JP2009291858A - 穴加工工具 - Google Patents
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Abstract
【課題】コスト低減を効果的に図ることができるとともに、仕上面の加工精度及び面品位を向上させることが可能な穴加工工具を提供する。
【解決手段】軸線O回りに回転されるシャンク部10の先端にリーマヘッド20を装着してなる穴加工工具において、シャンク部10の先端部に、凹穴14を形成するとともに該凹穴14の開口部にテーパ穴13を形成し、リーマヘッド20の後端部に、凹穴14に回転不能に嵌合する突出部26とテーパ穴13に嵌合可能なテーパ部25を形成し、凹穴14に突出部25を挿入させるとともにテーパ穴とテーパ部とが嵌合させてリーマヘッドを前記シャンク部に装着し、かつ、リーマヘッド20に装着されたインサート30の主切刃35を軸線Oを中心とする円筒面上に含まれるように形成する。
【選択図】図1
【解決手段】軸線O回りに回転されるシャンク部10の先端にリーマヘッド20を装着してなる穴加工工具において、シャンク部10の先端部に、凹穴14を形成するとともに該凹穴14の開口部にテーパ穴13を形成し、リーマヘッド20の後端部に、凹穴14に回転不能に嵌合する突出部26とテーパ穴13に嵌合可能なテーパ部25を形成し、凹穴14に突出部25を挿入させるとともにテーパ穴とテーパ部とが嵌合させてリーマヘッドを前記シャンク部に装着し、かつ、リーマヘッド20に装着されたインサート30の主切刃35を軸線Oを中心とする円筒面上に含まれるように形成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、被切削材に予め形成された下穴に挿入されて、下穴の内壁面を切削加工する際に用いられる穴加工工具に関する。
この種の穴加工工具としては、例えば特許文献1に示すように、軸線回りに回転される長尺円柱状の工具本体の先端部に、工具本体径方向外側に向けた切刃(主切刃)及び工具本体先端側に向けた切刃(食い付き刃)を備えた加工部が設けられた、いわゆるリーマが知られている。
このようなリーマは、軸線回りに回転される長尺円柱状の工具本体を有し、この工具本体の先端部分が切削を行う加工部とされている。この加工部の外周には工具本体先端側及び工具本体径方向外側に向けて開口した切屑排出溝が形成されており、この切屑排出溝の工具回転方向後方側に形成された取付座に切刃を備えたインサートがロウ付けによって取り付けられている。
上記リーマは、通常、様々な径の加工穴に対応し得るように各種サイズのものが準備されており、加工の際には対象となる加工穴の径に応じた外径を有するリーマが選択され工作機械の主軸端に装着される。
そして、このように装着されたリーマは、軸線回りに回転されながら軸線方向先端側に送りを与えられ、被切削材に予め形成された下穴に挿入されて、この下穴の内壁面をインサートの切刃によって切削していく。即ち、このリーマによれば、仕上げ加工として精度の高い所定の内径の加工穴が形成される。
特開平8−90337号公報
そして、このように装着されたリーマは、軸線回りに回転されながら軸線方向先端側に送りを与えられ、被切削材に予め形成された下穴に挿入されて、この下穴の内壁面をインサートの切刃によって切削していく。即ち、このリーマによれば、仕上げ加工として精度の高い所定の内径の加工穴が形成される。
ところで、上記従来のリーマにおいては、インサートの切刃が消耗すると再研磨を施すことで切刃の鋭さを維持するが、複数回の再研磨によって研磨量が限界に達した場合、インサートがロー付けされているリーマにおいては該インサートのみの取り外し及び交換を行うことができないため、もはやリーマの廃棄処分をする以外に術はない。従って、工具本体は未だ使用可能であってもインサートが再研磨不可となった場合は廃棄せざるを得ず、コストの増加につながってしまうという問題があった。
さらに、上記従来のリーマにおいて、様々な径の加工を行うためには、工作機械に取り付けられるシャンク部も含めた工具本体全体として、各種サイズの多種類のリーマを揃える必要があり、管理コストの増加につながるという問題もあった。
さらに、上記従来のリーマにおいて、様々な径の加工を行うためには、工作機械に取り付けられるシャンク部も含めた工具本体全体として、各種サイズの多種類のリーマを揃える必要があり、管理コストの増加につながるという問題もあった。
