JP2012035240A - 酸素分離膜エレメント及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】気密性の高い酸素分離膜を備える酸素分離膜エレメント及びその製造方法を提供する。
【解決手段】
本発明によって提供される酸素分離膜エレメントの製造方法は、一般式:Ln1−xAeCo1−yで示されるペロブスカイト型酸化物を含む多孔質支持体用原料粉末であって、平均粒径10μm以上の原料粉末を所定形状の成形体に成形する工程と、該成形体の表面部の少なくとも一部に、一般式:Ln1−xAeCo1−yで示されるペロブスカイト型酸化物から実質的に構成される酸素分離膜を形成するための前駆体を付与する工程と、成形体及び前駆体を1150℃〜1250℃の温度域にて24時間以上同時焼成することにより、多孔質支持体と該多孔質支持体の表面部に設けられた酸素分離膜とを同時に形成する工程と、を包含する。
【選択図】図2

Description

本発明は、酸素分離膜エレメント及びその製造方法に関する。
酸素イオン(典型的にはO2−;酸化物イオンとも呼ばれる。)伝導性を有する酸素イオン伝導体として、いわゆるペロブスカイト型構造の酸化物セラミックスやパイロクロア型構造の酸化物セラミックスが知られている。特に、酸素イオン伝導体であることに加え、電子伝導性を兼ね備えた酸素イオン‐電子混合伝導体(以下、単に「混合伝導体」という。)であるペロブスカイト型酸化物から成る緻密なセラミック材、典型的には膜状に形成されたセラミック材は、その両面を短絡させるための外部電極や外部回路を用いることなく一方の面から他方の面に連続して酸素イオンを透過させることができる。このため、一方の面に供給された酸素含有ガス(空気等)から酸素を他方の面に選択的に透過させる酸素分離材として、特に使用温度が800〜1000℃というような高温域で好適に利用することができる。
例えば、ペロブスカイト型酸化物等の混合伝導体から構成される酸素分離膜を多孔質支持体上に備えた酸素分離材(酸素分離膜エレメント)は、深冷分離法やPSA(Pressure Swing Adsorption)法に代わる有効な酸素精製手段として好適に使用することができる。或いはまた、かかる構成の酸素分離膜エレメントは、一方の面から他方の面に供給された酸素イオンによって当該他方の面に供給された炭化水素(メタンガス等)を酸化させて合成液体燃料(メタノール等)を製造するGTL(Gas To Liquid)技術、或いは燃料電池分野で好適に使用することができる。この種の従来技術として、特許文献1,2には、ペロブスカイト型酸化物から構成された酸素分離膜を備える酸素分離材(膜エレメント)の好例が開示されている。
特開2001−269555号公報 特開2007−050358号公報
ところで、酸素分離膜は酸素イオンの膜内透過距離が短くなるように薄く形成することが望ましく、近年、酸素分離膜の薄膜化が試みられている。しかしながら、酸素分離膜が薄い場合は、酸素分離膜に少量の気孔(ピンホールや亀裂などの欠陥)が存在すると、気孔同士が連通した貫通孔になりやすい。そのため、薄膜化に伴い、酸素分離膜の気密性の確保が難しくなり、リーク(ガス漏れ)が生じやすいという問題があった。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、気密性の高い酸素分離膜を備える酸素分離膜エレメント及びその製造方法を提供することである。
本発明によって提供される製造方法は、多孔質支持体表面部の少なくとも一部に、酸素イオン伝導性を有する酸素分離膜が形成されている酸素分離膜エレメントを製造する製造方法である。
この製造方法は、一般式:Ln1−xAeCo1−y
ここで式中、Lnはランタノイドから選ばれる少なくとも1種であり、AeはSr、Ca及びBaからなる群から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせであり、MはMg、Mn、Ga、Ti、Ni、Al、Fe、Cu、In、Sn、Zr、V、Cr、Zn、Ge、Sc及びYからなる群から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせであり、xは0<x<1を満たす実数であり、yは0<y<1を満たす実数である;
で示されるペロブスカイト型酸化物を含む多孔質支持体用原料粉末であって、平均粒径10μm以上の原料粉末を所定形状の成形体に成形する工程と、
該成形体の表面部の少なくとも一部に、一般式:Ln1−xAeCo1−y
ここで式中、Lnはランタノイドから選択される少なくとも1種であり、AeはSr、Ca及びBaからなる群から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせであり、MはMg、Mn、Ga、Ti、Ni、Al、Fe、Cu、In、Sn、Zr、V、Cr、Zn、Ge、Sc及びYからなる群から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせであり、xは0<x<1を満たす実数であり、yは0<y<1を満たす実数である;
で示されるペロブスカイト型酸化物から実質的に構成される酸素分離膜を形成するための前駆体を付与する工程と、
前記成形体及び前記前駆体を1150℃〜1250℃の温度域にて24時間以上同時焼成することにより多孔質支持体及びその表面部に酸素分離膜を形成する工程と、
を包含する。
本発明の製造方法によれば、前記成形体及び前駆体を1150℃〜1250℃の温度域にて24時間以上同時焼成することにより多孔質支持体及びその表面部に酸素分離膜を形成するので、機械的強度及び酸素分離性能に優れた酸素分離エレメントを製造することができる。
