JP2005082891A - 水素粉砕処理方法及びその装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 水素化処理後の崩壊合金粉末の冷却時間を短縮して生産性を高めるとともに、作業の手間を省くと同時に安全性を確保し、不活性ガスの使用量が少なく、全体にコンパクトでメンテナンスも容易な水素粉砕処理方法とそのための装置を提供する。
【解決手段】 外側にヒーターを備え、内部に大径の外管と中間径の中管と小径の内管からなる三重管式の冷却ユニットを備えた反応容器内に希土類磁石合金を装入し、前記反応容器内に水素ガスを充填し水素化し、次いで外側のヒーターを使用して反応容器内を加熱保持するとともに、発生する水素ガスを排気して脱水素処理を施した後、前記冷却ユニットの外管と中管との環状間隙部を真空排気した状態で内管と中管の間の環状空洞部に冷却媒体を流して、中管の温度を低下させた後、環状間隙部に冷却用ガスを導入し冷却能を高め、反応容器内の前記外管の外側にある崩壊合金粉末を冷却する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、希土類焼結磁石用の原料として用いられる希土類磁石合金の水素粉砕処理方法及びその装置に関するものである。
近年、パーソナルコンピューターおよびその周辺機器を始めとするエレクトロニクス機器の高性能化や小型化に伴い、高性能のNdFeB系焼結磁石の需要が増加している。また、エアーコンディショナーや冷蔵庫等の家電の電力消費量を低減させるために、あるいはハイブリッドタイプ等の電気自動車も含め、より高効率のモーターが求められ、これらの分野でも確実にNdFeB系焼結磁石の需要が増加している。
ところで、一般的にNdFeB系焼結磁石には耐熱性の向上あるいは経済性の観点から希土類元素としてNd以外にDyやPrがNdの一部を置換する形で添加されている。また、Feの一部は多くの場合キュリー点の上昇と耐食性の改善に効果のあるCoあるいはその他の遷移金属元素で置換されている。そのため以下ではNdの代わりにR(希土類元素)を、Feの代わりにT(遷移金属元素)を用いて、磁性相のNdFe14B相はR14B相と表現する。なお、工業的に用いられている合金は、R14B化学量論組成より特にRが過剰に含有され、合金中には磁性相R14B相とRを多く含むRリッチ相が存在する。
一般的に、Nd系焼結磁石をはじめとする希土類焼結磁石は、磁石合金を粉砕して作製した合金微粉末をプレス成形した後、焼結工程および時効工程を経て作製される。磁石合金の粉砕には通常ジェットミル等による最終微粉砕処理を行う前に、合金の水素吸蔵現象を利用した水素粉砕処理方法が併用されている。
希土類磁石合金を水素粉砕処理するには、例えばストリップキャスティング法で鋳造後粗粉砕した原料となる磁石材料薄片を、吸排気可能な容器内に充填し、この容器内において水素を合金に吸蔵させる。合金は水素吸蔵時の体積膨張によるクサビ効果と脆化現象により崩壊し、さらに微細なクラックが発生する。以下では、水素化処理後の合金粉末を崩壊合金粉末と呼ぶ。
例えば、Rが10〜30原子%、Bが2〜28原子、Feが65〜82原子%を主成分とする鋳塊を、所定の大きさのブロツクに破断して金属面を露出させた後、密閉容器に入れて空気を水素で置換し、次に200トル〜50kg/cm(26.7kPa〜4.9MPa)の水素ガスを供給し、水素を充分吸蔵させて自然崩壊させ、さらに、得られた合金粉を真空中またはアルゴン中で100〜500℃で加熱し、完全に脱水素処理する方法が提案されている(特許文献1参照)。この構成によると、粉末あるいは成形体の酸化を防止でき、酸化の進行に伴う磁気特性の低下を生じない永久磁石合金用の粉末が得られるとされている。
ところで、上述したような条件の脱水素処理では、磁性相を取り巻くRリッチ相は二水素化物として存在し、完全には脱水素されておらず、そのことがかえってRリッチ相を化学的に安定化させ酸化防止に役立っていることが知られている。
さらにそのような現象を利用した別の水素粉砕方法として、例えば、R、BおよびTを主成分とする磁石合金の温度を300〜600℃の範囲に昇温した後に水素化処理を施し、脱水素処理を施すことなく気流式粉砕機により磁石合金を粉砕し、表面付近に存在するRが二水素化物となっている合金粒子を含む合金粉末を得る方法が提案されている(特許文献2参照。)。この方法によれば、脱水素処理に要する時間が節約でき、さらに粒径の揃った合金粉末が得られるとされている。
なお、水素化処理工程では発熱反応を伴い、さらに高温に加熱して吸蔵水素を放出する必要がある。あるいは前述の別の水素化粉砕処理方法のように高温に加熱してから水素化処理を行う必要があり、高温に加熱した崩壊合金粉末は低温まで冷却しないと大気中では取り扱えない。密封容器内での加熱冷却をなるべく短時間で行って生産効率を高めるために、原料磁石合金を熱伝導率の良い材料で作製した水素粉砕用ケースに少量ずつ収容し、このようなケースを複数個同時に大容積の炉内に収容して、水素化処理/脱水素化を行こなう方法も提案されている(特許文献3参照。)。
この方法によれば、熱伝導率の良い材料で作製した水素粉砕用ケースに少量ずつ収容しているので加熱・冷却効率が良く、短時間で処理できるので生産性が良くなるとされている。
さらに、冷却効率を良くしかつ作業を安全に行うとともに粉砕された磁性粉の酸化を防止するために、水素粉砕処理後の前記崩壊合金粉末をケースからあけてロータリークーラーに装入し、連続的に充分に低温度まで冷却する方法も提案されている(特許文献4参照。)。
そして、水素粉砕処理炉から崩壊合金粉末を取り出してロータリークーラーに移す際に合金粉末が酸化されるのを防止するため、水素処理炉の取り出し口に密閉された取り出し室を設け、内部を不活性ガスで満たして作業を行う方法も提案されている(特許文献5参照。)。
これらの手段によれば水素炉内での冷却時間を短縮することができ、工程全体の生産効率を高め、作業を安全に行うとともに崩壊合金粉末の酸化を防止することができるとされている。
特開昭60−119701号公報 特開平5−234730号公報 特開2000−178612号公報 特開2000−303107号公報 特開2002−339005号公報
希土類磁石合金を水素粉砕処理するにあたって最大の課題は、水素化処理後の崩壊合金粉末の冷却時間を短縮して生産性を高めることである。脱水素工程では例えば500℃程度に加熱し、これを次工程で取り扱えるように室温まで冷却するまでには、従来の方法では早くても5時間以上を要しており、処理量が多くなるほど長時間要している。
特許文献4及び特許文献5に開示された方法では、冷却工程を効率化するため冷却した不活性ガスを被処理合金材料を充填した冷却室内に流し込む方法を採用しているが、風量や風速を上げると崩壊合金粉末の特に微粉が舞い上がり易く、組成ずれの原因となる難点がある。
