JP5956227B2 - 酸素透過膜 - Google Patents

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Description

本発明は、酸素を選択的に透過させる酸素透過膜に関するものである。
従来、酸素を選択的に透過する酸素透過膜として、酸素イオン(酸化物イオン)伝導性を示す複合酸化物によって構成される膜が知られている。このような酸素透過膜の用途の一つとして、例えば空気から酸素を抽出し、得られた酸素を用いて、炭化水素系燃料等の改質燃料を部分酸化反応によって改質し、燃料電池等に供給するための水素を得る方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−281086号公報 特開2008−251266号公報 特開昭61−21717号公報
しかしながら、このように改質燃料の部分酸化反応のために酸素透過膜を用いる際に、酸素透過膜の一方の面側に対して、還元性の流体である改質燃料を供給すると、酸素透過膜が還元されて、酸素透過膜の性能が低下するという問題が生じ得た。すなわち、酸素透過膜が還元性の流体に接することにより、酸素透過膜を構成する複合酸化物を構成する結晶構造中の酸素原子が失われ、酸素イオン伝導性を示すための結晶構造が部分的に失われることにより、酸素透過膜における酸素透過性能が低下する場合があった。
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、酸素透過膜を、改質反応のために、還元性の流体と接して用いる場合であっても、酸素透過膜の性能低下を抑制することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実施することが可能である。
本発明の第1の形態は、一方の面に改質燃料が供給され、他方の面に酸素含有ガスが供給されたときに、前記他方の面側から前記一方の面側へと酸素イオンを透過させると共に、前記一方の面において前記改質燃料の部分酸化反応を進行させる酸素透過膜において;前記酸素透過膜は;複合酸化物を含み、少なくとも酸化雰囲気下において酸素イオン伝導性および電子伝導性を有し、ガス不透過な緻密層として形成される主層と;酸素イオン伝導性を有する酸化物である希土類元素を固溶したセリウム酸化物を含み、前記主層上に積層されて、ガス不透過に形成された第二層と;を備え;前記第二層が前記酸素透過膜の前記一方の面側となり、前記主層が前記酸素透過膜の前記他方の面側となるように配置して用いられ;前記第二層は、前記改質燃料に露出する前記酸素透過膜の面全体を覆うように形成されており;前記第二層の膜厚が、0.9μm以上であることを特徴とする。
このような形態であれば、改質燃料が供給される側の面が、希土類元素を固溶したセリウム酸化物を備える第二層によって覆われるため、酸素透過膜の耐還元性を高めることができる。そのため、酸素透過膜の耐久性、および、酸素透過膜を備える改質器の耐久性を向上させることができる。また、第二層の膜厚を0.9μm以上とすることにより、第二層によって主層を保護し、酸素透過膜全体の耐還元性を確保する効果を、高めることができる。
本発明の第2の形態は、一方の面に改質燃料が供給され、他方の面に酸素含有ガスが供給されたときに、前記他方の面側から前記一方の面側へと酸素イオンを透過させると共に、前記一方の面において前記改質燃料の部分酸化反応を進行させる酸素透過膜において;前記酸素透過膜は;複合酸化物を含み、少なくとも酸化雰囲気下において酸素イオン伝導性および電子伝導性を有し、ガス不透過な緻密層として形成される主層と;酸素イオン伝導性を有する酸化物である希土類元素を固溶したセリウム酸化物を含み、前記主層上に積層されて、ガス不透過に形成された第二層と;を備え;前記酸素透過膜は、自立膜であり;前記第二層の膜厚が、0.9μm以上であることを特徴とする。
このような形態であれば、主層側に酸素含有ガスを供給し、第二層側に改質燃料を供給して、改質燃料の部分酸化反応を進行させるならば、酸素透過膜の耐還元性を高めることができる。そのため、酸素透過膜の耐久性、および、酸素透過膜を備える改質器の耐久性を向上させることができる。また、第二層の膜厚を0.9μm以上とすることにより、第二層によって主層を保護し、酸素透過膜全体の耐還元性を確保する効果を、高めることができる。
[適用例1]
一方の面に改質燃料が供給され、他方の面に酸素含有ガスが供給されたときに、前記他方の面側から前記一方の面側へと酸素イオンを透過させると共に、前記一方の面において前記改質燃料の部分酸化反応を進行させる酸素透過膜において、
前記酸素透過膜は、
複合酸化物を含み、少なくとも酸化雰囲気下において酸素イオン伝導性および電子伝導性を有する主層と、
酸素イオン伝導性を有する酸化物である希土類元素を固溶したセリウム酸化物を含み、前記主層上に積層されて、ガス不透過に形成された第二層と、
を備え、
前記第二層が前記酸素透過膜の前記一方の面側となり、前記主層が前記酸素透過膜の前記他方の面側となるように配置して用いられ、
前記第二層は、前記改質燃料に露出する前記酸素透過膜の面全体を覆うように形成されていることを特徴とする
酸素透過膜。
適用例1に記載の酸素透過膜によれば、改質燃料が供給される側の面が、希土類元素を固溶したセリウム酸化物を備える第二層によって覆われるため、酸素透過膜の耐還元性を高めることができる。そのため、酸素透過膜の耐久性、および、酸素透過膜を備える改質器の耐久性を向上させることができる。
[適用例2]
一方の面に改質燃料が供給され、他方の面に酸素含有ガスが供給されたときに、前記他方の面側から前記一方の面側へと酸素イオンを透過させると共に、前記一方の面において前記改質燃料の部分酸化反応を進行させる酸素透過膜において、
前記酸素透過膜は、
複合酸化物を含み、少なくとも酸化雰囲気下において酸素イオン伝導性および電子伝導性を有する主層と、
酸素イオン伝導性を有する酸化物である希土類元素を固溶したセリウム酸化物を含み、前記主層上に積層されて、ガス不透過に形成された第二層と、
を備え、
前記酸素透過膜は、自立膜であることを特徴とする酸素透過膜。
