JP2005097821A - 人工皮革およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】繰り返し伸長変形を行っても実質的に構造変形を生じない構造を有し、伸縮性に優れ、柔軟で充実感ある風合い、そしてドレープ性を損なうことなく外観に優れる該人工皮革を提供する。
【解決手段】 平均繊維径5μm以下の非弾性ポリマーからなる極細繊維と弾性ポリマーとからなる人工皮革において、該弾性ポリマーの主体は人工皮革の厚さ方向全層に渡って繊維形態で該非弾性ポリマーからなる極細繊維と絡合不織布構造を形成しており、かつ該弾性ポリマーの一部は人工皮革の少なくとも一方の面において該絡合不織布構造と一体化した多孔質層を形成している人工皮革。
【選択図】 なし

Description

本発明は、伸縮性に優れた人工皮革に関するものである。更に詳しくは、本発明は繰り返し伸長変形を行っても実質的に構造変形を生じない、すなわち伸縮性、形態保持性、形態安定性および形態回復性に優れ、かつ柔軟で充実感のある風合いを有している人工皮革。さらに、少なくとも一方の面を起毛して立毛を形成した場合には、立毛状態の均一性に優れると共に、風合い、伸縮性およびドレープ性に優れた立毛調人工皮革に関するものであり、もしくは少なくとも一方の面に被覆層を形成した場合には、風合い、伸縮性、ドレープ性に優れているばかりでなく、極めて薄い被覆層であっても表面平滑性および剥離強力に優れた銀付き調人工皮革に関するものである。また、本発明は上記人工皮革の製造方法に関するものである。
織編物、不織布などの繊維布帛、あるいは内部に弾性重合体の発泡構造を有する繊維質基体の少なくとも一方の面に立毛を形成させた立毛シートは立毛の長さやキメの細かさなどによって表現される外観、風合いおよび触感が天然皮革のスエードやヌバックに似ていることから、スエード調またはヌバック調の立毛シートとして近年多量に生産されている。中でも特に、極細繊維束からなる繊維絡合不織布とこれに含有された弾性重合体とからなる繊維質基体の表面に該極細繊維束からなる立毛を存在させたスエード調あるいはヌバック調などの公知の立毛調人工皮革は、立毛面の優美さやソフトなタッチ、充実感のある風合い、軽量でありながら優れたドレープ性、シート切断端面で編織布基体に見られる糸のほつれが発生しないなどの優れた特徴を有し、そして、構造面で天然皮革に類似するのみならず、品質面で天然皮革と同等以上の性能を有する素材である。
このような立毛調人工皮革の分野において、さらなる高品質化が要求されており、スエード感、あるいはヌバック感等の外観、柔軟な手触り、優れた風合いおよびドレープ性等の美観、触感、着心地感に関わる特性をすべて満足する高品質のものを提供することが求められている。
例えば、伸縮性があり且つ風合いの優れた立毛調人工皮革を得るために、弾性ポリマーからなる繊維(弾性繊維)と非弾性ポリマーからなる繊維(非弾性繊維)を絡合して得られる不織布を面積割合で10〜80%収縮させた、伸縮性に優れた絡合不織布が知られている。(例えば、特許文献1を参照。)。しかしながら、提案された弾性繊維と非弾性繊維から得られる人工皮革は、弾性繊維が全てが繊維状態のままで存在しておりフレキシブルであるためにドレープ性には優れているが、非弾性繊維を保持するバインダー効果が少ないのでバフィング等による起毛工程の通過性が悪く、毛羽感がラフでスエードあるいはヌバックの外観にはほど遠いものであった。
また、融点の異なる2種以上の弾性繊維を発生させる複合繊維と極細非弾性繊維発生型繊維とを使用した、良好な機械的性能を併せもった人工皮革が提案されている(例えば、特許文献2を参照。)。しかしながら、上記人工皮革を構成する低融点の弾性繊維が溶融することによって低度のバインダー効果を付与しているだけで、バインダー効果は不十分であった。そしてこれらの方法ではスエード調の外観に優れた人工皮革を製造することはできなかった。
また、非弾性極細繊維を発生する海島型繊維のみからなる不織布にポリウレタンを含浸させ、溶剤抽出などで海成分を除去して非弾性極細繊維を発生させた後、染色処理することによって外観の優れた人工皮革が得られることが提案されている(例えば、特許文献2を参照。)。しかしながら、該不織布中に弾性繊維が含まれていないため、繰り返し伸長変形を行うと構造変化を生じる。また、含浸されたポリウレタン樹脂が不織布内部に発泡シート状に存在しているため、柔軟な手触り、風合いおよびドレープ性に優れた人工皮革は得られなかった。
上記、特許文献1および特許文献2に記載されているような方法では、人工皮革に伸縮性は与えられるものの、優れた外観を有する繊維立毛面は得られなかった。また、特許文献3に記載の方法によると、優れた外観は得られるが、優れた伸縮性、風合いおよびドレープ性を得ることが困難であった。
特公平01−41742号公報 特公平03−16427号公報 特公平05−65627号公報
本発明の目的は、弾性ポリマーからなる繊維と非弾性ポリマーからなる極細繊維が混在する繊維絡合不織布からなり、優れた伸縮性、風合いおよびドレープ性を有する人工皮革並びにその製造方法、さらには外観に優れた立毛調人工皮革および銀付き調人工皮革を提供することにある。
上記目的を達成すべく本発明者らは鋭意検討を重ね、以下に記述する方法を見出し本発明に至った。すなわち本発明は、平均繊維径5μm以下の非弾性ポリマーからなる極細繊維と弾性ポリマーとからなる人工皮革において、該弾性ポリマーの主体は人工皮革の厚さ方向全層に渡って繊維形態で該非弾性ポリマーからなる極細繊維と絡合不織布構造を形成しており、かつ該弾性ポリマーの一部は人工皮革の少なくとも一方の面において該絡合不織布構造と一体化した多孔質層を形成していることを特徴とする人工皮革である。そして、繊維形態の弾性ポリマーが部分的に多孔質状態であることが好ましく、また非弾性ポリマーからなる極細繊維と弾性ポリマーからなる繊維が部分的に密着した構造を有することが好ましい。さらには、該人工皮革の少なくとも多孔質層が形成された面に、非弾性ポリマーからなる極細繊維を主体とする立毛が形成されている立毛調人工皮革であり、該人工皮革の少なくとも多孔質層が形成された面に、被覆層を有する銀付き調人工皮革である。
