の突出量を調整することができるとともに、カートリッジの底面に向かう分力が発生するため、カートリッジの底面と工具本体における凹溝の当接面とが密着させられる。従って、カートリッジが工具本体に対して切削抵抗が働く方向に固定されるため、切刃の位置を安定させて切削加工を行うことか可能となる。またこのように、カートリッジの底面と工具本体における凹溝の当接面を密着させた状態で切刃の突出量が調整されるため、より正確に該切刃の突出量の調整を行うことが可能となる。
さらに、径方向調整クサビがカートリッジの被押圧面を押圧する押圧力は、被押圧面の傾斜角度に応じて、径方向外側に向けての力とカートリッジの底面に向けての力とに一定の割合で二分されるため、径方向外側に向けての力が大きくなるにつれてカートリッジ底面に向けての力も大きくなる。従って、切刃の径方向の突出量を調整する際に、径方向調整クサビがカートリッジを径方向外側に向けて押圧する力が大きくなり、カートリッジに弾性変形が生じた場合であっても、カートリッジの底面に向けての力は工具径方向外側に向けて押圧する力に対応して大きくなっているため、カートリッジの底面と凹溝の当接面とを強固に密着させ、これらに隙間が発生することを確実に防止することが可能となる。
また、本発明に係る切削工具においては、前記径方向調整クサビが、前記被押圧面と等しい角度で傾斜し前記被押圧面を垂直に押圧する押圧面を備えていることを特徴としている。
カートリッジと径方向調整クサビが等しい傾斜角の被押圧面及び押圧面を備えており、この押圧面が被押圧面を垂直に押圧する構成とすることによって、径方向調整クサビのより少ない移動量でカートリッジの切刃の突出量を有効に調整することができる。
また、本発明に係る切削工具は、前記軸線に垂直な断面において、前記底面に垂直な直線に対する前記被押圧面の傾斜角θが、0°<θ≦30°の範囲に設定されていることが好ましい。これによって、より一層確実に、カートリッジを工具径方向外側かつ該カートリッジの底面に向かって押圧することができ、カートリッジの底面と工具本体の凹溝の当接面とを強固に密着させて隙間の発生を防止することができる。
本発明によれば、径方向調整クサビが、切刃を備えたカートリッジを工具径方向外側かつ該カートリッジの底面に向けて押圧することによって、切刃の工具径方向の突出量を調整する際に、該カートリッジと、該カートリッジを切削抵抗が作用する方向に固定する工具本体の凹溝の当接面との間に隙間が発生することを防止することができ、加工精度を高くして切削加工を行うことが可能となる。
以下、本発明の切削工具の実施形態であるボーリングバーについて、図1から図5を用いて説明する。図1は本発明の実施形態であるボーリングバーを示す一部を破断した縦断面図、図2は本発明の実施形態であるボーリングバーの正面図、図3は図2におけるX−X線図、図4は図1の部分拡大図、図5は図2の部分拡大図である。図1に示すように、本実施の形態であるボーリングバー10は、工具本体20と、ガイドパッド30と、カートリッジ40と、軸方向調整クサビ50と、径方向調整クサビ60とから構成されている。
工具本体20は、図1に示すように、例えば鋼材等から構成された軸線Oを中心として形成された長尺円柱状の形状を有しており、工具後端側(図2において右側)には、後端面が軸線Oに沿って凹んで形成された、図示しない工作機械等を取り付けるための取付穴21が形成されている。また、工具本体20の内部には、軸線Oに沿って延びるクーラント供給孔22が穿設されており、該クーラント供給孔22の一端は取付穴21に開口されている。また、クーラント供給孔22の先端部から、後述する複数設けられた凹溝25のそれぞれに向かってクーラント供給路23が形成されている。
また、工具本体20の外周には、ガイドパッド30を取り付けるためのパッド取付部24が、図3に示すように円周方向に等間隔で複数(本実施形態においては6つ)設けられており、該パッド取付部24は、工具本体20がその断面において外周側から工具径方向内側に向かってコの字状に切り欠かれ、これが軸線Oに平行に延びるようにして形成されている。
さらに、工具本体20の先端部外周には、工具先端面と工具外周側面に向けて開口し、これが工具後端側に向けて一定距離延びるようにして形成された凹溝25が、円周方向に等間隔を空けて複数(本実施形態においては6つ)形成されている。
