JP4500763B2 - 組成傾斜型酸素分離膜 - Google Patents

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Description

本発明は、混合伝導体が用いられた酸素分離膜に関する。
例えば、酸素イオン伝導性を有する緻密なセラミック膜は、その一面側において気体から解離させ且つイオン化させた酸素イオンをその他面側において再結合させることにより、酸素をその一面から他面に選択的に透過させてその気体から連続的に酸素を分離する酸素分離膜エレメントに利用される。特に、酸素イオン伝導性に加えて電子伝導性を有する混合伝導体では、酸素分離膜内を酸素イオンの移動方向とは反対方向に電子が移動するため、解離面と再結合面とを電気的に接続して電子を再結合面から解離面に戻すための外部電極や外部回路等を設ける必要がない利点がある。このような酸素分離膜エレメントによれば、酸素を含む気体から容易に酸素を分離することができるため、例えば、深冷分離法(混合ガスを冷却し、不純物を固化して取り除く方法)やPSA(圧力変動吸着)法等に代わる酸素製造法として利用できる。
また、上記のような酸素イオン伝導体は、炭化水素の部分酸化反応等の酸化用反応装置にも利用し得る。例えば、この酸素イオン伝導体を膜状に形成し、その一方の表面に空気等の酸素含有ガスを供給し、他方の表面すなわち酸素再結合側の表面にメタン(CH4)等の炭化水素を含む気体を供給すれば、透過した酸素イオンによってその炭化水素を酸化させることができる。そのため、GTL(Gas to Liquid:天然ガスから化学反応により液体燃料を合成する技術)や、燃料電池用水素ガスの製造等に利用できるのである。
ところで、酸素分離に用いる混合伝導体として、LaSrCoFe系やLaGaO3系酸化物等のペロブスカイト化合物が優れていることが知られている(特許文献1〜8等参照)。しかしながら、LaSrCoFe系酸化物は還元膨張率が大きいことから、解離面側が還元雰囲気になる酸素分離膜用途では、割れが生じ易く耐久性が低いので、実用上問題がある。なお、還元膨張率(%)は、還元雰囲気下における熱膨張率をEred(%)、空気雰囲気下における熱膨張率をEair(%)としたとき、下記(1)式で与えられる。
[{(1+Ered/100)-(1+Eair/100)}/(1+Eair/100)]×100 ・・・(1)
一方、LaGaO3系酸化物は、LaSrCoFe系酸化物に比較して還元耐久性が優るものの原料が高価であり、しかも、酸素イオン伝導性がやや劣り、機械的強度も低い問題がある。また、LaGaO3系酸化物は、水蒸気接触部でGa成分が分解することから、耐水蒸気性にも問題がある。因みに、炭化水素の部分酸化反応等においては、コーキング(すなわち炭素の析出)延いてはガス透過性能の低下を防止するために膜の一方側に水蒸気を流すシステム設計が望まれる。また、水蒸気を流さない場合にも、膜を透過した酸素と水素との反応により水蒸気が生成する。そのため、前述したような用途においては、酸素イオン伝導体に耐水蒸気性も要求されるのである。
なお、LaGaO3系酸化物の強度を向上させるために、アルミナ粉末をLaSrGaMg系酸化物結晶の粒界に分散させた焼結体、LaGaO3系結晶の構造の一部をアルミニウム等で置換した焼結体、LaGaO3系結晶のGaの一部をアルミニウムやマグネシウム等で置換した(すなわちアルミニウムやマグネシウム等が固溶した)焼結体、LaGaO3系酸化物にチタンまたはバナジウムを含有させた焼結体等が提案されている(例えば特許文献9〜12等を参照)。しかしながら、これらは何れもGaを含むペロブスカイト化合物の機械的強度を向上させて還元安定性を高めることを図るものであって、Gaを含む場合における耐水蒸気性を何ら改善するものではない。
特開平08−173776号公報 特開平09−161824号公報 特開平11−228136号公報 特開平11−335164号公報 特開2000−251534号公報 特開2000−251535号公報 特表2000−511507号公報 特開2001−093325号公報 特開2000−044340号公報 特開2000−226260号公報 特開2001−332122号公報 特開2003−112973号公報 国際公開第03/040058号パンフレット 特開2005−095718号公報
そこで、本願出願人は、LaGaO3系酸化物に比較して原料が安価で酸素イオン伝導性が高く、且つLaGaO3系酸化物に比較して還元耐久性や耐水蒸気性の高い混合伝導体として、LaSrTiFeOx系酸化物(xは3またはそれよりも僅かに小さい値)等を提案した(特許文献13を参照)。
上記のLaSrTiFeOx系酸化物は、AサイトおよびBサイトの組成比に応じて酸素透過性能や還元耐久性が変化する。例えば、La0.6Sr0.4Ti0.1Fe0.9Oxは、0.5(mm)厚としたときの酸素透過速度が10(cc/min/cm2)以上と高い酸素透過性能を有するが、還元膨張率が0.4〜0.7(%)と大きいため還元耐久性が低い。これに対して、La0.6Sr0.4Ti0.3Fe0.7Oxは、酸素透過速度が3(cc/min/cm2)に過ぎないが、還元膨張率が0.1(%)と小さく還元耐久性が高い。すなわち、LaSrTiFeOx系酸化物では、酸素透過性能と還元耐久性とがトレードオフの関係にあり、これらを共に高めることは不可能である。そのため、還元耐久性が要求される現在の一般的な工業用途では、0.5(mm)厚で2〜4(cc/min/cm2)以上の酸素透過性能が必要とされることから、これを満足する後者の組成が用いられることになる。なお、本願において、酸素透過速度は、特に断らない限り0.5(mm)厚における値である。
しかしながら、混合伝導体膜の酸素透過性能が高いほど、同量の酸素量を得るために必要な酸素分離膜エレメントの寸法を小さくでき、延いては装置の低コスト化および小型化が容易になる。例えば、La0.6Sr0.4Ti0.1Fe0.9Ox並の10(cc/min/cm2)程度の酸素透過速度を有していれば、La0.6Sr0.4Ti0.3Fe0.7Oxを用いる場合と比較して、エレメント寸法を半分以下にできる。そのため、高い還元耐久性を有すると共に、単位膜面積当たりの酸素透過速度が可及的に高い混合伝導体膜が望まれていた。