また、本発明は、下記I〜IIIの工程を順次行うことを特徴とする人工皮革の製造方法である。
I.少なくとも表面に弾性ポリマーからなる繊維の一部が存在しており、該弾性ポリマーからなる繊維を発生し得る繊維(A)と平均繊維径5μm以下の非弾性ポリマーからなる極細繊維を発生し得る繊維(B)からなる絡合不織布を製造する工程、
II.該絡合不織布の少なくとも一方の面に該弾性ポリマーに対する良溶剤を少なくとも含む液を塗布し、少なくとも表面層部に存在する該繊維(A)中の弾性ポリマーを部分的に溶解させ、次に該弾性ポリマーに対する貧溶剤を少なくとも含む液を付与する工程、及び
III.該繊維(A)および該繊維(B)よりそれぞれ弾性ポリマーからなる繊維および平均繊維径5μm以下の非弾性ポリマーからなる極細繊維を発生させる工程。
本発明の人工皮革は繰り返し伸長変形を行っても実質的に構造変形を生じない、すなわち伸縮性および繊維絡合性に優れ、かつ柔軟で充実感のある風合いを有している人工皮革であり、そして少なくとも一方の面に立毛を形成した場合には、立毛面の外観が良好で、風合い、伸縮性およびドレープ性に優れた立毛調人工皮革である。また、この人工皮革は、少なくとも一方の面に弾性重合体を主体とする被覆層を形成した場合には、風合い、伸縮性およびドレープ性に優れるのはもちろんのこと、薄い被覆層であっても表面の平滑性に優れ、かつ被覆層の剥離強力に優れた銀付き調人工皮革の基体となる人工皮革としても有用であり、衣料用、家具用、靴用、鞄用などの広い用途に適用できる。
以下に本発明について詳細に説明する。
弾性ポリマーからなる繊維(弾性繊維)は、弾性ポリマー単独で溶融紡糸するか、または、弾性ポリマーと該弾性ポリマーとは化学的または物理的性質の異なる少なくとも1種類の可紡性ポリマーを組み合わせて溶融紡糸した多成分系繊維を分割するか、あるいは、該多成分系繊維から少なくとも1種類のポリマーを抽出除去することにより得られる。該多成分系繊維は、少なくともその表面の一部に弾性繊維形成成分が存在しており、分割、抽出操作などにより弾性繊維を発生し得る繊維(以下、単に繊維(A)と称する)である。繊維(A)としては、表面の一部に弾性ポリマーが存在するような構造を有する複合繊維であれば特に限定されないが、海島型繊維、分割型繊維等が好ましく挙げられる。中でも海島型繊維がより好ましく、海島型混合紡糸繊維が、該繊維の表面の一部に弾性ポリマーが島成分としてランダムに存在しやすい点でさらに好ましい。繊維(A)の表面において、弾性ポリマーが占める面積割合は、0.1〜95%が好ましく、より好ましくは、1〜70%である。0.1%以上であると、弾性繊維を部分的に多孔質状態にし易くなり、弾性繊維同士の部分的融着状態が得られ易い。また、95%以下であると、弾性ポリマーの性質に起因するカード通過性等の工程通過性の低下を防止することができる。
弾性ポリマーとしては、例えばポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルエーテルポリオール、ポリラクトンポリオール、ポリカ−ボネートポリオールなどの数平均分子量500〜3500のポリマーポリオールから選ばれた少なくとも1種と、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの芳香族系、脂環族系、脂肪族系の有機ポリイソシアネートと、1,4−ブタンジオール、エチレンジアミンなどの活性水素原子を2個有する鎖伸長剤とを反応させて得られるポリウレタン類;ポリエステルエラストマー、ポリエーテルエステルエラストマーなどのポリエステルエラストマー類;ポリエーテルエステルアミドエラストマー、ポリエステルアミドエラストマーなどのポリアミドエラストマー類;ポリイソプレン、ポリブタジエンなどの共役ジエン系重合体;ポリイソプレン、ポリブタジエンなどの共役ジエン系重合体ブロックを分子中に有するブロック共重合体類;溶融紡糸可能なゴム弾性挙動を有するエラストマー類が挙げられる。中でも、高柔軟性、低反発性および高摩擦抵抗性で、非弾性極細繊維への密着効果が高いこと、更には耐熱性、耐久性に優れることなどの点でポリウレタン類が最も好ましい。
なお、本発明の効果を損なわない範囲にて、弾性ポリマーにはカーボンブラック等の顔料や樹脂の熱安定性向上剤等の添加剤を添加することができる。
多成分系繊維である繊維(A)の海成分ポリマー(抽出または分解除去されるポリマー)は、島成分ポリマーとは、溶剤に対する溶解性または分解剤に対する分解性が異なる必要がある。例えば、溶解性または分解性が島成分ポリマーより大きく、島成分ポリマーとの相溶性または親和性が小さく、かつ、溶融粘度が島成分ポリマーの溶融粘度より小さく、あるいは、表面張力が島成分ポリマーの表面張力より小さいポリマーが海成分ポリマーとして好ましく使用される。このようなポリマーの例としては、ポリエチレン、ポリスチレン、変性ポリスチレン、エチレンプロピレン共重合体などの易溶解性のポリマーや、スルホイソフタル酸ナトリウムやポリエチレングリコール等で変性(共重合)したポリエチレンテレフタレートなどの易分解性のポリマーなどの溶融紡糸可能なポリマーが挙げられる。
非弾性ポリマーからなる極細繊維(非弾性極細繊維)は、非弾性ポリマーと該非弾性ポリマーとは化学的または物理的性質の異なる少なくとも1種類の可紡性ポリマーからなる多成分系繊維を分割するか、あるいは、該多成分系繊維から少なくとも1種類のポリマーを抽出除去することにより得られる。該多成分系繊維は、分割、抽出操作などにより平均繊維径が5μm以下の非弾性極細繊維を発生し得る繊維(以下、単に繊維(B)と称することもある。)である。本発明の繊維(B)から発生した極細繊維の平均繊維径は5μm以下である必要があり、好ましくは3μm以下、より好ましくは1.5μm以下である。平均繊維径が5μmを超えると、柔軟性、充実感のある風合いに劣り、さらに立毛調人工皮革にした場合、全体的な外観が非常にラフな感じとなり、天然皮革調の滑らかで手触りの良いタッチ等の高級感に劣るものとなる。繊維(B)の平均繊維径の下限は、特に限定しないが発色性や物性の点で、0.01μm以上であることが好ましい。