該凹溝25は、軸線Oに垂直な断面においてコの字状の形状を有しており、その工具径方向外側を向く面には、後述するカートリッジ40を固定するためのカートリッジ取付ネジ孔26aが形成されたカートリッジ取付座26が形成されており、図2に示すように、この工具径方向外側を向く面におけるカートリッジ取付座26よりも工具回転方向T前方側の部分に前述のクーラント供給路23の開口部23aが形成されている。また、凹溝25の工具回転方向T前方を向く面は、後述するカートリッジ40の底面40aが当接する当接面27とされている。
また、詳しくは図4に示すように凹溝25の工具後端側には、工具本体20の外周が切り欠かれるようにして形成された、軸方向調整クサビ50を挿入するための第1切欠部28が設けられており、該第1切欠部28の底部にはクサビ取付ネジ孔28aが形成されている。そして、図2に示すように、凹溝25における取付座26の工具径方向内側には、工具本体20の先端部が断面略円形の穴状に切り欠かれて形成された、径方向調整クサビ60を挿入するための第2切欠部29が軸線Oに平行に設けられており、この第2切欠部29の底部にも、クサビ取付ネジ孔29aが、前記円形の中心から工具径方向内側に偏った位置に形成されている。
カートリッジ40は、略四角柱状の形状を有しており、その長手方向に延びる一面41の先端側には一段窪むようにしてインサート取り付け座42が形成され、このインサート取付座42が設けられた面41を工具回転方向T前方側に向けた状態で、カートリッジ取付座26と、当接面27とに密着させられて凹溝25に収容されている。なお、カートリッジ40における一面41に対向して、該当接面27に当接する面が、カートリッジ40の底面40aとされている。そして、カートリッジ40の工具径方向外側を向く面43に設けられたネジ挿入孔43aにカートリッジクランプネジ44を工具径方向内側に向けて挿入し、該カートリッジ取付座26に設けられたカートリッジ取付ネジ孔26aにねじ込むことによって、カートリッジ40が工具径方向内側に押圧されて凹溝25に取り付けられている。
また、このカートリッジ40の工具後端側を向く面45には、工具径方向外側へ向かうに従い工具先端方向へ向かうように傾斜する第1被押圧面45aが形成されている。さらに、カートリッジ40における凹溝25の取付座26に接する工具径方向内側を向く面46の先端部には、工具回転方向Tへ向かうに従い工具径方向外側へ向かうとともに、工具先端方向に向かうに従って工具径方向外側へ向かうように傾斜する第2被押圧面46aが形成されている。従って、この第2被押圧面46aは、図2に示すように、軸線Oに直交する断面においてカートリッジ40の底面40aと鋭角に交差するように傾斜している、
カートリッジ40のインサート取付座42に取り付けられるインサート47は、超硬合金等の硬質材料で構成され、正面視にて略正方形の平板状の形状を有しており、該インサート47の平面視中央部に挿通されたインサート取付ネジ47aによって、インサート取付座42に固定されている。その際、インサート47に設けられた切刃48が、該カートリッジ40の工具径方向外側を向く面43よりも工具径方向外側へ突出するように設けられている。
軸方向調整クサビ50は、鋼材等で構成され、その内部には、該軸方向調整クサビ50を工具本体20の第1切欠部28に取り付けるためのクサビ取付ネジ51が挿通されるクサビネジ挿通孔52が設けられている。また、この軸方向調整クサビ50が工具本体20の第1切欠部28に取り付けられた状態における該軸方向調整クサビ50の工具先端側を向く面は、工具径方向外側へ向かうに従い工具先端方向へ向かうように傾斜する押圧面53とされている。そして、クサビ取付ネジ51がクサビ取付ネジ孔28aに螺合して、工具径方向内側へ向かってねじ込まれることによって、軸方向調整クサビ50の押圧面53と、カートリッジ40の第1被押圧面45aとが当接されている。