適用例2に記載の酸素透過膜によれば、主層側に酸素含有ガスを供給し、第二層側に改質燃料を供給して、改質燃料の部分酸化反応を進行させるならば、酸素透過膜の耐還元性を高めることができる。そのため、酸素透過膜の耐久性、および、酸素透過膜を備える改質器の耐久性を向上させることができる。
[適用例3]
適用例2記載の酸素透過膜であって、前記第二層を前記酸素透過膜の前記一方の面側に配置し、前記主層を前記酸素透過膜の前記他方の面側に配置して用いられることを特徴とする酸素透過膜。
適用例3に記載の酸素透過膜によれば、酸素透過膜を用いて改質燃料の部分酸化反応を進行させる際に、酸素透過膜の耐還元性を高めることができる。
[適用例4]
適用例1ないし3いずれか記載の酸素透過膜であって、前記第二層の膜厚が、0.9μm以上であることを特徴とする酸素透過膜。
適用例4に記載の酸素透過膜によれば、第二層によって主層を保護し、酸素透過膜全体の耐還元性を確保する効果を、高めることができる。
[適用例5]
適用例1ないし4いずれか記載の酸素透過膜であって、前記第二層に含まれる前記希土類元素を固溶したセリウム酸化物は、希土類元素に加えて、ジルコニウム(Zr)とハフニウム(Hf)の少なくとも一種の元素がさらに固溶されていることを特徴とする酸素透過膜。
適用例5に記載の酸素透過膜によれば、第二層の電子伝導性を高め、第二層の酸素透過性を高めることができる。
[適用例6]
適用例1ないし5いずれか記載の酸素透過膜であって、前記主層は、少なくとも酸化雰囲気下において酸素イオン伝導性および電子伝導性を有する複合酸化物を含むことを特徴とする酸素透過膜。
適用例6に記載の酸素透過膜によれば、改質燃料の部分酸化反応を進行させる際に、酸素透過膜において、他方の面側から一方の面側へと酸素イオンを移動させると共に、一方の面側から他方の面側へと電子を移動させることができる。
[適用例7]
適用例1ないし5いずれか記載の酸素透過膜であって、前記主層は、酸素イオン伝導性を有する第1の酸化物と、電子伝導性を有する第2の酸化物の混合物によって構成される酸素透過膜。
適用例7に記載の酸素透過膜によれば、改質燃料の部分酸化反応を進行させる際に、酸素透過膜において、他方の面側から一方の面側へと酸素イオンを移動させると共に、一方の面側から他方の面側へと電子を移動させることができる。
[適用例8]
適用例7記載の酸素透過膜であって、前記第1の酸化物は、セリウム系複合酸化物と、希土類酸化物をジルコニアに固溶させた安定化ジルコニアとから選択される酸化物である酸素透過膜。
適用例8に記載の酸素透過膜によれば、セリウム系複合酸化物と、希土類酸化物をジルコニアに固溶させた安定化ジルコニアとから選択される酸化物によって、酸素イオン伝導性を確保することができる。
[適用例9]
適用例7または8記載の酸素透過膜であって、前記第2の酸化物は、フェライト構造とペロブスカイト構造から選択される構造を有する複合酸化物である酸素透過膜。
適用例9に記載の酸素透過膜によれば、フェライト構造とペロブスカイト構造から選択される構造を有する複合酸化物によって、電子伝導性を確保することができる。
本発明は、上記以外の種々の形態で実現可能であり、例えば、酸素透過膜を備える燃料改質装置や燃料改質方法などの形態で実現することが可能である。
酸素透過膜および改質装置の概略構成を示す断面模式図である。 酸素透過膜の性能を調べた結果をまとめて示す説明図である。 第二層の表面構造を調べたX線回折パターンを示す説明図である。 主層の表面構造を調べたX線回折パターンを示す説明図である。 酸素透過膜の酸素透過特性を測定する装置を表わす説明図である。 X線回折パターンを比較した結果を示す説明図である。
図1は、本発明の実施形態としての酸素透過膜10、および、この酸素透過膜10を備えて改質燃料の部分酸化反応を進行する改質器20の概略構成を示す断面模式図である。酸素透過膜10は、図1に示すように、一方の面側に形成された第1の層である主層12と、他方の面側に形成された第2の層である第二層14と、を備えている。そして、酸素透過膜10は、全体として、酸素イオン伝導性と共に、電子伝導性を有している。本実施形態では、主層12および第二層14はいずれも、ガス不透過な緻密層として形成されている。また、本実施形態の酸素透過膜10は、担体の面上に成膜された膜とは異なり、自立膜として構成されている。ここで、自立膜とは、担体(基材、支持体)を有していない膜であり、担体の面上に成膜されているものを除く。
改質器20は、上記した酸素透過膜10を備えると共に、酸素透過膜10の一方の面側(第二層14側)に、改質燃料としての流体が流れる改質燃料流路16が形成される。また、酸素透過膜10の他方の面側(主層12側)に、酸素含有ガスとしての空気が流れる空気流路18が形成される。酸素透過膜10は、酸素イオン透過性を有し、酸素分圧が高い側から低い側へと、酸素を特異的に移動させる性質を有している。そのため、改質器20では、空気流路18中の酸素が、酸素透過膜10を介して改質燃料流路16側へと透過し、酸素透過膜10における改質燃料流路16側の面上では、透過した酸素を利用して、改質燃料の部分酸化反応が進行する。
図1では、空気流路18側の酸素分圧(PO2)の方が、改質燃料流路16側の酸素分圧(P’O2)よりも高く、酸素透過膜10の両面間で酸素分圧勾配が生じる様子を、破線により概念的に示している。酸素透過膜10では、このような両面間の酸素分圧差を駆動力として、空気流路18から改質燃料流路16へと酸素が透過する。このとき、空気流路18内の酸素分子は、酸素透過膜10の空気流路18側の表面でイオン化し、生じた酸素イオンが、酸素イオン伝導性を有する酸素透過膜10内を改質燃料流路16側へと移動する。本実施形態の酸素透過膜10は、電子伝導性をも有するため、上記のように酸素イオンが移動する際には、酸素イオンとは逆向きに電子が膜内を移動する。そのため、酸素透過膜10に対して外部から電圧を印加することなく、酸素の透過を行なわせることができる。なお、酸素透過膜10における電子伝導性は、電子伝導とホール伝導の双方であってもよく、いずれか一方であっても良い。以下の説明では、酸素透過膜10や、酸素透過膜10を構成する主層12あるいは第二層14について電子伝導性という場合には、電子伝導とホール伝導の双方、あるいは一方である場合を含むものとする。