前記焼成温度が低すぎると焼結が飽和しないため、酸素分離膜の緻密性が低下する虞がある。一方、焼成温度が高すぎると、焼成時にコバルト(Co)が分解するため、酸素分離膜の組成が変動する場合がある。従って、前記焼成温度は概ね1150℃〜1250℃が適当であり、好ましくは1180℃〜1240℃であり、特に好ましくは1180℃〜1220℃である。また、上記のように焼成温度が1150℃〜1250℃の範囲内であっても焼成時間が短すぎると、材料中の結晶格子内を酸素が十分に拡散しないため、酸素分離膜の緻密性が低下する虞がある。従って、酸素分離膜の緻密性向上の観点からは、前記成形体及び前駆体の焼成時間は24時間以上(例えば24〜500時間)が適当である。このような焼成温度及び焼成時間の範囲内であると、酸素分離膜として好適な相対密度(例えば97%以上、好ましくは98%以上、特に好ましくは99%以上)を有する気密性の高い酸素分離膜を安定して(Coの分解による組成変動なしで)得ることができる。
さらに好ましくは、前記成形体及び前記前駆体を50時間〜500時間同時焼成する。前記焼成時間が長すぎると、酸素分離膜だけでなく多孔質支持体も緻密化するため、多孔質支持体のガス(酸素)透過性の確保ができない場合がある。一方、焼成時間が短すぎると、多孔質支持体の気孔率が大きくなりすぎるため、多孔質支持体の機械的強度及び耐久性が低下することがある。従って、多孔質支持体のガス透過性及び機械的強度向上の観点からは、前記成形体及び前駆体の焼成時間は50時間〜500時間が適当であり、好ましくは50時間〜300時間であり、特に好ましくは50時間〜100時間である。このような焼成時間の範囲内であると、多孔質支持体として好適な気孔率(例えば10%〜30%、より好ましくは10%〜25%、特に好ましくは18%〜25%)を有する多孔質支持体を安定して容易に得ることができる。
本発明の製造方法によれば、前記成形体及び前駆体を同時焼成することにより多孔質支持体及びその表面部に酸素分離膜を形成するので、多孔質支持体と酸素分離膜とが積層された酸素分離エレメントを効率よく(生産性よく)製造することができる。また、その際の焼成温度および焼成時間を上記のように適切に選択することにより、多孔質支持体の適度な気孔率を保ちつつ、酸素分離膜のみを効果的に緻密化することができる。そのため、機械的強度及び酸素分離性能に優れた最適な酸素分離エレメントを好適に製造することができる。
ここに開示される好ましい酸素分離膜エレメント製造方法の一態様では、前記酸素分離膜を10μm〜50μmの膜厚に形成する。このような所定の範囲内の膜厚を有することにより、酸素イオン伝導性に優れた酸素分離膜を得ることができる。従って、酸素分離性能に特に優れた酸素分離エレメントを製造することができる。
また、本発明は、ここに開示されるいずれかの製造方法により製造された酸素分離膜エレメントを提供する。即ち、多孔質支持体表面部の少なくとも一部に、酸素イオン伝導性を有する酸素分離膜を形成した酸素分離膜エレメントであって、前記多孔質支持体及び前記酸素分離膜は、一般式:Ln1−xAeCo1−y
ここで式中、Lnはランタノイドから選択される少なくとも1種であり、AeはSr、Ca及びBaからなる群から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせであり、MはMg、Mn、Ga、Ti、Ni、Al、Fe、Cu、In、Sn、Zr、V、Cr、Zn、Ge、Sc及びYからなる群から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせであり、xは0<x<1を満たす実数であり、yは0<y<1を満たす実数である;
で示される複合酸化物から実質的に構成されている。好ましくは、前記一般式中のMがNiである。そして、前記酸素分離膜の相対密度が97%以上であり、かつ、前記多孔質支持体の気孔率(例えば水銀圧入法に基づく。以下同じ。)が10%〜30%(好ましくは10%〜25%)である。
このように酸素分離膜が所定値以上の相対密度を有することにより、ピンホールや亀裂などの欠陥(気孔)が少なく、ガスリークが生じにくくなる。また、多孔質支持体が所定の範囲内の気孔率を有することにより、適当な機械的強度と良好なガス(酸素)透過性とを両立することができる。従って、本発明によれば、機械的強度及び酸素分離性能に優れた最適な酸素分離膜エレメントを提供することができる。
試験例3に係るリーク試験用モジュールを模式的に示す模式図である。 試験例4に係る酸素分離膜エレメントの断面SEM像である。
以下、本発明による実施の形態を説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
本発明の酸素分離膜エレメントに係る酸素分離膜は、一般式:Ln1−xAeCo1−yで示される酸素イオン伝導性を有するペロブスカイト型酸化物から実質的に構成されている。
ここで、上記一般式中のLnはランタノイドから選択される少なくとも1種の元素であり、典型的にはランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)のうちのいずれか1種又は2種以上であり、特に好ましくはLaである。また、上記一般式中のAeは、ストロンチウム(Sr)、カルシウム(Ca)及びバリウム(Ba)のうちの1種または2種以上の元素である。このうち、Sr又はCaあるいはSrとCaとの2種の組み合わせが好ましく、かかる元素の含有率の高い組成のものが好適である。特に、AeがSrであるか、あるいはSrの含有率が高いこと(例えば、Ae中においてSrが50モル%以上含まれていること)が好適である。また、上記一般式中のMとしては、マグネシウム(Mg)、マンガン(Mn)、ガリウム(Ga)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、鉄(Fe)、銅(Cu)、インジウム(In)、錫(Sn)、ジルコニウム(Zr)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、亜鉛(Zn)、ゲルマニウム(Ge)、スカンジウム(Sc)及びイットリウム(Y)のうちの1種または2種以上の元素である。このうち、Mn、Ni、Fe、Cu又はCrのうちのいずれか、あるいはこれらのいずれか2種の組み合わせが好ましい。
