JP2005101096A - 積層セラミック電子部品およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 絶縁体層用磁器の耐熱衝撃性の低下を抑制しつつ、絶縁特性の向上した積層セラミック電子部品、及びその製法を提供する。
【解決手段】 少なくともセラミックスと酸化ケイ素を主成分とする助剤を含有する複数の絶縁体層9と、前記絶縁体層9間に内部導体を介在せしめて一体的に積層してなる積層セラミック電子部品であって、各絶縁体層9は第1層A1と、該酸化ケイ素の含有量が第1層A1の酸化ケイ素の30〜80体積%である高抵抗層の第2層A2とからなることを特徴とする積層セラミック電子部品。
【選択図】 図2

Description

本発明は、積層セラミック電子部品およびその製法に関し、特に配線基板や積層セラミックコンデンサのように絶縁体層および内部導体が薄層多層化された積層セラミック電子部品およびその製法に関する。
近年、電子機器の小型化、高密度化に伴い、セラミック積層体中に内部導体を形成した配線基板やセラミックコンデンサは、薄型化、高寸法精度が求められており、例えば、積層セラミックコンデンサでは小型高容量化が求められ、このため絶縁体層や内部導体の薄層化および多層化が進められている。
このような積層セラミックコンデンサでは、絶縁体層の薄層化に伴い、絶縁体層用のセラミック主相に比較して、焼結助剤や素子の特性を制御する添加物などの2次相(低抵抗相)の存在比が無視できなくなり、積層セラミックコンデンサの耐電圧および絶縁抵抗に大きく影響するようになるため、絶縁体層中の2次相の絶縁特性を制御する工夫が図られている。
このような積層セラミックコンデンサとして、例えば、厚み5μmの絶縁体層用のグリーンシートを使用し積層セラミックコンデンサを作製したとき、絶縁体層の誘電体磁器組成物はセラミック粒子と該セラミック粒子を連結する酸化ケイ素を含有するガラス相からなり、該ガラス中にMn、V、Cr、Mo、Fe、Ni、Cu、及びCoから選択された1種類以上の添加物元素を固溶させることにより構成されている。
そして、このような磁器組成物の絶縁体層を用いることにより、絶縁体層の電気抵抗の低下を抑えることが可能となり、ショートやクラック等の構造欠陥が少なく信頼性の高い積層セラミックコンデンサを得ることができる(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−284158号公報
しかしながら、上記した特許文献1に開示される積層セラミックコンデンサでは、グリーンシートの厚みが5μm以上の場合について記載されており、しかも、主相であるセラミック相に対し2次相であるガラス相は酸化ケイ素を含有するため、金属酸化物セラミックス粒子と反応し、低抵抗物質を生成しやすく、局所的な低抵抗相が存在しやすくなるという問題があった。特に近年の小型高容量化に対応すべく、絶縁体層厚みを3μm以下に低減した場合、絶縁体層への電界強度がさらに大きくなり、また低抵抗相である、酸化ケイ素を主成分とする2次相が、絶縁体層厚みが薄層化されることにより、内部電極間で連結し、導電経路を作る確率が高くなり積層セラミックコンデンサの絶縁破壊電圧が著しく低下するとともに、耐熱衝撃性が低下するという問題があった。
従って、本発明は、絶縁体層用磁器の耐熱衝撃性の低下を抑制しつつ、絶縁特性の向上した積層セラミック電子部品、及びその製法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、複数の絶縁体層を積層してなり、前記絶縁体層間に内部導体を介在せしめるとともに、前記多層構造をもつ絶縁体層の中に、助剤として添加する酸化ケイ素の含有量が少ない、高抵抗性の誘電体層を少なくとも1層以上存在させることにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、少なくともセラミックスと酸化ケイ素を主成分とする助剤を含有する複数の絶縁体層(A)と、前記絶縁体層(A)間に内部導体(B)を介在せしめて一体的に積層してなる積層セラミック電子部品であって、各絶縁体層(A)は第1層(A1)と、該酸化ケイ素の含有量が第1層(A1)の酸化ケイ素の30〜80体積%である高抵抗層の第2層(A2)とからなることを特徴とする積層セラミック電子部品に関する発明である。
本発明においては更に、
(1)第2層(A2)中の酸化ケイ素の含有量が、0.9〜2.4体積%であること、
(2)前記多層構造をもつ絶縁体層(A)中の、セラミック粒子の平均粒径が0.4μm以下であること
