JP2003026676A - 吸収性が改善された医薬組成物 - Google Patents

吸収性が改善された医薬組成物

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JP2003026676A
JP2003026676A JP2001377074A JP2001377074A JP2003026676A JP 2003026676 A JP2003026676 A JP 2003026676A JP 2001377074 A JP2001377074 A JP 2001377074A JP 2001377074 A JP2001377074 A JP 2001377074A JP 2003026676 A JP2003026676 A JP 2003026676A
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JP2001377074A
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Eiji Nara
英治 奈良
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
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Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 HER2阻害物質の吸収性の改善。 【解決手段】 平均粒径が約3μm以下であるHER2
阻害物質またはそれを含む組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸収性が改善され
た、平均粒径が約3μm以下のHER2阻害物質、それ
を含有する組成物およびそれらの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】特開平11−60571号公報には、H
ER2阻害作用を有する式
【化5】 〔式中、Rは置換されていてもよい芳香族複素環基を、
Xは酸素原子、酸化されていてもよい硫黄原子、−C
(=O)−または−CH(OH)−を、YはCHまたは
Nを、pは0〜10の整数を、qは1〜5の整数を、式
【化6】 で表される基が置換されていてもよい芳香族アゾール基
を、環Aはさらに置換されていてもよい。〕で表される
化合物またはその塩が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、HER2阻
害物質の吸収性が改善されたHER2阻害物質、それを
含む組成物およびそれらの製造法を提供することを課題
とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、水難溶性な
いし難溶性のHER2阻害物質を水溶液中で粉砕し、ジ
ェットミル粉砕等の通常技術では達成できない約3μm
以下の微粒子とすることにより、予想外にも該HER2
阻害物質の吸収性を著しく改善できることを見出した。
本発明者らは、この知見に基づいて、さらに研究を行っ
た結果、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、(1)平均粒径が約
3μm以下であるHER2阻害物質、(2)水または水
溶液中に分散した時の平均粒径が約3μm以下であるH
ER2阻害物質、(3)結晶微粒子である第(1)項ま
たは第(2)項記載の物質、(4)HER2阻害物質
が、式
【化7】 〔式中、Rは置換されていてもよい芳香族複素環基を、
Xは酸素原子、酸化されていてもよい硫黄原子、−C
(=O)−または−CH(OH)−を、YはCHまたは
Nを、pは0〜10の整数を、qは1〜5の整数を、式
【化8】 で表される基が置換されていてもよい芳香族アゾール基
を、環Aはさらに置換されていてもよい。〕で表される
化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグである第
(1)項または第(2)項記載の物質、(5)HER2
阻害物質が、式
【化9】 〔式中、mは1または2、Rはハロゲンまたはハロゲ
ン化されていてもよいC 1−2アルキル、RおよびR
の一方は水素原子、他方は式
【化10】 (式中、nは3または4、Rは1〜2個のヒドロキシ
基で置換されたC1−4アルキル基を示す)で表される
基を示す。〕で表される化合物もしくはその塩またはそ
のプロドラッグである第(1)項または第(2)項記載
の物質、(6)HER2阻害物質が、(i)1−(4−
{4−[(2−{(E)−2−[4−(トリフルオロメ
チル)フェニル]エテニル}−1,3−オキサゾール−
4−イル)メトキシ]フェニル}ブチル)−1H−1,
2,3−トリアゾール、(ii)1−(3−{3−[(2
−{(E)−2−[4−(トリフルオロメチル)フェニ
ル]エテニル}−1,3−オキサゾール−4−イル)メ
トキシ]フェニル}プロピル)−1H−1,2,3−ト
リアゾール、(iii)3−(1−{4−[4−({2−
[(E)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)エテニ
ル]−1,3−オキサゾール−4−イル}メトキシ)フ
ェニル]ブチル}−1H−イミダゾール−2−イル)−
1,2−プロパンジオールもしくはその塩またはそのプ
ロドラッグである第(1)項または第(2)項記載の物
質、(7)第(1)項または第(2)項記載の物質を含
有する組成物、(8)安定化剤を含む第(7)項記載の
組成物、(9)安定化剤が界面活性剤、親水性重合
体および易水溶性シクロデキストリン誘導体から選ば
れる少なくとも1つである第(7)項記載の組成物、
(10)安定化剤がデオキシコール酸ナトリウム、ヒド
ロキシプロピルセルロースおよびポリビニルピロリドン
から選ばれる少なくとも1つである第(7)項記載の組
成物、(11)安定化剤として界面活性剤および親水性
重合体の双方を含む第(8)項記載の組成物、(12)
界面活性剤がアニオン性界面活性剤または非イオン性界
面活性剤である第(11)項記載の組成物、(13)界
面活性剤がアルキル硫酸塩またはショ糖脂肪酸エステル
である第(11)項記載の組成物、(14)界面活性剤
がラウリル硫酸ナトリウムまたはショ糖ステアリン酸エ
ステルである第(11)項記載の組成物、(15)親水
性重合体がヒドロキシプロピルセルロースである第(1
1)項記載の組成物、(16)界面活性剤がラウリル硫
酸ナトリウムまたはショ糖脂肪酸エステル、親水性重合
体がヒドロキシプロピルセルロースである第(11)項
記載の組成物、(17)経口投与用である第(7)項記
載の組成物、(18)抗癌剤である第(7)項記載の組
成物、(19)乳癌または前立腺癌の予防・治療剤であ
る第(7)項記載の組成物、(20)HER2阻害物質
を水または水溶液中で粉砕することを特徴とする第
(1)項または第(2)記載の物質の製造法、(21)
HER2阻害物質を水または水溶液中で粉砕することを
特徴とする第(7)項記載の組成物の製造法、(22)
HER2阻害物質を、安定化剤を含有する水溶液中で粉
砕することを特徴とする第(8)項記載の組成物の製造
法、(23)圧密剪断ミルを用いて粉砕することを特徴
とする第(20)項、第(21)項または第(22)項
記載の製造法、(24)HER2阻害物質を、安定化剤
を含有する水溶液中で粉砕し、溶媒を除去して得られる
組成物、(25)哺乳動物に対して、平均粒径が約3μ
m以下であるHER2阻害物質を経口投与することを特
徴とする癌を予防または治療する方法、および(26)
癌の予防または治療のための経口投与剤を製造するため
の、平均粒径が約3μm以下であるHER2阻害物質の
使用を提供する。
【0006】さらに、本発明は、(27)式
【化11】 で表される環式基が(i)アルキル基、(ii)アルー
ル基(iii)ヒドロキシアルキル基、(iv)カルボ
キシル基、(v)アルコキシカルボニル基および(v
i)カルバモイル基から選ばれる1個もしくは2個の置
換基でそれぞれ置換されていてもよいピロリル基、イミ
ダゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾ
リル基またはベンズイミダゾリル基である第(4)項記
載の物質、(28)pが3〜5の整数である第(4)項
記載の物質、(29)qが1である第(4)項記載の物
質、(30)Xが酸素原子である第(4)項記載の物
質、(31)Rが置換されていてもよいオキサゾリル基
または置換されていてもよいチアゾリル基である第
(4)項記載の物質、(32)Rが(i)ヒドロキシル
基、アルコキシ基、アリールアルコキシ基、アルキル
基、シアノ基、ハロゲン原子およびテトラゾリル基から
選ばれる1個または2個の置換基で置換されていてもよ
いアリール基、(ii)アルキル基、(iii)ヒドロ
キシアルキル基、(iv)アルコキシカルボニルアルキ
ル基、(v)1個または2個のアリール基で置換された
アルキル基、(vi)1個または2個のアリール基で置
換されたアルケニル基、(vii)シクロアルキル基、
(viii)部分飽和ナフチル基、(ix)ヒドロキシ
基、アルコキシ基、アリールアルコキシ基、アルキル
基、シアノ基、アリル基およびハロゲン原子から選ばれ
る1個または2個の置換基で置換されていてもよいチエ
ニル基もしくはフリル基、(x)ベンゾフラニル基およ
び(xi)ベンゾチエニル基から選ばれる1個もしくは
2個の置換基でそれぞれ置換されていてもよいオキサゾ
リル基、ベンゾオキサゾリル基またはチアゾリル基であ
る第(4)項記載の物質、(33)Rが(i)ヒドロキ
シル基、アルコキシ基、アリールアルコキシ基、アルキ
ル基、シアノ基、ハロゲン原子およびテトラゾリル基か
ら選ばれる1個または2個の置換基で置換されていても
よいアリール基、(ii)アルキル基、(iii)ヒド
ロキシアルキル基、(iv)アルコキシカルボニルアル
キル基、(v)1個または2個のアリール基で置換され
たアルキル基、(vi)1個または2個のアリール基で
置換されたアルケニル基、(vii)シクロアルキル
基、(viii)部分飽和ナフチル基、(ix)ヒドロ
キシ基、アルコキシ基、アリールアルコキシ基、アルキ
ル基、シアノ基、アリル基およびハロゲン原子から選ば
れる1個または2個の置換基で置換されていてもよいチ
エニル基もしくはフリル基、(x)ベンゾフラニル基お
よび(xi)ベンゾチエニル基から選ばれる1個もしく
は2個の置換基でそれぞれ置換されていてもよいオキサ
ゾリル基、ベンゾオキサゾリル基またはチアゾリル基で
あり、Xが酸素原子であり、pが0〜6の整数であり、
qが1であり、式
【化12】 で表される環式基が(i)アルキル基、(ii)アリー
ル基、(iii)ヒドロキシアルキル基、(iv)カル
ボキシル基、(v)アルコキシカルボニル基および(v
i)カルバモイル基から選ばれる1個もしくは2個の置
換基でそれぞれ置換されていてもよいピロリル基、イミ
ダゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾ
リル基またはベンズイミダゾリル基である第(4)項記
載の物質、
【0007】(34)Rがアリールアルケニルもしくは
アリールアルコキシ−アリール基で置換されたオキサゾ
リル基であり、Xが酸素原子であり、pが3または4で
あり、qが1であり、式
【化13】 で表される環式基がイミダゾリル基またはトリアゾリル
基であり、式
【化14】 で表される基が1,3−フェニレン基または1,4−フ
ェニレン基である第(4)項記載の物質、(35)Rが
チエニル基で置換されたオキサゾリル基もしくはチアゾ
リル基であり、Xが酸素原子であり、pが3または4で
あり、qが1であり、式
【化15】 で表される環式基がイミダゾリル基またはトリアゾリル
基であり、式
【化16】 で表される基が1,3−フェニレン基または1,4−フ
ェニレン基である第(4)項記載の物質、(36)Rが
チエニル基で置換されたベンゾオキサゾリル基であり、
Xが酸素原子であり、pが3または4であり、qが1で
あり、式
【化17】 で表される環式基がイミダゾリル基またはトリアゾリル
基であり、式
【化18】 で表される基が1,3−フェニレン基または1,4−フ
ェニレン基である第(4)項記載の物質、
【0008】(37)HER2阻害物質が、(i)1−
[4−[4−[2−[(E)−2−フェニルエテニル]
−4−オキサゾリルメトキシ]フェニル]ブチル]−
1,2,4−トリアゾール、(ii)4−[4−[4−
(1−イミダゾリル)ブチル]フェノキシメチル]−2
−[(E)−2−フェニルエテニル]オキサゾール、
(iii)4−[4−[3−(1−イミダゾリル)プロピ
ル]フェノキシメチル]−2−[(E)−2−フェニル
エテニル]オキサゾール、(iv)4−[3−[3−(1
−イミダゾリル)プロピル]フェノキシメチル]−2−
[(E)−2−フェニルエテニル]オキサゾール、
(v)2−(4−ベンジルオキシフェニル)−4−[4
−[4−[3−(1−イミダゾリル)プロピル]フェノ
キシメチル]オキサゾール、(vi)4−[4−[3−
(1−イミダゾリル)プロピル]フェノキシメチル]−
2−(2−チエニル)オキサゾール、(vii)4−[4
−[3−(1−イミダゾリル)プロピル]フェノキシメ
チル]−2−(5−メチル−2−チエニル)オキサゾー
ル、(viii)2−(5−クロロ−2−チエニル)−4−
[4−[3−(1−イミダゾリル)−プロピル]フェノ
キシメチル]オキサゾール、(ix)4−[4−[3−
(1−イミダゾリル)プロピル]フェノキシメチル]−
2−(2−チエニル)チアゾール、(x)5−[4−
[3−(1−イミダゾリル)プロピル]フェノキシメチ
ル]−2−(2−チエニル)ベンゾオキサゾールもしく
はその塩あるいはそのプロドラッグである第(1)項ま
たは第(2)項記載の物質、(38)R1がフルオロま
たはトリフルオロメチルである第(5)項記載の物質、
(39)R2が式
【化19】 で表される基およびR3が水素原子、またはR2が水素原
子およびR3が式
【化20】 で表される基である第(5)項記載の物質、(40)R
2が式
【化21】 で表される基およびR3が水素原子である第(5)項記
載の物質、(41)mが1、R1が4−トリフルオロメ
チル、R2が式
【化22】 で表される基、およびR3が水素原子である第(5)項
記載の物質、および(42)注射剤である第(7)項記
載の組成物を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】本明細書において、「HER2」
とは「増殖因子受容体チロシンキナーゼ」をいう。本明
細書において、「HER2阻害物質」とは、HER2の
機能を阻害する物質であれば特に限定されない。例え
ば、HER2とリガンドとの結合を阻害する物質、HE
R2の産生を阻害する物質(例、DNA合成阻害物質、
RNA合成阻害剤、mRNA転写阻害物質)などが挙げ
られる。「物質」とは、合成化合物、発酵生産物、ペプ
チド、蛋白質、細胞・組織抽出物などが挙げられる。本
発明のHER2阻害物質としては、水溶性、水難溶性、
水不溶性を問わないが、本発明は特に水難溶性ないし不
溶性の物質に適している。「水難溶性ないし不溶性」と
は、例えば、25℃で水に対して10000ppm未
満、好ましくは100ppm未満の溶解度を示すこと、
または25℃で水に対する溶解度が10mg/mL未
満、好ましくは0.1mg/mL未満であることを示
す。溶解度は常法に従って測定することができる。本発
明のHER2阻害物質の平均粒径は約3μm以下であ
り、より具体的には、少なくとも水系溶媒(例、水、メ
チルセルロース水溶液)中に分散した際の平均粒径が約
3μm以下である。本発明のHER2阻害物質の平均粒
径としては、約2μm以下が好ましく、約1μm以下が
より好ましく、特に約0.5μm以下が好ましい。平均
粒径の下限は特に限定されないが、通常約0.05μm
以上、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは約
0.2、特に0.4μm以上である。平均粒径として
は、特に約0.2〜1.0μm、さらには0.4〜1μ
mが好適である。平均粒子径の測定は、自体公知の方
法、測定機器を用いて行うことができ、平均粒子サイズ
とは例えばレーザー回析/散乱式粒度分布測定器(例、
SALD-2000A(島津製作所))によって測定されるような
体積平均粒子サイズをいう。粒子径の測定は、通常、室
温で約1〜100μg/mlの濃度のHER2阻害物質
懸濁液を1分以内の短時間の超音波処理あるいはボルテ
ックスミキサーを用いた撹拌により均一に分散させて行
われ、測定に用いる水系溶媒としては、通常水が用いら
れるが、目的によっては、各種pHの緩衝液、擬似体
液、0.5%メチルセルロース溶液などを用いられる。
本発明の平均粒径約3μm以下のHER2阻害物質は、
例えば、HER2阻害物質の水溶解性、吸収性(例、経
口吸収性、血中への吸収性)が改善されている。
【0010】本発明の平均粒径約3μm以下のHER2
阻害物質は、粉末X線回析装置により分析すると明確な
結晶ピークが観察されることから、主として結晶状態で
存在していると考えられる。従って、水に対する溶解度
は大きく変化しないと推定される。「水溶解性が改善さ
れている」とは、具体的には、「溶解速度が促進されて
いる」ことを言い、37℃における溶解速度が2倍、好
ましくは5倍、より好ましくは10倍、さらに好ましく
は100倍以上に促進されることをいう。溶解速度の測
定は、自体公知の方法により実施することができるが、
簡便には例えば溶出試験法などによっても測定できる。
「水溶解性の改善」には主として微粒子化により粒子表
面積が増大することが起因していると考えられるが、ポ
リマーや界面活性剤等により分散状態が安定化されてい
る場合には、薬物粒子が水に対して濡れ易くなっている
ことも寄与していると考えられる。具体的には、「経口
吸収性が改善されている」とは、例えば、粒径が約3μ
m以上のHER2阻害物質に比べて、「吸収速度の増
加」あるいは「吸収率、バイオアベイラビリティの改
善」の少なくとも一方が達成されることを言う。本発明
の結晶微粒子製剤では、予期せぬ事であったが、HER
2阻害物質の吸収性が改善されている。そのメカニズム
は明らかではなく以下の理論的な考察に拘束されること
を欲しないが、例えば、HER2阻害物質の溶解速度が
速くなり、消化管吸収部位を通過するまでに溶解する薬
物量が増大し吸収性が改善されるとも考えられる。ま
た、微小粒子としたことにより消化管内での付着性・滞
留性が向上した事や、例えばパイエル集腺のM細胞経由
でリンパ管への移行性が向上した事なども吸収性改善に
寄与していると想像できる。「薬物吸収速度の促進」の
指標としてはTmax(最大血中濃度に達するまでの時間)、
MRT(平均滞留時間)等が挙げられ、一方、「吸収率、
バイオアベイラビリティの改善」の指標としてはAUC
(血中濃度-時間曲線下面積)、Cmax(最大血中濃度に達
するまでの時間)等が挙げられる。具体的には、例え
ば、粒径が約3μm以上のHER2阻害物質に比べて、
吸収性が約2倍、好ましくは約5倍、より好ましくは1
0倍、さらに好ましくは100倍、1000倍、1万
倍、10万倍、100万倍以上に向上することを言う。
【0011】本発明に用いられるHER2阻害物質とし
ては、具体的には、水難溶性ないし不溶性である、式
【化23】 〔式中、Rは置換されていてもよい芳香族複素環基を、
Xは酸素原子、酸化されていてもよい硫黄原子、−C
(=O)−または−CH(OH)−を、YはCHまたは
Nを、pは0〜10の整数を、qは1〜5の整数を、式
【化24】 で表される基が置換されていてもよい芳香族アゾール基
を、環Aはさらに置換されていてもよい。〕で表される
化合物(I)もしくはその塩またはそのプロドラッグな
どが用いられる。
【0012】上記化合物(I)中、Rで示される置換さ
れていてもよい芳香族複素環基における複素環基として
は、(1)環構成原子として炭素原子以外に窒素原子、
酸素原子、硫黄原子から選ばれる1〜4個の原子を含む
5員もしくは6員の芳香族単環式複素環基、および
(2)(i)環構成原子として炭素原子以外に窒素原
子、酸素原子、硫黄原子から選ばれる1〜4個の原子を
含む5員もしくは6員の芳香族単環式複素環と、(i
i)環構成原子として炭素原子以外に1もしくは2個と
窒素原子を含む5員または6員の芳香族あるいは非芳香
族複素環、ベンゼン環または環構成原子として炭素原子
以外に1個硫黄原子を含む5員の芳香族あるいは非芳香
族複素環とが縮合して形成する芳香族縮合複素環基等が
挙げられる。このような芳香族複素環基の具体例として
は、例えばピリジル(例、2−ピリジル、3−ピリジ
ル、4−ピリジル)、ピリミジニル(例、2−ピリミジ
ニル、5−ピリミジニル、6−ピリミジニル)、ピリダ
ジニル(例、3−ピリダジニル、4−ピリダジニル)、
ピラジニル(例、2−ピラジニル)、ピロリル(例、1
−ピロリル、2−ピロリル)、イミダゾリル(例、1−
イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、
5−イミダゾリル)、ピラゾリル(例、1−ピラゾリ
ル、3−ピラゾリル、4−ピラゾリル)、イソオキサゾ
リル、イソチアゾリル、チアゾリル(例、2−チアゾリ
ル、4−チアゾリル、5−チアゾリル)、オキサゾリル
(例、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキ
サゾリル)、オキサジアゾリル(例、1,2,4−オキ
サジアゾール−5−イル等の1,2,4−オキサジアゾ
リル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,3,4−オ
キサジアゾリル)、チアジアゾリル(例、1,2,3−
チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,
3,4−チアジアゾリル)、トリアゾリル(例、1,
2,4−トリアゾール−1−イル、1,2,4−トリア
ゾール−5−イル等の1,2,4−トリアゾリル、1,
2,3−トリアゾール−1−イル、1,2,3−トリア
ゾール−2−イル、1,2,3−トリアゾール−4−イ
ル等の1,2,3−トリアゾリル)、テトラゾリル
(例、テトラゾール−1−イル、テトラゾール−5−イ
ル)、ベンズイミダゾリル(例、ベンズイミダゾール−
1−イル、ベンズイミダゾール−2−イル)、インドリ
ル(例、インドール−1−イル、インドール−3−イ
ル)、インダゾリル(例、1H−インダゾール−1−イ
ル、1H−インダゾール−3−イル)、ピロロピラジニ
ル(例、1H−ピロロ〔2,3−b〕ピラジニル)、ピ
ロロピリジル(例、1H−ピロロ〔2,3−b〕ピリジ
ル)、イミダゾピリジル(例、1H−イミダゾ〔4,5
−b〕ピリジル、1H−イミダゾ〔4,5−c〕ピリジ
ル)、イミダゾピラジニル(例、1H−イミダゾ〔4,
5−b〕ピラジニル)、ピロロピリダジニル(例、ピロ
ロ〔1,2−b〕ピリダジニル)、ピラゾルピリジル
(例、ピラゾロ〔1,5−a〕ピリジル)、イミダゾピ
リジル(例、イミダゾ〔1,2−a〕ピリジル、イミダ
ゾ〔1,5−a〕ピリジル)、イミダゾピリダジニル
(例、イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジニル)、イミダ
ゾピリミジニル(例、イミダゾ〔1,2−a〕ピリミジ
ニル)、フリル、チエニル、ベンゾフラニル、ベンゾチ
エニル(例、ベンゾ〔b〕チエニル)、ベンズオキサゾ
リル、ベンズチアゾリル、キノリル、イソキノリル、キ
ナゾリニル等が挙げられ、好適な例としては、例えばオ
キサゾリル、チアゾリル、イソオキサゾリル、イソチア
ゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリ
ル、チアジアゾリルなどの5員の単環式芳香族アゾール
基や、例えばベンズオキサゾリル、ベンゾチアゾリルな
どのベンゼン環と縮合した芳香族縮合アゾール基や、例
えばピリジル、ピリミジルなどの6員の単環式芳香族複
素環が挙げられる。芳香族複素環のさらに好適な例とし
ては、例えばオキサゾリル基、チアゾリル基などの5員
の単環式芳香族アゾール基が挙げられる。
【0013】Rで示される芳香族複素環基および式
【化25】 で示される芳香族アゾール基としては、(1)環構成原
子として炭素原子以外に1〜4個の窒素原子を含み、1
個の酸素原子あるいは1個の硫黄原子を含んでいてもよ
い5員の芳香族単環式複素環基、および(2)(i)環
構成原子として炭素原子以外に1〜4個の窒素原子を含
み、1個の酸素原子あるいは1個の硫黄原子を含んでい
てもよい5員の芳香族単環式複素環と、(ii)環構成
原子として炭素原子以外に1もしくは2個と窒素原子を
含む5員または6員の芳香族あるいは非芳香族複素環、
ベンゼン環または環構成原子として炭素原子以外に1個
硫黄原子を含む5員の芳香族あるいは非芳香族複素環と
が縮合して形成する芳香族縮合複素環基等が挙げられ
る。このような芳香族アゾール基としては、例えばピロ
リル(例、1−ピロリル)、イミダゾリル(例、1−イ
ミダゾリル)、ピラゾリル(例、1−ピラゾリル)、ト
リアゾリル(例、1,2,4−トリアゾール−1−イ
ル、1,2,3−トリアゾール−1−イル)、テトラゾ
リル(例、テトラゾール−1−イル)、ベンズイミダゾ
リル(ベンズイミダゾール−1−イル)、インドリル
(例、インドール−1−イル)、インダゾリル(例、1
H−インダゾール−1−イル)、ピロロピラジニル
(例、1H−ピロロ〔2,3−b〕ピラジン−1−イ
ル)、ピロロピリジル(例、1H−ピロロ〔2,3−
b〕ピリジン−1−イル、イミダゾピリジル(例、1H
−イミダゾ〔4,5−b〕ピリジン−1−イル)、イミ
ダゾピラジニル(例、1H−イミダゾ〔4,5−b〕ピ
ラジン−1−イル)等の芳香族複素環基等が挙げられ、
それらの基は環構成原子の一つとして含まれる窒素原子
を介して−(CH2)m−と結合する。芳香族アゾール
基の好適な例としてはイミダゾリル基およびトリアゾリ
ル基が挙げられる。
【0014】Rで示される芳香族複素環基および式
【化26】 で示される芳香族アゾール基は、置換可能な位置に置換
基を1〜3個(好ましくは1または2個)有していても
よい。該置換基としては、例えば脂肪族炭化水素基、脂
環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、芳香族炭化水素基
で置換された脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基で置
換された脂肪族炭化水素、芳香族複素環基、非芳香族複
素環基、芳香族複素環基で置換された脂肪族炭化水素
基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、置換されてい
てもよいアミノ基、置換されていてもよいアシル基、置
換されていてもよいヒドロキシル基、置換されていても
よいチオール基、エステル化もしくはアミド化されてい
てもよいカルボキシル基が挙げられる。置換基としての
脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素
基、芳香族炭化水素基で置換された脂肪族炭化水素基、
脂環式炭化水素基で置換された脂肪族炭化水素、芳香族
複素環基、非芳香族複素環基、および芳香族複素環基で
置換された脂肪族炭化水素基はそれぞれさらに置換され
ていてもよい。
【0015】環AはXおよび(CH2)pの他に、さら
に置換可能な位置に置換基を1〜4個(好ましくは1ま
たは2個)有していてもよい。該置換基としては、Rで
示される芳香族複素環基上への置換基が有していてもよ
い置換基として例示したもの、例えば脂肪族炭化水素
基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、芳香族炭化
水素基で置換された脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素
基で置換された脂肪族炭化水素、芳香族複素環基、非芳
香族複素環基、芳香族複素環基で置換された脂肪族炭化
水素基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、置換され
ていてもよいアミノ基、置換されていてもよいアシル
基、置換されていてもよいヒドロキシル基、置換されて
いてもよいチオール基、エステル化もしくはアミド化さ
れていてもよいカルボキシル基等が挙げられる。置換基
としての脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族
炭化水素基、芳香族炭化水素基で置換された脂肪族炭化
水素基、脂環式炭化水素基で置換された脂肪族炭化水
素、芳香族複素環基、非芳香族複素環基、および芳香族
複素環基で置換された脂肪族炭化水素基はそれぞれさら
に置換されていてもよい。
【0016】脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜1
5の直鎖状または分枝状の脂肪族炭化水素基、例えばア
ルキル基、アルケニル基、アルキニル基等が挙げられ
る。アルキル基の好適な例としては、炭素数1〜10の
アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプ
ロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、ter
t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、
tert−ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチ
ル、オクチル、ノニル、デシル、1,1−ジメチルブチ
ル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチ
ル、2−エチルブチル等が挙げられ、さらに好適な例と
しては炭素数1〜6のアルキル基が挙げられる。アルケ
ニル基の好適な例としては、炭素数2〜10のアルケニ
ル基、例えばビニル(エテニル)、アリル、イソプロペ
ニル、1−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、
1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−エチ
ル−1−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−ペ
ンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペン
テニル、4−メチル−3−ペンテニル、1−ヘキセニ
ル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニ
ル、5−ヘキセニル等が挙げられ、さらに好適な例とし
ては炭素数2〜6のアルケニル基が挙げられる。アルキ
ニル基の好適な例としては、炭素数2〜10のアルキニ
ル基、例えばエチニル、1−プロピニル、2−プロピニ
ル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−
ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペ
ンチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキ
シニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシニル等が挙げら
れ、さらに好適な例としては炭素数2〜6のアルキニル
基が挙げられる。
【0017】脂環式炭化水素基としては、例えば炭素数
3〜12の飽和または不飽和の脂環式炭化水素基、例え
ばシクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアル
カジエニル基、部分不飽和縮合二環式炭化水素基等が挙
げられる。シクロアルキル基の好適な例としては、炭素
数3〜10のシクロアルキル基、例えばシクロプロピ
ル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、
シクロヘプチル、シクロオクチル等、炭素数6〜10の
ビシクロアルキル基、例えばビシクロ〔2.2.1〕ヘ
プチル、ビシクロ〔2.2.2〕オクチル、ビシクロ
〔3.2.1〕オクチル、ビシクロ〔3.2.2〕ノニ
ル、ビシクロ〔3.3.1〕ノニル、ビシクロ〔4.