また、被処理材料をケースに入れたり別の装置に移したりといった作業の繁雑さや、もともと可燃性の水素ガスを用いる装置である上に、化学的に活性な希土類元素を多く含む発火し易い金属微粉末を扱う作業であるため危険を伴い、安全性を確保するのが困難である。
本発明の目的は、これらの課題を解決し、水素化処理後の崩壊合金粉末の冷却時間を大幅に短縮し生産性を高めるとともに、作業の手間を省くと同時に安全性を確保し、不活性ガスの使用量が少なく、全体にコンパクトでメンテナンスも容易な、希土類磁石合金の水素粉砕処理方法とそのための装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の希土類磁石合金の水素粉砕処理方法の一つは、外側にヒーターを備え、内部に大径の外管と中間径の中管と小径の内管からなる三重管式の冷却ユニットを備えた水素粉砕処理用の反応容器内に希土類磁石合金を装入し、前記反応容器内に水素ガスを充填して100kPa〜1MPaに保持して水素化し、次いで外側のヒーターを使用して反応容器内を300℃〜600℃に加熱保持するとともに、発生するガスを排気して脱水素処理を施した後、前記冷却ユニットの外管と中管との環状間隙部を真空排気した状態で、内管の内部と内管と中管の間の環状空洞部で構成される経路に冷却媒体を流し、中管の管壁温度を低下させた後に外管と中管との環状間隙部に冷却促進ガスを導入し冷却能を高め、反応容器内の前記外管の外側にある崩壊合金粉末を冷却する水素粉砕処理方法を採用した。
他の方法は、外側にヒーターを備え、内部に大径の外管と中間径の中管と小径の内管からなる三重管式の冷却ユニットを備えた水素粉砕処理用の反応容器内に希土類磁石合金を装入し、真空排気後、外側のヒーターを使用して反応容器内を300℃〜600℃に加熱保持した後、前記反応容器内に水素ガスを充填し100kPa〜1MPaに保持して水素化し、その後真空排気して脱水素処理を施した後、前記冷却ユニットの外管と中管との環状間隙部を真空排気した状態で内管と中管の間の環状空洞部で構成される経路に冷却媒体を流し、引き続き外管と中管の間の環状間隙部に冷却促進ガスを導入することにより反応容器内の前記外管の外側にある崩壊合金粉末を冷却する方法とした。
このような方法を採用することにより、反応容器内に被処理材料となる希土類磁石合金を一度装入するだけで、水素化処理、脱水素化処理さらにそれに引き続く崩壊合金粉末の冷却工程を、連続して一つの装置内で行うことができるので、作業が簡単でしかも安全に処理することが可能となる。その上崩壊合金粉末が冷却ユニットの周囲に密着して存在し、伝熱面積が大きいのに加えて、外部からの冷却媒体を使用して間接的に強制冷却するので冷却時間が大幅に短縮され、水素粉砕処理の生産効率を大幅に向上させることができる。しかも粉末の飛散も起こらないので組成変動の心配もない。
さらに、水素化、脱水素化及び冷却工程まで含めて全ての反応を1室のみで行うバッチ式の装置であるにもかかわらず、原料合金の装入、水素粉砕処理後の崩壊合金粉末の排出を不活性雰囲気を保ったまま実施することも可能である。そのため、崩壊合金粉末の酸素濃度の低減も可能となり、最終製品である焼結磁石の特性向上にも役立つ。
本発明の水素粉砕処理方法においては、前記冷却促進ガスとしてヘリウムを用い、冷却媒体として空気、水を噴霧した空気および水を用いることができる。
あるいは、前記冷却促進ガスとしてヘリウムを用い、冷却媒体として空気及び水を用いることもできる。
このように、冷却媒体として、最初に空気を用いた後に水を噴霧した空気、次いで水を用いるといった順番に、あるいは最初に空気を用いた後、次いで水を用いるといった順番に、特に冷却ユニットを構成する中管の温度に応じて、段階的に冷却能の大きな冷却媒体を用いる。それにより、冷却管に熱衝撃を与えず、熱疲労、熱変形さらには腐食による損傷を起こすことがなくなり、装置の耐久性を高めた方法とすることができる。
冷却促進ガスとしては、ヘリウムを用いれば熱伝達能が高いので崩壊合金粉末の冷却を急速に進行させることが可能となる。
本発明で対象とする希土類磁石合金は、希土類元素Rとしてネオジム(Nd)、プラセオジム(Pr)、ジスプロシウム(Dy)およびテルビウム(Tb)を、遷移金属Tとして、鉄(Fe)、コバルト(Co)、アルミニウム(Al)および銅(Cu)を、さらにホウ素(B)を主成分とするR14B系磁石合金が好ましい。R14B系磁石合金は磁気特性に優れ、小型化、高性能化の進むエレクトロニクス機器や高効率のモーター用に需要が多く、生産量が増えているからである。
特にその中でも、ストリップキャスティング法によって鋳造後粗粉砕された薄片であることが好ましい。高性能磁石用のR14B化学量論組成に近づいた合金でも、αFeの生成の無い粉砕性の良好な合金組織を制御したものが得られるからである。
あるいは、特開平8−13078号公報または特開2002−301554号公報に記載されたように、回転する円筒状鋳型の内面に堆積凝固させる遠心鋳造方法で製造されるR14B系磁石合金に利用することができる。さらに、これらの合金鋳造法に限定されず、通常の箱形の鋳型に鋳造して得た合金に利用することもできる。
また、本発明の水素粉砕処理装置は、外側にヒーターを備え、内部に三重管式の冷却ユニットを具備した反応容器から構成された水素粉砕処理装置であって、前記反応容器は気密式の原料装入口及び製品排出口を備えかつ真空引きおよび水素ガス置換が可能なように構成され、前記冷却ユニットは大径の外管と中間径の中管と小径の内管の三重管からなり、外管の一方の先端は閉じており、かつ中管の一方の先端も外管の内側で閉じており、この外管と中管の間の環状間隙部は真空引きおよびガス置換が可能となるように構成され、前記内管の内部とそれにつながる内管と中管の間の環状空洞部は冷却媒体経路を構成した水素粉砕処理装置とした。
このような構成の装置とすれば、反応容器に一度原料を装入すれば水素化、脱水素化、冷却の一連の操作を同一装置内で行うことができるので作業が簡単で安全性も高い。しかも、水素粉砕処理後の崩壊合金粉末と冷却面との接触面積が大きくて、冷却促進ガスを介して崩壊合金粉末を強制的に冷却することができるので、冷却時間を大幅に短縮することができ、生産性を向上させることが可能となる。
本発明の水素粉砕処理装置では、前記反応容器が縦型で、前記3重管式冷却ユニットを複数本縦に並べて配置したものとすることができる。
1バッチ当たりの処理能力を増やしても、冷却能力を高く維持することができるからである。
さらに、前記冷却ユニットの内管の内側に水抜き用の細径管を挿入して4重管構造とすることもできる。このように、水抜き用の細径管を挿入すれば、縦型構造とした場合でも水抜きが容易となり、脱水素工程における加熱時に冷却管内に残留する水が障害となることが無くなり、冷却媒体として空気ばかりでなく、水を噴霧した空気あるいは水等を自由に選択して冷却能力を高めることが容易になる。
