JP2005095718A - 酸素分離膜エレメント及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 酸素分離性能に優れた酸素分離膜エレメント及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明によって提供される酸素分離膜エレメントは、多孔質支持体が酸素イオン伝導性を有する酸化物、例えば一般式:La1−xAeMOで示される複合酸化物、安定化ジルコニア、及び酸化セリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化物から実質的に構成されている。特に前記多孔質支持体は、平均細孔径rが0.1μm<r<20μmの範囲であり、気孔率pが5%≦p≦60%の範囲であることが好ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、酸素分離膜エレメントに関する。
高温(例えば500℃以上)において酸素イオン(酸化物イオン)を選択的に透過させる性質を有するセラミック(酸素イオン伝導体)が知られている。このような酸素イオン伝導体から形成されたセラミック材は、酸素を含有する混合ガスから酸素を分離する等の目的に利用することができる。例えば、酸素イオン伝導体として酸化ジルコニウムを用いる酸素分離方法が知られている。この種の技術としては、特許文献1〜3に開示されたもの等がある。
一方、酸素イオン伝導体のなかには、酸素イオン伝導性とともに電子伝導性(ホール伝導性を含む意味である。)を示すものがある。このような酸素イオン伝導体は、電子−酸素イオン混合伝導体(以下、単に「混合伝導体」ともいう。)と呼ばれることもある。かかる混合伝導体からなる膜状セラミック材は、このセラミック材自体が電子伝導性を有することから、両面を短絡させるための外部電極や外部回路等を用いることなく、一方の面から他方の面へと連続して酸素イオンを透過させることができる。この種の技術としては、特許文献4〜22に開示されたもの等がある。
また、このような酸素イオン伝導体から形成されたセラミック材は、炭化水素の部分酸化反応等の酸化用反応装置にも利用することができる。例えば、このセラミック材を膜状(薄い層状のものを包含する。)に形成し、その一方の表面を酸素を含むガスに接触させ、他方の表面を炭化水素(メタン等)を含むガスに接触させる。これにより、膜状セラミック材の一方の表面からこのセラミック材を透過して供給される酸素イオンによって、セラミック材の他方の表面に接触した炭化水素を酸化させることができる。
これらのうち代表的な酸素イオン伝導体として、ペロブスカイト型の複合酸化物、例えば、La−Sr−Co系複合酸化物やLa−Sr−Mn系複合酸化物等が知られている。これらペロブスカイト型複合酸化物は、高い酸素イオン伝導性と電子伝導性を有するため、前記用途に有用である。特に、多孔質支持体上に緻密な薄膜として形成した場合には、酸素イオンの透過距離が短縮されるために酸素イオン伝導性を向上することができ、分離能力に優れている。使用可能な多孔質支持体としては、強度及び耐熱性に優れるアルミナ多孔質支持体が一般的である。
特許第3173724号公報 特開平9−299749号公報 特表平8−503193号公報 特開昭56−92103号公報 特開平10−114520号公報 特開平11−335164号公報 特開平11−335165号公報 特開2000−154060号公報 特開2001−93325号公報 特開2001−104741号公報 特開2001−104742号公報 特開2001−106532号公報 特開2001−269555号公報 特開2002−12472号公報 特開2002−97083号公報 特許第2533832号公報 特許第2813596号公報 特許第2966340号公報 特許第2966341号公報 特許第2993639号公報 米国特許第5,306,411号明細書 米国特許第5,356,728号明細書 特開平3−37172号公報
しかしながら、支持体の組成や形態によっては酸素の透過を阻害し、酸素分離性能を低下させる場合があった。特許文献23には多孔質支持体上にペロブスカイト型複合酸化物膜が積層されたセラミック体が開示されているが、酸素分離膜エレメントではない。このため、酸素の透過を阻害しない支持体を有する酸素分離性能に優れた酸素分離膜エレメントが要求されていた。
そこで本発明は、前記課題を解決し、酸素分離性能に優れた酸素分離膜エレメント及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明によって提供される酸素分離膜エレメントは、多孔質支持体上に酸素イオン伝導性を有する酸素分離膜を形成した酸素分離膜エレメントにおいて、前記多孔質支持体が酸素イオン伝導性を有する酸化物多孔質体から実質的に構成されている。
本発明者らは、酸素分離膜エレメントにおける酸素分離膜の支持体として酸素分離性能を向上可能な多孔質支持体について鋭意検討した。この結果、酸素イオン伝導性を有する酸化物多孔質体から構成させることにより、支持体においても酸素イオン伝導性を得ることに成功した。従って酸素分離膜とともに酸素分離可能な面積を増大させて、酸素分離性能を向上することができる。即ち、本発明の酸素分離膜エレメントにおける多孔質支持体は、酸素分離膜の強度向上に加えて、酸素分離膜とともに酸素分離性能を発揮することができる。このため、本発明の酸素分離膜エレメントは、従来得ることができなかった優れた酸素分離性能を有する。
本発明の酸素分離膜エレメントとして好ましいものの一つは、前記多孔質支持体が、一般式:La1−xAeMO
ここで式中、Aeは、Ba、Sr及びCaからなる群から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせであり、MはFe、Mn、Ga、Ti、Co、Zr、Ni、Al、In及びSnからなる群から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせであり、xは0<x<1を満たす;
で示される複合酸化物から実質的に構成されている。
本発明の酸素分離膜エレメントとして他の好ましいものは、前記多孔質支持体が、安定化ジルコニアから実質的に構成されている。尚、安定化ジルコニアとは、安定化剤が固溶されたジルコニアである。安定化剤としては、従来公知のいずれの成分であっても良いが、イットリウム(Y)、カルシウム(Ca)、スカンジウム(Sc)、及びセリウム(Ce)からなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。安定化ジルコニアとしてはこれらいずれかを2〜15モル%含むジルコニア(ZrO)、例えばイットリア安定化ジルコニアが好ましい。
本発明の酸素分離膜エレメントとしてさらに他の好ましいものは、前記多孔質支持体が、酸化セリウムから実質的に構成されている。
また、本発明の酸素分離膜エレメントとしては、前記多孔質支持体が、前記La1−xAeMOで示される複合酸化物、安定化ジルコニア、及び酸化セリウムからなる群から選ばれるいずれか2種以上の組み合わせから実質的に構成されていてもよい。
前記各酸化物はいずれも酸素イオン伝導性に優れるとともに、強度及び耐熱性に優れる。このため、これら酸化物のうちのいずれか、あるいは、前記各酸化物のうちのいずれか2種以上の組み合わせを酸素分離膜の支持体として選択することにより、特に酸素分離性能を向上することができる。
本発明の酸素分離膜エレメントとして他の好ましいものは、前記酸素分離膜が、一般式:La1−xAeMO
ここで式中、Aeは、Ba、Sr及びCaからなる群から選ばれる1種又は2
種以上の組み合わせであり、MはFe、Mn、Ga、Ti、Co、Zr、Ni、Al、In及びSnからなる群から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせであり、xは0<x<1を満たす;
で示される複合酸化物から実質的に構成されている。
本発明の酸素分離膜エレメントとして他の好ましいものは、前記酸素分離膜が、安定化ジルコニアから実質的に構成されている。
本発明の酸素分離膜エレメントとして他の好ましいものは、前記酸素分離膜が、酸化セリウムから実質的に構成されている。
また、本発明の酸素分離膜エレメントとしては、前記酸素分離膜が、前記一般式:La1−xAeMOで示される複合酸化物、安定化ジルコニア、及び酸化セリウムからなる群から選ばれる2種以上の組み合わせから実質的に構成されていてもよい。
