JP2008047445A - 固体電解質セラミックス膜の製造方法、及び電気化学的デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】ガスセンサー、燃料電池、セラミックリアクター、ガス分離膜として知られている電気化学的デバイスに用いられるガスタイト構造の固体電解質の製造方法であって、低温焼成で作製され、且つ多孔性電極上に緻密電解質膜を簡易に得ることを目的とした製造方法を提供する。
【解決手段】BaCeOペロブスカイトを主成分とするプロトン伝導体の電解質セラミックス膜の製法であって、多孔性電極基板上に電解質膜を成型、共焼成し、更に電解質成分をゾル‐ゲルコーティングを行い、電解質膜のみを緻密化することで、緻密電解質/多孔性電極構造体を得ることができる製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガスセンサー、燃料電池、セラミックリアクター、ガス分離膜として知られている電気化学的デバイスに用いられるガスタイト構造の固体電解質膜の製造方法であって、低温焼成で製膜され、且つ電極基板上に電解質膜を簡易で、経済的且つ工業的に得ることを目的とした製造方法に関するものである。
代表的な固体電解質である蛍石型構造の安定化ジルコニアは酸素センサーとして利用されており、また、それを用いた環境にやさしい発電方式の燃料電池、電極反応を利用したセラミックリアクター、及びガス分離膜としても注目されている(非特許文献1〜3、特許文献1)。
しかしながら、700℃以下の中低温領域における電気伝導度を考慮すると、酸素イオン伝導体の安定化ジルコニアに比べ、プロトン伝導体の部分的に元素置換されたBaCeOの応用が検討されている(非特許文献3〜7、特許文献2〜6)。
周知の通り、前記電気化学的デバイスの電解質層は高イオン伝導性、緻密性、高い機械的強度が、また、電極層は高電子伝導性、適度な多孔性要求される。近年、該電解質膜の抵抗損失低減のために、10μm程度の薄膜化が進められている。その場合、機械的強度を維持した多孔質性電極との共焼成を利用して緻密電解質膜を作製する手法が用いられ、課題として電極材と電解質材との反応を抑制する必要があり、その解決方法の一つとして、より低温で焼成することが知られている(非特許文献3〜7、特許文献2〜6)。
電解質と電極が化学的に接合したセラミックス(以下、電解質/電極構造体)を低温で焼成する他の理由としては、(1)ガス拡散層である電極の多孔度を維持することができる。(2)低コストで製造できる、等がある(非特許文献3〜7、特許文献2〜6)。
異なる材料である電解質と電極を接合させたセラミックスを熱処理により製造する方法としては、(1)数百μmの電解質自立膜に電極を1000℃程度で焼き付けた報告例、(2)電解質材の酸化物粉末を出発原料として1400℃程度で電極と共焼結させた報告例、(3)電解質層に焼結助剤を入れて1000〜1200℃で低温共焼結させた報告例、(4)電解質原料用溶液、若しくはゾルを電極基板にコーティングして1200℃以下で焼成した報告例、(5)電解質原料である酸化物粉末を電解質原料用溶液、若しくはゾルに分散させて電極基板にコーティングして1200〜1400℃で焼成した例等がある(非特許文献3〜7、特許文献2〜6)。
宗宮重行、吉村昌弘編、「ジルコニアセラミックス 10」、内田老鶴圃、1989. 宗宮重行(ほか)編、「ジルコニアセラミックス 11」、内田老鶴圃、1991. 田川博章、「固体酸化物燃料電池と地球環境」、アグネ承風社、1998. S. Hamakawa等、Solid State Ionics、2002、 第48巻、p.71−81 G. Zhang等、Solid State Ionics、2003、第159巻、p.121−134 T.H. Lee等、Solid State Ionics、2005、第176巻、p.1479−1484 T. Hatae and Y. Yamazaki、J. Jpn. Soc. Powder Powder Metallurgy、2003、第50巻、p.1079−1083 特公昭60−13464号公報 特開平11−214018号公報 特表平11−502262号公報 特開2003−51321号公報 特開2005−19041号公報 特開2004−161665号公報