本発明の水素粉砕処理装置では、外部ヒーターに加えて、内部に複数の先端を閉じた管を配置し、その中にシースヒーターを組み込むことができる。このような構造とすることにより、外部からの加熱に加えて、内部からも加熱が可能となり、加熱時間の短縮、均一加熱が容易となり、サイクル時間を短縮し生産性を向上することがきる。
本発明の水素粉砕処理装置では、前記反応容器が縦型で、反応容器の上部側壁に気密式のゲートバルブを備えた原料装入シュートを有し、反応容器の底部にはストッパーバルブを介して気密式のゲートバルブを備えた製品排出シュートを有するように構成することをができる。
縦型配置とすれば、原料の希土類磁石合金の装入と水素粉砕処理後の崩壊合金粉末の排出が容易で、設備が簡単となり、作業も容易で安全性も確保し易いからである。
あるいはまた、前記反応容器が横型で、前記冷却ユニットの3重管が複数本ほぼ水平に並べて配置した水素粉砕処理装置とすることができる。
設備はやや複雑となるものの、全体に高さの低い設備に納めることができ、高さ方向に立地制限のある場合には有効である。
このような構成の装置とすれば、反応容器に一度原料を装入すれば水素化、脱水素化、冷却の一連の操作を同一装置内で行うことができるので作業が簡単で安全性も高い。しかも、水素粉砕処理後の崩壊合金粉末と冷却面との接触面積が大きくて、冷却促進ガスを介して崩壊合金粉末を強制的に冷却することができるので、冷却時間を大幅に短縮することができ、生産性を向上させることが可能となる。
本発明の水素粉砕処理方法によれば、生産性を高められるとともに、作業の手間を省くと同時に安全性を確保し、さらに崩壊合金粉末中の酸素濃度を低減し、最終製品である焼結磁石の特性向上を図ることができる。
以下に、具体例を挙げて本発明を詳細に説明する。先ず、本発明の水素粉砕処理装置について説明する。
なお、以下の各図面においては構造を判り易く説明するため、縮尺は必ずしも正確には描かれていない。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の水素粉砕処理装置の第1の実施形態を示す一部破断外観図である。
本発明の水素粉砕処理装置10は、縦型円筒形の反応容器1の中に3重管式の冷却ユニット2が複数本挿入されており、反応容器1の周囲は分割可能な外部ヒーター3で覆われている。
反応容器1は円筒状で側壁上部に原料装入シュート4が取り付けられ、先端には気密を保持するためのゲートバルブ5が取り付けられている。反応容器1の底部には被処理材料の希土類磁石合金を受け止めるための上下可動可能なストッパー8があり、間歇的に下降して水素粉砕処理後の崩壊合金粉末を製品排出シュート6に排出するようになっている。17はストッパー8を上下させる駆動バーである。さらに、反応容器1の底部に取り付けられた製品排出シュート6の先端には気密を保持するためのゲートバルブ7が取り付けられている。
反応容器1の上部には、冷却ユニット2の外管と中管の間の環状間隙部を真空排気したり冷却促進ガスのヘリウムガスを導入するためのヘッダーノズル14が設けられている。さらに冷却ユニット2の内管に冷却媒体を導入するためのヘッダーノズル15、冷却ユニット2の中管から冷却媒体を排出するためのヘッダーノズル16が取り付けられている。
さらに、やや下がった位置には、水素化工程で反応容器1の内部を真空に排気して水素ガスを導入したり、脱水素工程で水素ガスを排気するための水素吸排気ノズル18が設けられている。
図2に、図1に示した水素粉砕処理装置10の線A−A’に沿った反応容器1の断面図で三重管式冷却ユニットの配置状況を示す。図2に示した水素粉砕処理装置では、反応容器1内に冷却ユニット2が26本挿入されている例を示した。反応容器1と冷却ユニット2との間及び各冷却ユニット2の間は、磁石合金が充填される充填空間20を構成している。反応容器1の断面積及び冷却ユニット2は原料装入シュート4から装入された磁石合金が平均に充填されるように、しかも必要な熱交換面積を確保するように考慮して設計される。多数の冷却ユニット2の周囲に充填された磁石合金は、冷却ユニット2との接触面積が大きいので効率よく、短時間に冷却することができる。
図3は、図1に示した水素粉砕処理装置10の反応容器1の上部を拡大して示す一部破断外観図である。
反応容器1の頂上部13aには、冷却ユニット2の内管に冷却媒体を導入するためのヘッダーノズル15が取り付けられ、複数の内管を統合する内管用のヘッダー13に接続されている。全ての内管は内管用の管板26に溶接固定され、中管に差し込まれている。
また、冷却媒体として使用した水を抜き取るためのドレイン抜き細径管30に分配接続されるノズル19も取り付けられている。
反応容器1の頂上部13aはフランジ31を介して複数の中管を統合し冷却媒体を集め排出するためのヘッダー12に接続して構成されている。全ての中管は中管用の管板25に溶接固定され、外管に差し込まれている。
そしてヘッダー12にはヘッダーノズル16が取り付けられている。この例では、ヘッダーノズル16は左右に2本取り付けられていて、ヘッダーノズル15とバランスのとれた流量を確保できるようになっている。
その下部には冷却ユニット2の外管と中管の間の環状間隙部を真空に排気したり、あるいは冷却促進用のヘリウムガスを給排気するためのヘッダーノズル14が取り付けられており、複数の外管を統合するヘッダー11に接続されている。全ての外管は外管用の管板24に溶接固定されており、管板24の位置でフランジ32から切り離すことにより、冷却ユニットを反応容器1から取り外し、反応容器1を開放することができるように組み立てられている。
外部ヒーターに加えて、内部に複数の先端を閉じた管を配置し、その中にシースヒーターを組み込む場合、シースヒーターに供給する電力は、ヘッダー11の側胴部にノズル42を取り付け、そこにハーメチックシールの端子を取り付けて配線する。図3には、ノズル42は一つのみ示したが、必要に応じて、円周方向に複数個取り付ける
さらに、中管の温度測定用の熱電対のためのハーメチックシールの端子も同様にヘッダー11の側胴部に設けた図示省略のノズルに取り付ける。
さらに、フランジ32のやや下部には、水素化工程で反応容器1内に水素ガスを供給し、脱水素工程では反応容器1内から水素ガスを排気するための水素ガス吸排気ノズル18が取り付けられている。
反応容器1の上部側壁には、原料となる磁石合金を装入するための原料装入シュート4が取り付けられている。原料装入シュート4は磁石合金の安息角よりも大きな傾斜角で反応容器1の側壁に接続されていて、磁石合金が反応容器1内の充填空間になるべく均一に装入されるように、適度な長さを持って構成されている。原料装入シュート4の上端にはゲートバルブ5が取り付けてあり、さらにその先端に延長パイプ35とフランジ36が取り付けられている。延長パイプ35には、真空排気や不活性ガス置換のためのノズル37が取り付けられている。