上記のように改質燃料流路16側へと酸素が輸送されると、酸素透過膜10の改質燃料流路16側では、部分酸化反応によって改質燃料の改質が行なわれる。改質燃料としては、例えば、可燃性流体を用いることができ、種々の気体燃料あるいは液体燃料を用いることができる。気体燃料としては、例えば、メタンや、メタンを主成分とする天然ガスなどの炭化水素系燃料を用いることができる。また、液体燃料としては、例えば、液体炭化水素や、メタノール等のアルコール、あるいはエーテルを用いることができる。改質燃料の部分酸化反応の一例として、メタンの部分酸化反応を、(1)式として以下に示す。
CH4+(1/2)O2 → CO+2H2 …(1)
このように、炭化水素等の改質燃料から水素と一酸化炭素とを生じる改質器20は、例えば、燃料電池に燃料ガスとして供給する水素を得るために用いることができる。あるいは、得られた水素と一酸化炭素を用いてさらに炭化水素転換を行なって、液体炭化水素燃料を製造する、すなわち、GTL(Gas To Liquid)技術のために用いても良い。なお、図1では、改質器20として、平板状の1枚の酸素透過膜10を備える構成を記載しているが、改質器20は、種々の形態とすることができる。例えば、改質器20を円筒形状に形成し、円筒の外側を外気に曝して空気流路18とすると共に、円筒の内部を改質燃料流路16としてもよい。この場合には、円筒の一端に、改質燃料を供給するための流路を接続すると共に、円筒の他端に、改質反応で得られた水素および一酸化炭素を取り出すための流路を接続すればよい。あるいは、平板状の酸素透過膜10を複数積層し、積層した複数の酸素透過膜10の間に、改質燃料流路16と空気流路18とを交互に設けることとしても良い。
次に、改質器20が備える酸素透過膜10の構成について説明する。主層12は、少なくとも酸化雰囲気下において、酸素イオン伝導性と電子伝導性の双方の性質(以下、混合伝導性とも呼ぶ)を有する層(以下、混合伝導体層とも呼ぶ)である。主層12は、例えば、混合伝導性を有する単一相の複合酸化物により構成することができる。混合伝導性を有する複合酸化物としては、LaGaO3系化合物において、SrをLaサイトに添加すると共に、FeをGaサイトに添加したペロブスカイト構造を有するLSGF系酸化物を挙げることができる。具体的には、例えば、組成式(La0.6Sr0.4)(Ga0.6Fe0.4)O3-δで表わされる複合酸化物を挙げることができる。あるいは、混合伝導性を有する他の複合酸化物として、SrCoO3系化合物において、BaをSrサイトに添加すると共に、FeをCoサイトに添加したペロブスカイト構造を有するBSCF系酸化物を挙げることができる。具体的には、例えば、組成式(Ba0.5Sr0.5)(Co0.8Fe0.2)O3-δで表わされる複合酸化物を挙げることができる。主層12を構成する複合酸化物は、少なくとも酸化雰囲気下において混合伝導性を有していれば良く、上記以外のペロブスカイト構造を有する酸化物を用いても良い。また、ペロブスカイト構造を有する酸化物以外にも、種々の構造の酸化物を選択可能である。例えば、層状ペロブスカイト構造を有する酸化物、蛍石型構造を有する酸化物、オキシアパタイト構造を有する酸化物、メリライト構造を有する酸化物などを用いることもできる。なお、以下の説明を含めて、組成式中に現われるδの値は、複合酸化物を構成する金属元素の割合に応じて酸素原子の量が変動することを示す値である。
あるいは、主層12は、酸素イオン伝導性を有する酸化物と、電子伝導性を有する物質との混合物により構成することもできる。酸素イオン伝導性を有する酸化物としては、希土類酸化物をジルコニアに固溶させた安定化ジルコニアを用いることができる。具体的には、例えば、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)等の安定化ジルコニアや、部分安定化ジルコニアを用いることができる。あるいは、酸素イオン伝導性を有する他の酸化物として、セリウム系複合酸化物を挙げることができる。具体的には、例えば、ガドリニウム(Gd)固溶セリア(ガドリアドープセリア、GDC)や、サマリウム(Sm)固溶セリア(サマリアドープセリア、SDC)を挙げることができる。
上記のように、主層12を、酸素イオン伝導性を有する酸化物と、電子伝導性を有する物質との混合物により構成する場合に、電子伝導性を有する物質としては、LaMnO3系化合物において、SrをLaサイトに添加したペロブスカイト構造を有するLSM系酸化物を挙げることができる。具体的には、例えば、組成式La0.6Sr0.4MnO3-δで表わされる複合酸化物を挙げることができる。また、電子伝導性を有する他の物質として、CaTiO3やBaTiO3等のペロブスカイト構造を有する複合酸化物を挙げることができる。あるいは、電子伝導性を有するさらに他の物質として、スピネル型結晶構造を有するフェライトを挙げることができる。具体的には、例えば、MnFe24を挙げることができる。また、主層12を構成する電子伝導性を有する物質は、上記のような酸化物以外の物質でも良い。例えば、貴金属等の金属材料を用いても良い。
また、主層12は、混合伝導性を有する複合酸化物と、電子伝導性を有する物質の混合物により構成することもできる。あるいは、主層12は、混合伝導性を有する複合酸化物と、酸素イオン伝導性を有する酸化物の混合物により構成しても良い。ここで、混合伝導性を有する複合酸化物や、電子伝導性を有する物質や、酸素イオン伝導性を有する酸化物としては、既述した種々の酸化物等を用いることができる。
主層12は、例えば、固相反応法により形成することができる。固相反応法とは、酸化物や、炭酸塩、あるいは硝酸塩などの粉末原料を、作製すべき酸化物の組成に応じて、上記粉末原料中の金属元素が所定の割合となるように秤量、混合した後、熱処理を行って、所望の酸化物を合成する周知の方法である。あるいは、主層12は、溶射によって形成することも可能である。