2.1〕ノニル、ビシクロ〔4.3.1〕デシル等が挙
げられる。シクロアルケニル基の好適な例としては、炭
素数5〜10のシクロアルケニル基、例えば2−シクロ
ペンテン−1−イル、3−シクロペンテン−1−イル、
2−シクロヘキセン−1−イル、3−シクロヘキセン−
1−イル等が挙げられる。シクロアルカジエニル基の好
適な例としては、炭素数5〜10のシクロアルカジエニ
ル基、例えば2,4−シクロペンタジエン−1−イル、
2,4−シクロヘキサジエン−1−イル、2,5−シク
ロヘキサジエン−1−イル等が挙げられる。部分不飽和
縮合二環式炭化水素基の好適な例としては、インダニル
基、部分飽和ナフチル基(例、3,4−ジヒドロ−2−
ナフチル等のジヒドロナフチル基、1,2,3,4−テ
トラヒドロナフチル等のテトラヒドロナフチル等)等の
ベンゼン環と脂環式炭化水素が縮合して形成する炭素数
9〜12の基が挙げられる。
【0018】芳香族炭化水素基としては、単環式もしく
は縮合多環式芳香族炭化水素基が挙げられ、好適な例と
しては炭素数6〜14のアリール基、例えばフェニル、
ナフチル、アントリル、フェナントリル、アセナフチレ
ニル、9−フルオレノン−2−イル等が挙げられ、なか
でもフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル等の単環式
もしくは縮合二環式芳香族炭化水素基が好ましい。芳香
族炭化水素基で置換された脂肪族炭化水素基としては、
例えば1〜3個(好ましくは1または2個)の炭素数7
〜20の芳香族炭化水素基で置換された脂肪族炭化水素
基が挙げられる。このような芳香族炭化水素基で置換さ
れた脂肪族炭化水素基の好適な例としては、例えば1〜
3個のC6-14アリール基で置換されたC1-6アルキル基
(例えば、ベンジル、2−フェニルエチル、1,2−ジ
フェニルエチル、2,2−ジフェニルエチル等の1〜3
個のフェニル基で置換されたC1-6アルキル基、1〜3
個のナフチル基で置換されたC1-6アルキル基、9−フ
ルオレニル−C1-6アルキル等)、1〜3個のC6-14
リール基で置換されたC2 -6アルケニル基(例えば、
(E)−2−フェニルエテニル、(Z)−2−フェニル
エテニル、2,2−ジフェニルエテニル、2−(2−ナ
フチル)エテニル、4−フェニル−1,3−ブタジエニ
ル等の1〜3個のフェニル基で置換されたC2- 6アルケ
ニル基、1〜3個のナフチル基で置換されたC2-6アル
ケニル、9−フルオレニリデンアルキル基)等が挙げら
れる。脂環式炭化水素基で置換された脂肪族炭化水素基
としては、1〜3個(好ましくは1または2個)の上記
脂環式炭化水素基で置換された上記脂肪族炭化水素基が
挙げられる。このような脂環式炭化水素で置換された脂
肪族炭化水素基の好適な例としては、例えばシクロプロ
ピルメチル、シクロプロピルエチル、シクロブチルメチ
ル、シクロペンチルメチル、2−シクロペンテニルメチ
ル、3−シクロペンテニルメチル、シクロヘキシルメチ
ル、2−シクロヘキセニルメチル、3−シクロヘキセニ
ルメチル、シクロヘキシルエチル、シクロヘキシルプロ
ピル、シクロヘプチルメチル、シクロヘプチルエチル等
の1〜3個のC3-10シクロアルキル基で置換されたC
1-6アルキル基、1〜3個のC3-10シクロアルキル基で
置換されたC2-6アルケニル基、1〜3個のC5-10シク
ロアルケニル基で置換されたC1-6アルキル基、1〜3
個のC5-10シクロアルケニル基で置換されたC2-6アル
ケニル基等が挙げられる。
【0019】芳香族複素環基の好適な例としては、例え
ばフリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオ
キサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリ
ル、ピラゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,
2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾ
リル、フラザニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,
2,4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリ
ル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾ
リル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミ
ジニル、ピラジニル、トリアジニルなどの環構成原子と
して炭素以外に窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選ば
れる1〜4個の原子を含む5員または6員の芳香族単環
式複素環基;例えばベンゾフラニル、イソベンゾフラニ
ル、ベンゾ〔b〕チエニル、インドリル、イソインドリ
ル、1H−インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズ
オキサゾリル、1,2−ベンズイソオキサゾリル、ベン
ゾチアゾリル、1,2−ベンズイソチアゾリル、1H−
ベンゾトリアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノ
リニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニ
ル、ナフチリジニル、プリニル、プテリジニル、カルバ
ゾリル、α−カルボリニル、β−カルボリニル、γ−カ
ルボリニル、アクリジニル、フェノキサジニル、フェノ
チアジニル、フェナジニル、フェノキサチイニル、チア
ントレニル、フェナトリジニル、フェナトロリニル、イ
ンドリジニル、ピロロ〔1,2−b〕ピリダジニル、ピ
ラゾロ〔1,5−a〕ピリジル、イミダゾ〔1,2−
a〕ピリジル、イミダゾ〔1,5−a〕ピリジル、イミ
ダゾ〔1,2−b〕ピリダジニル、イミダゾ〔1,2−
a〕ピリミジニル、1,2,4−トリアゾロ〔4,3−
a〕ピリジル、1,2,4−トリアゾロ〔4,3−b〕
ピリダジニルなどの、(i)環構成原子として炭素以外
に窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選ばれる1〜4個
の原子を含む5員または6員の芳香族複素環と(ii)
環構成原子として炭素原子以外に1もしくは2個と窒素
原子を含む5員または6員の芳香族あるいは非芳香族複
素環、ベンゼン環または環構成原子として炭素原子以外
に1個硫黄原子を含む5員の芳香族あるいは非芳香族複
素環とが縮合して形成する芳香族縮合複素環基等が挙げ
られる。
【0020】非芳香族複素環基の好適な例としては、例
えばオキシラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエ
タニル、ピロリジニル、テトラヒドロフリル、チオラニ
ル、ピペリジル、テトラヒドロピラニル、モルホリニ
ル、チオモルホリニル、ピペラジニル等の環構成原子と
して炭素原子以外に窒素原子、酸素原子、硫黄原子から
選ばれる1もしくは2個の原子を含む3〜7員の非芳香
族複素環基等が挙げられる。
【0021】芳香族複素環基で置換された脂肪族炭化水
素基としては、1〜3個(好ましくは1または2個)の
上記芳香族複素環基で置換された炭素数1〜6の脂肪族
炭化水素基(例えば、C1-6アルキル基、C2-6アルケニ
ル基等)が挙げられる。芳香族複素環基で置換された脂
肪族炭化水素基の好適な例としては、例えば1〜3個の
例えばフリル基、チエニル基、イミダゾリル基もしくは
ピリジル基で置換されたC1-6アルキル基(例、(2−
フリル)メチル、チエニルメチル、2−(1−イミダゾ
リル)エチル等)、1〜3個のフリル基、チエニル基、
イミダゾリル基もしくはピリジル基で置換されたC2-6
アルケニル基(例、2−(2−フリル)エテニル、2−
チエニルエテニル等)等が挙げられる。ハロゲン原子と
しては、例えばフッ素、塩素、臭素およびヨウ素が挙げ
られ、とりわけフッ素および塩素が好ましい。
【0022】置換されていてもよいアミノ基としては、
例えば炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10の
シクロアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭
素数5〜10のシクロアルケニル基、炭素数1〜10の
アシル基または炭素数6〜12の芳香族炭化水素基によ
りモノ−もしくはジ−置換されていてもよいアミノ基
(例、メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、
ジエチルアミノ、ジブチルアミノ、ジアリルアミノ、シ
クロヘキシルアミノ、アセチルアミノ、プロピオニルア
ミノ、ベンゾイルアミノ、フェニルアミノ、N−メチル
−N−フェニルアミノ等)、4〜6員環状アミノ基(例
えば、1−アゼチジニル、1−ピロリジニル、ピペリジ
ノ、モルホリノ、1−ピペラジニルなど)が挙げられ
る。ここにおいて、4〜6員環状アミノ基は、C1-6
アルキル基、ハロゲン,C1-6アルコキシ基またはト
リフルオロメチルで置換されていてもよいC6-14アリー
ル基(例、フェニル、ナフチルなど)、環構成原子と
して炭素以外に1〜2個の窒素原子を含む5または6員
複素環基(例、2−ピリジル、ピリミジニル)または
6員環状アミノ基(例えば、ピペリジノ、1−ピペラジ
ニルなど)等によりさらに置換されていてもよい。
【0023】置換されていてもよいアシル基におけるア
シル基としては、炭素数1〜13のアシル基、具体的に
はホルミルの他例えば炭素数1〜6のアルキル基、炭素
数3〜10のシクロアルキル基、炭素数2〜6のアルケ
ニル基、炭素数5〜10のシクロアルケニル基、炭素数
6〜12の芳香族炭化水素基(例、フェニル、ナフチル
等)または芳香族複素環(例、ピリジル)とカルボニル
基の結合したもの、例えばC2-7アルカノイル基(例、
アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バ
レリル、イソバレリル、ピバロイル、ヘキサノイル、ヘ
プタノイル、オクタノイル等)、C3-10シクロアルキル
−カルボニル基(例、シクロブタンカルボニル、シクロ
ペンタンカルボニル、シクロヘキサンカルボニル、シク
ロヘプタンカルボニル等)、C3-7アルケノイル基
(例、クロトノイル等)、C5-10シクロアルケニル−カ
ルボニル基(例、2−シクロヘキセンカルボニル等)、
ベンゾイル基、ニコチノイル基等が挙げられる。置換さ
れていてもよいアシル基における置換基としては、例え
ば炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキ
シ基、ハロゲン(例、塩素、フッ素、臭素など)、ニト
ロ基、ヒドロキシル基、アミノ基等が挙げられる。置換
基の数は、例えば1〜3個である。置換されていてもよ
いヒドロキシル基としては、例えばヒドロキシル基、ア
ルコキシ基、シクロアルキルオキシ基、アルケニルオキ
シ基、シクロアルケニルオキシ基、アラルキルオキシ
基、アリールオキシ基、アシルオキシ基等が挙げられ
る。
【0024】アルコキシ基の好適な例としては、炭素数
1〜10のアルコキシ基、例えばメトキシ、エトキシ、
プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキ
シ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチル
オキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、ヘ
キシルオキシ、ヘプチルオキシ、ノニルオキシ等が挙げ
られる。シクロアルキルオキシ基の好適な例としては、
炭素数3〜10のシクロアルキルオキシ基、例えばシク
ロブトキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオ
キシ等が挙げられる。アルケニルオキシ基の好適な例と
しては、炭素数2〜10のアルケニルオキシ基、例えば
アリル(allyl)オキシ、クロチルオキシ、2−ペ
ンテニルオキシ、3−ヘキセニルオキシ等が挙げられ
る。シクロアルケニルオキシ基の好適な例としては、炭
素数5〜10のシクロアルケニルオキシ基、例えば2−
シクロペンテニルオキシ、2−シクロヘキセニルオキシ
等が挙げられる。アラルキルオキシ基の好適な例として
は、炭素数7〜20のアラルキルオキシ基、例えばC
6-14アリール−C1-6アルコキシ基、具体的にはフェニ
ル−C1-6アルコオキシ基(例、ベンジルオキシ、フェ
ネチルオキシ等)、ナフチル−C1-6アルコキシ基等が
挙げられる。アリールオキシ基の好適な例としては、炭
素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ
基、ハロゲン、ニトロ基、ヒドロキシル基もしくはアミ
ノ基で置換されていてもよい炭素数6〜14のアリール
オキシ基、例えばフェノキシ、4−クロロフェノキシ等
が挙げられる。アシルオキシ基の好適な例としては、炭
素数2〜15のアシルオキシ基、例えば炭素数2〜7の
アルカノイルオキシ基(例、アセチルオキシ、プロピオ
ニルオキシ、ブチリルオキシ、イソブチリルオキシ
等)、C6-14アリール−カルボニルオキシ(例、ベンゾ
イルオキシ、ナフトイルオキシ等)等が挙げられる。置
換されていてもよいチオール基としては、例えばメルカ
プト基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アル
ケニルチオ基、アラルキルチオ基、アリールチオ基、ヘ
テロアリールチオ基、ヘテロアリールアルキルチオ基、
アシルチオ基等が挙げられる。アルキルチオ基の好適な
例としては、炭素数1〜10のアルキルチオ基、例えば
メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピル
チオ、ブチルチオ、イソブチルチオ、sec−ブチルチ
オ、tert−ブチルチオ、ペンチルチオ、イソペンチ
ルチオ、ネオペンチルチオ、ヘキシルチオ、ヘプチルチ
オ、ノニルチオ等が挙げられる。
【0025】シクロアルキルチオ基の好適な例として
は、炭素数3〜10のシクロアルキルチオ基、例えばシ
クロブチルチオ、シクロペンチルチオ、シクロヘキシル
チオ等が挙げられる。アルケニルチオ基の好適な例とし
ては、炭素数2〜10のアルケニルチオ基、例えばアリ
ル(allyl)チオ、クロチルチオ、2−ペンテニル
チオ、3−ヘキセニルチオ等が挙げられる。アラルキル
チオ基の好適な例としては、炭素数7〜20のアラルキ
ルチオ基、例えばC6-14アリールチオ基、具体的にはフ
ェニル−C1-6アルキルチオ(例、ベンジルチオ、フェ
ネチルチオ等)、ナフチル−C1-6アルキルチオ基等が
挙げられる。アリールチオ基の好適な例としては、炭素
数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、
ハロゲン、ニトロ基、ヒドロキシル基もしくはアミノ基
で置換されていてもよい炭素数6〜14のアリールチオ
基、例えばフェニルチオ、ナフチルチオ、4−クロロフ
ェニルチオ等が挙げられる。ヘテロアリールチオ基とし
ては、例えば上記した芳香族複素環基により置換された
メルカプト基が挙げられ、なかでもピリジルチオ(例、
2−ピリジルチオ、3−ピリジルチオ等)、イミダゾリ
ルチオ(2−イミダゾリルチオ等)、トリアゾイルチオ
(1,2,4−トリアゾール−5−イルチオ等)等が好
ましい。ヘテロアリールアルキルチオ基としては、例え
ば上記した芳香族複素環基で置換された上記アルキルチ
オ基が挙げられる。ヘテロアリールチオ基も好適な例と
しては、ピリジル−C1-6アルキルチオ基(例、2−ピ
リジルメチルチオ、3−ピリジルメチルチオ等)が挙げ
られる。アシルチオ基の好適な例としては、炭素数2〜
15のアシルチオ基、例えば炭素数2〜7のアルカノイ
ルチオ基(例、アセチルチオ、プロピオニルチオ、ブチ
リルチオ、イソブチリルチオ等)、C6-14アリール−カ
ルボニルチオ(例、ベンゾイルチオ、ナフトイルチオ
等)等が挙げられる。エステル化もしくはアミド化され
ていてもよいカルボキシル基としては、カルボキシル
基、エステル化されたカルボキシル基およびアミド化さ
れたカルボキシル基が挙げられる。エステル化されたカ
ルボキシル基としては、例えばアルコキシカルボニル
基、アラルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカ
ルボニル基、ヘテロアリールアルキルオキシカルボニル
基等が挙げられる。アルコキシカルボニル基の好適な例
としては、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、例
えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポ
キシカルボニル、ブトキシカルボニル等が挙げられる。
アラルキルオキシカルボニル基の好適な例としては、炭
素数8〜21のアラルキルオキシカルボニル基、例えば
フェニル−C2-7アルコキシカルボニル(例、ベンジル
オキシカルボニル等)、ナフチル−C2-7アルコキシカ
ルボニル等が挙げられる。アリールオキシカルボニル基
の好適な例としては、炭素数1〜3のアルキル基、炭素
数1〜3のアルコキシ基、ハロゲン、ニトロ基、ヒドロ
キシル基もしくはアミノ基で置換されていてもよい炭素
数7〜15のアリールオキシカルボニル基、例えばフェ
ノキシカルボニル、p−トリールオキシカルボニル等が
挙げられる。
【0026】ヘテロアリールアルキルオキシカルボニル
としては、例えば上記した芳香族複素環基により置換さ
れた上記アルコキシカルボニル基が挙げられる。ヘテロ
アリールアルキルオキシカルボニル基の好適な例として
は、ピリジル−C2-7アルコキシカルボニル基(例、2
−ピリジルメトキシカルボニル、3−ピリジルメトキシ
カルボニル等)等が挙げられる。アミド化されたカルボ
キシル基としては、式:−CON(R1)(R2)〔式
中、R1およびR2は同一または異なって、水素原子、置
換されていてもよい炭化水素基または置換されていても
よい複素環基を示す〕で表される基が挙げられる。R1
またはR2で示される置換されていてもよい炭化水素基
における炭化水素基としてはRで示される芳香族複素環
基への置換基として例示した脂肪族炭化水素基、脂環式
炭化水素基、芳香族炭化水素基が挙げられる。また、R
1またはR2で示される置換されていてもよい複素環基に
おける複素環基としては、Rで示される芳香族複素環へ
の置換基として例示した芳香族複素環基が挙げられる。
1またはR2における炭化水素基または複素環基への置
換基としては、ハロゲン原子(例、塩素、フッ素、臭
素、ヨウ素等)、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1
〜6のアルコキシ基等から選ばれる1〜3個の置換基が
挙げられる。
【0027】一般式(I)中、Rで示される芳香族複素
環基、式
【化27】 で示される芳香族アゾール基または環Aへの置換基が脂
環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、芳香族炭化水素基
で置換された脂肪族炭化水素基、芳香族複素環基、非芳
香族複素環基、または芳香族複素環基で置換された脂肪
族炭化水素基であるときは、該脂環式炭化水素基、芳香
族炭化水素基、芳香族炭化水素基で置換された脂肪族炭
化水素基中の芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、非芳
香族炭化水素基、または芳香族複素環基で置換された脂
肪族炭化水素基中の芳香族複素環基はさらにそれぞれ置
換可能な位置に置換基を1〜3個(好ましくは1または
2個)有していてもよく、このような置換基としては、
例えば置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル
基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアル
キニル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数
5〜10のシクロアルケニル基、炭素数6〜14のアリ
ール基(例、フェニル、ナフチル等)、芳香族複素環基
(例、チエニル、フリル、ピリジル、オキサゾリル、チ
アゾリル、テトラゾリル等)、非芳香族複素環基(例、
テトラヒドロフリル、モルホリニル、ピペリジル、ピロ
リジル、ピペラジニル等)、炭素数7〜20のアラルキ
ル基(例、フェニル−C1-6アルキル基、ナフチル−C
1-6アルキル基等)、アミノ基、N−モノ(C1-6)アル
キルアミノ基、N,N−ジ(C1-6)アルキルアミノ
基、炭素数2〜7のアシルアミノ基(例、アセチルアミ
ノ、プロピオニルアミノなどのC 2-7アルカノイルアミ
ノ基、ベンゾイルアミノ基等)、アミジノ基、炭素数2
〜7のアシル基(例、炭素数2〜7のアルカノイル基、
ベンゾイル基等)、カルバモイル基、N−モノ
(C1-6)アルキルカルバモイル基、N,N−ジ
(C1-6)アルキルカルバモイル基、スルファモイル
基、N−モノ(C1-6)アルキルスルファモイル基、
N,N−ジ(C1-6)アルキルスルファモイル基、カル
ボキシル基、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、
炭素数8〜21のアラルキルオキシカルボニル基(例、
フェニル−C2-7アルコキシカルボニル、ナフチル−C
2-7アルコキシカルボニル等)、ヒドロシキル基、置換
されていてもよい炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数
2〜6のアルケニルオキシ基、炭素数3〜10のシクロ
アルキルオキシ基、炭素数5〜10のシクロアルケニル
オキシ基、炭素数7〜20のアラルキルオキシ基(例、
フェニル−C1-6アルコキシ基、ナフチル−C1-6アルコ
キシ基等)、炭素数6〜14のアリールオキシ基(例、
フェノキシ、ナフチルオキシ等)、メルカプト基、炭素
数1〜6のアルキルチオ基、炭素数3〜10のシクロア
ルキルチオ基、炭素数7〜20のアラルキルチオ基
(例、フェニル−C1-6アルキル基、ナフチル−C1-6
ルキルチオ基等)、炭素数6〜14のアリールチオ基
(例、フェニルチオ、ナフチルチオ基等)、スルホ基、
シアノ基、アジド基、ニトロ基、ニトロソ基、ハロゲン
原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)等が挙げら
れる。
【0028】上記置換されていてもよい炭素数1〜6の
アルコキシ基および置換されていてもよい炭素数1〜6
のアルキル基における置換基としては、例えばハロゲン
原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、ヒドロキ
シル基、炭素数1〜6のアルコキシ基等から選ばれる1
〜3個の置換基が挙げられる。置換された炭素数1〜6
のアルコキシ基としては、例えばトリフルオロメトキ
シ、ジフルオロメトキシ、2,2,2−トリフルオロエ
トキシ、1,1−ジフルオロエトキシ等が挙げられる。
置換された炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば
トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、2,2,2−
トリフルオロエチル、トリクロロメチル、ヒドロキシメ
チル、メトキシメチル、エトキシメチル、2−メトキシ
エチル、2,2−ジメトキシエチル等が挙げられる。
【0029】一般式(I)中、Rで示される芳香族複素
環基、式
【化28】 で示される芳香族アゾール基または環Aへの置換基が脂
肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基で置換された脂肪族
炭化水素基、または芳香族複素環基で置換された脂肪族
炭化水素基であるときは、該脂肪族炭化水素基、芳香族
炭化水素基で置換された脂肪族炭化水素基中の脂肪族炭
化水素基、または芳香族複素環基で置換された脂肪族炭
化水素基中の脂肪族炭化水素基はさらにそれぞれ置換可
能な位置に置換基を1〜3個(好ましくは1または2
個)有していてもよく、このような置換基としては、例
えば非芳香族複素環基(例、テトラヒドロフリル、モル
ホリニル、ピペリジル、ピロリジル、ピペラジニル
等)、アミノ基、N−モノ(C1-6)アルキルアミノ
基、N,N−ジ(C1-6)アルキルアミノ基、炭素数2
〜7のアシルアミノ基(例、アセチルアミノ、プロピオ
ニルアミノなどのC2−8アルカノイルアミノ基、ベン
ゾイルアミノ基等)、アミジノ基、炭素数2〜7のアシ
ル基(例、炭素数2〜7のアルカノイル基、ベンゾイル
基等)、カルバモイル基、N−モノ(C1-6)アルキル
カルバモイル基、N,N−ジ(C1-6)アルキルカルバ
モイル基、スルファモイル基、N−モノ(C1-6)アル
キルスルファモイル基、N,N−ジ(C1-6)アルキル
スルファモイル基、カルボキシル基、炭素数2〜7のア
ルコキシカルボニル基、炭素数8〜21のアラルキルオ
キシカルボニル基(例、フェニル−C2-7アルコキシカ
ルボニル基、ナフチル−C2-7アルコキシカルボニル基
等)、ヒドロシキル基、置換されていてもよい炭素数1
〜6のアルコキシ基、炭素数2〜6のアルケニルオキシ
基、炭素数3〜10のシクロアルキルオキシ基、炭素数
5〜10のシクロアルケニルオキシ基、炭素数7〜20
のアラルキルオキシ基(例、フェニル−C1-6アルコキ
シ基、ナフチル−C1-6アルコキシ基等)、炭素数6〜
14のアリールオキシ基(例、フェノキシ、ナフチルオ
キシ等)、メルカプト基、炭素数1〜6のアルキルチオ
基、炭素数3〜10のシクロアルキルチオ基、炭素数7
〜20のアラルキルチオ基(例、フェニル−C 1-6アル
キル基、ナフチル−C1-6アルキルチオ基等)、炭素数
6〜14のアリールチオ基(例、フェニルチオ、ナフチ
ルチオ基等)、スルホ基、シアノ基、アジド基、ニトロ
基、ニトロソ基、ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素等)等が挙げられる。
【0030】上記置換されていてもよい炭素数1〜6の
アルコキシ基における置換基としては、例えばハロゲン
原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、ヒドロキ
シル基、炭素数1〜6のアルコキシ基等から選ばれる1
〜3個の置換基が挙げられる。 上記置換された炭素数
1〜6のアルコキシ基としては、例えばトリフルオロメ
トキシ、ジフルオロメトキシ、2,2,2−トリフルオ
ロエトキシ、1,1−ジフルオロエトキシ等が挙げられ
る。
【0031】Rとしては(i)ヒドロキシル基、アルコ
キシ基(例、C1-6アルコキシ基)、アリールアルコキ
シ基(例、フェニル−C1-6アルコキシ基)、アルキル
基(例、C1-6アルキル基)、シアノ基、ハロゲン原子
およびテトラゾリル基から選ばれる1個または2個の置
換基で置換されていてもよいアリール基(例、フェニル
基、ナフチル基)、(ii)アルキル基(例、C1-10
ルキル基)、(iii)ヒドロキシアルキル基(例、ヒ
ドロキシ−C1-10アルキル基)、(iv)アルコキシカ
ルボニルアルキル基(例、C2-7アルコキシカルボニル
−C1-10アルキル基)、(v)1個または2個のアリー
ル基で置換されたアルキル基(例、1個または2個のフ
ェニル基で置換されたC1-6アルキル基)、(vi)1
個または2個のアリール基で置換されたアルケニル基
(例、1個または2個のフェニル基で置換されたC2-6
アルケニル基)、(vii)シクロアルキル基(例、C
3-10シクロアルキル基)、(viii)部分飽和ナフチ
ル基(例、ジヒドロナフチル基)、(ix)ヒドロキシ
基、アルコキシ基、アリールアルコキシ基、アルキル
基、シアノ基、アリル基およびハロゲン原子から選ばれ
る1個または2個の置換基で置換されていてもよいチエ
ニル基もしくはフリル基、(x)ベンゾフラニル基およ
び(xi)ベンゾチエニル基から選ばれる1個もしくは
2個の置換基でそれぞれ置換されていてもよいオキサゾ
リル基、ベンゾオキサゾリル基またはチアゾリル基が好
ましく、アリールアルケニル基(例、フェニル−C2-6
アルケニル基)で置換されたオキサゾリル基およびアリ
ールアルコキシ−アリール基(例、フェニル−C1-6
ルコキシ−フェニル基)で置換されたオキサゾリル基が
さらに好ましい。
【0032】式
【化29】 で示される芳香族アゾール基としては、(i)アルキル
基(例、C1-10アルキル基)、(ii)アリール基
(例、フェニル基)、(iii)ヒドロキシアルキル基
(例、ヒドロキシ−C1-10アルキル基)、(iv)カル
ボキシル基、(v)アルコキシカルボニル基(例、C
2-7アルコキシカルボニル基)および(vi)カルバモ
イル基から選ばれる1個もしくは2個の置換基でそれぞ
れ置換されていてもよいピロリル基、イミダゾリル基、
ピラゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基または
ベンズイミダゾリル基が好ましく、イミダゾリル基およ
びトリアゾリル基がさらに好ましい。環AはYの種類
(CHまたはN)により、置換されていてもよいベンゼ
ン環または置換されていてもよいピリジン環を形成し、
好適な例としては置換されていてもよいベンゼン環が挙
げられ、さらに好適な例としては1もしくは2個のC1-
6アルコキシ基で置換されていてもよいベンゼン環また
はピリジン環が挙げられる。
【0033】式
【化30】 で表される基の好適な例としては、式
【化31】 で表される基が挙げられ、最も好適な例としては、1,
3−フェニレン基または1,4−フェニレン基が挙げら
れる。Xは酸素原子(O)、酸化されていてもよい硫黄
原子〔S(O)k(kは0〜2の整数を示す〕、−C
(=O)−または−CH(OH)−を示し、好適な例と
しては酸素原子等が挙げられる。pは0〜10の整数を
示し、好適な例としては0〜6の整数が挙げられ、より
好適な例としては3〜5の整数が挙げられる。qは1〜
5の整数を示し、好適な例としては1が挙げられる。
【0034】化合物(I)の具体例としては、特開平1
1−60571号公報の実施例で製造されている化合物
が用いられるが、なかでも(i)1−[4−[4−[2
−[(E)−2−フェニルエテニル]−4−オキサゾリ
ルメトキシ]フェニル]ブチル]−1,2,4−トリア
ゾール、(ii)4−[4−[4−(1−イミダゾリル)
ブチル]フェノキシメチル]−2−[(E)−2−フェ
ニルエテニル]オキサゾール、(iii)4−[4−[3
−(1−イミダゾリル)プロピル]フェノキシメチル]
−2−[(E)−2−フェニルエテニル]オキサゾー
ル、(iv)4−[3−[3−(1−イミダゾリル)プロ
ピル]フェノキシメチル]−2−[(E)−2−フェニ
ルエテニル]オキサゾール、(v)2−(4−ベンジル
オキシフェニル)−4−[4−[4−[3−(1−イミ
ダゾリル)プロピル]フェノキシメチル]オキサゾー
ル、(vi)4−[4−[3−(1−イミダゾリル)プロ
ピル]フェノキシメチル]−2−(2−チエニル)オキ
サゾール、(vii)4−[4−[3−(1−イミダゾリ
ル)プロピル]フェノキシメチル]−2−(5−メチル
−2−チエニル)オキサゾール、(viii)2−(5−ク
ロロ−2−チエニル)−4−[4−[3−(1−イミダ
ゾリル)−プロピル]フェノキシメチル]オキサゾー
ル、(ix)4−[4−[3−(1−イミダゾリル)プロ
ピル]フェノキシメチル]−2−(2−チエニル)チア
ゾール、(x)5−[4−[3−(1−イミダゾリル)
プロピル]フェノキシメチル]−2−(2−チエニル)
ベンゾオキサゾールなどが好ましい。
【0035】また、上記化合物(I)としては、例え
ば、式
【化32】 〔式中、mは1または2、R1はハロゲンまたはハロゲ
ン化されていてもよいC1 -2アルキル、R2およびR3
一方は水素原子、他方は式
【化33】 (式中、nは3または4、R4は1〜2個のヒドロキシ
基で置換されたC1-4アルキル基を示す)で表される基
を示す。〕で表される基などが好ましい。
【0036】上記式(I')中、R1で示される「ハロゲ
ン」としては、例えば、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨ
ードなどが挙げられる。このうちフルオロが好ましい。
1で示される「ハロゲン化されていてもよいC1-2アル
キル」の「ハロゲン」としては、例えば、フルオロ、ク
ロロ、ブロモ、ヨードなどが挙げられる。このうちフル
オロが好ましい。R1で示される「ハロゲン化されてい
てもよいC1-2アルキル」の「C1-2アルキル」として
は、メチル、エチルが挙げられ、メチルが好ましい。該
「C1-2アルキル」は、上記ハロゲンを、置換可能な位
置に1〜3個、好ましくは2〜3個有していてもよく、
該ハロゲンの数が2個以上の場合、各ハロゲンは同一ま
たは異なっていてもよい。該「ハロゲン化されていても
よいC1-2アルキル」の具体例としては、メチル、エチ
ル、トリフルオロメチルなどが挙げられる。R1として
は、ハロゲンまたはハロゲン化されたC1-2アルキルが
好ましく、フルオロおよびトリフルオロメチルがさらに
好ましい。mが2の場合、各R1は異なっていてもよ
い。
【0037】R2またはR3で示される式
【化34】 〔式中、R4は上記と同意義を示す〕で表される基は、
好ましくは式
【化35】 〔式中、R4は上記と同意義を示す〕で表される基であ
る。
【0038】R4で示される「1〜2個のヒドロキシ基
で置換されたC1-4アルキル基」の「C1-4アルキル基」
としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプ
ロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、ter
t−ブチルなどが挙げられる。中でもエチル、プロピル
などが好ましい。該「1〜2個のヒドロキシ基で置換さ
れたC1-4アルキル基」の具体例としては、2−ヒドロ
キシエチル、2,3−ジヒドロキシプロピル、1,3−
ジヒドロキシプロピルなどが挙げられる。中でも好まし
くは2,3−ジヒドロキシプロピルである。
【0039】上記式中、R2が式
【化36】 で表される基およびR3が水素原子である場合が好まし
い。R2が水素原子およびR3が式
【化37】 で表される基である場合も好ましい。R2が式
【化38】 〔式中、nは上記と同意義を示す〕で表される基および
3が水素原子である場合も好ましく、さらに好ましく
はnが4である。
【0040】化合物(I')の好ましい例としては、式
【化39】 〔式中、各記号は上記と同意義を示す〕で表される化合
物またはその塩が挙げられる。化合物(I’)中、mが
1、R1が4−トリフルオロメチル、R2が式
【化40】 で表される基、およびR3が水素原子である化合物また
はその塩が好ましい。
【0041】化合物(I')の具体例としては、 1−(4−{4−[(2−{(E)−2−[4−(ト
リフルオロメチル)フェニル]エテニル}−1,3−オ
キサゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}ブチル)
−1H−1,2,3−トリアゾール、 1−(3−{3−[(2−{(E)−2−[4−(ト
リフルオロメチル)フェニル]エテニル}−1,3−オ
キサゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピ
ル)−1H−1,2,3−トリアゾール、 3−(1−{4−[4−({2−[(E)−2−
(2,4−ジフルオロフェニル)エテニル]−1,3−
オキサゾール−4−イル}メトキシ)フェニル]ブチ
ル}−1H−イミダゾール−2−イル)−1,2−プロ
パンジオールなどが挙げられる。
【0042】本発明の化合物(I)の塩としては、薬学
的に許容される塩が好ましく、例えば無機塩基との塩、
有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性
または酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。無機塩基
との塩の好適な例としては、例えばナトリウム塩、カリ
ウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシ
ウム塩などのアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩;ア
ンモニウム塩などが挙げられる。有機塩基との塩の好適
な例としては、例えばトリメチルアミン、トリエチルア
ミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタ
ノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシ
ルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミンなど
との塩が挙げられる。無機酸との塩の好適な例として
は、例えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸など
との塩が挙げられる。有機酸との塩の好適な例として
は、例えばギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマール
酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク
酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン
酸、p−トルエンスルホン酸などとの塩が挙げられる。
塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えばアル
ギニン、リジン、オルニチンなどとの塩が挙げられ、酸
性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えばアスパラ
ギン酸、グルタミン酸などとの塩が挙げられる。化合物
(I)には、(Z)−エテニル体および(E)−エテニ
ル体の2種が存在し、この異性体が単独の場合も、それ
らの混合物の場合も本発明に含まれる。また、化合物
(I)が不斉炭素を有する場合、光学異性体が生ずる
が、この異性体が単独の場合も、それらの混合物の場合
も本発明に含まれる。
【0043】化合物(I)またはその塩は、自体公知の
方法、例えば特開平11−60571号公報に記載の方
法に準じた方法などにより得られる。特に、化合物
(I')またはその塩は、例えば以下の反応式A〜Hで
示される方法等により得られる。以下の反応式の略図中
の化合物の各記号は上記と同意義を示す。反応式中の化
合物は塩を形成している場合も含む。
【0044】
【化41】
【0045】X1で示される「脱離基」としては、例え
ばハロゲン(例、クロロ、ブロモなど)または式:−O
SO25〔式中、R5はアルキルまたは置換基を有して
いてもよいアリールを示す〕で表される基などが挙げら
れる。R5で示される「アルキル」としては、例えばメ
チル、エチル、プロピルなどのC1-6アルキルなどが挙
げられる。R5で示される「置換基を有していてもよい
アリール」の「アリール」としては、例えば、フェニル
などのC6-14アリールが挙げられる。R5で示される
「置換基を有していてもよいアリール」の「置換基」と
しては、メチル、エチル、プロピルなどのC1-6アルキ
ルなどが挙げられる。該「置換基を有していてもよいア
リール」の具体例としては、C1-6アルキルを有してい
てもよいフェニル(例、p−トリルなど)などが挙げら
れる。
【0046】化合物(II)と化合物(III)とを反
応させ、化合物(I')を得る。本反応は、通常、塩基
の存在下、化合物(II)と化合物(III)とを縮合
させる。該「塩基」としては、例えばアルカリ金属また
はアルカリ土類金属の水酸化物(例、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウムなど)、アルカリ金属またはアルカ
リ土類金属の炭酸塩(例、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナ
トリウム、炭酸カリウムなど)、アミン類(例、ピリジ
ン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリンな
ど)、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水素化物
(例、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化カル
シウムなど)、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の
低級アルコキシド(例、ナトリウムメトキシド、ナトリ
ウムエトキシド、カリウム tert−ブトキシドな
ど)などが挙げられる。「塩基」の好ましい使用量は、
化合物(II)に対して約1〜5モル当量である。「化
合物(III)」の好ましい使用量は、化合物(II)
に対して約0.5〜5モル当量である。本反応は、反応
に影響を及ぼさない溶媒存在下にて行うのが有利であ
る。該溶媒は、反応が進行する限り特に限定されない
が、例えば芳香族炭化水素類、エーテル類、ケトン類、
ハロゲン化炭化水素類、アミド類、スルホキシド類また
はこれら二種以上の混合物等が用いられる。反応温度
は、通常−50〜+150℃、好ましくは約−10〜+
100℃である。反応時間は、通常0.5〜48時間で
ある。
【0047】化合物(II)は、自体公知の方法または
これに準じた方法に従って製造でき、例えば、Xがクロ
ロである化合物(IIa)は、以下の反応式Bで示され
る方法等により製造できる。
【化42】
【0048】化合物(IV)と1,3−ジクロロアセト
ンとを縮合・脱水反応に付して化合物(IIa)を得
る。化合物(IV)は、市販されている場合には、市販
品をそのまま用いてもよく、また、自体公知の方法また
はこれに準じた方法等に従って製造してもよい。「1,
3−ジクロロアセトン」の使用量は、化合物(IV)に
対して、約1当量〜大過剰(溶媒量)である。本反応
は、無溶媒または反応に影響を及ぼさない溶媒存在下に
て行うのが有利である。該溶媒は、反応が進行する限り
特に限定されないが、例えば芳香族炭化水素類、エーテ
ル類、ケトン類、ハロゲン化炭化水素類またはこれら二
種以上の混合物等が用いられる。反応温度は、通常50
〜150℃、好ましくは約60〜120℃である。反応
時間は、通常0.5〜48時間である。生成物は反応液
のまま、あるいは粗成物として次の反応に用いることも
できるが、常法に従って反応混合物から単離することも
できる。
【0049】化合物(III)うち、R3が水素原子で
ある化合物(IIIa)は、自体公知の方法またはこれ
に準じた方法に従って製造でき、例えば、以下の反応式
Cで示される方法により製造できる。
【化43】
【0050】上記式中、Paは水素原子または保護基、
aは脱離基を示す。Paで示される「保護基」として
は、例えばアルキル(例、メチル、エチルなどのC1-6
アルキルなど)、フェニル−C1-6アルキル(例、ベン
ジルなど)、C 1-6アルキル−カルボニル、アルキル置
換シリル(例、トリメチルシリル、tert−ブチルジ
メチルシリルなど)などが挙げられる。Xaで示される
「脱離基」としては、例えば上記X1で示される「脱離
基」と同様のものが挙げられる。
【0051】化合物(V)と化合物(VI)または化合
物(VII)とを縮合させて化合物(VIII)を得、
必要に応じ、次いで脱保護反応に付すことにより、化合
物(IIIa)を得る。化合物(V)、化合物(VI)
および化合物(VII)は、市販されている場合には、
市販品をそのまま用いてもよく、また、自体公知の方法
またはこれに準じた方法等に従って製造してもよい。該
「縮合反応」は、通常、塩基の存在下、反応に影響を及
ぼさない溶媒中で行われる。該「塩基」としては、上記
反応式Aで詳述した塩基が用いられる。「塩基」の好ま
しい使用量は、化合物(V)に対して約1〜5モル当量
である。「化合物(VI)または化合物(VII)」の
好ましい使用量は、化合物(V)に対して約0.5〜5
モル当量である。該溶媒は、反応が進行する限り特に限
定されないが、例えば芳香族炭化水素類、エーテル類、
ケトン類、ハロゲン化炭化水素類、アミド類、スルホキ
シド類またはこれら二種以上の混合物等が用いられる。
反応温度は、通常−50〜+150℃、好ましくは約−
10〜+100℃である。反応時間は約0.5〜48時
間である。得られた化合物(VIII)は反応液のま
ま、あるいは粗成物として次の反応に用いることもでき
るが、常法に従って反応混合物から単離することもでき
る。
【0052】該「脱保護反応」は、常法の中から適宜選
択することができる。例えばPaがアルキルの場合、化
合物(VIII)を酸(例、臭化水素酸などの鉱酸、四
塩化チタンなどのルイス酸など)処理に付す。例えばP
aがフェニル−C1-6アルキルの場合、化合物(VII
I)を水素添加反応に付す。例えばPaがアルキル置換
シリルの場合、化合物(VIII)とフッ化物(例、テ
トラブチルアンモニウムフルオリドなど)とを反応させ
る。得られた化合物(IIIa)は反応液のまま、ある
いは粗成物として次の反応に用いることもできるが、常
法に従って反応混合物から単離することもできる。
【0053】化合物(III)うち、R2が水素原子で
ある化合物(IIIb)は、自体公知の方法またはこれ
に準じた方法に従って製造でき、例えば、以下の反応式
Dで示される方法により製造できる。
【化44】
【0054】上記式中、Pbは水素原子または保護基、
bは脱離基を示すPbで示される「保護基」としては、
上記Paで示される「保護基」と同様のものが挙げられ
る。Xbで示される「脱離基」としては、例えば上記X1
で示される「脱離基」と同様のものが挙げられる。上記
反応式Cに記載の方法と同様の方法により、化合物(I
X)と化合物(VI)または化合物(VII)とを縮合
させて化合物(X)を得、必要に応じ、次いで脱保護反
応に付すことにより、化合物(IIIb)を得る。化合
物(IX)は、市販されている場合には、市販品をその
まま用いてもよく、また、自体公知の方法またはこれに
準じた方法等に従って製造してもよい。
【0055】化合物(I')のうち、R3が水素原子であ
る化合物(I'a)は、以下の反応式Eに記載の方法に
従っても製造できる。
【化45】 上記式中、Xcは脱離基を示す。XCで示される「脱離
基」としては、例えば上記X1で示される「脱離基」と
同様のものが挙げられる。
【0056】化合物(XI)と化合物(VI)または化
合物(VII)とを反応させ、化合物(Ia)を得る。
本反応は、通常、塩基の存在下、化合物(XI)と化合
物(VI)または化合物(VII)とを縮合させる。該
「塩基」としては、上記反応式Aで詳述した塩基が用い
られる。「塩基」の好ましい使用量は、化合物(XI)
に対して約1〜5モル当量である。「化合物(VI)」
および「化合物(VII)」の好ましい使用量は、化合
物(XI)に対して、それぞれ約0.5〜5モル当量で
ある。本反応は、反応に影響を及ぼさない溶媒存在下に
て行うのが有利である。該溶媒は、反応が進行する限り
特に限定されないが、例えば芳香族炭化水素類、エーテ
ル類、ケトン類、ハロゲン化炭化水素類、アミド類、ス
ルホキシド類またはこれら二種以上の混合物等が用いら
れる。反応温度は、通常−20〜+150℃、好ましく
は約−10〜+100℃である。反応時間は、通常0.