前記各酸化物はいずれも酸素イオン伝導性に優れる。このため、これら酸化物のうちのいずれか、あるいは、前記各酸化物のうちのいずれか2種以上の組み合わせを酸素分離膜として選択することにより、特に酸素分離性能を向上することができる。
本発明の酸素分離膜エレメントとして特に好ましいものは、前記多孔質支持体と前記酸素分離膜とは、同じ組成の酸化物から実質的に構成されている。
酸素分離膜と多孔質支持体とが同じ組成で構成されていることにより、その性質(典型的には化学的性質)を同等とすることができる。このため、焼成収縮率差を近似させることができ、焼成時や高温での使用時における膜の剥離、クラック等の発生をより効果的に防止することができる。従って、機械的強度及び耐久性に特に優れた酸素分離膜エレメントとして好適である。また、膜と支持体の反応により、膜の導電性が低下するという問題も解消し得る。
また、別の観点から、本発明の酸素分離膜エレメントとして好ましいものは、前記多孔質支持体と前記酸素分離膜とは、互いに異なる組成の酸化物から構成されている。
多孔質支持体と酸素分離膜とが互いに異なる組成の酸化物により構されていることにより、膜焼成時や高温での使用時における多孔質支持体の緻密化を抑制し、この結果酸素透過性に優れる気孔率を保持し、酸素透過性の低下を防止することができる。
さらに、本発明の酸素分離膜エレメントとして特に好ましいものは、前記多孔質支持体は、一般式:La1−xSrMnOで示される複合酸化物(但しxは0<x<1を満たす)、安定化ジルコニア、及び酸化セリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化物から実質的に構成されており、前記酸素分離膜は一般式:La1−xAeMO
ここで式中、Aeは、Ba、Sr及びCaからなる群から選ばれる1種又は2
種以上の組み合わせであり、MはFe、Mn、Ga、Ti、Co、Zr、Ni、Al、In及びSnからなる群から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせであり、xは0<x<1を満たす;
で示される複合酸化物から実質的に構成されている。
このような多孔質支持体を選択して用いることにより、膜焼成時や高温での使用時における多孔質支持体の緻密化を低減可能として、特に酸素イオン伝導性に優れる平均細孔径と気孔率とを保持することができる。かつこれら多孔質支持体と前記酸素分離膜とは熱膨張係数が近似しているために、膜焼成時や高温での使用時における膜の剥離やクラック等の発生防止効果が高い。
特にこのうち好ましいものは、前記多孔質支持体は酸化セリウムから実質的に構成されている。酸化セリウムは、前記一般式:La1−xAeMOで示される複合酸化物により構成される酸素分離膜との熱膨張係数差が極めて小さく、膜焼成時や高温での使用時における膜の剥離やクラック等の発生防止効果が一層高い。
また、本発明の酸素分離膜用支持体として他の好ましいものは、前記多孔質支持体は、平均細孔径rが0.1μm<r<20μmの範囲、特に1μm<r<20μmの範囲である。また、前記気孔率pが5%≦p≦60%の範囲である。尚、本明細書中において、「平均細孔径」及び「気孔率」は、「BET法(例えば、窒素吸着法)」若しくは「水銀圧入法」に基づく。
前記本発明の酸素分離膜エレメントによれば、多孔質支持体が所定の気孔率かつ所定の平均細孔径を両立して有する場合に、酸素イオン伝導性に特に優れる。即ち、気孔率及び平均細孔径のいずれかが前記所定の範囲よりも小さい場合には、酸素分離膜の支持体側におけるガス接触面積が小さいために結果として酸素イオン伝導性が低下する傾向にある。或いは、気孔率及び平均細孔径のいずれかが前記所定の範囲よりも大きい場合には、酸素イオン伝導性には優れるものの支持体自体の機械的強度に劣る傾向にある。即ち、気孔率及び平均細孔径のうち、いずれか一方が前記所定範囲を逸脱しても支持体としての性能が低下する傾向にある。本発明によって提供される酸素分離膜用エレメントによれば、支持体が前記範囲の気孔率及び平均細孔径を両立して有することにより、特に酸素イオン伝導性に優れるとともに機械的強度にも優れる。
本発明によって提供される一つの酸素分離膜エレメント製造方法は、一般式:La1−xAeMO
ここで式中、Aeは、Ba、Sr及びCaからなる群から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせであり、MはFe、Mn、Ga、Ti、Co、Zr、Ni、Al、In及びSnからなる群から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせであり、xは0<x<1を満たす;
で示される複合酸化物、安定化ジルコニア、及び酸化セリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化物を含む原料粉末であって、平均粒径10μm以上の原料粉末を用意する工程と、
該原料粉末を所定形状の成形体に成形する工程と、
該成形体を1200〜1800℃にて酸化性雰囲気又は不活性ガス雰囲気下で焼成して多孔質支持体を得る工程と、
該多孔質支持体の表面部の少なくとも一部に、一般式:La1−xAeMO
ここで式中、Aeは、Ba、Sr及びCaからなる群から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせであり、MはFe、Mn、Ga、Ti、Co、Zr、Ni、Al、In及びSnからなる群から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせであり、xは0<x<1を満たす;
で示される複合酸化物、安定化ジルコニア、及び酸化セリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化物から実質的に構成される酸素分離膜を形成するための前駆体を付与する工程と、
該前駆体を1200〜1800℃にて酸化性雰囲気又は不活性ガス雰囲気下で加熱して、前記多孔質支持体の表面部に酸素分離膜を形成する工程と、
を包含する。
本発明の酸素分離膜エレメント製造方法では、酸素分離膜の支持体を、酸素イオン伝導性を有する酸化物であって、所定の粒径範囲の原料粉末を用いて製造する。このため、酸素分離膜エレメントの酸素分離性能を向上することができた。即ち、原料粉末として所定粒径のものを用いることにより、酸素分離膜の焼成温度(膜の緻密化温度)においても、緻密化を防止し、酸素イオン伝導性に優れた気孔率と平均細孔径とを保持することができる。典型的には、10μm以上の原料粉末を使用することにより、高温焼成時における緻密化が抑制され得る。また、多孔質支持体を前記酸素分離膜焼成時と同等又はそれ以上の所定範囲の焼成温度において焼成することにより、前記膜焼成時における耐熱性に優れ、前記膜焼成後にも膜焼成前と同等な気孔率及び平均細孔径を保持することができる。多孔質支持体は、酸素イオン伝導性に優れる酸化物から製造される。このため、酸素分離膜の強度向上に加えて、酸素分離膜とともに酸素分離可能な面積を増大させて、酸素分離性能を向上することができる。
尚、ここで、平均粒径とは、レーザー回折式粒度分布計を用いて測定した「平均粒径(D50)」をいう。
また、本発明によって提供される他の一つの酸素分離膜エレメント製造方法は、一般式:La1−xAeMO
ここで式中、Aeは、Ba、Sr及びCaからなる群から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせであり、MはFe、Mn、Ga、Ti、Co、Zr、Ni、Al、In及びSnからなる群から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせであり、xは0<x<1を満たす;
で示される複合酸化物、安定化ジルコニア、及び酸化セリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化物を含む原料粉末であって、平均粒径10μm以上の原料粉末を用意する工程と、
該原料粉末を所定形状の成形体に成形する工程と、
該成形体の表面部の少なくとも一部に、一般式:La1−xAeMO
ここで式中、Aeは、Ba、Sr及びCaからなる群から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせであり、MはFe、Mn、Ga、Ti、Co、Zr、Ni、Al、In及びSnからなる群から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせであり、xは0<x<1を満たす;