原料装入シュートは、1箇所に限定されず、2箇所あるいは3箇所に取り付け、それぞれの原料装入シュートから装入原料の約1/2あるいは約1/3を装入することにより、反応容器に、均等に装入することができる。
図示省略の真空排気および不活性ガス置換が可能な原料コンテナーをフランジ36に接続して原料となる磁石合金を装入する際、ゲートバルブ5を閉じて、延長パイプ35内に残留している空気を真空排気し不活性ガスに置換することにより、反応容器1の不活性雰囲気を保つことができるようになっている。
図4は、図1に示した水素粉砕処理装置10の反応容器1の下部を拡大して示す一部破断外観図である。
反応容器1の底部1bはロート状に絞られており、その先端には駆動バー17により上下動する磁石合金を受け止めるためのストッパー8があり、間歇的に下降して水素粉砕処理後の崩壊合金粉末を製品排出シュート6に排出するようになっている。さらに、反応容器1の底部に取り付けられた製品排出シュート6の先端には、反応容器1内の気密を保持するためのゲートバル7が取り付けられてあり、さらにその先端に延長パイプ38とフランジ39が取り付けられている。延長パイプには、真空排気および不活性ガス置換のためのノズル40が取り付けられている。水素粉砕処理後の崩壊合金粉末を排出する時には、フランジ39に図示省略の真空排気および不活性ガス置換可能な製品コンテナーを接続して、延長パイプ38に残留している空気を真空排気し不活性ガスに置換した後、ゲートバルブ7を開け、さらにストッパー8を下げて崩壊合金粉末を製品コンテナーに収容する。
製品排出シュート6の途中には圧力調整用ノズル34が設けられており、水素化工程で反応容器に水素を導入する時に、同圧になるように該圧力調整用ノズル34から水素ガスを導入し、ストッパー8と反応容器の下部開口部との隙間から内圧で粉末が吹き出すのを防止する。
各冷却ユニット2の長さは、反応容器1の底部1bのロート状の形状に従って中心部ほど長くなっていて、熱交換面積を多く取れるように構成されている。33は製品排出シュートを反応容器1に取り付けるためのフランジである。
なお、ストッパー8の中心軸は先端が閉じたパイプ状になっており、かつ先端は反応容器の内部まで届くように構成されており、内部に熱電対が差し込まれ、反応容器内の温度を測定できるように造られている。
次に、本発明の水素粉砕処理装置の主要部品である冷却ユニットについて詳細に説明する。
図5は冷却ユニット2の機能と構造を説明するための断面図である。また、図6は、図5に示す冷却ユニット2の線B−B’に沿った断面図である。
図5、図6に示すように冷却ユニット2は大径の外管21と中間径の中管22と小径の内管23の3重管で構成されている。外管21、中管22及び内管23は図6に示すように中心を一つにして同心円状に配置されている。
そして、外管21の一方の先端は閉じており、外管21の他端はヘッダー11の管板24に溶接固定されている。さらに、ヘッダー11にはヘッダーノズル14が取り付けられている。
外管21と中管22の間の環状間隙部28は、真空排気及び冷却促進ガスが導入される部分であり、ヘッダー11及びヘッダーノズル14を介して図示省略の排気ポンプ及び冷却促進ガス供給装置に接続されている。
中管22の一方の先端は外管21の内側で閉じており、他端はヘッダー12の管板25に溶接固定されている。さらに、ヘッダー12にはヘッダーノズル16が取り付けられており、さらに図示省略の冷却媒体の循環装置あるいは導入排出装置に繋がっている。
内管23の一方の先端は中管22の内側で開放されており、他端はヘッダー13の管板26に溶接固定されている。さらにヘッダー13にはヘッダーノズル15が取り付けられており、さらに図示省略の冷却媒体の循環装置あるいは導入排出装置に繋がっている。
内管23の内側29aと中管22と内管23の間の環状空洞部29bとは、中管22の下部で繋がっており、冷却媒体通路29を形成している。たとえば内管23の内側29aから環状空洞部29bを通して冷却媒体を流し、中管22を介して中管22の外側の環状間隙部28に充填された冷却促進ガスを冷やし、さらに間接的に外管21の外側の崩壊合金粉末を冷却するように構成されている。
勿論冷却媒体は逆方向、すなわち ヘッダーノズル16から注入して環状空洞部29bを通して内管23の内側29a方向に流しても良い。
外管21、中管22および内管23はそれぞれ外管用管板24、中管用管板25および内管用管板26に溶接固定されている。それぞれの管板24、25、26を囲む側板27a、27b、27cと管板24、25、26との接合も含めて全て溶接で接合してあり、ヘッダー11、12、13を構成して気密性を保てるように製作してある。
図5では機能を説明するため冷却ユニット1本についてその構成を説明したが、実際には図1や図2に示したように各ヘッダー11、12、13には複数の3重管が統合して接続されている。
ここで、本発明装置で使用する冷却促進ガスとしては、伝熱能の高いヘリウムガスが好ましく、冷却媒体としては空気、水を噴霧した空気、水が使用でき、冷却管特に中管の温度に応じてかつ冷却能を勘案して使い分けることができる。
すなわち、冷却ユニットを構成する中管の温度が例えば300℃以下になるまで、冷却媒体として空気を用いる。その際、反応容器内は真空排気状態とし、冷却ユニットの外管と中管の間の環状間隙部も真空排気することにより、反応容器内の崩壊合金粉末からの入熱を小さく抑えることができ、空気のような熱容量の小さな冷却媒体を用いた場合でも、比較的短時間で中管の温度を300℃以下に下げるのが容易となる。
そして、中管の温度が300℃以下になった時点で、水を噴霧した空気に切り替えて冷却する。さらに、例えば約80℃以下になった時点で水に切り替えて冷却する。その後、反応容器内にヘリウムあるいはアルゴンガスを導入し、さらに冷却ユニットの外管と中管との間の環状間隙部にもヘリウムガスを導入することにより、冷却速度を速めることができる。
このように適宜冷却媒体を切り替えて使い分けることにより、冷却管の応力腐食割れや、水の沸騰現象による機械的な損傷、あるいは急激な熱応力の発生による熱疲労等によるトラブルの発生を防ぐことができる。
なお、冷却媒体として、空気と水のみを用いる場合、空気で中管の温度が100℃以下になるまで冷却し、その後水に切り替えるのが望ましい。
これらの冷却媒体は特に水を用いる場合は反応室外で冷却して循環させて使用するのが好ましい。一方、冷却媒体として空気、水を噴霧した空気を用いる場合は大気中に放出するのが経済的である。
本発明の水素粉砕処理装置では、外管21は高温に曝されるものの外管21は熱応力に対して最も強い管状であり、熱膨張が最も大きな長手方向についても、先端は自由であり、熱応力はかからない構造となっている。そのため、加熱冷却の繰り返しの熱負荷に対しても十分耐久性は保証される。