非弾性ポリマーとしては、例えば、ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−10、ナイロン−11、ナイロン−12、それらの共重合体などの溶融紡糸可能なポリアミド類;ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、カチオン可染型変性ポリエチレンテレフタレートなどの溶融紡糸可能なポリエステル類;ポリプロピレン、その共重合体などの溶融紡糸可能なポリオレフィン類などが挙げられる。上記ポリマーは、単独または2種以上のポリマーを独立にもしくは混合して使用してもよい。
繊維(B)が海島型繊維の場合、島成分を構成する非弾性ポリマーは、発生する非弾性極細繊維同士を必要以上に融着させることなく分繊、ミクロファイバー化する必要がある。従って、上記繊維(A)および繊維(B)が共に海島型繊維の場合、海成分を抽出除去するための溶剤処理等によって、少なくとも非弾性極細繊維同士を融着させないような非弾性ポリマーを選択することが好ましい。具体的には海成分除去処理における溶剤膨潤率が10質量%以下であるポリマーが好ましい。
なお、本発明の効果を損なわない範囲にて、非弾性ポリマーにはカーボンブラック等で代表される顔料や樹脂の熱安定性向上剤等の添加剤を添加することができる。
繊維(B)としては、平均繊維径が5μm以下の非弾性極細繊維を発生し得る複合繊維であれば特に限定されないが、海島型繊維、分割型繊維等が好ましく挙げられる。繊維(B)の非弾性ポリマーの含有量は、10〜90質量%であるのが好ましく、30〜70質量%がより好ましい。
繊維(B)の海成分ポリマーは、繊維(A)の場合と基本的には同様であり、繊維(A)に関して記載したポリマーが使用できる。繊維(B)と繊維(A)の海成分は異なるポリマーであってもよいが、海成分除去を効率的に行う上で、同種のポリマーであることが好ましい。
溶融紡糸安定性の点から、非弾性ポリマー、繊維(A)および繊維(B)の海成分を構成するポリマーは、弾性ポリマーの溶融紡糸可能温度に適した融点を持つポリマーを選択することが好ましい。例えば、弾性ポリマーとしてポリウレタン類を用いる場合には、非弾性ポリマーおよび海成分を構成するポリマーの融点は230℃程度以下、弾性ポリマーにポリエステルエラストマー類やポリアミドエラストマー類を使用する場合には、非弾性ポリマーおよび海成分を構成するポリマーの融点は260℃程度以下のものを選択するのが好ましい。
繊維(A)および繊維(B)は、公知の紡糸方法で得ることができ、公知の方法で不織布にする。例えば、繊維(A)および繊維(B)を延伸後、捲縮、カット、油剤を付与し、所望の比率で混綿(混合)した後、それをカードで解繊し、ウェバーを通してウェブを形成する。この場合、繊維(A)と繊維(B)の混綿(混合)率は、弾性ポリマー:非弾性ポリマーが質量比で、20:80〜80:20になるようにするのが、人工皮革の伸縮性と風合いが優れる点で好ましく、また、立毛調人工皮革の立毛状態が良好である点で好ましい。弾性ポリマーの比率が20質量%以上であると、得られる人工皮革の伸縮性が良好になり、80質量%以下であると、起毛処理の効果が発現しにくくなるのを避けることができ、さらに、ゴムライクで不十分な立毛状態になることを防止することができる。
次いで、得られたウェブを、所望の重さ、厚さに積層した後、ニードルパンチ、高速水流などの公知の方法で絡合処理して絡合不織布とする。該絡合不織布は、50〜150℃の範囲の温度で加熱処理、あるいは、50〜95℃の範囲の熱水で加熱処理し収縮させることが優れた伸縮性を得る点で好ましい。収縮率は、繊維の種類、弾性ポリマーと非弾性ポリマーの質量比率、繊維(A)と繊維(B)の紡糸条件および延伸条件などにより決まる。得られる人工皮革の外観および伸縮性が良好になる点、さらに、繰り返し伸長変形を行っても人工皮革が実質的に構造変化しにくい点で、該絡合不織布の面積収縮率を5〜50%の範囲とすることが好ましい。
また、必要に応じて該絡合不織布を、例えばポリビニルアルコール系樹脂などの水溶性糊剤等で代表される溶解除去可能な樹脂で仮固定してもよい。また、表面の平滑性を向上させ、さらに立毛調人工皮革に優れたライティング効果を付与する点から、該絡合不織布の表面を公知の方法で熱プレス処理してもよい。
得られた絡合不織布の厚みは、人工皮革の用途等によって任意に選択でき、特に制限されるものではないが、1層の場合には、0.2〜10mm程度であることが好ましく、0.4〜5mm程度であることがより好ましい。密度は0.20〜0.65g/cmが好ましく、0.25〜0.55g/cmがより好ましい。0.20g/cm以上であると、繊維の立毛感が不足し、さらに機械物性が低下するのを避けることができる。0.65g/cm以下であると得られる人工皮革の風合いが硬くなるのを避けることができる。
得られた絡合不織布の内部に、得られる絡合不織布の保型性を高めるため本発明の効果を損なわない程度に該繊維(A)を構成する弾性ポリマーを溶解しない溶液からなる公知の弾性重合体を付与してもよい。その場合には該絡合不織布を構成する繊維に対する弾性重合体の質量比率は0.1〜10%が好ましく0.5〜5%がより好ましい。該弾性重合体がポリウレタンの場合にはポリウレタンのエマルジョンとして付与することが好ましい。
次に絡合不織布の少なくとも一方の面に該弾性ポリマーに対する良溶剤を少なくとも含む液を塗布し、少なくとも表面層部に存在する該繊維(A)中の弾性ポリマーを部分的に溶解させ、次に該弾性ポリマーに対する貧溶剤を少なくとも含む液を付与する必要がある。
すなわち、該絡合不織布の少なくとも一方の面に該繊維(A)を構成する弾性ポリマーの良溶剤を少なくとも含む処理液Aを塗布し、該繊維(A)の表面や端面に弾性ポリマーの一部が露出していることを利用して、表面に部分的に存在する該繊維(A)中の弾性ポリマーを部分的に溶解させ、次に該弾性ポリマーの貧溶剤を含む処理液Bを付与し、溶解した弾性ポリマーを多孔質状態に凝固させ多孔質層を形成することが重要である。さらには弾性ポリマー同士を部分的に融着させる好ましい。