5〜48時間である。
【0057】化合物(XI)は、自体公知の方法または
これに準じた方法に従って製造でき、例えば、以下の反
応式Fで示される方法により製造できる。
【化46】
【0058】上記式中、Xdは脱離基を示す。Xdで示さ
れる「脱離基」としては、例えば上記X1で示される
「脱離基」と同様のものが挙げられ、好ましくは、X1
よりも反応性の低い脱離基である。上記反応式Aに記載
の方法と同様の方法により、化合物(II)と化合物
(XII)とを反応させて化合物(XI)を得る。化合
物(XII)は、市販されている場合には、市販品をそ
のまま用いてもよく、また、自体公知の方法またはこれ
に準じた方法等に従って製造してもよい。
【0059】化合物(I')のうち、R2が水素原子であ
る化合物(I'b)は、以下の反応式Gに記載の方法に
従っても製造できる。
【化47】
【0060】上記式中、Xeは脱離基を示す。Xeで示さ
れる「脱離基」としては、例えば上記X1で示される
「脱離基」と同様のものが挙げられる。上記反応式Eに
記載の方法と同様の方法により、化合物(XIII)と
化合物(VI)または化合物(VII)とを反応させ、
化合物(I'b)を得る。
【0061】化合物(XIII)は、自体公知の方法ま
たはこれに準じた方法に従って製造でき、例えば、以下
の反応式Hで示される方法により製造できる。
【化48】
【0062】上記式中、Xfは脱離基を示す。Xfで示さ
れる「脱離基」としては、例えば上記X1で示される
「脱離基」と同様のものが挙げられ、好ましくは、X1
よりも反応性の低い脱離基である。上記反応式Aに記載
の方法と同様の方法により、化合物(II)と化合物
(XIV)とを反応させて化合物(XIII)を得る。
化合物(XIV)は、市販されている場合には、市販品
をそのまま用いてもよく、また、自体公知の方法または
これに準じた方法等に従って製造してもよい。
【0063】上記「芳香族炭化水素類」としては、例え
ばベンゼン、トルエン、キシレンなどが用いられる。上
記「エーテル類」としては、例えばテトラヒドロフラ
ン、ジオキサンなどが用いられる。上記「ケトン類」と
しては、例えばアセトン、2−ブタノンなどが用いられ
る。上記「ハロゲン化炭化水素類」としては、例えばク
ロロホルム、ジクロロメタンなどが用いられる。上記
「アミド類」としては、例えばN,N−ジメチルホルム
アミドなどが用いられる。上記「スルホキシド類」とし
ては、例えばジメチルスルホキシドなどが用いられる。
【0064】上記の各反応において、生成物が遊離体で
得られた場合はその塩に、また、塩で得られた場合は遊
離体にそれぞれ常法に従って変換することができる。上
記の反応において、置換基中にアミノ(NH2)、ヒド
ロキシ(OH)、カルボキシル(COOH)等が含まれ
る場合には、これらの基が保護されたものを原料として
用い、反応後に自体公知の方法により保護基を除去して
目的物を製造してもよい。アミノの保護基としては、例
えばアシル(例、アセチル等のC1-6アルキル−カルボ
ニル;ベンジルオキシカルボニル;tert−ブトキシ
カルボニル等のC1-6アルコキシ−カルボニル;フタロ
イル;ホルミル等)などが挙げられる。ヒドロキシの保
護基としては、例えばC1-6アルキル(例、メチル、エ
チル等)、フェニル−C1-6アルキル(例、ベンジル
等)、C1-6アルキル−カルボニル(例、アセチル
等)、ベンゾイル、アルキル置換シリル(例、トリメチ
ルシリル、tert−ブチルジメチルシリル等)などが
挙げられる。カルボキシルの保護基としては、例えばC
1-6アルキル(例、メチル、エチル等)、フェニル−C
1-6アルキル(例、ベンジル等)などが挙げられる。
【0065】かくして得られた化合物(I')〔(I'
a)および(I'b)を含む〕は、自体公知の分離手
段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、
転溶、クロマトグラフィーなどにより単離、精製するこ
とができる。化合物(I')が遊離体で得られた場合に
は、自体公知の方法あるいはそれに準じる方法によって
目的とする塩に変換することができ、逆に塩で得られた
場合には、自体公知の方法あるいはそれに準ずる方法に
より、遊離体または、目的とする他の塩に変換すること
ができる。化合物(I)は、水和物であってもよく、非
水和物であってもよい。化合物(I)が光学活性体の混
合物として得られる場合には、自体公知の光学分割手段
により目的とする(R)体または(S)体に分離するこ
とができる。化合物(I)は同位元素(例、3H、14
等)などで標識されていてもよい。
【0066】化合物(I)またはその塩(化合物(I)
と略記)のプロドラッグは、生体内における生理条件下
で酵素や胃酸等による反応により化合物(I)に変換す
る化合物、すなわち酵素的に酸化、還元、加水分解等を
起こして化合物(I)に変化する化合物、胃酸等により
加水分解などを起こして化合物(I)に変化する化合物
であってよい。化合物(I)のプロドラッグとしては、
化合物(I)のアミノ基がアシル化、アルキル化、りん
酸化された化合物(例、化合物(I)のアミノ基がエイ
コサノイル化、アラニル化、ペンチルアミノカルボニル
化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン
−4−イル)メトキシカルボニル化、テトラヒドロフラ
ニル化、ピロリジルメチル化、ピバロイルオキシメチル
化、tert−ブチル化された化合物など);化合物
(I)の水酸基がアシル化、アルキル化、りん酸化、ほ
う酸化された化合物(例、化合物(I)の水酸基がアセ
チル化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロイル
化、サクシニル化、フマリル化、アラニル化、ジメチル
アミノメチルカルボニル化された化合物など);化合物
(I)のカルボキシル基がエステル化、アミド化された
化合物(例、化合物(I)のカルボキシル基がエチルエ
ステル化、フェニルエステル化、カルボキシメチルエス
テル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロイル
オキシメチルエステル化、エトキシカルボニルオキシエ
チルエステル化、フタリジルエステル化、(5−メチル
−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチ
ルエステル化、シクロヘキシルオキシカルボニルエチル
エステル化、メチルアミド化された化合物など)等が挙
げられる。これらの化合物は自体公知の方法によって化
合物(I)から製造することができる。また、化合物
(I)のプロドラッグは、広川書店1990年刊「医薬
品の開発」第7巻分子設計163頁から198頁に記載
されているような、生理的条件で、化合物(I)に変化
するものであってもよい。
【0067】本発明の平均粒径約3μm以下のHER2
阻害物質を含む組成物は、本発明の平均粒径約3μm以
下のHER2阻害物質、水溶液中に分散した時の平均粒
径が約3μm以下であるHER2阻害物質またはその結
晶微粒子自体であってもよいし、適当な添加剤を含んで
いてもよい。また、製剤の形態は特に限定されず、粉
末、顆粒などの固状製剤、懸濁液などの液状製剤の何れ
であってもよい。本発明の組成物に含まれる添加剤とし
ては、例えば、水溶液中での分散性を改善する安定化剤
が用いられる。安定化剤としては、例えば、界面活性
剤、親水性重合体、易水溶性シクロデキストリン誘導体
またはその塩などが挙げられ、これらの1種または2種
以上を組み合わせて用いることができるが、なかでも、
界面活性剤、高分子重合体、およびその組み合わせが好
ましい。
【0068】界面活性剤としては、非イオン性界面活性
剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界
面活性剤、天然物由来の界面活性剤などが用いられる。
非イオン性界面活性剤としては、高級アルコールエチレ
ンオキシド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサ
イド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、多価ア
ルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、高
級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、脂肪酸ア
ミドエチレンオキサイド付加物、油脂のエチレノキサイ
ド付加物、グリセリン脂肪酸エステル、ペンタエリスリ
トールの脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエ
ーテル、アルカノールアミン類の脂肪酸アミド、などが
用いられる。非イオン性界面活性剤の中でも、例えば、
ソルビトールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ポリ
オキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレ
ングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、
ポリオキシエチレンヒマシ油(polyethoxylated castor
oil)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(polyethoxy
lated hydrogenated castor oil)、ポリオキシエチレ
ンポリプロピレングリコール共重合体、グリセリン脂肪
酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルなどが好ま
しく用いられる。ソルビタン脂肪酸エステルとしては、
特に、モノステアリン酸ソルビタン(商品名:SS-10、
日光ケミカルズ(株))、セスキオレイン酸ソルビタン
(商品名:SO-15、日光ケミカルズ(株))、トリオレ
イン酸ソルビタン(商品名:SO-30、日光ケミカルズ
(株))などが好適である。ポリオキシエチレンソルビ
タン脂肪酸エステルとしては、特に、ポリソルベート2
0(商品名:TL-10、日光ケミカルズ(株))、40
(商品名:TP-10、日光ケミカルズ(株))、60(商
品名:TS-10、日光ケミカルズ(株))、80(商品
名:TO-10、日光ケミカルズ(株))などが好適であ
る。ポリエチレングリコール脂肪酸エステルとしては、
特に、モノラウリン酸ポリエチレングリコール(10E.
O.)(商品名:MYL-10、日光ケミカルズ(株))などが
好適である。ショ糖脂肪酸エステルとしては、特に、シ
ョ糖パルミチン酸エステル類(例えば商品名:P-1670、
三菱化学フーズ(株))、ショ糖ステアリン酸エステル
類(例えば商品名: S-1670、三菱化学フーズ(株))
などが好適である。ポリオキシエチレンヒマシ油(poly
ethoxylated castor oil)としては、特に、ポリオキシ
エチレングリセロールトリリシノレート35(Polyoxy
35 Castor Oil、商品名クレモホールELもしくはEL
−P、ビーエーエスエフジャパン(株))などが好適で
ある。ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(polyethoxyla
ted hydrogenated castor oil)としては、特に、ポリ
オキシエチレン硬化ヒマシ油50(Polyoxyethylene Hy
drogenated Castor Oil 50)、ポリオキシエチレン硬化
ヒマシ油60(Polyoxyethylene Hydrogenated Castor
Oil 60)などが好適である。ポリオキシエチレンポリオ
キシプロピレングリコール共重合体としては、特に、ポ
リオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリ
コール(商品名:アデカプルロニック F-68、旭電化工
業(株))などが好適である。グリセリン脂肪酸エステ
ルとしては、モノステアリン酸グリセリル(MGS シリー
ズ、日光ケミカルズ(株))などが好適である。ポリグ
リセリン脂肪酸エステルとしては、特に、テトラグリセ
リンモノステアリン酸(MS-310、阪本薬品工業(株))
デカグリセリンモノラウリン酸(Decaglyn 1-L、日光ケ
ミカルズ(株))などが好適である。
【0069】アニオン界面活性剤としては、例えば、硫
酸エステル類(例、高級アルコール硫酸エステル塩、高
級アルキルエーテル硫酸エステル塩、硫酸化油、硫酸化
脂肪酸エステル、硫酸化脂肪酸、硫酸化オレフィン)、
スルホン酸塩(例、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム、油溶性アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレ
フィンスルホン酸塩、イゲポンT型、エアロゾルOT
型)、リン酸エステル類(例、高級アルコールエチレン
オキサイド付加物のリン酸エステル塩)、ジチオリン酸
エステル塩などが用いられる。アニオン性界面活性剤の
中でも、例えば、グリココール酸ナトリウムやデオキシ
コール酸ナトリウムなどの胆汁酸塩類やステアリン酸や
カプリン酸ナトリウムなどの脂肪酸やその塩類、ラウリ
ル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸塩が好適である。
カチオン界面活性剤としては、例えば、アミン塩型カチ
オン界面活性剤(例、高級アルキルアミンからつくられ
るアミン塩型カチオン界面活性剤、低高級アルキルアミ
ンからつくられるアミン塩型カチオン界面活性剤)、第
4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤(例、高級ア
ルキルアミンからつくられる第4級アンモニウム塩型カ
チオン界面活性剤、低高級アルキルアミンからつくられ
る第4級アンモニウム塩型界面活性剤)などが用いられ
る。両性界面活性剤としては、例えば、アミノ酸型両性
界面活性剤、ベタイン型両性界面活性剤などが用いられ
る。天然由来の界面活性剤としては、卵黄レシチン(商
品名:PL-100H、キューピー(株))や大豆レシチン
(商品名:レシノールS-10、日光ケミカルズ(株))
などのレシチンリン脂質類などが用いられる。上記の界
面活性剤の中でも、デオキシコール酸ナトリウム、アル
キル硫酸塩類、ポリソルベート80、ポリオキシエチレ
ン(160)ポリオキシプロピレン(30)、ポリオキシエチレ
ングリセロールトリリシノレート35、レシチン類、ポ
リオキシエチレン硬化ヒマシ油類、ショ糖脂肪酸エステ
ル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類がより好適であ
り、アルキル硫酸塩類、ショ糖脂肪酸エステル類がさら
に好適である。また、上記のアルキル硫酸塩類のなかで
はラウリル硫酸ナトリウムが、ショ糖脂肪酸エステル類
では、例えばショ糖ステアリン酸がより好適である。
【0070】親水性重合体としては、例えば水溶性重合
体が好ましく用いられる。水溶性重合体としては、例え
ば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロース等のヒドロキシアルキルセルロー
ス、メチルセルロース等のアルキルセルロースなどのセ
ルロース誘導体、ポリビニルピロリドン等のポリアルケ
ニルピロリドン、ポリエチレングリコール等のポリアル
キレングリコール、ポリビニルアルコールなどが用いら
れる。上記重合体の中でも、ヒドロキシプロピルセルロ
ース等のヒドロキシアルキルセルロース、ポリビニルピ
ロリドン等のポリアルケニルピロリドンなどがより好適
であり、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピ
ロリドンなどがさらに好適である。
【0071】易水溶性シクロデキストリン誘導体は、市
販のものを用いてもよいし、自体公知の方法に従って製
造することができる。易水溶性シクロデキストリン誘導
体としては、好ましくは6〜12個のグルコース単位か
らなる環状オリゴ糖のグルコースの2,3,6位の一部
あるいはすべての水酸基の水素を他の官能基(例えば、
ジヒドロキシアルキル基,糖残基,ヒドロキシアルキル
基、スルホアルキル基等)に置換した化合物などが用い
られる。該易水溶性誘導体は、水に対する溶解度が約1
00mg/ml以上、好ましくは約130mg/ml以上であ
る。易水溶性シクロデキストリン誘導体の望ましい具体
例としては、一般式
【化49】 〔式中、rは6〜12を満足する整数を、R6、R7およ
びR8は個々の繰り返 し単位中で同一または異なって、
それぞれジヒドロキシアルキル基、糖残基、ヒドロキシ
アルキル基またはスルホアルキル基を示す。〕で表され
る化合物が挙げられる。その具体例としては、例えばα
−CyD(r=6)、β−CyD(r=7)、γ−CyD
(r=8)、δ−CyD(r=9)等の水酸基のエーテ
ル誘導体が挙げられる。これらの中でβ−CyDの水酸
基のエーテル誘導体が好ましい。
【0072】R6〜R8で示されるジヒドロキシアルキル
基としては、例えばジヒドロキシ−C1-6アルキル基
(例、ジヒドロキシメチル、2,2−ジヒドロキシエチ
ル、2,2−ジヒドロキシプロピル,2,2−ジヒドロ
キシペンチル,2,2−ジヒドロキシヘキシル等),好
ましくはジヒドロキシ−C1-4アルキル基(例、ジヒド
ロキシメチル、2,2−ジヒドロキシエチル、2,2−
ジヒドロキシプロピル等)が用いられる。R6〜R8で示
される糖残基としては、例えばC3-24糖残基(エリスロ
シル,トレオシル,アラビノシル,リボシル,グルコシ
ル,ガラクトシル,グリセロ−グルコ−ヘプトシル,マ
ルトシル,ラクトシル,マルトトリオシル,ジマルトシ
ル等),好ましくはC6-24糖残基(例、グルコシル,ガ
ラクトシル,グリセロ−グルコ−ヘプトシル,マルトシ
ル,ラクトシル,マルトトリオシル,ジマルトシル
等),特に好ましくはC6-12糖残基(例、グルコシル,
ガラクトシル,グリセロ−グルコ−ヘプトシル,マルト
シル,ラクトシル等)が用いられる。R6〜R8で示され
るヒドロキシアルキル基としては、例えばヒドロキシ−
1- 6アルキル基(例、ヒドロキシメチル、2−ヒドロ
キシエチル、2−ヒドロキシプロピル,2−ヒドロキシ
ペンチル,2−ヒドロキシヘキシル等),好ましくはヒ
ドロキシ−C1-4アルキル基(例、ヒド ロキシメチル、
2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル等)、
特に2−ヒドロキシプロピル基が好ましく用いられる。
6〜R8で示されるスルホアルキル基としては、例えば
スルホ−C1-6アルキル基(例、スルホメチル、スルホ
エチル、スルホプロピル,スルホペンチル,スルホヘキ
シル等)、好ましくはスルホ−C1-4アルキル基(例、
スルホメチル、スルホエチル、スルホプロピル等)、特
にスルホブチル基が好ましく用いられる。
【0073】易水溶性シクロデキストリン誘導体のさら
に望ましい具体例としては、一般式(II)で表される化
合物において、R6〜R8のうち少なくとも一つが糖残
基、ヒドロキシアルキル基またはスルホアルキル基であ
るものが挙げられる。R6〜R8のうち少なくとも一つが
糖残基である化合物(II)としては、例えばグルコシル
−α,β,γ,δ−CyD,マルトシル−α,β,γ,
δ−CyD,マルトトリオシル−α,β,γ,δ−Cy
D,ジマルトシル−α,β,γ,δ−CyD等が挙げら
れる。これらの中で、マルトシル−α,β,γ,δ−C
yD,グルコシル−α,β,γ,δ−CyDが好まし
い。さらにマルトシル−β−CyD(以下、G2−β−
CyDと略記),グルコシル−β−CyDが特に好まし
い。R6〜R8のうち少なくとも一つがヒドロキシアルキ
ル基である化合物(II)としては、例えばヒドロキシプ
ロピル−α,β,γ,δ−CyD等が挙げられる。これ
らの中でも、ヒドロキシプロピル−β−CyDが特に好
ましい。R6〜R8のうち少なくとも一つがスルホアルキ
ル基である化合物(II)としては、例えばスルホブチル
−α,β,γ,δ−CyD等が挙げられる。これらの中
でも、スルホブチル−β−CyDが特に好ましい。
【0074】さらに、易水溶性シクロデキストリン誘導
体としては、分岐シクロデキストリン−カルボン酸を用
いることもできる。この分岐シクロデキストリン−カル
ボン酸には、その遊離カルボン酸のみならず、そのアル
カリ金属(例、リチウム、ナトリウム、カリウムな
ど)、アルカリ土類金属(例、カルシウム、マグネシウ
ムなど)などとの塩が含まれる。これら分岐シクロデキ
ストリン−カルボン酸は、単独でも、2種以上を併用し
てもよく、また、遊離のカルボン酸とその塩が混合した
状態で使用してもよい。該分岐シクロデキストリン−カ
ルボン酸は、少なくとも1つのカルボキシル基を含有す
る有機基を該シクロデキストリン環の少なくとも1つの
グルコース単位の6−O位に有するシクロデキストリン
である。該分岐シクロデキストリン−カルボン酸のシク
ロデキストリン環は、例えば6、7または8個のグルコ
ース単位を有する。好ましくは、該シクロデキストリン
環は7個のグルコース単位を有する。該シクロデキスト
リンとしては、例えば、α−シクロデキストリン、β−
シクロデキストリンおよびγ−シクロデキストリンなど
が挙げられる。上記少なくとも1つのカルボキシル基を
含有する有機基が1〜3個のグルコース単位を有し、か
つ、該有機基中のグルコース単位のヒドロキシメチル基
の少なくとも1つがカルボキシル基に酸化されている場
合が好ましい。
【0075】上記分岐シクロデキストリン−カルボン酸
の具体例としては、6−O−シクロマルトヘキサオシル
−(6→1)−α−D−グルコシル−(4→1)−O−α−
D−グルクロン酸(シクロマルトヘキサオシル−(6→
1)−α−D−グルコピラノシル−(4→1)−O−α−
D−グルコピラノシドウロン酸)(以下、α−CyD−G2
−COOHと略称することもある;以下の化合物の略称
についても同様に括弧内に示す)、6−O−シクロマル
トヘプタオシル−(6→1)−α−D−グルコシル−(4
→1)−O−α−D−グルクロン酸(シクロマルトヘプタ
オシル−(6→1)−O−α−D−グルコピラノシル−
(4→1)−O−α−D−グルコピラノシドウロン酸)(β
−CyD−G2−COOH)、6−O−シクロマルトオク
タオシル−(6→1)−α−D−グルコシル−(4→1)−
O−α−D−グルクロン酸(シクロマルトオクタオシル
−(6→1)−O−α−D−グルコピラノシル−(4→1)
−O−α−D−グルコピラノシドウロン酸(γ−CyD−
2−COOH)、6−O−シクロマルトヘキサオシル−
(6→1)−α−D−グルクロン酸(シクロマルトヘキサ
オシル−(6→1)−O−α−D−グルコピラノシドウロ
ン酸)(α−CyD−G1−COOH)、6−O−シクロマ
ルトヘプタオシル−(6→1)−α−D−グルクロン酸
(シクロマルトヘプタオシル−(6→1)−O−α−D−
グルコピラノシドウロン酸)(β−CyD−G1−COO
H)、6−O−シクロマルトオクタオシル−(6→1)−
α−D−グルクロン酸(シクロマルトオクタオシル−(6
→1)−O−α−D−グルコピラノシドウロン酸)(γ−
CyD−G1−COOH)、2−O−(6−シクロマルトヘ
キサオシル)−酢酸(α−CyD−CH2COOH)、2−
O−(6−シクロマルトヘプタオシル)−酢酸(β−CyD
−CH2COOH)、2−O−(6−シクロマルトオクタ
オシル)−酢酸(γ−CyD−CH2COOH)、3−O−
(6−シクロマルトヘプタオシル)−プロピオン酸(β−
CyD−CH2CH2COOH)、2−ヒドロキシ−3−O
−(6−シクロマルトヘプタオシル)−プロピオン酸(3
−O−(6−シクロマルトヘプタオシル)−2−ヒドロキ
シ−プロピオン酸)(β−CyD−CH2CH(OH)−C
OOH)、7A,7C−ジ−O−[α−D−グルクロニル
−(1→4)−O−α−D−グルコシル]−(1→6)−マ
ルトヘプタオース(β−CyD−(G2COOH)2)、6−
O−シクロマルトヘプタオシル−O−α−D−マルトシ
ル−(4→1)−O−α−D−グルクロン酸(シクロマル
トヘプタオシル−(6→1)−O−α−D−グルコピラノ
シル−(4→1)−O−α−D−グルコピラノシル−(4
→1)−O−α−D−グルコピラノシドウロン酸)(β-C
yD−G3−COOH)、およびこれらの上記塩〔例、β
−CyD−G2−COOHのナトリウム塩(シクロマルト
ヘプタオシル−(6→1)−O−α−D−グルコピラノシ
ル−(4→1)−O−α−D−グルコピラノシドウロン酸
ナトリウム(同様にβ−CyD−G2−COONaと略称す
る))〕が挙げられる。なかでも、β−CyD−G2−C
OONaが好ましい。
【0076】さらに詳しくは、6−O−シクロマルトヘ
キサオシル−(6→1)−α−D−グルコシル−(4→
1)−O−α−D−グルクロン酸(α−CyD−G2−C
OOH)、6−O−シクロマルトヘプタオシル−(6→
1)−α−D−グルコシル−(4→1)−O−α−D−
グルクロン酸(β−CyD−G2−COOH)、および
6−O−シクロマルトオクタオシル−α−D−グルコシ
ル−(4→1)−O−α−D−グルクロン酸(γ−Cy
D−G2−COOH)は、それぞれα−シクロデキスト
リン(グルコース単位数6)、β−シクロデキストリン
(グルコース単位数7)およびγ−シクロデキストリン
(グルコース単位数8)を含有する分岐シクロデキスト
リン−カルボン酸であり、そのシクロデキストリン環の
1つのグルコース単位にはマルトースがα−(1→6)結
合し、該マルトースの末端グルコースの6位ヒドロキシ
メチル基がカルボキシル基に酸化されてグルクロン酸が
形成されている。また、6−O−シクロマルトヘキサオ
シル−(6→1)−α−D−グルクロン酸(α−CyD−G
1−COOH)、6−O−シクロマルトヘプタオシル−
(6→1)−α−D−グルクロン酸(β−CyD−G1−C
OOH)、および6−O−シクロマルトオクタオシル−
(6→1)−α−D−グルクロン酸(γ−CyD−G1−C
OOH)は、そのシクロデキストリン環の1つのグルコ
ース単位にグルコースがα−(1→6)結合し、さらに該
分岐グルコースの6位ヒドロキシメチル基がカルボキシ
ル基に酸化されてグルクロン酸が形成されている分岐シ
クロデキストリン−カルボン酸である。そして、2−O
−(6−シクロマルトヘキサオシル)−酢酸(α−CyD−
CH2COOH)、2−O−(6−シクロマルトヘプタオ
シル)−酢酸(β−CyD−CH2COOH)、2−O−(6
−シクロマルトオクタオシル)−酢酸(γ−CyD−CH2
COOH)は、そのシクロデキストリン環の1つのグル
コース単位に分岐してカルボキシメチル基が結合した分
岐シクロデキストリン−カルボン酸である。これらの分
岐シクロデキストリン−カルボン酸またはその塩類は、
特開平7−76594号公報や特開平7−215895
号公報に記載されており、例えば、該公報や特開平10
−210996号公報、特開平10−210996号公
報などに記載の方法あるいはそれに準じる方法によって
製造することができる。
【0077】上記した安定化剤は単独で用いることも可
能であるが、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、
ポリビニルピロリドン、スルフォブチル-β-CyD、G
2−β-CyD、デオキシコール酸ナトリウム、ラウリ
ル硫酸ナトリウム、ポリソルベート80、ポリオキシエ
チレン(160)ポリオキシプロピレン(30)、レシチン類、
ショ糖脂肪酸エステル類から選択された組み合わせとし
て用いるとより好適であり、その中では、例えばデオキ
シコール酸ナトリウムヒドロキシプロピルセルロース、
ポリビニルピロリドンから選択された組み合わせがさら
に好適である。また上記の安定化剤は、安定化剤として
界面活性剤(特にアニオン性あるいは非イオン性界面活
性剤)と親水性重合体の双方を組み合わせて用いること
が好適であり、その中では、例えば親水性重合体として
ヒドロキプロピルセルロースを、界面活性剤としてラウ
リル硫酸ナトリウムまたはショ糖脂肪酸エステルを組み
合わせて用いることがより好適であり、ヒドロキプロピ
ルセルロースとラウリル硫酸ナトリウムまたはショ糖ス
テアリン酸エステルの組み合わせがさらに好適である。
本願明細書では、上記した本発明の組成物を「微粒子製
剤」と略記する場合がある。
【0078】本発明の組成物は、固形状製剤の場合には
賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、コーティング剤など
を、液状製剤の場合には溶剤、等張化剤、緩衝剤、無痛
化剤などを含んでいてもよい。また必要に応じて、防腐
剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤などの製剤添加物を含む
こともできる。また、本発明の組成物は、上記した本発
明の微粒子製剤を主成分として、固状製剤や液状製剤と
することもできる。固状製剤の場合には賦形剤、滑沢
剤、結合剤、崩壊剤、コーティング剤などを、液状製剤
の場合には溶剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤などを含
んでいてもよい。これら添加剤の具体例は後述する。
【0079】本発明の組成物における平均粒径約3μm
以下のHER2阻害物質の含有量は、剤型、投与方法、
担体等により異なるが、製剤全量に対して通常10〜1
00%(w/w)である。本発明の組成物は、高温、高
湿度保存条件下における物理的、化学的安定性が優れて
おり、例えば、40℃RH75%の条件下に約3ケ月間
保存された場合でも薬物含量、粒子径、結晶状態などの
特性が維持される。従って、製剤の安定化を目的とした
添加剤を必要としないため薬物の高含量化も吸収改善と
合わせて達成できる。具体的には、製剤中の薬物含量を
製剤全量に対して、30〜100%(w/w)の薬物を
含有させることも可能であり、より好ましくは45〜1
00%(w/w)含有させることも可能であり、さらに
好ましくは70〜100%(w/w)含有させることも
可能である。本発明の組成物における安定化剤の含有量
は、剤型、投与方法などにより異なるが、製剤全量に対
して、通常0〜90%(w/w)である。また、薬物の
高含量化を達成するために、結晶微粒子製剤における安
定化剤の含有量を、製剤全量に対して、0〜70%(w
/w)とする事も可能であり、より好ましくは0〜55
%(w/w)とすることも可能であり、さらに好ましく
は0〜20%(w/w)とすることも可能である。本発
明の組成物における他の添加剤の含有量は、剤型、投与
方法などにより異なるが、製剤全量に対して、通常0〜
90%(w/w)とすることが可能である。
【0080】本発明の組成物において本発明の微粒子製
剤を主成分とする場合は、本発明の医薬組成物は、剤
型、投与方法、薬物活性、担体等により異なるが、本発
