JP2011115888A - 工具ホルダ - Google Patents

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Abstract

【課題】工具ホルダにおいて、安定した振れ修正を行うことと、振れ修正機能のレトロフィット性とを両立し、しかも、工具シャンク部の短長に拘わらず振れ修正機能を付加できるようにすること。
【解決手段】軸部18の外周に形成された円環凹溝30に、組み合わさって環状をなす半割リング部材46A、46Bが嵌め込まれることにより、押圧機構を組み込まれている環状部材34が、フランジ部14の段差端面32と半割リング部材46A、46Bの端面50A、50Bとの間に挟まれた態様で、軸部18に対する軸線方向の移動を拘束される構造とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、工具ホルダに関し、更に詳細には、工具を工作機械の主軸に装着するための工具ホルダであって、保持した工具の振れを修正する機能を有する工具ホルダに関するものである。
リーマやドリル等、回転切削を行う工具は、工具ホルダに設けられたコレットチャック等によって工具ホルダの中心軸線上に保持され、工具ホルダのテーパシャンク部を、工作機械の主軸に形成されているテーパ孔に差し込むことにより、主軸に装着される。
このような工具の保持においては、工具のチャック保持部から刃先方向へ所定長さ離れた部位における振れ(工具ホルダの中心軸線に対する工具の中心軸線の傾きに起因して刃先部分に生じる工具ホルダの中心軸線からの回転半径方向の偏倚量)が加工精度上、問題になる。しかし、工具のチャック保持が高精度に行われても、刃先振れをゼロにすることは難しく、3〜5μm程度の刃先振れを避けることができない。このことに対して、工具ホルダに保持された工具の刃先振れを、ゼロに近付ける修正を行うことができる振れ修正機能付きの工具ホルダが種々提案されている。
振れ修正機能付き工具ホルダの一つ(先行技術1)として、ホルダ本体の外周部にリング部材によって偏心カム部材(操作部材)がホルダ本体の中心軸線周りの任意の位置に配置可能に設けられ、偏心カム部材の回転変位によって振れ修正ピンあるいは振れ修正鋼球がホルダ本体あるいはホルダ本体に取り付けられた工具チャック用の締付筒体のスラスト端面(工具ホルダの中心軸線に直交する面)に局部的に押し付けられることにより、押し付け部分を弾性変形させ、当該弾性変形によって工具のチャック保持部をホルダ本体の中心軸線に対して傾斜する方向に変位させ、工具の刃先振れをゼロに近付ける修正を行うものがある(たとえば、特許文献1)。
振れ修正機能付き工具ホルダの他の一つ(先行技術2)として、工具把持を行うコレットチャック部の先端あるいは工具のシャンク部に固定装着されたリング部材に取り付けられた振れ修正用ねじの押し付けによってコレットチャック部の先端面あるいは工具シャンク部の外周面を局部的に弾性変形させることによってコレットチャック部あるいは工具シャンク部をホルダ本体の中心軸線に対して傾斜する方向に変位させ、工具の刃先振れをゼロに近付ける修正を行うものがある(たとえば、特許文献2)。
振れ修正機能付き工具ホルダの他の一つ(先行技術3)として、先端に工具保持部を設けられた軸部と主軸への取付部であるテーパシャンク部との間に、これらより大きい外径のフランジ部を有する工具ホルダにおいて、軸部がフランジ部に隣接する部位の外周に環状部が設けられ、環状部にねじ係合したねじ部材をねじ込みによってフランジ部の端面(スラスト端面)に局部的に押し付けることによって押し付け部分を弾性変形させ、当該弾性変形によって工具保持部をホルダ本体の中心軸線に対して傾斜する方向に変位させ、工具の刃先振れをゼロに近付ける修正を行うものがある(たとえば、特許文献3)。
特許第3704320号公報 特許第3997093号公報 特開2001−138162号公報
しかしながら、先行技術1のものは、偏心カムとこの偏心カムに連動する振れ修正ピン、振れ修正鋼球を用いた振れ修正装置であり、構造上、複雑化を免れない。また、標準品的に製作されている工具ホルダに、後から振れ修正装置を付加しようとするレトロフィットの場合には、工具ホルダを分解して加工する必要があり、工具ホルダ自体の精度を低下させる虞がある。このため、実際には、最初から振れ修正装置付加方式の工具ホルダとして製作されていることが好ましく、レトロフィット性に欠けている。