弾性ポリマーに対する溶剤としては、例えば、弾性ポリマーがポリウレタンの場合には、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジオキサン、アルコール類等のポリウレタンに対する良溶剤が挙げられ、中でもDMFが好ましい。処理液Aは、弾性ポリマーに対する良溶剤と貧溶剤の組み合わせであってもよく、さらには、処理液A中に弾性ポリマーを含む弾性ポリマー溶液でもよい。そして弾性ポリマー溶液としては繊維を構成する弾性ポリマーと同類の弾性ポリマーの溶液であることが好ましく、例えば、繊維を構成する弾性ポリマーがポリウレタンの場合に弾性ポリマー溶液もポリウレタン溶液であることが多孔質層を形成しやすい点で好ましい。
弾性ポリマーの濃度は、固形分で1〜30質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましい。30質量%以下であると、含浸量にも左右されるが、弾性ポリマー溶液が塗布されて絡合不織布内に沈み込むことによって、弾性繊維及び/又は非弾性極細繊維が過剰の弾性ポリマーによって固定され自由度を失うことを防ぎ、得られる人工皮革のドレープ性や伸縮性が低下するのを防ぐことができる。
また、得られた人工皮革における該弾性ポリマー溶液の付与に起因して存在する弾性ポリマー(a)と、絡合不織布製造時に使用した繊維(A)に起因して存在する繊維状、及び一部多孔質状の形態をとっている弾性ポリマー(b)との質量比は(a)/(b)=0/100〜30/100が好ましく、より好ましくは0.5/100〜10/100である。弾性ポリマー(a)の比率を30以下とすることによって、弾性繊維及び/又は非弾性極細繊維が弾性ポリマーによって固定され自由度を失い、得られる人工皮革のドレープ性や伸縮性が低下するのを防ぐことができる。
また、処理液Aが弾性ポリマーを含む場合、処理液Aの塗布により表面層部に形成された多孔質層の厚さは、人工皮革を構成する全厚さの60%以下であることが望ましく、さらに望ましくは40%以下である。尚、ここで言う多孔質層の厚さは、両面に多孔質層が形成されている場合には、両面それぞれの多孔質層の厚さを合計した厚さのことである。多孔質層の厚さが全層厚さの60%以下とすることによって、得られる人工皮革の風合い、ドレープ性や伸縮性が低下するのを防ぐことができる。
なお、処理液Aが弾性ポリマーを含む場合、例えば、ポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリエーテルエステルジオール、ポリラクトンポリオール、ポリカーボネートジオールなどから選ばれた少なくとも1種類の平均分子量500〜3000のポリマージオールと、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの芳香族系、脂環族系、脂肪族系の有機ポリイソシアネートから選ばれた少なくとも1種のポリイソシアネートと、エチレングリコール、エチレンジアミン等の2個以上の活性水素原子を有する、少なくとも1種の低分子化合物とを所定のモル比で反応させて得たポリウレタンが弾性ポリマーとして好ましく用いられる。また、必要に応じて、ポリウレタンに合成ゴム、ポリエステルエラストマーなどの重合体を添加してもよい。弾性ポリマーを含む処理液Aには必要に応じて着色剤、凝固調節剤、酸化防止剤等の添加剤を配合してもよい。
次に、処理液Aを塗布した絡合不織布に該弾性ポリマーに対する貧溶剤を少なくとも含む液(以下、処理液Bと称することもある。)を付与することが重要である。そして、弾性ポリマーの貧溶剤としては、弾性ポリマーがポリウレタンの場合、水等で代表されるポリウレタンに対する非溶剤が挙げられる。処理液Aを絡合不織布の少なくとも一方の面に塗布さした後、処理液Bを含浸させることによって、一部溶解していた弾性ポリマーが多孔質状態で凝固する。凝固するときに、別の場所にそれぞれ存在する溶解した弾性ポリマー同士が一部互いに融着し、繊維(A)が部分的に融着された状態の多孔質層が形成されることが好ましい。
繊維(A)の表面に存在する弾性繊維形成成分の存在比率を公知の紡糸方法で高めたり、処理液Aの含浸量を多くしたり、さらに処理液A中の弾性ポリマーに対する良溶剤の比率を高めたりすることによって、繊維(A)同士の融着箇所の数を調節し、部分的に網目構造を発生させた状態の多孔質層を形成するることが好ましい。さらに、弾性ポリマー溶液と繊維を構成する弾性ポリマーが凝固後に混在した状態の多孔質層を形成することが好ましい。そして、多孔質層を形成することによって、得られる人工皮革は伸縮性、繰り返し伸長変形を行っても実質的に構造変形を生じず、風合いやドレープ性に優れる。
ここで多孔質状態とは、弾性ポリマーを湿式凝固させたときに形成される微細なスポンジ状態をいう。繊維(A)から発生する弾性繊維が部分的に多孔質状態であると、得られる人工皮革の風合いやドレープ性が優れる。
該絡合不織布の少なくとも一方の面に該繊維(A)を構成する弾性ポリマーの良溶剤を少なくとも含む処理液Aを塗布させる方法としては、ナイフコート法、ブレードコート法、リップコート法、ロッドコート法、リバースロールコート法、グラビアロールコート法、キスコート法、スプレーコート法等公知の各種塗布方法が挙げられる。中でも絡合不織布の表面層部のみに塗布することが可能であり、さらに低濃度、低粘度の液を繊維(A)の表面に均一かつ平滑に付与しやすい点でブレードコート法やリップコート法、グラビアロールコート法、スプレーコート法などが好ましく用いられる。
なお、絡合不織布の少なくとも一方の面に処理液Aを塗布させることにより、繊維(A)の表面や端面に露出している弾性繊維形成成分が部分的に溶解する場合、必要以上の溶解を避けるために、処理液Aによる処理は、10〜60℃で30秒〜4分間行うのが好ましい。処理後、直ちに、あるいは、過剰の処理液Aを除いた後、処理液Bを付与させる。処理液Bは、前述の方法により含浸させることができる。処理液Bによる処理は、25〜50℃で10〜30分間行うのが好ましく、処理液Bの付与量は、絡合不織布に含まれる弾性ポリマー総量100質量部に対して100質量部以上であることが弾性繊維形成成分の凝固安定性の点で好ましい。
