JP2005093377A - ゲル電解質とその製造方法とその利用 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電解質塩とこの電解質塩のための溶媒とポリマーマトリックスからなるゲル状組成物において、上記ポリマーマトリックスが一般式(I)
【化1】
(式中、Rは2価の有機基を示し、R1 は(n+1)価の炭化水素基を示し、Xは一般式(II)
【化2】
(式中、R2 は水素原子又はメチル基を示す。)
で表される1価基を示し、nは1、2又は3を示し、nが1であるとき、x及びyは共に1であり、nが2であるとき、x及びyはそれぞれ独立に0、1又は2であり、且つ、x+y≧2であり、nが3であるとき、x及びyはそれぞれ独立に0、1、2又は3であり、且つ、x+y≧2である。)
で表される多官能性(メタ)アクリレートを重合させてなる架橋ポリマーからなる。
【選択図】なし
Description
で表される1価基を示し、nは1、2又は3を示し、nが1であるとき、x及びyは共に1であり、nが2であるとき、x及びyはそれぞれ独立に0、1又は2であり、且つ、x+y≧2であり、nが3であるとき、x及びyはそれぞれ独立に0、1、2又は3であり、且つ、x+y≧2である。)
で表される多官能性(メタ)アクリレートを重合させてなる架橋ポリマーからなることを特徴とするゲル電解質が提供される。
で表される1価基を示し、nは1、2又は3を示し、nが1であるとき、x及びyは共に1であり、nが2であるとき、x及びyはそれぞれ独立に0、1又は2であり、且つ、x+y≧2であり、nが3であるとき、x及びyはそれぞれ独立に0、1、2又は3であり、且つ、x+y≧2である。)
で表される多官能性(メタ)アクリレートを含む溶液に加熱又は活性放射線の照射を施し、上記二官能性(メタ)アクリレートを重合させて、架橋ポリマーを生成させ、この架橋ポリマーからなるマトリックス中に上記電解質塩と溶媒とを保持させたゲルを形成させることを特徴とするゲル電解質の製造方法が提供される。
で表されるオキシカルボン酸と一般式(IV)
で表されるジアミンを反応させて、一般式(V)
で表される上記ジアミン(IV)のジアミドとし、これを反応溶剤(例えば、トルエン)中、適宜の触媒(例えば、ジ−n−ブチルスズジラウレート)の存在下に2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネートと反応させることによって得ることができる。従って、本発明において、上記多官能性(メタ)アクリレートの有する2価の有機基Rは、その製造のための原料として用いた上記ジアミン(IV)の残基(即ち、ジアミンから2つのアミノ基を除いた基)である。
で表される二官能性(メタ)アクリレートを得ることができる。
(i)ジアミドの合成
エチレンジアミン42.3gと12−ヒドロキシステアリン酸430.1gを混合し、180℃で6時間、攪拌下、反応水を除去しながら、反応を行った。得られた反応生成物をトルエンとメタノールとの混合溶剤から晶析して、ジアミドを得た。
上記ジアミド22.3gをトルエン1Lに加え、加熱、溶解させ、共沸させて、水分を除去した。70℃まで冷却した後、攪拌下、これに2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート14.2g、ジ−n−ブチルスズジラウレート55mg及びトルエン100mLの混合物を10分かけて滴下した後、80℃で14時間攪拌して、反応を行った。反応終了後、室温まで冷却し、析出した反応生成物を濾過し、トルエンとメタノールとの混合溶剤から晶析させて、次式(1)で表される二官能性メタクリレートを得た。
プロトンNMRスペクトル(400MHz、重DMSO溶媒、δ(ppm)):
(i)ジアミドの合成
オクタメチレンジアミン20.7gと12−ヒドロキシステアリン酸87.7gを混合し、180℃で6時間、攪拌下、反応水を除去しながら、反応を行った。得られた反応生成物をトルエンとメタノールとの混合溶剤から晶析して、ジアミドを得た。
上記ジアミド11.1gをトルエン1Lに加え、加熱、溶解させ、共沸させて、水分を除去した。70℃まで冷却した後、攪拌下、これに2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート6.3g、ジ−n−ブチルスズジラウレート17mg及びトルエン100mLの混合物を10分かけて滴下した後、80℃で10時間攪拌して、反応を行った。反応終了後、室温まで冷却し、析出した反応生成物を濾過し、トルエンとメタノールとの混合溶剤から晶析させて、次式(2)で表される二官能性メタクリレートを得た。
質量分析による分子量(ESI法):(M+H)+ =1020(13C同位体の効果によって1質量多く観察される。)
アルゴン置換したグローブボックス中、エチレンカーボネート/ジエチルカーボネート混合溶媒(容量比1/2)に1.4モル/L濃度となるように電解質塩ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)を溶解させて、電解液を調製した。この電解液97.0gに参考例1で調製した二官能性メタクリレート3.0gを加え、室温で攪拌して溶解させ、この後、更に、過酸化ベンゾイル0.06gを加え、室温で攪拌、溶解させて、溶液Aを調製した。
試験のために、この溶液Aをアルゴン置換したグローブボックス中、ガラス瓶中に入れ、密封した後、80℃の恒温器中に1時間投入して、上記二官能性メタクリレートを重合させ、架橋ポリマーを形成させて、自立性のゲル電解質を得た。このゲル電解質は、これを密封状態のまま、80℃の恒温器内に5日間放置したが、液状物の分離はみられず、ゲル状態を保っていた。