第二層14は、酸素イオン伝導性を有する酸化物として、希土類元素を固溶したセリウム酸化物を備える層である。本実施形態では、第二層14は、主層12よりも薄く形成されている。第二層14を構成する、希土類元素を固溶したセリウム酸化物としては、例えば、ガドリニウム(Gd)固溶セリア(ガドリアドープセリア、GDC)や、サマリウム(Sm)固溶セリア(サマリアドープセリア、SDC)を挙げることができる。このような酸素イオン伝導性を示すセリウム酸化物は、還元雰囲気下では、酸素イオン伝導性に加えて、さらに電子伝導性を発現するという性質を有している。既述したように、第二層14は、改質燃料流路16側に配置されるため、還元雰囲気下に配置されることになる。そのため、酸素透過膜10を備える改質器20を動作させる際には、第二層14は、酸素イオン伝導性と共に、電子伝導性を示す。
さらに、第二層14を構成するセリウム酸化物は、チタン族元素であるジルコニウム(Zr)およびハフニウム(Hf)の少なくとも一種の元素が固溶されていることとしても良い。これらの元素をさらに固溶させるならば、第二層14において、還元雰囲気下での電子伝導性を高めることができ、その結果、第二層14全体の酸素透過性を高めることができる。ジルコニウム(Zr)およびハフニウム(Hf)は、同じ第4族元素に属しており、化学的な特性を決める原子半径やイオン半径がほぼ同じであって、類似する性質を有している。これらの元素を添加することにより第二層14における電子伝導性が高まる機構は、以下のように考えられる。すなわち、第二層14を構成するセリウム酸化物に、イオン半径が小さいジルコニウムイオン(Zn4+)やハフニウムイオン(Hf4+)を導入すると、結晶構造的に、4価のセリウムイオン(Ce4+)よりも、イオン半径の大きい3価のセリウムイオン(Ce3+)が存在し易くなる。その結果、このようなセリウムイオンの価数の変化により、電子あるいはホールが存在し易くなり、電子伝導性が高まると考えられる。
第二層14は、例えば、pechini法により形成することができる。pechini法とは、金属イオンとクエン酸とのキレート化合物とエチレングリコールなどのポリアルコールとのエステル化反応で前駆体を作製し、熱処理によって酸化物粒子を得る方法である。pechini法は、分子レベルでの各構成元素の混合状態に優れる混合粉末が得られる液相法として知られている。あるいは、第二層14は、PVD法(物理気相蒸着法)、具体的には、例えばPLD法(パルスレーザー堆積法)により形成することも可能である。第二層14は、その他にも、ディップ法、溶射、スパッタ法など、種々の成膜方法により、主層12上に形成することができる。
第二層14の厚みは、例えば、0.9μm以上とすることが好ましく、1.0μm以上とすることがさらに好ましい。第二層14は、後述するように、還元雰囲気下から酸素透過膜10を保護する保護層としての機能を有するが、第二層14の厚みを0.9μm以上とすることで、上記した保護層としての効果を確保することができる。すなわち、第二層14において、成膜のムラが生じたり、微細なクラックが生じる可能性を考慮すると、膜厚を0.9μm以上とすることで、第二層14の緻密さの確保と、主層12を保護する機能の確保についての信頼性を高めることができる。なお、第二層14を、充分に緻密に形成して、主層12の保護層としての機能を確保することが可能であれば、第二層14の厚みを0.9μm未満としても良い。
また、第二層14の厚みは、例えば、100μm以下とすることが好ましい。第二層を構成する希土類元素を固溶したセリウム酸化物は、既述したように、還元雰囲気下において電子伝導性を示す。しかしながら、通常は、第二層14の電子伝導性は、混合伝導性を有する複合酸化物や電子伝導性を有する既述した物質を備える主層12の電子伝導性には及ばない。そのため、酸素透過膜10全体の電子伝導性を確保するために、第二層14の厚みは100μm以下とすることが望ましい。なお、第二層14を構成する酸化物の電子伝導性がより高く、酸素透過膜10全体の電子伝導性を許容できる程度に確保できる場合には、第二層14の厚みを、100μmよりも厚くすることも可能である。
以上のように構成された本実施形態の酸素透過膜10によれば、改質燃料流路16側の第二層14が、希土類元素を固溶したセリウム酸化物を備えるため、酸素透過膜10の耐還元性を高め、酸素透過膜10および改質器20の耐久性を向上させることができる。混合伝導性を有する複合酸化物や、電子伝導性を有する複合酸化物は、一般に、還元雰囲気下に曝されると、本来の混合伝導性や電子伝導性が次第に低下するという性質を示す。混合伝導性を有する複合酸化物とは、既述したように、ペロブスカイト構造や、層状ペロブスカイト構造、蛍石型構造、オキシアパタイト構造、メリライト構造等を有する酸化物を含む。また、電子伝導性を有する複合酸化物とは、既述したように、ペロブスカイト構造やスピネル型結晶構造等を有する酸化物を含む。このように混合導電性や電子伝導性が次第に低下するのは、上記した酸化物が還元雰囲気下に曝されると、結晶構造中の酸素原子が抜き取られて構造変化が起こるためである。そのため、改質器に組み込んで用いる酸素透過膜を、本実施形態の主層12のみからなる構成とする場合には、酸素透過膜において、燃料流路側で構造変化が進行して、酸素透過性能が次第に低下する。これに対して、本実施形態では、第二層14を設け、還元雰囲気下に曝される改質燃料流路側の表面を、希土類元素を固溶したセリウム酸化物で覆っているため、酸素透過膜の耐還元性を高めることができる。すなわち、主層12は、第二層14によって保護されているため、還元雰囲気下に直接曝されることが無く、性能低下を引き起こす構造変化が抑制される。また、第二層14は、セリウム酸化物系の酸化物によって構成されるため、還元雰囲気下に曝されても、性能低下が起こりにくい。その結果、酸素透過膜10全体の性能低下を抑制することができる。
ここで、セリウム酸化物系の酸素イオン伝導体の耐還元性が高いのは、セリウム酸化物系の酸素イオン伝導体が、酸素が引き抜かれて(Ceが還元されて)セリウムの価数が変化しても、酸素イオン伝導性を有する結晶構造を維持する柔軟性を有するためと考えられる。本実施形態の酸素透過膜10では、このように耐還元性が高い酸素イオン伝導体であって、還元雰囲気下では電子伝導性をも示すセリウム酸化物系酸素イオン伝導体を用いて第二層14を構成しているため、改質器に用いる酸素透過膜の耐久性を向上させることができる。