先行技術2のものは、コレットチャック部の先端あるいは工具シャンク部に固定装着されたリング部材とリング部材に取り付けられた振れ修正用ねじによる振れ修正装置であるので、構造が簡単で、標準品的に製作されている工具ホルダに、後から付加することができ、レトロフィット性に優れている。
しかしながら、先行技術2のものは、レトロフィット性がよい反面、コレットチャック部の先端あるいは工具シャンク部に対するリング部材の固定強度が強くないと、安定した振れ修正を行うことができない。また、リング部材の取り付けのために、工具ホルダの長手方向に全長(軸長)が長くなってしまい、工具シャンク部が長く余裕がある場合は兎も角、工具シャンク部が短い工具の場合には、採用し難いものである。工具シャンク部が長く余裕があると云うことは、工具ホルダを工作機械の主軸へ取り付けた場合に、主軸端からの工具刃先までの距離が長くなることになる。このため、工具刃先が振れ易く、工具刃先の振れが増幅されるから、振れ修正を、より正確に行う必要が生じる。
先行技術3のものは、環状部が軸部に予め一体形成されていれば、軸部に対する環状部の固定強度が十分で、軸部に対して環状部ががた付く虞がないので、安定した振れ修正を行うことができるが、その反面、レトロフィット性に欠けるものになる。これに対して環状部が軸部に後付けされる構成であれば、レトロフィット性に優れたものなるが、工具ホルダ本来の精度を損なうことなく軸部に対する環状部の固定強度を十分に取ることが難しく、安定した振れ修正を行うことが難しい。
本発明が解決しようとする課題は、工具ホルダにおいて、安定した振れ修正を行うことと、振れ修正機能のレトロフィット性とを両立し、しかも、工具シャンク部の短長に拘わらず振れ修正機能を付加できるようにすることである。
本発明による工具ホルダは、フランジ部と、前記フランジ部の一方の側に一体形成された主軸装着用のシャンク部と、前記フランジ部の他方の側に一体形成され当該フランジ部の外径より小さい外径の軸部と、前記軸部の先端側に設けられた工具把持用のチャック部とを有する工具ホルダであって、前記軸部の外周には環状の凹溝が形成され、前記軸部の外周に装着され一方の端面が当該軸部と前記フランジ部との外径違いによる段差端面に対向する環状部材と、前記環状部材に組み込まれ前記段差端面を押圧する押圧機構と、組み合わさって環状をなし環状態で見て前記凹溝の底部外径に等しいかそれより大きく且つ前記軸部の外径より小さい内径と、前記軸部の外径より大きい外径を有し、前記凹溝に嵌め込みまれて前記環状部材の他方の端面と前記凹溝の溝側面とに挟まれる分割リング部材とを有する。
本発明による工具ホルダは、好ましくは、前記押圧機構は、前記環状部材の周方向の少なくとも一箇所に当該環状部材を軸線方向に貫通して前記一方の端面に開口したねじ孔と、前記ねじ孔にねじ係合して先端面をもって前記段差端面に当接するねじ部材とを含む。
本発明による工具ホルダは、好ましくは、前記押圧機構は、前記環状部材の周方向の少なくとも一箇所に軸線方向に延在して前記一方の端面に開口した孔と外周面より径方向に延在して前記孔に連通するねじ孔と、前記孔に挿入され一方の端面をもって前記段差端面に当接する可動ブロックと、前記ねじ孔にねじ係合して前記可動ブロックの他方の端面と傾斜面をもって係合し、ねじリード方向の移動によって前記可動ブロックを軸線方向に移動させるねじ部材とを含む。
本発明による工具ホルダは、好ましくは、更に、前記環状部材に固定され、前記凹溝に嵌め込みまれた前記分割リング部材の脱落防止のために当該分割リング部材の外周を取り囲むカバー部材を有する。
本発明による工具ホルダによれば、軸部の外周に形成された環状の凹溝に、組み合わさって環状をなす分割リング部材が嵌め込まれることにより、環状部材が、フランジ部の段差端面と分割リング部材の端面との間に挟まれた態様で、軸部に対する軸線方向の移動を拘束される。この環状部材の拘束は、組み合わさって環状をなし、軸部外周に形成された環状の凹溝に単に嵌め込まれた分割リング部材により、あたかも軸部外周に突出形成された環状フランジによる拘束のように、十分な強度をもって安定して行われる。