で示される複合酸化物、安定化ジルコニア、及び酸化セリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化物から実質的に構成される酸素分離膜を形成するための前駆体を付与する工程と、
前記成形体及び前記前駆体を1200〜1800℃にて酸化性雰囲気又は不活性ガス雰囲気下で同時焼成して、多孔質支持体及びその表面部に酸素分離膜を形成する工程と、
を包含する。
この酸素分離膜エレメントの製造方法では、前記多孔質支持体と前記酸素分離膜とを同時に焼成して形成する。このため、前記製造方法と同様な効果が得られるとともに、製造工程が簡略化される。また、多孔質支持体と酸素分離膜との接合性が向上し、膜焼成時や高温での使用時における膜の剥離やクラック等の発生防止効果も向上する。
ここで開示される酸素分離膜エレメントの製造方法の好ましいものの一つは、前記原料粉末の平均粒径が50〜100μmである。
かかる平均粒径を有するものを用いることにより、高温焼成時及び使用時における多孔質体の緻密化防止効果を向上させ得る。このため、酸素イオン伝導性に優れた支持体として最適な気孔率と平均細孔径とを保持することができる。
ここで開示される酸素分離膜エレメントの製造方法の他の好ましいものは、前記多孔質支持体と前記酸素分離膜とを、同じ組成の酸化物から実質的に構成させる。
酸素分離膜と多孔質支持体とを同じ組成の酸化物で構成させることにより、その性質(典型的には化学的性質)を同等とすることができる。このため、熱膨張係数を近似させ、膜焼成時や高温での使用時に膜の剥離やクラック等の発生を効果的に防止することができる。従って、機械的強度及び耐久性に特に優れた酸素分離膜エレメントを製造することができる。また、膜と支持体の反応により、膜の導電性が低下するという問題も解消し得る。
また、別の観点から、ここで開示される製造方法の他の好ましいものは、前記多孔質支持体と前記酸素分離膜とを、互いに異なる組成の酸化物から構成させる。
多孔質支持体と酸素分離膜とを異なる組成の酸化物により構成させることにより、膜焼成時や高温での使用時における多孔質支持体の緻密化を抑制することができる。この結果酸素透過性に優れる気孔率を保持し、酸素透過性の低下を防止する。
ここで開示される酸素分離膜エレメントの製造方法のさらに他の好ましいものは、前記酸素分離膜を10〜200μmの膜厚に形成する。
前記所定範囲の膜厚で酸素分離膜を形成することにより、優れた酸素イオン伝導性を得ることができる。このため、酸素分離性能に優れた最適な酸素分離膜エレメントを製造することができる。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項(例えば多孔質支持体及び酸素分離膜の組成や原料の平均粒径等)以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば原料粉末の混合方法、押出成形や焼成方法等)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
本発明の酸素分離膜エレメントに係る多孔質支持体としては、酸素イオン伝導性を有する酸化物であればよく、特定のいくつかの化合物に限定されるものではなく、従来公知のいずれの酸素イオン伝導性を有する酸化物を使用可能である。
このような酸化物のうち、好ましい1種は、一般式:La1−xAeMOで示される複合酸化物が挙げられる。
式中、Aeとしては、Ba、Sr及びCaからなる群から選ばれるいずれであってもよく、これらのうちの1種又は2種以上の組み合わせであってもよく、特に制限されない。このうち、Sr又はCaあるいはSrとCaとの2種の組み合わせが好ましく、かかる元素の含有率の高い組成のものが好適である。特に、MがSrであるか、あるいはSrの含有率が高いこと(例えば、Ae中においてSrが50モル%以上含まれること)が好適である。
次に、式中、Mとしては、Fe、Mn、Ga、Ti、Co、Zr、Ni、Al、In及びSnからなる群から選ばれるいずれであってもよく、これらのうちの1種又は2種以上の組み合わせであってもよく、特に制限されない。このうち、Fe、Mn、Ga、又はTiのうちのいずれか、あるいはこれらのいずれか2種の組み合わせが好ましく、特にGa及び/又はFe、或いはTi及び/又はFeが好適である。
La1−xAeMOとしては、具体的にはLa1−xSrMnO、(La1−x,Sr)(Ga1−y,Fe)O、(La1−x,Sr)(Ti1−y,Fe)Oが挙げられる。
また、式中のxとしては、0<x<1の範囲内であればいずれの数をとってもよく、即ち、本発明の目的に応じてLa(1-x)とAe(x)との組成比は適宜選択される。同様に、前記式中のyとしては、0<y<1の範囲内であればよい。
ここで、前記一般式:La1−xAeMOにおいて酸素原子数は3であるように表示されているが、実際には酸素原子の数は3以下(典型的には3未満)である。ただし、この酸素原子数は複合酸化物構造の一部を置換する原子(ここではAeおよびM)の種類および置換割合その他の条件により変動するため、正確に表示することは困難である。そこで、本明細書中において複合酸化物を示す一般式では酸素原子の数を便宜的に3として表示するが、ここで教示する発明の技術的範囲を限定することを意図したものではない。したがって、この酸素原子の数を例えば3−zと書く(例えば、前記一般式をLa1−xAeMO3―zと表示する)こともできる。ここでzは、典型的には1を超えない正の数(0<z<1)である。
また、ここで開示される酸素分離膜エレメントに係る多孔質支持体を構成するものとして好ましい他の1種は、安定化ジルコニアである。安定化ジルコニアとしては従来公知のいずれの安定化ジルコニアを用いてもよく、特に前記のような安定化ジルコニアが好ましい。
さらに、ここで開示される酸素分離膜エレメントに係る多孔質支持体を構成するものとして好ましい他の1種は、酸化セリウムである。
なお、多孔質支持体には、その性能(酸素イオン伝導性、電子伝導性、クラック発生防止性等)を顕著に損なわない範囲で、前記各酸化物以外の成分を含有することができる。また、前記各酸化物のいずれの2種以上の組み合わせとすることもできる。
ここで開示される酸素分離膜エレメントに係る多孔質支持体としては、平均細孔径rが好ましくは0.1μm<r<20μmの範囲であり、より好ましくは1μm<r<20μmの範囲であり、さらに好ましくは5μm≦r<20μmの範囲であり、特に好ましくは5μm≦r≦15μmの範囲である。また、気孔率pは、好ましくは5%≦p≦60%の範囲であり、さらに好ましくは10%≦p≦50%の範囲であり、より好ましくは20%≦p≦45%の範囲であり、特に好ましくは20%≦p≦35%の範囲であり、最も好ましくは27%≦p≦35%の範囲である。ここで開示される支持体の好適例として、平均細孔径rが1μm<r<20μmの範囲であり、かつ気孔率pが5%≦p≦60%の範囲であるもの、平均細孔径rが5μm≦r<20μmの範囲であり、かつ気孔率pが10%≦p≦50%の範囲であるもの、平均細孔径rが5μm≦r<20μmの範囲であり、かつ気孔率pが20%≦p≦45%の範囲であるもの、平均細孔径rが5μm≦r≦15μmの範囲であり、かつ気孔率pが20%≦p≦45%の範囲であるもの、平均細孔径rが5μm≦r≦15μmの範囲であり、かつ気孔率pが27%≦p≦35%の範囲であるものが挙げられる。また、平均細孔径が1μm<r<5μmであって、かつ気孔率が30%≦p≦50%であるものも好ましい。このような所定の範囲内の平均細孔径及び気孔率を両立して有することにより、従来得ることができなかった高い機械的強度と、優れた酸素イオン伝導性(即ち、酸素分離膜におけるガス接触面積の充分な確保)とを満足して両立することが可能となった。
好ましい態様において、多孔質支持体は、通常1200℃以上、好ましくは1300℃以上、特に好ましくは1500℃以上の高温条件下にも前記平均細孔径及び前記気孔率の範囲内に前記平均細孔径及び前記気孔率を保持する。従って、ここで開示される酸素分離膜エレメントは、かかる高温条件下で(例えば、燃料電池システムの改質器として)好適に用いることができる。
また、好ましい態様において、機械的強度は、JIS R1601に従い測定した三点曲げ強度が10MPa以上であり得る。特に20MPa以上であり得る。
次に、ここで開示される酸素分離膜エレメントに係る酸素分離膜について説明する。