また、上記一般式中の「x」は、このペロブスカイト型構造においてLn(典型的にはLa)がAeによって置き換えられた割合を示す値であり、このxの取り得る範囲は、ペロブスカイト型構造を崩すことなく該構造を維持し得る限りにおいて0<x<1の範囲内であればいずれの実数をとってもよい。即ち、本構成の目的に応じてLa(1−x)とAe(x)との組成比は適宜選択されるが、好ましくは0.2≦x≦0.6であり、特に好ましくは0.3≦x≦0.5である。
上記のようなペロブスカイト型酸化物としては、上記一般式中のMとしてNi、Feのうちのいずれかが含まれているものがより好ましい。具体的にはLa1−xSrCo1−yNi(LSCN酸化物)、La1−xSrCo1−yFe(LSCF酸化物)で示される複合酸化物が挙げられる。ここで、上記「x」は、0<x<1(例えば0.4≦x≦0.6)である。また、上記「y」は、かかるペロブスカイト型構造においてCoがNiやFe等の他の金属元素によって置き換えられた割合を示す値であり、このyの取り得る範囲は、ペロブスカイト型構造を崩すことなく該構造を維持し得る限りにおいて0<y<1の範囲内であればよい。即ち、本構成の目的に応じてCo(1−y)とM(y)との組成比は適宜選択されるが、例えば0<y≦0.5であり、好ましくは0<y≦0.2であり、特に好ましくは0<y≦0.1である。
なお、上記一般式において酸素原子数は3であるかのように表示されているが、実際には酸素原子の数は3以下(典型的には3未満)であり得る。ただし、この酸素原子数はペロブスカイト型構造の一部を置換する原子(例えば式中のAeやMの一部)の種類および置換割合その他の条件により変動するため、正確に表示することは困難である。このため、本明細書中においてペロブスカイト型酸化物を示す一般式では酸素原子の数を便宜的に3として表示するが、ここで開示する発明の技術的範囲を限定することを意図したものではない。したがって、この酸素原子の数を例えば3−δと示す(例えば、前記一般式をLn1−xAeCo1−y3−δと表示する)こともできる。ここでδは、典型的には1は超えない正の数(0<δ<1)である。
ここで開示される酸素分離膜エレメントに係る酸素分離膜は、後述する所定条件下での焼成工程を経て製造されていることから極めて緻密なものであり得る。例えば、相対密度が97%以上であり、好ましくは98%以上であり、より好ましくは99%以上であり、さらに好ましくは99.5%以上であり、特に好ましくは99.8%以上である。また、その膜厚は、用途に応じて適宜膜厚を選択することができるが、通常は酸素イオン伝導性が良好である50μm以下にすることが好ましく、例えば10μm〜50μmの範囲が適当であり、より好ましくは10μm〜40μmの範囲であり、特に好ましくは10μm〜30μmの範囲である。ここで開示される酸素分離膜の好適例として、酸素分離膜の相対密度が97%以上であり、かつ膜厚が40μm〜50μmの範囲であるもの、酸素分離膜の相対密度が98%以上であり、かつ膜厚が30μm〜50μmの範囲であるもの、酸素分離膜の相対密度が99%以上であり、かつ膜厚が20μm〜50μmの範囲であるもの、酸素分離膜の相対密度が99.5%以上であり、かつ膜厚が10μm〜50μmの範囲であるもの、等が挙げられる。このような所定範囲内の相対密度及び膜厚を両立して有することにより、優れた酸素イオン伝導性および高い気密性(リーク防止効果)の双方を高度なレベルで実現した酸素分離膜とすることができる。
なお、上記のように酸素分離膜が50μm以下の薄膜である場合、該酸素分離膜を構成する粒子(焼結後の粒子)の平均粒径は、概ね5μm〜10μmの範囲内であることが好ましい。この範囲を上回ったり下回ったりすると酸素分離膜の気密性が低下傾向になる場合がある。ここで開示される酸素分離膜の好適例として、酸素分離膜中の焼結粒子の平均粒径が5μm〜10μmであり、かつ膜厚が10μm〜50μmの範囲であるもの、酸素分離膜中の粒子の平均粒径(焼結粒径)が7μm〜10μmであり、かつ膜厚が20μm〜50μmの範囲であるもの、等が挙げられる。このような所定範囲内の焼結粒子の平均粒径及び膜厚を両立して有することにより、従来得ることができなかった優れた酸素イオン伝導性と高い気密性とを両立させた酸素分離膜をより確実に得ることができる。
なお、酸素分離膜の相対密度(%)は、酸素分離膜のかさ密度(=酸素分離膜の質量/酸素分離膜の見掛けの体積)を、酸素分離膜を構成する材料の理論密度で割った値に100を乗じて求めることができる。また、酸素分離膜中の焼結粒子の平均粒径は、酸素分離膜の走査型電子顕微鏡(SEM)による観察から容易に把握することができる。例えば、SEM像中の酸素分離膜に任意の直線を引き、その直線の長さを、該直線中に含まれる焼結粒子の個数で除した値を焼結粒子の平均粒径として算出することができる(ラインインターセプト法)。
次に、ここで開示される酸素分離膜エレメントに係る多孔質支持体について説明する。
多孔質支持体は、前記酸素分離膜エレメントに係る酸素分離膜において説明した酸化物と同様のものから構成されている。即ち、一般式:Ln1−xAeCo1−yで示されるペロブスカイト型酸化物から実質的に構成されている。このうち、特に好適なものについては、前記酸素分離膜と同等であるため、その詳細な説明は省略する。
