JP2005082536A - シロスタゾールゼリー状医薬組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 患者、特に高齢患者にとって服用がしやすいシロスタゾールゼリー製剤であって、シロスタゾールが均一に分散している、外観・風味・食感に優れるゼリー製剤を提供すること。
【解決手段】 シロスタゾールを含むゼリー状医薬組成物であって、カラギーナン、カロブビーンガムおよびポリアクリル酸ナトリウムをゼリー基剤として含み、さらに界面活性剤を含むゼリー状医薬組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ゼリー状医薬組成物、特に経口投与用組成物であって、保存安定性に優れて、薬物が均一に分布するゼリー状医薬組成物に関する。
シロスタゾールは、2−(1H)キノリンを骨格とする下記構造を有する抗血小板薬であり、血小板凝集抑制作用と抹消血管拡張作用を併せ持つ薬物であるが(例えば非特許文献1参照)、わが国では、1988年に錠剤としてのみ製品化(プレタール(登録商標)錠)されている。
Figure 2005082536
シロスタゾールは、その投与患者の7割が65歳以上の高齢者であり、長期間投与されるものである。このような投与期間が長い高齢患者にとって、錠剤は服用しやすい剤型であるとはいうことはできない(例えば非特許文献2参照)。したがって、特に高齢患者にとって服用しやすいシロスタゾール製剤の開発が望まれている。
一方、特に高齢患者にとって服用しやすい医薬製剤として、ゼリー剤が注目されてきており、いくつかのゼリー剤が開発されている。例えば、ゼリー状経口医薬組成物(例えば特許文献1〜2参照)、容器入りゼリー状経口医薬組成物(例えば特許文献3〜4参照)などを挙げることができる。
さらに、シロスタゾールの経口ゲル製剤が知られているが(特許文献5参照)、該製剤は、ゲル化剤として低メトキシル化ペクチンを用いる必要があり、さらに一般的なシロスタゾール経口ゲル製剤、特にシロスタゾールゼリー製剤が求められている。
Kimura K et al:Arzneim-Forsch/Drug Res 35(II),7a:1144-1149,1985 月刊薬事,Vol.37,No.11,p45-49,1995 特開平09−187233 特開平09−194346 特開平11−123231 特開2000−256181 特開2003−192573
本発明は、この様な状況を踏まえ、服用しやすいシロスタゾール製剤、すなわちシロスタゾールゼリー剤を供することができる、シロスタゾールのゼリー状医薬組成物を提供する。
シロスタゾールは水不溶性であって、水への分散性が非常に低い薬物である。さらに、固相への付着性が非常に強く、製剤化するための機械や器具等に付着する傾向が強いため、製剤化における取り扱いが困難な特性を有する。
そのために、シロスタゾールゼリー状医薬組成物の調製においても、シロスタゾールはゼリー基剤に溶解および分散しにくく、組成物中に均一に溶解および分散させることが困難であることが明らかになった。結果として、ゼリー状組成物を調製しても、有効成分(シロスタゾール)が組成物中に不均一に存在し、該組成物を容器に分注または充填した際に、活性成分が均等に分割されないという問題があった。
上記問題を解決するためには、一般的には、ゼリー状医薬組成物に分散剤を含有させることが考えられる。しかしながら、ゼリー剤はその風味や食感が良くなければならず、かつ泡立ちが無いなど外観上美しいことが好ましいが、単に分散剤を添加するだけでは、または添加する分散剤の種類によっては、その風味や食感および外観が損なわれることが本発明者等により明らかになった。また、ゼリー剤はその保存性が重要であり、剤に含有される防腐剤がその効果を十分に発揮することが必要であるが、分散剤、特に界面活性剤の種類によっては、防腐剤が不活化されてしまうため、保存性が悪化するという問題がある。
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意研究を重ねた結果、シロスタゾールが均一に分散されており、さらに食感、風味および外観にも優れ、保存性も良好なシロスタゾールゼリー状医薬組成物を見出した。また、シロスタゾールのゼリー基剤からの放出性にすぐれ、剤に含まれるシロスタゾールの患者の体内への吸収性に優れるゼリー状医薬組成物を見出した。そして、この医薬組成物から、シロスタゾールのゼリー状医薬製剤であって、特に高齢患者にとっても服用しやすいシロスタゾールゼリー剤を得ることができた。
すなわち本発明は、以下の通りである。
(1) シロスタゾール粉末を含むゼリー状医薬組成物であって、カラギーナン、カロブビーンガム、ポリアクリル酸ナトリウムをゼリー基剤として含み、さらに界面活性剤を含むゼリー状医薬組成物。