前記諸特性を満たすプロトン伝導性BaCeOセラミックス膜は現在最も要求されているところであるが、簡易で、経済的且つ工業的な製法では未だ得られていない。
即ち、前記電解質自立膜に電極を焼き付けて得られる前記(1)の電解質/電極構造体は電解質自体に機械的強度が求められ、100μm以下の電解質膜を作製することが困難であった。
また、前記粉末共焼結法で得られる前記(2)の電解質膜は1400℃と高い焼成温度を必要とし、電解質と電極の選択幅が狭くなり、工業的に適しているとは言い難いものであった。
また、前記焼結助剤を利用した前記(3)の電解質膜はイオン伝導性の低下や電子伝導性の増大は見られないものの、この行為がすべての電解質材に適応できるとは言い難いものであった。
通常、前記(4)のゾル‐ゲル法は1〜2μmの膜を作製するのに適しており、厚膜化するのに前駆体ゾルの作製やゲルの結晶化手法を工夫する必要がある。該手法は電解質膜を平面基板上に製膜する方法であり、大面積でガスタイト構造の電解質膜を製造するのは経験上、極めて難しい。
また、前記(5)の電解質材粉末を電解質原料用溶液、若しくはゾルに分散させたゾル‐ゲル法は、膜の亀裂防止のため、該粉末と該ゲルの収縮率を合わせる必要があり、膜厚制御は容易になるものの大面積でガスタイト構造の電解質膜を製造するのは極めて難しい。
そこで、本発明は、電極基板上に緻密電解質膜を所定の組成比で、簡易で、経済的且つ、工業的に有利に製造することを技術的課題とする。
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって達成できる。
即ち、本発明は、BaCeOペロブスカイトを主成分とするプロトン伝導性を有する固体電解質セラミックス膜の製造方法であって、電極基板上にBaCeOを主成分とする電解質原料を成型する第一工程、前記工程で得られた電解質成型膜と電極基板を共焼成する第二工程、第二工程で焼成した電解質膜上に、電解質原料の溶液又はゾルを被覆する第三工程、第三工程で得られた電解質膜を緻密化する第四工程からなることを特徴とする固体電解質セラミックス膜の製造方法である(本発明1)。
また、本発明は、本発明1の固体電解質セラミックス膜の製造方法で得られた固体電解質セラミックス膜からなる電気化学的デバイスであって、支持体となりうる電極の厚さが50μm以上2000μm以下であり、電解質膜の厚さが0.2μm以上50μm以下であることを特徴とする電気化学的デバイスである(本発明2)。
また、本発明は、本発明1の固体電解質セラミックス膜の製造方法で得られた固体電解質セラミックス膜に、厚さが1μm以上500μm以下の対極を形成したことを特徴とする電気化学的デバイスである(本発明3)。
本発明によれば、電極基板上に電解質成型体膜を低温で共焼結させることで、電極と電解質の反応が抑制され、簡易で、且つ経済的、工業的に有利に製造することができる。
本発明の構成を詳述すれば、次の通りである。
本発明は、BaCeOペロブスカイトを主成分とするプロトン伝導性電解質セラミックス膜の製法であって、酸化ニッケルとイットリア安定化ジルコニア混合粉末、若しくはLa1−xSrMnO3−δ粉末をプレス成型することで電極基板を作製し、該電極基板上にスプレーコート、スピンコート或いはディップコートで電解質原料スラリーを塗布し、電解質膜成型体を作製する第一工程、前記第一工程で得られた電極基板と電解質膜を大気中1000℃以上1400℃未満で仮焼をする第二工程、前記第二工程で得られた電解質/電極構造体に、電解質膜の原料となる溶液又はゾルをスプレーコート、スピンコート或いはディップコートで被覆する第三工程、前記第三工程で得られた電解質/電極構造体の電解質のみを緻密化するために大気中900℃以上1400℃未満で焼成を行う第四工程からなる製造方法である。