ここで開示される酸素分離膜エレメントによれば、機械的強度及び耐久性向上の観点からは、多孔質支持体と酸素分離膜とは、同じ組成のペロブスカイト型酸化物から実質的に構成されていることが好ましい。好ましいペロブスカイト型酸化物としては、La1−xSrCo1−yNi(LSCN酸化物)、La1−xSrCo1−yFe(LSCF酸化物)で示される複合酸化物が挙げられる。
ここで開示される酸素分離膜エレメントに係る多孔質支持体としては、気孔率が10%〜30%の範囲であり、好ましくは10%〜28%の範囲であり、より好ましくは10%〜25%の範囲であり、特に好ましくは18%〜25%の範囲である。このような所定の範囲内の気孔率を有することにより、高い機械的強度と、優れた酸素ガス透過性(即ち、酸素分離膜におけるガス接触面積の十分な確保)とを満足して両立させることができる。 なお、多孔質支持体の平均細孔径としては特に制限されないが、概ね3μm〜10μm程度が適当であり、好ましくは3μm〜8μmの範囲であり、特に好ましくは5μm〜8μmの範囲である。このような所定の範囲内の平均細孔径を有することにより、高い機械的強度と、優れた酸素ガス透過性(即ち、酸素分離膜におけるガス接触面積の十分な確保)とを満足して両立させることができる。
なお、多孔質支持体の緻密化防止の観点からは、多孔質支持体と酸素分離膜とが互いに異なる組成のペロブスカイト型酸化物から構成されていてもよい。例えば、La1−xAeCo1−yで示されるペロブスカイト型酸化物から実質的に構成されている前記多孔質支持体及び前記酸素分離膜において、前記式中のMを互いに異ならせることができる。例えば、多孔質支持体がLa1−xSrCo1−yNi(LSCN酸化物)で示される複合酸化物から構成され、前記酸素分離膜がLa1−xSrCo1−yFe(LSCF酸化物)で示される複合酸化物から構成されてもよい。このような構成によれば、機械的強度及び耐久性向上とともに、多孔質支持体の緻密化防止効果を両立して得ることができる。
次に、本発明に係る酸素分離膜エレメントの製造方法について説明する。
本発明の製造方法によれば、まず、多孔質支持体を製造するための成形体を形成する。使用する原料粉末は、本構成の酸素分離膜エレメントにおいて説明した一般式:Ln1−xAeCo1−yで示されるペロブスカイト型酸化物を含む原料粉末であれば、いずれの入手可能な粉末を用いてもよい。市販品をそのまま用いてもよい。特に膜焼成時における支持体の緻密化を防止するため、10μm以上、好ましくは20μm以上(例えば20μm〜100μm)、より好ましくは40μm以上(例えば40μm〜100μm)、更に好ましくは50μm以上、特に好ましくは50μm〜100μmに属する平均粒径を有することが好ましい。
或いは、平均粒径が前記所定の平均粒径範囲内にないペロブスカイト型酸化物を用いる場合、所定の粒径に造粒、仮焼して、所望の粒径に成長させて用いることができる。その手段としては、いずれの手段であっても特に限定されない。例えば、前記ペロブスカイト型酸化物を所定量のバインダー、分散剤等の添加剤と混合し、ボールミル等によりよく混練し、乾燥して凝集体を得る。次に該凝集体を仮焼して、所望により解砕することにより、所望の粒径の原料粉末を得ることができる。
又は、前記ペロブスカイト型酸化物に所定量のバインダー、分散媒、分散剤等の添加剤を加えてスラリー状にした後、スプレードライヤー等により加熱乾燥及び仮焼して、所望の粒径の原料粉末を得ることができる。
又は、焼成中に分解してペロブスカイト型酸化物になるもの、例えば、種々の水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、有機酸塩類等を大気中、好ましくは酸素雰囲気中において所定の温度域で焼成する。このことによっても所定の粒径の原料粉末を得ることができる。若しくはLa1−xAeCo1−yで示される複合酸化物の場合には、各組成成分となるLa、Ae、Co及びMの化合物(典型的には酸化物)を所定の比率(モル比)になるように混合し、同様に焼成することによっても所定の粒径の原料粉末を得ることができる。なお、使用する原料粉末には、その性能(酸素イオン伝導性、電子伝導性、クラック発生防止性等)を顕著に損なわない範囲で、前記各酸化物以外の成分を含有することができる。
原料粉末を所定形状の成形体に成形する手段としては、従来公知の種々の成形手段を採用することができる。例えば、一軸圧縮成形、静水圧プレス、押出し成形等の、従来公知の成形法を特に制限なく採用することができる。或いは、この成形のために従来公知のバインダー、分散媒、分散剤等を使用し、スラリー或いは可塑性固形物としたまま、鋳込み法、押出し成形法、射出成形法等により所望の形状としてもよい。
この成形体の形状は特に限定されない。具体的には、平面状、曲面状、管状(両端が開口した開管状のもの、一端が開口しており一端が閉じている閉管状のもの等を含む)、ハニカム状等の各種形状を含む。成形体の厚さは、特に限定されないが、例えば、平面状の場合、或いは管状の場合、0.5mm〜50mmとすることができ、好ましくは1mm〜20mm、より好ましくは2mm〜10mm、さらに好ましくは2〜5mmである。この範囲内の厚さに形成することにより、特に機械的強度に優れるとともに、膜のガス接触面積比率を向上させた多孔質体支持体を提供することができる。
次に、本発明の製造方法によると、得られた多孔質支持体成形体の表面部の少なくとも一部に、一般式:Ln1−xAeCo1−yで示されるペロブスカイト型酸化物から実質的に構成される酸素分離膜を形成するための前駆体を付与する。