中管の温度は、中管と外管の環状間隙部に差し込んだ熱電対を用いて測定する。熱電対の先端の測定端子部分は中管の外径表面に当てて、例えばステンレス製細径ワイヤ等で固定するのが望ましい。実際にはこのような測定方法による温度は中管より高温の外管の影響を受け、内管の実際の温度より高めの温度が測定される。それでも、冷却媒体を切り替える際には、より安全側の測定結果となり、実用上は問題ない。
(第2の実施形態)
図7は、本発明の水素粉砕処理装置の第2の実施形態における反応容器本体を示す一部破断外観図である。反応容器1が横置きに配置されて冷却ユニット2がほぼ水平に配置されているが、装置の基本構成は先の第1の実施形態の場合と同じである。本実施形態の水素粉砕処理装置50では、原料装入と製品排出を兼ねる装入・排出シュート55が反応容器1の胴体上部に取り付けられている。なお、図7ではヘッダーノズル類は記載を省略してある。
本実施形態の水素粉砕処理装置50は、図7に示すように回転傾倒装置51に搭載して使用する。すなわち、反応容器1の胴体にはギヤ53が取り付けられ、それに噛み合うウオームギアを用いた回転駆動機構54により、反応容器1の中心軸の周りに180度回転可能に構成されている。回転により装入・排出シュート55が反応容器1の側面上方にきたり、あるいは側面の下方にきたりするように構成されている。
さらに、傾倒支持軸52を支点として、傾倒可能に構成されている。
このように構成することにより、原料装入時は、図8に示すように外部ヒーターを取り外した状態で、反応容器1を傾倒支持軸52を支点として紙面上で時計回りに傾倒させ、装入・排出シュート55をほぼ上向きの状態にする。次に、原料となる磁石合金を入れた原料コンテナーを接続し、反応容器に移し替える。水素粉砕処理工程中は図7の水平姿勢で操業するが、水素粉砕処理終了後崩壊合金粉末を排出する際には、図9に示すように回転機構により反応容器の中心軸周りに反応容器1を180度回転させて、さらに傾倒支持軸52を支点として紙面上で時計と反対方向に傾倒させ、装入・排出シュート55を下向きとする。次に、製品コンテナーを接続し、崩壊合金粉末を排出する。
本実施形態では第1の実施形態に比較して新たに回転傾倒装置51を必要とし、反応容器1の回転に伴って排気・ガス供給系統を繋ぎ替える必要があるが、原料装入シュートと排出シュートが兼用で一つで済むことおよび装置全体を低い位置で安定して設置することができる利点がある。
次に、図1に示す本発明の水素粉砕処理装置10を使用して希土類磁石合金を水素粉砕する方法について説明する。
(原料)
本発明で使用する希土類磁石合金は、希土類元素(R)を含むR14B系希土類系磁石合金を、いわゆるストリップキャスティング法で鋳造し、管理された冷却速度で組織制御されたものが好んで用いられる。
原料となる磁石合金は、溶解後ストリップキャスティング法により平均厚さ0.2〜0.4mm程度の薄片に急冷凝固させ、その後制御された冷却速度で常温まで冷却してRリッチ相の形態を制御し、さらに粗粉砕して1辺が30mm程度以下の薄片としたものである。
磁石合金は図示省略の真空排気不活性ガス置換可能なコンテナー中に収容されて本発明の水素粉砕処理装置10まで運ばれ、投原シュート4の先端のゲートバルブの上部に設けたフランジ35で接続し、さらにコンテナとフランジ35間の空気を排気し不活性ガスに置換後、それぞれのバルブを開けた後に、反応容器1内に装入される。
(水素化工程)
磁石合金を装入して投原シュート4のゲートバルブ5を閉じて反応容器1内を気密に保持した後、水素吸排気ノズル18を通じて反応容器1内を排気して水素ガスを送り込む。反応容器1内を水素100kPa〜1MPaに保ち、1時間〜3時間保持する。水素は磁石合金に徐々に吸蔵される。この時水素吸蔵による発熱反応により反応容器1内は100℃〜300℃程度まで温度が上昇する。
水素の吸蔵量は温度の上昇とともに減少する傾向があり、温度が高すぎると、水素粉砕効果が減少することになる。そのため、例えば、水素吸蔵量の減少を防ぐため、水素粉砕処理装置10の外管用ヘッダーノズル14を使用して冷却ユニット2の環状間隙部28を真空排気し、さらに冷却促進ガスを必要に応じて例えば1気圧程度充填し、冷却ユニットに空気を通流し冷却することもできる。しかし、その場合においても冷却し過ぎるとかえって吸蔵反応が遅くなるので、100℃未満にならないように制御するのが望ましい。
冷却促進ガスとしてはヘリウムが最適なガスとして採用できる。ヘリウムガスを使用するのは、ヘリウムは熱伝導率が大きく、真空排気状態や他のガスと比べても冷却能を大きくすることが可能となり、さらに外管21と中管22の間の環状間隙部28に導入するヘリウムガスの圧力を変えることにより、冷却能を調整することも容易となるからである。かつ、ヘリウムは不活性ガスであり、もし外管が破損したりして漏れて化学的に極めて活性な高温の希土類磁石合金と接しても安全上の問題も無いからである。
冷却媒体としての空気は、冷却ユニット2の内管23の内側29aと内管23と中管22の間の環状空洞部29bで形成される冷却媒体通路29に、内管用ヘッダーノズル15を通して流入させ、中管用ヘッダーノズル16を通して空気を排出して中管22を介して前記冷却促進ガスであるヘリウムガスを冷却し、さらに外管の外の被処理材である合金を冷却する。水素化工程における温度上昇の抑制には、空気流量を調整することにより十分対応することができる。
なお、水素化工程において、空気を冷却媒体として通流することにより、前のバッチで残留していた冷却管内に残留していた水分を十分に乾燥除去することが可能となる。残留水分は、次の加熱脱水素化工程において昇温と均一加熱の障害になるため、水素化工程で空気を冷却ユニットに通流することは、水素化による過昇温を抑制すると同時にこのような水分を十分乾燥除去するメリットも併せ持つ。
(脱水素工程)
次の脱水素工程では、水素吸排気ノズル18を通じて反応容器1内の水素を排気する。さらに、図示省略の排気ポンプを稼動し反応容器内の圧力を減じる。次いで、外部ヒーター3を使用して反応容器1内を加熱して、反応容器1内の温度を300℃〜600℃、好ましくは400℃〜600℃さらに好ましくは450℃〜550℃に保持する。合金中の水素は、真空排気と加熱により放出されて、主にRリッチ相にのみ残留し、Rリッチ相は二水素化物の状態になる。
あるいは、別の脱水素処理方法として、まず、水素化処理の圧力が大気圧以上の場合、ほぼ大気圧になるまで排気する。その後、加熱を開始し、加熱とともに合金から水素が放出され、また温度上昇にともない体積膨張するため、さらに排気を続け大気圧ないし大気圧+αを保つようにする。その後、所定の加熱温度に達した後に、図示省略の排気ポンプを稼動して合金から放出された水素の排気を続ける。加熱温度は、前述の脱水素処理の場合と同様に、300℃〜600℃、好ましくは400℃〜600℃さらに好ましくは450℃〜550℃に保持する。
このような脱水素処理方法の方が、熱伝導度の良好な水素ガスが反応容器内に残留している状態で加熱するため、より短時間で、反応容器の中心部まで加熱しやすくなる利点がある。