これにより、環状部材に組み込まれた押圧機構によって段差端面を押圧することにより生じる軸部の弾性変形による振れ修正が精度よく安定して行われ得るようになる。
振れ修正機能のレトロフィットについては、軸部の外周に環状の凹溝を形成する加工を施すだけでよいので、レトロフィット性に優れ、工具ホルダ本来の精度を損なうこともない。
本発明による工具ホルダの実施形態1を示す部分断面側面図(図2の線A−A断面)。 実施形態1による工具ホルダの正面図。 実施形態1による工具ホルダの分解斜視図。 実施形態1による工具ホルダの要部の拡大断面図。 実施形態1による工具ホルダのレトロフィットの加工例を示す側面図。 本発明による工具ホルダの実施形態2を示す部分断面側面図。 実施形態2による工具ホルダの分解斜視図。
本発明による工具ホルダの実施形態1を、図1〜図4を参照して説明する。
工具ホルダ10は、外周に自動工具交換装置の交換アームが係脱可能に係合する円環溝12を形成された大径円柱状のフランジ部14と、フランジ部14の軸線方向の一方の側に一体形成された主軸装着用のテーパシャンク部16と、フランジ部14の軸線方向の他方の側に一体形成されフランジ部14の外径より小さい外径の小径円柱状の軸部18と、軸部18の先端側に設けられた工具把持用のチャック部20とを有する。チャック部20は、軸部18の先端部外周に形成されたねじ部22にねじ係合する締付筒体24を含む周知のコレットチャック式のものであり、工具Tのシャンク部TSを着脱可能に把持する。
軸部18の軸線方向中間部の外周には円環凹溝30が形成されている。軸部18の外周には、軸部18とフランジ部14との外径違いによる段差端面32に突き当たるように、円環部材(環状部材)34が嵌合装着されている。円環部材34は軸線方向に直交する平面による互いに平行な両端面36、38を有しており、一方の端面36が段差端面32に平面同士で対向している。
円環部材34の周方向の少なくとも一箇所、本実施例では、周方向に互い180度離れた位置に(図2参照)、各々、円環部材34を軸線方向に貫通して端面36、38に開口したねじ孔40が形成されている。ねじ孔40にはねじ部材42がねじ係合している。ねじ部材42は、六角孔付きの頭無しビスであり、先端面44をもって段差端面32に当接し、リード方向の移動によって先端面44を段差端面32に押し付ける。これにより、ねじ式の押圧機構が円環部材34に構成される。
円環凹溝30には、組み合わさって円環をなす分割リング部材、本実施例では、2分割の半円形状の半割リング部材46A、46Bが嵌め込まれている。半割リング部材46A、46Bは、組み合わさった円環状態で見て、円環凹溝30の底部外径に等しいか底部外径より大きく、且つ軸部18の外径より小さい内径と、軸部18の外径より大きい外径を有し、円環凹溝30に嵌め込みまれて円環部材34の端面38と円環凹溝30の溝側面48とに挟まれている。
つまり、半割リング部材46A、46Bは、一方の端面50A、50Bをもって円環部材34の端面38と平面同士で対向し、他方の端面52A、52Bをもって円環凹溝30の溝側面48と平面同士で対向している。
これにより、環状部材34は、フランジ部14の段差端面32と半割リング部材46A、46Bの端面50A、50Bとの間に挟まれた態様で、軸部18に対する軸線方向の移動を拘束される。
なお、本実施例では、半割リング部材46A、46Bが用いられているが、ここに用いられる分割リング部材の分割数は、二分割に限られることはなく、三分割、四分割等、二分割以上の分割数であってもよい。部品点数、組付工数の観点からは、二分割が最適である。また、分割リング部材は、完全に分割されたものではなく、弾性のある材料製であれば、リング部材の一箇所が切断された形態のものであってもよく、この場合、内径を拡径した状態で、チャック部20の側から軸方向に挿入するすることにより、取り付けることが可能である。
