JP2007144598A - 切削工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】細径孔の加工を高精度に行うとともに、切削チップを交換自在とする。
【解決手段】切削工具10は、カッタ本体12と、溝部30に設けられる切削チップ14と、該切削チップ14を押圧固定する押圧ピース16と、該押圧ピース16を軸方向後方へ移動させるクランプスクリュー18とを有する。切削チップ14の時計方向の第1チップ側面14aは溝部30の第1溝側面31aに当接し、反時計方向の第2チップ側面14bは押圧ピース16の時計方向の第1ピース側面16aに当接する。押圧ピース16の反時計方向の第2ピース側面16bは溝部30の第2溝側面31bに当接する。第2チップ側面14bと第2溝側面31bとの間隔は軸方向後方に向かって暫減するように形成される。押圧ピース16は、クランプスクリュー18の作用下に後方へ移動することにより、楔作用によって切削チップ14を固定する。
【選択図】図1

Description

本発明は回転式の切削工具に関し、特に、カッタ本体に対して、切削チップが着脱自在である切削工具に関する。
エンジンにおけるバルブシート部の周縁形状を高精度に形成するためには、対応した形状の切削チップを用意し、該切削チップをカッタ本体に装着して用いてる。カッタ本体は、切削チップの他に回転手段に接続するための接続フランジや、オイル供給のための供給路等を有している。
切削チップは加工にともなって摩耗することから、交換可能であることが好ましく、特許文献1では、締め付けねじによってカッタ本体に直接的に固定する切削工具が提案されている。この切削工具における締め付けねじは、カッタ本体の軸方向と直角な方向に設けられている。
特開2003−136309号公報
前記の特許文献1の切削工具は、切削チップの側面に締め付けねじの頭部及びワッシャが着座するだけの面積がどうしても必要であり、小型化が困難である。また、カッタ本体についても、締め付けねじが螺合するねじ溝を軸方向と直角な方向に設ける必要があり、小径化することが難しい。したがって、このような切削工具では細径のバルブシート部等を加工することが困難である。このような背景から、細径のバルブシート部等を加工する場合には、専用の細いカッタ本体に対して所定の切削チップをろう付け等で固定して用いている。
しかしながら、切削チップをろう付けで固定してしまうと、摩耗しても交換することができず、カッタ本体とともに切削工具自体を廃棄することになり不経済である。
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、細径孔の加工を高精度に行うことができるとともに、切削チップが交換自在である切削工具を提供することを目的とする。
本発明に係る切削工具は、回転手段に接続されるカッタ本体と、前記カッタ本体に設けられ、周方向一方の第1スペース側面、及び周方向他方の第2スペース側面を備えるスペースと、前記スペースに設けられる切削チップと、前記スペースに設けられ、前記切削チップを押圧固定する押圧ピースと、前記押圧ピースを軸方向へ移動させるスライダとを有し、前記切削チップの周方向一方の第1チップ側面は、前記第1スペース側面に当接し、前記切削チップの周方向他方の第2チップ側面は、前記押圧ピースの周方向一方の第1ピース側面に当接し、前記押圧ピースの周方向他方の第2ピース側面は、前記第2スペース側面に当接し、前記第2チップ側面と前記第2スペース側面との間隔は、カッタ本体の軸方向に沿って暫減するように形成され、前記押圧ピースは、前記スライダの作用下に軸方向へ移動することにより、楔作用によって前記切削チップを第1スペース側面に押し付けて固定することを特徴とする。
このように、第2チップ側面と第2スペース側面との間隔を軸方向に沿って暫減するように形成し、この間に押圧ピースを摺動移動させて楔作用によって切削チップを固定することができる。また、スライダの作用によって押圧ピースを逆方向に移動させることにより切削チップが開放され、交換自在である。
切削チップをカッタ本体に接続する部位は、締め付けねじが不要であって、押圧ピースから力を受けるのに適した面積があれば足ることから、小型化が可能である。したがって、細径孔に適したサイズ、形状に設定することができ、高精度の加工が可能になる。