また、実際に工業用途上必要な酸素透過性能は例えば10(cc/min/cm2)以上であり、前述した「0.5(mm)厚で2〜4(cc/min/cm2)」との値は、酸素透過性能が膜厚に略反比例することに基づき、0.1(mm)程度まで膜厚を薄くして必要な酸素透過性能を確保することを前提としたものである。しかし、このような薄い膜は自立不能であるため、多孔質支持体上に混合伝導体の緻密質膜を形成する非対称膜構造とすることが行われている。しかしながら、従来の非対称構造エレメントでは、緻密質膜を薄くしているにも拘わらず、その酸素透過速度および厚さ寸法から予測される高い酸素透過性能が得られなかった。多孔質支持体は、例えば平均細孔径が10(μm)程度、気孔率が30(%)程度に形成されるが、このような多孔質に構成していても、多孔質支持体におけるガス拡散性がエレメント全体の酸素透過性能を律速することとなっていたのである。なお、多孔質支持体の平均細孔径や気孔率を高くすればガス拡散性が向上することは容易に予想されるが、これらを高くすることは容易ではなく、また、そのようにすると機械的強度が低下して取扱いが困難になる。
なお、前記特許文献14には、酸素イオン伝導性を有する多孔質支持体上に酸素イオン伝導性を有する酸素分離膜を形成した非対称構造の酸素分離膜エレメントが記載されている。この酸素分離膜エレメントは、多孔質支持体による酸素透過性能の低下を抑制し延いてはエレメント全体の酸素透過性能を高めることを目的とするものであるが、還元耐久性については何ら配慮されていない。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであって、その目的は、酸素透過性能が高く且つ還元耐久性の優れた酸素分離膜を提供することにある。
斯かる目的を達成するための第1発明の組成傾斜型酸素分離膜の要旨とするところは、(a)一般式(Ln1-xAex)MO3(但し、Lnはランタノイドのうちの1種または2種以上の組合せ、AeはBa、Sr、Caのうちから選ばれる1種または2種以上の組合せ、MはTi,Zr,Al,Ga,Nb,Ta,Fe,Co,Ni,Cu,Cr,Mn,Rh,Pd,Pt,およびAuのうちから選ばれる1種または2種以上の組合せ、0≦x≦1。以下、一般式Cという。)で表される第1の混合伝導体から成る多孔質の第1層と、(b)前記一般式で表され且つ前記第1の混合伝導体よりも低い酸素透過速度および小さい還元膨張率を有する第2の混合伝導体から成り且つ前記第1層の一面を覆う緻密質の第2層とを、含むことにある。
また、前記目的を達成するための第2発明の要旨とするところは、前記第1発明の組成傾斜型酸素分離膜において、前記第1の混合伝導体は0.14(%)以上の還元膨張率を有し、且つ前記第2の混合伝導体は0.14(%)未満の還元膨張率を有することにある。
また、前記目的を達成するための第3発明の組成傾斜型酸素分離膜の要旨とするところは、前記第1発明または前記第2発明において、前記第1の混合伝導体は、8(cc/min/cm2)以上の酸素透過速度を有することにある。
また、前記目的を達成するための第4発明の組成傾斜型酸素分離膜の要旨とするところは、前記第1発明乃至第3発明の何れかにおいて、前記第1層は、平均細孔径が0.1〜20(μm)の範囲内で気孔率が5〜60(%)の範囲内であることにある。
また、前記目的を達成するための第5発明の組成傾斜型酸素分離膜の要旨とするところは、前記第1発明乃至第4発明の何れかにおいて、前記第1層は1〜3(mm)の厚さ寸法を備えたことにある。
前記第1発明によれば、酸素分離膜は、第1の混合伝導体から成る多孔質の第1層の一面が、第2の混合伝導体から成る緻密質の第2層で覆われることにより、組成の異なる複数の混合伝導体を酸素イオンの透過方向に積層した厚み方向において組成が傾斜させられた組成傾斜型の積層構造に構成される。このとき、第2層を構成する第2の混合伝導体は第1層を構成する第1の混合伝導体よりも還元膨張率が小さい特性を有することから、酸素分離膜を使用する際に第2層を還元側に位置させれば、相対的に還元膨張率の大きい第1の混合伝導体から成る第1層がその還元雰囲気から好適に保護される。すなわち、第2層内には、その膜厚や第2の混合伝導体の組成に応じて、還元雰囲気側から第1層に向かうに従って高くなるように酸素分圧の傾斜が形成されるため、第2層と第1層との界面における酸素分圧はその傾斜の程度に応じて高くなり、延いては、その第1層に負荷される還元力がその傾斜の程度に応じて低くなる。そのため、第2層の膜厚や組成を、第2層自体の還元膨張が十分に抑制され且つ前記界面における酸素分圧が十分に高くなるように定めることによって、第1層の還元膨張を抑制し延いては酸素分離膜全体の還元耐久性を十分に高めることができる。
しかも、第1層は多孔質に構成されていることから、第1層上に供給された酸素は、酸素イオンの状態でその第1層を厚み方向に透過するだけでなく、その気孔内を気体の状態でも透過する。そのため、第1層の厚さ寸法を酸素分離膜全体の機械的強度が確保できる程度に厚くしても、その酸素透過性能は極めて高いものとなる。すなわち、第1層の平均細孔径や気孔率を従来の多孔質支持体と同程度にして多孔質支持体の機能を果たすように構成しても、その第1層は、従来の多孔質支持体に比較して極めて高い酸素透過性能を有するものとなる。すなわち、従来の多孔質支持体におけるガス拡散性能の不足が、酸素イオン透過によって補われることから、平均細孔径や気孔率を従来と同程度に保ったまま、多孔質支持体として機能する第1層を透過する酸素量を増大させることができる。一方、第2層は第1層を構成する第1の混合伝導体に比較して酸素透過速度の低い第2の混合伝導体で構成されているが、上記のように酸素分離膜全体の強度をその第1層で確保すれば、その第2層の厚さ寸法を十分に高い酸素透過性能が得られるように薄くすることができる。
上記により、第1層および第2層の何れにおいても高い酸素透過性能を得ることができ、且つ、第2層を還元雰囲気側に位置させることで第1層の還元耐久性を高めることができるので、酸素透過性能が高く且つ還元耐久性に優れた酸素分離膜が得られる。
なお、本願において、前記一般式Cで表されるペロブスカイト化合物には、その一般式Cの表示に拘らず、酸素数が3のものの他にそれよりも僅かに小さいものも含まれる。本発明において有効な酸素数は、酸素分圧によっても異なるので一義的に定めることはできないが、例えば、2.4〜3の範囲が好適である。