本発明における電極基板は石膏版上で作製されるスリップキャスト法で得られるものでも構わない。また、成型された電極基板を仮焼しても構わない。電極として用いられるものは、La1−xSrMnO3−δを代表とする、BサイトがMn、Co、Fe、Niを主成分とするペロブスカイトABO、または、酸化ニッケルとイットリア安定化ジルコニア混合粉末など還元処理したNiと酸化物とのサーメット等がある。
本発明の第一工程における電解質粉末とは、全体の80%以上が所望のペロブスカイトBaCeOに結晶化したものが望ましい。
本発明の第一工程における電解質粉末のBaCeOは、部分的にY、Nd、Yb、Gd、Sm、Ca、Mg、Zr、Sn、Ti、In、Fe、Co、Mn等他元素で置換されていても構わない。
本発明の第一工程で用いる電解質原料スラリーの濃度は10〜45wt%が好ましい。
本発明の第一工程では、電解質原料スラリーをスプレーコート、スピンコート或いはディップコートを用いて電極基板上に形成する。
本発明の第一工程で形成する電解質原料の成型体の厚さは0.2〜50μmが好ましい。
本発明の第二工程において、電極基板と該基板上に成型された電解質を共焼成する温度は、電極と電解質が固相反応をする温度より低い方が望ましく、また、電極の多孔度が著しく低下する温度より低い方が望ましい。
従って、本発明の第二工程では、900℃以上1400℃未満で仮焼する。900℃未満では、焼結がほとんどなく、電解質と電極の接合が弱く、第三工程以降において不利益を生ずる。1400℃を超える場合は電極と電解質とが反応し、また、電極の多孔性が損失することがある。
本発明の第二工程では、完全に緻密化しない程度に仮焼することが好ましい。
本発明における焼成は大気中であることがコスト的に望ましく、用いられる酸化ニッケルと酸化物の混合物はデバイス使用中の還元雰囲気で金属ニッケルと酸化物のサーメット電極として用いられることが望ましい。
本発明の第三工程において、電解質膜の原料となる溶液又はゾルとは、所望のペロブスカイトABOのAサイトとBサイト元素を所定量含んだものである。第一工程で用いた電解質原料に添加物を加えたものであってもよい。
本発明の第三工程は所謂ゾル−ゲルコーティングであり、膜厚0.2〜50μm程度の緻密化してない電解質膜を三次元的にコーティングしたものである。該工程の電解質膜の原料となる溶液、若しくはゾルのコーティング後、仮焼、並びに該コーティングと仮焼の繰り返しを行っても構わない。
本発明の第四工程は、基板である電極の多孔度を維持しつつ、第二工程で得られた完全に緻密化してない電解質膜を、第三工程で得られた電解質ゲル膜とともに緻密化する工程である。
本発明の第四工程は、前記第三工程で得られた電解質/電極構造体の電解質膜のみを緻密化するために大気中900℃以上1400℃未満で焼成を行う。900℃未満では、緻密な電解質膜が形成されない。1400℃以上では、反応が進行するため好ましくない。
本発明における焼成は大気中であることがコスト的に望ましく、用いられる酸化ニッケルと酸化物の混合物はデバイス使用中の還元雰囲気で金属ニッケルと酸化物のサーメット電極として用いられることが望ましい。
本発明の基板と成り得る電極の厚さが50μmを下回ると機械的強度を保つことが難しく、2000μmを超えると、電極層内のガス拡散が困難となる。
本発明の電解質の厚さが0.2μmを下回ると、例えば10cmφといった大面積での緻密膜を作製することが困難であり、50μmを越えると電解質膜自身の抵抗が高くなり、自立型電解質構造と区別が付かなくなる。
本発明3の電気化学的デバイスでは、対極の厚さが1μmを下回ると集電が困難となり、500μmを超えても特性が上がることはほとんどない。