(2) 前記界面活性剤がポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールであることを特徴とする、(1)に記載のゼリー状医薬組成物。
(3) 前記ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールの含有量が、組成物全量に対して0.001W/W%〜2W/W%であることを特徴とする、(2)に記載のゼリー状医薬組成物。
(4) (2)または(3)に記載のゼリー状医薬組成物であって、さらに防腐剤を含むことを特徴とするゼリー状医薬組成物。
(5) (1)に記載のゼリー状医薬組成物であって、さらに消泡剤を含むことを特徴とする、ゼリー状医薬組成物。
(6) 前記シロスタゾール粉末の平均粒径が2〜12μmであることを特徴とする、(1)〜(5)のいずれかに記載のゼリー状医薬組成物。
本発明のシロスタゾールのゼリー状医薬組成物は、シロスタゾールの投与が必要な患者
、特に高齢患者にとって服用が容易なシロスタゾールゼリー製剤を提供することができる。さらに、服用が容易なだけではなく、外観、風味、および食感に優れ、かつ保存性が良好なゼリー剤を提供することができる。また、剤に含まれるシロスタゾールが体内に吸収されやすく、シロスタゾールの活性を十分に発揮させうるゼリー剤を提供することができる。
本発明のシロスタゾールのゼリー状医薬組成物におけるゼリー基剤の組成は、本発明の効果を損なわない限り、任意の組成とすることができるが、保存安定性の点から、前述の特許文献1または2に記載された組成とすることが好ましい。具体的には、カラギーナン、ローカストビーンガム(別名「カロブビーンガム」)、およびポリアクリル酸またはその部分中和物もしくは塩などを含む組成とすることができる。ポリアクリル酸またはその部分中和物もしくは塩として好ましいのは、ポリアクリル酸ナトリウムである。
ゼリー状医薬組成物中に基剤として含まれるカラギーナンの組成物全量に対する含有量は0.01〜1.0W/W%、カロブビーンガム(別名:ローカストビーンガム)の組成物全量に対する含有量は0.01〜1.0W/W%、また、ポリアクリル酸またはその部分中和物もしくは塩の組成物全量に対する含有量は0.0001〜0.05W/W%であることが好ましい。
本発明のシロスタゾールのゼリー状医薬組成物は、さらに界面活性剤を含ませることができる。界面活性剤を含ませることにより、シロスタゾールを均一にゼリー基剤に分散させることが可能になり、ゼリー状医薬組成物中においてシロスタゾールを均一に分散させることができる。
この様な界面活性剤としては、シロスタゾールのゼリー基剤への分散性を向上させることができる界面活性剤であればよく、イオン性、非イオン性の界面活性剤、例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(例えばポリソルベート80)、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油及び硬化ヒマシ油(例えばHCO60)、ショ糖脂肪酸エステル、及びアルキル硫酸塩(例えばラウリル硫酸ナトリウム)等が挙げられる。これらを単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
さらに好ましい界面活性剤は、ゼリー状医薬組成物に含有させてゼリー剤を調製した場合に、そのゼリー剤の外観がよく、風味がよく、食感がよくなるような界面活性剤である。ここで、外観がよいとは見た目に美しいこと(例えば、泡立ちがないこと)を意味し、風味がよいとは嗅覚または味覚に心地よい(例えば油臭のないこと)ことを意味し、食感がよいとは口に入れたときの感触または飲み込みやすさ(咽ごしの良さ)を意味する。
なお、界面活性剤を加えることにより、ゼリー剤に泡立ちが見られる場合や、食感が悪化する場合は、消泡剤を加えることによってこれらを改善することができ、良好なゼリー剤を得ることができる。このような消泡剤としては、シリコン樹脂エマルジョン、シリコン消泡剤、シリコン油又は、シリコンを任意に乳化した物などが挙げられる。
さらに、界面活性剤を加えることにより、ゼリー剤の風味が悪化する場合には、任意に甘味剤や香料を加えることにより、風味を改善し、服用を容易にすることができる。このような甘味剤としては、糖類、多価アルコール類、化学甘味剤が挙げられ、香料は、趣向・風味に合わせて添加すればよい。
また、一般に界面活性剤は、防腐剤を不活化(カビや細菌の増殖抑制効果が低減または
消失することを意味する)させることが知られているが、本発明のシロスタゾールゼリー状医薬組成物に含まれる界面活性剤は、この様な不活化作用が低い界面活性剤であることが好ましい。