なお、酸素透過膜10は、改質燃料流路16側の第二層14の表面に、部分酸化反応を進行させるための触媒を備えていても良い。表面に触媒を有する場合であっても、触媒には、改質燃料流路16中の改質燃料と、酸素透過膜10を透過した酸素の双方が供給される必要があるため、第二層14における触媒との界面近傍は、還元雰囲気となる。そのため、本実施形態の酸素透過膜10を用いることにより、改質燃料流路16側の表面に設けられた触媒との界面近傍において、酸素透過膜を構成する複合酸化物の構造変化を抑制し、酸素透過膜の耐還元性を確保する同様の効果を得ることができる。
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
実施形態の酸素透過膜10は、図1に示すように自立膜としたが、異なる構成としても良い。例えば、多孔質体から成る担体(基材、支持体)の面上に成膜された膜であっても良い。多孔質な担体上に、例えば、PLD法等のPVD法や、ディップ法、溶射、スパッタ法などにより、主層12と第二層14とを形成すればよい。主層12と第二層14のいずれを担体側に設けても良いが、主層12側に空気流路18を設け、第二層14側に改質燃料流路16を設けることで、実施形態と同様の効果を得ることができる。
実施形態の改質器20では、主層12側に空気を供給したが、異なる構成としても良い。酸素透過膜10は、酸素を特異的に透過させる膜であるため、種々の酸素含有ガスを用いることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例の記載に限定されるものではない。
図2は、サンプル1〜サンプル13まで13種類の酸素透過膜を作製し、その性能を調べた結果を表にして示す説明図である。以下に、各サンプルの構成および製造方法と、性能を評価した結果について説明する。
A.各サンプルの作製:
[サンプル1〜4、サンプル9,10]
サンプル1〜4、およびサンプル10は、図1に示した酸素透過膜10と同様に、主層12および第二層14を備えている。ここで、サンプル1〜4、およびサンプル10の主層12は、組成式(La0.6Sr0.4)(Ga0.6Fe0.4)O3-δで表わされるLSGF系複合酸化物によって構成した。また、サンプル1〜4、およびサンプル10の第二層14は、20mol%ガドリアドープセリア(GDC)によって構成した。サンプル1〜4、およびサンプル10は、第二層14の膜厚が互いに異なっている。なお、サンプル9は、第二層14を備えておらず、サンプル1〜4、およびサンプル10の主層12を構成するLSGF系複合酸化物と同じ酸化物によって構成されている。以下の説明では、サンプル9については、サンプル9全体を主層12とも呼ぶ。
以下に、サンプル1〜4、およびサンプル9,10の、主層12の作製方法について説明する。主層12は、固相反応法により形成した。まず、原料粉末としてLa23(99.9%)、SrCO3(99.9%)、Ga23(99.9)%、Fe23(99.9%)を用意し、金属元素の割合が、既述した組成式の組成比になるように秤量した。そして、ZrO2ボールと樹脂ポットを用いて、エタノールと共に、これらの原料粉末について湿式混合粉砕を15時間行なった。得られた混合粉末は、加熱乾燥によりエタノールを除去後、アルミナ坩堝に入れて5℃/minの昇温速度で1000℃まで昇温させ、1000℃にて6時間仮焼成して、仮焼粉を得た。さらに、この仮焼粉に分散剤とバインダを加え、エタノールを用いて既述した条件と同様の条件で湿式混合粉砕を行ない、乾燥させた後、ハンドプレスを用いて15kNの力を30秒間加え、直径が20mm(Φ20mm)のペレットに圧粉成形した。得られたペレットを白金(Pt)箔上に載置し、1500℃で6時間本焼成を行ない、ペレット状のLSGF薄膜を作製した。得られたLSGF薄膜を研磨して厚みを1mmとしたものを、主層12として用いた。
以下に、上記LSGF薄膜上に第二層14を形成して、酸素透過膜を得る方法について説明する。まず、サンプル2〜4について説明する。サンプル2〜4の第二層14を形成するためのガドリアドープセリアは、以下に説明するpechini法により作製した。まず、原材料となる硝酸セリウム、硝酸ガドリニウム、水、クエン酸、およびプロピレングリコールを準備した。そして、アルミナ坩堝を用いて、クエン酸重量の0.5倍の水でクエン酸を溶解した。次いで、このクエン酸水溶液にプロピレングリコールを投入して混合し、溶解させた。そして、さらに、硝酸セリウムおよび硝酸ガドリニウムを加えて80℃まで昇温し、これらの硝酸塩を完全に溶解させた。なお、硝酸セリウムおよび硝酸ガドリニウムは、ガドリニウム元素とセリウム元素の合計に対するガドリニウム元素のモル比が20%となるように混合した。さらに、上記した硝酸塩を溶解させた溶液を1時間攪拌混合した後、10℃/minの昇温速度で樹脂化させながら300℃まで昇温させ、300℃にて3時間放置した。その後、脱脂炉を用いて400℃まで昇温させて、完全に炭化させた。得られた炭化粉末を5℃/minの昇温速度で昇温させ、1000℃にて1時間仮焼して、20mol%ガドリアドープセリア(GDC)を得た。
得られたGDCの仮焼粉に溶剤を加えてペーストを作製し、このペーストを用いて、主層12として作製した既述したLSGF薄膜の片面上にスクリーン印刷を行なった。このスクリーン印刷によって、ペーストの膜厚が、10μm(サンプル2)、100μm(サンプル3)、200μm(サンプル4)の3種類のサンプルを作製した。スクリーン印刷によって形成されるペーストの膜厚は、乳剤厚と、ペースト粘度と、印刷回数を変更することにより調節した。スクリーン印刷の後、ペーストを塗布したLSGF薄膜を1150℃で5時間焼成することにより、サンプル2、3、4の酸素透過膜を得た。
以下に、サンプル1および10について説明する。サンプル1および10の第二層14は、PVD法(物理気相蒸着法)の一種であるPLD法(パルスレーザー堆積法)により、KrFレーザを用いて形成した。PLD法により第二層14を形成する際には、既述したサンプル2〜4の第二層14を形成するために作製したセリウム系酸化物と同じ組成の20mol%ガドリアドープセリアを、ターゲットとして用いた。成膜条件は、基板温度が800℃、雰囲気中の酸素分圧が8×10-2Pa、パルス発信周波数が10Hz、1パルス当たりのエネルギが180mJ/pulse、とした。成膜時の膜厚の目標値は、0.5μm(サンプル10)と、1μm(サンプル1)の2種類とした。このように、PLD法によって、LSGF薄膜上に20mol%ガドリアドープセリアの層を形成することにより、サンプル1、10の酸素透過膜を得た。