径方向調整クサビ60は、鋼材等で構成されており、図2に示すように正面視にて円形の一部が直線状に切除された略円柱形状をしており、その内部には、該径方向調整クサビ60を工具本体20の第2切欠部29に取り付けるためのクサビ取付ネジ61が挿通されるクサビ挿通孔62が、正面視における前記円形の中心から、切除された直線に垂直にこの直線とは反対側に偏った位置に設けられている。また、正面視にて直線状とされた面は、工具回転方向Tへ向かうに従い工具径方向外側へ向かうとともに、工具先端方向に向かうに従って工具径方向外側へ向かうように傾斜する押圧面63とされている。そして、クサビ取付ネジ61がクサビ取付ネジ孔29aに螺合して、工具後端側へ向かってねじ込まれることによって、径方向調整クサビ60の押圧面63がカートリッジ40の第2被押圧面46aを軸線Oに直交する断面において垂直に押圧するようにして、径方向調整クサビ60がカートリッジ40に当接している。
なお、本実施形態においては、径方向調整クサビ60の押圧面63及びカートリッジ40の第2被押圧面46aは、図5に示すように、正面視、即ち軸線Oに垂直な断面におけるカートリッジ40の底面40aに垂直な直線lに対する被押圧面の傾斜角θが、0°<θ≦30°の範囲に設定されており、特に好ましくは例えばθ=15°となるように傾斜されている。
以上のような構成のボーリングバー10では、カートリッジ40に取り付けられたインサート47の切刃48の軸線O方向の位置調整は、軸方向調整クサビ50のクサビ取付ネジ51を工具径方向内側にねじ込んで、軸方向調整クサビ50を工具径方向内側に移動させることによって、軸方向調整クサビ50の押圧面53がカートリッジ40の第1被押圧面45aを押圧することにより行われる。従って、径方向調整クサビ60の工具径方向の位置を調整することによって、インサート47の切刃48の軸線O方向の位置を調整することが可能となる。これによって複数(本実施形態では6つ)設けられたインサート47の切刃48のそれぞれの軸線O方向の位置を一致させることができるため、各切刃48が均等に負担を強いられながら切削を行うことができるようになる。
また、カートリッジ40に取り付けられたインサート47の切刃48の工具径方向の位置調整、即ち、切刃48の振れの調整は、径方向調整クサビ60のクサビ取付ネジ61を工具後端側に向かってねじ込んで、径方向調整クサビ60を工具後端側に移動させることによって、径方向調整クサビ60の押圧面63がカートリッジ40の第2被押圧面46aを押圧することにより行われる。これによって、カートリッジ40が工具径方向外側に弾性変形し、カートリッジ40に備えられた切刃48の径方向の突出量が調整される。
そして、カートリッジ40の第2被押圧面46aは、軸線Oに直交する断面において該カートリッジ40の底面40aに鋭角に交差するように形成されているため、径方向調整クサビ60が第2被押圧面46aを押圧する際には、カートリッジ40の底面40aに向かう分力が発生する。これによりカートリッジ40の底面40aと、工具本体20における凹溝25の当接面27とが密着させられるため、カートリッジ40が工具本体20に対して切削抵抗が働く方向に固定され、切刃48の位置を安定させて、精度を高くして切削加工を行うことが可能となる。
またこのように、カートリッジ40の底面40aと工具本体20における凹溝25の当接面27とを密着させた状態で切刃の突出量が調整されるため、より正確に該切刃の突出量の調整を行うことが可能となる。
さらに、径方向調整クサビ60がカートリッジ40の第2被押圧面46aを押圧する押圧力は、第2被押圧面46aの傾斜角度θに応じて、径方向外側に向けての力とカートリッジ40の底面40aに向けての力とに一定の割合で二分されるため、径方向外側に向けての力が大きくなるにつれてカートリッジ40の底面40aに向けての力も大きくなる。従って、切刃48の径方向の突出量を調整する際に、径方向調整クサビ60がカートリッジ40を径方向外側に向けて押圧する力が大きくなり、カートリッジ40に弾性変形が生じた場合であっても、カートリッジ40の底面に向けての力は工具径方向外側に向けて押圧する力に対応して大きくなっているため、カートリッジ40の底面40aと工具本体20の凹溝25の当接面27とを強固に密着させ、これらに隙間が発生することを確実に防止することが可能となる。