従って、本発明のシロスタゾールゼリー医薬組成物に含有される好ましい界面活性剤として、任意の重合度を有するポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールが挙げられる。例えば、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール(エチレンオキシドの平均重合度が160であって、プロピレンオキシドの平均重合度が30であるグリコールを意味する)、ポリオキシエチレン(120)ポリオキシプロピレン(40)グリコール、ポリオキシエチレン(196)ポリオキシプロピレン(67)グリコール、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(20)グリコール、ポリオキシエチレン(200)ポリオキシプロピレン(70)グリコールなどが挙げられるが、これらに限定されない。これらを単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明のゼリー状医薬組成物に含まれる界面活性剤、好ましくはポリオキシエチレンポリプロピレングリコールの含有量は、ゼリー状医薬組成物全体に対して0.001W/W%〜2W/W%の範囲が好ましく、さらに好ましくは0.01W/W%〜1W/W%の範囲であり、最も好ましくは0.1W/W%〜0.5W/W%の範囲である。0.001W/W%以上にすることにより、シロスタゾールのゼリー基剤への「濡れ」が改善されてゼリー状組成物中での分散性がよくなり、2W/W%以下にすることにより、得られるゼリー剤の風味がよくなり、食感が良好になる。
本発明のゼリー状医薬組成物には、さらに防腐剤を含ませることができる。医薬組成物の成分として通常用いられている防腐剤であれば、任意の防腐剤を用いることができる。例えば、パラベン類、ベンジルアルコール、安息香酸ナトリウム、フェノール、塩化ベンザルコニウム、チメロサール、クロロブタノール、安息香酸、重亜硫酸ナトリウム、およびプロピオン酸ナトリウムが挙げられる。好ましくは、界面活性剤、特にポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールによって、不活化されにくい防腐剤であることが好ましい。このような防腐剤としては、パラベン類、安息香酸、安息香酸ナトリウム等が挙げられる。
なお、本発明のゼリー状医薬組成物には必ずしも防腐剤を含ませる必要はないので、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール以外の界面活性剤を用いることができることはいうまでもない。例えば、界面活性剤のなかには抗菌または防腐効果をも有するものがあり、このような界面活性剤を使用すれば本発明の効果を損なわない、防腐剤を含有しないゼリー状医薬組成物を得ることもできる。
本発明のゼリー状医薬組成物には、さらに、任意に添加剤、賦形剤、pH調整剤等を添加することができ、製剤学的に良好なゼリー剤を得ることができる。
本発明のゼリー状医薬組成物に含まれるシロスタゾール粉末は、組成物中に任意の大きさで含ませることができるが、調製されるゼリー基剤からのシロスタゾールの放出性、および体内への吸収性(血液吸収性を含む)が向上するような大きさの粉末にすることが好ましい。従って、好ましいシロスタゾール粉末の平均粒径は2〜12μmの範囲であり、さらに好ましくは4〜8μmの範囲である。平均粒径を12μm以下とすることにより、ゼリー基剤からのシロスタゾールの放出性、シロスタゾールの体内への吸収性を向上させることができ、また経済性などの点から2μm以上とすることが好ましい。
このようなシロスタゾール粉末は、各種装置を用いた通常の方法により得ることができる。すなわち、粉砕機、例えばジェットミル、ハンマーミル、回転ボールミル、振動ボー
ルミル、シェーカーミル、ロッドミル、チューブミルを用いて粉砕し、さらに必要に応じて分球することが好ましい。
本発明のゼリー状医薬組成物に含まれるシロスタゾール粉末の含有量は、ゼリー状医薬組成物全体に対して、0.03〜20W/W%とすることが好ましい。
本発明のゼリー状医薬組成物は、本発明の効果を損なわない限り、通常のゼリー状医薬組成物の製造法により製造することができ、精製水、ゼリー基剤の組成成分、界面活性剤、およびシロスタゾール粉末、ならびにその他の成分を任意の順序で混合させ、均一化し、ゼリー状にすることにより得ることができる。
本発明のゼリー状医薬組成物は、それを服用する患者にとって服用しやすい形態で提供することができる。例えば、胴部を押圧変形して内容物が注出できるような使い捨ての容器、例えばスティック包装容器に、一回当たりの投与量と同量のゼリー状医薬組成物を封入したゼリー剤として提供することが好ましい。
以下に、実施例を示して、本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明がこれら実施例にのみ限定されることはない。