かかる前駆体としては、本構成の酸素分離膜エレメントにおいて説明した一般式:Ln1−xAeCo1−yで示されるペロブスカイト型酸化物の原料粉末であって、いずれの入手可能なペロブスカイト型酸化物の原料粉末を好ましく用いることができる。あるいは、焼成中に反応してペロブスカイト型酸化物になるものであってもよく、必ずしもペロブスカイト型酸化物から製造する必要はない。従って、上記前駆体としては本来のペロブスカイト型酸化物の他、種々の水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、有機酸塩類等が利用され得る。例えば、La1−xAeCo1−yで示される複合酸化物の場合には、各組成成分となるLa、Ae、Co及びMの化合物(典型的には酸化物)粉末を所定の比率(モル比)になるように混合して使用してもよい。
特に、前駆体は、機械的強度及び耐久性の観点からは焼成後の酸素分離膜が多孔質支持体と同じ組成の酸化物となるように選択することが好ましい。一方、多孔質支持体の緻密化防止の観点からは異なる組成とすることが好ましい。好ましい多孔質支持体及び酸素分離膜の組成の組み合わせについては、前記本発明の酸素分離膜エレメントにおいて説明したものと同様であるため、その詳細な説明を省略する。
上記前駆体の原料として粉末を用いる場合、その平均粒径は、概ね0.5μm〜3μmであり、好ましくは0.8μm〜2.5μmであり、特に好ましくは1μm〜2μmである。このような所定範囲の平均粒径を有することにより、特に緻密で酸素イオン伝導性に優れる酸素分離膜を得ることができる。
かかる前駆体を多孔質支持体用成形体に付与する手段としては、従来公知のいずれの薄膜形成プロセスにおいて用いられる各種の方法を採用することができる。例えば、前記原料粉末と有機溶剤等のバインダーとを分散させたスラリー状形成材料を用いたディップコーティング法、スピンコーティング法、スクリーン印刷法、スプレー法が挙げられる。
特にディップコーティング法は、前駆体の多孔質支持体用成形体内部への浸透を抑制でき、さらには熱分解に伴うガス発生、キャピラリー圧力、焼成収縮等による微細構造の破壊を抑制するのに寄与し得る。このため、特にディップコーティング法は、実質的に欠陥の無い酸素分離膜を多孔質支持体表面部に直接的に形成するのに好適な方法である。具体的には、原料粉末に分散媒、例えば、水及び/又は有機溶剤、具体的には、ポリビニルアルコール、メチルセルロース類、ポリエチレングリコール類、プロピレングリコール、グリセリン等、さらに必要ならば、バインダー、分散剤、可塑剤等を加えて混合し、ボールミルを用いてよく混練する。得られた前駆体(原料粉末)を分散したコーティング液(スラリー)中に多孔質支持体をディップ(浸漬)する。ディップ時間は、数秒〜1分程度でよい。5〜30秒程度が好ましい。このことによって酸素分離膜用前駆体を多孔質支持体用成形体の表面部に均等に積層することができる。
形成する酸素分離膜の膜厚は、コーティング液中の原料粉末濃度、添加する分散剤、分散媒、及び/又は可塑剤の種類及び/又は濃度の変更によるコーティング液の粘度、製膜、乾燥サイクルを各種変更することにより、制御することが可能である。酸素分離膜としては、用途に応じて適宜膜厚を決定することができるが、通常酸素イオン伝導性が良好である50μm以下であることが好ましく、例えば10μm〜50μmが適当であり、より好ましくは10μm〜40μmであり、特に好ましくは10μm〜30μmである。
また、酸素分離膜の形成手段としては、他に真空蒸着法、化学気相蒸着法、反応性スパッタリング法等が挙げられる。なお、酸素分離膜は、用途に応じて多孔質支持体の一方の表面にのみ形成してもよく、或いは多孔質支持体の両側に形成することもできる。
次いで、前記成形体及び前駆体を同時焼成して、多孔質支持体と該多孔質支持体の表面部に設けられた酸素分離膜とを同時に形成する。ここで前記成形体及び前駆体の同時焼成の焼成温度(最高焼成温度)は、概ね1150℃〜1250℃程度にすることが必要である。前記焼成温度が低すぎると焼結が飽和しないため、酸素分離膜の緻密性が低下する場合がある。一方、焼成温度が高すぎると、焼成時にコバルト(Co)が分解するため、酸素分離膜の組成が変動する場合がある。従って、前記成形体及び前駆体の焼成温度は概ね1150℃〜1250℃が適当であり、好ましくは1180℃〜1240℃であり、特に好ましくは1180℃〜1220℃である。
また、上記のように焼成温度が1150℃〜1250℃の範囲内であっても焼成時間が短すぎると、材料中の結晶格子内を酸素が十分に拡散しないため、酸素分離膜の緻密性が低下する場合がある。従って、酸素分離膜の緻密性向上の観点からは、前記成形体及び前駆体の焼成時間は24時間以上(例えば24時間〜500時間)が適当である。このような焼成温度及び焼成時間の範囲内であると、酸素分離膜として好適な相対密度(例えば97%以上、好ましくは98%以上、特に好ましくは99%以上)を有する気密性の高い酸素分離膜を安定して(Coの分解による組成変動なしで)得ることができる。
さらに好ましくは、上記焼成時間は概ね50時間〜500時間である。前記焼成時間が長すぎると、酸素分離膜だけでなく多孔質支持体も緻密化するため、多孔質支持体のガス(酸素)透過性の確保ができない場合がある。一方、焼成時間が短すぎると、多孔質支持体の気孔率が大きくなりすぎるため、多孔質支持体の機械的強度及び耐久性が低下する場合がある。従って、多孔質支持体のガス透過性及び機械的強度向上の観点からは、前記成形体及び前駆体の焼成時間は50時間〜500時間が適当であり、好ましくは50時間〜300時間であり、更に好ましくは50時間〜100時間であり、特に好ましくは50時間〜75時間である。このような焼成時間の範囲内であると、多孔質支持体として好適な気孔率(例えば10%〜30%、より好ましくは10%〜25%、特に好ましくは18%〜25%)を有する多孔質支持体を安定して容易に得ることができる。