この場合、螺合により前記カッタ本体に対して軸方向に進退自在で、端部が前記切削チップに当接して軸方向の位置決めをするアジャストスクリューを有するとよい。切削チップはアジャストスクリューにより突き出し量を調整することができる。
本発明に係る切削工具によれば、第2チップ側面と第2スペース側面との間隔を軸方向に沿って暫減するように形成し、この間に押圧ピースを摺動移動させて楔作用によって切削チップを固定することができる。また、スライダの作用によって押圧ピースを逆方向に移動させることにより切削チップが開放され、交換自在であることから、切削チップが摩耗してもカッタ本体と分離して廃棄等の処理をすることができて経済的であり、資源の無駄がない。さらに、切削チップは、カッタ本体から分離することができるので研磨を容易に行うことができ、再利用が可能である。
さらにまた、切削チップをカッタ本体に接続する部位は、締め付けねじが不要であって、押圧ピースから力を受けるのに適した面積があれば足ることから、小型化が可能である。したがって、細径孔に適したサイズ、形状に設定することができ、高精度の加工が可能になる。
以下、本発明に係る切削工具について実施の形態を挙げ、添付の図1〜図13を参照しながら説明する。なお、以下の説明では、方向を特定するために、図1における矢印A1方向を前方、矢印A2方向を後方、矢印B1の周方向を時計方向(周方向一方)、矢印B2の周方向を反時計方向(周方向他方)と呼ぶ。
図1及び図2に示すように、本実施の形態に係る切削工具10は、カッタ本体12と、カッタ本体12に設けられた3つの切削チップ14と、該切削チップ14をそれぞれ押圧固定する押圧ピース16と、押圧ピース16を軸方向へ移動させるクランプスクリュー(スライダ)18と、各切削チップ14の軸方向の位置決めをするアジャストスクリュー20とを有する。切削チップ14は120°間隔で3箇所に設けられており、それぞれに対応して押圧ピース16、クランプスクリュー18及びアジャストスクリュー20が設けられている。切削チップ14及び押圧ピース16はカッタ本体12の側面に形成された溝部(スペース)30に設けられている。
切削チップ14は断面略正方形の長尺形状であって、先端の反時計方向の縁部の刃15がワークの切削に適した形状に研磨されている。押圧ピース16は、断面が略台形形状で、時計方向の第1ピース側面16aと、反時計方向の第2ピース側面16bと、溝部(スペース)30の底面に対面する下面16cと、該下面16cに開口するU字溝16dとを有する。第1ピース側面16a及び下面16cは平面であり、第2ピース側面16bはテーパ面である。すなわち、第2ピース側面16bは軸方向後方に向かって時計方向に寄るようにやや傾斜している。
クランプスクリュー18は、段付きの棒形状であって、前方から後方に向かって順にヘッド18aと、ピース取付部18bと、メインバー18cと、ねじ部18dとを有する。クランプスクリュー18の後端面には、六角レンチT(図5参照)等の工具を挿入可能な工具穴18eが設けられている。
ヘッド18a及びメインバー18cは、押圧ピース16に当接する軸方向接触面110を平面とし(図4及び図5参照)、これに対して押圧ピース16の係合面112は平面である。
ピース取付部18bの径は押圧ピース16のU字溝16dの幅よりも幅狭に設定され、長さは押圧ピース16よりもやや長い。なお、後述するように、押圧ピース16は、クランプスクリュー18の作用下に移動する際に、クランプスクリュー18の延在方向に沿って移動するとともに、これと直交する方向へも変位することから、U字溝16dはこの変位を許容する余裕のある幅を有する(図6、図7参照)。
ヘッド18a及びメインバー18cは同径であって、U字溝16d幅よりもやや大径に設定されている。このような形状により、クランプスクリュー18のピース取付部18bはU字溝16dに嵌合し、クランプスクリュー18が後方に移動するときにはヘッド18aの後面が係合し、前方に移動するときにはメインバー18cの前面が係合し、押圧ピース16を軸方向前方又は後方へ移動させることができる。