酸素分離膜は、酸素イオン伝導性を有する酸化物であればよく、特定のいくつかの化合物に限定されるものではなく、従来公知のいずれの酸素イオン伝導性を有する酸化物を使用可能である。このような酸化物のうち、好ましい酸化物は、前記酸素分離膜エレメントに係る多孔質支持体において説明した酸化物と同様なものが挙げられる。即ち、一般式:La1−xAeMOで示される複合酸化物、安定化ジルコニア、及び酸化セリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化物から実質的に構成されるものが挙げられる。このうち、特に好適なものについては、前記多孔質支持体と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
また、酸素分離膜には、その性能(酸素イオン伝導性、電子伝導性、クラック発生防止性等)を顕著に損なわない範囲で、前記各酸化物以外の成分を含有することができる。
ここで開示される酸素分離膜エレメントによれば、機械的強度及び耐久性向上の観点からは、前記多孔質支持体と前記酸素分離膜とが、同じ組成の酸化物から実質的に構成されていることが好ましい。特に好ましい酸化物としては、La1−xSrMnO、(La1−x,Sr)(Ga1−y,Fe)O、(La1−x,Sr)(Ti1−y,Fe)O、又は安定化剤としてY(イットリウム)、Ca(カルシウム)、Sc(スカンジウム)、Ce(セリウム)を2〜15モル%含む安定化ジルコニアが挙げられる。前記式中のx及びyについては、上述した通りである。
一方、多孔質支持体の緻密化防止の観点からは、多孔質支持体と酸素分離膜とが互いに異なる組成の酸化物により構成されていることが好ましい。
特に、ここで開示される酸素分離膜エレメントとしては、前記多孔質支持体が、一般式:La1−xSrMnOで示される複合酸化物、安定化ジルコニア、及び酸化セリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化物から実質的に構成され、前記酸素分離膜は一般式:La1−xAeMOで示される複合酸化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の複合酸化物から実質的に構成されている組み合わせが好ましい。このような組み合わせによれば、機械的強度及び耐久性向上とともに、多孔質支持体の緻密化防止効果を両立して得ることができる。このうち、酸化セリウムは、特に一般式:La1−xAeMOで示される複合酸化物により実質的に構成されている酸素分離膜との熱膨張係数差が縮小されており、一層優れた機械的強度及び耐久性を得ることができる。ここで、La1−xAeMOで示される複合酸化物から構成される酸素分離膜としては、(La1−x,Sr)(Ga1−y,Fe)O、及び/又は(La1−x,Sr)(Ti1−y,Fe)Oが挙げられる。前記式中のx及びyのとり得る値の範囲については、上述した通りである。
ここで開示される酸素分離膜エレメントに係る酸素分離膜は、緻密なものが好ましい。その気孔率は、特に限定されず、従来酸素分離膜として使用されているものと同等の気孔率であることができる。具体的には、通常酸素分離性能に優れる5%以下、好ましくは3%以下、特に2%以下であることが望ましい。
また、その膜厚は、用途に応じて適宜膜厚を選択することができるが、通常酸素イオン伝導性が良好である10〜200μmであることが好ましく、より好ましくは10〜180μm、更に好ましくは10〜150μm、特に好ましくは10〜100μmである。
次に、本発明に係る酸素分離膜エレメントの製造方法について説明する。
本発明に係る製造方法によれば、まず、多孔質支持体を製造する。使用する原料粉末は、酸素イオン伝導性を有する酸化物粉末(即ち、前記本発明の酸素分離膜エレメントにおいて説明した一般式:La1−xAeMOで示される複合酸化物、安定化ジルコニア、及び酸化セリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の原料粉末)であれば、いずれの入手可能な粉末を用いてもよい。市販品をそのまま用いてもよい。特に、膜焼成時における支持体の緻密化を防止するため、前記平均粒径範囲、即ち10μm以上に属する平均粒径を有することが好ましい。
或いは、平均粒径が前記所定の平均粒径範囲内にない酸化物を用いる場合、所定の粒径に造粒、仮焼して、所望の粒径に成長させて用いることができる。その手段としては、いずれの手段であっても特に限定されない。例えば、前記酸化物を所定量のバインダー、分散剤等の添加剤と混合し、ボールミル等によりよく混練し、乾燥して凝集体を得る。次に該凝集体を仮焼して、所望により解砕することにより、所望の粒径の原料粉末を得ることができる。又は、前記酸化物に所定量のバインダー、分散媒、分散剤等の添加剤を加えてスラリー状にした後、スプレードライヤー等により加熱乾燥及び仮焼して、所望の粒径の原料粉末を得ることができる。
又は、焼成中に分解して酸化物になるもの、例えば、種々の水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、有機酸塩類等を大気中、好ましくは酸素雰囲気中において所定の温度域で焼成する。このことによっても所定の粒径の前記いずれかの原料粉末を得ることができる。若しくは前記La1−xAeMOで示される複合酸化物の場合には、各組成成分となるLa、Ae、及びMの化合物(典型的には酸化物)を所定の比率(モル比)になるように混合し、同様に焼成することによっても所定の粒径の原料粉末を得ることができる。
なお、使用する原料粉末には、その性能(酸素イオン伝導性、電子伝導性、クラック発生防止性等)を顕著に損なわない範囲で、前記各酸化物以外の成分を含有することができる。
本発明の製造方法によれば、原料粉末を前記所定範囲の粒径に限定することにより、膜焼成時にも緻密化を防止することができる。このため、酸素透過性に優れる所定の気孔率及び平均細孔径を安定して保持させることができる。原料粉末の平均粒径は、典型的には10〜100μmであるが、好ましくは20μm以上(例えば、20から100μm)、より好ましくは40μm以上(例えば、40〜100μm)、更に好ましくは50μm以上、特に好ましくは50〜100μmの範囲である。このような範囲であると、酸素分離膜用支持体として好適な気孔率及び平均細孔径を安定して容易に得ることができる。
さらに酸素イオン伝導性を有する酸化物を原料として用いているために、酸素イオン伝導性を有する酸素分離膜用支持体を得ることができる。
原料粉末を所定形状の成形体に成形する手段としては、従来公知の種々の成形手段を採用することができる。例えば、一軸圧縮成形、静水圧プレス、押出し成形等の、従来公知の成形法を特に制限なく採用することができる。或いは、この成形のために従来公知のバインダー、分散媒、分散剤等を使用し、スラリー或いは可塑性固形物としたまま、鋳込み法、押出し成形法、射出成形法等により所望の形状としてもよい。
この成形体の形状は特に限定されない。具体的には、平面状、曲面状、管状(両端が開口した開管状のもの、一端が開口しており一端が閉じている閉管状のもの等を含む)、ハニカム状等の各種形状を含む。成形体の厚さは、特に限定されないが、例えば、平面状の場合、或いは管状の場合、0.5〜50mmとすることができ、好ましくは1〜20mm、より好ましくは2〜10mm、さらに好ましくは2〜5mmである。この範囲内の厚さに形成することにより、特に機械的強度に優れるとともに、膜のガス接触面積比率を向上させた多孔質体を提供することができる。
得られた成形体の焼成温度域(最高焼成温度)は多孔質支持体の組成により適宜選択されるが、酸素分離膜の焼成温度が1200〜1800℃である場合には、通常1200〜1800℃、好ましくは1300〜1700℃、特に1300〜1600℃、さらには1400〜1500℃程度が好適である。焼成温度が酸素分離膜の焼成温度域以下であると、酸素分離膜焼成時に多孔質支持体が焼成収縮して、気孔率低下の虞がある。また、焼成時間は、成形体の性状に応じて異なり得るが、通常1〜15時間、好ましくは1〜12時間、特に3〜10時間、さらには3〜5時間程度行われる。尚、有機物添加剤、例えば、バインダーや分散剤等を予め分解除去して均一な細孔を得るために、本焼成前に予め一回以上の仮焼成を行っても良い。仮焼成は前記本焼成よりも低く有機物が分解可能な温度、例えば、100〜1000℃、好ましくは200〜500℃程度で3〜15時間、好ましくは8〜12時間程度行われる。仮焼成後に最高焼成温度まで昇温して本焼成を行う。ここで、昇温速度は特に限定されないが、通常1〜10℃/分、好ましくは1〜2℃/分である。焼成雰囲気としては、前記酸化物が焼結される酸化性雰囲気又は不活性ガス雰囲気下であることが好ましい。