絡合不織布を上記のようにして処理液Aおよび処理液Bで処理した後、乾燥し、次いで、繊維(A)および繊維(B)から弾性繊維および非弾性極細繊維を発生させる。繊維(A)および繊維(B)が海島型繊維の場合、浸漬などの方法により海成分を溶解または分解する液体で処理するのが好ましい。例えば、海成分がポリエチレンやポリスチレンである場合にはトルエンが使用され、また海成分が易アルカリ分解性ポリエステルである場合には苛性ソーダ水溶液が使用される。溶解または分解液の使用量は、海成分ポリマーの総量100質量部に対して100質量部以上であるのが好ましく、処理温度は5〜50℃、処理時間は5〜40分であるのが好ましい。
この処理により、繊維(A)および繊維(B)から海成分が除去される。繊維(A)は部分的に多孔質状態である弾性繊維に変換される。発生した弾性繊維は互いに部分的に融着し、網目構造を形成する。そして、少なくとも表面層部に存在する繊維(A)は部分的に多孔質状態にある弾性ポリマーからなる繊維の集合体となり、さらに該弾性ポリマーからなる繊維同士、あるいは処理液Aの弾性ポリマーと部分的に融着することによって、該弾性ポリマーの一部は人工皮革の少なくとも一方の表面層部において該絡合不織布構造と一体化した多孔質層を形成する。さらに、繊維(B)は非弾性極細繊維またはその繊維束にそれぞれ変成される。公知の紡糸技術により、繊維(A)および繊維(B)の海成分比率を減らしたり、島成分を表面に露出させたりすることにより、弾性繊維と非弾性極細繊維を部分的に密着させることも好ましい。
繊維(A)から発生した弾性繊維の平均単繊維繊度は、0.01〜2dtexであるのが好ましく、0.01〜0.5dtexであるのがより好ましい。また、繊維(B)から発生させた非弾性極細繊維の平均繊維径は、5μm以下である必要があり、好ましくは3μm以下、より好ましくは1.5μm以下である。平均繊維径が5μmを超えると、柔軟性、充実感のある風合いに劣り、さらに立毛調人工皮革にした場合、全体的な外観が非常にラフな感じとなり、天然皮革調の滑らかで手触りの良いタッチ等の高級感に劣るものとなる。繊維(B)の平均繊維径の下限は、特に限定しないが発色性や物性の点で、0.01μm以上であることが好ましい。
なお、本発明において「弾性繊維が部分的に多孔質状態」であるとは、非弾性極細繊維を抽出または分解除去した後、人工皮革の表面あるいは表面と平行なスライス面を走査型電子顕微鏡で観察したときに、弾性繊維表面の10〜100%が多孔質構造である状態をいう。また、「弾性繊維の融着」とは、弾性ポリマーの溶融により弾性繊維同士あるいは処理液Aの弾性ポリマーと部分的に結合した状態をいう。弾性繊維の融着の程度は、融着箇所の密度により評価される。上記と同様にして走査型電子顕微鏡で観察したときに、融着箇所の密度が、1〜10箇所/2mmであるのが好ましく、2〜8箇所/2mmであるのがより好ましい。上記範囲であると、得られる人工皮革を繰り返し伸長変形しても実質的に構造変化が生じにくく伸縮性に優れる。また、「網目構造」とは、一本の弾性繊維に少なくとも一本の他の弾性繊維が、2次元的または3次元的に枝状に融着し、該少なくとも一本の他の弾性繊維が、さらに他の弾性繊維と融着あるいは接触した構造をいう。網目構造の存在割合は、その存在密度により評価される。上記と同様にして走査型電子顕微鏡で観察したときに、上記構造の存在密度が1〜50箇所/5mmであるのが好ましく、2〜40箇所/5mmであるのがさらに好ましい。上記範囲であると、得られる人工皮革を繰り返し伸長変形しても実質的に構造変形を生じにくく伸縮性に優れる。そして好ましくは、公知の紡糸技術で繊維(A)を構成する弾性ポリマーの割合を増やす方法や弾性ポリマーを表面に露出させる等の方法により弾性ポリマーからなる繊維と非弾性ポリマーからなる繊維を密着しやすくすることによって非弾性ポリマーからなる極細繊維と弾性ポリマーからなる繊維が部分的に密着した構造を有する。
繊維(B)は非弾性極細繊維またはその繊維束にそれぞれ変成される。公知の紡糸技術により、繊維(A)および繊維(B)の海成分比率を減らしたり、島成分を表面に露出させたりすることにより、弾性繊維と非弾性極細繊維を部分的に密着させることも好ましい。繊維(A)から発生した弾性繊維の平均単繊維繊度は、0.01〜2dtexであるのが好ましく、0.01〜0.5dtexであるのがより好ましい。また、繊維(B)から発生させた非弾性極細繊維の平均繊維径は5μm以下である必要があり、好ましくは3μm以下、より好ましくは1.5μm以下である。平均繊維径が5μmを超えると、柔軟性、充実感のある風合いに劣り、さらに立毛調人工皮革にした場合、全体的な外観が非常にラフな感じとなり、天然皮革調の滑らかで手触りの良いタッチ等の高級感に劣るものとなる。繊維(B)の平均繊維径の下限は、特に限定しないが発色性や物性の点で、0.01μm以上であることが好ましい。そして、繊維(B)は非弾性ポリマーからなる極細繊維またはその繊維束にそれぞれ変成される。
また、絡合不織布構造と一体化した多孔質層とは、多孔質層を形成する弾性ポリマーと非弾性ポリマーが混在一体化した状態のことを言う。多孔質層の確認方法としては非弾性ポリマーからなる極細繊維を抽出または分解除去した後、厚み方向にスライスした状態を走査型電子顕微鏡で観察することによって確認することができる。このような弾性ポリマーの構造形態は、人工皮革の形態そのままでも観察可能だが、好ましくは、弾性ポリマーを膨潤、溶解、または融解させない方法により、非弾性ポリマーからなる極細繊維を除去することにより、非常に容易かつ明瞭に観察できる。そして、非弾性ポリマーがナイロンの場合にはフェノール系の溶剤を用いて除去することができる。
以下、弾性繊維の部分的多孔質状態、弾性繊維の部分的融着、および、絡合不織布と一体化した多孔質層を図面を参照してさらに説明する。