アジャストスクリュー20は長尺形状であって、前方のプッシュロッド20aと、後方のねじ部20bとを有する。アジャストスクリュー20の後端面には、六角レンチ等の工具Tを挿入可能な工具穴20cが設けられている。
カッタ本体12は、大径のフランジ22と、該フランジ22から軸方向後方にやや突出した位置決め挿入部24と、軸方向前方に突出した略円柱状のチップ取付部26と、該チップ取付部26からさらに突出した小径の先端部28とを有する。先端部28は2段の段付き形状となっている。この形状は、カッタ本体12の製作上2段にしているが、必ずしも2段である必要はなく、3段以上でも段がなくてもよい。
フランジ22は、モータ等の回転手段(図示せず)に対する接続部であって、等間隔に設けられた複数の取付孔22aを有する。位置決め挿入部24はモータに対して正確に同軸となるように、モータ又は接続中継部材の一部に挿入される。チップ取付部26の前方部分は、後述するバルブシート104(図8参照)の径に応じて小径に設定されており、後方部分は後方に向かって次第に拡径してフランジ22に対して滑らかに接続されている。
チップ取付部26の側面には、切削チップ14が取り付けられる溝部30が120°配置で3箇所設けられている。溝部30はチップ取付部26の軸方向ほぼ全長にわたって設けられており、前方はチップ取付部26の前方端面26aに開口し、後方はフランジ22の前方端面22bの近傍まで延在している。溝部30の深さは切削チップ14の高さよりもやや浅く、切削チップ14はチップ取付部26の外面よりも径方向にやや突出している。切削チップ14は先端がチップ取付部26の前方端面26aよりも軸方向に突出していればよく、径方向には必ずしも突出している必要はなく、引き込まれていてもよい。また、溝部30の深さは押圧ピース16よりも深く、押圧ピース16はチップ取付部26から突出していない。さらに、溝部30の深さは前方端面26aの段差幅よりも僅かに深く、溝部30の底面32は先端部28の後方部分まで延在しており、平面を形成している。溝部30の後方近傍には操作性、視認性を確保するためのリセス33が設けられている。
溝部30の全長の略2/3長さの後方部30bは、切削チップ14と同幅であり、その他の略1/3長さの前方部30aは、切削チップ14と押圧ピース16が並列配置可能な幅となっている。一層詳細には、溝部30の時計方向の第1溝側面31aは、ほぼ全長にわたって軸方向に延在する単一平面として形成されており、切削チップ14の一方の第1チップ側面14aと接触する。溝部30の前方部30aにおける反時計方向の第2溝側面31bは、図3に示すように、押圧ピース16の第2ピース側面16bの形状に合わせて、表面側よりも奥の方が広いオーバハング形状となっている。このように、第2溝側面31bをオーバハング形状にすることによって、切削チップ14の未装着時においても、押圧ピース16が外径方向に抜け落ちることが防止でき、安定する。
また、第2溝側面31bは軸方向に向かって僅かに傾斜しており、該第2溝側面31bと、第2チップ側面14bとの間隔はカッタ本体12の軸方向後方に向かって暫減するように形成されている。また、該第2溝側面31bと第2チップ側面14bとの間は、押圧ピース16が軸方向に進退する通路部34を形成している。第2溝側面31bの傾斜角度は、前記の押圧ピース16の第2ピース側面16bの傾斜角度と等しい。
溝部30の後方部30bにおける反時計方向の第3溝側面31cは、第1溝側面31aと並行な面であり、第1溝側面31aとともに切削チップ14を進退自在に保持することができる。
図4に示すように、カッタ本体12は、クランプスクリュー18が挿入される第1スクリュー孔36と、アジャストスクリュー20が挿入される第2スクリュー孔38とを有する。第1スクリュー孔36はカッタ本体12の軸方向に延在しており、前方が通路部34の背面側の端面31dに開口し、後方がフランジ22の後面に開口して連通している。第1スクリュー孔36には、クランプスクリュー18のねじ部18dが螺合する雌ねじが設けられている。
ねじ部18dは第1スクリュー孔36の雌ねじに螺合しており、第1スクリュー孔36の後方から工具Tを差し込んで工具穴18eに挿入して回転させることにより、クランプスクリュー18は軸方向に移動可能である。この移動にともなって、ピース取付部18bに嵌合した押圧ピース16も通路部34を軸方向に移動する。