次に、本発明の製造方法によれば、得られた多孔質支持体の表面部の少なくとも一部に、一般式:La1−xAeMOで示される複合酸化物、安定化ジルコニア、及び酸化セリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化物から実質的に構成される酸素分離膜を形成するための前駆体を付与する。
前駆体としては、いずれの入手可能な前記いずれかの酸化物を用いることができる。また、焼成中に分解して酸化物になるものであればよく、必ずしも酸化物から製造する必要はない。従って、前記前駆体としては本来の酸化物の他、種々の水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、有機酸塩類等が利用され得る。而して、前記複合酸化物の場合にはこれらを所定の比率(モル比)になるように混合する。特に、前駆体は、機械的強度及び耐久性の観点からは焼成後の酸素分離膜が多孔質支持体と同じ組成の酸化物となるように選択することが好ましい。一方、多孔質支持体の緻密化防止の観点からは異なる組成とすることが好ましい。好ましい多孔質支持体及び酸素分離膜の組成の組み合わせについては、前記本発明の酸素分離膜エレメントにおいて説明したものと同様であるため、その詳細な説明を省略する。
このとき、これら前駆体の原料として粉末を用いる場合、その平均粒径は、好ましくは1〜30μm、特に1〜15μmである。このような所定範囲の平均粒径を有することにより、特に緻密で酸素イオン伝導性に優れる酸素分離膜を得ることができる。
前駆体を多孔質支持体に付与する手段としては、従来公知のいずれの薄膜形成プロセスにおいて用いられる各種の方法を採用することができる。例えば、前駆体を有機溶剤等のバインダーに分散させたスラリー状形成材料を用いたディップコーティング法、スピンコーティング法、スクリーン印刷法、スプレー法が挙げられる。
特にディップコーティング法は、前駆体の多孔質支持体内部への浸透を抑制でき、さらには熱分解に伴うガス発生、キャピラリー圧力、焼成収縮等による微細構造の破壊を抑制するのに寄与し得る。このため、特にディップコーティング法は、実質的に欠陥の無い酸素分離膜を多孔質支持体表面部に直接的に形成するのに好適な方法である。
具体的には、原料粉末に分散媒、例えば、水及び/又は有機有機溶剤、具体的には、ポリビニルアルコール、メチルセルロース類、ポリエチレングリコール類、プロピレングリコール、グリセリン等、さらに必要ならば、バインダー、分散剤、可塑剤等を加えて混合し、ボールミルを用いてよく混練する。得られた前駆体(原料粉末)を分散したコーティング液(スラリー)中に多孔質支持体をディップ(浸漬)する。ディップ時間は、数秒〜1分程度でよい。5〜30秒程度が好ましい。このことによって酸素分離膜前駆体を多孔質支持体の表面部に均等に積層することができる。
形成する酸素分離膜の膜厚は、コーティング液中の原料粉末濃度、添加する分散剤、分散媒、及び/又は可塑剤の種類及び/又は濃度の変更によるコーティング液の粘度、製膜、乾燥サイクルを各種変更することにより、制御することが可能である。酸素分離膜としては、用途に応じて適宜膜厚を決定することができるが、通常酸素イオン伝導性が良好である10〜200μmであることが好ましく、より好ましくは10〜180μm、更に好ましくは10〜150μm、特に好ましくは10〜100μmである。
また、酸素分離膜の形成手段としては、他に真空蒸着法、化学気相蒸着法、反応性スパッタリング法等が挙げられる。
尚、酸素分離膜は、用途に応じて多孔質支持体の一方の表面にのみ形成してもよく、或いは多孔質支持体の両側に形成することもできる。
次いで、前駆体を焼成して、酸素分離膜を形成する。焼成条件は、緻密な酸化物膜が形成される1200〜1800℃にて酸化性雰囲気又は不活性ガス雰囲気下に行われる。好ましい焼成条件、即ち、焼成温度や焼成時間、焼成条件等については、前記多孔質支持体と同様にすることができる。このため、その詳細な説明を省略する。特に支持体の緻密化防止の観点から支持体の焼成温度以下であることが好ましい。
上述した方法では、予め焼成した多孔質支持体上に膜を形成しているが、これに限定されない。未焼成又は仮焼成した成形体上に成膜し、これらを同時に焼成しても良い。
この態様の製造方法では、前記製造方法と同様に、前記のような酸素イオン伝導性を有する酸化物であって、かつ所定の平均粒径を有する原料粉末を用意して所定形状の成形体に成形する。次いで、この成形体を焼成せずに、前記のような酸素分離膜を形成するための前駆体を付与する。その後、前記と同様な焼成手段により成形体及び前駆体を同時焼成して、多孔質支持体とその表面部に酸素分離膜とを形成する。
この製造方法によれば、前記製造方法と同様な効果を有するとともに、多孔質支持体と酸素分離膜とを同時焼成するために、製造工程が簡略化される。また、多孔質支持体と酸素分離膜との接合性を向上し得る。同時焼成すること以外の、多孔質支持体の原料粉末及び酸素分離膜の前駆体の組成、多孔質支持体の成形手段、酸素分離膜の前駆体付与手段及び焼成手段等については、前記態様の製造方法と同様であるため、その詳細な説明を省略する。
得られた酸素分離膜エレメントには、触媒を担持させて酸素分離性能及び/又は酸素イオンによる酸化反応性を向上させることができる。例えば、膜に空気を送り込む側(以下、空気側と表記する)及び/又は膜を透過した酸素イオンと混合ガスが反応する側(以下、反応側と表記する)に触媒を担持することができる。
例えば、空気側に触媒を担持する手段としては、酸素イオン透過促進触媒粉末、例えば、LaSrCo酸化物粉末に分散媒(水及び/又は有機溶剤等)、必要に応じてバインダー、分散剤、可塑剤等を添加したスラリー或いは可塑性固形物を支持体内に含浸させた後、乾燥する。さらに、例えば800〜1000℃で、焼成することができる。或いは、焼成後に所望の酸化物組成、例えばLaSrCo酸化物組成となるような、水溶液、有機化合物等を支持体に含浸、乾燥、焼成してもよい。
また、反応側に触媒を担持する手段としては、酸化促進触媒粉末、例えば、Ni系酸化物粉末に分散媒(水及び/又は有機溶剤等)、必要に応じてバインダー、分散剤等を添加したスラリー或いは可塑性固形物を、膜表面に塗布或いは印刷担持した後、乾燥する。さらに、例えば800〜1000℃で、焼成することができる。Ni系酸化物は、メタンガスのような還元性雰囲気において部分還元或いは完全還元されて、触媒として機能する。
尚、本発明では、前記触媒担持法に限定されるものではなく、例えば、支持体において空気側と反応側のいずれにも担持することができる。また、前記以外の従来公知のいずれの触媒材料を適用することも可能である。
前記本発明の酸素分離膜エレメントは、各種酸素イオン伝導性を発揮する用途、例えば、燃料電池等に好適に使用することができる。
<(La0.7,Sr0.3)(Ga0.6,Fe0.4)Oから構成される多孔質支持体の製造>
市販の(La0.7,Sr0.3)(Ga0.6,Fe0.4)O粉末をバインダー及び分散剤と混合し、ボールミルを用いてよく混練した。その後、100℃にて24時間乾燥し、同組成の凝集体を得た。次に該凝集体を仮焼して解砕し、表1に示す粒径の各原料粉末を得た。尚、(La0.7,Sr0.3)(Ga0.6,Fe0.4)O原料粉末の粒径は、レーザ回折式粒度分布計を用いて測定し、あわせて平均粒径を求めた。
Figure 2005095718
次いで、得られた(La0.7,Sr0.3)(Ga0.6,Fe0.4)O原料粉末をバインダー及び分散剤と混合し、ボールミルを用いてよく混練した。その後、100℃にて24時間乾燥し、同組成の凝集体を得た。これをボールミルを用いてそれぞれ解砕した。
これを100MPaの圧力下にプレス押出し機においてプレス押出しし、直径約20mm、厚さ約3mmの円板状に成形した。
得られた成形体を大気中においてまず200〜500℃に昇温し、10時間保持して、有機物を分解除去した。その後大気中において1500まで昇温し、3時間保持して成形体を焼成した。
<(La0.6,Sr0.4)(Ti0.3,Fe0.7)Oから構成される多孔質支持体の製造>
市販の(La0.7,Sr0.3)(Ga0.6,Fe0.4)O粉末の代わりに、市販の(La0.6,Sr0.4)(Ti0.3,Fe0.7)O粉末を用いた以外は、前記実施例1と同様にして多孔質支持体を得た。
<La0.85 Sr0.15MnOから構成される多孔質支持体の製造>
市販の(La0.7,Sr0.3)(Ga0.6,Fe0.4)O粉末の代わりに、市販のLa0.85 Sr0.15MnO粉末を用いた以外は、前記実施例1と同様にして多孔質支持体を得た。
<安定化ジルコニアから構成される多孔質支持体の製造>