図1は、非弾性極細繊維のみを除去した後の本発明の人工皮革断面を示す図面代用電子顕微鏡写真である。図1中、本発明の人工皮革から非弾性ポリマーからなる極細繊維のみを除去することにより、弾性ポリマーからなる繊維が少なくとも表面層部において部分的に多孔質状態で、さらに該弾性ポリマーからなる繊維同士が部分的に融着して表面層部において該絡合不織布構造と一体化した多孔質層を形成している断面形態の一例を示す。
図2は、本発明の人工皮革の断面形態の1例を示す図面代用電子顕微鏡写真である。図1および図2から、本発明の人工皮革は絡合不織布の少なくとも表面層部の弾性ポリマーからなる繊維が多孔質状態で存在し、かつ、該弾性ポリマーの一部は人工皮革の少なくとも一方の表面層部において該絡合不織布構造と一体化した多孔質層を形成していることが確認できる。
絡合不織布を極細化することにより得られた人工皮革は、必要により、主表面と平行な方向に複数枚にスライスしてもよい。人工皮革の少なくとも一表面、好ましくは、多孔質層の表面を起毛処理して主として極細繊維からなる立毛面を形成することにより立毛調人工皮革が得られる。立毛面は、サンドペ―パ―などによるバフィング等の公知の方法により形成される。起毛処理前に弾性ポリマーの良溶剤、良溶剤と貧溶剤または公知のバインダー樹脂等を組み合わせた溶剤または溶液等をグラビア処理、スプレー処理、コーター処理などにより表面に塗布すること、熱プレス等によって表面に存在する弾性繊維を固定することにより、非弾性極細繊維を主体とする立毛の形成が容易になる。このような起毛処理前の処理は、ライティング性および表面タッチがより優れたものになるので好ましい。
このようにして得られた立毛調人工皮革は、上記したように、平均繊維径5μm以下の非弾性ポリマーからなる極細繊維と弾性ポリマーとからなり、該弾性ポリマーの主体は人工皮革の厚さ方向全層に渡って繊維形態で該非弾性ポリマーからなる極細繊維と絡合不織布構造を形成しており、かつ該弾性ポリマーの一部が人工皮革の表面において該絡合不織布構造と一体化した多孔質層を形成しているため、従来の人工皮革にない良好な伸縮性、風合いおよびドレープ性を有し、表面タッチ、ライティング効果および外観に優れている。
また、人工皮革の片面、好ましくは、多孔質層の表面に被覆層を形成することによって銀付き調人工皮革とすることもできる。被覆層の厚さとしては伸縮性、ドレープ性、風合いを損なうことがないような10〜100μmといった薄いものが好ましい。そして、人工皮革の表面層として弾性ポリマーからなる多孔質層が形成されているため、被覆層の厚さが薄いものでも表面平滑性に優れた銀付き調人工皮革が得られ、さらには被覆層の剥離強力にも優れたものが得られる。
本発明の人工皮革は、衣料用、家具用、靴用、鞄用などの広い用途に適用できる。特に、本発明の人工皮革は、高級銀付き商品の分野や高級スエード商品の分野に特に有用である。
次に、本発明の実施態様を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、実施例中の部および%は、ことわりのない限り質量に関するものである。また、平均単繊維繊度の測定および各評価は次のように行った。
(1)平均繊維径
人工皮革の表面又は断面を、電子顕微鏡にて500〜2000倍程度の倍率で観察して繊維径を実測し、その実測値から平均繊維径あるいは平均繊維繊度(デシテックス)を求めた。尚、繊維断面が円形でない場合は、断面積を真円に換算して繊維径と見なした。
(2)立毛感、立毛の均一性、色斑、風合い
人工皮革の立毛面の立毛感、立毛の均一性、全体的に感じられる色斑、及びタッチ、柔軟性、充実感を総合して得られる人工皮革の風合いの評価は、下記の実施例または比較例で得られた染色した立毛調人工皮革の立毛面を人工皮革の製造販売に携わる者(10人)が、見た目や手で触れてみて、目標とする高級な天然皮革スエード調の滑らかで均一な外観、および風合いである場合を○、△、×の3段階に分けて評価し、それらの評価を元に総合評価した。天然皮革スエード調の滑らかな外観、タッチおよび風合いである場合をA、天然皮革スエードには若干劣るものの実用上問題ない場合をB、天然皮革スエードより劣り商品価値に乏しい場合をCとして評価した。
平均分子量2000のポリ−3−メチル−1,5−ペンタンアジペートグリコール、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリエチレングリコールおよび1,4−ブタンジオールをイソシアネートに基づく窒素%が4.3%になるように溶融重合してポリエステル系ポリウレタンを得た。溶融粘度は5000ポイズであった。水分率50ppm以下に乾燥した上記ポリエステル系ポリウレタンペレット50部(島成分弾性ポリマー)と低密度ポリエチレンペレット50部(海成分)を、スクリュー混練機で溶融混練し、230℃で溶融紡糸し繊度が14dtexの、ポリウレタンが一部表面に存在する海島型混合紡糸繊維(A)を得た。また、ナイロン−6ペレット50部(島成分非弾性ポリマー)とポリエチレンペレット50部(海成分)を、スクリュー混練機で溶融混練し、280℃で溶融紡糸し、繊度が10dtexの海島型混合紡糸繊維(B)を得た。繊維(A)と繊維(B)を、極細化後のポリエステル系ポリウレタン繊維とナイロン繊維の質量比率が40:60になるよう混糸(混合)して、2.5倍に共延伸し、捲縮し、切断して、繊維長がそれぞれ51mmである7dtexの繊維(A)と4dtexの繊維(B)が混綿(混合)したステープル繊維を得た。
次に、混綿繊維(混合繊維)をカードで解繊した後、クロスラップウェバーでウェブとし、1バーブのニードル針で1500パンチ/cm処理することにより、目付800g/mの絡合不織布(I)を得た。この絡合不織布(I)を95℃の熱水により面積率で30%収縮させ絡合不織布(II)を得た。続いて、ポリエーテル系ポリウレタン固形分濃度2%を含有する水系ポリウレタンエマルジョン組成物を含浸し(絡合不織布(II)に対するポリウレタン付与量1%)、熱処理を施した後、この絡合不織布(II)を乾燥しながら乾燥機中で熱処理し、海成分のポリエチレンを軟化させて繊維間を部分接着させて厚み2.63mm、目付1040g/m、密度0.395g/cmの保形性の良好な絡合不織布(III)を得た。