環状部材34の端面38には複数個の取付ボルト54によってカバー部材56が固定されている。カバー部材56は、円環状のもので、円環凹溝30に嵌め込みまれている半割リング部材46A、46Bの外周を、内径部58によって箍のようにして取り囲んでいる。これにより、半割リング部材46A、46Bの脱落が防止される。
カバー部材56には、六角レンチRのようなねじ廻し工具を、ねじ部材42の配置部に通すための工具通し貫通孔60が軸線方向に貫通形成されている。
環状部材34の内径部分には周溝62が形成されている。周溝62には、ゴム状弾性体製のOリング64が嵌め込まれている。Oリング64は、環状部材34と軸部18とに摩擦係合し、環状部材34とカバー部材56との連結体を中心軸線周りの任意の回転位置に摩擦抵抗によって固定する。
図5に示されているように、標準品的に製作された既存の工具ホルダ100に、環状部材34を含む振れ修正装置を組み付けるレトロフィットを行う場合には、工具ホルダ100の軸部18の外周に、仮想線により示されているように、切削加工によって円環凹溝30を形成する。円環凹溝30の切削加工は、フランジ部14、テーパシャンク部16、軸部18よりなる工具ホルダ本体が熱処理されている場合には、超硬バイトを用いる、所謂、焼き入れ後旋盤加工により行えばよい。
なお、図5において、図1に対応する部分は、図1に付した符号と同一の符号を付けて、その説明を省略する。
環状部材34を含む振れ修正装置の組み付けは、予め、ねじ孔40にねじ部材42をねじ込まれている環状部材34を、軸部18の先端側よりフランジ部14の段差端面32に突き当たるまで軸部18の外周に挿入する。
次に、半割リング部材46A、46Bを円環凹溝30に嵌め込む。続いて、カバー部材56を、軸部18の先端側より環状部材34の端面38に突き当たるまで軸部18の外周に挿入する。これにより、半割リング部材46A、46Bの外周がカバー部材56によって取り囲まれ、半割リング部材46A、46Bが円環凹溝30より抜け出すことが阻止される。
そして、取付ボルト54によってカバー部材56を環状部材34に固定する。これにより振れ修正装置の組み付けが完了する。
つぎに、振れ修正の手順について説明する。まず、工具ホルダ先端のチャック部20に工具Tのシャンク部TSを差し込み、締付筒体24の操作によって工具Tをチャック部20に装着する。つぎに、工具ホルダ10のテーパシャンク部16を工作機械の主軸先端に形成されている工具ホルダ受入孔(図示省略)に差し込み、主軸の回転によって工具ホルダ10を中心軸線周りに回転させ、ダイヤルゲージ等を用いて工具Tの刃先の振れ量を計測する。振れ量が最大になる回転角位置に一方のねじ部材42が位置するように、円環部材34を軸部18に対して回転させる。
つぎに、カバー部材56の工具通し貫通孔60に六角レンチRを通し、六角レンチRによって前記一方のねじ部材42をねじ込み、当該ねじ部材42の先端面を段差端面32に押し付け、ねじ部材42によって段差端面32を押圧する。これにより、図4に矢印Fによって示されている方向の反力が円環部材34に生じ、この反力は円環部材34の端面38より半割リング部材46Aあるいは46Bを介して円環凹溝30の溝側面48に作用する。
これにより、軸部18が中心軸線に対して刃先振れを減少する方向に弾性変形する。このとき、ダイヤルゲージ等によって振れ量を確認しながら、ねじ部材42のねじ込み量を調節することにより、工具ホルダ10に装着されている工具Tの刃先振れをゼロに修正することができる。
本実施例によれば、環状部材34の軸部18に対する軸線方向移動の拘束は、組み合わさって円環状をなし、軸部外周に形成された円環凹溝30に単に嵌め込まれた半割リング部材46A、46Bにより、あたかも軸部外周に突出形成された環状フランジによる拘束のように、十分な強度をもって安定して行われる。
これにより、環状部材34に組み込まれているねじ部材42によって段差端面32を押圧することにより生じる軸部18の弾性変形による振れ修正を、精度よく安定して行えるようになる。
環状部材34を含む振れ修正装置のレトロフィットについては、軸部18の外周に円環凹溝30を形成する加工を施すだけでよいので、レトロフィット性に優れ、工具ホルダ本来の精度を損なうこともない。円環凹溝30は、半割リング部材46A、46Bが引っかかる程度の比較的浅い凹溝でよいので、円環凹溝30が工具ホルダ10の強度を大きく低下させることもない。