市販の(La0.7,Sr0.3)(Ga0.6,Fe0.4)O粉末の代わりに、市販の安定化ジルコニア粉末を用いた以外は、前記実施例1と同様にして多孔質支持体を得た。尚、安定化ジルコニアには、安定化剤として酸化イットリウムを3モル%含む。
<酸化セリウムから構成される多孔質支持体の製造>
市販の(La0.7,Sr0.3)(Ga0.6,Fe0.4)O粉末の代わりに、市販の酸化セリウム粉末を用いた以外は、前記実施例1と同様にして多孔質支持体を得た。
<平均細孔径、気孔率、及び三点曲げ強度の測定並びに電子顕微鏡による観察>
前記実施例1〜5において得られたそれぞれの多孔質支持体について、平均細孔径及び気孔率を水銀圧入法により測定した。また、三点曲げ強度をJIS R1601に従い測定した。結果を表1に示す。
また、実施例1のNo.2の支持体について、電子顕微鏡(SEM)によりその破断面を観察した。その写真を図1(a)に示す。
表1の結果から明らかなように、実施例1〜5のいずれの組成においても1μmを超える平均細孔径と5%以上の気孔率を有する。特に実施例1のNo.1及び2、実施例2のNo.1及び2、実施例3、さらに実施例4のNo.1及び2では、平均細孔径が5μm以上であって、かつ気孔率が20%以上であった。従って、酸素分離膜用支持体として好適である。さらに実施例3〜5の支持体は、気孔率が35%以上と高く、酸素分離膜用支持体として好適である。
また、機械的強度を示す三点曲げ強度も全ての実施例において15MPa以上の強度を示し、支持体として十分な強度を有することが判る。
また、図1(a)から明らかなように、実施例1のNo.2の支持体は、緻密化されずに十分な大きさの平均細孔径及び気孔率を有することが観察される。この大きさは、原料粉末の平均粒径に依存し、原料粉末の平均粒径が大きくなるに従い、平均細孔径及び気孔率が増大する傾向にある。
このため、実施例1〜5の支持体全ては、優れた平均細孔径及び気孔率とともに、高い機械的強度を有し、酸素分離膜用支持体として好適に使用可能である。
<(La0.7,Sr0.3)(Ga0.6,Fe0.4)O酸素分離膜エレメントの製造>
実施例1のNo.2の多孔質支持体を用いて、その一方の表面上に(La0.7,Sr0.3)(Ga0.6,Fe0.4)O酸素分離膜を形成し、酸素分離膜エレメントを製造した。
平均粒径が1μmである市販の(La0.7,Sr0.3)(Ga0.6,Fe0.4)O粉末を酸素分離膜用の原料粉末として用意し、これをバインダー及び分散剤とボールミルを用いてよく混練し、(La0.7,Sr0.3)(Ga0.6,Fe0.4)Oスラリーを調製した。
さらに得られたスラリー液中に、前記実施例1のNo.2で得られた支持体の表面部を20秒間ディップ(浸漬)しスラリーを多孔質支持体の表面部に均等に積層した。その後、多孔質支持体をスラリー液から引き上げ、60℃で4時間乾燥した。そして、大気中においてまず200〜500℃に昇温し、10時間保持して、有機物を分解除去した。さらに大気中において1500℃まで昇温し、3時間保持することにより、スラリーを焼成した。その後放冷して多孔質支持体の表面部上に(La0.7,Sr0.3)(Ga0.6,Fe0.4)O酸素分離膜を形成した。尚、酸素分離膜の厚さは電子顕微鏡(SEM)により観察して測定したところ、60μmであった。
尚、実施例1のNo.2の多孔質支持体の代わりに、実施例1のNo.1、3又は4の多孔質支持体を同様に用いて酸素分離膜エレメントを製造することもできる。
<(La0.6,Sr0.4)(Ti0.3,Fe0.7)O酸素分離膜エレメントの製造>
市販の(La0.7,Sr0.3)(Ga0.6,Fe0.4)O粉末の代わりに、平均粒径が1μmである市販の(La0.6,Sr0.4)(Ti0.3,Fe0.7)O粉末を用い、かつ多孔質支持体として実施例1のNo.2の代わりに実施例2のNo.2を用いた以外は、前記実施例7と同様にして、(La0.6,Sr0.4)(Ti0.3,Fe0.7)O多孔質支持体表面上に(La0.6,Sr0.4)(Ti0.3,Fe0.7)O酸素分離膜を形成した。
尚、実施例2のNo.2の多孔質支持体の代わりに、実施例2のNo.1、3又は4の多孔質支持体を同様に用いて酸素分離膜エレメントを製造することもできる。
<La0.85Sr0.15MnO支持体による(La0.7,Sr0.3)(Ga0.6,Fe0.4)O酸素分離膜エレメントの製造>
多孔質支持体として実施例1のNo.2の代わりに実施例3のLa0.85Sr0.15MnO支持体を用いた以外は、前記実施例7と同様にして、La0.85Sr0.15MnO多孔質支持体表面上に(La0.7,Sr0.3)(Ga0.6,Fe0.4)O酸素分離膜を形成した。
<La0.85Sr0.15MnO支持体による(La0.6,Sr0.4)(Ti0.3,Fe0.7)O酸素分離膜エレメントの製造>
多孔質支持体として実施例2のNo.2の代わりに実施例3のLa0.85Sr0.15MnO支持体を用いた以外は、前記実施例8と同様にして、La0.85Sr0.15MnO多孔質支持体表面上に(La0.6,Sr0.4)(Ti0.3,Fe0.7)O酸素分離膜を形成した。
<安定化ジルコニア支持体による(La0.7,Sr0.3)(Ga0.6,Fe0.4)O酸素分離膜エレメントの製造>
多孔質支持体として実施例1のNo.2の代わりに実施例4のNo.2の安定化ジルコニア支持体を用いた以外は、前記実施例7と同様にして、安定化ジルコニア多孔質支持体表面上に(La0.7,Sr0.3)(Ga0.6,Fe0.4)O酸素分離膜を形成した。
尚、実施例4のNo.2の多孔質支持体の代わりに、実施例4のNo.1、3又は4の多孔質支持体を同様に用いて酸素分離膜エレメントを製造することもできる。
<安定化ジルコニア支持体による(La0.6,Sr0.4)(Ti0.3,Fe0.7)O酸素分離膜エレメントの製造>
多孔質支持体として実施例2のNo.2の代わりに実施例4のNo.2の安定化ジルコニア支持体を用いた以外は、前記実施例8と同様にして、安定化ジルコニア多孔質支持体表面上に(La0.6,Sr0.4)(Ti0.3,Fe0.7)O酸素分離膜を形成した。
尚、実施例4のNo.2の多孔質支持体の代わりに、実施例4のNo.1、3又は4の多孔質支持体を同様に用いて酸素分離膜エレメントを製造することもできる。
<酸化セリウム支持体による(La0.7,Sr0.3)(Ga0.6,Fe0.4)O酸素分離膜エレメントの製造>
多孔質支持体として実施例1のNo.2の代わりに実施例5の酸化セリウム支持体を用いた以外は、前記実施例7と同様にして、酸化セリウム多孔質支持体表面上に(La0.7,Sr0.3)(Ga0.6,Fe0.4)O酸素分離膜を形成した。
<酸化セリウム支持体による(La0.6,Sr0.4)(Ti0.3,Fe0.7)O酸素分離膜エレメントの製造>
多孔質支持体として実施例2のNo.2の代わりに実施例5の酸化セリウム支持体を用いた以外は、前記実施例8と同様にして、酸化セリウム多孔質支持体表面上に(La0.6,Sr0.4)(Ti0.3,Fe0.7)O酸素分離膜を形成した。
<触媒担持(La0.6,Sr0.4)(Ti0.3,Fe0.7)O酸素分離膜エレメントの製造>
実施例8において得られた(La0.6,Sr0.4)(Ti0.3,Fe0.7)O酸素分離膜エレメントに触媒を担持した。
まず、多孔質支持体中に酸素イオン透過促進触媒を担持した。
市販のLa0.6Sr0.4Co酸化物粉末(粒径;2μm)に、分散媒としての水、バインダー、及び分散剤を添加して混合し、ボールミルを用いてよく混練した。次いで得られたスラリー液を、エレメントの支持体内に3時間含浸させた後、100℃で5時間乾燥した。さらに大気中電気炉において1℃/分の昇温速度にて1000℃まで昇温し、この温度にて1時間保持することによりスラリーを焼成した。
さらに、膜側に酸化促進触媒を担持した。
酸化ニッケル粉末(粒径;5μm)を水に分散してスラリーを得た。このスラリーを酸素分離膜の表面部に均等に塗布した。その後、酸素分離膜を乾燥した。さらに大気中電気炉において1℃/分の昇温速度にて1000℃まで昇温し、この温度にて1時間保持することによりスラリーを焼成した。
尚、同様に、実施例7及び9〜14において得られた酸素分離膜エレメントについても、触媒を担持することができる。
<酸素分離膜エレメントの電子顕微鏡(SEM)による観察>
前記実施例7の酸素分離膜エレメントの製造において得られた酸素分離膜と酸素分離膜エレメントの破断面を電子顕微鏡(SEM)により観察した。結果を図1に示す。図1(b)に酸素分離膜の破断面を示す。図1(c)に酸素分離膜と多孔質支持体とが積層された酸素分離膜エレメントの破断面を示す。図1(b)から明らかなように、酸素分離膜は緻密な構造を有していることが判る。一方、図1(c)から明らかなように、エレメントは膜と支持体とが良好に接合されていることが判る。また、酸素分離膜は60μm、多孔質支持体は3mmの厚さに形成されていることが判る。