また、前記径方向調整クサビ60の押圧面63はカートリッジ40の第2被押圧面46aに、該第2被押圧面46aを垂直に押圧するように当接されているため、径方向調整クサビ60のより少ない移動量でカートリッジ40の切刃48の突出量を有効に調整することができるようになっている。
さらに、軸線Oに垂直な断面において、カートリッジ40の底面40aに垂直な直線に対する第2被押圧面46aの傾斜角θが、0°<θ≦30°の範囲に設定されており、好ましくは15°に設定されているため、より一層確実に、カートリッジ40を工具径方向外側かつ該カートリッジ40の底面に向かって押圧することができ、カートリッジ40の底面40aと工具本体20の凹溝25の当接面27とを強固に密着させて隙間の発生を防止することができる。
以上、本発明の切削工具の実施形態であるボーリングバーについて説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、前記実施形態では径方向調整クサビ60によりカートリッジ40の第2被押圧面46aを垂直に押圧しているが、当接面27に平行な方向等、第2被押圧面46aに斜交する方向に押圧してもよい。
本発明の実施形態であるボーリングバーを示す一部を破断した縦断面図である。 本発明の実施形態であるボーリングバーの正面図である。 図1におけるX−X線図である。 図1の部分拡大図である。 図2の部分拡大図である。 従来のボーリングバーの正面図である。
符号の説明
10 ボーリングバー
20 工具本体
25 凹溝
29 第2切欠部
27 当接面
40 カートリッジ
40a 底面
46a 第2被押圧面
48 切刃
60 径方向調整クサビ
63 押圧面
O 軸線
T 工具回転方向
l カートリッジの底面に垂直な直線
θ 傾斜角

Claims (3)

  1. 被切削材に予め形成された下穴に挿入され、この下穴の内壁面を切削加工して所定の内径の加工穴を形成する切削工具であって、
    軸線回りに回転される略円柱状の工具本体を有し、
    該工具本体の先端外周に、工具先端面と工具外周側面に向けて開口された凹溝が周方向に間隔を空けて複数形成されており、
    これら複数の凹溝に、一面に工具径方向外側に突出する切刃を備えたカートリッジが、前記一面と対向する底面を該凹溝の工具回転方向前方を向く当接面に当接するようにして取り付けられるとともに、
    前記カートリッジの工具径方向内側を向く面には、前記軸線に直交する断面において前記底面と鋭角に交差するように傾斜する被押圧面が形成され、
    前記凹溝の工具径方向内側には、前記工具本体の先端部が断面円形の穴状に切り欠かれて形成された切欠部が設けられ、
    この切欠部の底部には、クサビ取付ネジ孔が、前記円形の中心から工具径方向内側に偏った位置に形成され、
    該切欠部には、前記被押圧面に当接して前記カートリッジを押圧する径方向調整クサビが挿入され
    この径方向調整クサビは、正面視にて円形の一部が直線状に切除された円柱形状をなしており、その内部には、該径方向調整クサビを前記工具本体の前記切欠部に取り付けるためのクサビ取付ネジが挿通されるクサビ挿通孔が、正面視における前記円形の中心から、切除された直線とは反対側に偏った位置に設けられ、前記正面視にて直線状とされた該径方向調整クサビの面は、工具回転方向へ向かうに従い工具径方向外側へ向かうとともに、工具先端方向に向かうに従って工具径方向外側へ向かうように傾斜する押圧面とされ、
    前記クサビ挿通孔に挿通された前記クサビ取付ネジが前記クサビ取付ネジ孔にねじ込まれることによって、前記径方向調整クサビの前記押圧面が前記カートリッジの前記被押圧面を押圧して前記切刃の工具径方向の突出量を調整することを特徴とする切削工具。
  2. 前記径方向調整クサビが、前記被押圧面と等しい角度で傾斜し前記被押圧面を垂直に押圧する押圧面を備えていることを特徴とする請求項1に記載の切削工具。
  3. 前記軸線に垂直な断面において、前記底面に垂直な直線に対する前記被押圧面の傾斜角θが、0°<θ≦30°の範囲に設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の切削工具。
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