本発明による工具ホルダの実施形態2を、図6、図7を参照して説明する。なお、図6、7において、図1、図3に対応する部分は、図1、図3に付した符号と同一の符号を付けて、その説明を省略する。
本実施例では、環状部材34に、軸線方向に延在して端面36に開口した孔70と、外周面より径方向に延在して孔70に連通するねじ孔72とが形成されている。孔70にはピン状の可動ブロック74が軸線方向に移動可能に挿入されている。
可動ブロック74は先端面(一方の端面)75をもって段差端面32に当接している。可動ブロック74の他方の端面は傾斜面76になっている。ねじ孔72にはねじ部材78がねじ係合している。ねじ部材78は、六角孔付きの頭無しビスであり、円錐面80、つまり傾斜面をもって可動ブロック74の傾斜面76に当接している。ねじ部材78のねじ込みによるリード方向の移動は、円錐面80と傾斜面76との当接によって、可動ブロック74を孔70の軸線方向に移動させる方向に変換される。これにより、ねじ部材78のねじ込みによって可動ブロック74の先端面75が段差端面32に押し付けられる。この構造をもって、ねじ式の押圧機構が円環部材34に組み込まれる。
なお、ねじ部材78の円錐部分の先端には抜け止め用円柱部81が設けられている。抜け止め用円柱部81は、傾斜面76をもって円錐面80に当接している可動ブロック74の図6で見て下底面側との係合により、ねじ部材78がねじ孔72より抜け出すことを防止している。
環状部材34には、もう一つの径方向のねじ孔82と、軸線方向に延在してねじ孔82に連通する孔83が形成されている。ねじ孔82には廻り止めねじ部材84がねじ係合している。廻り止めねじ部材84は、先端面をもって軸部18の外周面に当接し、環状部材34とカバー部材56との連結体を中心軸線周りの任意の回転位置に固定する。孔83には抜け止めピン88が挿入されている。抜け止めピン88は、廻り止めねじ部材84に形成されている周溝86と係合し、廻り止めねじ部材84がねじ孔82より抜け出すことを防止する。
この実施例でも、標準品的に製作された既存の工具ホルダ100(図5参照)に、環状部材34を含む振れ修正装置を組み付けるレトロフィットを行う場合には、工具ホルダ100の軸部18の外周に、仮想線により示されているように、切削加工によって円環凹溝30を形成すればよい。
この実施例による環状部材34を含む振れ修正装置の組み付けは、予め、可動ブロック74、ねじ部材78、廻り止めねじ部材84、抜け止めピン88を組み込まれた環状部材34を、軸部18の先端側よりフランジ部14の段差端面32に突き当たるまで軸部18の外周に挿入する。
次に、半割リング部材46A、46Bを円環凹溝30に嵌め込む。続いて、カバー部材56を、軸部18の先端側より環状部材34の端面38に突き当たるまで軸部18の外周に挿入する。これにより、半割リング部材46A、46Bの外周がカバー部材56によって取り囲まれ、半割リング部材46A、46Bが円環凹溝30より抜け出すことを阻止される。
そして、取付ボルト54によってカバー部材56を環状部材34に固定する。これにより振れ修正装置の組み付けが完了する。
つぎに、振れ修正の手順について説明する。まず、工具ホルダ先端のチャック部20に工具Tのシャンク部TSを差し込み、締付筒体24の操作によって工具Tをチャック部20に装着する。つぎに、工具ホルダ10のテーパシャンク部16を工作機械の主軸先端に形成されている工具ホルダ受入孔(図示省略)に差し込み、主軸の回転によって工具ホルダ10を中心軸線周りに回転させ、ダイヤルゲージ等を用いて工具Tの刃先の振れ量を計測する。振れ量が最大になる回転角位置にねじ部材78が位置するように、円環部材34を軸部18に対して回転させる。
つぎに、六角レンチRによってねじ部材78をねじ込む。ねじ部材78のねじ込み方向の移動である径方向移動は、円錐状先端面78と傾斜面76との当接係合によって軸線方向移動に変換され、可動ブロック74の先端面75が段差端面32に押し付けられる。これにより、可動ブロック74が段差端面32を押圧し、その反力が円環部材34に生じる。この反力は、前述の実施例と同様に、円環部材34の端面38より半割リング部材46Aあるいは46Bを介して円環凹溝30の溝側面48に作用する。