また、本願において、「第1層の一面を覆う」とは、酸素分離膜の使用時において、第1層の一面が第2層のその第1層とは反対側に位置する面と同一空間内に曝されないことを意味するものである。例えば、非使用状態において第1層の一面が部分的に露出させられていても、その部分が使用時に装置等によって覆われるものであれば、そのような態様も上記「一面を覆う」に含まれる。
また、本願において、「多孔質」とは、酸素を含む気体が容易に透過できるような厚み方向に貫通する多数の連通孔を備えていることを意味するものである。一方、「緻密質」とは、酸素分離膜の使用時において、その酸素分離膜が曝される雰囲気中の気体分子をそのまま厚み方向に透過させない組織を、第2層が有していることを意味する。すなわち、ここでいう緻密性は一義的に定められるものではなく、予定されている使用態様において上述した特性を有していれば足りる。
また、前記第2発明によれば、前記一般式Cで表されるペロブスカイト化合物では、酸素透過性能と還元耐久性とがトレードオフの関係にあることから、第1層の酸素透過性能が十分に高く、且つ第2層の還元膨張率が十分に小さいので、酸素製造やGTLおよび燃料電池用の水素製造等に一層好適である。一層好適には、第1層の還元膨張率は0.20(%)以上であり、更に好適には、0.30(%)以上である。また、一層好適には、第2層の還元膨張率は0.13(%)以下であり、更に好適には、0.10(%)以下である。第1層と第2層の還元膨張率の相違は、0.10(%)以上であることが好ましく、0.20(%)以上相違することが更に好ましい。
また、前記第3発明によれば、第1層を構成する第1の混合伝導体の酸素透過速度が十分に高いことから、酸素透過性能の一層優れた酸素分離膜が得られる。一層好適には、第1層の酸素透過速度は10(cc/min/cm2)以上である。また、好適には、第2層の酸素透過速度は3(cc/min/cm2)以上であり、5(cc/min/cm2)以上であることが一層好ましい。このようにすれば、第2層の酸素透過速度も比較的高くされているため、酸素分離膜の酸素透過性能が一層高められる。
また、前記第4発明によれば、第1層の平均細孔径が0.1〜20(μm)の範囲内、気孔率が5〜60(%)の範囲内であることから、ガス拡散性と機械的強度を兼ね備えているため、酸素透過性能が一層高く且つ還元耐久性や機械的強度が一層高い酸素分離膜が得られる。なお、平均細孔径が0.1(μm)未満或いは気孔率が5(%)未満では、十分なガス拡散性を得ることが困難になる。また、平均細孔径が20(μm)或いは気孔率が60(%)を超えると機械的強度が著しく低下する。一層好適には、第1層の平均細孔径は0.1〜10(μm)の範囲内、気孔率は20〜50(%)の範囲内である。
また、前記第5発明によれば、第1層が1〜3(mm)の範囲内の適度な厚さ寸法を有することから、酸素透過性能が一層高く且つ機械的強度が一層高い酸素分離膜が得られる。なお、は第1層の厚さ寸法が1(mm)未満では、十分に高い機械的強度を確保することが困難になるので、第2層を厚くし、或いは、別に多孔質支持体を設ける必要が生じることから、機械的強度と酸素透過性能とを両立させることが困難になる。また、厚さ寸法が3(mm)を超えると、第1層の酸素透過性能が著しく低下し、延いては酸素分離膜全体の高い酸素透過性能を得ることが困難になる。
ここで、好適には、前記第1層および第2層は、同系材料で構成される。このようにすれば、両者の熱膨張係数の相違が小さくなるため、第2層を比較的厚くする場合にも、第1層および第2層の熱膨張量が相違し、延いては反りや割れなどの生ずることが抑制される。すなわち、第1層および第2層の構成材料は、前述したような還元膨張率および酸素透過速度の関係にある限りにおいて前記一般式Cで表される範囲で自由に選択できるが、両層の熱膨張量の相違を十分に小さくできることが好ましいのである。なお、本願において「同系材料」とは、原則として構成元素が同一で各元素の割合のみが相違する材料を意味するものであるが、特性に著しい影響を与えない限りにおいて、一方のみに1乃至複数の元素が更に含まれていても差し支えない。
また、好適には、前記酸素分離膜は、厚み方向において第1層から第2層に向かうに従って還元膨張率が低下する傾斜組成を備えたものである。第1層を還元雰囲気から保護するためには、還元側にそれよりも還元膨張率の小さい混合伝導体から成る層が備えられていれば足りるので、例えば、第2層の第1層とは反対側に位置する一面にその第2層よりも還元膨張率の大きい他の層を設けることもできる。しかしながら、そのような層を設ける利点が特になければ、層構成が簡単になり延いては製造工程が簡単になるように、上記のような傾斜組成とする方が好ましいのである。
すなわち、酸素分離膜は、前記第1層および第2層が積層された2層構造に限られず、これらの何れとも組成が相違することにより還元膨張率が異なるものとされた他の層が、一面側または他面側に積層された3層以上の構成であっても良い。この場合、上記のような傾斜組成とすることが好ましいが、必須ではない。なお、積層数が多くなるほど工程的には不利であるが、接している層相互の熱膨張率の差を小さくできるため、製造過程や使用中に温度変化に曝された場合にも破損し難くなる利点がある。また、第1層の第2層とは反対側に他の層を積層する場合には、多孔質の層であってもよいが、酸素分離膜全体の十分に高い酸素透過性能が得られる限りにおいて、緻密質の層とすることもできる。
また、好適には、前記第2層は、50(μm)以上の厚さ寸法を備えたものである。第1層の還元膨張を抑制するための保護層としての機能を確保するためには、引掻き等による破損が生じないだけの機械的強度や、水蒸気雰囲気における長期間に亘る耐久性等が得られるように50(μm)以上の厚さ寸法を有することが好ましい。また、第2層の厚さ寸法は、150(μm)未満とすることが好ましい。第2層は、第1層に比較すると酸素透過速度の低い材料で構成されることから、厚さ寸法が厚くなるほど酸素分離膜全体の酸素透過性能が低下する。そのため、酸素透過性能の十分に高い酸素分離膜を得るためには、上記厚さ寸法以下に留められることが好ましいのである。なお、上述したような機械的強度や耐久性の問題が無ければ、第2層は、第1層を覆うことによってこれを還元雰囲気から保護するものであれば足り、例えば完全に覆うものであることが好ましいが、厚さ寸法の下限値は特になく、工業的には例えば1(μm)程度が下限値である。第2層がこの程度の厚さ寸法であっても、十分な還元耐久性を得ることができる。