また、インサートが工具本体に対して着脱可能に取り付けられているインサート着脱式のリーマにおいては、切刃が消耗したインサートのみを交換して工具本体を繰り返し使用しコスト低下を図ることも考えられる。ところが、1つの工具本体に多数のインサートが取り付けられていると、インサートの交換作業をするには多くの時間を要することになり、逆にインサートの数が少なくて切刃の数も少ないと送り速度を上げることができず、いずれも生産性が低下するという問題が生じる。
一方、上記リーマにおいては、加工時の切削抵抗を低減すべく、主切刃が工具本体の先端側に向かうに従い工具回転方向後方側に延びるように配置されたものがある。
ところが、特に前記インサート着脱式のリーマにおいては、通常インサートは多角形平板状をなしていて上記主切刃が直線状をなしており、当該切刃の回転軌跡は工具本体の回転軸線を中心とする円筒面上に含まれず、主切刃の上記軸線回りの回転軌跡をこの軸線を含む平面に投影した投影線が該主切刃が含まれるべき円筒面に対して部分的に突出して配置されることになる。この場合、切削加工時には主切刃の一部のみが被切削物に食い込むことになり、仕上面全体として高い面品位を得ることができないという問題があった。
ところが、特に前記インサート着脱式のリーマにおいては、通常インサートは多角形平板状をなしていて上記主切刃が直線状をなしており、当該切刃の回転軌跡は工具本体の回転軸線を中心とする円筒面上に含まれず、主切刃の上記軸線回りの回転軌跡をこの軸線を含む平面に投影した投影線が該主切刃が含まれるべき円筒面に対して部分的に突出して配置されることになる。この場合、切削加工時には主切刃の一部のみが被切削物に食い込むことになり、仕上面全体として高い面品位を得ることができないという問題があった。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、コスト低減を効果的に図ることができるとともに、仕上面の加工精度を高く維持し、さらに面品位を向上させることが可能な穴加工工具を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、この発明は以下の手段を提案している。
即ち、本発明に係る穴加工工具は、軸線回りに回転されるシャンク部の先端に、インサートが着脱可能に取り付けられたリーマヘッドを装着してなる穴加工工具であって、前記シャンク部は、その先端部に、前記軸線に平行とされた一対の平坦状の内壁面を有する凹穴を備えるとともに、該凹穴の開口部に前記軸線を中心とするテーパ穴を備え、前記リーマヘッドは、その後端部に、前記凹穴の内壁面と当接可能な一対の切欠面が形成された突出部を備えるとともに、前記テーパ穴と嵌合可能なテーパ部を備え、前記内壁面に前記切欠面を当接状態にして前記凹穴に前記突出部が挿入されるとともに、前記テーパ穴と前記テーパ部とが嵌合されることで前記リーマヘッドが前記シャンク部に取り付けられ、前記インサートは、工具径方向外側に向けて突出する主切刃が工具先端側に向かうに連れて工具回転方向後方側に延びるように傾斜して配置され、前記主切刃が前記軸線を中心とする円筒面上に含まれるように形成されていることを特徴としている。
即ち、本発明に係る穴加工工具は、軸線回りに回転されるシャンク部の先端に、インサートが着脱可能に取り付けられたリーマヘッドを装着してなる穴加工工具であって、前記シャンク部は、その先端部に、前記軸線に平行とされた一対の平坦状の内壁面を有する凹穴を備えるとともに、該凹穴の開口部に前記軸線を中心とするテーパ穴を備え、前記リーマヘッドは、その後端部に、前記凹穴の内壁面と当接可能な一対の切欠面が形成された突出部を備えるとともに、前記テーパ穴と嵌合可能なテーパ部を備え、前記内壁面に前記切欠面を当接状態にして前記凹穴に前記突出部が挿入されるとともに、前記テーパ穴と前記テーパ部とが嵌合されることで前記リーマヘッドが前記シャンク部に取り付けられ、前記インサートは、工具径方向外側に向けて突出する主切刃が工具先端側に向かうに連れて工具回転方向後方側に延びるように傾斜して配置され、前記主切刃が前記軸線を中心とする円筒面上に含まれるように形成されていることを特徴としている。
このような特徴の穴加工工具においては、シャンク部の凹穴にリーマヘッドの突出部が挿入されるとともに、テーパ穴とテーパ部とが嵌合することによってこれらシャンク部及びリーマヘッドが一体化される構成のため、テーパ嵌合により両者の軸線が確実に一致させられ、かつ、凹穴の平坦面状の内壁面に突出部の切欠面が当接することでシャンク部とリーマヘッドとが工具回転方向に固定される。従って、正確に芯出しを施すことができるとともに、回転力を確実に伝達することができるため、加工時の切削抵抗により生じる振れやがたつきを最小限に抑えることが可能となる。