脱水素のための加熱は外部ヒーターに加えて、反応容器の内部に設置した先端が閉じた複数のパイプの中に差し込んだシースヒーターに通電することにより、さらに効率良く加熱することができる。
なお、水素化工程では、冷却ユニットの外管と中管の間の環状間隙部は真空排気し冷却媒体の通流は停止してそのままの状態を維持して反応容器1内の温度を保つようにする。
脱水素工程は1時間以上継続し、反応容器1内の圧力が下がって水素の発生が納まったことが確認できるまで継続する。水素化脱水素化後の磁石合金は崩壊し、さらに微細なクラックが多数内在している状態になる。
なお、脱水素工程で発生する水素ガスは高純度なので、他の水素粉砕処理装置で利用したり、別用途で再利用することが望ましい。
なお、水素化工程の別の方法として、合金を反応容器内に装入して、300℃〜600℃に加熱後、水素を導入することもできる。このような方法では、水素はRリッチ相にのみ吸収され、しかも化学的に安定な二水素化物を生成するため、次の脱水素化処理はそのまま真空排気するだけでしかも短時間で済む利点がある。
(冷却工程)
脱水素工程終了後、高温の崩壊合金粉末を室温近くまで冷却する。
まず、反応容器内は真空に排気した状態で、かつ冷却ユニット2の環状間隙部28も真空排気した状態で、冷却ユニット2の内管23の内側29aと内管23と中管22の間の環状空洞部29bで構成される冷却媒体通路29に、内管用ヘッダーノズル15を通して冷却媒体を流入し、中管用ヘッダーノズル16を通して冷却媒体を排出する。
冷却媒体としては、空気、水を噴霧した空気および水、あるいは空気と水を使用できる。
冷却ユニット2の中管の温度が300℃以上では、空気を使用するのが好ましい。中管の温度が300℃〜80℃では、水を噴霧した空気を使用するのが好ましい。さらに、80℃程度まで冷却された後は、冷却能の大きな水冷却により熱交換を促進させるのが好ましい。
反応容器内は真空排気状態であり、冷却ユニット2の環状間隙部28も真空排気した状態であるため、加熱された崩壊合金粉末からの熱の流入は抑えられており、冷却能が小さな空気でも300℃以下まで、さらに水を噴霧した空気を冷却媒体として用いた場合でも80℃以下まで、比較的短時間で下げることが可能となる。
さらに、冷却媒体を水に切り替えた後、熱交換を促進させるため、冷却ユニット2の環状間隙部28にヘリウムガスを充填する。必要に応じてヘリウムガスは加圧充填して100kPa〜500kPaの圧力に保持する。同時に、反応容器内にも不活性ガスを充填する。不活性ガスとしては、アルゴンガスを用いることができる。あるいは、環状間隙部に導入するガスと同様、熱伝導の良いヘリウムガスが最も好ましいガスとして選択される。反応容器1内の空間容積は小さいので、ヘリウムガスを使用してもコスト高には至らない。
本発明の方法では、被処理材の崩壊合金粉末と冷却面である外管21との接触面積が大きく、しかも熱伝導率の良いヘリウムガスを介してしかも最終的には冷却能の大きな水を用いて強制的に冷却するので、従来の方法に比較して極めて短時間で常温近くまで冷却することが可能となる。ちなみに、容量300kg程度の装置では所要時間約3時間程度で冷却することが可能である。
(製品排出)
水素粉砕処理後の崩壊合金粉末が常温近傍まで冷却されたならば、製品排出シュート6を通して崩壊合金粉末を図示省略の密閉式製品コンテナーに移し替える。崩壊合金粉末は極めて活性が高く、空気中で酸化して自然発火し易いので雰囲気を不活性に保って慎重に作業することが必要である。
まず、製品排出シュート6の下部のゲートバルブ7の先に取り付けたフランジ39に図示省略の密閉式製品回収コンテナーを接続した後、ゲートバルブ7と製品回収コンテナ間の空気を排気し不活性ガス雰囲気に置換する。
次いで、ゲートバルブ7を開放して、さらに駆動バー17を操作して反応容器1底部のストッパー8を開放する。崩壊合金粉末はストッパー8、製品排出シュート6を通って製品コンテナーに移される。この時、反応容器1上部の水素吸排気ノズル18を通じて少量の不活性ガスを注入し、反応容器上部から崩壊合金粉末を押し下げると良い。
崩壊合金粉末の排出が終わったならば、ゲートバルブ7を閉じ、製品コンテナーも密封して両者を切り離す。
製品コンテナー内の崩壊合金粉末は次工程に送られ、粗粉砕工程を経て、次いで粉砕ジェットミル等の微粉砕装置を使用して10μm以下の微粉末に粉砕され、希土類焼結磁石の原料として用いられる。
(後処理)
崩壊合金粉末の排出を終えた水素粉砕処理装置は、冷却媒体経路内に残留した水を排出した後、乾燥空気を吹き込んで中管と内管の内部を乾燥させて次回操業に備える。
冷却媒体経路内に残留した水を除去するには、冷却媒体経路内に高圧空気を吹き込んで除去することができる。さらに、図3に示すように、内管23の内部に細径管30を挿入し、実質的に4重管構造として、該細径管の先端を吸引ポンプに接続して吸引除去する方法が効果的である。
本発明の水素粉砕処理装置を使用して、本発明の水素粉砕処理方法によれば、1バッチ300kgの希土類系磁石合金を12時間サイクル以内で水素粉砕処理することが可能で、従来の方法に比較して冷却時間が大幅に短縮できるので、高能率に処理することができる。
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
図5に示すような三重管方式の冷却ユニット2を図2のように26本配列した、図1に示すような構造の水素粉砕処理装置を作製した。
反応容器1は肉厚9.5mmのSUS304を用いて作製した。外径は609.6mm、高さは直胴部で2,000mmとし、底部はロート状に絞り、ストッパー8を組み込んで製品排出シュート6を取り付けた。
冷却ユニット2の外管21は耐熱性の優れたSUH310、中管22と内管23は耐食性に優れたSUS316Lのシームレス管を用いて作製した。外管21、中管22、内管23を固定する管板および側板は全てSUS304を用いて、接合部分は全てTIG溶接で接合した。冷却ユニット2の長さは、中心部に配置する最長のもので2,200mm、周辺部に配置する最短のもので2,050mmとした。
表1に実施例で使用した水素粉砕処理装置の諸元を示す。
Figure 2005082891
水素粉砕処理に供した希土類系磁石合金は、ネオジウム:31.5wt%、ボロン:1.0wt%、残部:Feの組成を有するNdFeB系磁石合金で、溶解後ストリップキャスティング法により平均厚さ0.31mmに鋳造したものである。NdBFe磁石合金は鋳造後制御された冷却速度で冷却され、1辺10mm以下のフレーク状薄片に粗粉砕されたものを使用した。このフレーク状薄片について、走査電子顕微鏡を用いた反射電子線像にて組織観察を行った。薄片の断面10カ所の厚さ方向ほぼ中央部について、線分法でRリッチ相の間隔を測定した。その結果、Rリッチ相の間隔は5.2μmであった。