なお、本発明の混合伝導体を構成するペロブスカイト化合物は、前記一般式Cに明示した元素の他に、Zn,In,V,Sn,Ge,Ce,Mg,Sc,Y等の他の元素が特性に実質的に影響を与えない程度の範囲で含まれていても差し支えない。また、第1層、第2層、および第3層は、上記ペロブスカイト化合物の他に、製造上排除することが困難な微量のAl2O3、SiO2、MgO、ZrO2等を含み得る。これらは微量が含まれていても特性に著しい影響を与えることはないが、何れもイオン伝導の抵抗になることから含有量は可及的に少ないことが望ましい。
また、好適には、前記第2の混合伝導体は、前記元素MがFe,Ti,Zr,Al,Co,Mn,Niの何れかである。このようにすれば、これらをBサイトに含む(Ln1-xAex)MO3化合物は、還元耐久性が比較的高く且つ酸素透過速度も比較的高く、これらのバランスが良いことから、特に好ましい。また、Bサイトに、FeまたはCoを含むものは、電子伝導性が高くなることから一層好ましい。
なお、本発明の酸素分離膜には、酸素の解離または再結合を促進するための触媒層が備えられる。酸素解離触媒層は、例えば、La-Sr-Co系酸化物、La-Sr-Mn系酸化物、白金系元素である。一層好適には、LaxSr1-xCoO3(0≦x≦1、好適にはx=0.6)から成るものである。このような触媒によれば、酸素分離膜の一面側に供給された気体中の酸素が好適にイオン化され、これを透過して他面側に導かれる。なお、触媒層は、上記材料の他、SmxSrCoO3(0≦x≦1、好適にはx=0.5)、La1-xSrxMnO3(0≦x≦1、好適にはx=0.15)、La1-xSrxCo1-yFeyO3(0≦x≦1、0<y<1、好適にはx=0.9、y=0.1)等も好適に用いられる。
また、酸素再結合触媒層は、Ni、Co、Ru、Rh、Pt、Pd、Ir等を含むものである。好適には、NiOが還元されることにより形成されたNiから成るものである。このような触媒によれば、酸素分離膜の他面側に導かれた酸素イオンが好適に再結合させられ、その他面側から酸素が回収される。また、酸素解離触媒層および酸素再結合触媒層が上述したような何れの材料で構成される場合にも、酸素は粒界または粒内を透過し得るため、多孔質はもちろん緻密質の触媒層も形成し得る。
また、本発明の酸素分離膜は、その一面側に酸素を含む気体を供給するための第1気体供給路と、その他面側に所定の化合物を含む気体を供給するための第2気体供給路と、その他面側において酸素と前記所定の化合物との反応により生成された気体を回収するための気体回収路とを、含む反応器にも好適に用いられる。このようにすれば、第1気体供給路からその一面側に酸素を含む気体が、第2気体供給路からその他面側に所定の化合物を含む気体がそれぞれ供給され、酸素とその所定の化合物との反応により生成された気体が気体回収路から回収される。そのため、安価且つ高効率で耐久性の高い反応器が得られる。
また、本発明の酸素分離膜は、前述した酸素製造や炭化水素の部分酸化反応等の他、一面側にNOxを供給することにより、その還元にも用いることができる。
また、好適には、前記酸素分離膜は全体が平坦な板状を成すものである。また、触媒層が備えられた態様においては、その一面に前記酸素解離触媒層が、他面に前記酸素再結合触媒層がそれぞれ備えられたものである。上記平坦な板状としては、円板状、矩形板状等が挙げられる。
また、好適には、前記酸素分離膜は一端が閉じた筒状を成すものであり、触媒層が備えられる態様においては、その内周面および外周面の一方が前記酸素解離触媒層が備えられた前記一面に相当し、他方が前記酸素再結合触媒層が備えられた前記他面に相当するものである。酸素分離膜は、平坦なものに限られず、このような立体的なものであっても良い。すなわち、前記第1層を上記のような筒状に構成し、その内周面または外周面に第2層を固着形成することもできる。なお、内周面側に気体の供給される態様では、例えば、筒状の酸素分離膜の内側に気体導入管を挿入し、その先端から気体を供給すればよい。
また、本発明の酸素分離膜は、例えば、第1の混合伝導体を構成するための第1の混合伝導体材料粉末および第2の混合伝導体を構成するための第2の混合伝導体材料粉末にそれぞれ所定のバインダーを混合して所定粒径に造粒する工程と、造粒粉を所定形状にそれぞれ成形する工程と、成形体に所定温度の焼成処理を施して第1の混合伝導体から成る膜、および第2の混合伝導体から成る膜をそれぞれ得る工程と、それら2つの膜を重ね合わせて所定の焼成処理を施すことによって相互に接合する工程とを、含む工程によって製造される。上記成形工程と焼成工程との間には、必要に応じて、成形体を等方圧で加圧(例えば湿式静水圧加圧)する工程と、成形体を大気中で焼成温度よりも十分に低温で加熱することによって有機物を分解除去する工程とが実施される。また、焼成後には必要に応じて機械研磨工程が施される。
また、本発明の酸素分離膜は、例えば、前記第1の混合伝導体材料粉末、および前記第2の混合伝導体材料粉末を含むスラリーを用いてグリーンシートを成形する工程と、それらグリーンシートを重ね合わせて同時に焼成処理を施す工程とを、含む工程によって製造することもできる。
以下、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明の一実施例の酸素分離膜10の構成を説明するための断面構造を模式的に示す図である。酸素分離膜10は、20(mm)程度の直径を備えて全体が0.6〜5.1(mm)程度の厚さ寸法の薄板円板状を成すものであり、支持体12上に膜14が積層された2層構造の積層体に構成されている。
上記の支持体12は、例えばLa0.6Sr0.4Ti0.1Fe0.9OxやLa0.1Sr0.9Co0.9Fe0.1Ox等(但し、x=2.4〜3.0程度。以下、各ペロブスカイト化合物において同じ)のペロブスカイト化合物から成るものであって、例えば0.5〜5.0(mm)程度の厚さ寸法を備え、例えば平均細孔径が10(μm)程度で気孔率が30(%)程度の多孔質に構成されている。そのため、支持体12には、その厚み方向に貫通する多数の図示しない貫通孔が備えられており、酸素を含む気体が一面16と他面18(すなわち膜14との界面)との間で容易に流通可能である。また、上記ペロブスカイト化合物は、例えば、0.4(%)以上の極めて大きい還元膨張率と、12(cc/min/cm2)以上の極めて高い酸素透過速度を有している。