明の微粒子製剤を製剤全量に対して通常0.1〜95%
(w/w)含有させることにより、常法に従って製造す
ることができる。本発明の微粒子製剤は、高温、高湿度
保存条件下における物理的、化学的安定性が優れてお
り、例えば、40℃RH75%の条件下で保存された場
合でも薬物含量、粒子径、結晶状態などの特性が長期間
維持される。従って、製剤の安定化を目的とした添加剤
を必要としないため吸収改善と合わせて薬物の高含量化
も達成できる。具体的には、医薬品組成物中の薬物含量
を製剤全量に対して、例えば、30〜95%(w/w)
の薬物を含有させることも可能であり、さらに好ましく
は45〜95%(w/w)含有させることも可能であ
り、吸収改善と高含量化を達成した医薬組成物となりう
る。本発明の組成物における添加物の含有量は、剤型、
投与方法などにより異なるが、製剤全量に対して、通常
5〜95%(w/w)である。
【0081】本発明の平均粒径3μm以上のHER2阻
害物質、水溶液中に分散した時の平均粒径が3μm以上
のHER2阻害物質(以下、両物質を本発明のHER2
阻害物質と略記する場合がある)、それを含む組成物
は、例えば、本発明のHER2阻害物質を、必要に応じ
て安定化剤の共存下で、粉砕することにより調製可能で
ある。さらに、本発明の組成物は、固形状製剤の場合に
は賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、コーティング剤な
どを、液状製剤の場合には溶剤、等張化剤、緩衝剤、無
痛化剤などを粉砕過程において添加してもよい。また必
要に応じて、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤などの
製剤添加物を粉砕時に共存させることもできる。これら
添加剤の具体例は後に記載する。
【0082】粉砕操作は、例えば、溶液中(例えば、水
や塩を含む水溶液中)にHER2阻害物質を分散させた
状態で行うことができ、公知の方法、例えば、ケミカル
ファーマシューティカル ブレチン(Chemical Pharm
aceutical Bulletin)、41巻、737-740頁、1993年に記
載のグラインドコンテナーと粉砕ボールを用いた方法や
インターナショナル ジャーナル オブ ファーマシュ
ーティックス(International Journal of Pharmaceuti
cs)196巻、161-164頁、2000年に記載の高圧ホモジナイ
ザーを用いた方法などによっても調製することができ
る。粉砕には、例えば、グラインドコンテナーと粉砕媒
体を用いた媒体攪拌ミルや容器駆動媒体ミル、Micron L
ab 40(APV Homogenaizer)などの高圧ホモジナイザー
などが、単独あるいはその組み合わせにより用いられ
る。粉砕温度は、通常4℃から室温の範囲で行われ、必
要に応じて厳密にコントロールされる。粉砕処理時間
は、粉砕条件、添加剤の種類と有無、薬物結晶の性質に
より異なる。例えば、グラインドコンテナーと粉砕媒体
(粉砕媒体の材質は、通常、ステンレス、酸化ジルコニ
ウム、メノウ、ポリスチレン等から選択され、媒体の平
均粒子サイズは、通常、3mm以下である)を用いた場
合には、粉砕処理時間は通常数時間から10日間程度、
好ましくは15時間から5日間程度、より好ましくは2
4時間から3日程度であった。一方、高圧ホモジナイザ
ーを用いた方法では、通常約200〜2000 barの圧
力で1〜30回程度、好ましくは約500〜1500ba
rの圧力で5〜20回程度、より好ましくは約1000
〜1500barの圧力で5〜10回程度の処理を行うこ
とにより本発明のHER2阻害物質の懸濁状組成物が得
られる。溶液中で粉砕する際の薬物添加濃度は薬物の性
質や添加物等により異なるが、例えば、一般的には約
0.01〜60%(w/w)、好ましくは約0.1〜6
0%(w/w)、より好ましくは約0.5〜30%(w
/w)の範囲である。薬物以外の添加物は必須ではない
が、添加する場合には、例えば、湿式粉砕時の添加物量
は薬物に対して、約0.1〜300%(w/w)、好ま
しくは約0.1〜80%(w/w)、より好ましくは約
1〜75%(w/w)の範囲で添加する。
【0083】より具体的には、例えば、次の製造法によ
り調製が可能である。 (1)HER2阻害物質と安定化剤の混合物を容器駆動
媒体ミルにより、室温で約10分〜10時間、好ましく
は約10分〜5時間粉砕する。その後、水などの溶液に
懸濁し、氷冷水中で超音波処理を行うことにより、HE
R2阻害物質の分散液を得る。さらに、分散液を高圧ホ
モジナイザーにて、通常約100〜3000bar(好
ましくは約1000〜2000bar)、1〜20回程
度(好ましくは5〜10回程度)処理することにより、
本発明のHER2阻害物質の懸濁状組成物を得る。 (2)HER2阻害物質および安定化剤の混合物に水を
加えた後、氷冷水中で超音波処理を行うことにより、H
ER2阻害物質の分散液を得る。さらに、分散液を高圧
ホモジナイザーにて、通常約100〜3000bar
(好ましくは約1000〜2000bar)、1〜20
回程度(好ましくは5〜10回程度)処理することによ
り、本発明のHER2阻害物質の懸濁状組成物を得る。 (3)HER2阻害物質および安定化剤の混合物に水を
加えた後、氷冷水中で超音波処理を行うことにより、H
ER2阻害物質の分散液を得る。得られた分散液にステ
ンレス製の粉砕媒体を加え、通常約1時間〜10日間、
室温で振盪することにより、本発明のHER2阻害物質
の懸濁状組成物を得る。 (4)HER2阻害物質および安定化剤の混合物に水を
加えた後、氷冷水中で超音波処理を行うことにより、H
ER2阻害物質の分散液を得る。得られた分散液にステ
ンレス製粉砕媒体を加え、通常約1時間〜10日間、室
温で振盪する。振盪処理後、さらに高圧ホモジナイザー
にて、通常約100〜3000bar(好ましくは約1
000〜2000bar)、1〜20回程度(好ましく
は5〜10回程度)処理することにより、本発明のHE
R2阻害物質の懸濁状組成物を得る。上記の方法で得ら
れた本発明のHER2阻害物質の懸濁状組成物は、製剤
化に汎用される手法により粉末化できる。粉末化には、
例えば、スプレードライヤー(例えば ヤマト科学 GS-3
1R)、凍結乾燥、噴霧造粒やノンパレル粒子へのスプレ
ーコーティングなどの手段を用いることができる。得ら
れた粉末は、必要であれば、さらに真空乾燥することも
できる。また懸濁状組成物を粉末化する際には、必要で
あれば、凝集防止や安定性向上などの目的で製剤的に利
用できる各種添加剤を添加することができる。凝集防止
や安定性向上の目的で添加する製剤添加物としては、例
えば、マンニトール、トレハロースなどの糖・糖アルコ
ール類やヒドロキシプロピルセルロースなどのコーティ
ング剤があげられる。シュガーエステル、ラウリル硫酸
ナトリウムなどの界面活性剤などを凝集防止剤として添
加することもできる。
【0084】本発明中の組成物は、また、再析出法(na
no-precipitation)によっても調製が可能であり、公知
の方法、例えば本発明のHER2阻害物質を塩化メチレ
ンなどの揮発除去可能な溶媒に溶解後、結晶析出速度を
制御しながら溶液中(例えば水溶液中)で再結晶化させ
る方法によっても得ることができる。さらに、ポリマー
などの基剤とHER2阻害物質(この場合のHER2阻
害物質は結晶状態、非晶質状態のいずれの状態であって
も良く、結晶と非晶質の混合状態であっても良い)を混
合させ、溶媒蒸気等により処理することにより基剤中に
微細な結晶微粒子の分散体として得ることもできる。さ
らに、本発明の組成物は、固形状製剤の場合には賦形
剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、コーティング剤などを、
液状製剤の場合には溶剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤
などを結晶化の過程において含有していてもよい。また
必要に応じて、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤など
の製剤添加物を結晶化の過程において含有させることも
できる。これら添加剤の具体例は後述する。再析出法に
おいては、必要に応じて安定化剤の共存下で、HER2
阻害物質を溶解した溶媒を水(あるいは水溶液)中に分
散後、脱溶媒することにより本発明の組成物を得ること
ができる。調製に用いられる揮発除去可能な溶媒はHE
R2阻害物質を溶解できるものであれば特に限定されな
いが、例えば、塩化メチレン、酢酸エチルなどの水非混
和性溶媒、アセトン、メタノール、エタノール、テトラ
ヒドロフランなどの水混和性溶媒が好ましい。HER2
阻害物質を溶解した溶媒を、必要に応じて安定化剤の共
存下で、水あるいは塩を含む水溶液中に滴下後、マグネ
ティックスターラーやUltra-Turrax T-25(Ika)などの
攪拌機、VP-25(TITEC)などの超音波粉砕器、Micron L
ab 40(APV Homogenaizer)などの高圧ホモジナイザー
などにより攪拌する。薬物の溶剤として用いた溶媒は減
圧あるいは加熱により除去することができ、例えばロー
タリエバポレーターなどが用いられる。また、スプレー
ドライヤーや凍結乾燥機により溶媒を除去し、乾燥粉末
として結晶微粒子を得ることも可能である。さらに超臨
界状態の炭酸ガス等を利用し脱溶媒を実施することも可
能である。
【0085】本発明の組成物は、基剤となるポリマー等
の製剤添加物と薬物をあらかじめ混合させた後、例え
ば、溶媒蒸気にて処理することにより微細な結晶微粒子
の分散体として得ることもできる。製剤添加物と混合し
た状態のHER2阻害物質は結晶状態、非晶質化状態の
いずれの状態で存在していても良く、両者の混合状態で
あっても良い。基剤となる添加物は、親水性重合体、界
面活性剤、易水溶性シクロデキストリン誘導体等の安定
化剤であっても良いが、先述の賦形剤、滑沢剤、結合
剤、崩壊剤、コーティング剤、等張化剤、緩衝剤、無痛
化剤、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤などであって
も良い。本発明の医薬品組成物は、一般的な媒体ミルや
高圧ホモジナイザーを用いた粉砕操作、析出速度を制御
しながら再結晶化させる再析出操作によっても調製可能
であるが、より好ましくは、例えばマイクロス(奈良機
械製作所)のような圧密せん断ミルを用いて調製でき
る。この種の粉砕機は、高速に回転する多数枚のローラ
ー(あるいは粉砕用リング)とミル内壁の間に試料物質
粒子を挟み込み、圧縮・せん断作用によって粉砕を実施
する粉砕機であり、ローラー(あるいは粉砕用リング)
とミル内壁との接触面積を増やして粉砕効率を高めてい
る。再析出操作による結晶微粒子調製には人体に有害な
溶剤の使用が一般的であり、調製した微粒子中にこれら
有害な溶剤が残留する可能性がある。また、結晶析出の
制御が難しく、微粒子の長期保存が困難であるとの問題
点もあるため、より簡便には媒体ミルや高圧ホモジナイ
ザーを用いた粉砕による調製法が実施される。一般的な
媒体ミルでは、媒体が破砕粒子に衝突する際の衝撃力お
よびせん断力により粒子の破壊が行われる。従って、粉
砕効率を高めるためには、より高密度で、より小さな媒
体を、より高速で運動させることが求められるが、より
小さな媒体を用いることにより媒体と試料の分離や媒体
の洗浄操作がより煩雑となることが予想される。また、
粉砕期間がしばしば長期に渡ることがあり(USP 514568
4,1992)、微生物発生等の問題にも気を配らなくてはな
らない。一方高圧ホモジナイザーを用いた微粒子法で
は、試料中への異物混入が低く抑えられるとの利点があ
る半面、対照化合物が硬い結晶粒子の場合には、単独使
用では十分に微細化された粒子が得られなかったり、粉
砕処理(パス回数)を多数回実施する必要があったりと
実用的でないケースもある(USP 6177103, 2001 )。圧密
せん断ミルにおいては、高速に公転・自転する多数枚の
粉砕ローラー(あるいは粉砕リング等)が産み出す遠心
力により粉砕粒子に大きな圧縮力、せん断力が与えられ
る。こうした大きな圧縮力等により粉砕粒子を“すりつ
ぶす“ことにより圧密せん断ミルにおいては従来の粉砕
機に比較して1/6から1/30の処理時間でサブミク
ロン領域までの微粒子化が達成できる。また、圧密せん
断ミルを用いた湿式粉砕法では、ボールやビーズなど粉
砕媒体を機械的に流動化させる媒体ミルや高圧ホモジナ
イザーを用いる粉砕法と比較して、高濃度の懸濁液(ス
ラリー)まで比較的短時間に粉砕でき、より効率的に平
均粒子サイズ1μm以下の結晶微粒子を得ることができ
る。さらに、粉砕機の構造上分解洗浄等の操作が容易で
あり、微生物発生の可能性も低い。
【0086】HER2阻害物質(例えば、化合物(I)
もしくはその塩またはそのプロドラッグ)は、チロシン
キナーゼ阻害作用を有するので、本発明のHER2阻害
物質またはその組成物は、哺乳動物におけるチロシンキ
ナーゼ依存性疾患の予防または治療に用いることができ
る。チロシンキナーゼ依存性疾患には、異常なチロシン
キナーゼ酵素活性による細胞増殖亢進性の疾患が含まれ
る。さらに、HER2阻害物質は、HER2チロシンキ
ナーゼを特異的に阻害するため、本発明のHER2阻害
物質またはその組成物は、HER2を発現している癌の
増殖を抑制する治療剤として、または、ホルモン依存性
癌のホルモン非依存性癌への移行を防ぐ予防剤としても
有用である。すなわち、本発明のHER2阻害物質また
はその組成物は、種々の癌(なかでも乳癌、前立腺癌、
膵癌、胃癌)、アテローム性動脈硬化症、血管新生
(例、固形癌および肉腫の成長にともなう血管新生、腫
瘍の転移にともなう血管新生、および糖尿病性網膜症に
ともなう血管新生など)、ウイルス性疾患(HIV感染
など)などの異常な細胞増殖による疾患に対する安全な
予防または治療剤として用いることができる。チロシン
キナーゼ依存性疾患にはさらに、異常なチロシンキナー
ゼ酵素活性に関連する心臓血管疾患が含まれる。従っ
て、本発明の結晶微粒子製剤は、再狭窄のような心臓血
管疾患に対する予防または治療剤として用いることもで
きる。本発明のHER2阻害物質またはその組成物は、
癌、例えば乳癌、前立腺癌、膵癌および胃癌などの予防
・治療のための抗癌剤として有用である。
【0087】本発明のHER2阻害物質またはその組成
物は、毒性が低く、そのまま医薬として、または自体公
知の薬学的に許容しうる担体などと混合して哺乳動物
(例、ヒト、ウマ、ウシ、犬、猫、ラット、マウス、ウ
サギ、ブタ、サル等)に対して医薬組成物として用いる
ことができる。また、本発明の組成物の中に、本発明の
HER2阻害物質とともに他の活性成分、例えば下記の
ホルモン療法剤、化学療法剤、免疫療法剤、または細胞
増殖因子ならびにその受容体の作用を阻害する薬剤など
を含有させてもよい。
【0088】本発明のHER2阻害物質またはその組成
物を医薬として、ヒト等の哺乳動物に投与するにあたっ
ては、薬学的に許容される担体と配合し、例えば、錠
剤、カプセル剤(ソフトカプセル、マイクロカプセルを
含む)、散剤、顆粒剤、坐剤、ペレットなどの固形状製
剤として、あるいは懸濁剤、シロップ剤、注射剤などの
液状製剤として、経口または非経口的に投与することが
できる。薬学的に許容される担体としては、製剤素材と
して慣用されている各種有機あるいは無機担体物質が用
いられ、固形状製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤、
崩壊剤、コーティング剤;液状製剤における溶剤、等張
化剤、緩衝剤、無痛化剤などとして配合される。また必
要に応じて、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤などの
製剤添加物を用いることもできる。賦形剤の好適な例と
しては、例えば、乳糖、白糖、D−マンニトール、デン
プン、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸などが挙げられ
る。滑沢剤の好適な例としては、例えば、ステアリン酸
マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロ
イドシリカなどが挙げられる。結合剤の好適な例として
は、例えば、結晶セルロース、白糖、D-マンニトール、
デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロ
キシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン
などが挙げられる。崩壊剤の好適な例としては、例え
ば、デンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキ
シメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナ
トリウム、カルボキシメチルスターチナトリウムなどが
挙げられる。コーティング剤の好適な例としては、親水
性の高分子重合体などが一般に用いられ、なかでも上記
のヒドロキシアルキルセルロースやアルキルセルロース
などのセルロース誘導体などの水溶性重合体、腸溶性重
合体、胃溶性重合体などが好ましく用いられる。また、
これらの親水性重合体は、2種類以上混合して使用して
も良い。腸溶性重合体としては、例えば、ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロースフタレート等のヒドロキシアル
キルセルロースフタレート;ヒドロキシプロピルメチル
セルロースアセテートサクシネート等のヒドロキシアル
キルセルロースアセテートサクシネート;カルボキシメ
チルエチルセルロース等のカルボキシアルキルセルロー
ス;酢酸フタル酸セルロース;メタアクリル酸コポリマ
ーL−100−55等のアクリル酸エチルおよびメタア
クリル酸の共重合体;メタアクリル酸コポリマーL、メ
タアクリル酸コポリマーS等のメタアクリル酸メチルお
よびメタアクリル酸の共重合体などが用いられる。胃溶
性重合体としては、例えば、アミノアルキルメタアクリ
レートコポリマーE;ポリビニルアセタールジエチルア
ミノアセテートなどが用いられる。その他、メタアクリ
ル酸コポリマーRL、メタアクリル酸コポリマーRS等
のアクリル酸エチルおよびメタアクリル酸メチルの少量
の4級アンモニウムグループを含む共重合体、カルボキ
シメチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、ポリ
ビニルアルコール、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウ
ム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、カンテ
ン、ゼラチン、キトサンといった親水性重合体が用いら
れる。溶剤の好適な例としては、例えばエチルアルコー
ル、プロピレングリコール、マクロゴール、ゴマ油、ト
ウモロコシ油などが挙げられる。等張化剤の好適な例と
しては、例えば塩化ナトリウム、グリセリン、D−マン
ニトールなどが挙げられる。緩衝剤の好適な例として
は、例えばリン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩など
の緩衝液などが挙げられる。無痛化剤の好適な例として
は、例えばベンジルアルコールなどが挙げられる。防腐
剤の好適な例としては、例えばパラオキシ安息香酸エス
テル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェ
ネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸などが挙
げられる。抗酸化剤の好適な例としては、例えば亜硫酸
塩、アスコルビン酸などが挙げられる。
【0089】本発明のHER2阻害物質またはその組成
物の投与量は、投与ルート、症状等によって異なるが、
例えば乳癌、前立腺癌を持つ患者(体重40〜80k
g)に抗癌剤として経口投与する場合、例えば1日0.
5〜100mg/kg体重、好ましくは1日1〜50m
g/kg体重、さらに好ましくは1日1〜25mg/k
g体重である。この量を1日1回または2〜3回に分け
て投与することができる。
【0090】また、本発明の組成物は、他のホルモン療
法剤、化学療法剤、免疫療法剤、または細胞増殖因子な
らびにその受容体の作用を阻害する薬剤などと同時に同
一対象に投与することができ、また時間差をおいて同一
対象に投与することができる。該「ホルモン療法剤」と
しては、例えば、ホスフェストロール、ジエチルスチル
ベストロール、クロロトリアニセリン、酢酸メドロキシ
プロゲステロン、酢酸メゲストロール、酢酸クロルマジ
ノン、酢酸シプロテロン、ダナゾール、アリルエストレ
ノール、ゲストリノン、メパルトリシン、ラロキシフェ
ン、オルメロキフェン、レボルメロキシフェン、抗エス
トロゲン(例、クエン酸タモキシフェン、クエン酸トレ
ミフェンなど)、ピル製剤、メピチオスタン、テストロ
ラクトン、アミノグルテチイミド、LH−RHアゴニス
ト(例、酢酸ゴセレリン、ブセレリン、リュープロレリ
ンなど)、ドロロキシフェン、エピチオスタノール、ス
ルホン酸エチニルエストラジオール、アロマターゼ阻害
薬(例、塩酸ファドロゾール、アナストロゾール、レト
ロゾール、エキセメスタン、ボロゾール、フォルメスタ
ンなど)、抗アンドロゲン(例、フルタミド、ビカルタ
ミド、ニルタミドなど)、5α-レダクターゼ阻害薬
(例、フィナステリド、エプリステリドなど)、副腎皮
質ホルモン系薬剤(例、デキサメタゾン、プレドニゾロ
ン、ベタメタゾン、トリアムシノロンなど)、アンドロ
ゲン合成阻害薬(例、アビラテロンなど)、レチノイド
およびレチノイドの代謝を遅らせる薬剤(例、リアロゾ
ールなど)などが挙げられる。
【0091】該「化学療法剤」としては、例えばアルキ
ル化剤、代謝拮抗剤、抗癌性抗生物質、植物由来抗癌剤
などが挙げられる。「アルキル化剤」としては、例え
ば、ナイトロジェンマスタード、塩酸ナイトロジェンマ
スタード−N−オキシド、クロラムブチル、シクロフォ
スファミド、イホスファミド、チオテパ、カルボコン、
トシル酸インプロスルファン、ブスルファン、塩酸ニム
スチン、ミトブロニトール、メルファラン、ダカルバジ
ン、ラニムスチン、リン酸エストラムスチンナトリウ
ム、トリエチレンメラミン、カルムスチン、ロムスチ
ン、ストレプトゾシン、ピポブロマン、エトグルシド、
カルボプラチン、シスプラチン、ミボプラチン、ネダプ
ラチン、オキサリプラチン、アルトレタミン、アンバム
スチン、塩酸ジブロスピジウム、フォテムスチン、プレ
ドニムスチン、プミテパ、リボムスチン、テモゾロミ
ド、トレオスルファン、トロフォスファミド、ジノスタ
チンスチマラマー、カルボコン、アドゼレシン、システ
ムスチン、ビゼレシンなどが挙げられる。「代謝拮抗
剤」としては、例えば、メルカプトプリン、6−メルカ
プトプリンリボシド、チオイノシン、メトトレキサー
ト、エノシタビン、シタラビン、シタラビンオクフォス
ファート、塩酸アンシタビン、5−FU系薬剤(例、フ
ルオロウラシル、テガフール、UFT、ドキシフルリジ
ン、カルモフール、ガロシタビン、エミテフールな
ど)、アミノプテリン、ロイコボリンカルシウム、タブ
ロイド、ブトシン、フォリネイトカルシウム、レボフォ
リネイトカルシウム、クラドリビン、エミテフール、フ
ルダラビン、ゲムシタビン、ヒドロキシカルバミド、ペ
ントスタチン、ピリトレキシム、イドキシウリジン、ミ
トグアゾン、チアゾフリン、アンバムスチンなどが挙げ
られる。「抗癌性抗生物質」としては、例えば、アクチ
ノマイシンD、アクチノマイシンC、マイトマイシン
C、クロモマイシンA3、塩酸ブレオマイシン、硫酸ブ
レオマイシン、硫酸ペプロマイシン、塩酸ダウノルビシ
ン、塩酸ドキソルビシン、塩酸アクラルビシン、塩酸ピ
ラルビシン、塩酸エピルビシン、ネオカルチノスタチ
ン、ミスラマイシン、ザルコマイシン、カルチノフィリ
ン、ミトタン、塩酸ゾルビシン、塩酸ミトキサントロ
ン、塩酸イダルビシンなどが挙げられる。「植物由来抗
癌剤」としては、例えば、エトポシド、リン酸エトポシ
ド、硫酸ビンブラスチン、硫酸ビンクリスチン、硫酸ビ
ンデシン、テニポシド、パクリタキセル、ドセタクセ
ル、ビノレルビンなどが挙げられる。
【0092】該「免疫療法剤(BRM)」としては、例
えば、ピシバニール、クレスチン、シゾフィラン、レン
チナン、ウベニメクス、インターフェロン、インターロ
イキン、マクロファージコロニー刺激因子、顆粒球コロ
ニー刺激因子、エリスロポイエチン、リンホトキシン、
BCGワクチン、コリネバクテリウムパルブム、レバミ
ゾール、ポリサッカライドK、プロコダゾールなどが挙
げられる。該「細胞増殖因子ならびにその受容体の作用
を阻害する薬剤」における、「細胞増殖因子」として
は、細胞の増殖を促進する物質であればどのようなもの
でもよく、通常、分子量が20,000以下のペプチド
で、受容体との結合により低濃度で作用が発揮される因
子が挙げられ、具体的には、(1)EGF(epidermalgr
owth factor)またはそれと実質的に同一の活性を有す
る物質〔例、EGF、ハレグリン(HER2リガンド)
など〕、(2)インシュリンまたはそれと実質的に同一
の活性を有する物質〔例、インシュリン、IGF(insul
in-like growthfactor)−1、IGF−2など〕、(3)
FGF(fibroblast growth factor)またはそれと実質
的に同一の活性を有する物質〔例、酸性FGF、塩基性
FGF、KGF(keratinocyte growth factor)、 F
GF-10など〕、(4)その他の細胞増殖因子〔例、C
SF(colony stimulating factor)、EPO(erythro
poietin)、IL−2(interleukin-2)、NGF(nerve
growth factor)、PDGF(platelet-derived growth
factor)、TGFβ(transforming growth factor
β)、HGF(hepatocyte growth factor)、VEGF
(vascular endothelial growth factor)など〕などが
あげられる。該「細胞増殖因子の受容体」としては、上
記の細胞増殖因子と結合能を有する受容体であればいか
なるものであってもよく、具体的には、EGF受容体、
ハレグリン受容体(HER2)、インシュリン受容体−
1、インシュリン受容体−2、 IGF受容体、FGF受
容体−1またはFGF受容体−2などがあげられる。該
「細胞増殖因子の作用を阻害する薬剤」としては、ハー
セプチン(HER2レセプター抗体)などがあげられ
る。上記の薬剤の他に、L−アスパラギナーゼ、アセグ
ラトン、塩酸プロカルバジン、プロトポルフィリン・コ
バルト錯塩、水銀ヘマトポルフィリン・ナトリウム、ト
ポイソメラーゼ1I阻害薬(例、イリノテカン、トポテ
カンなど)、トポイソメラーゼII阻害薬(例えば、ソ
ブゾキサンなど)、分化誘導剤(例、レチノイド、ビタ
ミンD類など)、血管新生阻害薬、α−ブロッカー
(例、塩酸タムスロシンなど)なども用いることができ
る。本発明の医薬組成物におけるこれら他の薬物の含有
量は、剤型、投与方法、担体などにより異なるが、製剤
全量に対して、通常0〜95%(w/w)である。
【0093】
【実施例】以下に参考例、実施例および試験例を挙げ
て、本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらに限定
されるものではない。参考例のカラムクロマトグラフィ
ーにおける溶出は、TLC(Thin Layer Chromatograph
y, 薄層クロマトグラフィー)による観察下に行われ
た。TLCの観察においては、TLCプレートとしてメ
ルク社製のキーゼルゲル60F254プレートを使用し、
展開溶媒としてはカラムクロマトグラフィーで溶出溶媒
として用いられた溶媒を、検出法としてUV検出器を採
用した。カラム用シリカゲルは、同じくメルク社製のキ
ーゼルゲル60F254(70〜230メッシュ)を用い
た。NMRスペクトルは、プロトンNMRを示し、内部
標準としてテトラメチルシランを用いてVARIAN
Gemini−200(200MHz型スペクトロメー
ター)で測定し、δ値をppmで表した。参考例で用い
る略号は、次のような意義を有する。 s :シングレット br :ブロード(幅広い) d :ダブレット t :トリプレット q :クワルテット dd :ダブルダブレット dt :ダブルトリプレット m :マルチプレット J :カップリング定数 Hz :ヘルツ DMF:N,N−ジメチルホルムアミド THF:テトラヒドロフラン
【0094】参考例A1 4−クロロメチル−2−[(E)−2−(4−メチルフ
ェニル)エテニル]−1,3−オキサゾール (i)(E)−3−(4−メチルフェニル)−2−プロ
ペナミド 4−メチル桂皮酸(15.19g)のTHF(100m
L)溶液にDMF(5滴)を加え、氷冷下、塩化オキサ
リル(9.6mL)を加え、室温で2時間攪拌した。塩
化オキサリル(4.0mL)を追加し、さらに室温で1
時間攪拌後、濃縮乾固した。残留物を酢酸エチル(50
mL)に溶解し、氷冷下25%アンモニア水(50m
L)−酢酸エチル(20mL)混液に滴下した。水層を
塩析し、有機層を酢酸エチルで抽出した。抽出液を硫酸
マグネシウムで乾燥後、減圧下に濃縮した。析出物をヘ
キサンおよびジエチルエ−テルで洗浄し、標題化合物
(11.63g)を無色結晶として得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:2.37 (3H,
s), 5.56(2H,brs), 6.41(1
H,d,J=15.8), 7.18(2H,d,J=
8.0), 7.42(2H,d,J=8.0),
7.62(1H,d,J=15.8). IR (KBr) : 1671, 1601, 15
18, 1397, 1254, 1123, 99
0, 816cm-1. (ii)4−クロロメチル−2−[(E)−2−(4−
メチルフェニル)エテニル]−1,3−オキサゾール (E)−3−(4−メチルフェニル)−2−プロペナミ
ド(8.06g)および1,3−ジクロロアセトン
(6.98g)をトルエン(50mL)中3時間還流し
た。冷後、反応液を酢酸エチルで希釈し、水、食塩水で
洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮し
た。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(溶
出液;酢酸エチル:ヘキサン=1:4)に付して精製
し、標題化合物(8.44g)を白色粉末晶として得
た。1 H−NMR(CDCl3)δ:2.38 (3H,
s), 4.54(2H,s), 6.87(1H,
d,J=16.2), 7.20(2H,d,J=8.