本発明の電極構造において、電極と電解質の接合を良くするために、電極の電子伝導性が極端に低下しない程度に電解質成分を混合した電極構造体が望ましい。
また、本発明の電極基板上に電極と電解質成分が混合した多孔性電極膜を作製し、その上に電解質成分を成型しても構わない。
例えば、25重量%のカーボンを含んで、且つ、NiOとイットリア安定化ジルコニア((ZrO0.92(Y0.08、以下YSZ)を6対4の重量比で混合した粉末をペレット状に加圧成型し、該ペレット上にNiO−BaCe0.80.22.9スラリーで被覆することで、電極基板を作製する。該電極基板上にBaCe0.80.22.930重量%のスラリーをスピンコート法で表面被覆し、1200℃、2時間の焼成を経て電解質/電極構造体を得る。得られた電解質上へのBaCe0.80.22.9溶液のスプレーコートと400℃、20分の仮焼を5回繰り返し、最終的に1200℃、2時間で再度焼成を行うことで多孔性電極基板上に緻密電解質膜を得ることができる。
また、La0.7Sr0.3MnO3−δ粉末をペレット状に加圧成型して電極基板とし、BaCe0.80.22.9スラリーをスピンコート法で表面被覆し、1200℃、2時間の焼成を経て電解質/電極構造体を得る。該電解質上にBaCe0.80.22.9溶液をスプレーコートと400℃、20分の仮焼を5回繰り返し、最終的に1200℃、2時間で再度焼成を行うことで多孔性電極基板上に緻密電解質膜を得ることができる。
得られた電解質の膜厚は主にスラリーのスピンコートの回転速度によって制御することが可能であり、0.2μm以上50μm以下である。
本発明の電極基板と電解質との選択は比較的熱膨張係数が近いことが望ましく、また、各々の熱収縮挙動を合わせるために電極基板の予備熱処理、原料の粒子径と成型体の密度の調整を行うことが望ましい(特開平7−201341号公報、特開平10−53478号公報)。
得られた電解質膜の表面と断面は走査型電子顕微鏡で観察することができ、緻密であることが確認できる。
<作用>
本発明に係る電解質膜はガスタイト構造であり、イオン伝導性が高い理由としてとして本発明者は下記のとおり推定している。
通常、サブミクロンのプロトン伝導性BaCeO粉末の焼結は1300℃以上の熱処理により完結する。一方、ゾル‐ゲル法での製膜において、ゲルの粒径は極めて小さく、また、ゲルは十分に結晶化していないため、ゲルの焼結は比較的低い温度で完結する。しかしながら、該製膜法で大面積での緻密な膜を得るのは比較的困難であった。本発明では、完全に緻密化していない電解質膜を三次元的に電解質成分のゲルで埋め、熱処理を再度行うため緻密な電解質膜が得られるものと本発明者は推定している。
また、本発明においては、電解質膜厚が0.2μm以上50μm以下と膜厚を薄くすることで電極間のイオン伝導性を高めることができる。
本発明の代表的な実施の形態は、次の通りである。
本発明の各構造体の膜厚とは電子顕微鏡の画像処理で得られる値であり、各構造体の緻密度、及び多孔度は電子顕微鏡の画像で確認できるものである。
結晶相同定と格子定数算出には、X線回折装置(理学電機工業(株)RINT2100、管球:Cu)を使用し、2θが10〜156°の範囲で測定し、0.02°ステップ、1°/分の速度で測定したとき、PDF、或いはICSDから得られる文献で帰属されるプロトン伝導性ペロブスカイト相が検出されることである。
該プロトン伝導性ペロブスカイトの格子定数の算出にはRIETAN2000を用い(F. Izumi and T. Ikeda、 Mater. Sci. Forum、 2000、第198巻、p.321−324)、Takeuchi等のモデルを用いた(K. Takeuchi等、Solid State Ionics、2000、第138巻、p.63−77)。
<NiO−YSZ基板上へのイットリウムを固溶させたバリウムセレートBaCe0.80.22.9膜の製造>
実施例1