ポリエチレン樹脂製多孔質膜(厚さ25μm、空孔率50%、平均孔径0.1μm)、コバルト酸リチウムを活物質とする正極及び天然黒鉛を活物質とする負極にそれぞれ上記溶液Aを含浸させた後、これら負極、ポリエチレン樹脂製多孔質膜及び正極をこの順序で正負電極板を兼ねる電池缶(2016サイズのコイン電池用電池缶)に仕込み、負極/ポリエチレン樹脂製多孔質膜/正極からなる積層体を缶内で形成して、コイン電池の仕掛品を作製した。次いで、この電池の仕掛品を80℃の恒温器中に1時間投入し、上記二官能性メタクリレートを重合させ、架橋ポリマーを形成させて、ゲル電解質を形成させ、コイン型リチウムイオン二次電池を作製した。
実施例1の溶液Aの調製において、参考例1で調製した二官能性メタクリレートに代えて、参考例2で調製した二官能性メタクリレートを用いた以外は、溶液Aの調製と同様にして、溶液Bを調製した。
この溶液Bを用いて、実施例1と同様にして、自立性のゲル電解質を得た。このゲル電解質は、実施例1と同じ耐熱性試験において液状物の分離はみられず、ゲル状態を保っていた。
上記溶液Bを用いて、実施例1と同様にして、コイン型電池を作製し、実施例1と同じ条件下で評価した電解質の放電負荷特性は87%であった。
アルゴン置換したグローブボックス中、エチレンカーボネート/ジエチルカーボネート混合溶媒(容量比1/2)に1.4モル/L濃度となるように電解質塩ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)を溶解させて、電解液を調製した。この電解液97.0gにノナエチレングリコールジメタクリレート3.0gを加え、室温で攪拌、溶解させ、更に、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.06gを加えて、溶液Pを調製した。
この溶液Pをアルゴン置換したグローブボックス中、ガラス瓶中に入れ、密封した後、80℃の恒温器中に1時間投入したが、溶液のままであった。
アルゴン置換したグローブボックス中、エチレンカーボネート/ジエチルカーボネート混合溶媒(容量比1/2)に1.4モル/L濃度となるように電解質塩ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)を溶解させて、電解液を調製した。この電解液95.0gにノナエチレングリコールジメタクリレート5.0gを加え、室温で攪拌、溶解させ、更に、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1gを加えて、溶液Qを調製した。
この溶液Qをアルゴン置換したグローブボックス中、ガラス瓶中に入れ、密封した後、80℃の恒温器中に1時間投入して、自立性のゲル電解質を得た。このゲル電解質を密封状態のまま、80℃の恒温器に放置したところ、3日目にゲルが分解し始め、自立性を失った。
上記溶液Qを用いて、実施例1と同様にして、コイン型電池を作製し、実施例1と同じ条件下で評価した電解質の放電負荷特性は58%であった。
2…絶縁体
3…負極端子を兼ねる負極缶
4…正極
5…正極集電体
6…負極
7…負極集電体
8…膜状ゲル電解質
9…膜状ゲル電解質
10…集電体
11…電極
12…絶縁性封止材
13…端子
Claims (8)
- 電解質塩とこの電解質塩のための溶媒とポリマーマトリックスからなるゲル状組成物において、上記ポリマーマトリックスが一般式(I)
で表される1価基を示し、nは1、2又は3を示し、nが1であるとき、x及びyは共に1であり、nが2であるとき、x及びyはそれぞれ独立に0、1又は2であり、且つ、x+y≧2であり、nが3であるとき、x及びyはそれぞれ独立に0、1、2又は3であり、且つ、x+y≧2である。)
で表される多官能性(メタ)アクリレートを重合させてなる架橋ポリマーからなることを特徴とするゲル電解質。 - 2価の有機基Rがアルキレン基である請求項1に記載のゲル電解質。
- 一般式(I)において、nが1であり、R1 が2価の炭化水素基である請求項1に記載のゲル電解質。
- 基材多孔質膜に請求項1から3のいずれかに記載のゲル電解質を担持させてなる膜状ゲル電解質。
- 請求項1から4のいずれかに記載のゲル電解質を電解質として含む非水電解質電池。
- 請求項1から4のいずれかに記載のゲル電解質を電解質として含む非水電解質コンデンサ。
- 電解質塩とこの電解質塩のための溶媒と一般式(I)
で表される1価基を示し、nは1、2又は3を示し、nが1であるとき、x及びyは共に1であり、nが2であるとき、x及びyはそれぞれ独立に0、1又は2であり、且つ、x+y≧2であり、nが3であるとき、x及びyはそれぞれ独立に0、1、2又は3であり、且つ、x+y≧2である。)
で表される多官能性(メタ)アクリレートを含む溶液に加熱又は活性放射線の照射を施し、上記多官能性(メタ)アクリレートを重合させて、架橋ポリマーを生成させ、この架橋ポリマーからなるマトリックス中に上記電解質塩と溶媒とを保持させたゲルを形成させることを特徴とするゲル電解質の製造方法。 - 基材多孔質膜中において、電解質塩とこの電解質塩のための溶媒と一般式(I)
で表される1価基を示し、nは1、2又は3を示し、nが1であるとき、x及びyは共に1であり、nが2であるとき、x及びyはそれぞれ独立に0、1又は2であり、且つ、x+y≧2であり、nが3であるとき、x及びyはそれぞれ独立に0、1、2又は3であり、且つ、x+y≧2である。)
で表される多官能性(メタ)アクリレートを含む溶液に加熱又は活性放射線の照射を施し、上記二官能性(メタ)アクリレートを重合させて、架橋ポリマーを生成させ、この架橋ポリマーからなるマトリックス中に上記電解質塩と溶媒とを保持させたゲルを形成させることを特徴とする膜状ゲル電解質の製造方法。
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