JP4107106B2 - 穴加工工具 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加工物に形成された下穴の内径の仕上げ加工と同時にこの下穴の開口部に面取り加工を行うことが可能な穴加工工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
加工物に形成された下穴を所定の内径に仕上げ加工するには通常リーマが用いられ、すなわち仕上げされるべき内径に応じた所定の切刃径を有するリーマを回転させながら上記下穴に挿入してその切刃により下穴内周を切削し、所定の径の加工穴に仕上げてゆく(例えば特許文献1参照)。また、こうして形成された加工穴の開口部に面取り加工を施すには、その面取りの傾斜に応じた傾斜角の面取り加工切刃を有する面取り工具が用いられ、上記リーマによって仕上げ加工された加工穴に、この面取り工具をやはり回転させながら挿入して、上記面取り加工切刃により加工穴開口部を切削して所定の傾斜の面取りを行ってゆく。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−170640号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このように面取り付きの加工穴の内径や面取りの角度は、最終的に仕上げられる加工穴によって微妙に異なる場合が多く、従って上述のようなリーマや面取り工具を用いた加工では、このように異なる加工穴の内径や面取りの傾斜角度ごとに異なる工具を用意しておいて、しかも内径加工と面取り加工とを順に行わなければならず、作業が極めて煩雑となって加工効率の低下を招くことが避けられなかった。また、このような工具では、切刃に摩耗が生じると再研磨やコーティングの再コートを行って工具の再利用を行うようにしているが、これら再研磨や再コートには時間とコストを要するため、経済性はそれほど高くはなく、しかも特にリーマではこのように再研磨を行うと切刃径が小さくなってしまうため、再研磨前の仕上げ加工と同じ内径の加工穴の仕上げには使用することができないという問題もある。
【0005】
本発明は、このような背景の下になされたもので、加工物に形成された下穴の内径の仕上げ加工とこの下穴の開口部の面取り加工とを同時に行うことが可能であり、しかもこうして形成される加工穴の内径や面取り角度が異なる多種の加工穴に対しても1つの工具で加工を行うことが可能な穴加工工具を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、軸線回りに回転される工具本体を有し、該工具本体は先端側に向かうに従い漸次縮径する円錐台状部とこの円錐台状部の先端に設けられた小径の円柱部とを備えており、前記円柱部に、上記軸線に略平行な内径加工切刃を有する内径加工用スローアウェイチップが着脱可能に取り付けられるとともに、前記円錐台状部に、後端側に向かうに従い外周側に向かうように傾斜した前記円錐台状部の母線に略平行な面取り加工切刃を有する面取り加工用スローアウェイチップが着脱可能に取り付けられ、これらのスローアウェイチップは、上記工具本体にそれぞれ設けられた調整機構により、上記内径加工用スローアウェイチップにおいては上記内径加工切刃の軸線からの回転径が、また上記面取り加工用スローアウェイチップにおいては上記面取り加工切刃の傾斜角が、各々調整可能とされており、加工穴の内径や面取り部の傾斜角度が異なる多種の加工穴に対応可能な構成とされていることを特徴とする。従って、このような構成の穴加工工具によれば、1つの工具本体に内径加工切刃と面取り加工切刃とが備えられているため、1回の加工で下穴の内径仕上げ加工とその開口部の面取り加工とを同時に行うことができ、しかも加工穴の内径や面取り部の傾斜角が異なる場合でも、上記調整機構によって内径加工切刃の回転径や面取り加工切刃の傾斜角を適宜調整することにより、複数種の工具を用意することなく容易に対応することができる。
【0007】