EDTAをアンモニア水に溶かし、酢酸セリウムを添加した。安定化剤エチレングリコールを添加し、加熱溶解した。次に酢酸バリウム、酢酸イットトリウム添加し、再度加熱溶解し、そのまま濃縮して0.3〜0.6mol/Lの前駆体溶液を得た(BaCe0.80.22.9粒子換算10g)。この前駆体溶液を空気中120℃で蒸発乾固し、500℃、2時間の熱処理後、一度湿式粉砕し、乾燥後、1000℃及び1300℃の各温度で2時間の仮焼を行った。その結果を表1にまとめる。
表1におけるBETは窒素ガス吸着量測定によるBET比表面積である。Rietveld解析で得られるχは質量分率であり、下付は各々の空間群であり、a、b、c、βは格子定数である。RwpとS値はいずれも該解析における信頼度因子であり、Rwpは測定強度と計算強度の差に関連した値であり、S=1に近づくほど精密化の完全さを意味する(日本分析化学会X線分析研究懇談会/編 中井泉/編著 泉富士夫/編著、粉末X線解析の実際 リートベルト法入門、朝倉書店)。
1300℃、2時間の仮焼で得られたペロブスカイト構造のBaCe0.80.22.9粒子粉末はBET比表面積0.28m/gであり、空間群I2/mの単斜晶系成分が85.8wt%、空間群R3−cの菱面体晶系成分が14.2wt%であった。
表1記載の1000℃で2時間仮焼して得られたBaCe0.80.22.9粒子粉末をエタノール中で湿式粉砕し、乾燥後、BET比表面積8m/gの粉末を得た。このときの粉末の格子定数は表1の1000℃で仮焼した場合と同等であった。その後、有機溶媒に分散させ、結合剤を添加し、電解質膜焼結用出発原料スラリーとした。
また、表1記載の1000℃、2時間の仮焼で得られたBaCe0.80.22.9粒子粉末と市販のNiO粉末を40:60wt%で混合し、該酸化物混合物に対し25wt%のカーボンを添加した。該混合物を有機溶媒に分散させ、結合剤を添加し、電解質と電極の接合用電極原料スラリーとした。
20mmφに加圧成型したカーボンを含むNiO−YSZペレット上に、カーボンを含むNiO−BaCe0.80.22.9スラリーを2000rpm、120秒間スピンコートし電極基板を作製した。該基板上にBaCe0.80.22.9スラリーを均一に滴下し、一分間保持後、1200rpm、120秒間スピンコートし、100℃、5分間乾燥した(第一工程)。
次いで、1200℃、2時間で電解質/電極構造体を得た(第二工程)。
前記工程で得られた電解質/電極構造体の電解質上に0.5mol/LのBaCe0.80.22.9溶液をスプレーコートし、400℃、20分間乾燥した。該コーティング、乾燥工程を5回繰り返した(第三工程)。
最終的に1200℃、2時間で焼成し、緻密電解質/多孔性電極構造体を得た(第四工程)。
得られた構造体の破断面をSEM観察した結果、図2に示すようにほぼ緻密なBaCe0.80.22.9膜が多孔質基板上に作製された。図3に示されるX線回折により、わずかながらCeO相検出による組成ずれが確認された。
実施例2
実施例1で得られた電極基板にBaCe0.80.22.9スラリーを2000rpm、120秒スピンコートし、7μmの電解質成型体膜を得た。その後、実施例1と同様にして、第3工程、第4工程を通し、緻密電解質/多孔性電極構造体を得た。
<La0.7Sr0.3MnO3−δ基板上へのイットリウムを固溶させたバリウムセレートBaCe0.80.22.9膜の製造>
実施例3
20mmφに加圧成型したカーボンを含むLa0.7Sr0.3MnO3−δペレットを電極基板とし、その上にBaCe0.80.22.9スラリーを滴下し、一分間保持後、1200rpm、120秒間スピンコートした(第一工程)。100℃乾燥後、1200℃、2時間で電解質/電極構造体を得た(第二工程)。
前記工程で得られた電解質/電極構造体の電解質上に0.5mol/LのBaCe0.80.22.9溶液をスプレーコートし、400℃、20分間乾燥した(第三工程)。そのコーティング、乾燥工程を5回繰り返し、最終的に1200℃、2時間で焼成し、緻密電解質/多孔性電極構造体を得た(第四工程)。