次に、DMF溶剤に溶解したポリカーボネート系ポリウレタンの4%溶液を該絡合不織布(III)の両面にそれぞれ250g/mずつロールコーター法により塗布した後、40℃のDMF30%水溶液中に投入し、さらに水洗して絡合不織布中に存在するDMFを水で置換した。次に90℃熱トルエン浴中で繊維(A)及び繊維(B)中のポリエチレンを溶解除去し(極細繊維化処理)、90〜100℃の熱水中で絡合不織布中に存在するトルエンを水と共沸させて水で置換し、所定の幅へセットしながら乾燥して、厚さ約1.3mmの人工皮革(I)を得た。
得られた人工皮革(I)において、ナイロンからなる極細繊維の平均繊維径は約1.1μmであり、また表面および断面を電子顕微鏡にて観察すると、ポリウレタンからなる繊維は部分的に多孔質状態で、かつ繊維同士が部分的に融着しているところがあり、また人工皮革全層に渡ってナイロンからなる極細繊維と共に絡合不織布構造を形成しており、人工皮革の表面および裏面部ともにポリウレタンの一部が絡合不織布構造と一体化した多孔質層が観察された。さらに、ポリウレタンからなる繊維が一部ナイロン極細繊維と密着した状態が、人工皮革全層に渡って所々に見られ、特に表面層部において集中的に観察された。
この人工皮革(I)を厚さ方向の中央部でニ分割スライス処理して、まず分割面を砥粒番手#180のサンドペーパーを用いたバフ機により研削処理して、厚さ0.50mmとし、次いで分割面の反対側(即ち、分割前の表面側)を砥粒番手#400のサンドペーパーを用いたバフ機によって起毛処理を行い未染色の立毛調人工皮革を得た。次に該立毛調人工皮革を次の条件にて茶色に染色処理し、さらに揉み処理、及びブラッシングロールでの整毛処理を行った。
染色機 ウインス
染料 イルガラン ブラウン 2RL(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)) owf 4%
イルガラン イエロー 2GL(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)) owf 1%
助剤 レベラン NK−D(丸菱油化工業(株)製)2g/l
浴比 1:20
染色温度×時間 90℃×60分
茶色に染色した立毛調皮革様シートを揉み加工した後、ブラッシングロールで整毛すると、横方向に伸縮性がありドレープ性に優れた茶色の立毛調皮革様シートが得られた。得られた立毛調皮革様シートは、伸縮性に優れ、30%伸長を10回繰り返しても、構造変化が生じなかった。また、柔軟で充実感のある風合いと優れたドレープ性を保持していた。その他の評価結果を表1に示す。
DMF溶剤に溶解したポリカーボネート系ポリウレタンの20%溶液を実施例1で得られた絡合不織布(III)の両面にそれぞれ500g/mずつロールコーター法により銀面層としてコートした後、40℃のDMF30%水溶液中に投入し、さらに水洗して絡合不織布中に存在するDMFを水で置換した。次に、90℃のトルエン浴中で繊維(A)及び繊維(B)中のポリエチレンを溶解除去した後、90〜100℃の熱水中で絡合不織布中に存在するトルエンを水と共沸させて水で置換し、所定の幅へセットしながら乾燥して、厚さ約1.3mmの銀付き調人工皮革を得た。
得られた銀付き調人工皮革において、ナイロンからなる極細繊維の平均繊維径は約1.1μmであり、また表面および断面を電子顕微鏡にて観察すると、コートしたポリウレタンの発泡銀面層があり、該銀面層下にある絡合不織布内のポリウレタンからなる繊維は部分的に多孔質状態であり、かつ繊維同士が部分的に融着しており、また該人工皮革の絡合不織布部全層に渡ってナイロンからなる極細繊維と共に絡合不織布構造を形成していた。また、人工皮革の銀面層の下部においてはポリウレタンの一部が絡合不織布構造と一体化した多孔質層を形成した構造が観察された。さらに、ポリウレタンからなる繊維が一部ナイロン極細繊維と密着した状態が、人工皮革の絡合不織布全層に渡って所々に見られ、特に銀面層下と絡合不織布の銀面層と反対側の裏面層部において集中的に観察された。評価結果を表2に示す。
しぼ付き離型紙(リンテック株式会社 TP R−8)の上に被覆層としてシリコン変性ポリエーテル系ポリウレタン(大日本インキ化学工業(株)製 NY214、100%モジュラス40%、固形分20%)100部、黒顔料(大日本インキ化学工業(株)製 ダイラックL6910N)20部、DMF30部、メチルエチルケトン30部からなるポリウレタン樹脂溶液を乾燥後の被覆層の平均厚さが40ミクロンになる様に塗布し、100℃で5分間加熱し、被覆層を得た。その上に2液硬化型ポリエーテル系ポリウレタン溶液を乾燥後の接着層の平均厚さが30ミクロンとなるように塗布し、50℃で3分間乾燥し、塗布面が未だ粘着性を有している状態で、実施例1の人工皮革(I)を厚さ方向の中央部でニ分割処理して、分割面を砥粒番手#180のサンドペーパーをセットしたバフ機により研削処理して、厚さ0.50mmとしたものと貼り合わせ、100℃で2分間乾燥し、その後、40℃で3日間放置した後、離型紙を剥離した。さらに柔軟性を付与するために柔軟剤(日華化学(株)製 ニッカシリコンAM−204 固形分20%)5%水溶液を含浸率50%になるように含浸し、タンブラー乾燥器で70℃40分間処理を行った。得られた銀付き調人工皮革はソフトな風合いと伸縮性を有しつつドレープ性に優れているばかりでなく、極めて薄い被覆層であっても表面平滑性に優れ、かつ剥離強力にも優れたものであった。その他の評価結果を表2に示す。
比較例1
実施例1で得られた絡合不織布(III)をDMF溶剤に溶解したポリカーボネート系ポリウレタンの4%溶液中に含浸した後、40℃のDMF30%水溶液中に投入し、さらに水洗して絡合不織布中に存在するDMFを水で置換した。次に、90℃のトルエン浴中で繊維(A)及び繊維(B)中のポリエチレンを溶解除去した後、90〜100℃の熱水中で絡合不織布中に存在するトルエンを水と共沸させて水で置換し、所定の幅へセットしながら乾燥して、厚さ約1.3mmの人工皮革得た。