(3)絶縁体層(A)の各層の厚みがいずれも3μm以下であること、
(4)絶縁体層(A)における第2層(A2)の厚みの合計が全絶縁体層の厚みの1/2以下であること
が望ましい
また、本発明は、積層セラミック電子部品の製造方法であって、
(i)キャリアフィルム上に先ず、(a)セラミック粉末と、酸化ケイ素を主成分とする助剤とを含有する第1のセラミックスラリを塗布し、(b)その表面にセラミック粉末と、酸化ケイ素を主成分とする助剤であって該酸化ケイ素の含有量が第1のセラミックスラリの酸化ケイ素含有量の30〜80質量%である助剤とを含有する第2のセラミックスラリを塗布するか、又は(a)前記第2のセラミックスラリを塗布して、(b)その表面に前記第1のセラミックスラリを塗布して、多層構造をもつグリーンシートを作製する工程、
(ii)この多層構造をもつグリーンシート表面の一部に導体パターンを形成し、前記キャリアフィルムを剥離する工程、
(iii)該導体パターンが形成された前記グリーンシートを複数積層して積層成形体を作製する工程、及び
(iv)該積層成形体を所望の大きさに切断後焼成する工程
を含むことを特徴とする。
本発明においては更に、
(1)前記多層構造をもつグリーンシートにおいて、グリーンシートの全体の厚みが3μm以下であること
(2)第2層(A2)を形成するための第2のセラミックスラリにて塗布されたグリーンシート層の厚みがグリーンシートの全体の厚みの1/2以下であること
が望ましい。
このような積層セラミック電子部品は、セラミック粉末と、酸化ケイ素を主成分とする助剤を含有する第一のセラミックスラリと、セラミック粒子と、酸化ケイ素を主成分とする助剤であって該酸化ケイ素の含有量が第1のセラミックスラリの酸化ケイ素含有量の30〜80質量%である第2のセラミックスラリを、キャリアフィルム上に、逐次塗布し、助剤である酸化ケイ素の含有量が少ない層が、少なくとも1層以上含まれる多層構造をもつグリーンシートを作製する工程と、この多層構造をもつグリーンシート表面の一部に内部導体パターンを形成し、前記キャリアフィルムを剥離する工程と、該内部導体パターンが形成された前記グリーンシートを複数積層して積層成形体を作製する工程と、該積層成形体を焼成する工程により作製できる。
本発明の積層セラミック電子部品は、多層構造をもつ絶縁体層中に他の絶縁体層よりも酸化ケイ素の含有の少ない高抵抗層を形成することにより、絶縁体層の絶縁抵抗を向上することができるとともに、内部電極間を連結する低抵抗相の存在確率を低減でき、絶縁体層の絶縁破壊電圧及び耐熱衝撃性を高めることができる。
即ち、このように絶縁体層を多層構造とし、その内部に高抵抗層を形成することから、耐電圧の向上が図られるため、内部導体間の有効厚みの減少を促進でき、積層セラミック電子部品の、例えば、積層セラミックコンデンサの静電容量を高くできる。
このような高抵抗層を絶縁体層中の一部の層とすることにより、絶縁体磁器の機械的特性と耐熱衝撃性が低下するのを防止又は抑制することが可能となる。
(構造)
本発明の積層セラミック電子部品は、図1に例示されるような積層セラミックコンデンサに適用される。
この積層セラミック電子部品は積層体本体1の両端部に外部電極3を形成して構成されている。外部電極3の表面には、例えば、その表面から順にNiメッキ層、Snメッキ層もしくはSn−Pb合金メッキ層が形成されている。
積層体本体1は、多層からなる絶縁体層9と内部導体11を交互に積層して形成されている。
この積層体本体1を構成している絶縁体層9は、シート状のセラミック焼結体からなり、例えば、BaTiOを主成分とする絶縁体グリーンシートを焼成して形成した絶縁体磁器からなる。
尚、絶縁体層9を構成するセラミックスとしてチタン酸バリウム系、チタン酸ストロンチウム系、チタン酸カルシウム、チタン酸鉛等のセラミックス、及びこれらの複合酸化物が好適に使用できる。
本発明の積層セラミック電子部品を構成する絶縁体層9は、セラミックスと助剤から形成されているが、助剤としては、主成分であるSiOとBaO、CaO、LiO等から構成される。
絶縁体層9にこれらの助剤を配合することにより、セラミック粒子の焼結温度を低下させて、内部導体用材料との同時焼成を可能とし、その結果磁器を緻密化することが可能となる。
尚、これらの助剤の配合割合は、BaOが10〜30モル%、CaOが10〜30モル%、LiOが5〜20モル%、SiOが40〜60モル%とするのが好ましい。
また、本発明において、セラミック粉末100質量部に対し、前記助剤を5〜32質量部配合するのが好ましい。