2), 7.43(2H,d,J=8.2), 7.5
2(1H,d,J=16.2), 7.62(1H,
s). IR (KBr):1642, 1607, 159
1, 1537, 1345, 1267, 976,
943, 810cm-1
【0095】参考例A2 4−クロロメチル−2−[(E)−2−(4−フルオロ
フェニル)エテニル]−1,3−オキサゾール 4−フルオロ桂皮酸(25g)をジクロロメタン(30
0mL)に懸濁し、氷冷・撹拌下、DMF(0.5m
L)、ついで塩化オキサリル(15.36mL)を滴下
し、3時間同温度を保ち、徐々に室温に戻した。減圧
下、溶媒を留去して残留物を酢酸エチル(100mL)
に溶解した。本溶液を、氷冷した25%アンモニア水
(250mL)および酢酸エチル(52.5mL)の混
合溶液に滴下した。反応液を酢酸エチル(400mL×
2)で抽出し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去し、析出結晶を濾
取・乾燥し、(E)−3−(4−フルオロフェニル)−
2−プロペナミド(24.4g)を得た。得られた
(E)−3−(4−フルオロフェニル)−2−プロペナ
ミド(17.55g)および1,3−ジクロロアセトン
(12.85g)を130℃で溶融し、1.5時間かき
まぜた。室温に戻して酢酸エチルで抽出し、氷水、飽和
重曹水、飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで
乾燥後、溶媒を留去し、残留物をカラムクロマトグラフ
ィー(溶出液;ジエチルエーテル:ヘキサン=1:9→
3:17)に付して精製し、標題化合物(10.5g)
を無色結晶として得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:4.54(2H,s),
6.84(1H,d,J=16.0Hz), 7.0
9(2H,t,J=8.8Hz), 7.47−7.5
5(3H,m), 7.63(1H,s). IR (KBr):3173, 3133, 306
3, 3040, 1645, 1601, 159
1, 1537, 1508, 1435, 141
6, 1350, 1275, 1233, 116
7, 1101, 999cm -1
【0096】参考例A3 4−クロロメチル−2−[(E)−2−(4−トリフル
オロメチルフェニル)エテニル]−1,3−オキサゾー
ル (i)(E)−3−(4−トリフルオロメチルフェニ
ル)−2−プロペナミド4−トリフルオロメチル桂皮酸
(19.4g)、DMF(6滴)のTHF(100m
L)懸濁液に0℃で塩化オキサリル(11.7mL)を
滴下し、室温で2時間攪拌した。溶媒を減圧留去後、残
渣を酢酸エチル(60mL)に溶解し、25%アンモニ
ア水−酢酸エチル(5:1、120mL)に注いだ。水
層を塩析後、酢酸エチル−THF(12:1)混液(6
50mL)、酢酸エチル(100mL×2)で抽出し、
無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、
残渣を酢酸エチル−ヘキサンから再結晶し、標題化合物
(18.0g)を無色板状結晶として得た。1 H−NMR (CDCl3) δ : 5.58 (2
H, br s), 6.53 (1H, d, J
= 15.8 Hz), 7.63−7.72(5H,
m). IR (KBr): 3326, 3167, 168
6, 1636, 1617, 1404, 1190
cm-1
【0097】(ii)4−クロロメチル−2−[(E)
−2−(4−トリフルオロメチルフェニル)エテニル]
−1,3−オキサゾール (E)−3−(4−トリフルオロメチルフェニル)−2
−プロペナミド(17.9g)、1,3−ジクロロアセ
トン(14.8g)のトルエン溶液(83mL)溶液を
ディーン・スターク(Dean−Stark)装置を用
いて9時間加熱還流した。冷後、反応液に水を加えて酢
酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液、ヘキサン:酢
酸メチル=6:1→5:1)で精製し、標題化合物(1
5.1g)を無色針状結晶として得た。1 H−NMR (CDCl3) δ :4.55 (2
H, d, J = 0.8 Hz), 7.00
(1H, d, J = 16.2 Hz), 7.5
6 (1H, d, J = 16.2 Hz),
7.64−7.68 (5H, m). IR (KBr): 1350, 1325, 117
0, 1136, 1113, 1071, 959,
826, 727, 708 cm-1
【0098】参考例A4 4−クロロメチル−2−[(E)−2−(2,4−ジフ
ルオロフェニル)エテニル]−1,3−オキサゾール (E)−3−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−プ
ロペナミド(9.16g)、1,3−ジクロロアセトン
(7.62g)を用いて参考例A1−(ii)と同様の
反応を行い、標題化合物(6.31g)を無色結晶とし
て得た。1 H−NMR (CDCl3) δ : 4.55 (2
H, s), 6.8−7.0 (2H, m),
6.96 (1H, d, J = 16.8),7.
45−7.7 (3H, m).
【0099】参考例A5 4−クロロメチル−2−[(E)−2−(2,6−ジフ
ルオロフェニル)エテニル]−1,3−オキサゾール (E)−(2,6−ジフルオロフェニル)−2−プロペ
ナミド(9.0g)および1,3−ジクロロアセトン
(7.49g)を用いて参考例A1−(ii)と同様の
反応を行い、標題化合物(7.18g)を淡黄色固体と
して得た。1 H−NMR (CDCl3) δ : 4.55
(2H, s), 6.85−7.0 (2H,
m), 7.2−7.35 (2H, m), 7.5
5−7.7 (1H, m), 7.66 (1H,
s).
【0100】参考例A6 3−(1H−イミダゾール−2−イル)−1,2−プロ
パンジオール 3,4−ジヒドロキシブチロニトリル(30.33g)
を無水メタノール(12.2mL)に溶解し、氷冷・撹
拌下、5.12規定塩化水素エーテル溶液(62mL)
を5℃以下で加えた。同温度で35時間撹拌すると二層
の溶液が得られた。上層を除き、下層を無水メタノール
(45mL)に溶解した。アミノアセトアルデヒドジメ
チルアセタール(31.5g)の無水メタノール(45
mL)溶液を氷冷・撹拌下、20℃以下で加え、27時
間撹拌した。減圧下、溶媒を留去し、残留物に水(57
mL)と濃塩酸(142mL)を加えて室温で2時間撹
拌した。減圧下、溶媒を留去し、残留物に炭酸カリウム
水溶液を加えpH10に調整後、再度溶媒を留去した。
残渣をエタノール(500mL)で抽出し、濃縮乾固し
た。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製後、イ
オン交換樹脂(アンバーリスト15)で脱塩処理し、標
題化合物(13.16g)を淡褐色結晶として得た。 mp 98−100 ℃.1 H−NMR(DMSO−d6)δ:2.60(1H,d
d,J=7.6Hz,14.8Hz), 2.80(1
H,dd,J=5.0Hz,14.8Hz),3.28
(1H,dd,J=5.6Hz,10.2Hz),
3.35(1H,dd,J=5.4Hz,10.2H
z), 3.72−3.85(1H,m),6.88
(2H,s). IR (KBr):3167, 3094, 292
8, 2656, 1559, 1456, 141
6, 1379, 1327, 1291, 127
5, 1242, 1202, 1152, 111
1, 1092, 1044 cm-1
【0101】参考例A7 (2R)−3−(1H−イミダゾール−2−イル)−
1,2−プロパンジオール (i)(2R)−1−(ベンジルオキシ)−3−(1−
トリチル−1H−イミダゾール−2−イル)−2−プロ
パノール 1−トリチルイミダゾール(3.10g)のTHF溶液
(80mL)にアルゴン雰囲気中、氷冷下、n−ブチル
リチウム(1.6Mヘキサン溶液、6.9ml)を滴下
した。同温度で30分間攪拌後、(R)−2−[(ベン
ジルオキシ)メチル]オキシラン(1.52mL)を加
えた。氷冷下で1.5時間、室温で1時間攪拌後、反応
液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水、食
塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に濃
縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィ−(溶出
液;酢酸エチル:ヘキサン=1:1)に付して精製し、
標題化合物(1.402g)を淡黄色油状物として得
た。1 H−NMR (CDCl3) δ: 2.06 (2
H, dd, J = 2.8Hz, 18.0H
z), 3.08 (1H, dd, J = 5.4
Hz, 9.8Hz), 3.21 (1H, dd,
J = 5.4Hz,9.8Hz), 3.55−
3.7 (1H, m), 4.36 (2H,s),
6.73 (1H, d, J = 1.4Hz),
6.93 (1H, d, J = 1.4Hz),
7.0−7.4 (20H, m).
【0102】(ii)(2R)−1−(ベンジルオキ
シ)−3−(1H−イミダゾール−2−イル)−2−プ
ロパノール (2R)−1−(ベンジルオキシ)−3−(1−トリチ
ル−1H−イミダゾール−2−イル)−2−プロパノー
ル(1.40g)のアセトン(8mL)溶液に1規定塩
酸(8mL)を加え、50℃で1時間攪拌した。1規定
塩酸(8mL)追加し、さらに50℃で2時間撹拌し
た。反応液を濃縮して水を加え、ジエチルエ−テルで2
回洗浄した。水層を重曹水で中和後、酢酸エチルで抽出
し、食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧
下に濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィ−(溶出液;酢酸エチル:メタノ−ル=10:1)
に付して精製し、標題化合物(424mg)を無色油状
物として得た。1 H−NMR (CDCl3)δ: 2.85 (1H,
dd, J = 7.8Hz, 15.6Hz),
2.99 (1H, dd, J = 3.6Hz,
15.6Hz), 3.39 (1H, dd, J
= 7.0Hz,9.5Hz), 3.52 (1H,
dd, J = 4.4Hz, 9.5Hz),
4.1−4.3 (1H, m), 4.55 (2
H, s),6.94 (2H, s), 7.3−
7.45 (5H, m).
【0103】(iii)(2R)−3−(1H−イミダ
ゾール−2−イル)−1,2−プロパンジオール (2R)−1−(ベンジルオキシ)−3−(1H−イミ
ダゾール−2−イル)−2−プロパノール(424m
g)のメタノール(10mL)溶液に10%パラジウム
炭素(50%含水、85mg)を加え、水素雰囲気下、
50−60℃で2日間攪拌した。触媒をろ去し、ろ液を
濃縮し、標題化合物(254mg)を白色固体として得
た。1 H−NMR (CDCl3)δ: 2.58 (1H,
dd,J=7.6Hz,14.6Hz), 2.78
(1H, dd, J =5.2Hz, 14.6H
z), 3.17 (1H, d, J=5.2H
z), 3.2−3.3 (1H, m), 3.7−
3.85 (1H, m), 4.6−4.7(1H,
m), 4.86 (1H, d, J=4.8H
z), 6.76 (1H, brs), 6.95
(1H, brs). [α]D 22 = + 2.5°(C = 1.0,メタ
ノール)
【0104】参考例A8 (2S)−3−(1H−イミダゾール−2−イル)−
1,2−プロパンジオール (i)(3S)−4−(ベンジルオキシ)−3−(トリ
メチルシリルオキシ)ブチロニトリル (2S)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]オキシラ
ン(6.57g)とトリメチルシランカルボニトリル
(5.0g)の混合液にシアン化カリウム(26mg)
と18−クラウン−6(106mg)を加えてアルゴン
雰囲気下、135℃で75分間還流した。冷後、減圧蒸
留に付し、標題化合物(7.42g)を得た。1 H−NMR (CDCl3) δ : 0.15(9
H,s), 2.52(1H,dd,J=6.6Hz,
16.6Hz), 2.65(1H,dd, J=4.
6Hz, 16.6Hz), 3.39(1H,dd,
J=6.8Hz,9.6Hz), 3.50(1H,d
d,J=4.8Hz,9.6Hz), 4.01−4.
14(1H,m), 4.52(2H,s), 7.2
6−7.44(5H,m). IR (neat):3065, 3032, 295
7, 2903, 2865, 2251, 160
7, 1588, 1497, 1454, 141
6, 1366, 1254, 1209, 111
7, 1001 cm-1
【0105】(ii)(3S)−4−(ベンジルオキ
シ)−3−ヒドロキシブチロニトリル (3S)−4−(ベンジルオキシ)−3−[(トリメチ
ルシリル)オキシ]ブチロニトリル(7.41g)をテ
トラヒドロフラン(28.2mL)に溶解し、氷冷撹拌
下、1M−テトラブチルアンモニウムフルオリドTHF
溶液(28.2mL)を加えて1.5時間撹拌した。減
圧下、溶媒を留去し、残渣をエーテルに溶解し、水、飽
和食塩水で洗浄した。減圧下、溶媒を留去し、残留物を
シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し標題化合
物(4.58g)を無色油状物として得た。1 H−NMR(DMSO−d6)δ:2.56(1H,d
d,J=6.4Hz,16.8Hz), 2.70(1
H,dd,J=4.6Hz,16.8Hz),3.34
(1H,dd,J=6.2Hz,9.8Hz), 3.
44(1H,dd,J=5.4Hz,9.8Hz),
3.85−3.95(1H,m), 5.52(2H,
d,J=5.2Hz), 7.25−7.40(5H,
m). IR (neat):3600−3200, 306
5, 3032, 2867, 2253, 160
5, 1586, 1497, 1454, 141
6, 1364, 1308, 1254, 120
8, 1101, 1078 cm-1
【0106】(iii)(2S)−1−(ベンジルオキ
シ)−3−(1H−イミダゾール−2−イル)−2−プ
ロパノール (3S)−4−(ベンジルオキシ)−3−ヒドロキシブ
チロニトリル(6.51g)、5.12規定塩化水素エ
ーテル溶液(7.0mL)、アミノアセトアルデヒドジ
メチルアセタール(3.58g)を用いて参考例6と同
様の反応を行い、標題化合物(2.22g)を淡褐色油
状物として得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:2.84(1H,dd,
J=7.8Hz,15.4Hz), 2.97(1H,
dd,J=3.6Hz,15.4Hz), 3.41
(1H,dd,J=6.8Hz,9.4Hz), 3.
51(1H,dd,J=4.4Hz,9.4Hz),
4.11−4.23(1H,m), 4.54(2H,
s), 6.91(2H,s), 7.27(5H,
m). IR (neat):3400−3140, 306
5, 3032, 2903, 2865, 160
1, 1557, 1495, 1454, 142
7, 1366, 1312, 1206, 110
1, 1028 cm-1. [α]D 22 = − 2.3°(C = 1.04,メ
タノール)
【0107】(iv)(2S)−3−(1H−イミダゾ
ール−2−イル)−1,2−プロパンジオール (2S)−1−(ベンジルオキシ)−3−(1H−イミ
ダゾール−2−イル)−2−プロパノール(1.725
g)をエタノール(30mL)に溶解し、10%パラジ
ウム炭素(1.04g)を加え、60℃、5気圧の水素
雰囲気下、24時間激しく撹拌した。触媒を濾去し、溶
媒留去後の残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマト
グラフィーで精製すると標題化合物(0.945g)が
得られた。本品のスペクトルデータ(1H−NMR、I
R)は参考例6の化合物と一致した。
【0108】参考例A9 (i)4−(4−ベンジルオキシフェニル)−3−ブテ
ン−1−オール アルゴン雰囲気下、3−ヒドロキシプロピルトリフェニ
ルホスホニウムブロミド(4.02g)を脱水THF
(30mL)に懸濁し、60%油性水素化ナトリウム
(0.4g)を加えて、3時間還流した。反応液に4−
ベンジルオキシベンズアルデヒド(2.12g)の脱水
THF溶液(7mL)を滴下し、67時間還流した。冷
後、不溶物をろ去し、ろ液を減圧濃縮した。残留物をカ
ラムクロマトグラフィー(溶出液;ヘキサン:酢酸エチ
ル=9:1→4:1)に付して精製し、題記化合物
(1.76g)を無色結晶として得た。1 H−NMR (CDCl3) δ: 2.46(0.8
H,dq,J=1.4Hz,6.2Hz), 2.61
(1.2H,dq,J=1.6Hz,6.4Hz),
3.71−3.78(2H,m), 5.06(1.2
H,s), 5.07(1.8H,s), 5.59
(0.6H,dt,J=7.2Hz,11.6Hz),
6.07(0.4H,dt,J=7.2Hz,15.
8Hz),6.45(0.4H,d,J=15.8H
z), 6.52(0.6H,d,J=11.6H
z), 6.89−6.98(2H,m), 7.22
−7.46(7H,m). IR (KBr): 3279, 3063, 303
6, 3011, 2911, 2867, 160
7, 1574, 1510, 1470, 145
4, 1383, 1302, 1250, 117
7, 1117, 1053, 1017 cm-1
【0109】(ii)4−(4−ヒドロキシブチル)フ
ェノール 4−(4−ベンジルオキシフェニル)−3−ブテン−1
−オール(1.70g)をメタノール−THF混液
(1:1,20mL)に溶解し、10%パラジウム炭素
(0.17g)を添加後、水素雰囲気下、1.5時間激
しくかきまぜた。触媒をろ去して、ろ液を減圧濃縮し、
標題化合物(1.1g)を無色結晶性粉末として得た。1 H−NMR(CDCl3)δ: 1.50−1.76
(4H,m), 2.57(2H,t,J=7.1H
z), 3.67(2H,t,J=6.2Hz),6.
74(2H,d,J=8.4Hz), 7.03(2
H,d,J=8.4Hz). IR (KBr): 3500−3100, 302
5, 2940, 2859, 1615, 159
7, 1514, 1456, 1362, 124
0, 1173, 1107, 1055, 1024
cm-1
【0110】(iii)4−[4−(ベンジルオキシ)
フェニル]−1−ブタノール アルゴン雰囲気下、4−(4−ヒドロキシブチル)フェ
ノール(9.43g)、65%油性水素化ナトリウム
(2.4g)に乾燥DMF(115mL)を加え15分
間かきまぜた。次いで氷冷撹拌下、ベンジルブロミド
(9.87g)の乾燥ジメチルホルムアミド(29.5
mL)溶液を滴下し同温度で2時間かきまぜた。反応液
に、氷水および1規定硫酸水素カリウム水溶液を加え、
酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、
無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、残
留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、
標題化合物(10.67g)を無色結晶性粉末として得
た。1 H−NMR(DMSO−d6)δ: 1.34−1.6
4(4H,m), 2.50(2H,t,J=7.0H
z), 3.39(2H,dt,J=5.2Hz,6.
4Hz), 4.34(1H,t,J=5.2Hz),
5.05(2H,s), 6.90(2H,d,J=
8.6Hz), 7.09(2H,d,J=8.6H
z), 7.28−7.47(5H,m). IR (KBr): 3500−3200, 304
8, 3036, 2928, 2907, 286
1, 2840, 1615, 1582, 151
4, 1472, 1454, 1379, 136
0, 1298, 1285, 1250, 117
5, 1119, 1063, 1012 cm-1
【0111】(iv)4−[4−(ベンジルオキシ)フ
ェニル]ブチル メタンスルホナート 4−(4−ベンジルオキシフェニル)ブタノール(10
g)の酢酸エチル(390mL)溶液に氷冷下、トリエ
チルアミン(8.16mL)及びメタンスルホニルクロ
リド(4.53mL)を滴下した。同温度で30分、室
温で1時間撹拌した後、氷水と飽和食塩水で洗浄した。
無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去すると
標題化合物(14g)が油状物として得られた。本品は
精製する事なく次の工程に用いた。1 H−NMR(CDCl3)δ:1.64−1.86(4
H,m), 2.60(2H,t,J=7.1Hz),
2.98(3H,s), 4.23(2H,t,J=
6.1Hz), 5.05(2H,s), 6.91
(2H,d,J=8.8Hz), 7.09(2H,
d,J=8.8Hz), 7.32−7.48(5H,
m). IR (neat):3063, 3031, 294
0, 2865, 1611, 1584, 151
2, 1456, 1354, 1337, 124
0, 1175, 1115, 1015 cm-1
【0112】(v)ベンジル 4−(4−ヨードブチ
ル)フェニル エーテル ヨウ化ナトリウム(29.25g)をアセトン(195
mL)に溶解し、4−[4−(ベンジルオキシ)フェニ
ル]ブチルメタンスルホナート(13g)を加えて、8
0℃で1.5時間還流した。冷後、溶媒を留去し、残留
物に酢酸エチル(750mL)を加え、水、チオ硫酸ナ
トリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を
無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下、溶媒を留去す
ると標題化合物(14.29g)が油状物として得られ
た。本品は精製する事なく次の工程に用いた。1 H−NMR(CDCl3)δ:1.63−1.93(4
H,m), 2.57(2H,t,J=7.3Hz),
3.19(2H,t,J=6.8Hz), 5.04
(2H,s), 6.90(2H,d,J=8.8H
z), 7.09(2H,d,J=8.8Hz),
7.30−7.47(5H,m). IR (neat):3063, 3031, 293
2, 2857, 1611, 1582, 151
0, 1454, 1381, 1298, 123
8, 1175, 1121, 1026 cm-1
【0113】(vi)1−[4−(4−ベンジルオキシ
フェニル)ブチル]−1H−1,2,3−トリアゾール ベンジル 4−(4−ヨードブチル)フェニル エーテ
ル(1.1g)、1H−1,2,3−トリアゾール
(0.31g)、炭酸カリウム(0.622g)をDM
F(7.5mL)に懸濁して、70℃で26.5時間か
きまぜた。冷後、反応液を酢酸エチルで抽出し、水、飽
和食塩水で洗浄した。減圧下、溶媒を留去し、残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;ヘキサ
ン:酢酸エチル=4:1→2:3)に付し、標題化合物
(0.391g)を得た。1 H−NMR (CDCl3) δ : 1.61(2
H,quintet,J=7.8Hz), 1.93
(2H,quintet,J=7.8Hz), 2.5
9(2H,t,J=7.6Hz), 4.39(2H,
t,J=7.1Hz), 5.04(2H,s),
6.90(2H,d,J=8.8Hz), 7.06
(2H,d,J=8.8Hz), 7.30−7.48
(5H,m), 7.49(1H,s), 7.69
(1H,s). IR (KBr):3106, 3034, 294
0, 2861, 1611, 1582, 151
2, 1454, 1387, 1298, 124
4, 1177, 1113, 1080, 104
0, 1028 cm-1
【0114】(vii)4−[4−(1H−1,2,3
−トリアゾール−1−イル)ブチル]フェノール 1−[4−(4−ベンジルオキシフェニル)ブチル]−
1H−1,2,3−トリアゾール(0.38g)をメタ
ノール(7.6mL)に溶解して、10%−パラジウム
炭素(0.1g)を添加し、水素雰囲気下、14時間激
しくかきまぜた。触媒を濾去して、濾液を減圧下、濃縮
乾固し、標題化合物(0.268g)を結晶性粉末とし
て得た。1 H−NMR (CDCl3) δ :1.60(2H,
quintet,J=7.0Hz), 1.93(2
H,quintet,J=7.4Hz), 2.57
(2H,t,J=7.5Hz), 4.40(2H,
t,J=7.0Hz),6.79(2H,d,J=8.
6Hz), 6.99(2H,d,J=8.6Hz),
7.51(1H,s), 7.71(1H,s). IR (KBr):3148, 3129, 301
7, 2946, 2861, 2814, 161
5, 1593, 1514, 1462, 138
1, 1269, 1242, 1225, 112
3, 1078 cm-1
【0115】参考例A10 4−[3−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イ
ル)プロピル]フェノール ベンジル 4−(3−ヨードプロピル)フェニル エー
テル(2.47g)、1H−1,2,3−トリアゾール
(629mgl)、炭酸カリウム(1.26gl)をD
MF(17.5mL)に懸濁して、70℃で18.5時
間かきまぜた。室温に戻し、酢酸エチルで抽出後、水、
飽和食塩水で洗浄した。減圧下、溶媒を留去し、残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液、ヘキサ
ン:酢酸エチル=4:1→2:3)に付して精製を行い
1−[3−(4−ベンジルオキシフェニル)プロピル]
−1H−1,2,3−トリアゾール(856mg)を得
た。1 H−NMR (CDCl3) δ :2.23(2H,
quintet,J=7.2Hz), 2.60(2
H,t,J=7.5Hz), 4.38(2H,t,J
=7.1Hz), 5.05(2H,s), 6.92
(2H,d,J=8.8Hz), 7.10(2H,
d,J=8.8Hz), 7.30−7.48(5H,
m), 7.52(1H,s), 7.72(1H,
s). IR (KBr):3100, 3030, 296
0, 2926, 2860, 1613, 158
5, 1514, 1454, 1383, 129
8, 1250, 1215, 1177, 111
5, 1082, 1044, 1028, 1019
cm-1
【0116】1−[3−(4−ベンジルオキシフェニ
ル)プロピル]−1H−1,2,3−トリアゾール(8
50mg)をメタノール(29mL)に溶解して、10
%−パラジウム炭素(0.1g)を添加し、水素雰囲気
下、13時間激しくかきまぜた。触媒を濾去して、濾液
を減圧下、濃縮乾固し、標題化合物(600mg)を結
晶性粉末として得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:2.22(2H,qui
ntet,J=7.0Hz), 2.56(2H,t,
J=7.0Hz), 4.38(2H,t,J=7.0
Hz), 6.87(2H,d,J=8.6Hz),
7.04(2H,d,J=8.6Hz), 7.55
(1H,s), 7.74(1H,s). IR (KBr):3127, 3100, 301
5, 2932, 1615, 1595, 151
6, 1456, 1373, 1244, 122
3, 1175, 1121, 1080, 1038
cm-1
【0117】参考例A11 3−[3−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イ
ル)プロピル]フェノール (i)3−[3−(ベンジルオキシ)フェニル]−1−
プロパノール アルゴン気流下、3−ベンジルオキシベンズアルデヒド
(21.3g)とジエチルホスホノ酢酸エチル(23.
6g)を乾燥DMF(250mL)に懸濁させた。氷冷
・撹拌下、65%油性水素化ナトリウム(3.88g)
を少量ずつ添加し、添加終了後、室温で2時間撹拌し
た。溶媒を留去後、残渣を酢酸エチルに溶解し、水、飽
和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減
圧下、溶媒を留去すると(E)−3−[3−(ベンジル
オキシ)フェニル]−2−プロペン酸エチルの粗生成物
33.15gが油状物として得られた。本品をエタノー
ル(406mL)に溶解し、エチレンジアミンで処理し
た5%パラジウム炭素[Pd−C(en),2.7g]
を加え、水素雰囲気下、激しく撹拌した。水素(1.7
5L)を消費させて水素添加を終了し、触媒を濾去し
た。減圧下、溶媒を留去し、残渣を脱水THF(120
mL)に溶解した。本溶液を氷冷下、水素化リチウムア
ルミニウム(4.61g)を懸濁させた脱水THF(1
20mL)混液に滴下した。氷冷下で1.5時間、さら
に室温で1時間撹拌した。反応液を氷水に加え、酸性に
調整後、酢酸エチルで抽出し、水、飽和食塩水で洗浄
後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留
去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精
製し、標題化合物(14.39g)を無色油状物として
得た。1 H−NMR (CDCl3) δ :1.80−1.9
6(2H,m), 2.69(2H,t,J=7.7H
z), 3.66(2H,t,J=6.4Hz),
5.05(2H,s), 6.77−6.87(3H,
m), 7.20(1H,t,J=8.0Hz),
7.28−7.48(5H,m). IR (neat):3330, 3063, 303
2, 2940, 2867, 1599, 158
2, 1487, 1453, 1381, 131
4, 1258, 1155, 1026 cm-1
【0118】(ii)3−[3−(ベンジルオキシ)フ
ェニル]プロピル メタンスルホナート 3−(3−ベンジルオキシフェニル)プロパノール(1
3.5g)、トリエチルアミン(8.16mL)および
メタンスルホニルクロリド(4.53mL)を用いて、
参考例A9−(iv)と同様の反応を行い、標題化合物
(19.7g)を油状物として得た。1 H−NMR (CDCl3) δ :2.00−2.1
5(2H,m), 2.73(2H,t,J=7.5H
z), 2.98(3H,s), 4.22(2H,
t,J=6.3Hz), 5.06(2H,s),
6.77−6.88(3H,m), 7.22(1H,
t,J=7.7Hz), 7.31−7.48(5H,
m). IR (neat):3032, 2940, 287
0, 1599, 1584, 1487, 145
3, 1381, 1354, 1260, 117
5, 1026 cm-1
【0119】(iii)ベンジル 3−(3−ヨードプ
ロピル)フェニル エーテル 3−[3−(ベンジルオキシ)フェニル]プロピルメタ
ンスルホナート(19.7g)およびヨウ化ナトリウム
(29.25g)を用いて参考例A9−(v)と同様の
反応を行い標題化合物(18.4g)を油状物として得
た。1 H−NMR(CDCl3)δ:2.11(2H,qui
ntet,J=7.3Hz), 2.70(2H,t,
J=7.2Hz), 3.16(2H,t,J=6.8
Hz), 5.06(2H,s), 6.78−6.8
7(3H,m),7.21(1H,t,J=7.2H
z), 7.32−7.48(5H,m). IR (neat):3063, 3031, 293
4, 2861, 1599, 1582, 148
7, 1451, 1381, 1316, 125
8, 1213, 1155, 1080, 1028
cm-1
【0120】(iv)1−[3−(3−ベンジルオキシ
フェニル)プロピル]−1H−1,2,3−トリアゾー
ル アルゴン雰囲気下、1H−1,2,3−トリアゾール
(0.9g)をDMF(20mL)に溶解し、65%油
性水素化ナトリウム(0.48g)を添加した。30分
撹拌後、ベンジル 3−(3−ヨードプロピル)フェニ
ル エーテル(3.53g)のDMF(5mL)溶液を
加え、室温で19時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで
希釈し、水、飽和食塩水で洗浄した。減圧下、溶媒を留
去し、残渣をカラムクロマトグラフィーに付し、標題化
合物(1.1g)を無色結晶として得た。 mp 74−75 ℃.1 H−NMR (CDCl3) δ :2.25(2H,
quintet,J=7.2Hz), 2.63(2
H,t,J=7.3Hz), 4.37(2H,t,J
=7.1Hz), 5.05(2H,s), 6.75
−6.88(3H,m), 7.23(1H,t,J=
8.2Hz), 7.31−7.47(5H,m),
7.49(1H,d,J=1.0Hz), 7.71
(1H,d,J=1.0Hz). IR (KBr):3125, 3063, 303
2, 2944, 2867, 1599, 158
4, 1487, 1453, 1381, 131
6, 1260, 1215, 1157, 111
3, 1074, 1028 cm-1
【0121】(v)3−[3−(1H−1,2,3−ト
リアゾール−1−イル)プロピル]フェノール 1−[3−(3−ベンジルオキシフェニル)プロピル]
−1H−1,2,3−トリアゾール(0.937g)の
メタノール溶液(32mL)に10%−パラジウム炭素
(0.1g)を添加し、水素雰囲気下、室温で8時間激
しくかきまぜた。触媒をろ去して、ろ液を減圧下濃縮乾
固し、標題化合物(0.593g)を無色結晶として得
た。 mp 85−86 ℃.1 H−NMR (CDCl3) δ :2.24(2H,
quintet,J=7.1Hz), 2.60(2
H,t,J=7.5Hz), 4.38(2H,t,J
=7.1Hz), 6.68−6.79(3H,m),
6.96(1H,s), 7.16(1H,t,J=
8.1Hz), 7.54(1H,d,J=1.0H
z), 7.73(1H,d,J=1.0Hz). IR (KBr):3129, 3077, 305
4, 2949, 2863, 2722, 261
4, 1599, 1588, 1483, 145
8, 1362, 1337, 1281, 122
1, 1157, 1121, 1080, 1038
cm-1
【0122】参考例A12 4−{4−[2−(2−ヒドロキシエチル)−1H−イ
ミダゾール−1−イル]ブチル}フェノール (i)2−(1−{4−[4−(ベンジルオキシ)フェ
ニル]ブチル}−1H−イミダゾール−2−イル)−1
−エタノール ベンジル 4−(4−ヨードブチル)フェニル エーテ
ル(14.29g)、2−(2−ヒドロキシエチル)イ
ミダゾール(13.1g)、炭酸カリウム(5.39
g)をDMF(390mL)中、60℃で16時間かき
まぜた。冷後、不溶物をろ去し、ろ液を減圧濃縮した。
残留物を酢酸エチルに溶解し、水、飽和食塩水で洗浄し
た。減圧下、溶媒を留去し残留物をカラムクロマトグラ
フィー(溶出液、酢酸エチル:メタノール=19:1→
9:1)に付して精製した。溶出物を酢酸エチル−メタ
ノールから再結晶し、標題化合物(10.99g)を無
色結晶として得た。 mp 75−77 ℃.1 H−NMR(CDCl3)δ:1.53−1.82(4
H,m), 2.58(2H,t,J=7.1Hz),
2.78(2H,t,J=5.5Hz), 3.81
(2H,t,J=6.9Hz), 4.03(2H,
t,J=5.5Hz), 5.04(2H,s),
6.80(1H,d,J=1.2Hz), 6.90
(2H,d,J=8.6Hz), 6.93(1H,
d,J=1.2Hz), 7.05(2H,d,J=
8.6Hz), 7.34−7.47(5H,m). IR (KBr):3144, 3032, 293
4, 2859, 1611, 1582, 151
4, 1495, 1456, 1431, 138
1, 1298, 1273, 1244, 117
5, 1150, 1121, 1109, 105
1, 1026 cm-1
【0123】(ii)4−{4−[2−(2−ヒドロキ
シエチル)−1H−イミダゾール−1−イル]ブチル}
フェノール 2−(1−{4−[4−(ベンジルオキシ)フェニル]
ブチル}−1H−イミダゾール−2−イル)−1−エタ
ノール(10.67g)および10%パラジウム炭素
(1.6g)を用いて、参考例A11−(v)と同様の
反応を行い、標題化合物(5.3g)を得た。 mp 118−119 ℃.1 H−NMR(CDCl3)δ:1.50−1.80(4
H,m), 2.55(2H,t,J=7.0Hz),
2.79(2H,t,J=5.8Hz), 3.82
(2H,t,J=7.0Hz), 3.97(2H,
t,J=5.8Hz), 3.85−4.40(1H,
br), 6.77(2H,d,J=8.4Hz),
6.80(1H,s), 6.94(1H,s),
6.96(2H,d,J=8.4Hz). IR (KBr):3600−2400, 1615,
1593, 1516, 1489, 1456,
1373, 1252, 1171, 1150, 1
125, 1103, 1055 cm-1
【0124】参考例A13 (i)2−(1−{3−[4−(ベンジルオキシ)フェ
ニル]プロピル}−1H−イミダゾール−2−イル)−
1−エタノール ベンジル 4−(3−ヨードプロピル)フェニルエーテ
ル(5.28g)、2−(2−ヒドロキシエチル)イミ
ダゾール(5.05g)および炭酸カリウム(2.07
g)を用いて、参考例A12−(i)と同様の反応を行
い、標題化合物(2.78g)を無色結晶として得た。 mp 80−82 ℃.1 H−NMR(CDCl3)δ:2.03(2H,qui
ntet,J=7.4Hz), 2.58(2H,t,
J=7.4Hz), 2.74(2H,t,J=5.6
Hz), 3.82(2H,t,J=7.4Hz),
4.01(2H,t,J=5.6Hz), 5.05
(2H,s), 6.83(1H,s),6.92(2
H,d,J=8.6Hz), 6.94(1H,s),
7.07(2H,d,J=8.6Hz), 7.32
−7.47(5H,m). IR (KBr):3500−3100, 3110,
3063, 3032, 2934, 2865,
1611, 1584, 1512, 1495, 1
454, 1381, 1298, 1240, 11
77, 1152, 1121, 1057, 102
4 cm-1
【0125】(ii)4−{3−[2−(2−ヒドロキ
シエチル)−1H−イミダゾール−1−イル]プロピ
ル}フェノール 2−(1−{3−[4−(ベンジルオキシ)フェニル]
プロピル}−1H−イミダゾール−2−イル)−1−エ
タノール(2.53g)および10%パラジウム炭素
(0.38g)を用いて、参考例A11−(v)と同様
の反応を行い、標題化合物(1.85g)を無色結晶と
して得た。 mp 116−117 ℃.1 H−NMR(CDCl3+CD3OD)δ:2.03
(2H,quintet,J=7.3Hz), 2.5
5(2H,t,J=7.3Hz), 2.75(2H,
t, J=6.2Hz), 3.83(2H,t,J=
7.3Hz), 3.91(2H,t,J=6.2H
z), 6.77(2H,d,J=8.6Hz),
6.84(1H,d, J=1.2Hz), 6.93
(1H,d,J=1.2Hz), 6.97(2H,
d,J=8.6Hz). IR (KBr):3500−3100, 3119,
2934, 2861, 1615, 1593,
1516, 1495, 1454, 1373, 1
252, 1173, 1152, 1123, 10
53 cm-1
【0126】参考例A14 3−{3−[2−(2−ヒドロキシエチル)−1H−イ
ミダゾール−1−イル]プロピル}フェノール (i)2−(1−{3−[3−(ベンジルオキシ)フェ
ニル]プロピル}−1H−イミダゾール−2−イル)−
1−エタノール ベンジル 3−(3−ヨードプロピル)フェニル エー
テル(3.53g)、2−(2−ヒドロキシエチル)イ
ミダゾール(1.46g)および65%油性水素化ナト
リウム(0.48g)を用いて、参考例A11−(i
v)と同様の反応を行い、標題化合物(2.66g)を
無色油状物として得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:2.05(2H,qui
ntet,J=7.3Hz), 2.61(2H,t,
J=7.5Hz), 2.73(2H,t,J=5.5
Hz), 3.81(2H,t,J=7.3Hz),
4.02(2H,t,J=5.5Hz), 5.06
(2H,s), 6.73−6.88(3H,m),
6.82(1H,d,J=1.2Hz), 6.95
(1H,d,J=1.2Hz), 7.23(1H,
t,J=8.2Hz), 7.31−7.48(5H,
m). IR (neat):3500−3100, 306
7, 3034, 2938, 2867, 159
9, 1584, 1524, 1491, 145
3, 1381, 1316, 1260, 115
5, 1119, 1053, 1026 cm-1
【0127】(ii)3−{3−[2−(2−ヒドロキ
シエチル)−1H−イミダゾール−1−イル]プロピ
ル}フェノール 2−(1−{3−[3−(ベンジルオキシ)フェニル]
プロピル}−1H−イミダゾール−2−イル)−1−エ
タノール(2.42g)および10%パラジウム炭素
(0.24g)を用いて、参考例A11−(v)と同様
の反応を行い、標題化合物(1.69g)を無色結晶と
して得た。 mp 111−113 ℃.1 H−NMR(CDCl3)δ:2.07(2H,qui
ntet,J=6.9Hz), 2.55(2H,t,
J=7.3Hz), 2.73(2H,t,J=5.9
Hz), 3.80(2H,t,J=7.1Hz),
4.00(2H,t,J=5.9Hz), 6.55−
6.76(3H,m), 6.86(1H,d,J=
1.4Hz), 6.96(1H,d,J=1.4H
z), 7.15(1H,t,J=7.8Hz). IR (KBr)cm-1:3500−3100, 30
46, 2940, 2865, 2712, 260
4, 1599, 1588, 1528, 148
3, 1456, 1372, 1279, 125
0, 1155, 1123, 1057.