なお、有機物添加剤、例えば、バインダーや分散剤等を予め分解除去して均一な細孔を得るために、本焼成前に予め一回以上の仮焼成を行っても良い。仮焼成は前記本焼成よりも低く有機物が分解可能な温度、例えば、100〜1000℃、好ましくは200〜500℃程度で3〜15時間、好ましくは6〜12時間程度行われ得る。仮焼成後に最高焼成温度まで昇温して本焼成を行う。ここで、昇温速度は特に限定されないが、通常1〜10℃/分、好ましくは1〜2℃/分である。焼成雰囲気としては、前記ペロブスカイト型酸化物が焼結される酸化性雰囲気又は不活性ガス雰囲気下であることが好ましい。なお、上記初期段階の仮焼成によって、仮焼成物の相対密度を90%〜96%(好ましくは93%〜96%、特に好ましくは93%〜95%)程度にまで高めておくことが望ましい。初期焼成段階の相対密度90%〜96%の状態から最高焼成温度(1150℃〜1250℃)まで昇温して長時間(24時間以上、好ましくは50時間〜500時間)本焼成を行うことにより、酸素分離膜を十分な緻密状態(例えば相対密度97%以上、好ましくは98%以上、特に好ましくは99%以上)とすることができる。
このようにして本実施形態に係る酸素分離エレメントの製造が完了する。本実施形態の製造方法によれば、前記成形体及び前駆体を同時焼成することにより多孔質支持体及びその表面部に酸素分離膜を形成するので、多孔質支持体と酸素分離膜とが積層された酸素分離エレメントを効率よく(生産性よく)製造することができる。また、その際の焼成温度および焼成時間を上記のように適切に選択することにより、多孔質支持体の適度な気孔率を保ちつつ、酸素分離膜のみを効果的に緻密化することができる。そのため、機械的強度及び酸素分離性能に優れた最適な酸素分離エレメントを好適に製造することができる。
なお、得られた酸素分離膜エレメントには、触媒を担持させて酸素分離性能及び/又は酸素イオンによる酸化反応性を向上させることができる。例えば、膜に空気を送り込む側(以下、空気側と表記する)及び/又は膜を透過した酸素イオンと混合ガスが反応する側(以下、反応側と表記する)に触媒を担持することができる。例えば、空気側に触媒を担持する手段としては、酸素イオン透過促進触媒粉末、例えば、LaSrCo酸化物粉末に分散媒(水及び/又は有機溶剤等)、必要に応じてバインダー、分散剤、可塑剤等を添加したスラリー或いは可塑性固形物を支持体内に含浸させた後、乾燥する。さらに、例えば800〜1000℃で、焼成することができる。或いは、焼成後に所望の酸化物組成、例えばLaSrCo酸化物組成となるような、水溶液、有機化合物等を支持体に含浸、乾燥、焼成してもよい。
また、反応側に触媒を担持する手段としては、酸化促進触媒粉末、例えば、Ni系酸化物粉末に分散媒(水及び/又は有機溶剤等)、必要に応じてバインダー、分散剤等を添加したスラリー或いは可塑性固形物を、膜表面に塗布或いは印刷担持した後、乾燥する。さらに、例えば800〜1000℃で、焼成することができる。Ni系酸化物は、メタンガスのような還元性雰囲気において部分還元或いは完全還元されて、触媒として機能する。なお、本発明では、前記触媒担持法に限定されるものではなく、例えば、支持体において空気側と反応側のいずれにも担持することができる。また、前記以外の従来公知のいずれの触媒材料を適用することも可能である。前記本発明の酸素分離膜エレメントは、各種酸素イオン伝導性を発揮する用途、例えば、燃料電池等に好適に使用することができる。
以下、本発明に関する試験例を説明するが、本発明を以下の試験例に示すものに限定することを意図したものではない。以下の試験例1〜3では、本発明によって提供される酸素分離膜エレメントが備える酸素分離膜の性能評価を主な目的とするため、多孔質支持体を具備しない酸素分離膜のみから構成された供試体を作製し、その性能評価を行った。また、試験例4では、本発明の製造方法を用いて多孔質支持体と酸素分離膜とが積層された酸素分離膜エレメントを作製し、その特性を評価した。
<試験例1:(La0.5,Sr0.5)(Co0.9,Ni0.1)Oから構成される酸素分離膜の作製>
本例では(La0.5,Sr0.5)(Co0.9,Ni0.1)Oから構成される酸素分離膜の供試体を作製した。まず、市販の酸化ランタン粉末(粒径約2μm)と炭酸ストロンチウム粉末(粒径約2μm)と酸化コバルト粉末(粒径約1μm)と酸化ニッケル粉末(粒径約1μm)とを所定の割合で秤量し、ボールミルを用いてよく混練した。その後、1000℃にて6時間仮焼成して粉砕し、(La0.5,Sr0.5)(Co0.9,Ni0.1)Oの平均粒径約1μmの酸素分離膜用原料粉末を得た。なお、(La0.5,Sr0.5)(Co0.9,Ni0.1)O原料粉末の粒径は、レーザ回折式粒度分布計を用いて測定し、あわせて平均粒径を求めた。
次いで、得られた(La0.5,Sr0.5)(Co0.9,Ni0.1)O原料粉末に、適当量の一般的なバインダーと溶剤(水)を混合してスラリーを調製し、スプレードライヤー等の造粒機を用いて粒径が約50〜100μmの粒子に造粒した。かかる造粒粒子をプレス成形し、直径約30mm、厚さ約1.0mmの円板形状のプレス成形体を得た。得られたプレス成形体を大気中においてまず200〜500℃に昇温し、10時間保持して、有機物を分解除去した。その後大気中において表1に示す焼成温度まで昇温し、表1に示す焼成時間にわたって保持して円板形状の焼結体を得た。得られた円板形状の焼結体を機械研磨して、焼成温度及び焼成時間が互いに異なる計17種類の酸素分離膜(厚み0.5mm、直径24mm)を作製した(サンプル1〜17)。
上記得られた各種の酸素分離膜の相対密度を、アルキメデス法により測定した酸素分離膜のかさ密度(=酸素分離膜の質量/酸素分離膜の見掛けの体積)を、酸素分離膜を構成する材料の理論密度で割った値に100を乗じて算出した。また、各種の酸素分離膜を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察した。そして、ラインインターセプト法により酸素分離膜を構成する粒子(焼結後の粒子)の平均粒径(焼結粒径)を算出した。結果を表1に示す。