シロスタゾールゼリー剤を以下の手順に従って調製した。精製水約40g中に、カラギーナン、カロブビーンガム、アクリル酸ナトリウム、及び界面活性剤ならびにその他の成分を、撹拌しながら加え、80℃に加温して溶解させた。これにシロスタゾール粉末を加えて分散し、均一化して、さらにこの調製液に精製水を加えて99gとした。これを密栓して80℃にて1時間保持して殺菌した。この様にして得られたゼリー状医薬組成物を、スティック包装容器に3gまたは1.5g充填して、シロスタゾールゼリー剤を得た。なお、下記の実施例においてシロスタゾール粉末は、別段の記載がない限り、平均粒径5μmの粉末である。
(実施例1〜4)
界面活性剤を含有するゼリー剤
表1に示す実施例1〜4及び比較例1では、界面活性剤としてポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール(実施例1)、ラウリル硫酸ナトリウム(実施例2)、HCO60(実施例3)、またはポリソルベート80(実施例4)を用いて、あるいは界面活性剤を用いずに(比較例1)、シロスタゾールゼリー剤を調製した。
Figure 2005082536
このようにして得られたゼリー剤を、シロスタゾールの分散性、ゼリー剤の外観、風味、食感に関して調査した。それらの結果を表2に示す。
Figure 2005082536
表2に示された結果から、界面活性剤を加えずに調製したゼリー剤(比較例1)は、シロスタゾールが不均一に分散しており、分散性の面で問題があり、さらに食感もぼそぼそした感じになることがわかった。一方、界面活性剤を加えて調製したゼリー剤は、いずれもシロスタゾールが均一に分散しており、分散性の点で良好な結果が得られた。
さらに表2に示された結果から、ラウリル硫酸ナトリウム(実施例2)、HCO60(実施例3)、またはポリソルベート80(実施例4)を加えて調製したゼリー剤は、泡立ちがみられ、また風味もエグ味(「あくが強く、のどを刺激する味」を意味する)がしたり、油臭がするなどゼリー剤として問題が認められ、さらにぬるぬるした食感があった。これに対して、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコールを加えて調製したゼリー剤は、風味がよく、食感に優れ、また泡立ちもなく、医薬ゼリー剤として良好な結果を与えた。
(実施例5〜7)
種々の量のポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコールを含有するゼリー剤
表3に示す実施例1及び5〜7では、界面活性剤としてポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコールを用いて、その含有量を変化させて(ゼリー剤全体に対
して約0.01、0.1、1、5W/W%)、ゼリー剤を調製した。
Figure 2005082536
このようにして得られたゼリー剤をシロスタゾールの分散性、ゼリー剤の外観、風味、食感について調査した。それらの結果を表4に示す。
Figure 2005082536
表4に示された結果から、シロスタゾールの分散性については、いずれの剤についてもおおむね良好であることがわかったが、含有量を0.01g(実施例5)(ゼリー剤全体に対して約0.01W/W%)とした場合には、他の実施例と比較してやや劣る結果となった。また、含有量を5g(実施例7)(ゼリー剤全体に対して約5W/W%)とした場合には、ゼリー剤に泡立ちが見られ、風味にエグ味があり、またぬるぬるした食感があったが、それより少ない含有量の場合には、そのような泡立ち、風味、食感はなく、良好であった。なかでも、含有量を0.1g(ゼリー剤全体に対して約0.1W/W%)とした場合に(実施例1)、良好な結果が得られた。
(実施例8〜13)
種々の重合度のポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールを含有するゼリー剤
表5に示す実施例8〜10では、界面活性剤としてポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコールを用いて、また表6に示す実施例11〜13では、ポリオキシエチレン(196)ポリオキシプロピレン(67)グリコールを用いて、シロスタゾールゼリー剤を調製した。
Figure 2005082536
Figure 2005082536
実施例8〜13で得られたゼリー剤を、シロスタゾールの分散性、ゼリー剤の外観、風味、食感について調査した。それらの結果を表7に示す。
Figure 2005082536
表7に示された結果から、実施例8〜13で得られたいずれのゼリー剤も、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコールの場合(実施例1及び5〜6)と同様に、良好なシロスタゾールの分散性、および良好な風味および食感を有するゼリー剤であることがわかった。さらに、なかでも、含有量を0.1g(ゼリー剤全体に対して約0