【0128】参考例A15 3−{1−[4−(4−ヒドロキシフェニル)ブチル]
−1H−イミダゾール−2−イル}−1,2−プロパン
ジオール (i)3−{1−[4−(4−ベンジルオキシフェニ
ル)ブチル]−1H−イミダゾール−2−イル}−1,
2−プロパンジオール ベンジル 4−(4−ヨードブチル)フェニル エーテ
ル(2.05g)、2−(2,3−ジヒドロキシプロピ
ル)イミダゾール(1.0g)および65%油性水素化
ナトリウム(0.259g)を用いて、参考例A11−
(iv)と同様の反応を行い、標題化合物(1.23
g)を無色結晶として得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:1.52−1.83(4
H,m), 2.57(2H,t,J=7.1Hz),
2.78(2H,d,J=5.2Hz), 2.79
(1H,d,J=6.8Hz), 3.62(1H,d
d,J=4.8Hz,11.2Hz), 3.74(1
H,dd,J=4.8Hz,11.2Hz), 3.8
2(2H,t,J=7.1Hz), 4.12−4.2
3(1H,m), 5.04(2H,s), 6.79
(1H,d,J=1.4Hz),6.90(2H,d,
J=8.6Hz), 6.91(1H,d,J=1.4
Hz), 7.05(2H,d,J=8.6Hz),
7.30−7.47(5H,m). IR (KBr):3500−3200, 3065,
3030, 2932, 2861, 1611,
1582, 1510, 1495, 1454, 1
379, 1296, 1275, 1240, 11
77, 1150, 1123, 1080, 102
6 cm-1
【0129】(ii)3−{1−[4−(4−ヒドロキ
シフェニル)ブチル]−1H−イミダゾール−2−イ
ル}−1,2−プロパンジオール 3−{1−[4−(4−ベンジルオキシフェニル)ブチ
ル]−1H−イミダゾール−2−イル}−1,2−プロ
パンジオール(1.22g)および10%パラジウム炭
素(0.18g)を用いて、参考例A11−(v)と同
様の反応を行い、標題化合物(0.918g)を無色結
晶として得た。1 H−NMR(CDCl3+CD3OD)δ:1.50−
1.80(4H,m),2.55(2H,t,J=7.
0Hz), 2.75(1H,d,J=7.2Hz),
2.76(1H,d,J=5.6Hz), 3.49
(1H,dd,J=5.4Hz,11.6Hz),
3.62(1H,dd,J=4.2Hz,11.6H
z), 3.84(2H,t,J=7.0Hz),
3.97−4.08(1H,m), 6.75(2H,
d,J=8.6Hz), 6.80(1H,d,J=
1.4Hz), 6.89(1H,d,J=1.4H
z), 6.97(2H,d,J=8.6Hz). IR (KBr):3500−3100, 3011,
2936, 2859, 1613, 1595,
1516, 1489, 1456, 1372, 1
360, 1252, 1171, 1150, 11
25, 1101, 1030 cm-1
【0130】参考例A16 (i)3−{1−[3−(3−ベンジルオキシフェニ
ル)プロピル]−1H−イミダゾール−2−イル}−
1,2−プロパンジオール ベンジル 3−(3−ヨードプロピル)フェニル エー
テル(1.98g)、2−(2,3−ジヒドロキシプロ
ピル)イミダゾール(1.0g)および65%油性水素
化ナトリウム(0.259g)を用いて、参考例A11
−(iv)と同様の反応を行い、標題化合物(1.31
g)を無色油状物として得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:2.05(2H,qui
ntet,J=7.3Hz), 2.60(2H,t,
J=7.3Hz), 2.73(1H,d,J=4.8
Hz), 2.74(1H,d,J=7.2Hz),
3.61(1H,dd,J=4.8Hz,11.2H
z), 3.74(1H,dd,J=4.8Hz,1
1.2Hz), 3.82(2H,t,J=7.3H
z), 4.12−4.23(1H,m), 5.06
(2H,s), 6.73−6.88(3H,m),
6.81(1H,d,J=1.2Hz), 6.93
(1H,d,J=1.2Hz), 7.23(1H,
t,J=8.4Hz), 7.31−7.48(5H,
m). IR (neat):3500−3200, 306
3, 3032, 2934, 2865, 159
9, 1584, 1526, 1489, 145
4, 1381, 1316, 1260, 115
5, 1123, 1082, 1028 cm-1
【0131】(ii)3−{1−[3−(3−ヒドロキ
シフェニル)プロピル]−1H−イミダゾール−2−イ
ル}−1,2−プロパンジオール 3−{1−[3−(3−ベンジルオキシフェニル)プロ
ピル]−1H−イミダゾール−2−イル}−1,2−プ
ロパンジオール(1.30g)および10%パラジウム
炭素(0.195g)を用いて、参考例A11−(v)
と同様の反応を行い、標題化合物(0.979g)を無
色油状物として得た。1 H−NMR(CDCl3+CD3OD)δ:2.07
(2H,quintet,J=7.4Hz), 2.5
8(2H,t,J=7.3Hz), 2.72(1H,
d,J=6.8Hz), 2.72(1H,d,J=
5.8Hz), 3.50(1H,dd,J=5.4H
z,11.4Hz), 3.61(1H,d,J=4.
2Hz,11.4Hz), 3.85(2H,t,J=
7.3Hz),3.98−4.10(1H,m),
6.60−6.74(3H,m), 6.86(1H,
d,J=1.4Hz), 6.92(1H,d,J=
1.4Hz), 7.14(1H,t,J=7.8H
z). IR (neat):3500−3100, 304
0, 2942, 2863, 1599, 158
8, 1530, 1483, 1456, 136
0, 1279, 1254, 1155, 112
5, 1088, 1030 cm-1
【0132】参考例A17 2−[(E)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)エ
テニル]−4−[[4−(4−ヨードブチル)フェノキ
シ]メチル]−1,3−オキサゾール (i)4−[4−[2−(E)−[2−(2,4−ジフ
ルオロフェニル)エテニル]−1,3−オキサゾール−
4−イル]メトキシフェニル]−1−ブタノール 4−(4−ヒドロキシフェニル)−1−ブタノール
(1.99g)のDMF(20mL)溶液に、氷冷下6
0%油性水素化ナトリウム(528mg)を加え、室温
で30分間攪拌した。氷冷下、(E)−4−クロロメチ
ル−2−[2−(2,4−ジフルオロフェニル)エテニ
ル]オキサゾール(3.37g)を加え、室温で一夜攪
拌した。反応液に水、1規定塩酸を加えて、酢酸エチル
で抽出した。抽出液を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧
下に濃縮し、残留物を酢酸エチル−ジエチルエーテル−
ヘキサンより再結晶し、標題化合物(3.71g)を無
色結晶として得た。 mp 75−76 ℃.1 H−NMR (CDCl3) δ: 1.5−1.7
(4H, m), 2.60 (2H, t, J =
6.8Hz), 3.66 (2H, t,J =
6.0Hz), 5.02 (2H, s), 6.8
−6.9 (1H, m), 6.89 (2H,
d, J = 8.4Hz), 6.98(1H,
d, J = 17.0Hz), 7.11 (2H,
d, J= 8.4Hz), 7.5−7.6 (1
H, m), 7.59 (1H, d, J = 1
7.0Hz), 7.66 (1H, s). IR (KBr): 1613, 1514, 149
3, 1431, 1279, 1246, 114
0, 968, 856cm-1
【0133】(ii)2−[(E)−2−(2,4−ジ
フルオロフェニル)エテニル]−4−[[4−(4−ヨ
ードブチル)フェノキシ]メチル]−1,3−オキサゾ
ール 4−[4−[2−(E)−[2−(2,4−ジフルオロ
フェニル)エテニル]−1,3−オキサゾール−4−イ
ル]メトキシフェニル]−1−ブタノール(3.47
g)のTHF(50mL)溶液にトリエチルアミン
(1.37mL)を加え、氷冷下、塩化メタンスルホニ
ル(0.77mL)を加え、室温で30分間攪拌した。
反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、抽出液を食塩
水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去
し、残留物にアセトン(100mL)、ヨウ化ナトリウ
ム(6.75g)を加え、40−50℃で2時間攪拌し
た。反応液を濃縮して水を加え、酢酸エチルで抽出し
た。抽出液をチオ硫酸ナトリウム水、食塩水で順次洗浄
し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。析出物
をろ取し、ジエチルエーテル−ヘキサンで洗浄し、標題
化合物(3.55g)を淡黄色粉末として得た。1 H−NMR (CDCl3)δ: 1.6−1.9
(4H, m), 2.5−2.7 (2H, m),
3.1−3.3 (2H, m), 5.02(2
H, s), 6.8−7.2 (6H, m),
7.5−7.75 (4H, m). IR (KBr): 1615, 1514, 149
3, 1431, 1279, 1246, 114
0, 966, 856cm-1
【0134】参考例A18 2−[(E)−2−(4−ブロモフェニル)エテニル]
−4−[[4−(4−ヨードブチル)フェノキシ]メチ
ル]−1,3−オキサゾール 4−(4−ヒドロキシフェニル)−1−ブタノール
(4.99g)および(E)−4−クロロメチル−2−
[2−(4−ブロモフェニル)エテニル]オキサゾール
(7.43g)を用いて、参考例A17−(i)と同様
の反応を行い、4−[4−[2−(E)−[2−(4−
ブロモフェニル)エテニル]−1,3−オキサゾール−
4−イル]メトキシフェニル]−1−ブタノール(9.
70g)を得た。得られた化合物(4.28g)を用い
て、参考例A17−(ii)と同様の反応を行い、標題
化合物(4.47g)を白色粉末として得た。1 H−NMR (CDCl3)δ:1.65−1.95
(4H,m), 2.58(2H,t,J=7.2H
z), 3.20(2H,t,J=6.8Hz),5.
02(2H,s), 6.92(1h,d,J=16.
4Hz), 6.92(2H,d,J=8.6Hz),
7.38(2H,d,J=8.4Hz),7.47
(1H,d,J=16.4Hz), 7.52(2H,
d,J=8.4Hz), 7.66(1H,s).
【0135】参考例B1 [1−[4−[4−[[2−[(E)−2−(4−メチ
ルフェニル)エテニル]−1,3−オキサゾール−4−
イル]メトキシ]フェニル]ブチル]−1H−1,2,
3−トリアゾール 4−[4−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イ
ル)ブチル]フェノール(174mg)のDMF(4m
L)溶液に氷冷下、60%油性水素化ナトリウム(35
mg)を加え、室温で30分間攪拌した。氷冷下、
(E)−4−クロロメチル−2−[2−(4−メチルフ
ェニル)エテニル]オキサゾール(206mg)を加
え、室温で2時間攪拌した。反応液に水を加え、析出物
をろ取し、水洗した。ろ取物をTHF−酢酸エチル混液
に溶かし、水、食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾
燥後、減圧濃縮した。残留物を酢酸エチル−ヘキサンよ
り再結晶し、標題化合物(281mg)を無色結晶とし
て得た。 mp 154−155 ℃.1 H−NMR(CDCl3)δ:1.5−1.7(2H,
m),1.85−2.05(2H, m), 2.38
(3H, s), 2.60 (2H, t,J=
7.5Hz), 4.39 (2H, t, J =
7.0Hz),5.01 (2H, s), 6.87
(2H, d, J = 8.6Hz), 6.9−
7.0 (1H, m), 7.19 (2H, d,
J =8.6Hz), 7.19 (2H, d,
J = 8.0Hz), 7.42 (2H, d,
J = 8.0Hz), 7.5−7.7 (4H,
m). IR (KBr): 1640, 1607, 153
0, 1514, 1464, 1339, 125
6, 1211, 1053, 974, 810cm
-1. Anal. Calcd for C252642
C, 72.44;H, 6.32; N, 13.
52. Found : C, 72.36; H, 6.4
9; N, 13.70.
【0136】参考例B2 1−{4−[4−({2−[(E)−2−(4−フルオ
ロフェニル)エテニル]−1,3−オキサゾール−4−
イル}メトキシ)フェニル]ブチル}−1H−1,2,
3−トリアゾール アルゴン雰囲気下、4−[4−(1H−1,2,3−ト
リアゾール−1−イル)ブチル]フェノール(218m
g)および65%油性水素化ナトリウム(39mg)
に、DMF(5mL)を加えて溶解した。氷冷撹拌下、
4−(クロロメチル)−2−[(E)−2−(4−フル
オロフェニル)エテニル]−1,3−オキサゾール(2
50mg)を添加し、室温で3時間撹拌した。反応液に
水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水、飽和食
塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し
た。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶
出液;クロロホルム:エタノール=24:1)に付して
精製した後、酢酸エチルから再結晶を行い、標題化合物
(368mg)を無色結晶として得た。 mp 124−125 ℃.1 H−NMR(CDCl3)δ:1.62(2H,qui
ntet,J=7.0Hz), 1.94(2H,qu
intet,J=7.5Hz), 2.61(2H,
t,J=7.5Hz), 4.40(2H,t,J=
7.0Hz), 5.01(2H,s), 6.86
(1H,d,J=16.0Hz), 6.92(2H,
d,J=8.6Hz), 7.08(2H,d,J=
8.6Hz), 7.09(2H,t,J=8.7H
z), 7.46−7.57(4H,m),7.66
(1H,s), 7.70(1H,d,J=1.0H
z). IR (KBr):3420, 3160, 312
0, 2940, 2924, 2865, 164
4, 1599, 1584, 1532, 151
2, 1466, 1435, 1400, 133
7, 1302, 1248, 1229, 121
1, 1177, 1161, 1113, 107
6, 1049, 1030 cm-1. Anal calcd for C242342F:
C,68.88;H,5.55;N,13.39. Found: C,68.70;H,5.55;N,1
3.49.
【0137】参考例B3 1−{3−[3−({2−[(E)−2−(4−フルオ
ロフェニル)エテニル]−1,3−オキサゾール−4−
イル}メトキシ)フェニル]プロピル}−1H−1,
2,3−トリアゾール 3−[3−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イ
ル)プロピル]フェノール(208mg)、65%油性
水素化ナトリウム(39mg)および4−(クロロメチ
ル)−2−[(E)−2−(4−フルオロフェニル)エ
テニル]−1,3−オキサゾール(250mg)を用い
て、参考例B2と同様の反応を行い、標題化合物(36
6mg)を得た。 mp 105−106 ℃.1 H−NMR(CDCl3)δ:2.26(2H,qui
ntet,J=7.2Hz), 2.64(2H,t,
J=7.5Hz), 4.39(2H,t,J=7.0
Hz), 5.03(2H,s), 6.78−6.8
9(3H,m),6.86(1H,d,J=16.2H
z), 7.09(2H,t,J=8.6Hz),
7.25(1H,t,J=7.8Hz), 7.51
(1H,d,J=16.2Hz), 7.47−7.5
4(3H,m), 7.68(1H,s), 7.72
(1H,s). IR (KBr):3110, 3050, 295
5, 2870, 1642, 1601, 158
6, 1532, 1507, 1489, 146
0, 1453, 1337, 1310, 127
3, 1240, 1213, 1177, 115
9, 1113, 1097, 1080, 1065
cm-1. Anal calcd for C232142F:
C,68.30;H,5.23;N,13.85. Found:C,68.22;H,5.04;N,1
4.00.
【0138】参考例B4 1−(4−{4−[(2−{(E)−2−[4−(トリ
フルオロメチル)フェニル]エテニル}−1,3−オキ
サゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}ブチル)−
1H−1,2,3−トリアゾール 4−[4−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イ
ル)ブチル]フェノール(152mg)、65%油性水
素化ナトリウム(28mg)および4−(クロロメチ
ル)−2−{(E)−2−[4−(トリフルオロメチ
ル)フェニル]エテニル}−1,3−オキサゾール(2
12mg)を用いて、参考例B2と同様の反応を行い、
標題化合物(290mg)を得た。 mp 160−161 ℃.1 H−NMR(CDCl3)δ:1.62(2H,qui
ntet,J=7.0Hz), 1.94(2H,qu
intet,J=7.6Hz), 2.61(2H,
t,J=7.4Hz), 4.40(2H,t,J=
7.4Hz), 5.02(2H,s), 6.92
(2H,d,J=8.6Hz), 7.02(1H,
d,J=16.6Hz), 7.08(2H,d,J=
8.6Hz), 7.50(1H,s), 7.56
(1H,d,J=16.6Hz), 7.64(4H,
s), 7.69(1H,s), 7.71(1H,
s). IR (KBr):3120, 2936, 161
5, 1584, 1512, 1464, 141
4, 1327, 1248, 1159, 112
5, 1069 cm-1. Anal calcd for C2523423
C,64.10;H,4.95;N,11.96. Found:C,64.18;H,5.12;N,1
1.98.
【0139】参考例B5 1−(3−{4−[(2−{(E)−2−[4−(トリ
フルオロメチル)フェニル]エテニル}−1,3−オキ
サゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)
−1H−1,2,3−トリアゾール 4−[3−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イ
ル)プロピル]フェノール(143mg)、65%油性
水素化ナトリウム(28mg)および4−(クロロメチ
ル)−2−{(E)−2−[4−(トリフルオロメチ
ル)フェニル]エテニル}−1,3−オキサゾール(2
12mg)を用いて、参考例B2と同様の反応を行い、
標題化合物(232mg)を得た。 mp 157−158 ℃.1 H−NMR(CDCl3)δ:2.24(2H,qui
ntet,J=7.2Hz), 2.61(2H,t,
J=7.3Hz), 4.39(2H,t,J=7.2
Hz), 5.03(2H,s), 6.94(2H,
d,J=8.4Hz), 7.02(1H,d,J=1
6.4Hz), 7.11(2H,d,J=8.4H
z), 7.52(1H,s), 7.56(1H,
d,J=16.4Hz), 7.64(4H,s),
7.69(1H,s), 7.72(1H,s). IR (KBr):3129, 3100, 293
4, 1613, 1584, 1547, 151
0, 1449, 1416, 1337, 132
9, 1291, 1238, 1179, 114
0, 1109, 1071, 1009 cm-1. Anal calcd for C2421423
C,63.43;H,4.66;N,12.33. Found:C,63.21;H,4.73;N,1
2.26.
【0140】参考例B6 1−(3−{3−[(2−{(E)−2−[4−(トリ
フルオロメチル)フェニル]エテニル}−1,3−オキ
サゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)
−1H−1,2,3−トリアゾール 3−[3−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イ
ル)プロピル]フェノール(123mg)、65%油性
水素化ナトリウム(24mg)および4−(クロロメチ
ル)−2−{(E)−2−[4−(トリフルオロメチ
ル)フェニル]エテニル}−1,3−オキサゾール(1
83mg)を用いて、参考例B2と同様の反応を行い、
標題化合物(248mg)を得た。 mp 115−116 ℃.1 H−NMR(CDCl3)δ:2.26(2H,qui
ntet,J=7.2Hz), 2.64(2H,t,
J=7.2Hz), 4.39(2H,t,J=7.2
Hz), 5.04(2H,s), 6.77−6.9
1(3H,m),7.01(1H,d,J=16.6H
z), 7.25(1H,t,J=8.4Hz),
7.52(1H,s), 7.56(1H,d,J=1
6.6Hz), 7.64(4H,s), 7.71
(2H,s). IR (KBr):3140, 3050, 294
0, 2860, 1610, 1599, 158
6, 1487, 1451, 1415, 132
7, 1262, 1169, 1125, 111
3, 1069, 1017 cm-1. Anal calcd for C2421423
C,63.43;H,4.66;N,12.33. Found:C,63.36;H,4.73;N,1
2.26.
【0141】参考例B7 1−{4−[4−({2−[(E)−2−(2,4−ジ
フルオロフェニル)エテニル]−1,3−オキサゾール
−4−イル}メトキシ)フェニル]ブチル}−1H−
1,2,3−トリアゾール 4−[4−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イ
ル)ブチル]フェノール(152mg)、65%油性水
素化ナトリウム(28mg)および4−(クロロメチ
ル)−2−[(E)−2−(2,4−ジフルオロフェニ
ル)エテニル]−1,3−オキサゾール(188mg)
を用いて、参考例B2と同様の反応を行い、標題化合物
(254mg)を得た。 mp 115−117 ℃.1 H−NMR(CDCl3)δ:1.62(2H,qui
ntet,J=7.2Hz), 1.94(2H,qu
intet,J=7.5Hz), 2.60(2H,
t,J=7.5Hz), 4.39(2H,t,J=
7.1Hz), 5.01(2H,s), 6.81−
6.98(2H,m), 6.91(2H,d,J=
8.6Hz), 6.98(1H,d,J=16.2H
z), 7.07(2H,d,J=8.6Hz),
7.47−7.53(1H,m), 7.50(1H,
s), 7.59(1H,d,J=16.2Hz),
7.67(1H,s), 7.70(1H,s). IR (KBr):3133, 2932, 286
3, 1644, 1615, 1590, 153
2, 1514, 1493, 1468, 143
1, 1345, 1298, 1279, 124
6, 1215, 1179, 1140, 108
6, 1049, 1032 cm-1. Anal calcd for C2422422
C,66.05;H,5.08;N,12.84. Found:C,66.03;H,5.00;N,1
3.03.
【0142】参考例B8 1−{3−[3−({2−[(E)−2−(2,4−ジ
フルオロフェニル)エテニル]−1,3−オキサゾール
−4−イル}メトキシ)フェニル]プロピル}−1H−
1,2,3−トリアゾール 3−[3−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イ
ル)プロピル]フェノール(143mg)、65%油性
水素化ナトリウム(28mg)および4−(クロロメチ
ル)−2−[(E)−2−(2,4−ジフルオロフェニ
ル)エテニル]−1,3−オキサゾール(188mg)
を用いて、参考例B2と同様の反応を行い、標題化合物
(257mg)を得た。 mp 89−90 ℃.1 H−NMR(CDCl3)δ:2.26(2H,qui
ntet,J=7.3Hz), 2.64(2H,t,
J=7.4Hz), 4.39(2H,t,J=7.1
Hz), 5.03(2H,s), 6.77−6.9
8(5H,m),6.98(1H,d,J=16.8H
z), 7.24(1H,t,J=7.6Hz),
7.47−7.60(1H,m), 7.52(1H,
s), 7.59(1H,d,J=16.8Hz),
7.68(1H,s), 7.71(1H,s). IR (KBr):3127, 3071, 293
4, 2868, 1644, 1615, 159
9, 1534, 1495, 1453, 143
3, 1354, 1273, 1215, 115
9, 1142, 1090, 1028 cm-1. Anal calcd for C2320422
C,65.39;H,4.77;N,13.26. Found:C,65.32;H,4.56;N,1
3.34.
【0143】参考例B9 [1−[4−[4−[[2−[(E)−2−(2,6−
ジフルオロフェニル)エテニル]−1,3−オキサゾー
ル−4−イル]メトキシ]フェニル]ブチル]−1H−
1,2,3−トリアゾール 4−[4−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イ
ル)ブチル]フェノール(217mg)のDMF(4m
L)溶液に氷冷下、65%油性水素化ナトリウム(41
mg)を加えた。室温で30分間攪拌後、氷冷下、4−
(クロロメチル)−2−[(E)−2−(2,6−ジフ
ルオロフェニル)エテニル]−1,3−オキサゾール
(281mg)を加え、室温で一夜攪拌した。氷冷下、
水を加えて析出物をろ取し、水洗後、THF−酢酸エチ
ルに溶解させた。水、食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウ
ムで乾燥後、減圧下に濃縮した。残留物を酢酸エチル−
ヘキサンより再結晶し、標題化合物(348mg)を無
色結晶として得た。1 H−NMR(CDCl3)δ: 1.5−1.7 (2
H, m), 1.85−2.05 (2H, m),
2.60 (2H, t, J = 7.4Hz),
4.39 (2H, t, J = 7.2Hz),
5.02 (2H, s), 6.92 (2H,
d, J = 8.8Hz), 6.94(1H,
d, J = 17.4Hz), 6.85−7.35
(3H,m), 7.07 (2H, d, J =
8.8Hz), 7.61 (1H, d, J =
17.4Hz), 7.45−7.7 (3H,
m). IR (KBr) : 1620, 1586, 15
14, 1464, 1244, 1024, 99
9, 968, 783cm-1. Anal. Calcd for C2422242
: C, 66.05; H, 5.08; N,
12.84. Found : C, 65.83; H, 5.0
6; N, 12.93.
【0144】参考例B10 2−[1−[4−[4−[[2−[(E)−2−(4−
メチルフェニル)エテニル]−1,3−オキサゾール−
4−イル]メトキシ]フェニル]ブチル]−1H−イミ
ダゾール−2−イル]−1−エタノール 4−[4−[2−(2−ヒドロキシエチル)−1H−イ
ミダゾール−1−イル]ブチル]フェノール(260m
g)と(E)−4−クロロメチル−2−[2−(4−メ
チルフェニル)エテニル]オキサゾール(257mg)
を参考例B1と同様の反応を行い、標題化合物(331
mg)を無色結晶として得た。 mp 108−109 ℃.1 H−NMR(CDCl3)δ: 1.5−1.8 (4
H, m), 2.38(3H, s), 2.58
(2H, t, J = 7.0Hz), 2.79
(2H, t, J = 5.6Hz), 3.82
(2H, t,J = 6.8Hz), 4.03
(2H, t, J = 5.6Hz), 5.01
(2H, s), 6.8−6.85 (2H,
m), 6.89 (1H, d, J = 16.6
Hz), 6.92 (2H, d,J = 8.6H
z), 7.07 (2H, d, J = 8.6H
z), 7.19 (2H, d, J = 7.8H
z), 7.43 (2H,d, J = 7.8H
z), 7.51 (1H, d, J = 16.6
Hz), 7.64 (1H, s). IR (KBr): 1510, 1240, 105
5, 806cm-1.Anal. Calcd for
283133 : C, 73.50;H,
6.83; N, 9.18. Found : C, 73.36; H, 6.6
6; N, 9.12.