<比較例1:マグネシア支持体による(La0.7,Sr0.3)(Ga0.6,Fe0.4)O酸素分離膜エレメントの製造>
(La0.7,Sr0.3)(Ga0.6,Fe0.4)O粉末の代わりに、市販のマグネシア粉末を用いた以外は、前記実施例1と同様にしてマグネシア多孔質支持体を得た。得られたマグネシア多孔質支持体の平均細孔径及び気孔率は、前記実施例6と同様に測定したところ、実施例1のNo.2とほぼ同等な平均細孔径及び気孔率を有していた。結果を表1に示す。
次いで、実施例1のNo.2により得られた多孔質支持体の代わりに、得られたマグネシア多孔質支持体を用いた以外は、前記実施例7の(La0.7,Sr0.3)(Ga0.6,Fe0.4)O酸素分離膜エレメントの製造と同様にして、酸素分離膜を形成した。
<比較例2:マグネシア支持体による(La0.6,Sr0.4)(Ti0.3,Fe0.7)O酸素分離膜エレメントの製造>
(La0.6,Sr0.4)(Ti0.3,Fe0.7)O粉末の代わりに、市販のマグネシア粉末を用いた以外は、前記実施例2と同様にしてマグネシア多孔質支持体を得た。得られたマグネシア多孔質支持体の平均細孔径及び気孔率は、前記実施例6と同様に測定したところ、実施例2のNo.2とほぼ同等な平均細孔径及び気孔率を有していた。結果を表1に示す。
次いで、実施例2のNo.2により得られた多孔質支持体の代わりに、得られたマグネシア多孔質支持体を用いた以外は、前記実施例8の(La0.6,Sr0.4)(Ti0.3,Fe0.7)O酸素分離膜エレメントの製造と同様にして、酸素分離膜を形成した。
<比較例3:アルミナ支持体による(La0.7,Sr0.3)(Ga0.6,Fe0.4)O酸素分離膜エレメントの製造>
市販のマグネシア粉末の代わりに、市販のアルミナ粉末を用いた以外は、前記比較例1と同様にして酸素分離膜エレメントを製造した。尚、得られたアルミナ多孔質支持体の平均細孔径及び気孔率は、前記実施例6と同様に測定したところ、実施例1のNo.1或いはNo.2とほぼ同等な平均細孔径及び気孔率を有していた。結果を表1に示す。
<比較例4:アルミナ支持体による(La0.6,Sr0.4)(Ti0.3,Fe0.7)O酸素分離膜エレメントの製造>
市販のマグネシア粉末の代わりに、市販のアルミナ粉末を用いた以外は、前記比較例2と同様にして酸素分離膜エレメントを製造した。尚、得られたアルミナ多孔質支持体の平均細孔径及び気孔率は、前記実施例6と同様に測定したところ、実施例2のNo.1とほぼ同等な平均細孔径及び気孔率を有していた。結果を表1に示す。
<酸素イオン伝導性試験>
前記実施例7〜15及び比較例1〜2において得られた酸素分離膜エレメントの酸素イオン伝導性について試験した。
図2にその説明図を示す。前記実施例7〜15及び比較例1〜2の酸素分離膜エレメント円板1を、酸素分離膜3側を燃料側、支持体5側を空気側として配置した。そして、図示するように、燃料(反応)側のアルミナ製円筒管7及び空気側のアルミナ製円筒管9の間に挟んで配置した。これらアルミナ製円筒管7,9及び酸素分離膜エレメント円板1の接触部をガラス系シール11で密閉した。また、燃料側及び空気側のアルミナ製円筒管7,9には、ともにガス導入路としてアルミナ内管13,15を設置した。このように構成される酸素イオン伝導性評価用モジュール17を、例えばヒータ18により1000℃まで加熱した。実施例15の酸素分離膜エレメントにあっては、燃料側のアルミナ内管13から混合ガス(水素10%+アルゴン90%)を導入し、Ni酸化物を還元した。次いで、燃料側のアルミナ内管13から純メタンガスを20cc/分で導入し、空気側のアルミナ内管15からは空気を20cc/分で導入した。尚、実施例15の酸素分離膜エレメントにあっては、メタンガス流量を200cc/分とした。この試験を3時間連続して行った。この間にアルミナ製円筒管7から放出された合成ガスをガスクロマトグラフで測定した。合成ガス中の酸素及びメタンガスによる反応生成物中の酸素濃度と流量及び酸素分離膜エレメント円板1の酸素透過部面積より酸素透過速度を算出した。結果を表2に示す。
Figure 2005095718
表2の結果から明らかなように、比較例1及び2の酸素分離膜エレメントでも良好な酸素透過速度を示してはいるものの、実施例7〜14の酸素分離膜エレメントは、これに比べて酸素透過速度が顕著に向上していることが判る。さらに、実施例15の酸素分離膜エレメントにあっては、触媒を担持し、かつメタン流量が増大されているために、酸素透過速度が著しく増大していることが判る。この結果、触媒条件や測定条件等により酸素透過速度は変動することが判る。
<熱膨張係数の測定及び機械的強度の観察>
前記実施例7〜14及び比較例1〜4において得られた酸素分離膜エレメントの支持体及び酸素分離膜のそれぞれの原料粉末について1000℃における熱膨張係数を一般的な示差膨張方式に基づき測定した。結果を表3に示す。
Figure 2005095718
次に、前記実施例7〜14及び比較例1〜4において得られた酸素分離膜エレメントについて、前記酸素イオン伝導性試験を行った後の酸素分離膜の剥離やクラック等の発生について観察した。結果を表3に示す。
表3の結果から明らかなように、比較例3及び4の酸素分離膜エレメントは、多孔質支持体と酸素分離膜との熱膨張係数差が約0.6×10−5/K以上であってその差が大きいために、酸素分離膜にクラックが生じ、リークが発生している。これに対して実施例7〜14の酸素分離膜エレメントは、多孔質支持体と酸素分離膜との熱膨張係数差が0.2×10−5/K以内の範囲であっていずれも近似しているため、酸素分離膜の剥離やクラック等がほぼ認められなかった。このうち、特に実施例7及び8の酸素分離膜エレメントは、支持体と酸素分離膜とを同じ組成の酸化物により構成しているために、熱膨張係数が極めて近似しており、酸素分離膜の剥離やクラック等の発生が見られなかった。
<同時焼成による(La0.7,Sr0.3)(Ga0.6,Fe0.4)Oから構成される酸素分離膜エレメントの製造>
市販の(La0.7,Sr0.3)(Ga0.6,Fe0.4)O粉末をバインダー及び分散剤と混合し、ボールミルを用いてよく混練した。その後、100℃にて24時間乾燥し、同組成の凝集体を得た。次に該凝集体を仮焼して解砕し、平均粒径80μmの支持体用原料粉末、さらに平均粒径10μmの酸素分離膜用原料粉末を得た。尚、(La0.7,Sr0.3)(Ga0.6,Fe0.4)O原料粉末の粒径は、レーザ回折式粒度分布計を用いて測定し、あわせて平均粒径を求めた。
次いで、得られた支持体用原料粉末をバインダー及び分散剤と混合し、ボールミルを用いてよく混練した。その後、100℃にて24時間乾燥し、同組成の凝集体を得た。これをボールミルを用いて解砕した。
これを100MPaの圧力下にプレス押出し機においてプレス押出しし、直径約20mm、厚さ約3mmの円板状に成形した。
次いで、酸素分離膜用原料粉末を、バインダー及び分散剤とボールミルを用いてよく混練し、(La0.7,Sr0.3)(Ga0.6,Fe0.4)Oスラリーを調製した。
得られたスラリー液中に、前記により得られた多孔質支持体の片面を20秒間ディップ(浸漬)しスラリーを多孔質支持体の一方の表面部に均等に積層した。その後、多孔質支持体をスラリー液から引き上げ、60℃で4時間乾燥した。そして、大気中においてまず200〜500℃に昇温し、10時間保持して、有機物を分解除去した。さらに大気中において1500℃まで昇温し、3時間保持することにより、多孔質支持体前駆体及びスラリーを焼成した。その後放冷して多孔質支持体及びその表面部上に(La0.7,Sr0.3)(Ga0.6,Fe0.4)O酸素分離膜を形成した。尚、酸素分離膜の厚さは電子顕微鏡(SEM)により観察して測定したところ、60μmであった。
実施例19の酸素分離膜エレメントによれば、前記実施例17及び18に従い酸素イオン伝導性及び機械的強度を測定したところ、前記実施例7の酸素分離膜エレメントと同様な良好な酸素イオン伝導性と高い機械的強度を有していた。本実施例によれば、多孔質支持体を焼成する工程を省略しているために製造工程が簡略化されている。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