一方、前記の膜14は、La0.6Sr0.4Ti0.3Fe0.7Ox等のペロブスカイト化合物から成るものであって、例えば0.1(mm)程度の厚さ寸法を備えた緻密質膜である。このペロブスカイト化合物は、例えば、0.10(%)程度の極めて小さい還元膨張率と、3.3(cc/min/cm2)の比較的低い酸素透過速度を有している。この膜14は、支持体12の他面18の全面を覆って設けられており、他面18は全く露出していない。
そのため、酸素分離膜10は、組成が互いに相違する2層が積層された組成傾斜構造に構成されているが、支持体12および膜14の構成材料は、何れも酸素イオン伝導性および電子伝導性を共に有する混合伝導性セラミックスである。そのため、膜14が緻密質であるにも拘らず、支持体12の一面16(すなわち酸素分離膜10の一面)または膜14の一面20(すなわち酸素分離膜10の他面)に接した酸素をイオン化して、例えばその一面16から一面20に向かって透過させることができる。本実施例においては、上記の支持体12が第1層に、膜14が第2層にそれぞれ相当する。
また、積層された2層(支持体12および膜14)は、それぞれ上述したような特性を有することから、酸素分離膜10は、支持体12から膜14に向かうに従って還元膨張率が小さくなると共に、酸素透過速度が低くなる層構造を備えている。しかしながら、酸素透過速度の低い混合伝導体から成る膜14は、0.1(mm)程度の薄い膜であり、酸素透過性能は膜厚に反比例するため、酸素透過速度が低い混合伝導体から成るにも拘らず、膜14における酸素透過性能は比較的高い値になる。
また、支持体12は、0.5〜5.0(mm)程度と比較的厚くされているが、この支持体12を構成するペロブスカイト化合物は、前述したように高い酸素透過速度を有し、しかも、酸素等の気体が一面16および他面18間で流通可能な多孔質体である。そのため、酸素は、イオン化して支持体12内を透過するだけでなく、気体のまま支持体12の細孔内を透過することから、支持体12も極めて高い酸素透過性能を有するものとなっている。したがって、支持体12における酸素透過性能が酸素分離膜10全体の酸素透過性能の律速にならないことから、酸素分離膜10の酸素透過性能は、極めて薄い膜14の酸素透過性能が好適に発揮され、例えば14(cc/min/cm2)程度の極めて高い値になる。
以上のように構成される酸素分離膜10は、一面16,20上に触媒層24,26をそれぞれ設けて、例えば膜14を還元側、例えばメタン等の燃料供給側に位置させ、その反対側に位置する支持体12を酸化側、例えば空気等の酸素含有ガス供給側に位置させて用いられる。そのため、還元膨張率の大きい混合伝導体から成る支持体12が、その膜14によって還元雰囲気から保護されるため、酸素分離膜10の還元耐久性が高められる。しかも、支持体12が多孔質に構成されると共に膜14が極めて薄くされることから、何れも高い酸素透過性能を有するので、酸素分離膜10全体としても極めて高い酸素透過性能を有する利点がある。
なお、酸化側に設けられる酸素解離触媒層26は、一面16における酸素の解離およびイオン化を促進するために設けられたものであり、例えばLa0.6Sr0.4CoO3から成る多孔質層が10(μm)程度の一様な厚さ寸法を以てその一面16の略全面に形成される。
また、還元側に設けられる酸素再結合触媒層24は、一面20における酸素イオンの再結合を促進するために設けられたものであり、例えばNiOから成る多孔質層が100(μm)程度の一様な厚さ寸法を以てその一面20の略全面に形成される。
図2は、上記酸素分離膜10における使用時の酸素分圧を説明する模式図である。図2に示す太線は、雰囲気中および膜内における酸素分圧P1〜P3(すなわち酸素分圧勾配)を、白抜きの矢印は、酸素分離膜10内における酸素イオンおよび電子の動きを、それぞれ表している。酸素がイオン化して酸化側から還元側に向かって移動すると、酸素分離膜10内には、その移動速度に応じた酸素分圧の勾配が形成される。酸素イオン伝導率が低い膜14内では、その勾配が著しく大きくなる。そのため、図2に示されるように、酸素分圧は膜14内を還元側雰囲気から支持体12に向かうに従って急激に高められるので、界面18における酸素分圧P2は、例えば還元側の酸素分圧P1の1010倍以上に大きくなる。そのため、支持体12が還元膨張率の大きい混合伝導体で構成されていても、これに負荷される還元力は還元側の1/1010以下になるため、その還元膨張延いては破損が好適に抑制されるのである。
上述したように、本実施例の酸素分離膜10によれば、La0.6Sr0.4Ti0.1Fe0.9Ox等の混合伝導体から成る支持体12の他面18が、La0.6Sr0.4Ti0.3Fe0.7Ox等の混合伝導体から成る膜14で覆われることにより、組成傾斜型の積層構造に構成されている。膜14は支持体12よりも還元膨張率の小さい混合伝導体で構成されていることから、酸素分離膜10を使用するに際して、前述したように膜14を還元側に位置させれば、支持体12が還元雰囲気から好適に保護される。そのため、支持体12の還元膨張が好適に抑制され、延いては酸素分離膜10全体の還元耐久性が高められる。しかも、支持体12は多孔質に構成されていることから、気体のまま透過する酸素が生ずることで支持体12における酸素透過性能が高められるため、従来の多孔質支持体に比較して著しく高い酸素透過性能を有する。すなわち、従来の多孔質支持体におけるガス拡散性能の不足が酸素イオン透過によって補われることとなる。また、膜14も、支持体12上に設けられることで機械的強度の不足が補われることから、前述したように酸素透過速度の低い材料で構成されていても、前述したように薄くされることで極めて高い酸素透過性能を有する。そのため、還元耐久性が高く且つ酸素透過性能の高い酸素分離膜10が得られる。