上記のようにして得られたサンプル1〜4、10の酸素透過膜について、各々の断面をSEM(走査型電子顕微鏡)にて観察し、第二層14の厚みを測定した。第二層14の厚みは、0.51μm(サンプル10)、0.98μm(サンプル1)、10.7μm(サンプル2)、102μm(サンプル3)、195μm(サンプル4)であった(図2参照)。
図3は、X線回折法により第二層14の表面の構造を調べた結果である回折パターンを示し、図4は、X線回折法により主層12の表面の構造を調べた結果である回折パターンを示す。図3および図4では、一例としてサンプル1についての結果を示す。主層12の表面の構造は、第二層14を有する酸素透過膜については、一旦形成した第二層14を研磨により除去した後に調べた。図3に示すように、第二層14の表面では、ガドリアドープセリアの組成に由来するピークが得られており、第二層14の表面が単相であることが確認された。サンプル1以外の、サンプル2〜4、10においても同様であった。また、図4に示すように、主層12の表面では、既述したLSGFの組成に由来するピークが得られており、主層12の表面が単相であることが確認された。サンプル1以外の、サンプル2〜4、9、10についても、同様の結果が得られた。
[サンプル5、サンプル11]
サンプル5は、図1に示した酸素透過膜10と同様に、主層12および第二層14を備えている。ここで、サンプル5の主層12は、組成式(Ba0.5Sr0.5)(Co0.8Fe0.2)O3-δで表わされるBSCF系複合酸化物によって構成した。また、サンプル5の第二層14は、20mol%サマリアドープセリア(20SDC)によって構成した。なお、サンプル11は、第二層14を備えておらず、サンプル5の主層12を構成するBSCF系複合酸化物と同じ酸化物によって構成されている。以下の説明では、サンプル11については、サンプル11全体を主層12とも呼ぶ。
サンプル5、11の主層12は、固相反応法により形成した。具体的には、原料粉末として、BaCO3(99.9%)、SrCO3(99.9%)、CoO(99.9)%、Fe23(99.9%)を用い、本焼成の温度を1200℃とした以外は、サンプル1〜4、8、9と同様にして主層12を形成した。これにより、サンプル5の主層12と、サンプル11の酸素透過膜を得た。
また、サンプル5の第二層14は、pechini法により形成した。具体的には、原材料として硝酸ガドリニウムに代えて硝酸サマリウムを用いた以外は、サンプル2〜4と同様にして、主層12上に第二層14を形成し、サンプル5の酸素透過膜を得た。サンプル5では、ペーストをスクリーン印刷する際の膜厚は10μmとしており、得られた酸素透過膜の第二層14の厚みをSEMを用いて測定した結果は、10.2μmであった(図2参照)。また、サンプル5の主層12および第二層14と、サンプル11の主層12の表面についても、サンプル1〜4、サンプル9,10と同様にX線回折パターンを調べ、所望の組成の単相であることを確認した。
[サンプル6、サンプル12]
サンプル6は、図1に示した酸素透過膜10と同様に、主層12および第二層14を備えている。ここで、サンプル6の主層12は、酸素イオン導電性酸化物である8mol%Y23安定化ジルコニア(YSZ)と、電子伝導性複合酸化物であるLa0.6Sr0.4MnO3-δ(LSM)の混合物により形成した。また、サンプル6の第二層14は、サンプル1〜4、10の第二層14と同じGDCに、20mol%ZrO2を添加した酸化物(図2では、20ZrO2−GDCと記載)によって構成した。なお、サンプル12は、第二層14を備えておらず、サンプル6の主層12と同様の混合物によって構成されている。以下の説明では、サンプル12については、サンプル12全体を主層12とも呼ぶ。
サンプル6、12の主層12を作製するために用いる8mol%Y23安定化ジルコニアとしては、東ソー株式会社製のTZ−8Y粉末を用いた。サンプル6、12の主層12を作製するために用いるLSM系複合酸化物は、固相反応法により形成した。具体的には、サンプル1〜4、9、10の主層12を構成するLSGF系複合酸化物と同様にして作製した。このとき、原料粉末としては、La23(99.9%)、SrCO3(99.9%)、Mn23(99.9%)を用いた。また、仮焼条件は、1100℃で2時間とした。仮焼の後にペレットを作製する際には、全体に対する仮焼物の体積比が30%となるように、仮焼物と、YSZ粉末とを混合した。ペレットを本焼成する条件は、1250℃で1時間とした。本焼成の後に研磨を行なって厚みを1mmとすることにより、サンプル6の主層12と、サンプル12の酸素透過膜を得た。
また、サンプル6の第二層14は、サンプル2〜4の第二層14と同様にして、pechini法により形成した。その際、サンプル6では、GDCにさらに20mol%のZrO2を添加して、酸素透過膜を得た。具体的には、クエン酸水溶液とプロピレングリコールの混合溶液に、硝酸セリウムおよび硝酸ガドリニウムを混合する際に、セリウム元素とガドリニウム元素とジルコニウム元素の合計モル数に対するジルコニウム元素のモル数の割合が20%となるように、硝酸ジルコニウムを加えた。また、ZrO2を添加したGDCの仮焼粉を含むペーストを用いてスクリーン印刷する際の膜厚は10μmとした。スクリーン印刷の後にさらに焼成を行なって得られた酸素透過膜の第二層14の厚みをSEMを用いて測定した結果は、10.1μmであった(図2参照)。
[サンプル7、サンプル13]
サンプル7は、図1に示した酸素透過膜10と同様に、主層12および第二層14を備えている。ここで、サンプル7の主層12は、酸素イオン導電性酸化物である20mol%ガドリアドープセリア(GDC)と、電子伝導性複合酸化物であるMnFe24の混合物により形成した。また、サンプル7の第二層14は、サンプル1〜4、10と同様に、20mol%ガドリアドープセリア(GDC)によって構成した。なお、サンプル13は、第二層14を備えておらず、サンプル7の主層12と同様の混合物によって構成されている。以下の説明では、サンプル13については、サンプル13全体を主層12とも呼ぶ。