原料となるNdBFe磁石合金薄片300kgをコンテナー中に収容し、水素粉砕処理装置10の投原シュー4通して反応容器1内に装入した。原料となるNdFeB系磁石合金薄片を装入後、ゲートバルブ5を閉じて反応容器1内を気密に保持し、水素吸排気ノズル18に接続した図示省略の排気ポンプにより真空排気した。
冷却ユニット2は、外管21と中管22との間の環状間隙部28をヘッダーノズル14に接続した排気ポンプ(図示省略)により真空排気した。また、内管23の内部29aに装入された細径管30を通して中管22底部の水分を抜き取り、内管23の内部29aと内管23と中管22との環状空洞部29bで構成される冷却媒体通路29に空気を循環させて内部を乾燥させた。
(水素化工程)
次に、水素吸排気ノズル18を通じて反応容器1内に水素ガスを送り込み、最終的に反応容器1内を約300kPaの水素雰囲気に保てるようになるまで、水素圧入を継続した。要した時間は約3時間であった。水素は磁石合金に吸蔵され、水素吸蔵による発熱反応により反応容器1内は上昇した。
反応容器内を冷却して水素吸蔵反応を促進させるため、冷却媒体経路29には、空気の循環を続行した。この結果、反応容器1内温度は250℃以下に保持された。
次に、冷却ユニットの空気の循環は停止して次の脱水素化工程に備えた。
(脱水素工程)
次に、水素吸排気ノズル18を通じて反応容器1内の水素を排気した。排気を続けると磁石合金に吸蔵されていた水素が放出されるので、放出される水素の排気を続け、反応容器1内の圧力が大気圧+α程度になるよう保持した。
この時、水素放出を促進させるため、外部ヒーター3を使用して反応容器1内の温度を500℃まで加熱した。その後、真空排気し、反応容器1内の圧力が十分下がって水素の発生が納まったことを確認した。脱水素化には約4時間を要した。
(冷却工程)
脱水素工程終了後、高温の崩壊合金粉末を室温近くまで冷却する。
まず、2分割型の外部ヒーターを反応容器1から外し、外部から空冷する。
次に、反応容器1内を真空に排気した状態で、かつ冷却ユニット2の環状間隙部28も真空排気した状態で、冷却媒体通路29に最初に空気を流した。中管の温度が300℃にまで下がった時点で、空気に水を噴霧して冷却を継続した。さらに、中管の温度が80℃になったのを確認して、水に切り替えて冷却を継続した。同時に、環状間隙部28にヘリウムガスを200kPa導入し、さらに反応容器内にも100kPaのヘリウムガスを導入した。反応容器内の温度が30℃になるのに要した時間は冷却を開始してから約3時間であった。
(製品排出)
次に、窒素ガスを封入した図示省略の密閉式製品コンテナーをフランジ39に接続した後、先ずゲートバルブ7と製品コンテナーとのバルブ間の空気を真空排気し、次いで窒素ガスに置換後、製品コンテナーのバルブとゲートバルプ7を開放し、さらにストッパ8を降下させ、排出シュート6を通して崩壊合金粉末を製品コンテナーに移し替えた。
崩壊合金粉末の排出が終わったならばゲートバルブ7を閉じ、製品コンテナーも密封して両者を切り離した。
(後処理)
崩壊合金粉末の排出を終えた水素粉砕処理装置は、冷却媒体経路内に残留した水をまず空気を吹き込んで押し出した後、さらに、内管の内部に装入した細径管30を用いて、水抜きを行った。さらに、空気を吹き込んで内部を乾燥させて次回操業に備えた。
実施例1で得た崩壊合金粉末から500gを採取して、まず100メッシュアンダーまで粗粉砕した後、ジェットミルで微粉砕した。得られた微粉末の粒径はFSSS平均粒径で3.4μmであり、分析の結果、酸素濃度は0.068wt%と十分低いことが確認できた。
以上記述した水素粉砕処理方法の主要工程である水素化工程、脱水素化工程および冷却工程の操業条件を一覧表にして示すと、表2のようになる。
Figure 2005082891
表2には、原料装入等の準備工程および崩壊合金粉末の排出等の後処理は含めてないが、これらの工程に要する時間は合計1時間程度である。
表2から明らかなとおり、本発明の水素粉砕処理装置を使用して、本発明の水素粉砕処理方法によれば、1バッチ300kgの希土類系磁石合金を12時間サイクル以内で水素粉砕処理することが可能である。従来のいかなる方法に比較しても冷却時間が大幅に短縮できるので、高能率に処理することができる。
次に、別の実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
(実施例2)
用いた水素粉砕処理装置は基本的に図1と同様とした。但し、図10に断面A−A’を示すように、冷却ユニット2の外管用の管板24には外径21.7mmの先を閉じたSUS310Sステンレス製のパイプ41を14本配置し、それぞれのパイプの内部に2kWのシースヒーターを差し込んだ。シースヒーターとパイプとの内壁との間には、伝熱を高めるためモリブデンの粉末を充填した。
水素粉砕処理に供した希土類系磁石合金は、実施例1に用いた合金と同じとし、原料の反応容器への装入も同じ手順で行った。
(水素化工程)
反応容器に水素を導入する前に、冷却ユニットの外管と中管の間の環状間隙部28を真空排気した状態で、外部ヒーターと内部に差し込んだシースヒーターを利用して、反応容器内を350℃に加熱した。その後、水素吸排気ノズル18を通じて反応容器1内に水素ガスを送り込み、ガス圧が300kPaを維持できる状態になるまで、水素導入を継続した。同時に、反応容器内の温度は350℃〜400℃となるように制御した。内部からも加熱したため、このような水素化処理に要する時間は3時間以内で済んだ。
(脱水素工程)
次に、水素吸排気ノズル18を通じて反応容器1内の水素を排気し、100Pa以下になるまで排気を継続した。水素化処理を高温に加熱後実施したため、合金の水素吸蔵量は少なく、また、Rリッチ相は安定な二水素化物を生成しており、真空排気しても分解しない。そのため真空排気に要した時間は1時間以内と短かった。
(冷却工程)
脱水素工程終了後の冷却方法は実施例1と同じ手順によった。冷却に要した時間も実施例1とほぼ同じであった。水素化処理後の崩壊合金粉末の排出、次のバッチに備えた後処理も実施例1と同様に実施した。
準備時間から、後処理まで含めて、全ての水素粉砕処理に要した時間は約8時間であった。
実施例1と同様にして、実施例2で得た崩壊合金粉末から500gを採取して、まず100メッシュアンダーまで粗粉砕した後、ジェットミルで微粉砕した。得られた微粉末の粒径はFSSS平均粒径で3.6μmであり、分析の結果、酸素濃度は0.062wt%と十分低いことが確認できた。
本発明の水素粉砕処理装置を使用して、本発明の水素粉砕処理方法によれば、1バッチ300kgの希土類系磁石合金を約8時間サイクルで水素粉砕処理することが可能である。従来のいかなる方法に比較しても冷却時間が大幅に短縮できるので、高能率に処理することができる。
本発明によれば水素粉砕処理の冷却工程を大幅に短縮できるので、生産性が高く、コストダウンに多大の貢献ができる点で経済効果がまことに大である。