しかも、インサートが摩耗した際には、摩耗していないインサートが取り付けられたリーマヘッドごと交換することにより、リーマヘッドに多数のインサートが取り付けられていても、交換作業に要する時間を短縮できる。さらに、径の異なるリーマヘッドを用意しておけば、シャンク部は1つでも様々な径の穴加工が可能である。また、インサートが寿命に達しても、リーマヘッドやシャンク部は再使用可能で経済的である。
さらに、主切刃が軸線を中心とする円筒面上に含まれるように形成されているので、工具本体が回転すると、この円筒面上に位置する材料が主切刃により切削される。この際、円筒面の母線が軸線に平行なことから、精度の高い加工面を形成することが可能となる。
しかも、インサートが摩耗した際には、摩耗していないインサートが取り付けられたリーマヘッドごと交換することにより、リーマヘッドに多数のインサートが取り付けられていても、交換作業に要する時間を短縮できる。さらに、径の異なるリーマヘッドを用意しておけば、シャンク部は1つでも様々な径の穴加工が可能である。また、インサートが寿命に達しても、リーマヘッドやシャンク部は再使用可能で経済的である。
さらに、主切刃が軸線を中心とする円筒面上に含まれるように形成されているので、工具本体が回転すると、この円筒面上に位置する材料が主切刃により切削される。この際、円筒面の母線が軸線に平行なことから、精度の高い加工面を形成することが可能となる。
また、本発明に係る穴加工工具においては、前記インサートが前記リーマヘッドに取り付けられた状態で、前記主切刃に対して円筒研磨が施されていることを特徴としている。
これにより、容易に主切刃を軸線を中心とする円筒面状に含まれるように形成することができるので、被切削物に対して精度の高い加工面を形成することが可能となる。
これにより、容易に主切刃を軸線を中心とする円筒面状に含まれるように形成することができるので、被切削物に対して精度の高い加工面を形成することが可能となる。
さらに、本発明に係る穴加工工具においては、前記シャンク部と前記リーマヘッドとが、前記軸線に沿って延びるボルトによって一体化されていることを特徴としている。
これにより、シャンク部とリーマヘッドとを強固に固定することができるため、加工時に振れやがたつきが発生するのを防止することができ、加工精度をより向上させることが可能となる。
これにより、シャンク部とリーマヘッドとを強固に固定することができるため、加工時に振れやがたつきが発生するのを防止することができ、加工精度をより向上させることが可能となる。
本発明に係る穴加工工具によれば、一のシャンク部に対してリーマヘッドのみを複数揃えることにより様々な加工径に対応し得るとともに、たとえインサートが使用限界を超えた場合であってもリーマヘッドやシャンク部の再利用を図ることができるため、生産コスト及び管理コストの低減を図ることが可能となる。
また、シャンク部とリーマヘッドの軸線を確実に一致させることができるとともに、これらを工具回転方向に確実に固定させることができるため、振れやガタツキによる切削誤差を抑制し、高精度の切削加工を行うことができる。
さらに、主切刃が軸線を中心とする円筒面上に含まれるように形成されているので、精度の高い加工面を形成して面品位を向上させることが可能となる。
また、シャンク部とリーマヘッドの軸線を確実に一致させることができるとともに、これらを工具回転方向に確実に固定させることができるため、振れやガタツキによる切削誤差を抑制し、高精度の切削加工を行うことができる。
さらに、主切刃が軸線を中心とする円筒面上に含まれるように形成されているので、精度の高い加工面を形成して面品位を向上させることが可能となる。
以下、本発明の穴加工工具の実施の形態のリーマについて、図1から図5を用いて詳細に説明する。図1は本発明の実施形態であるリーマを示す一部を破断した縦断面図であり、図2は本発明の実施の形態であるリーマの正面図、図3は図1におけるX−X断面図、図4は図1のA方向矢視図、図5は図4のB方向矢視図である。
図1及び図2に示すリーマ1は軸線Oを中心とした長尺円柱状の形状をしており、軸線O回りに工具回転方向Tに回転されるシャンク部10と、該シャンク部10の工具先端側(図1において左側)に取り付けられ、加工部21を備えるリーマヘッド20とから概略構成される。