図3は、上記の酸素分離膜10の製造方法を説明するための工程図である。造粒工程P1では、例えば平均粒径が1(μm)程度のLaSrTiFeOx系粉末を前記膜14用として、平均粒径が50(μm)程度のLaSrTiFeOx系またはLaSrCoFeOx系粉末を支持体12用として、それぞれ用意し、水、有機バインダー等の成形助剤、および分散剤を混合して2種のスラリーを作成し、例えばスプレー・ドライヤーを用いてそれぞれ60(μm)程度の平均粒径の原料粉末を噴霧造粒する。次いで、加圧成形工程P2では、造粒した原料粉末を例えば100(MPa)程度の適当な圧力でプレス成形して、例えば直径が30(mm)程度で、厚さ寸法が3(mm)程度の円板状の成形体を得る。なお、上記成形体寸法は前記寸法の支持体12および膜14が得られるように焼成収縮や研磨代を考慮して定めた値である。また、必要に応じ、静水圧加圧成形(すなわちCIP)により150(MPa)程度の加圧処理を施すことができる。
次いで、焼成工程P3では、上記の成形体を例えば大気中において200〜500(℃)程度の温度で10時間程度保持して有機物を分解除去した後、更に大気中において1000〜1500(℃)程度の温度で3時間程度保持することにより、この成形体を焼成する。これにより得られる焼結体は、膜14用のものが気孔率が略0(%)の緻密質で、支持体12用のものが平均細孔径10(μm)、気孔率30(%)程度の多孔質である。厚み研磨工程P4においては、このようにして得られた焼結体に平面研削盤等を用いて機械研磨加工を施し、緻密質膜を例えば0.1(mm)程度に、多孔質膜を例えば0.5〜5(mm)程度の予め定められた厚さ寸法に加工する。
次いで、積層・接合工程P5では、支持体12用の多孔質膜に膜14用の緻密質膜を重ね合わせ、大気中において1000〜1500(℃)で焼成処理を施す。これにより、それら重ね合わせた2枚の薄膜体が相互に接合され、組成の相互に異なる2層が厚み方向に積層された組成傾斜膜すなわち前記酸素分離膜10が得られる。
このような酸素分離膜10は、その両面16,20に前記のように触媒層24,26を設けて用いられる。触媒担持工程P6では、例えば平均粒径が2(μm)程度の市販のLa0.6Sr0.4CoO3粉末を有機溶剤と混合してスラリーを調製し、これを一面16に塗布して触媒を印刷担持すると共に、例えば平均粒径が7(μm)程度の市販のNiO粉末を有機溶剤と混合してスラリーを調製し、これを一面20に塗布して触媒を印刷担持する。そして、焼き付け工程P7において、例えば1000(℃)程度の温度で1時間程度の時間保持して、一面16,20に触媒層24,26をそれぞれ焼き付けることにより、前記の酸素分離膜10が得られる。
以下、本発明の更に具体的な実施例を説明する。下記の表1は、前記の酸素分離膜10を構成する支持体12および膜14の組成例と、それぞれの還元膨張率、酸素透過速度、および還元耐久性をまとめたものである。なお、表1の「組成名」欄には、各組成の混合伝導体を意味するものとして後述する表2において用いた略称を示した。まず、各層を構成するこれら5種類の混合伝導体の特性について説明する。
Figure 0004500763
上記の表1において、還元膨張率は、大気中とH25%+N295%雰囲気中とで熱膨張率をそれぞれ測定し、前記(1)式に従って算出した。なお、LSCF1は、測定時に割れが発生したため、推定値を記載した。
また、酸素透過速度は、上記の各組成から成る0.5(mm)厚の緻密質の混合伝導体薄板を前記図3に示される工程に従って製造し、その薄板の両面に前記触媒を焼き付けたものを試料として、図4に示される反応器40において、酸素分離膜10に代えて試料を配設することによって測定した。なお、LSCF1は前記の通り測定時に割れが生じたため、酸素透過速度はイオン伝導率から推定した値を記載した。
なお、上記の反応器40は、例えば両端を開放されたアルミナ等のセラミックスから成る円筒管42、44が、酸素分離膜10を挟んで上下に配置され、且つ、それらの内周側に例えばアルミナ等のセラミックスから成る気体導入管48,50が挿入されたものである。酸素分離膜10は、酸素再結合触媒層が設けられている一面20が円筒管44側に位置し、酸素解離触媒層が設けられている一面16が図4における上側すなわち円筒管42側に位置する向きで配置される。また、円筒管42,44の外周側にはヒータ56,56が配置されている。また、円筒管42,44と酸素分離膜10とは、例えばガラス系等の封着材58,58によって気密に封着されている。なお、気体導入管48,50は、酸素分離膜10の表面から気体供給に必要な距離だけ離隔して配置されている。
このような反応器40において、ヒータ56で装置内を1000(℃)程度の温度に加熱しつつ、気体導入管48から空気すなわち酸素を含む気体を円筒管42内に導入すると共に、燃料側すなわち気体導入管50から純メタンガス等の炭化水素を導入する。空気導入量は例えば10〜500(cc/min)程度であり、メタンガス導入量は例えば10〜200(cc/min)程度である。なお、測定に先立ち、例えばヒータ56によって円筒管44内を1000(℃)程度の温度に加熱しつつ、例えば水素10(%)とアルゴン90(%)との混合ガスを気体導入管50から円筒管44内に供給し、還元雰囲気下で加熱する。これにより、一面20に備えられている酸素再結合触媒層すなわちニッケル酸化物が部分的に或いは完全に還元され、酸素再結合触媒としての機能が発揮されるようになる。
上記のように気体導入管48から導入された空気は、酸素分離膜10の表面および酸素解離触媒層に接触しつつ、気体導入管48と円筒管42との間に形成された排気路60を通って図4に矢印で示されるように排気される。このとき、酸素分離膜10およびその一面16に設けられた酸素解離触媒層の酸素解離作用およびイオン化作用により、空気中の酸素が解離されてイオン化させられるので、その酸素イオンは、酸素イオン伝導性を有する酸素分離膜10を通って一面16側から一面20側に向かって図4に矢印で示されるように輸送される。
そして、一面20に到達した酸素イオンは、混合伝導体から成る酸素分離膜10およびその一面20に設けられた酸素再結合触媒層の再結合作用により酸素分子となり、その一面20から取り出される。これにより、酸素が一面16側から一面20側に透過することになる。しかしながら、混合伝導体から成る酸素分離膜10のうち膜14は緻密質であると共に他の気体はイオン化させられないので、支持体12が多孔質に構成されていても、酸素以外の気体は全く透過しない。すなわち、空気から純度の極めて高い酸素が製造される。