ここで、上記チップを、そのすくい面における切刃長方向略中央の押圧部をクランプ機構によって押圧して上記工具本体に取り付けるようにした場合には、上記調整機構に、上記切刃とは反対側のチップ側面において上記切刃長方向に上記押圧部を挟んだ2点をそれぞれ独立して押付可能な押付手段を備えることにより、内径加工用チップにあってはこれら2つの部分を押付手段によって均等に押し付けることにより、内径加工切刃を工具本体の軸線との平行を保ったままその回転径の調整を行うことが可能である一方、面取り加工用チップにあってはこれら2点で押付手段による押付力を調節することにより、上記押圧部を中心に面取り加工用チップを回動させてその面取り加工切刃の傾斜角を調整することができる。また、工具本体に切削油剤の供給孔を該工具本体の上記先端部に向けて穿設して、この供給孔をこの先端部の先端面に開口させれば、加工時に生成される切屑の円滑な排出や加工部位の効率的な冷却、潤滑を図ることができる。さらに、工具本体の先端部外周には上記軸線に略平行に延びる内径加工用ガイドパッドを、また内径加工用チップよりも後端側には上記面取り加工切刃の傾斜に合わせて傾斜する面取り加工用ガイドパッドをそれぞれ設け、これらのガイドパッドの外周面を、軸線回りの回転軌跡においてそれぞれ上記内径加工切刃および面取り加工切刃よりも内周側に位置させるようにすれば、これらのガイドパッドを加工された下穴の内周や面取り部に摺接させて工具本体を案内することができて、より高精度の加工を行うことが可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1ないし図6は、本発明の一実施形態を示すものである。本実施形態において工具本体1は軸線Oを中心とした外形略多段の円柱状をなし、その後端部(図1において右側端部)はシャンク部2とされて、このシャンク部2が工作機械の主軸に把持されることにより、図中に符号Tで示す工具回転方向に回転させられて加工に供される。一方、工具本体1の先端部は切刃部3とされていて、この切刃部3は先端側(図1,3,5において左側)に向かうに従い漸次縮径する円錐台状部3Aと、この円錐台状部3Aの先端に設けられた小径の円柱部3Bとから構成され、この切刃部3の外周には、図2,4,6に示すように軸線Oに直交する断面が略L字状をなすチップポケット4が、円錐台状部3Aから円柱部3Bにかけて連続するように、かつ円柱部3Bにおいては軸線Oに平行に、また円錐台状部3Aにおいてはこの円錐台の母線に沿って延びるように形成されており、このチップポケット4の工具回転方向Tを向く壁面には、上記円柱部3Bに内径加工用チップ5が、円錐台状部3Aには面取り加工用チップ6が、それぞれ上記壁面から一段凹むように形成されたチップ取付座に着座させられて着脱可能に取り付けられている。なお、本実施形態では、この切刃部3の先端面3Cすなわち円柱部3Bの先端面の中央に、さらに一段先端側に突出するように小径の円板部3Dが形成されており、この円板部3Dの先端外周縁には超硬合金製のリング3Eが取り付けられている。
【0009】
上記チップ5,6は、いずれも超硬合金等の硬質材料から略長方形平板状に形成されたポジティブチップであり、その一方の長方形面がそれぞれすくい面5A,6Aとされるとともに、このすくい面5A,6Aがなす長方形の一対の長辺部分が、内径加工用チップ5にあっては内径加工切刃5Bとされ、また面取り加工用チップ6にあっては面取り加工切刃6Bとされている。また、このすくい面5A,6Aがなす長方形の中央部には、当該チップ5,6をその厚さ方向に貫通する図示されない取付孔が形成されるとともに、すくい面5A,6Aの切刃5B,6B側の縁部にはブレーカ溝5C,6Cが形成されている。なお、本実施形態では、面取り加工用チップ6は内径加工用チップ5よりも、そのすくい面6Aがなす長方形の上記長辺の長さ、すなわち切刃6Bの切刃長が長くされている。
【0010】
そして、これらのチップ5,6は、そのすくい面5A,6Aを工具回転方向Tに向けるとともに、一方の切刃5B,6Bを円柱状部3Bおよび円錐台状部3Aの外周にそれぞれ突出させて上記チップ取付座に着座させられた上で、上記取付孔に挿通されてこのチップ取付座の底面にねじ込まれる頭部付きのクランプネジ7によって皿バネ座金7Aを介して押圧されることにより、上述のように着脱可能に工具本体1に取り付けられ、この取付状態で内径加工用チップ5の切刃5Bは軸線Oに略平行に延びるようにされ、またこの内径加工用チップ5よりも後端側に配置されることとなる面取り加工用チップ6の切刃6Bは、その軸線O方向の先端が上記内径加工切刃5Bの軸線O回りの回転径よりも内周側に位置させられて、この先端から後端側に向かうに従い円錐台状部3Aの母線に略平行に外周側に向かうように傾斜させられることとなる。従って、本実施形態では上記クランプネジ7がクランプ手段とされ、またこのクランプネジ7の頭部により皿バネ座金7Aを介して押圧されるすくい面5A,6Aの取付孔開口部の周りが押圧部とされ、この押圧部は取付孔がすくい面5A,6Aの中央部に形成されることから、切刃5B,6Bの切刃長方向においてもその中央に配設されることとなる。