シャンク部10は、例えば鋼材等からなる概略円柱形状をなしており、このシャンク部10の工具後端側(図1において右側)が図示しない工作機械の主軸端に装着される。また、シャンク部10には、その先端側と後端側とを軸線Oに沿って断面円形状に貫通するボルト挿入孔11が穿設されており、このボルト挿入孔11の後端側の開口部には、該ボルト挿入孔11の内径よりも一段大径とされた座ぐり部12が形成されている。
さらに、シャンク部10の工具先端側の端面は、軸線Oに垂直な平坦面であるシャンク先端面10aとされ、このシャンク先端面10aには、軸線Oを中心軸線として断面円形状に凹んだ有底穴であって工具先端側に向かって拡径するテーパ内周面13aを有するテーパ穴13が開口されている。
さらに、このテーパ穴13の底部13bには、該底部13bから軸線Oに沿って工具後端側にさらに一段凹んだ凹穴14が形成されている。この凹穴14の断面は、図3に示すように、軸線Oを中心とした略長方形状をなし、その長辺に対応する一対の面が、互いに平行かつ軸線Oにも平行な当接面(内壁面)14aとされている。
図1に示すように、リーマヘッド20は、例えば鋼材等から構成された概略多段円柱状をなしており、その先端側の大径部20aの先端外周部が被切削材の下穴に加工を施す加工部21とされている。
この加工部21の外周面には、詳しくは図2及び図4に示すように、工具先端面と工具外周側面に向けて開口するとともに、工具後端側に向かうに従って工具回転方向T前方に向かって傾斜して延びる凹溝22が、円周方向に間隔を空けて複数(本実施形態においては6つ)形成されている。
また、この凹溝22の工具回転方向T後方側には該凹溝22よりもさらに工具径方向内側に向かって凹むインサート取付座23が形成されている。このインサート取付座23は、軸線Oに直交する断面視形状が略矩形状に形成されており、上記凹溝22と同様に工具後端側に向かうに従って工具回転方向T前方に向かうように傾斜して延びている。また、本実施形態においては、この傾斜角度、即ちインサート取付座23の延在方向と軸線Oとがなす角度は20°となるように形成されている。
そして、このようなインサート取付座23にインサート30が着脱可能に取り付けられている。
そして、このようなインサート取付座23にインサート30が着脱可能に取り付けられている。
図1、図2、図4及び図5に示すように、インサート30は超硬合金等の硬質材料から形成された略長方形平板状をなしており、対向する2つの長方形面のうち、一方の長方形面には一の長辺に沿うようにして断面円弧状に凹んだすくい面31が形成されており、当該一の長方形面におけるすくい面31の形成領域以外の部分は、後述するクサビ40が当接するクサビ当接面37とされている。また、この一の長方形面に対向する他方の長方形面は上記インサート取付座23への着座面32とされている。
さらに、4つの側面のうち、上記一方の長方形面の一の長辺に沿った側面が逃げ面33とされている。
さらに、4つの側面のうち、上記一方の長方形面の一の長辺に沿った側面が逃げ面33とされている。
また、上記すくい面31と逃げ面33との交差稜線部には主切刃35が形成され、インサート30はこの主切刃35に対して逃げ面33に逃げ角が付されたポジティブインサートとされている。さらに、主切刃35の先端には、食い付き刃36が形成されている。
このような構成のインサート30は、その着座面32がインサート取付座23の工具回転方向T前方側を向く面に当接させられるとともに、逃げ面33が工具径方向外側に向けられて、かつ、主切刃35が工具径方向外側に突出させられた状態でインサート取付座23上に配置される。
これによって、インサート30における主切刃35は、インサート取付座23の延在方向と同様に、工具先端側に向かうに連れて工具回転方向T後方側に延びるように、即ち、軸線Oと20°の角度をなすように傾斜して配置されることになる。
これによって、インサート30における主切刃35は、インサート取付座23の延在方向と同様に、工具先端側に向かうに連れて工具回転方向T後方側に延びるように、即ち、軸線Oと20°の角度をなすように傾斜して配置されることになる。
また、このように配置されたインサート30は、図4及び図5に示すように、切欠穴45に挿入されたクサビ40による押圧力によってインサート取付座23に強固に固定される。