また、このようにして透過した酸素は、イオンのまま或いは再結合させられた後、気体導入管50から導入されたメタンガス等とその一面20上、酸素再結合触媒層内、或いはそれらの近傍において反応させられ、下記(2)式に示されるようなメタンの部分酸化反応が生じる。生成された一酸化炭素と水素との合成ガスは、気体導入管50と円筒管44との間に形成された回収路62から回収される。回収された合成ガスは、例えば、液体燃料合成等に用いられる。なお、以上の説明から明らかなように、気体導入管50からメタンガスを導入しない場合には、回収路62から酸素を回収することができ、反応器40を酸素製造装置として用いることができる。
CH4+1/2O2 → CO+2H2 ・・・(2)
また、前記表1に示す還元耐久性は、上記の試験を連続して実施して、還元側で回収された合成ガス中の窒素量を測定し、その変化から窒素リーク率LNを下記(3)式に従って求めて判断した。◎は3〜10時間で窒素リーク率の増大が無かったもの、○は3時間以内に窒素リーク率が1(%)以下の範囲で増大したもの、△は3時間以内に窒素リーク率が1〜3(%)の範囲で増大したもの、×は3時間以内に窒素リーク率が3(%)以上増大したものである。10時間で窒素リーク率の増大がなければ、長時間に亘る十分な還元耐久性があるものと考えられる。
N =[N2量(cc/min)/全ガス量(cc/min)]×100 ・・・(3)
また、酸素透過速度は、上記の試験を24時間連続して行って、合成ガスおよび排気ガスをガスクロマトグラフィで測定し、合成ガス中の酸素濃度と流量、および酸素分離膜10の酸素透過部面積から算出した。
上記の表1に示されるように、酸素分離膜10の各層を構成する混合伝導体は、何れも、還元耐久性と酸素透過速度とがトレードオフの関係にあり、還元膨張率を小さくして還元耐久性を高めようとすると、酸素透過速度が低くなる特性を有している。酸素分離膜10の一般的な用途では、還元割れを発生させないためには還元膨張率が0.14(%)未満であることが望ましいが、表1中では、この条件を満たすのは酸素透過速度が3.3(cc/min/cm2)程度のLSTF3のみである。この材料で必要な酸素透過性能を得ようとすると、厚さ寸法を例えば0.1(mm)程度にする必要があり、自立膜すなわち支持体無しの構成とすることができない。そのため、従来のように酸素分離膜10を単層で構成し、単に組成を変更するだけでは、還元耐久性および酸素透過速度を共に高くすることは不可能である。
下記の表2に示す実施例1a〜2fは、上記の表1に掲げた混合伝導体で前記支持体12および膜14を構成した2層の積層構造(すなわち組成傾斜膜)の層構成例である。
実施例1a〜1fは、還元膨張率が0.4〜0.7(%)と大きいLSTF1で支持体12を構成すると共に、還元膨張率が0.10(%)と小さいLSTF3(すなわち還元耐久性が◎のもの)で膜14を構成した2層構造とすることによって、支持体12から膜14に向かうに従って還元膨張率が小さくなる傾斜組成としたものである。また、これらは支持体12の厚さ寸法を0.5〜5.0(mm)の範囲で変更した他は、同一構成とした。
また、実施例2a〜2fは、還元膨張率が1.0(%)以上と更に大きいLSCF1で支持体12を構成すると共に、膜14をLSTF3で構成した2層構造とすることによって、支持体12から膜14に向かうに従って還元膨張率が小さくなる傾斜組成としたものである。これらも支持体12の厚さ寸法が異なる他は、同一構成とした。
Figure 0004500763
一方、上記の表2に示す比較例1a〜1fも2層の積層構造であるが、支持体12および膜14を、何れも還元膨張率が0.10(%)で酸素透過速度が3.3(cc/min/cm2)程度のLSTF3で構成した点が実施例と相違する。すなわち、比較例は、多孔質の混合伝導体から成る支持体12上に、緻密質の混合伝導体から成る膜14を設けたものであるが、全体を単一材料で構成し、組成を傾斜させていないものである。
上記の実施例の酸素透過速度を測定した結果を、比較例の測定結果と併せて表3に示す。また、図5は、横軸に支持体厚みを縦軸に酸素透過速度をとった二次元図表にこの測定結果を表したものである。この図5には、支持体材料としてLSTF2およびLSTF4を用いた酸素分離膜についても、同様にして酸素透過速度を測定して掲載した。なお、下記の表3に示す酸素透過速度は、0.5(mm)厚の緻密膜の値ではなく、実測値である。なお、全ての実施例および比較例において、膜14は、厚さ寸法が0.1(mm)のLSTF3で構成した。
Figure 0004500763
上記の表3および図5に示すように、還元膨張率が大きく、酸素透過速度の高いLSTF1、LSTF4、LSCF1(前記表1に示す特性値を参照)で多孔質の支持体12を構成した場合には、支持体厚みを増大させるに従って酸素透過性能が低下する傾向があるものの、比較的高い酸素透過性能が得られた。
すなわち、支持体12をLSTF1で構成した場合には、実施例1aおよび1bに示すように1(mm)以下の支持体厚みで13.6〜14.1(cc/min/cm2)程度の酸素透過速度が得られ、実施例1eに示すように、3(mm)程度の支持体厚みでも5.2(cc/min/cm2)程度の酸素透過速度が得られた。
また、支持体12をLSCF1で構成した場合には、実施例2a,2b,および2cに示すように1.5(mm)以下の支持体厚みで12.2〜14.2(cc/min/cm2)程度の酸素透過速度が得られ、実施例2eに示すように、3(mm)の支持体厚みでも7.8(cc/min/cm2)程度の酸素透過性能が得られた。また、実施例2dに示すように2(mm)程度の支持体厚みであれば、10(cc/min/cm2)以上の酸素透過性能が得られた。
また、支持体12をLSTF4で構成した場合にも、図5に示されるように、1.5(mm)未満の支持体厚みであれば、10(cc/min/cm2)以上の酸素透過速度が得られ、2(mm)程度の支持体厚みであれば、5(cc/min/cm2)程度の酸素透過速度が得られた。なお、還元耐久性については特に表3等には示さないが、実施例および比較例の全てにおいて、割れなどが生じることが無く、十分な耐久性を示した。
これに対して、酸素透過性能の低いLSTF3で支持体12を構成した場合には、比較例1aに示すように、0.3(mm)の支持体厚みでは12.1(cc/min/cm2)程度の酸素透過性能が得られるものの、強度確保に望ましい1(mm)程度以上の厚さ寸法では1(cc/min/cm2)程度以下まで低下して実用性が全くなくなる。