表1の結果から明らかなように、1150〜1250℃で24時間以上焼成したサンプル4,9〜15の酸素分離膜は、焼結後の相対密度が98.8%以上と高く、酸素分離膜として好適であった。特に1200〜1250℃で24時間以上焼成することによって、99%以上という極めて高い相対密度を実現できた。また、1150〜1250℃で24〜500時間焼成したサンプル4,9〜13,15の酸素分離膜は、焼結粒径が6〜9.5μmの範囲内となり、50μm以下の薄膜化に最適であることが分かった。なお、1300℃で6〜24時間焼成したサンプル16,17の酸素分離膜は、サンプル4,9〜13,15に比べて焼結後の相対密度が低下傾向になった。これは、焼成温度が1300℃と高すぎたことによりCoが飛散して酸素分離膜の組成が変動したためと考えられる。この結果から、酸素分離膜の緻密性向上の観点からは、1150〜1250℃で24時間以上焼成することが望ましい。
<試験例2:(La0.6,Sr0.4)(Co0.8,Fe0.2)Oから構成される酸素分離膜の作製>
本例では(La0.6,Sr0.4)(Co0.8,Fe0.2)Oから構成される酸素分離膜の供試体を作製した。酸化ニッケル粉末の代わりに、市販の酸化鉄粉末を用いたこと以外は、前記試験例1と同様にして酸素分離膜を作製した(サンプル18〜23)。得られた酸素分離膜の相対密度は前記試験例1と同様に算出した。結果を表2に示す。
表2の結果から明らかなように、1200℃で24時間以上焼成したサンプル18〜23の酸素分離膜は、焼結後の相対密度が97.9%以上と非常に高く、酸素分離膜として好適であった。特に1200℃で50時間以上焼成することによって、98%以上という極めて高い相対密度を実現できた。
<試験例3:ガスリーク試験>
試験例1及び2で得られた各種の酸素分離膜に差圧0.8MPaのNガス圧力を加え、その際のガスリーク量を測定した。具体的には、図1に模式的に示すように、酸素分離膜30の両面にそれぞれアルミナ製円筒管32、34を配置し、これらアルミナ製円筒管32,34と酸素分離膜30との境界部分をガラス系シール部材35によって密閉した。かかる構成のモジュール50において、一方のアルミナ製円筒管32内を減圧して真空雰囲気を形成し、また、他方のアルミナ製円筒管34内に窒素(N)ガスを0.8MPaの圧力下で導入し、その状態で0.5時間放置した。そして、この間にNガス供給側34から減圧側32のアルミナ製円筒管に流入したNガス量を求めることにより、酸素分離膜30を通じてNガスがリークしているか否かを評価した。
ガスリークの評価結果を表1及び表2に示す。表1及び表2においては、アルミナ製円筒管34に導入したNガス量全体に対するアルミナ製円筒管32に流入したNガス量の割合をリーク率(%)とし、上記リーク率が1%以下のものを良好(○)、リーク率が1%を超えて5%以下のものを適(△)、リーク率が5%を超えたものを不適(×)とした。
表1及び表2に示されるように、1150℃未満もしくは1250℃を上回る温度で焼成したサンプル1、2、16及び17の酸素分離膜は気密性が不十分であったために、3%〜5%以上のガスリークが認められた。また、1150〜1250℃で焼成した場合でも焼成時間が24時間を下回ると、3%〜5%以上のガスリークが認められた(サンプル3、5〜8)。これに対し、1150〜1250℃で24〜1000時間焼成したサンプル4、9〜15、21〜23の酸素分離膜についてはガスリークが好ましく防止されていた。
以上の結果から、本試験例によると、1150℃〜1250℃の温度で24時間〜1000時間焼成することによって気密性が高い酸素分離膜を形成することができた。そのため、本構成によると、ガスリークが好ましく防止された酸素分離膜を備えた高性能な酸素分離膜エレメントを実現することができる。
<試験例4:同時焼成による(La0.5,Sr0.5)(Co0.9,Ni0.1)Oから構成される酸素分離膜エレメントの製造>
本例では同時焼成によって(La0.5,Sr0.5)(Co0.9,Ni0.1)Oから構成される多孔質支持体及び酸素分離膜を備える酸素分離膜エレメントを製造した。まず、市販の酸化ランタン粉末(粒径約2μm)と炭酸ストロンチウム粉末(粒径約2μm)と酸化コバルト粉末(粒径約1μm)と酸化ニッケル粉末(粒径約1μm)とを所定の割合で秤量し、ボールミルを用いてよく混練した。その後、1000℃にて6時間仮焼成して粉砕し、(La0.5,Sr0.5)(Co0.9,Ni0.1)Oの平均粒径50μmの多孔質支持体用原料粉末と、さらに平均粒径1μmの酸素分離膜用原料粉末を得た。
次いで、上記得られた多孔質支持体用原料粉末を、バインダー及び分散剤と乳鉢で(乾式)混合し、同組成の凝集体を得た。その凝集体を100MPaの圧力下にプレス押出し機においてプレス押出しし、直径約20mm、厚さ約3mmの円板状に成形し、多孔質支持体用の成形体を得た。
次いで、酸素分離膜用原料粉末を、バインダー及び分散剤とボールミルを用いてよく混練し、(La0.5,Sr0.5)(Co0.9,Ni0.1)Oスラリーを調製した。得られたスラリー液中に、前記により得られた円板状の多孔質支持体用成形体の片面を20秒間ディップ(浸漬)しスラリーを多孔質支持体用成形体の一方の表面部に均等に積層した。その後、多孔質支持体用成形体をスラリー液から引き上げ、60℃で4時間乾燥し、多孔質支持体用成形体の一方の表面部に酸素分離膜用の前駆体を形成した。
そして、大気中においてまず200〜500℃に昇温し、10時間保持して、有機物を分解除去した。その後大気中において表3に示す焼成温度まで昇温し、表3に示す焼成時間にわたって保持することにより、前記成形体及び前駆体を同時焼成した。その後放冷して多孔質支持体及び酸素分離膜を同時に形成した。このようにして、焼成時間が互いに異なる計5種類の酸素分離膜エレメントを製造した(サンプル24〜28)。