切欠穴45は、凹溝22における上記インサート取付座23の延在方向略中央部に工具径方向内側に向かって一段凹むようにして形成された有底穴であって、その底部にはネジ取付穴46が設けられている。
クサビ40は、鋼材等で構成され、その内部にはクサビ40を切欠穴45に取り付けるための取付ネジ48が挿通されるネジ挿通孔47が設けられている。また、クサビ40において、切欠穴45に挿入された状態における上記インサート30のクサビ当接面37に当接する面は押圧面41とされている。
このようなクサビ40は、切欠穴45に挿入されるとともに、取付ネジ48がネジ挿通孔47を挿通してネジ取付穴46にねじ込まれることによって、クサビ40の押圧面41がインサート30のクサビ当接面37を押圧する。これによって、インサート30は、当該クサビ40とインサート取付座23の工具回転方向T前方側を向く面との間に挟み込まれるようにして、該インサート取付座23に強固に固定される。
一方、図1に示すように、加工部21が形成された大径部20aの工具後端側の端面は、軸線Oに垂直な平坦面であるヘッド後端面20bとされ、このヘッド後端面20bには、軸線Oを中心軸線として断面円形状に突出し、その外周面が工具後端側に向かって縮径するテーパ面25aとされたテーパ部25が形成されている。このテーパ部25のテーパ角度は、上記説明したテーパ穴13のテーパ内周面13aと等しい角度に設定されている。
また、このテーパ部25の後端には、さらに該工具後端側に向かって突出する突出部26が形成されている。該突出部26の軸線Oに直交する断面は、図3に示すように、テーパ部25よりも小径とされた一対の円弧と該円弧同士を接続する一対の平行な直線とを輪郭線とした形状をなしている。即ち、突出部26には、軸線Oに沿って延びる円柱の外周が切り欠かれるようにして、互いに平行かつ軸線Oにも平行とされた一対の切欠面26aが軸線Oから等しい距離に形成されている。
また、この突出部26の後端面26bには、軸線Oに沿って凹み、かつ、雌ネジが形成されたボルト取付穴27が形成されており、該ボルト取付穴27の底部付近には各凹溝22に連通するクーラント分配路28が穿設されている。
以上のような構成のシャンク部10とリーマヘッド20とは、固定ボルト50によって連結固定されている。
固定ボルト50は、図1に示すように、シャンク部10の座ぐり部12と内径より僅かに小さな外径をなし、後端面にレンチ等の作業用工具と係合する係合孔が形成されたボルト頭部50aと、ボルト挿入孔11に沿って挿入される軸部51を備えており、該軸部51の先端外周部に雄ネジ部52が形成されている。また、その内部には、リーマヘッド20にクーラントを導入するためのクーラント供給孔53が軸線Oに沿って穿設されている。
固定ボルト50は、図1に示すように、シャンク部10の座ぐり部12と内径より僅かに小さな外径をなし、後端面にレンチ等の作業用工具と係合する係合孔が形成されたボルト頭部50aと、ボルト挿入孔11に沿って挿入される軸部51を備えており、該軸部51の先端外周部に雄ネジ部52が形成されている。また、その内部には、リーマヘッド20にクーラントを導入するためのクーラント供給孔53が軸線Oに沿って穿設されている。
このような固定ボルト50を介したシャンク部とリーマヘッド20の固定連結は以下のようにして行われる。
即ち、リーマヘッド20の突出部26をシャンク部10の凹穴14に挿入させるとともに、テーパ部25のテーパ面25aとテーパ穴13のテーパ内周面13aを密着当接させてリーマヘッド20をシャンク部10に対し仮固定する。この際、図3に示すように突出部26の一対の切欠面26aが凹穴14の当接面14aにそれぞれ当接されることから、リーマヘッド20とシャンク部10とが軸線O回りに固定され、さらに、テーパ部25とテーパ穴13とがテーパ嵌合することにより両者の中心軸線が一致させられる。
即ち、リーマヘッド20の突出部26をシャンク部10の凹穴14に挿入させるとともに、テーパ部25のテーパ面25aとテーパ穴13のテーパ内周面13aを密着当接させてリーマヘッド20をシャンク部10に対し仮固定する。この際、図3に示すように突出部26の一対の切欠面26aが凹穴14の当接面14aにそれぞれ当接されることから、リーマヘッド20とシャンク部10とが軸線O回りに固定され、さらに、テーパ部25とテーパ穴13とがテーパ嵌合することにより両者の中心軸線が一致させられる。