【0011】
一方、こうして取り付けられたチップ5,6に対して、切刃部3の上記円柱状部3Bと円錐台状部3Aにはそれぞれ調整機構8,8が備えられている。これらの調整機構8,8はいずれも、それぞれ一対の押付手段9,9から構成されるものであって、各押付手段9は、工具本体1の外周から上記チップ取付座の工具外周側を向く壁面に鋭角に交差して開口するように挿入孔10が穿設されてピン11が嵌挿されるとともに、この挿入孔10の工具本体1外周開口部側は雌ねじ部10Aとされて調整ネジ12がねじ込まれた構成とされ、この調整ネジ12をねじ込むことによってピン11が押し出されて、その先端がチップ取付座の上記壁面から突出し、このチップ取付座に取り付けられたチップ5,6の上記外周に突出する一方の切刃5B,6Bとは反対側のチップ側面(他方の切刃5B,6Bの逃げ面)5D,6Dに当接して該側面5D,6Dを押付可能とされている。なお、ピン11は、ポジティブチップであるチップ5,6の側面(逃げ面)5D,6Dの傾斜に合わせてその先端が斜めに切り欠かれており、その切欠面が全体でこの側面5D,6Dに密着可能とされるとともに、円柱部3Bと円錐台状部3Aとの径の違いから、内径加工用チップ5の調整機構8における押付手段9のピン11の長さより、面取り加工用チップ6の調整機構のピン11の長さが長くされている。
【0012】
さらに、内径加工用チップ5の調整機構8においては、その一対の押付手段9,9の上記挿入孔10,10が、それぞれこの内径加工用チップ5の上記一方の切刃5Bに直交する平面すなわち軸線Oに直交する平面上に延びるように、かつ互いには平行で、しかもこの切刃5Bの切刃長方向(軸線O方向)には上記押圧部を挟んで等間隔に反対側に位置するように形成されており、従ってこれらの押付手段9,9の上記ピン11先端は、上記チップ側面5Dにおいて切刃長方向にこの内径加工用チップ5の上記押圧部を挟んだ2つの部分をそれぞれ独立して押付可能とされる。また、面取り加工用チップ6の調整機構8も、その押付手段9,9の挿入穴10、10が、それぞれこの面取り加工用チップ6の一方の切刃6Bに直交する平面上に延びて互いには平行とされ、かつこの切刃6Bの切刃長方向(円錐台状部3Aの母線方向)には面取り加工用チップ6の押圧部を挟んで等間隔に反対側に位置し、同様に押付手段9,9の各ピン11の先端は、チップ側面6Dにおいて切刃長方向に上記押圧部を挟んだ2つの部分をそれぞれ独立して押付可能とされている。
【0013】
さらにまた、工具本体1内には、その後端の上記シャンク部2から軸線Oに沿って切削油剤の供給孔13が穿設されていて、穴加工時に工作機械側から切削油剤またはそのミストが先端側に供給可能とされており、この供給孔13は先端側の上記切刃部3内で外周側に曲折した後、この切刃部3の上記先端面3Cにおいて円板部3Dの外周に先端側向きに開口させられている。また、上記円柱部3Bと円錐台状部3Aの外周には、周方向に上記切刃5B,6Bの反対側の位置と、この位置と切刃5B,6Bとの間との3箇所に、チップ5,6と同じく超硬合金等の硬質材料よりなるガイドパッド14…が、それぞれ軸線Oと円錐台状部3Aの母線方向に平行に延びるように設けられている。これらのガイドパッド14…は、その外周面が軸線Oに直交する断面において該軸線Oを中心とした円弧状をなすように形成されており、ただしその外径は同じ断面における切刃5B,6Bの回転径よりも僅かに小さくされるとともに、円柱状部3Bに設けられるガイドパッド14…の先端は、内径加工切刃5Bの先端よりも僅かに後退した位置に配されている。
【0014】
このように構成された穴加工工具においては、工具本体1を工具回転方向Tに回転させつつ軸線O方向先端側に前進させて、図5に示すように加工物Wに形成された下穴Hに挿入してゆくことにより、まず切刃部3先端の円柱部3Bに取り付けられた内径加工用チップ5の内径加工切刃5Bにより下穴Hの内径が所定の径に仕上げ加工され、続いて挿入される円錐台状部3Aの面取り加工用チップ6の傾斜した面取り加工切刃6Bによってこの下穴Hの開口部に面取り部Mが形成されることとなり、すなわち1回の加工で下穴Hの仕上げと面取り部Mの形成とを同時に行うことができるので効率的であり、しかもこれら下穴Hと面取り部Mとを高い同軸度で形成することができる。そして、さらに上記構成の穴加工工具では、これら内径加工用チップ5の調整機構8と面取り加工用チップ6の調整手段8とを適宜操作することにより、これら内径加工用チップ5の内径加工切刃5Bの回転径や面取り加工用チップ6の面取り加工切刃6Bの傾斜角度を微調整することができる。