【0145】参考例B11 2−[1−[4−[4−[[2−[(E)−2−(3−
メチルフェニル)エテニル]−1,3−オキサゾール−
4−イル]メトキシ]フェニル]ブチル]−1H−イミ
ダゾール−2−イル]−1−エタノール 4−[4−[2−(2−ヒドロキシエチル)−1H−イ
ミダゾール−1−イル]ブチル]フェノール(260m
g)と(E)−4−クロロメチル−2−[2−(3−メ
チルフェニル)エテニル]オキサゾール(257mg)
を用いて参考例B1と同様の反応を行い、標題化合物
(290mg)を無色結晶として得た。 mp 109−111 ℃.1 H−NMR(CDCl3)δ: 1.55−1.8
(4H, m), 2.38 (3H, s), 2.
58 (2H, t, J = 7.0Hz),2.7
8 (2H, t, J = 5.6Hz), 3.8
2 (2H, t, J = 7.0Hz), 4.0
3 (2H, t, J = 5.6Hz), 5.0
1 (2H, s), 6.80 (1H, d, J
= 1.4Hz), 6.92 (1H, d, J
= 16.6Hz), 6.92(2H, d, J
= 8.8Hz), 6.93 (1H, d, J
= 1.4Hz), 7.07 (2H, d, J
= 8.8Hz), 7.1−7.2 (1H,
m), 7.2−7.4 (3H, m), 7.51
(1H, d, J = 16.6Hz), 7.
65 (1H, s). IR (KBr) : 1514, 1460, 12
50, 1051, 976, 828, 789cm
-1. Anal. Calcd for C283133
0.2H2O : C,72.92; H, 6.8
6; N, 9.11. Found : C, 72.71; H, 6.7
4; N, 8.97.
【0146】参考例B12 2−[1−[4−[4−[[2−[(E)−2−(2−
メチルフェニル)エテニル]−1,3−オキサゾール−
4−イル]メトキシ]フェニル]ブチル]−1H−イミ
ダゾール−2−イル]−1−エタノール 4−[4−[2−(2−ヒドロキシエチル)−1H−イ
ミダゾール−1−イル]ブチル]フェノール(153m
g)と(E)−4−クロロメチル−2−[2−(2−メ
チルフェニル)エテニル]オキサゾール(151mg)
を用いて参考例B1と同様の反応を行い、標題化合物
(167mg)を無色結晶として得た。mp 91−9
3 ℃(酢酸エチル−ヘキサン).1 H−NMR(CDCl3)δ: 1.5−1.8 (4
H, m), 2.46(3H, s), 2.59
(2H, t, J = 7.0Hz), 2.79
(2H, t, J = 5.6Hz), 3.82
(2H, t,J = 7.0Hz), 4.03
(2H, t, J = 5.6Hz), 5.02
(2H, s), 6.8−6.9 (3H, m),
6.92 (2H, d, J = 8.6Hz),
7.07 (2H, d, J= 8.6Hz),
7.2−7.3 (3H, m), 7.55−7.6
5 (1H, m), 7.66 (1H, s),
7.79 (1H, d, J = 16.2Hz). IR (KBr) : 1508, 1464, 12
31, 1061, 1009, 862, 752c
-1. Anal. Calcd for C283133
0.2H2O : C,72.92; H, 6.8
6; N, 9.11. Found : C, 72.98; H, 6.7
0; N, 9.23.
【0147】参考例B13 2−[1−[4−[4−[[2−[(E)−2−(4−
エチルフェニル)エテニル]−1,3−オキサゾール−
4−イル]メトキシ]フェニル]ブチル]−1H−イミ
ダゾール−2−イル]−1−エタノール 4−[4−[2−(2−ヒドロキシエチル)−1H−イ
ミダゾール−1−イル]ブチル]フェノール(260m
g)のDMF(4mL)溶液に氷冷下、60%油性水素
化ナトリウム(44mg)加えた。室温で30分間攪拌
後、氷冷下、(E)−4−クロロメチル−2−[2−
(4−エチルフェニル)エテニル]オキサゾール(27
2mg)を加えた。室温で一晩攪拌後、氷冷下、水を加
えた。析出物をろ取し、水洗した。酢酸エチルに溶か
し、乾燥後(硫酸マグネシウム)、減圧下に濃縮した。
残留物を酢酸エチル−ヘキサンより再結晶し、標題化合
物(297mg)を無色結晶として得た。 mp 94−95 ℃.1 H−NMR(CDCl3)δ: 1.25 (3H,
t, J = 7.4Hz), 1.5−1.85
(4H, m), 2.59 (2H, t, J=
7.0Hz), 2.67 (2H, q, J =
7.4Hz),2.79 (2H, t, J =
5.4Hz), 3.82 (2H, t, J =
7.0Hz), 4.04 (2H, t, J =
5.4),5.01 (2H, s), 6.8−7.
0 (3H, m), 6.92(2H, d, J
= 8.4Hz), 7.07 (2H, d, J=
8.4Hz), 7.2−7.3 (2H,
m), 7.4−7.5(2H, m), 7.53
(1H, d, J = 17.2Hz), 7.65
(1H, s). IR (KBr) : 1508, 1462, 12
31, 1181, 1061, 1007, 86
4, 833cm-1. Anal. Calcd for C293333
C, 73.86; H,7.05; N, 8.9
1. Found: C, 73.73; H, 6.79;
N, 8.76.
【0148】参考例B14 2−(1−{4−[4−({2−[(E)−2−(4−
フルオロフェニル)エテニル]−1,3−オキサゾール
−4−イル}メトキシ)フェニル]ブチル}−1H−イ
ミダゾール−2−イル)−1−エタノール 4−[4−[2−(2−ヒドロキシエチル)−1H−イ
ミダゾール−1−イル]ブチル]フェノール(391m
g)、65%油性水素化ナトリウム(60mg)および
4−(クロロメチル)−2−[(E)−2−(4−フル
オロフェニル)エテニル]−1,3−オキサゾール(3
75mg)を用いて、参考例B2と同様の反応を行い、
標題化合物(583mg)を得た。 mp 130−132 ℃.1 H−NMR(CDCl3)δ:1.56−1.84(4
H,m), 2.10−2.90(1H,br),
2.58(2H,t,J=7.1Hz), 2.78
(2H,t,J=5.5Hz), 3.82(2H,
t,J=7.1Hz),4.03(2H,t,J=5.
5Hz), 5.01(2H,s), 6.80−6.
94(5H,m), 7.04−7.13(4H,
m), 7.46−7.55(3H,m), 7.65
(1H,s). IR (KBr):3150, 3113, 304
8, 2936, 2861, 1642, 159
9, 1582, 1532, 1512, 146
4, 1422, 1399, 1375, 133
7, 1302, 1277, 1246, 122
9, 1209, 1177, 1159, 114
8, 1105, 1051, 1001 cm-1. Anal calcd for C272833F:
C,70.26;H,6.11;N,9.10. Found:C,70.15;H,6.06;N,9.
35
【0149】参考例B15 2−[1−[4−[4−[[2−[(E)−2−(4−
クロロフェニル)エテニル]−1,3−オキサゾール−
4−イル]メトキシ]フェニル]ブチル]−1H−イミ
ダゾール−2−イル]−1−エタノール 4−[4−[2−(2−ヒドロキシエチル)−1H−イ
ミダゾール−1−イル]ブチル]フェノール(130m
g)のDMF(4mL)溶液に氷冷下、60%油性水素
化ナトリウム(22mg)加えた。室温で30分間攪拌
後、氷冷下、(E)−4−クロロメチル−2−[2−
(4−クロロフェニル)エテニル]オキサゾール(14
0mg)を加えた。0℃で1時間、室温で一晩攪拌後、
氷冷下、水を加えた。析出物をろ取、水洗し、THF−
酢酸エチル混液に溶かした。この溶液を硫酸マグネシウ
ムで乾燥後、減圧下に濃縮した。残留物をメタノ−ル−
酢酸エチル−ジエチルエ−テルより再結晶し、標題化合
物(168mg)を無色結晶として得た。 mp 127−128 ℃.1 H−NMR(CDCl3)δ: 1.5−1.8 (4
H, m), 2.58(2H, t, J = 7.
0Hz), 2.78 (2H, t, J= 5.4
Hz), 3.82 (2H, t, J = 7.0
Hz), 4.03 (2H, t, J = 5.4
Hz), 5.01 (2H, s), 6.8−7.
0 (5H, m), 7.07 (2H, d, J
=8.8Hz), 7.35 (2H, d, J
= 8.4Hz), 7.46 (2H, d, J
= 8.4Hz), 7.4−7.55 (1H,
m), 7.66 (1H, s). IR (KBr) : 1514, 1474, 13
41, 1264, 1246, 1076, 96
6, 814cm-1. Anal. Calcd for C2728ClN33
: C, 67.85; H, 5.90; N,
8.79. Found : C, 67.85; H, 5.7
2; N, 9.09.
【0150】参考例B16 2−[1−[4−[4−[[2−[(E)−2−(4−
ブロモフェニル)エテニル]−1,3−オキサゾール−
4−イル]メトキシ]フェニル]ブチル]−1H−イミ
ダゾール−2−イル]−1−エタノール 2−(1H−イミダゾール−2−イル)−エタノール
(449mg)のDMF(10mL)溶液に氷冷下、6
0%油性水素化ナトリウム(176mg)を加えた。室
温で30分間攪拌後、氷冷下、4−[[4−(4−ヨー
ドブチル)フェノキシ)メチル]−2−[(E)−2−
(4−ブロモフェニル)エテニル]−1,3−オキサゾ
ール(2.15g)を加えた。室温で一晩攪拌後、氷冷
下、水を加えた。酢酸エチル−THF混液で抽出し、硫
酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に濃縮した。残留物を
酢酸エチル−ヘキサンより再結晶し、標題化合物(2.
09g)を淡黄色結晶として得た。 mp 149−150 ℃.1 H−NMR(CDCl3)δ: 1.55−1.8
(4H, m), 2.58 (2H, t, J =
7.0Hz), 2.78 (2H, t, J=
5.6Hz), 3.82 (2H, t, J =
7.0Hz),4.03 (2H, t, J =
5.6Hz), 5.01 (2H, s), 6.9
1 (2H, d, J = 8.8Hz), 6.9
2 (1H, d, J = 16.3Hz), 6.
8−7.0 (2H, m), 7.07 (2H,
d, J = 8.8Hz), 7.38 (2H,
d,J = 8.6Hz), 7.47 (1H,
d, J = 16.3Hz), 7.52 (2H,
d, J = 8.6Hz), 7.66 (1H,
s). IR (KBr) : 1514, 1487, 12
54, 1055, 972, 826, 814cm
-1. Anal. Calcd for C2728BrN33
: C, 62.07; H, 5.40; N,
8.04. Found : C, 61.82; H, 5.2
6; N, 7.90.
【0151】参考例B17 2−[1−[4−[4−[2−[(E)−2−(4−ト
リフルオロメチルフェニル)エテニル]オキサゾール−
4−イル]メトキシフェニル]ブチル−1H−イミダゾ
ール−2−イル]−1−エタノール アルゴン雰囲気下、65%水素化ナトリウム(40.6
mg)および4−[4−[2−(2−ヒドロキシエチ
ル)−1H−イミダゾール−1−イル]ブチル]フェノ
ール(260mg)に0℃でDMF(4mL)を加え
た。室温で30分攪拌後、0℃で[2−[(E)−2−
(4−トリフルオロメチルフェニル)エテニル]オキサ
ゾール−4−イル]メチルクロライド(316mg)を
加え、室温で15時間攪拌した。反応液に水を加え、析
出した結晶を濾取し、水、イソプロピルエーテルで洗浄
後、アセトン−ヘキサンより再結晶を行い、標題化合物
(393mg)を淡黄色針状結晶として得た。1 H−NMR (CDCl3)δ: 1.56−1.74
(4H, m), 2.59 (2H, t, J
= 6.6 Hz), 2.78 (2H, t, J
= 5.4 Hz), 3.82 (2H, t,
J = 6.8Hz), 4.03 (2H, t,
J = 5.4 Hz), 5.02(2H, d,
J = 1.2 Hz), 6.81 (1H, d,
J= 1.6 Hz), 6.90−6.95 (4
H, m), 7.02 (2H, d, J = 1
6.2 Hz), 7.52−7.69 (6H,
m). IR (KBr): 1512, 1323, 124
4. 1175, 1132, 1113, 106
7, 1055 cm-1
【0152】参考例B18 2−[1−[3−[4−[2−[(E)−2−(4−ト
リフルオロメチルフェニル)エテニル]オキサゾール−
4−イル]メトキシフェニル]プロピル]−1H−イミ
ダゾール−2−イル]−1−エタノール 65%水素化ナトリウム(40.6mg)、4−[3−
[2−(ヒドロキシエチル)−1H−イミダゾール−1
−イル]プロピル]フェノール(246mg)および
[2−[(E)−2−(4−トリフルオロメチルフェニ
ル)エテニル]オキサゾール−4−イル]メチルクロラ
イド(316mg)を用いて、参考例B17と同様の反
応を行い、標題化合物(330mg)を無色針状結晶と
して得た。1 H−NMR (CDCl3) δ: 2.01−2.0
8 (2H, m),2.60 (2H, t, J
= 7.8 Hz), 2.74 (2H,t, J
= 5.8 Hz), 3.83 (2H, t, J
= 7.4Hz), 4.03 (2H, t, J
= 5.8 Hz), 5.03 (2H,
s), 6.84 (1H, d, J = 1.2
Hz),6.96−7.12 (6H, m), 7.
52−7.70 (6H, m). IR (KBr): 1512, 1327, 124
6, 1173, 1125, 1069, 101
7, 826 cm-1
【0153】参考例B19 2−[1−[4−[4−[[2−[(E)−2−(2,
4−ジフルオロフェニル)エテニル]−1,3−オキサ
ゾール−4−イル]メトキシ]フェニル]ブチル]−1
H−イミダゾール−2−イル]−1−エタノール 4−[4−[2−(2−ヒドロキシエチル)−1H−イ
ミダゾール−1−イル]ブチル]フェノール(260m
g)のDMF(4mL)溶液に氷冷下、60%油性水素
化ナトリウム(44mg)を加えた。室温で30分間攪
拌後、氷冷下、(E)−4−クロロメチル−2−[2−
(2,4−ジフルオロフェニル)エテニル]オキサゾー
ル(281mg)を加えた。室温で3日間攪拌後、氷冷
下、水を加えた。析出物をろ取し、水洗した。酢酸エチ
ル−THF混液に溶かし、硫酸マグネシウムで乾燥後、
減圧下に濃縮した。残留物を酢酸エチル−ヘキサンより
再結晶し、標題化合物(275mg)を淡黄色結晶とし
て得た。 mp 93−95 ℃.1 H−NMR(CDCl3)δ : 1.55−1.8
5 (4H, m),2.58 (2H, t, J
= 7.0Hz), 2.78 (2H, t, J
= 5.4Hz), 3.82 (2H, t, J
= 7.0Hz), 4.03 (2H, t, J
= 5.4Hz), 5.01 (2H, s),
6.8−7.0 (6H, m), 6.98 (1
H, d,J = 16.3Hz), 7.07 (2
H, d, J = 8.8Hz), 7.5−7.
6 (1H, m), 7.59 (1H, d, J
=16.3Hz), 7.67 (1H, s). IR (KBr) : 1611, 1508, 12
77, 1231, 1140, 1103, 106
3, 970, 860cm-1. Anal. Calcd for C2727233
・0.1H2O : C, 67.38; H,
5.70; N, 8.73. Found :C, 67.24; H, 5.74;
N, 8.55.
【0154】参考例B20 2−[1−[3−[4−[[2−[(E)−2−(2,
4−ジフルオロフェニル)エテニル]−1,3−オキサ
ゾール−4−イル]メトキシ]フェニル]プロピル]−
1H−イミダゾール−2−イル]−1−エタノール 4−[4−[2−(2−ヒドロキシエチル)−1H−イ
ミダゾール−1−イル]プロピル]フェノール(246
mg)のDMF(4mL)溶液に氷冷下、60%油性水
素化ナトリウム(44mg)を加えた。室温で30分間
攪拌後、氷冷下、(E)−4−クロロメチル−2−[2
−(2,4−ジフルオロフェニル)エテニル]オキサゾ
ール(281mg)を加えた。室温で一晩攪拌後、氷冷
下で水を加えた。析出物をろ取し、水洗した。酢酸エチ
ルに溶かし、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に濃縮
した。残留物を酢酸エチル−ジエチルエーテル−ヘキサ
ンより再結晶し、標題化合物(272mg)を無色結晶
として得た。mp 94−96 ℃.1 H−NMR(CDCl3)δ: 1.95−2.15
(2H, m), 2.5−2.65 (2H,
m), 2.65−2.8 (2H, m), 3.7
5−3.9 (2H,m), 3.95−4.1 (2
H, m), 5.02 (2H, s), 6.8−
7.15 (9H, m), 7.45−7.7 (3
H, m). IR(KBr) : 1609, 1512, 127
7, 1231, 1140, 1061, 102
0, 974, 860cm-1. Anal. Calcd for C2625233
・0.4H2O: C,66.06; H, 5.5
0; N, 8.89. Found : C, 66.13; H, 5.3
8; N, 8.55.
【0155】参考例B21 2−[1−[3−[4−[[2−[(E)−2−(2,
6−ジフルオロフェニル)エテニル]−1,3−オキサ
ゾール−4−イル]メトキシ]フェニル]プロピル]−
1H−イミダゾール−2−イル]−1−エタノール 2−(2−ヒドロキシエチル)−1−[4−(4−ヒド
ロキシフェニル)ブチル]イミダゾール(260m
g)、60%油性水素化ナトリウム(41mg)および
(E)−4−クロロメチル−2−[2−(2,6−ジフ
ルオロフェニル)エテニル]オキサゾール(281m
g)を用いて、参考例B19と同様の反応を行い、標題
化合物(359mg)を無色結晶として得た。 mp 106−107 ℃.1 H−NMR(CDCl3)δ: 1.5−1.8 (4
H, m), 2.58(2H, t, J = 7.
0Hz), 2.78 (2H, t, J= 5.6
Hz), 3.82 (2H, t, J = 7.0
Hz), 4.03 (2H, t, J = 5.6
Hz), 5.02 (2H, s), 6.8−7.
0 (6H, m), 7.07 (2H, d, J
=8.4Hz), 7.2−7.35 (2H,
m), 7.61 (1H,d, J = 16.8H
z), 7.68 (1H, s). IR (KBr) : 1618, 1516, 14
72, 1456, 1246, 1065, 100
1, 974, 789cm-1. Anal. Calcd for C2727233
: C, 67.63; H, 5.68; N,
8.76. Found : C, 67.78; H, 5.5
7; N, 9.01.
【0156】参考例B22 3−(1−{4−[4−({2−[(E)−2−(3−
メチルフェニル)エテニル]−1,3−オキサゾール−
4−イル}メトキシ)フェニル]ブチル}−1H−イミ
ダゾール−2−イル)−1,2−プロパンジオール 3−{1−[4−(4−ヒドロキシフェニル)ブチル]
−1H−イミダゾール−2−イル}−1,2−プロパン
ジオール(154mg)、65%油性水素化ナトリウム
(21mg)および4−(クロロメチル)−2−
[(E)−2−(3−メチルフェニル)エテニル]−
1,3−オキサゾール(131mg)を用いて、参考例
B2と同様の反応を行い、標題化合物(156mg)を
得た。 mp 102−104 ℃.1 H−NMR(CDCl3)δ:1.52−1.82(4
H,m), 2.39(3H,s), 2.59(2
H,t,J=7.0Hz), 2.77(1H,d,J
=5.0Hz), 2.78(1H,d,J=6.8H
z), 3.64(1H,dd,J=4.8Hz,1
1.2Hz), 3.76(1H,dd,J=4.2H
z,11.2Hz), 3.82(2H,t,J=7.
0Hz), 4.12−4.24(1H,m), 5.
02(2H,s), 6.80(1H,d,J=1.4
Hz), 6.92(1H,d,J=1.4Hz),
6.93(1H,d,J=16.2Hz), 6.93
(1H,d,J=8.8Hz),7.08(2H,d,
J=8.8Hz), 7.13−7.39(4H,
m), 7.52(1H,d,J=16.2Hz),
7.66(1H,s). IR (KBr):3500−3200, 3112,
3029, 2934, 2865, 1645,
1609, 1584, 1510, 1491, 1
462, 1379, 1350, 1242, 11
77, 1150, 1123, 1100, 102
6 cm-1. Anal calcd for C293334・0.
5H2O:C,70.14;H,6.90;N,8.4
6. Found:C,70.39;H,6.63;N,8.
51
【0157】参考例B23 3−(1−{4−[4−({2−[(E)−2−(4−
フルオロフェニル)エテニル]−1,3−オキサゾール
−4−イル}メトキシ)フェニル]ブチル}−1H−イ
ミダゾール−2−イル)−1,2−プロパンジオール 3−{1−[4−(4−ヒドロキシフェニル)ブチル]
−1H−イミダゾール−2−イル}−1,2−プロパン
ジオール(291mg)、65%油性−水素化ナトリウ
ム(39mg)および4−(クロロメチル)−2−
[(E)−2−(4−フルオロフェニル)エテニル]−
1,3−オキサゾール(250mg)を用いて、参考例
B2と同様の反応を行い、標題化合物(347mg)を
得た。 mp 114−116 ℃.1 H−NMR(CDCl3)δ:1.52−1.83(4
H,m), 2.59(2H,t,J=7.2Hz),
2.76(1H,d,J=5.2Hz), 2.77
(1H,d,J=7.0Hz), 3.64(1H,d
d,J=4.8Hz,11.4Hz), 3.76(1
H,dd,J=4.2Hz,11.4Hz), 3.8
2(2H,t,J=6.8Hz), 4.12−4.2
4(1H,m), 5.01(2H,s), 6.80
(1H,d,J=1.4Hz),6.86(1H,d,
J=16.8Hz), 6.92(1H,d,J=1.
4Hz), 6.93(2H,d,J=8.8Hz),
7.07(2H,d,J=8.8Hz), 7.09
(2H,d,J=8.7Hz), 7.46−7.56
(3H,m), 7.66(1H,s). IR (KBr):3500−3200, 3152,
3104, 3044, 2940, 2865,
1644, 1599, 1584, 1532, 1
512, 1495, 1462, 1422, 14
00, 1339, 1300, 1246, 117
7, 1159, 1098, 1047cm-1. Anal calcd for C283034F:
C,68.42;H,6.15;N,8.55. Found:C,68.16;H,5.98;N,8.
46
【0158】参考例B24 3−[1−(4−{4−[(2−{(E)−2−[4−
(トリフルオロメチル)フェニル]エテニル}−1,3
−オキサゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}ブチ
ル)−1H−イミダゾール−2−イル]−1,2−プロ
パンジオール 3−{1−[4−(4−ヒドロキシフェニル)ブチル]
−1H−イミダゾール−2−イル}−1,2−プロパン
ジオール(204mg)、65%油性水素化ナトリウム
(28mg)および4−(クロロメチル)−2−
{(E)−2−[4−(トリフルオロメチル)フェニ
ル]エテニル}−1,3−オキサゾール(212mg)
を用いて参考例B2と同様の反応を行い標題化合物(2
85mg)を得た。 mp 142−143 ℃.1 H−NMR(CDCl3)δ:1.53−1.82(4
H,m), 2.59(2H,t,J=7.1Hz),
2.76(1H,d,J=5.0Hz), 2.77
(1H,d,J=7.0Hz), 3.64(1H,d
d,J=4.8Hz,11.4Hz), 3.76(1
H,dd,J=4.2Hz,11.4Hz), 3.8
3(2H,t,J=6.8Hz), 4.12−4.2
4(1H,m), 5.02(2H,s), 6.81
(1H,d,J=1.4Hz),6.92(1H,d,
J=1.4Hz), 6.93(2H,d,J=8.8
Hz), 6.95(1H,d,J=16.4Hz),
7.08(2H,d,J=8.8Hz), 7.56
(1H,d,J=16.4Hz), 7.64(4H,
s), 7.70(1H,s). IR (KBr):3500−3200, 3148,
3071, 2936, 2867, 1642,
1615, 1582, 1510, 1491, 1
466, 1416, 1397, 1323, 12
46, 1173, 1138, 1117, 106
7, 1046, 1017 cm-1. Anal calcd for C2930343
C,64.32;H,5.58;N,7.76. Found:C,64.26;H,5.70;N,7.
62
【0159】参考例B25 3−[1−(3−{3−[(2−{(E)−2−[4−
(トリフルオロメチル)フェニル]エテニル}−1,3
−オキサゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロ
ピル)−1H−イミダゾール−2−イル]−1,2−プ
ロパンジオール 3−{1−[3−(3−ヒドロキシフェニル)プロピ
ル]−1H−イミダゾール−2−イル}−1,2−プロ
パンジオール(194mg)、65%油性水素化ナトリ
ウム(28mg)および4−(クロロメチル)−2−
{(E)−2−[4−(トリフルオロメチル)フェニ
ル]エテニル}−1,3−オキサゾール(212mg)
を用いて、参考例B2の反応と同様にして、標題化合物
(255mg)を得た。 mp 102−104 ℃.1 H−NMR(CDCl3)δ:2.08(2H,qui
ntet,J=7.0Hz), 2.62(2H,t,
J=7.4Hz), 2.72(1H,d,J=4.8
Hz), 2.73(1H,d,J=7.6Hz),
3.63(1H,dd,J=4.8Hz,11.4H
z), 3.74(1H,dd,J=4.2Hz,1
1.4Hz), 3.83(2H,t,J=7.2H
z), 4.13−4.24(1H,m), 5.03
(2H,s), 6.77−6.91(3H,m),
6.84(1H,d,J=1.4Hz), 6.94
(1H,d,J=1.4Hz), 7.02(1H,
d,J=16.4Hz), 7.25(1H,t,J=
7.8Hz), 7.57(1H,d,J=16.4H
z),7.64(4H,s), 7.71(1H,
s). IR (KBr):3500−3200, 3108,
3056, 2932, 2867, 1613,
1599, 1586, 1534, 1489, 1
451, 1416, 1325, 1260, 11
67, 1125, 1069, 1030, 101
7 cm-1. Anal calcd for C2828343
C,63.75;H,5.35;N,7.97. Found:C,63.60;H,5.32;N,7.
88
【0160】参考例B26 3−(1−{4−[4−({2−[(E)−2−(2,
4−ジフルオロフェニル)エテニル]−1,3−オキサ
ゾール−4−イル}メトキシ)フェニル]ブチル}−1
H−イミダゾール−2−イル)−1,2−プロパンジオ
ール 3−{1−[4−(4−ヒドロキシフェニル)ブチル]
−1H−イミダゾール−2−イル}−1,2−プロパン
ジオール(204mg)、65%油性水素化ナトリウム
(28mg)および4−(クロロメチル)−2−
[(E)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)エテニ
ル]−1,3−オキサゾール(188mg)を用いて、
参考例B2と同様の反応を行い、標題化合物(223m
g)を得た。 mp 126−128 ℃.1 H−NMR(CDCl3)δ:1.52−1.81(4
H,m), 2.58(2H,t,J=6.9Hz),
2.77(2H,d,J=5.4Hz), 3.63
(1H,dd,J=4.8Hz,11.4Hz),
3.75(1H,dd,J=4.2Hz,11.4H
z), 3.82(2H,t,J=7.0Hz),
4.10−4.24(1H,m), 5.01(2H,
s), 6.76−7.02(7H,m), 7.07
(2H,d,J=8.6Hz), 7.48−7.51
(1H,m), 7.59(1H,d,J=16.6H
z), 7.67(1H,s). IR (KBr):3500−3200, 3106,
3073, 3032, 2934, 2865,
1644, 1613, 1593, 1532, 1
512, 1495, 1462, 1431, 13
54, 1298, 1275, 1244, 117
7, 1142, 1090, 1028cm-1. Anal calcd for C2829342
C,66.00;H,5.74;N,8.25. Found:C,65.89;H,5.94;N,8.
37
【0161】参考例B27 3−(1−{3−[3−({2−[(E)−2−(2,
4−ジフルオロフェニル)エテニル]−1,3−オキサ
ゾール−4−イル}メトキシ)フェニル]プロピル}−
1H−イミダゾール−2−イル)−1,2−プロパンジ
オール 3−{1−[3−(3−ヒドロキシフェニル)プロピ
ル]−1H−イミダゾール−2−イル}−1,2−プロ
パンジオール(203mg)、65%油性水素化ナトリ
ウム(29mg)および4−(クロロメチル)−2−
[(E)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)エテニ
ル]−1,3−オキサゾール(197mg)を用いて、
参考例B2と同様の反応を行い、標題化合物(220m
g)を得た。mp 92−94 ℃.1 H−NMR(CDCl3)δ:2.08(2H,qui
ntet,J=7.2Hz), 2.62(2H,t,
J=7.3Hz), 2.73(1H,d,J=5.0
Hz), 2.74(1H,d,J=7.0Hz),
3.63(1H,dd,J=4.8Hz,11.2H
z), 3.74(1H,dd,J=4.2Hz,1
1.2Hz), 3.83(2H,t,J=7.4H
z), 4.14−4.24(1H,m), 5.02
(2H,s), 6.76−6.98(5H,m),
6.84(1H,d,J=1.4Hz), 6.93
(1H,d,J=1.4Hz), 6.98(1H,
d,J=16.4Hz), 7.25(1H,t,J=
7.9Hz), 7.48−7.61(1H,m),
7.60(1H,d,J=16.4Hz), 7.69
(1H,s). IR (KBr):3500−3200, 3106,
3067, 3042, 2938, 2872,
1644, 1613, 1599, 1534, 1
495, 1453, 1431, 1379, 13
54, 1275, 1155, 1142, 112
3, 1090, 1028 cm-1. Anal calcd for C2727342
C,65.44;H,5.49;N,8.48. Found:C,65.39;H,5.32;N,8.
62.
【0162】参考例B28 3−[1−[4−[4−[[2−[(E)−2−(2,
6−ジフルオロフェニル)エテニル]−1,3−オキサ
ゾール−4−イル]メトキシ]フェニル]ブチル]−1
H−イミダゾール−2−イル]−1,2−プロパンジオ
ール 3−{1−[3−(3−ヒドロキシフェニル)プロピ
ル]−1H−イミダゾール−2−イル}−1,2−プロ
パンジオール(142mg)、60%油性水素化ナトリ
ウム(40mg)および4−(クロロメチル)−2−
[(E)−2−(2,6−ジフルオロフェニル)エテニ
ル]−1,3−オキサゾール(495mg)を用いて、
参考例B2と同様の反応を行い、標題化合物(395m
g)を無色結晶として得た。 mp 123−125 ℃.1 H−NMR(CDCl3)δ: 1.5−1.8 (4
H, m), 2.59(2H, t, J = 7.
0), 2.7−2.8 (2H, m),3.6−
3.75 (2H, m), 3.83 (2H,
t, J = 7.0Hz), 4.1−4.25
(1H, m), 5.03 (2H, s), 6.
8−7.0 (4H, m), 6.92 (2H,
d, J =8.6Hz), 7.07 (2H,
d, J = 8.6Hz), 7.2−7.3 (1
H, m), 7.29 (1H, d, J = 1
6.8Hz), 7.61 (1H, d, J =
16.8Hz), 7.69(1H, s). IR (KBr): 1620, 1508, 145
8, 1236, 1051, 1001, 789c
-1. Anal. Calcd for C2829234
: C, 66.00; H, 5.74; N,
8.25. Found : C, 65.71; H, 5.7
8; N, 8.09.
【0163】参考例B29 (2R)−3−[[1−[4−[4−[[2−[(E)
−2−(2,4−ジフルオロフェニル)エテニル]−
1,3−オキサゾール−4−イル]メトキシ]フェニ
ル]ブチル]−1H−イミダゾール−2−イル]−1,
2−プロパンジオール (2R)−3−(1H−イミダゾール−2−イル)−
1,2−プロパンジオール(127mg)のDMF(4
mL)溶液に氷冷下、60%油性水素化ナトリウム(3
7mg)を加えた。室温で30分間攪拌後、氷冷下、4
−[[4−(4−ヨードブチル)フェノキシ]メチル]
−2−[(E)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)
エテニル]−1,3−オキサゾール(485mg)を加
えた。室温で3時間攪拌後、氷冷下、水を加えた。TH
F−酢酸エチル混液で抽出し、水、食塩水で洗浄し、硫
酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に濃縮した。残留物を
シリカゲルカラムクロマトグラフィ−(溶出液;酢酸エ
チル:メタノ−ル=10:1)により精製後、酢酸エチ
ル−ヘキサンより再結晶し、標題化合物(262mg)
を無色結晶として得た。 mp 104−106 ℃.1 H−NMR(CDCl3)δ: 1.5−1.8 (4
H, m), 2.59(2H, t, J = 7.
0Hz), 2.7−2.8 (2H, m), 3.