一実施例に係る酸素分離膜エレメントを示す電子顕微鏡(SEM)写真である。図1(a)は支持体の破断面を示すSEM写真である。図1(b)は酸素分離膜の破断面を示すSEM写真である。図1(c)は積層されたエレメントの破断面を示すSEM写真である。 酸素イオン伝導性評価用モジュールを模式的に説明する部分断面図である。
符号の説明
1・・酸素分離膜エレメント
3・・酸素分離膜
5・・多孔質支持体
7,9・・アルミナ製円筒管
11・・ガラス系シール
13,15・・アルミナ内管
17・・酸素イオン伝導性評価用モジュール

Claims (14)

  1. 多孔質支持体上に酸素イオン伝導性を有する酸素分離膜を形成した酸素分離膜エレメントにおいて、
    前記多孔質支持体が酸素イオン伝導性を有する酸化物多孔質体から実質的に構成されている、酸素分離膜エレメント。
  2. 前記多孔質支持体が、一般式:La1−xAeMO
    ここで式中、Aeは、Ba、Sr及びCaからなる群から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせであり、MはFe、Mn、Ga、Ti、Co、Zr、Ni、Al、In及びSnからなる群から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせであり、xは0<x<1を満たす;
    で示される複合酸化物、安定化ジルコニア、及び酸化セリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化物から実質的に構成されている、請求項1記載の酸素分離膜エレメント。
  3. 前記酸素分離膜が、一般式:La1−xAeMO
    ここで式中、Aeは、Ba、Sr及びCaからなる群から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせであり、MはFe、Mn、Ga、Ti、Co、Zr、Ni、Al、In及びSnからなる群から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせであり、xは0<x<1を満たす;
    で示される複合酸化物、安定化ジルコニア、及び酸化セリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化物から実質的に構成されている、請求項1又は2記載の酸素分離膜エレメント。
  4. 前記多孔質支持体と前記酸素分離膜とは、同じ組成の酸化物から実質的に構成されている、請求項1〜3のうちのいずれかに記載の酸素分離膜エレメント。
  5. 前記多孔質支持体と前記酸素分離膜とは、互いに異なる組成の酸化物から構成されている、請求項1〜3のうちのいずれかに記載の酸素分離膜エレメント。
  6. 前記多孔質支持体は、一般式:La1−xSrMnOで示される複合酸化物(但しxは0<x<1を満たす)、安定化ジルコニア、及び酸化セリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化物から実質的に構成されており、
    前記酸素分離膜は一般式:La1−xAeMO
    ここで式中、Aeは、Ba、Sr及びCaからなる群から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせであり、MはFe、Mn、Ga、Ti、Co、Zr、Ni、Al、In及びSnからなる群から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせであり、xは0<x<1を満たす;
    で示される複合酸化物から実質的に構成されている、請求項1記載の酸素分離膜エレメント。
  7. 前記多孔質支持体は酸化セリウムから実質的に構成されている、請求項6記載の酸素分離膜エレメント。
  8. 前記多孔質支持体は、平均細孔径rが0.1μm<r<20μmの範囲であり、気孔率pが5%≦p≦60%の範囲である、請求項1〜7のうちのいずれかに記載の酸素分離膜エレメント。
  9. 一般式:La1−xAeMO
    ここで式中、Aeは、Ba、Sr及びCaからなる群から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせであり、MはFe、Mn、Ga、Ti、Co、Zr、Ni、Al、In及びSnからなる群から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせであり、xは0<x<1を満たす;
    で示される複合酸化物、安定化ジルコニア、及び酸化セリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化物を含む原料粉末であって、平均粒径が10μm以上の原料粉末を用意する工程と、
    該原料粉末を所定形状の成形体に成形する工程と、
    該成形体を1200〜1800℃にて、酸化性雰囲気又は不活性ガス雰囲気下で焼成して多孔質支持体を得る工程と、
    該多孔質支持体の表面部の少なくとも一部に、一般式:La1−xAeMO
    ここで式中、Aeは、Ba、Sr及びCaからなる群から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせであり、MはFe、Mn、Ga、Ti、Co、Zr、Ni、Al、In及びSnからなる群から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせであり、xは0<x<1を満たす;
    で示される複合酸化物、安定化ジルコニア、及び酸化セリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化物から実質的に構成される酸素分離膜を形成するための前駆体を付与する工程と、
    該前駆体を1200〜1800℃にて、酸化性雰囲気又は不活性ガス雰囲気下で加熱して、前記多孔質支持体の表面部に酸素分離膜を形成する工程と、
    を包含する、酸素分離膜エレメントの製造方法。
  10. 一般式:La1−xAeMO
    ここで式中、Aeは、Ba、Sr及びCaからなる群から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせであり、MはFe、Mn、Ga、Ti、Co、Zr、Ni、Al、In及びSnからなる群から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせであり、xは0<x<1を満たす;
    で示される複合酸化物、安定化ジルコニア、及び酸化セリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化物を含む原料粉末であって、平均粒径が10μm以上の原料粉末を用意する工程と、
    該原料粉末を所定形状の成形体に成形する工程と、
    該成形体の表面部の少なくとも一部に、一般式:La1−xAeMO
    ここで式中、Aeは、Ba、Sr及びCaからなる群から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせであり、MはFe、Mn、Ga、Ti、Co、Zr、Ni、Al、In及びSnからなる群から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせであり、xは0<x<1を満たす;
    で示される複合酸化物、安定化ジルコニア、及び酸化セリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化物から実質的に構成される酸素分離膜を形成するための前駆体を付与する工程と、
    前記成形体及び前記前駆体を1200〜1800℃にて、酸化性雰囲気又は不活性ガス雰囲気下で同時焼成して、多孔質支持体及びその表面部に酸素分離膜を形成する工程と、
    を包含する、酸素分離膜エレメントの製造方法。
  11. 前記原料粉末の平均粒径が50〜100μmである、請求項9又は10記載の酸素分離膜エレメントの製造方法。
  12. 前記多孔質支持体と前記酸素分離膜とを、実質的に同じ組成の酸化物に構成させる、請求項9〜11のうちのいずれかに記載の酸素分離膜エレメントの製造方法。
  13. 前記多孔質支持体と前記酸素分離膜とを、互いに異なる組成の酸化物に構成させる、請求項9〜11のうちのいずれかに記載の酸素分離膜エレメントの製造方法。
  14. 前記酸素分離膜を10〜200μmの膜厚に形成する、請求項9〜13のうちのいずれかに記載の酸素分離膜エレメントの製造方法。
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