【0015】
すなわち、まず内径加工用チップ5においては、その調整機構8における一対の押付手段9,9の調整ネジ12,12を同じねじ込み量でねじ込むことにより、ピン13,13も等しい突出量でチップ取付座の上記壁面から突出させられ、これによってチップ5の上記側面5Dが切刃長方向にクランプネジ7による押圧部を挟んだ2つの部分で均等に押し付けられ、このクランプネジ7による押圧力に抗して、また場合によっては該クランプネジ7を撓ませてチップ5が外周側に押し出され、切刃5Bが軸線Oとの平行状態を維持したままその回転径が僅かに拡径させられる。また、面取り加工用チップ6においても、その調整機構8の一対の押付手段9,9の調整ネジ12,12をねじ込むことによってチップ6は外周側に押し出されるが、このときこれら一対の押付手段9,9の調整ネジ12,12を互いに異なるねじ込み量でねじ込むことにより、チップ6は上記押圧部を挟んで切刃長方向に大きなねじ込み量で調整ネジ12がねじ込まれた押付手段9側ほど大きく外周側に押し出されるので、この押付部を中心にチップ6を僅かに回動させることができ、これによって切刃6Bの傾斜角を僅かに調整することができる。
【0016】
従って、上記構成の穴加工工具によれば、加工物Wに形成された下穴Hに内径の微妙に異なる多数種の仕上げ加工を行わなければならなかったり、またそれぞれの下穴Hの開口部に傾斜角度の微妙に異なる多数種の面取り部Mを形成しなければならないときでも、これら内径や傾斜角度の種類に合わせたリーマや面取り工具をそれぞれ要したりすることがなく、1つの穴加工工具で対応することができて、効率的かつ経済的な作業を行うことができる。また、例えば切刃5B,6Bに摩耗が生じたりしても、調整機構8によってチップ5,6を外周側にせり出すことにより切刃5B,6Bの位置を維持したままある程度の加工は可能であり、また一方の切刃5B,6Bが使用不能になれば、チップ5,6を反転させて他方の切刃5B,6Bが使用可能であり、さらにはこれらチップ5,6を交換することにより、再研磨や再コートの時間やコストを要することなく鋭い切れ味を取り戻すことができる。
【0017】
さらに、本実施形態では、これらチップ5,6の調整機構8が、上述のようにクランプ手段としてのクランプネジ7によるチップ5,6の押圧部を切刃長方向に挟む2つの部分でチップ側面5D,6Dを押し付ける一対の押付手段9,9を備えたものであるので、それぞれの押付量すなわち上記調整ネジ12のねじ込み量を調整することにより、上記内径加工用チップ5の場合のように押付手段9,9の押付量を均等とすることでその切刃5Bは軸線Oと平行としたまま回転径を調整したり、あるいは面取り加工用チップ6の場合のように押付手段9,9の押付量を異なるものとしてチップ6を回動させて切刃6Bの傾斜角を調整したりすることができ、このような回転径や傾斜角の調整を容易に行うことが可能となって、例えば内径加工用チップ5の調整手段8において押付手段9,9同士の押付量を変えることにより、切刃5Bにバックテーパを付けたりすることもできる。しかも、本実施形態ではこのようにチップ5,6の押付が調整ネジ12のねじ込みによりピン11を介して行われるので、調整ネジ12のネジピッチに応じて一層微妙な押付量の調整も可能であり、これに伴い回転径や傾斜角の高精度の調整も可能とすることができる。
【0018】
また、本実施形態では工具本体1に切削油剤の供給孔13が穿設されており、この供給孔13は工具本体1先端部の切刃部3においてその先端面3Cに開口させられているので、この供給孔13から排出された切削油剤またはそのミストは、特に下穴Hが止まり穴である場合においてその穴底部に吐出され、上記チップポケット4を通して下穴Hの外に排出されることとなる。そして、このチップポケット4を通る際に、切刃5B,6Bによって生成された切屑も切削油剤とともに排出されるとともに、切刃5B,6Bやこれによる下穴H、面取り部Mの冷却、潤滑が行われるので、本実施形態によれば、切屑の詰まりや切削抵抗の増大などを抑えて円滑な加工が可能となる。なお、上記供給孔13に切削油剤のミストを供給する場合には、上記先端面3Cからの吐出圧を確保いてミストを満遍なく行き渡らせるために、この先端面3Cにおける供給孔13の開口部は内径2mm以下程度とされるのが望ましい。