一方、内部導体11は導電性ペーストの膜を焼結させた金属膜からなり、導電性ペーストとしては、例えば、Ni、Co、Cu等の卑金属が使用されている。また、内部導体11は、このように卑金属を主成分とし、概略矩形状の導体膜であり、上から第1層目、第3層目、第5層目・・・の奇数層の内部導体11は、その一端が積層体本体1の一方端面に露出しており、上から第2層目、第4層目、第6層目・・・の内部導体11は、その一端が積層体本体1の他方端面に露出している。尚、外部電極3と内部導体11は必ずしも同一材料から構成される必要はない。
図2は、本発明の絶縁層を示す概略断面図である。
図2(a)は、A1とA2からなる2層構造の場合、図2(b)は、A1と2つのA2からなる3層構造の場合である。
図3は、絶縁層の内部構造を示す模式図である。
また、本発明の各絶縁体層(A)9において、前記第1層(A1)と第2層(A2)はそれぞれセラミック粒子10aと粒界層10bとからなり、粒界層10bは助剤の主成分である酸化ケイ素を含有し、かつ第2層(A2)中の酸化ケイ素の含有量が、第1層(A1)中の該酸化ケイ素の30〜80体積%であり、好ましくは40体積%以上、特に好ましくは45体積%以上であり、一方、好ましくは70体積%以下、特に好ましくは65体積%以下である。
各絶縁体層(A)の一部に高抵抗層である該第2層(A2)を積層することにより、絶縁破壊強度を著しく改善することができる。
第2層(A2)中の酸化ケイ素の含有量を、第1層(A1)中の酸化ケイ素の80体積%以下とすることにより、第1層(A1)と比較して高抵抗性が発現し、一方、30体積%以上とすることにより、絶縁体磁器の機械的特性と耐熱衝撃性の低下を回避するか、抑制することができる。
一般的に使用されている各絶縁体層の助剤としての酸化ケイ素の含有量は、2.5〜3.5体積%程度であるが、本発明の第2層(A2)中の前記酸化ケイ素の含有量が、0.9〜2.4体積%であることが好ましい。
酸化ケイ素の含有量を前記2.4体積%以下とすることにより、高抵抗性が顕著に発現し、一方、0.9体積%以上とすることにより、絶縁体磁器の機械的特性と耐熱衝撃性の低下を回避するか、抑制することができる。
尚、第2層(A2)中の酸化ケイ素の含有量は、より好ましくは1.2体積%以上、特に好ましくは1.3体積%以上であり、一方、より好ましくは2.1体積%以下、特に好ましくは2.0体積%以下である。
本発明の絶縁体層9中の、セラミック粒子10aの平均粒径は、0.4μm以下であることが望ましい。
このような粒径とすることにより、絶縁体層9をより高絶縁性化でき、また高強度化することができる。
また、本発明の積層セラミック電子部品を構成する絶縁体層9の各層の厚みは、積層セラミック電子部品の小型高容量化のため薄層多層化という理由から、3μm以下が望ましく、高誘電率および高絶縁性という理由から絶縁体層9の厚みは1.5〜3μmが望ましい。
一方、内部導体11の厚みは2μm以下が望ましく、この内部導体11に含まれる金属量の低減が図れるとともに、充分な有効面積を確保するという理由から、特に、0.5〜1.5μmであることが望ましい。
本発明の積層セラミック電子部品において、絶縁体層9(A)における第2層(A2)の厚みの合計が全絶縁体層9の厚みの1/2以下であることが望ましい。
このような厚みの割合とすることにより、ガラス量低減による絶縁体層9の密度低下及び磁器強度の低下を抑制できる。また、その積層体本体1を構成する絶縁体層9が薄層多層化されても、この絶縁体層9上で、内部導体11の侵入が無くショートを防止できる。
また、本発明の積層セラミック電子部品の積層数は、セラミック積層体の小型高容量化に対してその積層数は100層以上が望ましい。
(製法)
次に、本発明の積層セラミック電子部品として、例えば、積層セラミックコンデンサの製法について、図4を基に説明する。
(a)まず、平均粒径が0.4μm以下のBaTiOを主成分とするセラミック粉末と、酸化ケイ素を主成分とする助剤を所定量混合して、第1のセラミックスラリを調製する。混合粉末における割合は、セラミック粉末100質量部に対して、助剤は1.2〜3質量部が好ましい。
次に、第2のセラミックスラリを、第1のセラミックスラリと同様に調製する。第2のセラミックスラリ中の混合粉末における割合は、セラミック粉末100質量部に対して、助剤は0.9〜2.4質量部が望ましい。ここで用いる助剤の平均粒径はセラミック粉末とほぼ同じであることが望ましい。
(b)ついで、これら第1、第2のセラミックスラリをキャリアフィルム25上に、順に、かつ所望の層数だけ、塗布して第1グリーンシート27a、第2グリーンシート27bとが重畳された本発明のグリーンシート27を形成する。成形法は、ドクターブレード法、ダイコータ法などの代表的なスリップキャスト法を用いることができる。