このような状態において、シャンク部10の後端側から固定ボルト50をボルト挿入孔11に挿通させて、該固定ボルト50の先端部の雄ネジ部52をリーマヘッド20のボルト取付穴27の雌ネジに螺合させることで、シャンク部10とリーマヘッド20とが強固に固定一体化される。
なお、この際、固定ボルト50のクーラント供給孔53とリーマヘッド20のクーラント分配路28とは連通状態とされ、またシャンク先端面10aとヘッド後端面20bとが密着、押圧させられる。
なお、この際、固定ボルト50のクーラント供給孔53とリーマヘッド20のクーラント分配路28とは連通状態とされ、またシャンク先端面10aとヘッド後端面20bとが密着、押圧させられる。
そして、このようにしてリーマ1においては、リーマヘッド20がシャンク部10に装着された際に、インサート30の主切刃35に対して円筒研磨が施される。これによって、主切刃35は軸線Oを中心とする円筒面上に含まれるように研磨され、当該円筒面に沿った形状となるべく僅かに湾曲した形状に成形される。なお、このような円筒研磨は、シャンク部10に装着される前のリーマヘッド20を治具等に固定し、軸線O回りに主切刃35に対して研磨することによって施してもよい。
以上のような構成のリーマ1は、工作機械の主軸端にシャンク部10の後端側が取り付けられ、軸線O周りに高速回転されるとともに軸線Oの工具先端方向に向けて送りが与えられ、被切削材に予め形成された下穴に挿入される。そして、インサート30の工具径方向外側に向けられた主切刃35と該主切刃35の先端に形成された食い付き刃36によって下穴の内壁面を切削加工し、所定の内径の加工穴を形成していく。また、このような切削加工の際には、シャンク部10の後端側から固定ボルト50のクーラント供給孔53内にクーラントが供給され、これが工具先端側まで導かれた後にクーラント分配路28を介して主切刃35及び食い付き刃36に供給される。これにより、切削加工時の摩擦が低減されるとともに加工熱が除去され円滑な切削が行われる。
ここで、本実施形態のリーマ1においては、シャンク部10の凹穴14にリーマヘッドの突出部26が挿入されるとともにテーパ穴13とテーパ部25とが嵌合することによって、これらシャンク部10とリーマヘッド20とが固定されるため、その着脱を容易に行うことができる。
またこの際、テーパ嵌合により両者の軸線が確実に一致させられるとともに、凹穴14の平坦面状の当接面14aに突出部26の切欠面26aが当接することでシャンク部10とリーマヘッド20とが工具回転方向Tに固定される。
従って、正確に芯出しを施すことができるとともに、回転力が確実に伝達されるため、加工時の切削抵抗により生じる振れやがたつきを最小限に抑えることによって切削誤差を抑制し、高精度の切削加工を行うことができる。
またこの際、テーパ嵌合により両者の軸線が確実に一致させられるとともに、凹穴14の平坦面状の当接面14aに突出部26の切欠面26aが当接することでシャンク部10とリーマヘッド20とが工具回転方向Tに固定される。
従って、正確に芯出しを施すことができるとともに、回転力が確実に伝達されるため、加工時の切削抵抗により生じる振れやがたつきを最小限に抑えることによって切削誤差を抑制し、高精度の切削加工を行うことができる。
また、主切刃35が軸線Oを中心とする円筒面上に含まれるように形成されているので、リーマ1が回転すると、この円筒面上に位置する材料が主切刃により切削される。この際、円筒面の母線が軸線Oに平行なことから、精度の高い加工面を形成して面品位を向上させることが可能となる。
さらに、一のシャンク部10に対してリーマヘッド20のみを複数揃えることにより様々な加工径に対応し得るとともに、たとえインサート30が使用限界を超えた場合であってもシャンク部10やリーマヘッド20の再利用を図ることができるため、生産コスト及び管理コストの低減を図ることが可能となる。
また、本実施形態のリーマ1においては、主切刃35に対して円筒研磨を施すことによって容易に当該主切刃35を軸線Oを中心とする円筒面上に含ませることが可能であるとともに、こうして軸線Oを中心とされた主切刃35を、固定ボルト50によってシャンク部10とリーマヘッド20とをテーパ嵌合により同軸に固定することにより、確実に軸線O回りに回転させて穴加工に使用することができる。
従って、リーマヘッド20に多くのインサート30が装着されて、多数の主切刃35が備えられていても、予め円筒研磨を施したリーマヘッド20を用意しておくことで容易に交換をして速やかに穴加工を行うことができ、送り速度を大きくすることができるのと相まって、生産性の向上を図ることができる。