第2スクリュー孔38はカッタ本体12の軸方向に延在しており、前方が第1溝側面31aと第3溝側面31cとの間の面31eに開口し、後方がフランジ22の後面に開口して連通している。第2スクリュー孔38には、ねじ部20bが螺合する雌ねじが設けられている。アジャストスクリュー20のプッシュロッド20aは一部が溝部30に露呈しており、先端部が切削チップ14の後方端部に当接している。
ねじ部20bは第2スクリュー孔38の雌ねじに螺合しており、第2スクリュー孔38の後方から工具Tを差し込んで工具穴20cに挿入して回転させることにより、アジャストスクリュー20は軸方向に移動可能である。この移動にともなって溝部30に対するプッシュロッド20aの突出量が変化し、切削チップ14を押し出すことによって切削チップ14の軸方向の位置決めをすることができる。切削チップ14はワークに対応して適度な位置に位置決めされており、具体的には刃15がチップ取付部26の前方端面26aよりも前方の底面32の領域まで突出するように調整されている。
図8に示すように、カッタ本体12は、中心部のリーマ挿入孔40と、第1オイル供給路42と、第2オイル供給路44とを有する。第1オイル供給路42の一端は、フランジ22の後面に開口し、他端はリーマ挿入孔40に開口している。第2オイル供給路44の一端は刃15の近傍(例えば、前方端面26a)に開口し、他端はリーマ挿入孔40に開口している。
リーマ挿入孔40には、先端部がエンジン100(図8参照)のバルブガイド孔102の内面を切削するリーマ46がリーマブッシュを介して挿入され、切削工具10がリーマ46と同心になるように正確に位置決めがなされる。リーマ46は、バルブガイド孔102の内面を仕上げる刃具であり、カッタ本体12の中に設けられたリーマブッシュに沿ってリーマが前進し、バルブガイド孔102の内面加工を行う。第1オイル供給路42には所定の管路を介してオイルが供給される。該オイルはリーマ挿入孔40及び第2オイル供給路44を通って刃15に向かって吐出し、切削時の潤滑及び冷却等の効果を奏する。 次に、このように構成される切削工具10によりエンジン100のバルブシート104の切削加工を行う手順について説明する。
先ず、工具Tによりクランプスクリュー18を反時計方向(工具Tを操作する側から見て時計方向)に回転させ、押圧ピース16を前方に移動させておく。このとき、図6に示すように、通路部34は前方の方が広くなっていることから、第1ピース側面16aと第1溝側面31aとの間は広がり、切削チップ14を容易に装着することができる。なお、図6では、通路部34は前方の方が広くなっていることを明確にするために、第2溝側面31bの傾斜を実際よりも急角度の傾斜として表している。同様に、後述する図7及び図9〜図11についても、通路部34のを形成するいずれか一方の側面の傾斜を実際よりも急角度の傾斜として表している。
次に、切削チップ14を溝部30に装着する。このとき、刃15が時計方向を向き、後方部が第1溝側面31aと第3溝側面31cとの間に嵌まるように装着する。また、工具Tによりアジャストスクリュー20を回転させてプッシュロッド20aを適量突出させ、切削チップ14の軸方向の位置決めを行う。
次いで、工具Tによりクランプスクリュー18を時計方向(工具Tを操作する側から見て反時計方向)に回転させ、押圧ピース16を後方に向かって移動させる。このとき、図7に示すように、通路部34は軸方向後方に向かって暫減するように形成されていることから、第1ピース側面16aと第1溝側面31aは次第に接近及び接触する。工具Tをさらに時計方向に回転させることにより、押圧ピース16は後方に向かって移動しながら楔作用によって切削チップ14を第1溝側面31aに押し付けて固定することができる。すなわち、押圧ピース16は、クランプスクリュー18の作用下に、クランプスクリュー18の延在方向に沿って移動するとともに、これと直交する方向(時計方向)へも変位することから、切削チップ14の第2チップ側面14bを押圧するのである。
切削チップ14は押圧ピース16との強い摩擦力により、一体的に移動するように後方に向かう力を受けるが、切削チップ14の後端部がプッシュロッド20aに当接していることから移動が制限されるとともに正確な位置決めがなされる。