この後、廻り止めねじ部材84を締め付け、円環部材34を軸部18に廻り止め固定する。この廻り止め固定は、刃先振れ補正が非常に僅かである場合や、振れ補正が必要でない場合の廻り止め固定にも有効である。
これにより、本実施例でも、軸部18が中心軸線に対して刃先振れを減少する方向に弾性変形する。このとき、ダイヤルゲージ等によって振れ量を確認しながら、ねじ部材78のねじ込み量を調節することにより、工具ホルダ10に装着されている工具Tの刃先振れをゼロに修正することができる。
本実施例でも、環状部材34の軸部18に対する軸線方向移動の拘束は、組み合わさって円環状をなし、軸部外周に形成された円環凹溝30に単に嵌め込まれた半割リング部材46A、46Bにより、あたかも軸部外周に突出形成された環状フランジによる拘束のように、十分な強度をもって安定して行われる。
これにより、環状部材34に組み込まれているねじ部材78によって段差端面32を押圧することにより生じる軸部18の弾性変形による振れ修正を、精度よく安定して行えるようになる。
また、本実施例でも、環状部材34を含む振れ修正装置のレトロフィットについては、軸部18の外周に円環凹溝30を形成する加工を施すだけでよいので、レトロフィット性に優れ、工具ホルダ本来の精度を損なうこともない。円環凹溝30は、半割リング部材46A、46Bが引っかかる程度の比較的浅い凹溝でよいので、円環凹溝30が工具ホルダ10の強度を大きく低下させることもない。
なお、ねじ孔72、可動ブロック74、ねじ部材78によるねじ式の押圧機構は、円環部材34の異なる周方向位置に複数構成されてもよい。
円環部材34に組み込まれる押圧機構は、ねじ式のものに限定されことなく、偏心カム式、楔式等、種々のものを適用可能である。
10,100 工具ホルダ
14 フランジ部
16 テーパシャンク部
18 軸部
20 チャック部
30 円環凹溝
32 段差端面
34 円環部材
36、38 端面
40 ねじ孔
42 ねじ部材
46A、46B 半割リング部材
48 溝側面
56 カバー部材
70 孔
72 ねじ孔
74 可動ブロック
78 ねじ部材

Claims (4)

  1. フランジ部と、前記フランジ部の一方の側に一体形成された主軸装着用のシャンク部と、前記フランジ部の他方の側に一体形成され当該フランジ部の外径より小さい外径の軸部と、前記軸部の先端側に設けられた工具把持用のチャック部とを有する工具ホルダであって、
    前記軸部の外周には環状の凹溝が形成され、
    前記軸部の外周に装着され、一方の端面が当該軸部と前記フランジ部との外径違いによる段差端面に対向する環状部材と、
    前記環状部材に組み込まれ前記段差端面を押圧する押圧機構と、
    組み合わさって環状をなし、環状態で見て、前記凹溝の底部外径に等しいか、それより大きく、且つ前記軸部の外径より小さい内径と、前記軸部の外径より大きい外径を有し、前記凹溝に嵌め込みまれて前記環状部材の他方の端面と前記凹溝の溝側面とに挟まれる分割リング部材と、
    を有する工具ホルダ。
  2. 前記押圧機構は、前記環状部材の周方向の少なくとも一箇所に当該環状部材を軸線方向に貫通して前記一方の端面に開口したねじ孔と、前記ねじ孔にねじ係合して先端面をもって前記段差端面に当接するねじ部材とを含む請求項1に記載の工具ホルダ。
  3. 前記押圧機構は、前記環状部材の周方向の少なくとも一箇所に軸線方向に延在して前記一方の端面に開口した孔と外周面より径方向に延在して前記孔に連通するねじ孔と、前記孔に挿入され一方の端面をもって前記段差端面に当接する可動ブロックと、前記ねじ孔にねじ係合して前記可動ブロックの他方の端面と傾斜面をもって係合し、ねじリード方向の移動によって前記可動ブロックを軸線方向に移動させるねじ部材とを含む請求項1に記載の工具ホルダ。
  4. 前記環状部材に固定され、前記凹溝に嵌め込みまれた前記分割リング部材の脱落防止のために当該分割リング部材の外周を取り囲むカバー部材を有する請求項1から3の何れか一項に記載の工具ホルダ。
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