得られた人工皮革において、ナイロンからなる極細繊維の平均繊維径は約1.1μmであり、また表面および断面を電子顕微鏡にて観察すると、全層においてポリウレタンからなる繊維は部分的に多孔質状態であり、かつ全層に渡ってナイロンからなる極細繊維と共に絡合不織布構造を形成しつつ、繊維同士が部分的に融着した網目構造を形成していた。さらに、ポリウレタンからなる繊維が一部ナイロン極細繊維と密着した状態が人工皮革全層に渡って随所に見られた。
得られた人工皮革を実施例1と同様に分割処理、分割面研削処理、表面起毛処理、染色処理、揉み処理、整毛処理して立毛調人工皮革を得た。この立毛調人工皮革は実施例1に比べて平滑性に劣り、伸縮性、ドレープ性においても実施例1のレベルには達していないものであった。その他の評価結果を表1に示す。
比較例2
DMF溶剤に溶解したポリカーボネート系ポリウレタンの4%溶液を、該絡合不織布(III)に含浸・凝固・水洗の操作を行わない以外は実施例1と同様の方法で厚さ約1.3mmの人工皮革を得た。得られた人工皮革の表面および断面を電子顕微鏡にて観察すると、弾性ポリマーからなる繊維が無孔の状態であり、さらに該弾性ポリマーからなる繊維同士が融着していない、さらには網目構造を有するものではなかった。
この人工皮革を厚み方向にニ分割して、分割面をバフ機にて研削して厚さ0.52mmの人工皮革を得た。該人工皮革の分割面の反対側を砥粒番手#400のサンドペーパーで起毛処理し、未染色の立毛調人工皮革を得た。得られた立毛調人工皮革は立毛状態が不安定で工程通過性も低いものであった。
その後、実施例1と同じ染色条件で染色を行うと、茶色に染色された毛羽感に乏しく外観がラフであり、毛羽の不均一なベロアの立毛調人工皮革を得た。得られた立毛調人工皮革は、ドレープ性や伸縮性に優れるが、30%伸長を繰り返した後の形態安定性は、実施例1に比べ劣るものであった。そして、柔軟ではあるが充実感に欠けた風合いであった。評価結果を表1に示す。
比較例3
全て4デシテックスの短繊維(B)のみを用いてカードで解繊した後、クロスラップウェバーでウェブとし、次に1バーブのニードルパンチ用針で1500パンチ/cmの条件にて処理することにより、目付800g/mの絡合不織布を得た。得られた絡合不織布に乾燥機で熱処理を行い、海成分のポリエチレンを軟化させて繊維間を部分接着させて厚みを2.65mm、目付850g/m、密度0.32g/cmの絡合不織布(III)を得た。該絡合不織布の内部にポリエーテル系ポリウレタンの13%DMF溶液を含浸した後、40℃のDMF30%水溶液に投入し、さらに水洗して絡合不織布中に存在するDMFを水で置換した。次に、90℃のトルエン浴中で繊維(B)中のポリエチレンを溶解除去した後、90〜100℃の熱水中で絡合不織布中に存在するトルエンを水と共沸させて水で置換し、所定の幅へセットしながら乾燥すると、厚さ1.3mmのナイロン6の極細繊維からなる絡合不織布の絡合空間に非繊維状のポリウレタンが多孔質状態で存在する人工皮革が得られた。この人工皮革からナイロン6の極細繊維を溶解除去すると、ポリウレタンからなる発泡シートが得られた。得られた人工皮革におけるナイロン6の極細繊維の平均繊維径は約1.1μmであり、また表面および断面を電子顕微鏡にて観察すると、前記したように繊維状の構造をとっているポリウレタンは存在しなかった。
得られた人工皮革を実施例1と同様に分割処理、分割面研削処理、表面起毛処理、染色処理、揉み処理、整毛処理して立毛調人工皮革を得た。この立毛調人工皮革は伸縮性、ドレープ性に劣るものであった。評価結果を表1に示す。
比較例4
比較例2で得られた人工皮革において乾式造面を実施例3と同様に行った。得られた人工皮革は実施例3に比べ一体感および平滑性に劣っていた。評価結果を表2に示す。
Figure 2005097821
Figure 2005097821
本発明の人工皮革の非弾性ポリマーからなる繊維のみを除去した後の断面形態の1例を示す図面代用電子顕微鏡写真。 本発明の人工皮革の断面形態の1例を示す図面代用電子顕微鏡写真。

Claims (6)

  1. 平均繊維径5μm以下の非弾性ポリマーからなる極細繊維と弾性ポリマーとからなる人工皮革において、該弾性ポリマーの主体は人工皮革の厚さ方向全層に渡って繊維形態で該非弾性ポリマーからなる極細繊維と絡合不織布構造を形成しており、かつ該弾性ポリマーの一部は人工皮革の少なくとも一方の面において該絡合不織布構造と一体化した多孔質層を形成していることを特徴とする人工皮革。
  2. 繊維形態の弾性ポリマーが部分的に多孔質状態にある請求項1に記載の人工皮革。
  3. 非弾性ポリマーからなる極細繊維と弾性ポリマーからなる繊維が部分的に密着した構造を有する請求項1または2に記載の人工皮革。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の人工皮革の少なくとも多孔質層が形成された面に、非弾性ポリマーからなる極細繊維を主体とする立毛が形成されている立毛調人工皮革。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の人工皮革の少なくとも多孔質層が形成された面に被覆層を有する銀付き調人工皮革。
  6. 下記I〜IIIの工程を順次行うことを特徴とする人工皮革の製造方法。
    I.少なくとも表面に弾性ポリマーからなる繊維の一部が存在しており該弾性ポリマーからなる繊維を発生し得る繊維(A)と平均繊維径5μm以下の非弾性ポリマーからなる極細繊維を発生し得る繊維(B)からなる絡合不織布を製造する工程、
    II.該絡合不織布の少なくとも一方の面に該弾性ポリマーに対する良溶剤を少なくとも含む液を塗布し、少なくとも表面層部に存在する該繊維(A)中の弾性ポリマーを部分的に溶解させ、次に該弾性ポリマーに対する貧溶剤を少なくとも含む液を付与する工程、及び
    III.該繊維(A)および該繊維(B)よりそれぞれ弾性ポリマーからなる繊維および平均繊維径5μm以下の非弾性ポリマーからなる極細繊維を発生させる工程。
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