サンプル7、13の主層12を作製するために用いる20mol%ガドリアドープセリア(GDC)は、pechini法によって作製した。このとき、サンプル1〜4、10の第二層14を構成するGDCを作製する場合と同様の工程を、仮焼まで行なった。その後、純度99.9%の市販のMnFe24粉末を、全体に対する体積比が30%となるように仮焼物と混合してペレット状に成形し、1300℃で1時間、本焼成を行なった。本焼成の後に研磨を行なって厚みを1mmとすることにより、サンプル7の主層12と、サンプル13の酸素透過膜を得た。
また、サンプル7の第二層14は、サンプル2〜4の第二層14と同様にして、pechini法により形成した。このとき、サンプル7では、ペーストをスクリーン印刷する際の膜厚は10μmとしており、得られた酸素透過膜の第二層14の厚みをSEMを用いて測定した結果は、9.9μmであった(図2参照)。
[サンプル8]
サンプル8は、図1に示した酸素透過膜10と同様に、主層12および第二層14を備えている。ここで、サンプル8の主層12は、サンプル1〜4、9、10と同様に、組成式(La0.6Sr0.4)(Ga0.6Fe0.4)O3-δで表わされるLSGF系複合酸化物によって構成した。また、サンプル8の第二層14は、サンプル6の第二層14と同様に、GDCに20mol%ZrO2を添加した酸化物によって構成した。
サンプル8の主層12は、サンプル1〜4,9、10の主層12と同様にして形成した。また、第二層14は、サンプル6の第二層14と同様にして形成した。このとき、ZrO2を添加したGDCの仮焼粉を含むペーストを用いてスクリーン印刷する際の膜厚は10μmとした。スクリーン印刷の後にさらに焼成を行なって得られた酸素透過膜の第二層14の厚みを、SEMを用いて測定した結果は、10.0μmであった(図2参照)。
B.酸素透過特性の測定:
図5は、各酸素透過膜の酸素透過特性を測定するための装置の一例として、測定装置30の概略構成を表わす説明図である。測定装置30は、2本の透明石英管31,32と、アルミナチューブ33,34と、電気炉35と、熱電対36と、を備える。2本の透明石英管31,32は、上下に配置され、その間に各サンプルを挟んで測定を行なう。透明石英管31とサンプルとを接合する際には、サンプル上に内径10mmの金の薄膜リングを載置し、その上に透明石英管31を押し付けて、1050℃に昇温して金を軟化させ、ガスシール性を確保した。透明石英管31,32の内側には、アルミナチューブ33,34を配置した。酸素透過特性の測定の際には、アルミナチューブ33には5%水素含有ガス(バランスガスはヘリウム)を流し、アルミナチューブ34には空気を流した。透明石英管31,32は、電気炉35内に配置されており、透明石英管31,32に挟まれたサンプルは、電気炉35内の均熱部分に配置した。また、アルミナチューブ34内には、サンプル温度を測定するために、サンプルの近傍に達するように熱電対36を配置した。酸素透過特性の測定の際には、サンプル温度が1000℃に維持されるように電気炉35による加熱を行なった。各サンプルの内、第二層14を有するサンプルについては、第二層14側に5%水素含有ガスが供給されるように、サンプルを配置した。
上記した測定装置30において、空気側(透明石英管32側)から5%水素含有ガス側(透明石英管31側)へと、サンプル内を酸素が透過すると、酸素含有ガス側では水(水蒸気)が生じる。測定装置30から排出される酸素含有ガス中の水蒸気は、全て、透過した酸素由来であると考えられるため、排出された酸素含有ガス中の水蒸気濃度を鏡面露点計(東洋テクニカ製)または質量分析計(日本ベル製)を用いて測定し、透過した酸素量を算出した。このようにして算出した透過酸素量と、サンプルの透過面積とに基づいて、酸素透過流速密度j(02)を算出した。このとき、アルミナチューブ33を介して供給する5%水素含有ガス量と、アルミナチューブ34を介して供給する空気量は、マスフロコントローラを用いて、300mL/minとした。それぞれのサンプルについて、酸素透過開始時の酸素透過流速密度(初期値)と、酸素透過開始後5時間経過時の酸素透過流速密度(5h透過後)の値を求めた。図3では、各サンプルについて、酸素透過流速密度の初期値と、5時間経過後の酸素透過流速密度の値と、両者の比(5時間後の値/初期値)ηとを示している。
図3に示すように、主層12の構成が同じであれば、第二層14の有無に関わらず、酸素透過流速密度の初期値は、ほぼ同じであった(サンプル1〜3、8、10と、サンプル9を比較。サンプル5とサンプル11を比較。サンプル6とサンプル12を比較。サンプル7とサンプル13を比較)。しかしながら、第二層14を有していないサンプルでは、5時間経過後の酸素透過流速密度は、いずれも大きく低下した(サンプル9、11〜13を参照。)。これにより、第二層14を設けることで、酸素透過能の経時変化を抑制して、安定して高い酸素透過性能を維持可能となることが確かめられた。
なお、第二層14を有する場合に、第二層14の厚みが195μmであるサンプル4では、5時間経過後の酸素透過流速密度の低下は充分に抑制できるものの、酸素透過流速密度の初期値は、第二層14がより薄いサンプルよりも低い値となった。これは、主層12よりも電子伝導性が低い第二層14を厚くすることで、酸素透過膜全体の酸素透過性能が低下するためと考えられる。
また、第二層14を有していても、第二層14の厚みが0.51μmであるサンプル10では、第二層14の厚みが0.9μm以上のサンプル(サンプル1〜4)に比べて、5時間経過後の酸素透過流速密度の初期値に比べた低下の程度が大きかった。
また、第二層14をサマリアドープセリア(SDC)によって構成する場合には、第二層14をガドリアドープセリア(GDC)によって構成する場合に比べて、酸素透過流速密度の初期値が低くなった(サンプル5とサンプル2を比較)。しかしながら、第二層14をサマリアドープセリア(SDC)によって構成する場合であっても、第二層14をガドリアドープセリア(GDC)によって構成する場合と同様に、5時間経過後の酸素透過流速密度の低下を抑える十分な効果が得られた(いずれの場合も、ηは、ほぼ1であった)。