55−3.75 (2H, m), 3.79 (2
H, t, J= 7.0Hz), 4.1−4.2
(1H, m), 5.01 (2H,s), 6.8
−7.1 (5H, m), 6.92 (2H,
d, J= 8.4Hz), 7.07 (2H,
d, J = 8.4Hz),7.5−7.6 (1
H, m), 7.59 (1H, d, J = 1
6.2Hz), 7.67 (1H, s). IR (KBr):1507, 1472, 127
3, 1235, 1140, 1092, 966,
858cm-1. Anal. Calcd for C28292
34: C, 66.00;H, 5.74; N,
8.25. Found : C, 65.69; H, 5.8
2; N, 8.06. [α]22 D = + 4.2° (c = 1.0,
メタノール).
【0164】参考例B30 (2S)−3−[[1−[4−[4−[[2−[(E)
−2−(2,4−ジフルオロフェニル)エテニル]−
1,3−オキサゾール−4−イル]メトキシ]フェニ
ル]ブチル]−1H−イミダゾール−2−イル]−1,
2−プロパンジオール (2S)−3−(1H−イミダゾール−2−イル)−
1,2−プロパンジオール、60%油性水素化ナトリウ
ム(50mg)および4−[[4−(4−ヨードブチ
ル)フェノキシ]メチル]−2−[(E)−2−(2,
4−ジフルオロフェニル)エテニル]−1,3−オキサ
ゾール(415mg)を用いて、参考例B29と同様の
反応を行い、標題化合物(219mg)を無色結晶とし
て得た。 mp 106−108 ℃.1 H−NMR(CDCl3)δ : 1.5−1.8
(4H, m), 2.58 (2H, t, J =
6.8Hz), 2.7−2.8 (2H, m),
3.6−3.75 (2H, m), 3.82
(2H, t, J= 7.0Hz), 4.1−4.
2 (1H, m), 5.01 (2H,s),
6.8−7.1 (5H, m), 6.89 (2
H, d, J= 8.4Hz), 7.07 (2
H, d, J = 8.4Hz),7.5−7.6
(1H, m), 7.59 (1H, d, J =
16.4Hz), 7.67 (1H, s). IR(KBr) : 1615, 1512, 149
7, 1273, 1246, 1229, 114
0, 1094, 1046, 966, 847cm
-1. Anal. Calcd for C2829234
: C, 66.00; H, 5.74; N,
8.25. Found : C, 65.75;
H, 5.60; N, 8.12. [α]22 D = − 3.5° (c = 1.0,
メタノール).
【0165】参考例C1 ヒト乳癌細胞の受容体チロシンのリン酸化の抑制 ヒト乳癌細胞MCF−7の細胞懸濁液500μl(30
0,000細胞)を24穴プレートに播き、5%炭酸ガ
スインキュベーター中37℃で培養した。翌日、4倍段
階希釈した被検化合物溶液250μlを添加し、2時間
後、最終濃度が0.8μg/mLとなるよう調整したハ
レグリン溶液250μlを加え、5分後、抽出液を加え
て反応を停止させるとともにタンパク質を抽出した。こ
のタンパク質をタンパク質電気泳動法により分画した
後、電気泳動ゲル内のタンパク質をナイロンフィルター
にトランスファーした。このフィルターとリン酸化チロ
シン特異抗体とを反応させ、反応産物を蛍光標識して感
光フィルムを反応させた。感光フィルムの感光量を画像
解析装置により定量した。ハレグリンを加えた群の細胞
のHER2チロシンのリン酸化量を100%として、各
濃度の被検化合物溶液を加えた群の細胞のHER2チロ
シンのリン酸化量の割合を求め、被検化合物がHER2
チロシンのリン酸化量を対照の50%に抑制するのに必
要な化合物濃度(IC50値)を算出した。結果を表1に
示す。これより、試験化合物は、ヒト乳癌細胞が増殖因
子ハレグリンにより刺激を受けた時の、増殖因子刺激に
伴う受容体チロシンキナーゼの活性化によって引き起こ
される、受容体タンパク質のチロシン残基のリン酸化反
応を強く阻害することが示された。
【0166】
【表1】
【0167】参考例C2 in vitro での乳癌細胞BT−474増殖抑制
作用 ヒト乳癌細胞BT−474の細胞懸濁液100μl
(1,000細胞)を96穴マイクロプレートに播き、
5%炭酸ガスインキュベーター中37℃で培養した。翌
日、最終濃度が0.04μg/mLとなるよう調整した
ハレグリン溶液で2倍段階希釈した各被検化合物溶液1
00μlを添加し、培養を5日間行った。被検化合物を
含む培養液を除き、細胞を洗浄した後、50%トリクロ
ロ酢酸溶液で固定後、色素SRB0.4%(W/V)溶
液(1%酢酸に溶解)を加え細胞タンパク質を固定する
とともに染色した(スケハンら、ジャーナル オブ ナ
ショナル キャンサー インスティチュート 82巻1
107−1112ページ、1990年)。色素溶液を除
き、1%酢酸溶液にて洗浄した後、100μlの抽出液
(10mM トリス緩衝液)を加えて色素を抽出し、吸
収波長550nmの吸光度を測定し、タンパク質量とし
て細胞量を測定した。被検化合物溶液を加えていない対
照群のタンパク質量を100%としたときの各処理群の
残存タンパク質量の割合を求め、残存細胞量を対照の5
0%に抑制するのに必要な化合物濃度(IC50)値を算
出した。結果を表2に示す。これより、試験化合物は、
ヒト乳癌細胞株BT−474の増殖を強く抑制すること
が示された。
【0168】
【表2】
【0169】参考例C3 in vivo での乳癌増殖抑制作用 500万個のヒト乳癌細胞BT−474を、マトリゲル
溶液に懸濁してBalb/C系雌ヌードマウス(6週
齢)胸部皮下に移植した(フリードマンら プロシーデ
イング オブ ナショナル アカデミー オブ サイエ
ンス USA 87巻6698−6702ページ、19
90年)。移植時ならびに移植後7日目に、腫瘍の生着
率を高める目的で、ジプロピオン酸エストラジオール
(5mg/mL溶液)50μLを、後足に筋肉内投与し
た。移植後14日目に腫瘍径を測定し腫瘍サイズを揃え
たマウスを一群当たり5匹実験に使用した。本発明の化
合物(4、6、14、17、19、20、23、24、
26)の5%アラビアゴム懸濁液(生理的食塩水溶液)
を30mg/kgの濃度で一日二回で10日間経口投与
を行った。投与終了日に腫瘍径を測定し、 式:腫瘍体積=長径×短径×短径×(1/2) により腫瘍体積を算出した。アラビアゴム溶液投与の対
照群での投与終了日の腫瘍体積から投与開始日の腫瘍体
積を減じた値と、薬物投与群での投与終了日の腫瘍体積
から投与開始日の腫瘍体積を減じた値との比率を増殖率
として求めた。結果を表3に示す。試験化合物は、ヌー
ドマウスに移植されたヒト乳癌細胞の成長を抑制した。
また、試験期間にわたりマウス体重を測定したが、試験
化合物の投与による体重減少は認められなかった。
【0170】
【表3】
【0171】実施例1a 参考例B4の化合物1000mg、デオキシコール酸ナ
トリウム(NaDC)1000mg、ヒドロキシプロピ
ルセルロース(HPC−L)1000mgの混合物をボ
ールミルにて粉砕(室温、2時間)した。蒸留水80m
lを添加した後、氷冷水下で超音波処理(30分、TI
TEC VP−60)を行い均一な薬物分散液を得た。
得られた分散液をさらに高圧ホモジナイザー Micr
onlab40(AVP Gaulin GmbH)に
て1500bar 8回処理を行い、参考例B4の化合
物の結晶微粒子懸濁液を得た。 実施例1b 参考例B6の化合物1000mg、デオキシコール酸ナ
トリウム(NaDC)1000mg、ヒドロキシプロピ
ルセルロース(HPC−L)1000mgの混合物をボ
ールミルにて粉砕(室温、2時間)し、蒸留水80ml
を添加した後、氷冷水下で超音波処理(30分、TIT
EC VP−60)を行うと均一な薬物分散液が得られ
る。得られる分散液をさらに高圧ホモジナイザー Mi
cronlab40(AVP Gaulin Gmb
H)にて1500bar 8回処理を行うと、参考例B
6の化合物の結晶微粒子懸濁液が得られる。 実施例1c 参考例B26の化合物1000mg、デオキシコール酸
ナトリウム(NaDC)1000mg、ヒドロキシプロ
ピルセルロース(HPC−L)1000mgの混合物を
ボールミルにて粉砕(室温、2時間)し、蒸留水80m
lを添加した後、氷冷水下で超音波処理(30分、TI
TEC VP−60)を行うと均一な薬物分散液が得ら
れる。得られる分散液をさらに高圧ホモジナイザー M
icronlab40(AVP Gaulin Gmb
H)にて1500bar 8回処理を行うと、参考例B
26の化合物の結晶微粒子懸濁液が得られる。
【0172】実施例2a 参考例B4の化合物1000mg、デオキシコール酸ナ
トリウム1000mg、ヒドロキシプロピルセルロース
(HPC−L)1000mgの混合物に蒸留水40ml
を添加した後、氷冷水下で超音波処理(30分、TIT
EC VP−60)を行い均一な薬物分散液を得た。得
られた分散液をさらに高圧ホモジナイザー Micro
nlab40(AVP Gaulin GmbH)にて
1500bar 10回処理を行い、参考例B4の化合
物の結晶微粒子懸濁液を得た。 実施例2b 参考例B6の化合物1000mg、デオキシコール酸ナ
トリウム1000mg、ヒドロキシプロピルセルロース
(HPC−L)1000mgの混合物に蒸留水40ml
を添加した後、氷冷水下で超音波処理(30分、TIT
EC VP−60)を行うと均一な薬物分散液が得られ
る。得られる分散液をさらに高圧ホモジナイザー Mi
cronlab40(AVP Gaulin Gmb
H)にて1500bar 10回処理を行うと、参考例
B6の化合物の結晶微粒子懸濁液が得られる。 実施例2c 参考例B26の化合物1000mg、デオキシコール酸
ナトリウム1000mg、ヒドロキシプロピルセルロー
ス(HPC−L)1000mgの混合物に蒸留水40m
lを添加した後、氷冷水下で超音波処理(30分、TI
TEC VP−60)を行うと均一な薬物分散液が得ら
れる。得られる分散液をさらに高圧ホモジナイザー M
icronlab40(AVP Gaulin Gmb
H)にて1500bar 10回処理を行うと、参考例
B26の化合物の結晶微粒子懸濁液が得られる。
【0173】実施例3a 参考例B4の化合物37mg、デオキシコール酸ナトリ
ウム37mg、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC
−L)37mgの混合物を蒸留水7ml中に分散し、超
音波処理(30分、Branson1200)を行い均
一に分散した。得られた分散液に粉砕媒体としてステン
レスボール(1/16 inch)7mlを加え、4日
間室温にてグラインドコンテナー中で水平振とうを行い
参考例B4の化合物の結晶微粒子懸濁液を得た。 実施例3b 参考例B6の化合物37mg、デオキシコール酸ナトリ
ウム37mg、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC
−L)37mgの混合物を蒸留水7ml中に分散し、超
音波処理(30分、Branson1200)を行い均
一に分散し、得られる分散液に粉砕媒体としてステンレ
スボール(1/16 inch)7mlを加え、4日間
室温にてグラインドコンテナー中で水平振とうを行うと
参考例B6の化合物の結晶微粒子懸濁液が得られる。 実施例3c 参考例B26の化合物37mg、デオキシコール酸ナト
リウム37mg、ヒドロキシプロピルセルロース(HP
C−L)37mgの混合物を蒸留水7ml中に分散し、
超音波処理(30分、Branson1200)を行い
均一に分散し、得られる分散液に粉砕媒体としてステン
レスボール(1/16 inch)7mlを加え、4日
間室温にてグラインドコンテナー中で水平振とうを行う
と参考例B26の化合物の結晶微粒子懸濁液が得られ
る。
【0174】実施例4a 参考例B4の化合物1000mg、デオキシコール酸ナ
トリウム200mg、ヒドロキシプロピルセルロース
(HPC−L)1000mgの混合物を蒸留水20ml
中に分散した。得られた分散液に粉砕媒体としてステン
レスボール(1/16 inch)7mlを加えグライ
ンドコンテナー中で4日間室温にて水平振とうを行い、
参考例B4の化合物の結晶微粒子懸濁液を得た。 実施例4b 参考例B6の化合物1000mg、デオキシコール酸ナ
トリウム200mg、ヒドロキシプロピルセルロース
(HPC−L)1000mgの混合物を蒸留水20ml
中に分散し、得られる分散液に粉砕媒体としてステンレ
スボール(1/16 inch)7mlを加えグライン
ドコンテナー中で4日間室温にて水平振とうを行うと、
参考例B6の化合物の結晶微粒子懸濁液が得られる。 実施例4c 参考例B26の化合物1000mg、デオキシコール酸
ナトリウム200mg、ヒドロキシプロピルセルロース
(HPC−L)1000mgの混合物を蒸留水20ml
中に分散し、得られる分散液に粉砕媒体としてステンレ
スボール(1/16 inch)7mlを加えグライン
ドコンテナー中で4日間室温にて水平振とうを行うと、
参考例B26の化合物の結晶微粒子懸濁液が得られる。
【0175】実施例5a 参考例B4の化合物50mg、デオキシコール酸ナトリ
ウム10mg、ポリビニルピロリドン(90K)10m
gの混合物を蒸留水10ml中に分散し、得られた分散
液に粉砕媒体としてステンレスボール(1/16 in
ch)7mlを加えグラインドコンテナー中で24時間
室温にて水平振とうを行い、参考例B4の化合物の結晶
微粒子懸濁液を得た。 実施例5b 参考例B6の化合物50mg、デオキシコール酸ナトリ
ウム10mg、ポリビニルピロリドン(90K)10m
gの混合物を蒸留水10ml中に分散し、得られる分散
液に粉砕媒体としてステンレスボール(1/16 in
ch)7mlを加えグラインドコンテナー中で24時間
室温にて水平振とうを行うと、参考例B6の化合物の結
晶微粒子懸濁液が得られる。 実施例5c 参考例B26の化合物50mg、デオキシコール酸ナト
リウム10mg、ポリビニルピロリドン(90K)10
mgの混合物を蒸留水10ml中に分散し、得られる分
散液に粉砕媒体としてステンレスボール(1/16 i
nch)7mlを加えグラインドコンテナー中で24時
間室温にて水平振とうを行うと、参考例B26の化合物
の結晶微粒子懸濁液が得られる。
【0176】実施例6a 参考例B4の化合物1000mg、デオキシコール酸ナ
トリウム200mg、ポリビニルピロリドン(90K)
200mgの混合物に蒸留水20mlを加え、超音波処
理(5分、TITEC VP−60)を行い均一な分散
液を得た。得られた分散液に粉砕媒体としてステンレス
ボール(1/16 inch)20mlを加えグライン
ドコンテナー中で24時間室温にて水平振とうを行い、
さらに高圧ホモジナイザー Micronlab40
(AVP Gaulin GmbH)にて処理を行い、
参考例B4の化合物の結晶微粒子懸濁液を得た。 実施例6b 参考例B6の化合物1000mg、デオキシコール酸ナ
トリウム200mg、ポリビニルピロリドン(90K)
200mgの混合物に蒸留水20mlを加え、超音波処
理(5分、TITEC VP−60)を行い均一な分散
液を得る。得られる分散液に粉砕媒体としてステンレス
ボール(1/16 inch)20mlを加えグライン
ドコンテナー中で24時間室温にて水平振とうを行う
と、さらに高圧ホモジナイザー Micronlab4
0(AVP Gaulin GmbH)にて処理を行う
と、参考例B6の化合物の結晶微粒子懸濁液が得られ
る。 実施例6c 参考例B26の化合物1000mg、デオキシコール酸
ナトリウム200mg、ポリビニルピロリドン(90
K)200mgの混合物に蒸留水20mlを加え、超音
波処理(5分、TITEC VP−60)を行い均一な
分散液を得る。得られる分散液に粉砕媒体としてステン
レスボール(1/16 inch)20mlを加えグラ
インドコンテナー中で24時間室温にて水平振とうを行
うと、さらに高圧ホモジナイザー Micronlab
40(AVP Gaulin GmbH)にて処理を行
うと、参考例B26の化合物の結晶微粒子懸濁液が得ら
れる。
【0177】実施例7a 実施例2にて調製した結晶微粒子懸濁液をスプレードラ
イヤーGS−31R(ヤマト科学)により乾燥し粉末を
得た。得られた粉末をさらに真空乾燥により2次乾燥を
行い、結晶微粒子の粉末を得た。 実施例7b 実施例2bにて調製した結晶微粒子懸濁液をスプレード
ライヤーGS−31R(ヤマト科学)により乾燥し粉末
を得る。得られる粉末をさらに真空乾燥により2次乾燥
を行い、結晶微粒子の粉末を得る。 実施例7c 実施例2cにて調製した結晶微粒子懸濁液をスプレード
ライヤーGS−31R(ヤマト科学)により乾燥し粉末
を得、得られる粉末をさらに真空乾燥により2次乾燥を
行い、結晶微粒子の粉末を得る。
【0178】実施例8a 実施例4aにて調製した結晶微粒子懸濁液をスプレード
ライヤーGS−31R(ヤマト科学)により乾燥し粉末
を得た。得られた粉末はさらに真空乾燥により2次乾燥
を行い、結晶微粒子の粉末を得た。 実施例8b 実施例4bにて調製した結晶微粒子懸濁液をスプレード
ライヤーGS−31R(ヤマト科学)により乾燥し粉末
を得る。得られる粉末をさらに真空乾燥により2次乾燥
を行うと、結晶微粒子の粉末を得られる。 実施例8c 実施例4cにて調製した結晶微粒子懸濁液をスプレード
ライヤーGS−31R(ヤマト科学)により乾燥し粉末
を得る。得られる粉末をさらに真空乾燥により2次乾燥
を行うと、結晶微粒子の粉末を得られる。
【0179】実施例9a ヒドロキシプロピルセルロース(グレード:SL)4
g、参考例B4の化合物40gを160mLの蒸留水中
に添加し、プロペラ攪拌機により混合した。得られた混
合物に4%ショ糖ステアリン酸エステル溶液40mLを
さらに添加しプロペラ攪拌機により均一な懸濁液を調製
した。得られた調製液を圧密せん断型粉砕機Micro
s(MIC−0、奈良機械製作所)にて粉砕処理(回転
速度:2000rpm、処理時間:120分)を行ない
参考例B4の化合物の結晶微粒子懸濁液を得た。 実施例9b ヒドロキシプロピルセルロース(グレード:SL)4
g、参考例B6の化合物40gを160mLの蒸留水中
に添加し、プロペラ攪拌機により混合する。得られる混
合物に4%ショ糖ステアリン酸エステル溶液40mLを
さらに添加しプロペラ攪拌機により均一な懸濁液を調製
する。得られる調製液を圧密せん断型粉砕機Micro
s(MIC−0、奈良機械製作所)にて粉砕処理(回転
速度:2000rpm、処理時間:120分)を行ない
参考例B6の化合物の結晶微粒子懸濁液を得る。 実施例9c ヒドロキシプロピルセルロース(グレード:SL)4
g、参考例B26の化合物40gを160mLの蒸留水
中に添加し、プロペラ攪拌機により混合する。得られる
混合物に4%ショ糖ステアリン酸エステル溶液40mL
をさらに添加しプロペラ攪拌機により均一な懸濁液を調
製する。得られる調製液を圧密せん断型粉砕機Micr
os(MIC−0、奈良機械製作所)にて粉砕処理(回
転速度:2000rpm、処理時間:120分)を行な
い参考例B26の化合物の結晶微粒子懸濁液を得る。
【0180】実施例10a ヒドロキシプロピルセルロース(グレード:SL)4
g、参考例B4の化合物40gを160mLの蒸留水中
に添加し、プロペラ攪拌機により混合した。得られた混
合物に4%ラウリル硫酸ナトリウム溶液40mLをさら
に添加しプロペラ攪拌機により均一な懸濁液を調製し
た。得られた調製液を圧密せん断型粉砕機Micros
(MIC−0、奈良機械製作所)にて粉砕処理(回転速
度:2000rpm、処理時間:90分)を行ない参考
例B4の化合物の結晶微粒子懸濁液を得た。 実施例10b ヒドロキシプロピルセルロース(グレード:SL)4
g、参考例B6の化合物40gを160mLの蒸留水中
に添加し、プロペラ攪拌機により混合する。得られる混
合物に4%ラウリル硫酸ナトリウム溶液40mLをさら
に添加しプロペラ攪拌機により均一な懸濁液を調製す
る。得られる調製液を圧密せん断型粉砕機Micros
(MIC−0、奈良機械製作所)にて粉砕処理(回転速
度:2000rpm、処理時間:90分)を行ない参考
例B6の化合物の結晶微粒子懸濁液を得る。 実施例10c ヒドロキシプロピルセルロース(グレード:SL)4
g、参考例B26の化合物40gを160mLの蒸留水
中に添加し、プロペラ攪拌機により混合する。得られる
混合物に4%ラウリル硫酸ナトリウム溶液40mLをさ
らに添加しプロペラ攪拌機により均一な懸濁液を調製す
る。得られる調製液を圧密せん断型粉砕機Micros
(MIC−0、奈良機械製作所)にて粉砕処理(回転速
度:2000rpm、処理時間:90分)を行ない参考
例B26の化合物の結晶微粒子懸濁液を得る。
【0181】実施例11a ヒドロキシプロピルセルロース(グレード:SSL)
2.5%(w/v)水溶液164gに参考例B4の化合
物40g、4%ラウリル硫酸ナトリウム溶液41.6g
を添加しプロペラ攪拌機により均一な懸濁液を調製し
た。得られた調製液を圧密せん断型粉砕機Micros
(MIC−0、奈良機械製作所)にて粉砕処理(回転速
度:2000rpm、処理時間:180分)を行ない参
考例B4の化合物の結晶微粒子懸濁液を得た。 実施例11b ヒドロキシプロピルセルロース(グレード:SSL)
2.5%(w/v)水溶液164gに参考例B6の化合
物40g、4%ラウリル硫酸ナトリウム溶液41.6g
を添加しプロペラ攪拌機により均一な懸濁液を調製す
る。得られる調製液を圧密せん断型粉砕機Micros
(MIC−0、奈良機械製作所)にて粉砕処理(回転速
度:2000rpm、処理時間:180分)を行ない参
考例B6の化合物の結晶微粒子懸濁液を得る。 実施例11c ヒドロキシプロピルセルロース(グレード:SSL)
2.5%(w/v)水溶液164gに参考例B26の化
合物40g、4%ラウリル硫酸ナトリウム溶液41.6
gを添加しプロペラ攪拌機により均一な懸濁液を調製す
る。得られる調製液を圧密せん断型粉砕機Micros
(MIC−0、奈良機械製作所)にて粉砕処理(回転速
度:2000rpm、処理時間:180分)を行ない参
考例B26の化合物の結晶微粒子懸濁液を得る。
【0182】実験例1 (1)結晶微粒子サイズの測定 実施例1で得られた薬物結晶微粒子懸濁液中の微粒子サ
イズを測定した。粒子サイズの測定にはレーザー回析/
散乱式粒度分布測定装置 SALD−2000A(島津
製作所)を用いた。分散媒としては蒸留水を用い、測定
に必要な散乱強度が得られる濃度の試料を十分に分散後
測定した。また実施例1で用いた参考例B4の化合物原
末をジェットミルにて粉砕して得られた粒子のサイズも
同様な方法で測定した。表4に測定結果を示す。
【0183】
【表4】
【0184】表4から、参考例4Bの化合物原末をジェ
ットミルにて粉砕して得られた粉末の粒子サイズが4μ
弱であったのに対して、実施例1aで得られた微粒子懸
濁液では<1μm以下の超微細な薬物微粒子が得られ
た。 (2)薬物吸収実験 実施例1aにて得られた薬物結晶微粒子懸濁液をIGS
ラット(雄)に投与し、血漿中薬物濃度をHPLC法に
より測定した。また、同じ処方成分を含む混合物をラッ
トに投与し、薬物の吸収性を比較した。図1に実験結果
を示す。図1から、薬物を結晶薬物微粒子として投与す
ると著しい薬物吸収の改善が認められ、24時間までの
AUCが混合物投与時に1.7μg/hr/mlであっ
たのに対し、結晶薬物微粒子として投与すると5.3μ
g/hr/mlと3倍以上に増加した。
【0185】実験例2 (1)結晶微粒子サイズの測定 実施例4aで得られた薬物結晶微粒子懸濁液中の微粒子
サイズを測定した。粒子サイズの測定にはレーザー回析
/散乱式粒度分布測定装置SALD−2000A(島津
製作所)を、分散媒としては蒸留水を用い、測定に必要
な散乱強度が得られる濃度の試料を十分に分散後測定し
た。また実施例8aで得られた結晶微粒子粉末を蒸留水
中に再分散し、同様の方法により薬物微粒子のサイズを
測定した。表5に測定結果を示す。
【0186】
【表5】
【0187】表5から、実施例4aにおいては懸濁液中
で平均0.92μmの薬物結晶微粒子として存在してい
る事が示された。この懸濁液からスプレードライ法によ
り得た粉末を蒸留水中に再分散させた場合(実施例8
a)においても、薬物微粒子の粒子サイズに大きな変化
は認められず、平均0.99μmの薬物微粒子として再
分散させることが可能であった。 (2)薬物微粒子の結晶状態の観察 実施例8aにて得られた薬物微粒子粉末中の薬物結晶状
態を粉末X線回析装置RINT−uitima/PC
(RIGAKU)を用い測定した。得られたX線回析パ
ターンは薬物原末と同一であり、粉末中の薬物がアモル
ファス状態ではなく結晶状態であることが確認された。 (3)薬物吸収実験 実施例4aにて得られた薬物結晶微粒子懸濁液をIGS
ラット(雄)に投与し、血漿中薬物濃度をHPLC法に
より測定した。また、実施例8aにて得られた粉末状薬
物組成物を蒸留水中に再分散し、ラットに投与後の薬物
の吸収性を検討した。図2に結果を示す。図2から、実
施例4aの薬物組成物投与時の24時間までのAUCは
4.43μg/hr/mlであり、薬物原末投与時と比
較して著しい薬物吸収の改善が認められた。また、実施
例8aの薬物組成物投与時の血漿中濃度推移は実施例4a
で得られた薬物組成物投与時の血漿中濃度推移とほぼ等
しく、乾燥粉末化による吸収の低下は認められなかっ
た。
【0188】
【発明の効果】本発明の平均粒径約3μm以下のHER
2阻害物質またはその組成物は、HER2阻害物質の吸
収性が著しく改善されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1aで調製した薬物結晶微粒子の投与
後の薬物血漿中濃度推移を示す。横軸は薬物投与後の時
間を、縦軸は薬物血漿中濃度を示す。
【図2】 実施例4aおよび8aで調製した薬物結晶微粒
子の投与後の薬物血漿中濃度推移を示す。横軸は薬物投
与後の時間を、縦軸は薬物血漿中濃度を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 47/28 A61K 47/28 47/32 47/32 47/36 47/36 47/38 47/38 47/40 47/40 A61P 9/00 A61P 9/00 9/10 101 9/10 101 27/02 27/02 31/18 31/18 35/00 35/00 43/00 111 43/00 111 C12N 9/99 C12N 9/99 Fターム(参考) 4C063 AA01 BB08 CC52 DD25 DD42 EE01 4C076 AA16 AA30 BB01 CC27 DD02Q DD07Q DD55Q DD70Q EE16Q EE30Q EE32Q EE39Q GG03 GG04 GG05 GG06 GG09 4C086 AA01 AA02 AA04 BC69 MA03 MA05 MA23 MA43 MA52 NA14 ZA33 ZA36 ZA45 ZB26 ZC20

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径が約3μm以下であるHER2
    阻害物質。
  2. 【請求項2】 水または水溶液中に分散した時の平均粒
    径が約3μm以下であるHER2阻害物質。
  3. 【請求項3】 結晶微粒子である請求項1または2記載
    の物質。
  4. 【請求項4】 HER2阻害物質が、式 【化1】 〔式中、Rは置換されていてもよい芳香族複素環基を、
    Xは酸素原子、酸化されていてもよい硫黄原子、−C
    (=O)−または−CH(OH)−を、YはCHまたは
    Nを、pは0〜10の整数を、qは1〜5の整数を、式 【化2】 で表される基が置換されていてもよい芳香族アゾール基
    を、環Aはさらに置換されていてもよい。〕で表される
    化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグである請
    求項1または2記載の物質。
  5. 【請求項5】 HER2阻害物質が、式 【化3】 〔式中、mは1または2、Rはハロゲンまたはハロゲ
    ン化されていてもよいC 1−2アルキル、RおよびR
    の一方は水素原子、他方は式 【化4】 (式中、nは3または4、Rは1〜2個のヒドロキシ
    基で置換されたC1−4アルキル基を示す)で表される
    基を示す。〕で表される化合物もしくはその塩またはそ
    のプロドラッグである請求項1または2記載の物質。
  6. 【請求項6】 HER2阻害物質が、(i)1−(4−
    {4−[(2−{(E)−2−[4−(トリフルオロメ
    チル)フェニル]エテニル}−1,3−オキサゾール−
    4−イル)メトキシ]フェニル}ブチル)−1H−1,
    2,3−トリアゾール、(ii)1−(3−{3−[(2
    −{(E)−2−[4−(トリフルオロメチル)フェニ
    ル]エテニル}−1,3−オキサゾール−4−イル)メ
    トキシ]フェニル}プロピル)−1H−1,2,3−ト
    リアゾール、(iii)3−(1−{4−[4−({2−
    [(E)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)エテニ
    ル]−1,3−オキサゾール−4−イル}メトキシ)フ
    ェニル]ブチル}−1H−イミダゾール−2−イル)−
    1,2−プロパンジオールもしくはその塩またはそのプ
    ロドラッグである請求項1または2記載の物質。
  7. 【請求項7】 請求項1または2記載の物質を含有する
    組成物。
  8. 【請求項8】 安定化剤を含む請求項7記載の組成物。
  9. 【請求項9】 安定化剤が界面活性剤、親水性重合
    体および易水溶性シクロデキストリン誘導体から選ば
    れる少なくとも1つである請求項7記載の組成物。
  10. 【請求項10】 安定化剤がデオキシコール酸ナトリウ
    ム、ヒドロキシプロピルセルロースおよびポリビニルピ
    ロリドンから選ばれる少なくとも1つである請求項7記
    載の組成物。
  11. 【請求項11】 安定化剤として界面活性剤および親水
    性重合体の双方を含む請求項8記載の組成物。
  12. 【請求項12】 界面活性剤がアニオン性界面活性剤ま
    たは非イオン性界面活性剤である請求項11記載の組成
    物。
  13. 【請求項13】 界面活性剤がアルキル硫酸塩またはシ
    ョ糖脂肪酸エステルである請求項11記載の組成物。
  14. 【請求項14】 界面活性剤がラウリル硫酸ナトリウム
    またはショ糖ステアリン酸エステルである請求項11記
    載の組成物。
  15. 【請求項15】 親水性重合体がヒドロキシプロピルセ
    ルロースである請求項11記載の組成物。
  16. 【請求項16】 界面活性剤がラウリル硫酸ナトリウム
    またはショ糖脂肪酸エステル、親水性重合体がヒドロキ
    シプロピルセルロースである請求項11記載の組成物。
  17. 【請求項17】 経口投与用である請求項7記載の組成
    物。
  18. 【請求項18】 抗癌剤である請求項7記載の組成物。
  19. 【請求項19】 乳癌または前立腺癌の予防・治療剤で
    ある請求項7記載の組成物。
  20. 【請求項20】 HER2阻害物質を水または水溶液中
    で粉砕することを特徴とする請求項1または2記載の物
    質の製造法。
  21. 【請求項21】 HER2阻害物質を水または水溶液中
    で粉砕することを特徴とする請求項7記載の組成物の製
    造法。
  22. 【請求項22】 HER2阻害物質を、安定化剤を含有
    する水溶液中で粉砕することを特徴とする請求項8記載
    の組成物の製造法。
  23. 【請求項23】 圧密剪断ミルを用いて粉砕することを
    特徴とする請求項20、21または22記載の製造法。
  24. 【請求項24】 HER2阻害物質を、安定化剤を含有
    する水溶液中で粉砕し、溶媒を除去して得られる組成
    物。
  25. 【請求項25】 哺乳動物に対して、平均粒径が約3μ
    m以下であるHER2阻害物質を経口投与することを特
    徴とする癌を予防または治療する方法。
  26. 【請求項26】 癌の予防または治療のための経口投与
    剤を製造するための、平均粒径が約3μm以下であるH
    ER2阻害物質の使用。
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