【0019】
さらに、本実施形態では、切刃部3の上記円柱部3Bと円錐台状部3Aの外周にガイドパッド14が取り付けられており、その外周面の外径がチップ5,6の切刃5B,6Bの回転径よりも僅かに小さくされているので、これら切刃5B,6Bによる下穴H内周や面取り部Mの切削に干渉することなく、この外周面が加工された下穴H内周や面取り部Mに摺接して工具本体1を案内することができ、より精度の高い加工を行うことが可能となる。ただし、この切刃5B,6Bの回転径に対するガイドパッド14外周面の外径の内周側への後退量が大きすぎると、このガイドパッド14の外周面が確実に下穴Hや面取り部Mに摺接しなくなって工具本体1に振れが生じ、上述の効果が得られなくなるおそれがあるので、この後退量は切刃5B,6Bの回転径にもよるが、特に内径加工切刃5Bに対しては最大でも0.01mm程度とされるのが望ましい。
【0020】
【発明の効果】
以上で説明したように、本発明によれば、1つの穴加工工具により、1回の加工で下穴内径の仕上げ加工とその開口部の面取り加工を行うことができるのは勿論のこと、異なる仕上げ内径や面取り角度の複数種の穴にも対応することができ、経済的かつ効率的な穴加工を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を示す側面図である。
【図2】 図1に示す実施形態を先端側から見た正面図である。
【図3】 図1における矢線X方向視の部分拡大側面図である。
【図4】 図1におけるYY拡大断面図である。
【図5】 図1に示す実施形態の切刃部3を示す拡大側面図である。
【図6】 図5におけるZZ断面図である。
【符号の説明】
1 工具本体
3 切刃部
5 内径加工用チップ
5B 内径加工切刃
6 面取り加工用チップ
6B 面取り加工切刃
7 クランプネジ(クランプ手段)
8 調整機構
9 押付手段
11 ピン
12 調整ネジ
13 切削油剤の供給孔
14 ガイドパッド
O 工具本体1の軸線
T 工具回転方向

Claims (4)

  1. 軸線回りに回転される工具本体を有し、該工具本体は先端側に向かうに従い漸次縮径する円錐台状部とこの円錐台状部の先端に設けられた小径の円柱部とを備えており、前記円柱部に、上記軸線に略平行な内径加工切刃を有する内径加工用スローアウェイチップが着脱可能に取り付けられるとともに、前記円錐台状部に、後端側に向かうに従い外周側に向かうように傾斜した前記円錐台状部の母線に略平行な面取り加工切刃を有する面取り加工用スローアウェイチップが着脱可能に取り付けられ、これらのスローアウェイチップは、上記工具本体にそれぞれ設けられた調整機構により、上記内径加工用スローアウェイチップにおいては上記内径加工切刃の軸線からの回転径が、また上記面取り加工用スローアウェイチップにおいては上記面取り加工切刃の傾斜角が、各々調整可能とされており、加工穴の内径や面取り部の傾斜角度が異なる多種の加工穴に対応可能な構成とされていることを特徴とする穴加工工具。
  2. 上記スローアウェイチップは、そのすくい面における切刃長方向略中央の押圧部をクランプ機構によって押圧されて上記工具本体に取り付けられるとともに、上記調整機構は、上記切刃とは反対側のチップ側面において上記切刃長方向に上記押圧部を挟んだ2つの部分をそれぞれ独立して押付可能な押付手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の穴加工工具。
  3. 上記工具本体には切削油剤の供給孔が該工具本体の上記先端部に向けて穿設されていて、この供給孔はこの先端部の先端面に開口させられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の穴加工工具。
  4. 上記工具本体の先端部外周には上記軸線に略平行に延びる内径加工用ガイドパッドが、また上記内径加工用スローアウェイチップよりも後端側には上記面取り加工切刃の傾斜に合わせて傾斜する面取り加工用ガイドパッドがそれぞれ設けられており、これらのガイドパッドの外周面は、軸線回りの回転軌跡においてそれぞれ上記内径加工切刃および面取り加工切刃よりも内周側に位置させられていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の穴加工工具。
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