このような装着作業は、3本の切削チップ14についてそれぞれ行う。この後、切削工具10を所定の工作機械の主軸に対して接続するとともに、リーマ挿入孔40にリーマ46を挿入する。
この後、図8に示すように、バルブシート104に臨んで切削工具10を前進させ、切削チップ14の刃15をバルブシート104に当接させて切削加工を行う。この加工後、リーマ46の先端を、バルブガイド孔102に臨ませ、前進させて、リーマ46が切削工具10と同心になるように正確に位置決めがなされ、バルブガイド孔102の内面の仕上げ加工を行う。工作機械の主軸を回転させるとともに、第1オイル供給路42、リーマ挿入孔40及び第2オイル供給路44を介して切削部に向かってオイルを供給する。加工を終了するときには、切削工具10を後退させ、主軸の回転とオイル供給を停止する。
また、切削チップ14の固定を解除するときには、工具Tによりクランプスクリュー18を反時計方向(工具Tを操作する側から見て時計方向)に回転させ、押圧ピース16を前方に移動させる。これにより、押圧ピース16は前方に押し出されて第1ピース側面16aが第2チップ側面14bから離間して、切削チップ14が開放される。この後切削チップ14を取り外し、又はアジャストスクリュー20の操作によって突き出し量のみを再調整することができる。
上述したように、本実施の形態に係る切削工具10によれば、通路部34を形成する第2チップ側面14bと第2溝側面31bとの間隔を軸方向後方に沿って暫減するように形成し、この間に押圧ピース16を摺動移動させて楔作用によって切削チップ14を固定することができる。また、クランプスクリュー18の作用によって押圧ピース16を前方に移動させることにより切削チップ14が開放されて交換自在となる。したがって、切削チップ14が摩耗してもカッタ本体12と分離して廃棄等の処理をすることができ、経済的である。また、切削チップ14は、カッタ本体12から分離することができるので研磨を容易に行うことができ、再利用が可能である。
さらに、ワークの形状に応じて、種々の形状の切削チップ14を装着することができ、汎用性が向上する。
さらにまた、アジャストスクリュー20の操作により切削チップ14の突き出し量を調整可能であることから、ワークの形状や刃15の摩耗の程度に応じて切削チップ14を適切に位置決めすることができる。
また、切削チップ14をカッタ本体12に接続する部位には、締め付けねじ等が不要であって、押圧ピース16から力を受けるのに適した面積があれば足ることから、小型化が可能である。したがって、バルブシート104が細径である場合にも、適切な形状に設定することができ、高精度の加工が可能になる。
押圧ピース16を移動させる手段及び切削チップ14の位置決めをする手段は、クランプスクリュー18及びアジャストスクリュー20のようにねじ式にしていることにより、機構が簡便且つ廉価であって、しかもねじピッチに応じて進退量の微調整が可能である。
押圧ピース16を移動させる手段及び切削チップ14の位置決めをする手段は、クランプスクリュー18及びアジャストスクリュー20のようにねじ式に限らず、例えば、小型のシリンダやモータ等のアクチュエータ(スライダ)を用いてもよい。この場合、押圧ピース16や切削チップ14の位置を検出するセンサを設け、フィードバック等により位置を自動的に調整してもよい。この場合、押圧ピース16の移動量に応じて切削チップ14を押し付ける力が比例的に生じることから、押圧ピース16の位置に応じて切削チップ14の押圧力を調整することができる。また、クランプスクリュー18の移動の際には、トルクリミッタ(機械式、電気式のいずれでもよい)等を用いることにより、切削チップ14を押圧する力を規定してもよい。
なお、切削チップ14は3つに限らず、設計条件により1以上の任意の数に設定することができる。切削チップ14が複数設けられている場合、その配置は等間隔である必要はなく、ワークとの関係で任意の角度に設定することができる。