従って、リーマヘッド20に多くのインサート30が装着されて、多数の主切刃35が備えられていても、予め円筒研磨を施したリーマヘッド20を用意しておくことで容易に交換をして速やかに穴加工を行うことができ、送り速度を大きくすることができるのと相まって、生産性の向上を図ることができる。
以上のようにして、本実施形態のリーマ1によれば、コスト低減を効果的に図ることができ、かつ、仕上面の加工精度及び面品位を向上させることができる理想的なリーマ1を実現することが可能となる。
以上、本発明の実施の形態であるリーマ1について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、第1変形例として、図6に示すようなリーマ60であってもよい。このリーマ60においては、シャンク部10の先端部付近及びリーマヘッド20の大径部20aが、実施形態のリーマ1に比べてより大径に形成されている。即ち、本発明のリーマ1を具現化するに際しては、外径、工具長等の寸法の変更は適宜変更することができる。
例えば、第1変形例として、図6に示すようなリーマ60であってもよい。このリーマ60においては、シャンク部10の先端部付近及びリーマヘッド20の大径部20aが、実施形態のリーマ1に比べてより大径に形成されている。即ち、本発明のリーマ1を具現化するに際しては、外径、工具長等の寸法の変更は適宜変更することができる。
また、第2変形例として、図7に示すようなリーマ70であってもよい。実施形態のリーマ1においては、固定ボルト50がシャンク部10後端から工具先端側に向かって挿入されていたのに対し、第2変形例のリーマ70においては、リーマヘッド20先端から工具後端側に向かって固定ボルト80が挿入されている。
即ち、図7に示すように、リーマヘッド20には、軸線Oに沿って貫通するようにして固定ボルト80の軸部81が挿通するボルト挿入孔29aが穿設されているとともに、該ボルト挿入孔29aの工具先端側の開口部に座ぐり部29bが形成されている。また、シャンク部10の凹穴14の底部中央には、内周面に雌ネジを有するボルト取付穴15が軸線Oに沿って開口されている。
そして、リーマヘッド20の先端側から固定ボルト80が挿入されて、該固定ボルト80の先端部の雄ネジ部82がシャンク部10のボルト取付穴15に螺合されることによってシャンク部10とリーマヘッド20とが強固に固定一体化される。
そして、リーマヘッド20の先端側から固定ボルト80が挿入されて、該固定ボルト80の先端部の雄ネジ部82がシャンク部10のボルト取付穴15に螺合されることによってシャンク部10とリーマヘッド20とが強固に固定一体化される。
なお、このような第2変形例のリーマ70における固定ボルト80には実施形態の固定ボルト50のようなクーラント供給孔53は穿設されていない。この代わりに、シャンク部10には、軸線Oに沿って形成されその後端側に開口するクーラント供給孔16と、シャンク部10の内部にて該クーラント供給孔16に接続されたクーラント溜まり17と、該クーラント溜まり17からシャンク部10の凹穴14の底面に連通する第1クーラント分配路18とが形成されており、リーマヘッド20には、突出部26の後端面から各凹溝22に連通する第2クーラント分配路29cが形成されている。
そして、シャンク部10とリーマヘッド20とが固定一体化された際には、第1クーラント分配路18に第2クーラント分配路29cが接続されて、シャンク部10の後端側から供給されたクーラントが凹溝22内に導入されるようになっている。
そして、シャンク部10とリーマヘッド20とが固定一体化された際には、第1クーラント分配路18に第2クーラント分配路29cが接続されて、シャンク部10の後端側から供給されたクーラントが凹溝22内に導入されるようになっている。
以上のような、第1及び第2の変形例のリーマ60、70においても、実施形態のリーマ1同様、コスト低減を効果的に図ることができるとともに、仕上面の加工精度及び面品位を向上させることが可能である理想的なリーマ1を実現することが可能となる。
1 リーマ
10 シャンク部
13 テーパ穴
13a テーパ内周面
13b 底部
14 凹穴
14a 当接面(内壁面)
20 リーマヘッド
25 テーパ部
25a テーパ面
26 突出部
26a 切欠面
35 主切刃
O 軸線
T 工具回転方向
10 シャンク部
13 テーパ穴
13a テーパ内周面
13b 底部