本発明の多層構造を有するグリーンシート27の全体厚みは3μm以下が望ましく、さらに、第2のセラミックスラリによって形成される第2グリーンシート27bの厚みはグリーンシート27の厚みの1/2以下であることが望ましい。
(c)次に、このグリーンシート27の表面に、導体ペーストを用いて、スクリーン印刷法、グラビア印刷、オフセット印刷法等の周知の印刷方法により内部導体パターン29を形成する。その厚みは、積層セラミックコンデンサの小型、高信頼性化という点から2μm以下、特には1μm以下であることが望ましい。
この導体ペーストは、金属粒子と、脂肪族炭化水素と高級アルコールとの混合物からなる有機溶剤と、この有機溶剤に対して可溶性のエチルセルロースからなる有機粘結剤を含有するものである。
導体ペースト中に含まれる金属粒子としては、平均粒径0.05〜0.5μmの卑金属粒子が用いられる。卑金属としては、Ni、Co、Cuおよびその合金があり、金属の焼成温度が一般の絶縁体の焼成温度と一致する点、およびコストが安いという点からNiが望ましい。
(d)次に、導体ペーストが塗布されたグリーンシート27を複数枚積層し、温度90〜130℃、圧力10〜100MPaで積層プレスを行い、完全に密着させて積層成形体を得る。
次に、この積層成形体を格子状に切断して、積層体本体1の成形体を得る。この成形体の両端面には、内部導体11となる内部導体パターン29の一端が交互に露出している。
この積層体本体1は、上記方法に限定されるものではなく、薄層化したグリーンシート27と内部導体パターン29とを交互に積層した成形体を作製できるものであればスラリーディップ等のような方法でも良い。
次に、この積層体本体1の成形体を大気中で250〜300℃または酸素分圧0.1〜1Paの低酸素雰囲気中500〜800℃で脱バイした後、非酸化性雰囲気で1200〜1300℃で2〜3時間焼成する。さらに、所望により、酸素分圧が0.1〜10−4Pa程度の低酸素分圧下、900〜1100℃で5〜15時間再酸化処理を施すことにより還元された積層体本体1が酸化されることにより、高い静電容量と絶縁特性を有する積層体本体1を得ることができる。
最後に、得られた積層体本体1に対し、各端面にCuペーストを塗布し、Ni/Snメッキ層を施し、内部導体11と電気的に接続された外部電極3を形成して積層セラミックコンデンサを作製する。
(作用)
上記した通り、多層構造を絶縁体層の一部に高抵抗層が存在することから、積層セラミックコンデンサの絶縁特性は向上するが、誘電体磁器の機械的特性及び耐熱衝撃性の低下を抑制して、耐電圧の向上が図られるため、内部導体間の有効厚みの減少を促進でき、セラミック積層体の積層セラミックコンデンサの静電容量を高くできる。
尚、上記形態では、積層セラミックコンデンサに本発明を適用した例について説明したが、例えば、内部導体を有するセラミック基板にも適用できる。
まず、BaTiO(平均粒径0.3μm)を主成分とするセラミック粉末を準備し、このセラミック粉末100質量部に対して、酸化ケイ素1.5質量部を含有する第1のセラミックスラリを調製した。また、同じセラミック粉末に対して、第1のセラミックスラリよりも酸化ケイ素量の少ない第2のセラミックスラリを表1に示すSiO含有量となるように調製した。
次に、この第1、第2のセラミックスラリを順に、キャリアフィルム上に塗布して、第1グリーンシート上に第2グリーンシートが重畳した本発明のグリーンシートを作製した。このグリーンシートの厚みは、第1グリーンシートが1.5μm、第2グリーンシートが1μmとした。
次に、このグリーンシート上に、Niの導体ペーストを印刷して、導体パターンを形成した。
次に、導体パターンを形成したグリーンシートを100層積層し、さらにこの上下に導体パターンを形成していないグリーンシートを各10枚積層し、加圧加熱して積層成形体を形成した。
次に、この積層成形体を格子状に切断して積層体本体の成形体を作製した。この成形体の対向する端面には、導体パターンが各層交互に露出していた。
次に、この積層体本体の成形体を脱脂後、最高温度1260℃、酸素濃度が10−6Paの雰囲気にて2時間の焼成を行い、次いで、1000℃、酸素濃度が10−2Paの雰囲気にて熱処理を行い、積層体本体を形成した。
次に、この積層体本体の内部導体が露出した端面に、Cuを主成分とする電極ペーストを塗布し焼付けて、本発明の積層セラミック電子部品の一つである積層セラミックコンデンサを得た。
このようにして得られた積層セラミックコンデンサの外形寸法は、おおよそ、幅1.1mm、長さ2mm、厚み0.3mmであった。