また、切削チップ14及び押圧ピース16が設けられるスペースは溝部30のように溝形状に限らず、切削チップ14が押し付けられる第1溝側面31a、及び押圧ピース16が摺動する第2溝側面31bに相当する面が形成されていればよく、例えば、外周面の一部(又は全部)が覆われている形状であってもよい。
次に、第1〜第3の変形例に係る切削工具10a、10b及び10cについて図9〜図11を参照しながら説明する。以下、切削工具10と同様の箇所、又は変形例については同符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図9に示すように、第1の変形例に係る切削工具10aは、第1スクリュー孔136及びクランプスクリュー18が第2溝側面31bの傾斜方向と並行に(つまり、時計方向に傾斜して)設けられている例であり、これに対応する押圧ピース116がクランプスクリュー18のピース取付部18bに設けられている。
押圧ピース116は前記の押圧ピース16に相当する部品である。押圧ピース116の時計方向の第1ピース側面116aは、後方に向かってU字溝116d(前記U字溝16dに相当する。)に接近するように傾斜しており、反時計方向の第1ピース側面116bはU字溝116dと並行である。
図10に示すように、第2の変形例に係る切削工具10bは、溝部230(前記の溝部30に相当する。)の時計方向の第1溝側面230aと反時計方向の第2溝側面230bが並行であって、装着される切削チップ214の反時計方向の第2チップ側面214bが傾斜している例である。すなわち、第1溝側面230a、第2溝側面230b及び切削チップ214の時計方向の第1チップ側面214aがそれぞれ軸方向と並行に設けられている一方、第2チップ側面214bは後方に向かって反時計方向に傾斜している。
また、前記の押圧ピース16に相当する押圧ピース216においては、時計方向の第1ピース側面216aは、第2チップ側面214bと同方向、同角度に傾斜しており、反時計方向の第2ピース側面216bはU字溝116dと並行である。
図11に示すように、第3の変形例に係る切削工具10cは、溝部330(前記の溝部30に相当する。)の反時計方向の第2溝側面330bは軸方向に並行であるが、時計方向の第1溝側面330aは後方に向かって反時計方向に傾斜している例である。切削チップ314の時計方向の第1チップ側面314aと反時計方向の第2チップ側面314bは並行であって、第1チップ側面314aは第1溝側面330aに当接することから、結果として、第2チップ側面314bは後方に向かって第2溝側面330bに接近するように傾斜して配置される。押圧ピース316は押圧ピース216と同形状である。
このような、切削工具10a〜10cによれば、溝部30、230、330の反時計方向の第2溝側面31b、230b、330bと、切削チップ14、214、314の反時計方向の第2チップ側面14b、214b、314bとにより、軸方向後方に向かって幅が暫減する通路部34が形成される。したがって、クランプスクリュー18の作用下に、押圧ピース116、216、316が通路部34を軸方向後方へ移動することにより、楔作用によって切削チップ14、214、314を第1溝側面31a、230a、330aに押し付けて固定することができる。
押圧ピース116、216、316は後方に向かって移動する際に、クランプスクリュー18の延在方向に沿って移動し、これと直交する方向へは変位することがないため、U字溝116d、216d及び316dの幅はピース取付部18bの径に対する公差は小さくてよい。これは、前記の切削工具10では楔作用面を、第2溝側面31bとしているのに対して、第1乃至第3変形例に係る切削工具10a〜10cでは、被クランプ材、すなわち切削チップ14の第2チップ側面14bを楔作用面としていることに起因する。また、各変形例に係る切削工具10a〜10cにおけるクランプスクリュー18のヘッド18a及びメインバー18cは、図12に示すように、押圧ピース116、216、316に当接する軸方向接触端面400を球形とし、これに対応して、押圧ピース116、216、316の係合面を球面状の凹部402としてもよい。これにより、押圧ピース116、216、316は、クランプスクリュー218に対して縦横のがたつきがなく係合し、安定して移動することができる。