また、LSTF3ほどではないが同様に酸素透過性能の低いLSTF2で支持体12を構成した場合には、図5に示すように、0.5(mm)の支持体厚みでは7(cc/min/cm2)程度の酸素透過速度が得られるものの、強度確保に望ましい1(mm)程度以上の厚さ寸法では4(cc/min/cm2)程度以下に留まり、更に、2(mm)を超えると1(cc/min/cm2)程度以下まで低下して実用性が全く無くなる。
なお、図5において、「強度確保」と記した矢印は、支持体12の機械的強度を確保するために実用上望ましい厚さ寸法の範囲を示したものであり、下限値は例えば1(mm)程度である。また、「酸素透過」と記した矢印は、十分に高い酸素透過性能を得るために実用上望ましい厚さ寸法の範囲を示したものであり、上限値は例えば3(mm)程度である。したがって、本実施例においては、支持体12の厚さ寸法は1〜3(mm)の範囲が好ましい。
また、「対称膜性能」と記した範囲は、従来の支持体12を設けない対称膜の構成で、還元耐久性を確保しつつ得ることのできる酸素透過速度を示したもので、幅を持たせてあるのは、組成によって酸素透過性能が相違するためである。例えば、前記表1に掲げたLSTF3では3.3(cc/min/cm2)程度で、この値が図に下側に示す一点鎖線である。また、Tiに代えてZrを含む組成(すなわちLSZF系材料)では、0.10(%)以下の還元膨張率となるのは例えばLa0.6Sr0.4Zr0.2Fe0.8Oxで、6.1(cc/min/cm2)程度の酸素透過速度を有する。
したがって、LSTF系の耐還元性材料(すなわちLSTF3など)から成る対称膜の特性との比較においては、LSTF1およびLSCF1で支持体12を構成した場合には5(mm)程度以下の支持体厚み、LSTF4で支持体12を構成した場合には3(mm)程度以下の支持体厚みの場合に、優位性が認められる。また、LSZF系材料から成る対称膜の特性と対比すれば、LSTF1で支持体12を構成した場合には2(mm)以下の支持体厚み、LSCF1で支持体12を構成した場合には4(mm)程度以下の支持体厚み、LSTF4で支持体12を構成した場合には1.5(mm)程度以下の支持体厚みの場合に、優位性が認められる。
なお、比較例は、支持体12の厚さ寸法をどの程度まで薄くすれば、多孔質の支持体12によるガス拡散性能の影響が無視し得る程度まで小さくなるかを確かめたものでもある。材料自体(すなわち支持体12を用いない場合)の特性を考えると、LSTF3から成る0.5(mm)の厚さ寸法の膜14の酸素透過性能は、前記表1に示すように3.3(cc/min/cm2)であるから、酸素透過性能が膜厚に反比例して増大すると仮定すれば、0.1(mm)の厚さ寸法の場合の酸素透過性能は16.5(cc/min/cm2)程度になる。支持体12上に0.1(mm)の厚さ寸法の膜14を設けた構造では、前記表3および図5に示されるように、支持体厚みを薄くするほど、測定値はこの値に近づいていき、0.3(mm)の厚さ寸法では、酸素透過性能が急激に高められて12.1(cc/min/cm2)程度にもなる。この結果によれば、支持体厚みを0.3(mm)程度まで薄くしなければ、ガス拡散抵抗を無視し得ないので、酸素イオン伝導性の高い材料で支持体12を構成しない場合には、機械的強度と酸素透過性能を両立させることが極めて困難である。
また、図5に太線で描いた曲線は、平均細孔径を10(μm)、気孔率を30(%)として、酸素イオン透過が無い場合の多孔質支持体内の理論酸素拡散速度をFickの式を用いて求めたものである。比較例1a〜1fは、この理論値と良く一致する。すなわち、支持体内における酸素拡散速度が酸素透過性能の律速になっていることが推測される。
以上、本発明を図面を参照して詳細に説明したが、本発明は更に別の態様でも実施でき、その主旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るものである。
本発明の一実施例の酸素分離膜の要部断面構造を模式的に示す図である。 2層の傾斜構造の場合における膜内の酸素分圧勾配を説明する図である。 図1の酸素分離膜の製造方法を説明するための工程図である。 図1の酸素分離膜が用いられた反応器の構成を説明する図である。 酸素分離膜の支持体厚みと酸素透過速度との関係を二次元図表に表したものである。
符号の説明
10:酸素分離膜、12:支持体、14:膜、16:一面、18:他面(界面)、20:一面、24:酸素再結合触媒層、26:酸素解離触媒層、40:反応器、42、44:円筒管、48、50:気体導入管、56:ヒータ、58:封着材、60:排気路、62:回収路

Claims (5)

  1. 一般式(Ln1-xAex)MO3(但し、Lnはランタノイドのうちの1種または2種以上の組合せ、AeはBa、Sr、Caのうちから選ばれる1種または2種以上の組合せ、MはTi,Zr,Al,Ga,Nb,Ta,Fe,Co,Ni,Cu,Cr,Mn,Rh,Pd,Pt,およびAuのうちから選ばれる1種または2種以上の組合せ、0≦x≦1)で表される第1の混合伝導体から成る多孔質の第1層と、
    前記一般式で表され且つ前記第1の混合伝導体よりも低い酸素透過速度および小さい還元膨張率を有する第2の混合伝導体から成り且つ前記第1層の一面を覆う緻密質の第2層と
    を、含むことを特徴とする組成傾斜型酸素分離膜。
  2. 前記第1の混合伝導体は0.14(%)以上の還元膨張率を有し、且つ前記第2の混合伝導体は0.14(%)未満の還元膨張率を有することを特徴とする請求項1に記載の組成傾斜型酸素分離膜。
  3. 前記第1の混合伝導体は、8(cc/min/cm2)以上の酸素透過速度を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の組成傾斜型酸素分離膜。
  4. 前記第1層は、平均細孔径が0.1〜20(μm)の範囲内で気孔率が5〜60(%)の範囲内であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の組成傾斜型酸素分離膜。
  5. 前記第1層は1〜3(mm)の厚さ寸法を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の組成傾斜型酸素分離膜。
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