得られたサンプル26の酸素分離膜エレメントの断面SEM像を図2に示す。図2から明らかなように、酸素分離膜は緻密な構造を有しており、一方、多孔質支持体は適度な気孔を有していた。かかる酸素分離膜の厚さをSEM観察により測定したところ、凡そ50μmであった。
上記得られた各種の酸素分離膜エレメントが備える多孔質支持体の気孔率と平均細孔径を島津製作所社製のオートポアIV装置を用いて同時に測定した。結果を表3に示す。
表3の結果から明らかなように、1200℃で1000時間焼成したサンプル28の多孔質支持体は気孔率が7%となり、多孔質支持体として不適であった。これに対し、1200℃で24〜500時間焼成したサンプル24〜27の多孔質支持体は気孔率が18%〜28%となり、多孔質支持体として好適であった。特に1200℃で50〜500時間焼成することによって、18%〜25%というガス透過性及び機械的強度の双方を高度なレベルで実現した多孔質支持体とすることができた。この結果から、多孔質支持体のガス透過性及び機械的強度確保の観点からは、焼成時間は50〜500時間にすることが望ましい。
以上の結果から、本試験例によると、1200℃で50〜500時間同時焼成することによって、適度な機械的強度と良好なガス透過性とを両立させた多孔質支持体を形成することができた。そのため、本構成によると、機械的強度及び酸素分離性能に優れた高性能な酸素分離膜エレメントを実現することができる。
以上、本発明を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、勿論、種々の改変が可能である。
30 酸素分離膜
32,34 アルミナ製円筒管
35 シール部材
50 モジュール

Claims (8)

  1. 多孔質支持体表面部の少なくとも一部に、酸素イオン伝導性を有する酸素分離膜が形成されている酸素分離膜エレメントの製造方法であって、
    一般式:Ln1−xAeCo1−y
    ここで式中、Lnはランタノイドから選ばれる少なくとも1種であり、AeはSr、Ca及びBaからなる群から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせであり、MはMg、Mn、Ga、Ti、Ni、Al、Fe、Cu、In、Sn、Zr、V、Cr、Zn、Ge、Sc及びYからなる群から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせであり、xは0<x<1を満たす実数であり、yは0<y<1を満たす実数である;
    で示されるペロブスカイト型酸化物を含む多孔質支持体用原料粉末であって、平均粒径10μm以上の原料粉末を所定形状の成形体に成形する工程と、
    該成形体の表面部の少なくとも一部に、一般式:Ln1−xAeCo1−y
    ここで式中、Lnはランタノイドから選ばれる少なくとも1種であり、AeはSr、Ca及びBaからなる群から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせであり、MはMg、Mn、Ga、Ti、Ni、Al、Fe、Cu、In、Sn、Zr、V、Cr、Zn、Ge、Sc及びYからなる群から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせであり、xは0<x<1を満たす実数であり、yは0<y<1を満たす実数である;
    で示されるペロブスカイト型酸化物から実質的に構成される酸素分離膜を形成するための前駆体を付与する工程と、
    前記成形体及び前記前駆体を1150℃〜1250℃の温度域にて24時間以上同時焼成することにより、多孔質支持体と該多孔質支持体の表面部に設けられた酸素分離膜とを同時に形成する工程と、
    を包含する、酸素分離膜エレメントの製造方法。
  2. 前記同時焼成の時間が50時間〜500時間である、請求項1に記載の酸素分離膜エレメントの製造方法。
  3. 前記酸素分離膜を10μm〜50μmの膜厚に形成する、請求項1または2に記載の酸素分離膜エレメントの製造方法。
  4. 前記多孔質支持体と前記酸素分離膜とを、実質的に同じ組成のペロブスカイト型酸化物に構成させる、請求項1から3の何れか一つに記載の酸素分離膜エレメントの製造方法。
  5. 多孔質支持体表面部の少なくとも一部に、酸素イオン伝導性を有する酸素分離膜が形成されている酸素分離膜エレメントであって、
    前記多孔質支持体及び前記酸素分離膜は、一般式:Ln1−xAeCo1−y
    ここで式中、Lnはランタノイドから選ばれる少なくとも1種であり、AeはSr、Ca及びBaからなる群から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせであり、MはMg、Mn、Ga、Ti、Ni、Al、Fe、Cu、In、Sn、Zr、V、Cr、Zn、Ge、Sc及びYからなる群から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせであり、xは0<x<1を満たす実数であり、yは0<y<1を満たす実数である;
    で示されるペロブスカイト型酸化物から実質的に構成されており、
    前記酸素分離膜の相対密度が97%以上であり、かつ、前記多孔質支持体の気孔率が10%〜30%である、酸素分離膜エレメント。
  6. 前記多孔質支持体の気孔率が10%〜25%である、請求項5に記載の酸素分離膜エレメント。
  7. 前記多孔質支持体と前記酸素分離膜とは、同じ組成のペロブスカイト型酸化物から実質的に構成されている、請求項5または6に記載の酸素分離膜エレメント。
  8. 前記一般式中のMがNiである、請求項5から7の何れか一つに記載の酸素分離膜エレメント。
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