.1W/W%)とした場合に(実施例9又は12)、優れたゼリー剤が得られることもわかった。
(実施例14〜16)
界面活性剤の防腐剤への不活化作用
表8の実施例では界面活性剤としてポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール(実施例14)、Tween80(実施例15)、もしくはHCO60(実施例16)を用いて、または比較例2では界面活性剤を用いずに、かつ防腐剤としてパラオキシ安息香酸エチルおよびパラオキシ安息香酸プロピルを用いてシロスタゾールゼリー剤を調製した。
Figure 2005082536
上記実施例14〜16および比較例2で得られたゼリー剤1gに対して、104個の大腸菌、緑膿菌または黄色ブドウ球菌をそれぞれ播種した。各ゼリー剤について、播種6時間後、および24時間後に菌数を測定した。その結果を表9(大腸菌)、表10(緑膿菌)および表11(黄色ブドウ球菌)に示す。
Figure 2005082536
Figure 2005082536
Figure 2005082536
表9〜11に示された結果から、いずれの菌種を用いた場合も、界面活性剤としてポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコールを用いて調製したゼリー剤(実施例14)では、界面活性剤を用いずに調製したゼリー剤(比較例2)とほぼ同様に、菌数が減少することがわかった。一方、界面活性剤としてTween80またはHCO60を用いて調製したゼリー剤(実施例15または16)では、菌数が減少しないか、または若干の増加がみられた。これらの結果から、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコールは防腐剤への不活化作用が低いことがわかる。
実施例1〜4の成分に、0.01gのシリコン樹脂エマルションをさらに加えた成分組成を有するゼリー剤を、実施例1〜4と同様の手順で調製した。このゼリー剤を調査したところ、実施例2〜4で得られたゼリー剤は泡立ちがみられたのに対し、本法で得られたゼリー剤はいずれも、泡立ちは確認されず、かつシロスタゾール粉末の分散性および食感が良好であった。
シロスタゾール粉末の粒径と血液吸収性の関係
実施例14で調製したシロスタゾールゼリー剤3g(シロスタゾールとして100mg)、もしくは平均粒径5μmのシロスタゾール粉末の代わりに平均粒径16μmのシロスタゾール粉末を用いて実施例14と同様に調製したシロスタゾールゼリー剤3g(シロスタゾールとして100mg)、または市販のシロスタゾール錠剤プレタール錠1錠(シロスタゾールとして100mg)を、それぞれビーグル犬に投与し、投与後のシロスタゾールの血中濃度を測定した。その結果を図1に示す。粒径16μmのゼリー剤と比較して粒径5μmのゼリー剤は血液吸収性に優れていることがわかる。
本発明に係るシロスタゾールのゼリー状医薬組成物を用いることにより、服用が容易であるゼリー剤であって、有効成分であるシロスタゾールが均一に分散しているゼリー剤を調製することができる。従って、特にシロスタゾールの服用が必要な高齢患者にとって有用であるといえる。さらに、界面活性剤の種類、含有量を選択することにより、風味および食感に優れるゼリー剤を調製することができる。
シロスタゾール粉末(5μm)を含むゼリー剤、シロスタゾール粉末(16μm)を含むゼリー剤、またはシロスタゾール錠剤(プレタール(登録商標)錠)を投与した場合の、シロスタゾール血中濃度と投与後時間との関係を示す図である。

Claims (6)

  1. シロスタゾール粉末を含むゼリー状医薬組成物であって、カラギーナン、カロブビーンガムおよびポリアクリル酸ナトリウムをゼリー基剤として含み、さらに界面活性剤を含むゼリー状医薬組成物。
  2. 前記界面活性剤がポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールであることを特徴とする、請求項1に記載のゼリー状医薬組成物。
  3. 前記ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールの含有量が、組成物全量に対して0.001W/W%〜2W/W%であることを特徴とする、請求項2に記載のゼリー状医薬組成物。
  4. 請求項2または3に記載のゼリー状医薬組成物であって、さらに防腐剤を含むことを特徴とする、ゼリー状医薬組成物。
  5. 請求項1に記載のゼリー状医薬組成物であって、さらに消泡剤を含むことを特徴とする、ゼリー状医薬組成物。
  6. 前記シロスタゾール粉末の平均粒径が2〜12μmであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のゼリー状医薬組成物。
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