次に、作製した積層セラミックコンデンサについて、絶縁層中の2次相量を電子顕微鏡写真により面積比を求めた。また、各100個について以下の特性を評価した。静電容量は、周波数1kHz、入力信号レベル0.5Vrmsとし、この測定において同時にショート率も評価した。次に、絶縁破壊電圧を測定した。
また、機械的強度の評価として、各200個の試料を温度280℃の半田槽に浸せきして耐熱衝撃試験を行い、クラックの発生数を評価した。
Figure 2005101096
表1に結果から明らかなように、絶縁層を構成する第2層中の2次相量を本発明で規定する量とした本発明品である試料No.2〜7、9〜13では、比誘電率が3200以上、ショートは3%以下、絶縁破壊電圧が110V以上、耐熱衝撃試験においてもクラックなどの不良は3%以下であった。
これに対して、第2層中の2次相量を第1層中と同じとした試料No.1、8では、ショート不良が多発し、耐熱衝撃試験での不良も多かった。
本発明の積層セラミック電子部品は、配線基板や積層セラミックコンデンサ等の電子部品に使用することができる。
本発明の積層セラミックコンデンサの概略断面図を示す。 本発明の絶縁層を示す概略断面図である。 図2の絶縁層の内部構造を示す模式図である。 本発明の積層セラミック電子部品を製造するための工程図を示す。
符号の説明
1 積層体本体
3 外部電極
9 絶縁体層
10a セラミック粒子
10b 粒界相
11 内部導体
27 グリーンシート
29 内部導体パターン
A1 第1層
A2 第2層

Claims (8)

  1. 少なくともセラミックスと酸化ケイ素を主成分とする助剤を含有する複数の絶縁体層(A)と、前記絶縁体層(A)間に内部導体(B)を介在せしめて一体的に積層してなる積層セラミック電子部品であって、各絶縁体層(A)は第1層(A1)と、該酸化ケイ素の含有量が第1層(A1)の酸化ケイ素の30〜80体積%である高抵抗層の第2層(A2)とからなることを特徴とする積層セラミック電子部品。
  2. 第2層(A2)中の酸化ケイ素の含有量が、0.9〜2.4体積%であることを特徴とする請求項1記載の積層セラミック電子部品。
  3. 前記多層構造をもつ絶縁体層(A)中の、セラミック粒子の平均粒径が0.4μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の積層セラミック電子部品。
  4. 絶縁体層(A)の各層の厚みがいずれも3μm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の積層セラミック電子部品。
  5. 絶縁体層(A)における第2層(A2)の厚みの合計が全絶縁体層の厚みの1/2以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の積層セラミック電子部品。
  6. 積層セラミック電子部品の製造方法であって、
    (i)キャリアフィルム上に先ず、(a)セラミック粉末と、酸化ケイ素を主成分とする助剤とを含有する第1のセラミックスラリを塗布し、(b)その表面にセラミック粉末と、酸化ケイ素を主成分とする助剤であって該酸化ケイ素の含有量が第1のセラミックスラリの酸化ケイ素含有量の30〜80質量%である助剤とを含有する第2のセラミックスラリを塗布するか、又は(a)前記第2のセラミックスラリを塗布して、(b)その表面に前記第1のセラミックスラリを塗布して、多層構造をもつグリーンシートを作製する工程、
    (ii)この多層構造をもつグリーンシート表面の一部に導体パターンを形成し、前記キャリアフィルムを剥離する工程、
    (iii)該導体パターンが形成された前記グリーンシートを複数積層して積層成形体を作製する工程、及び
    (iv)該積層成形体を所望の大きさに切断後焼成する工程
    を含むことを特徴とする積層セラミック電子部品の製造方法。
  7. 前記多層構造をもつグリーンシートにおいて、グリーンシートの全体の厚みが3μm以下であることを特徴とする請求項6に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  8. 第2層(A2)を形成するための第2のセラミックスラリにて塗布されたグリーンシート層の厚みがグリーンシート全体の厚みの1/2以下であることを特徴とする請求項6又は7に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
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