また、主層12の構成がBSCF系複合酸化物である場合(サンプル5、11)には、主層12の構成がLSGF系複合酸化物である場合に比べて、酸素透過流速密度の初期値が高かった(サンプル5とサンプル2とを比較。サンプル11とサンプル9とを比較)。
さらに、第二層14を構成する酸化物に、ZrO2をさらに添加した場合には、酸素透過流速密度の初期値と、5時間経過後の値とのいずれにおいても、より高い値が得られた(サンプル8とサンプル2とを比較)。
C.主層の結晶構造の変化:
各サンプルについて、酸素透過膜としての使用の前後での主層12の表面の結晶構造の変化を調べた。具体的には、図5に示すように酸素透過を行なわせて5時間が経過した後に、各サンプルを測定装置30から取り出し、X線回折法により主層12の表面の構造を調べた。ここで、第二層14を有するサンプルについては、第二層14を研磨により除去してから、主層12の第二層14側の表面についてX線回折法により結晶構造を確認した。
図6は、サンプル1とサンプル9について、X線回折パターンを比較した結果を示す説明図である。図6に示すように、第二層14を有するサンプル1では、酸素透過を開始して5時間経過後であっても、主層12の表面において、LSGFの結晶構造が維持されていることが確認された。これに対して、第二層14を有しないサンプル9では、酸素透過を開始して5時間経過後には、主層12の表面において、LSGFの結晶構造が失われていた。すなわち、LSGFの結晶構造が壊れて異種相となった。これは、主層12が直接に還元雰囲気に曝されることにより、主層12の表面が還元されたためと考えられ、その結果、酸素透過性能が大幅に低下したと考えられる。
このように、X線回折法の結果、主層12の表面が異種相となったことが確認されたサンプルについては、図3において、「異相の有無」を「有」とした。図3に示すように、第二層14を有しない全てのサンプルにおいて、異種相が確認された。また第二層14を有していても、第二層14の膜厚が0.51μmであるサンプル10では、異種相が確認された。これは、サンプル10では、第二層14の厚みが薄いため、主層12の保護層としての機能が不十分であったためと考えられる。すなわち、サンプル10のように第二層14が薄いと、第二層14に微細なポアが存在し、そのようなポアから主層12が還元雰囲気に曝されたと考えられる。
10…酸素透過膜
12…主層
14…第二層
16…改質燃料流路
18…空気流路
20…改質器
30…測定装置
31,32…透明石英管
33,34…アルミナチューブ
35…電気炉
36…熱電対

Claims (8)

  1. 一方の面に改質燃料が供給され、他方の面に酸素含有ガスが供給されたときに、前記他方の面側から前記一方の面側へと酸素イオンを透過させると共に、前記一方の面において前記改質燃料の部分酸化反応を進行させる酸素透過膜において、
    前記酸素透過膜は、
    複合酸化物を含み、少なくとも酸化雰囲気下において酸素イオン伝導性および電子伝導性を有し、ガス不透過な緻密層として形成される主層と、
    酸素イオン伝導性を有する酸化物である希土類元素を固溶したセリウム酸化物を含み、前記主層上に積層されて、ガス不透過に形成された第二層と、
    を備え、
    前記第二層が前記酸素透過膜の前記一方の面側となり、前記主層が前記酸素透過膜の前記他方の面側となるように配置して用いられ、
    前記第二層は、前記改質燃料に露出する前記酸素透過膜の面全体を覆うように形成されており、
    前記第二層の膜厚が、0.9μm以上であることを特徴とする
    酸素透過膜。
  2. 一方の面に改質燃料が供給され、他方の面に酸素含有ガスが供給されたときに、前記他方の面側から前記一方の面側へと酸素イオンを透過させると共に、前記一方の面において前記改質燃料の部分酸化反応を進行させる酸素透過膜において、
    前記酸素透過膜は、
    複合酸化物を含み、少なくとも酸化雰囲気下において酸素イオン伝導性および電子伝導性を有し、ガス不透過な緻密層として形成される主層と、
    酸素イオン伝導性を有する酸化物である希土類元素を固溶したセリウム酸化物を含み、前記主層上に積層されて、ガス不透過に形成された第二層と、
    を備え、
    前記酸素透過膜は、自立膜であり、
    前記第二層の膜厚が、0.9μm以上であることを特徴とする酸素透過膜。
  3. 請求項2記載の酸素透過膜であって、
    前記第二層を前記酸素透過膜の前記一方の面側に配置し、前記主層を前記酸素透過膜の前記他方の面側に配置して用いられることを特徴とする
    酸素透過膜。
  4. 請求項1ないしいずれか記載の酸素透過膜であって、
    前記第二層に含まれる前記希土類元素を固溶したセリウム酸化物は、希土類元素に加えて、ジルコニウム(Zr)とハフニウム(Hf)の少なくとも一種の元素がさらに固溶されていることを特徴とする
    酸素透過膜。
  5. 請求項1ないしいずれか記載の酸素透過膜であって、
    前記主層は、少なくとも酸化雰囲気下において酸素イオン伝導性および電子伝導性を有する複合酸化物を含むことを特徴とする
    酸素透過膜。
  6. 請求項1ないしいずれか記載の酸素透過膜であって、
    前記主層は、酸素イオン伝導性を有する第1の酸化物と、電子伝導性を有する第2の酸化物の混合物によって構成されることを特徴とする
    酸素透過膜。
  7. 請求項記載の酸素透過膜であって、
    前記第1の酸化物は、セリウム系複合酸化物と、希土類酸化物をジルコニアに固溶させた安定化ジルコニアとから選択される酸化物であることを特徴とする
    酸素透過膜。
  8. 請求項または記載の酸素透過膜であって、
    前記第2の酸化物は、フェライト構造とペロブスカイト構造から選択される構造を有する複合酸化物であることを特徴とする
    酸素透過膜。
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