比較例1
実施例1で得られた電極基板にBaCe0.80.22.9スラリーを2000rpm、120秒間スピンコートした。100℃乾燥後、1400℃、2時間で電解質/電極構造体を得た。
得られた電解質膜は緻密であったが、CeO相が明確に確認された。
比較例2
実施例1で用いた8m/gのBaCe0.80.22.9粉末を20mmφに加圧成型し、1400℃、2時間で厚さ1mmの緻密セラミックスを得た。
得られた焼結体の破断面は、図4に示すように空隙が無く、完全に緻密であった。
比較例3
厚さ100μmの緻密Pd基板上に実施例1で得られた0.5mol/LのBaCe0.80.22.9溶液を4000rpm、120秒間スピンコートし、500℃、20分乾燥した。そのコーティング、乾燥工程を10回繰り返し、最終的に1000〜1400℃、各々2時間で焼成し、基板上にBaCe0.80.22.9膜を作製した。
得られた該電解質膜表面のSEM観察の結果、1×1mmの面積内にピンホールがある部分と無い部分が確認された。1mmφに塗布したAgスラリーを室温乾燥後、800℃の熱処理で対極として作製した結果、Pd基板と短絡がある部分と無い部分が確認された。
比較例4
厚さ100μmの緻密Pd基板上に実施例1で得られたBaCe0.80.22.9スラリーを2000rpm、120秒スピンコートし、100℃、5分間乾燥した。該コーティング、乾燥工程を3回繰り返し、最終的に1000〜1400℃、2時間で焼成し、BaCe0.80.22.9膜を作製した。
比較例5
20mmφに加圧したNiO−YSZペレットを基板とし、YSZスラリーを2000rpm、120秒スピンコートした。100℃乾燥後、1400℃、2時間で緻密電解質/電極構造体を得た。
これらの製造条件と電極/電解質構造体の諸特性を表2に示す。
本発明に係るプロトン伝導性BaCeOペロブスカイト電解質膜は、緻密で膜厚が薄いため、電解質抵抗成分の低減に対応し、各種固体の電解質膜の電気化学的デバイス、例えば、ガスセンサー、燃料電池、セラミックリアクター、及びガス分離膜等に好適に用いることができる。
本発明の製造フローチャートである。 BCY電解質膜、NiO−BCY電極膜、NiO−YSZ電極支持体からなる構造体の破断面のSEM写真である(実施例1)。 BCY電解質膜、NiO−BCY電極膜、NiO−YSZ電極支持体からなる構造体のXRDパターンである(実施例1)。 1400℃、2時間でのBCY焼結体中央の破断面のSEM写真である(比較例2)。

Claims (3)

  1. BaCeOペロブスカイトを主成分とするプロトン伝導性を有する固体電解質セラミックス膜の製造方法であって、電極基板上にBaCeOを主成分とする電解質原料を成型する第一工程、前記工程で得られた電解質成型膜と電極基板を共焼成する第二工程、第二工程で焼成した電解質膜上に、電解質原料の溶液又はゾルを被覆する第三工程、第三工程で得られた電解質膜を緻密化する第四工程からなることを特徴とする固体電解質セラミックス膜の製造方法。
  2. 請求項1記載の固体電解質セラミックス膜の製造方法で得られた固体電解質セラミックス膜からなる電気化学的デバイスであって、支持体となりうる電極の厚さが50μm以上2000μm以下であり、電解質膜の厚さが0.2μm以上50μm以下であることを特徴とする電気化学的デバイス。
  3. 請求項1記載の固体電解質セラミックス膜の製造方法で得られた固体電解質セラミックス膜に、厚さが1μm以上500μm以下の対極を形成したことを特徴とする電気化学的デバイス。

JP2006222747A 2006-08-17 2006-08-17 固体電解質セラミックス膜の製造方法、及び電気化学的デバイス Pending JP2008047445A (ja)

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