また、ヘッド18a及びメインバー18cと押圧ピース116、216、316との接触部は、球面に限らず、それぞれ縮径する形状であればよい。例えば、図13に示すように、ヘッド18a及びメインバー18cの押圧ピース116、216、316に当接する軸方向接触端面を縮径する円錐面404とし、これに対応して、押圧ピース116、216、316の係合面を縮径する円錐状の凹部406としても同様の効果が得られる。
また、上記のいずれの切削チップ14、214、314も、その後端面14cは、アジャストスクリュー20及び第2スクリュー孔38の延在方向と直角な面に形成するとアジャストスクリュー20の先端が面接触しやすく、切削チップ14、214、314が安定して位置決めされる。
切削工具10、10a〜10cの加工対象物はバルブシート104に限らず、種々の形状、径の孔、凹部の加工に適用可能であることはもちろんである。
本発明に係る切削工具は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
本実施の形態に係る切削工具の斜視図である。 本実施の形態に係る切削工具の正面図である。 切削チップが未装着時の溝部、押圧ピースの正面図である。 本実施の形態に係る切削工具の分解斜視図である。 図2におけるV−V矢視断面図である。 押圧ピースを前方に移動させ、切削チップを開放した状態の溝部、押圧ピース及び切削チップ周辺の模式側面図である。 押圧ピースを後方に移動させ、切削チップを固定した状態の溝部、押圧ピース及び切削チップ周辺の模式側面図である。 エンジンのバルブシートを切削加工する状態の図2におけるVIII−VIII矢視断面図である。 第1の変形例に係る切削工具における溝部、押圧ピース及び切削チップ周辺の模式側面図である。 第2の変形例に係る切削工具における溝部、押圧ピース及び切削チップ周辺の模式側面図である。 第3の変形例に係る切削工具における溝部、押圧ピース及び切削チップ周辺の模式側面図である。 ヘッドが球面形状であるクランプスクリューと、対応するU字溝の端面が球面形状である押圧ピースの分解斜視図である。 ヘッドが縮径形状であるクランプスクリューと、対応するU字溝の端面が縮径形状である押圧ピースの分解斜視図である。
符号の説明
10…切削工具 12…カッタ本体
14、214、314…切削チップ
14a、214a、314a…第1チップ側面
14b、214b、314b…第2チップ側面
15…刃
16、116、216、316…押圧ピース
16a、116a、116b…第1ピース側面
16b、216a、216b…第2ピース側面
18…クランプスクリュー 20…アジャストスクリュー
30、230、330…溝部
31a、230a、330a…第1溝側面
31b、230b、330b…第2溝側面
34…通路部 100…エンジン
104…バルブシート

Claims (2)

  1. 回転手段に接続されるカッタ本体と、
    前記カッタ本体に設けられ、周方向一方の第1スペース側面、及び周方向他方の第2スペース側面を備えるスペースと、
    前記スペースに設けられる切削チップと、
    前記スペースに設けられ、前記切削チップを押圧固定する押圧ピースと、
    前記押圧ピースを軸方向へ移動させるスライダと、
    を有し、
    前記切削チップの周方向一方の第1チップ側面は、前記第1スペース側面に当接し、
    前記切削チップの周方向他方の第2チップ側面は、前記押圧ピースの周方向一方の第1ピース側面に当接し、
    前記押圧ピースの周方向他方の第2ピース側面は、前記第2スペース側面に当接し、
    前記第2チップ側面と前記第2スペース側面との間隔は、カッタ本体の軸方向に沿って暫減するように形成され、
    前記押圧ピースは、前記スライダの作用下に軸方向へ移動することにより、楔作用によって前記切削チップを第1スペース側面に押し付けて固定することを特徴とする切削工具。
  2. 請求項1記載の切削工具において、
    螺合により前記カッタ本体に対して軸方向に進退自在で、端部が前記切削チップに当接して軸方向の位置決めをするアジャストスクリューを有することを特徴とする切削工具。
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