また、本発明の水素粉砕処理装置は構造が簡単で保守が容易であり、しかも操作性が良くて安全性にも優れた装置である。さらに、バッチ式の反応容器を用いているにもかかわらず、大気に開放することなく、原料合金の装入、水素粉砕処理後の崩壊合金粉末の取りだしが可能なため、反応容器内壁への水分や酸素の吸着が防止され、真空排気に要する時間も短縮され、さらに製品中の酸素低減が可能となる。
本発明の第1の実施形態に係わる水素粉砕処理装置の構造を説明する一部破断外観図である。 図1に示す水素粉砕処理装置の線A−A’に沿った断面図である。 図1に示す水素粉砕処理装置の上部を拡大して示す一部破断外観図である。 図1に示す水素粉砕処理装置の下部を拡大して示す一部破断外観図である。 冷却ユニットの構造を示す断面図である。 図5に示す冷却ユニットの線B−B’に沿った断面図である。 本発明の第2の実施形態に係わる水素粉砕処理装置の反応容器本体の構造を説明する一部破断外観図である。 原料装入時の状態を説明する図である。 製品排出時の状態を説明する図である。 実施例2で使用したシースヒーターの配置を示す断面図である。
符号の説明
1・・・・・・反応容器、
2・・・・・・冷却ユニット、
3・・・・・・外部ヒーター、
4・・・・・・原料装入シュート、
5,7・・・・・・ゲートバルブ、
6・・・・・・製品排出シュート、
8・・・・・・ストッパー、
10・・・・・・水素粉砕処理装置、
11,12,13・・・・・・ヘッダー、
14,15,16・・・・・・ヘッダーノズル、
17・・・・・・駆動バー、
18・・・・・・水素吸排気ノズル、
19・・・・・・ドレイン抜きノズル、
20・・・・・・充填空間、
21・・・・・・外管、
22・・・・・・中管、
23・・・・・・内管、
24・・・・・・外管用管板、
25・・・・・・中管用管板、
26・・・・・・内管用管板、
27・・・・・・管板側板、
28・・・・・・環状間隙部、
29・・・・・・冷却媒体経路、
30・・・・・・ドレイン抜き細径管
31,32,33・・・・・・フランジ、
34・・・・・・ストレージノズル、
35・・・・・・原料装入シュート延長パイプ、
36・・・・・・延長パイプフランジ、
37・・・・・・真空排気ガス置換用ノズル、
38・・・・・・製品排出シュート延長パイプ、
39・・・・・・延長パイプフランジ、
40・・・・・・真空排気ガス置換用ノズル、
41・・・・・・シースヒーター差込用パイプ、
42・・・・・・シースヒーター端子用ノズル、
50・・・・・・水素粉砕処理装置、
51・・・・・・回転・傾倒装置、
52・・・・・・傾倒支軸、
53・・・・・・回転駆動用ギア、
54・・・・・・回転駆動機構
55・・・・・・装入・排出シュート

Claims (11)

  1. 外側にヒーターを備え、内部に大径の外管と中間径の中管と小径の内管からなる三重管式の冷却ユニットを備えた水素粉砕処理用の反応容器内に希土類磁石合金を装入し、前記反応容器内に水素ガスを充填して100kPa〜1MPaに保持して水素化し、次いで外側のヒーターを使用して反応容器内を300℃〜600℃に加熱保持するとともに、発生するガスを排気して脱水素処理を施した後、前記冷却ユニットの外管と中管との環状間隙部を真空排気した状態で、内管の内部と内管と中管の間の環状空洞部で形成される経路に冷却媒体を流し、引き続き前記冷却ユニットの外管と中管との環状間隙部に冷却促進ガスを導入することにより反応容器内の前記外管の外側にある希土類磁石合金粉末を冷却することを特徴とする希土類磁石合金の水素粉砕処理方法。
  2. 外側にヒーターを備え、内部に大径の外管と中間径の中管と小径の内管からなる三重管式の冷却ユニットを備えた水素粉砕処理用の反応容器内に希土類磁石合金を装入し、真空排気後、外側のヒーターを使用して反応容器内を300℃〜600℃に加熱保持した後、前記反応容器内に水素ガスを充填し100kPa〜1MPaに保持して水素化し、その後真空排気し脱水素処理を施した後、前記冷却ユニットの外管と中管との環状間隙部を真空排気した状態で、内管の内部と内管と中管の間の環状空洞部で形成される経路に冷却媒体を流し、引き続き前記冷却ユニットの外管と中管との環状間隙部に冷却促進ガスを導入することにより反応容器内の前記外管の外側にある希土類磁石合金粉末を冷却することを特徴とする希土類磁石合金の水素粉砕処理方法。
  3. 前記冷却促進ガスとしてヘリウムを用い、冷却媒体として空気、水を噴霧した空気及び水を用いることを特徴とする請求項1および請求項2に記載の希土類磁石合金の水素粉砕処理方法。
  4. 前記冷却促進ガスとしてヘリウムを用い、冷却媒体として空気および水を用いることを特徴とする請求項1および請求項2に記載の希土類磁石合金の水素粉砕処理方法。
  5. 前記希土類磁石合金がストリップキャスティング法によって得られた薄片状のNdFeB系磁石合金であることを特徴とする請求項1および請求項2に記載の希土類磁石合金の水素粉砕処理方法。
  6. 外側にヒーターを備え、内部に三重管式の冷却ユニットを具備した反応容器から構成された水素粉砕処理装置であって、前記反応容器は気密式の原料装入口及び製品排出口を備えかつ真空引きおよび水素ガス置換が可能なように構成され、前記冷却ユニットは大径の外管と中間径の中管と小径の内管の三重管からなり、外管の一方の先端は閉じており、かつ中管の一方の先端も外管の内側で閉じており、この外管と中管の間の環状間隙部は真空引きおよびガス置換が可能となるように構成され、前記内管の内部とそれにつながる内管と中管の間の環状空洞部は冷却媒体経路を構成してなることを特徴とする水素粉砕処理装置。
  7. 前記反応容器が縦型で、前記3重管式の冷却ユニットが複数本縦に並べて配置されてなることを特徴とする請求項6に記載の水素粉砕処理装置。
  8. 前記反応容器が縦型で、前記3重管式の冷却ユニットが複数本縦に並べて配置されており、前記内管の内側にさらに水抜き用の細径管を挿入し、4重管構造としたことを特徴とする請求項6に記載の水素粉砕処理装置。
  9. 前記反応容器の内部に、三重管式の冷却ユニットに加えて複数の先端を閉じた管が配置され、それらの管の中にシースヒーターが組み込まれていることを特徴とする請求項6に記載の水素粉砕処理装置。
  10. 前記反応容器が縦型で、反応容器の上部側壁に気密式のゲートバルブを備えた原料装入シュートを有し、反応容器の底部にはストッパーバルブを介して気密式のゲートバルブを備えた製品排出シュートを有することを特徴とする請求項6に記載の水素粉砕処理装置。
  11. 前記反応容器が横型で、前記冷却ユニットの3重管が複数本ほぼ水平に並べて配置されてなることを特徴とする請求項6に記載の水素粉砕処理装置。
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