14 凹穴
14a 当接面(内壁面)
20 リーマヘッド
25 テーパ部
25a テーパ面
26 突出部
26a 切欠面
35 主切刃
O 軸線
T 工具回転方向
Claims (3)
- 軸線回りに回転されるシャンク部の先端に、インサートが着脱可能に取り付けられたリーマヘッドを装着してなる穴加工工具であって、
前記シャンク部は、その先端部に、前記軸線に平行とされた一対の平坦状の内壁面を有する凹穴を備えるとともに、該凹穴の開口部に前記軸線を中心とするテーパ穴を備え、
前記リーマヘッドは、その後端部に、前記凹穴の内壁面と当接可能な一対の切欠面が形成された突出部を備えるとともに、前記テーパ穴と嵌合可能なテーパ部を備え、
前記内壁面に前記切欠面を当接状態にして前記凹穴に前記突出部が挿入されるとともに、前記テーパ穴と前記テーパ部とが嵌合されることで前記リーマヘッドが前記シャンク部に取り付けられ、
前記インサートは、工具径方向外側に向けて突出する主切刃が工具先端側に向かうに連れて工具回転方向後方側に延びるように傾斜して配置され、前記主切刃が前記軸線を中心とする円筒面上に含まれるように形成されていることを特徴とする穴加工工具。 - 前記インサートが前記リーマヘッドに取り付けられた状態で前記主切刃に対して円筒研磨が施されていることを特徴とする請求項1に記載の穴加工工具。
- 前記シャンク部と前記リーマヘッドとが、前記軸線に沿って延びるボルトによって固定一体化されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の穴加工工具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008145798A JP2009291858A (ja) | 2008-06-03 | 2008-06-03 | 穴加工工具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008145798A JP2009291858A (ja) | 2008-06-03 | 2008-06-03 | 穴加工工具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009291858A true JP2009291858A (ja) | 2009-12-17 |
Family
ID=41540523
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008145798A Withdrawn JP2009291858A (ja) | 2008-06-03 | 2008-06-03 | 穴加工工具 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2009291858A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102672277A (zh) * | 2012-03-30 | 2012-09-19 | 郑州市钻石精密制造有限公司 | 精密复合铰刀 |
US20140212238A1 (en) * | 2013-01-31 | 2014-07-31 | Gil Espinosa | Side Milling Arbor With Quad Drive Key Assist |
CN114682849A (zh) * | 2020-12-25 | 2022-07-01 | 苏州咖多切削刀具有限公司 | 一种可换头式铰刀 |
-
2008
- 2008-06-03 JP JP2008145798A patent/JP2009291858A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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US9089911B2 (en) * | 2013-01-31 | 2015-07-28 | Gil Espinosa | Side milling arbor with quad drive key assist |
CN114682849A (zh) * | 2020-12-25 | 2022-07-01 | 苏州咖多切削刀具有限公司 | 一种可换头式铰刀 |
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