JP2002241268A - 水溶解性が改善された医薬組成物 - Google Patents

水溶解性が改善された医薬組成物

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JP2002241268A
JP2002241268A JP2001375573A JP2001375573A JP2002241268A JP 2002241268 A JP2002241268 A JP 2002241268A JP 2001375573 A JP2001375573 A JP 2001375573A JP 2001375573 A JP2001375573 A JP 2001375573A JP 2002241268 A JP2002241268 A JP 2002241268A
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JP2001375573A
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English (en)
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Yoko Akiyama
洋子 秋山
Satoshi Iinuma
智 飯沼
Hiroto Bando
博人 坂東
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】HER2阻害物質の溶解性、経口吸収性、血液
への吸収性が改善された固体分散体。 【解決手段】水難溶性ないし不溶性のHER2阻害物質
および親水性重合体を含有する固体分散体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水難溶性ないし不
溶性のHER2阻害物質の溶解性が改善された固体分散
体およびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】難溶性の化合物を親水性重合体マトリッ
クス内に均質な溶液または溶融物を形成し、続いて、溶
剤を冷却するかまたは取り除くことによって混合物を凝
固させることで製造される固体分散体は、溶解性や吸収
性を改善し薬剤の生物利用性を高めるとは公知である。
例えばグリゼオフルビンを親水性重合体のポリエチレン
グリコールに分散させて固体分散体とし、その溶解性な
どを改善している(ジャーナル・オブ・ファーマシュー
ティカル・サイエンス(J. Pharm. Sc
i.),60(9), 1281−1302(197
1))。さらに、スルファチアゾールとポリビニルピロ
リドンの固体分散体(ジャーナル・オブ・ファーマシュ
ーティカル・サイエンス(J. Pharm. Sc
i.),58(5), 538−549(196
9))、フィソキサゾールやスルファメチゾールとポリ
ビニルピロリドンの固体分散体(ケミカル・ファーマシ
ューティカル・ブレチン(Chem. Pharm.
Bull.),27(5),1223−1230(19
79))などが知られている。特開平11−60571
号公報には、HER2阻害作用を有する式
【化5】 〔式中、Rは置換されていてもよい芳香族複素環基を、
Xは酸素原子、酸化されていてもよい硫黄原子、−C
(=O)−または−CH(OH)−を、YはCHまたは
Nを、pは0〜10の整数を、qは1〜5の整数を、式
【化6】 で表される基は置換されていてもよい芳香族アゾール基
を、環Aはさらに置換されていてもよい。〕で表される
化合物またはその塩が記載されているが、該化合物を含
有する固体分散体については開示されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、水難溶性な
いし不溶性のHER2阻害物質の溶解性が改善された新
規な固体分散体を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、水難溶性な
いし不溶性のHER2阻害物質に親水性重合体を共存さ
せることにより、予想外にも該HER2阻害物質の溶解
性を著しく改善できることを見出した。本発明者らは、
この知見に基づいて、さらに研究を行った結果、本発明
を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、(1)水難溶性ない
し不溶性のHER2阻害物質を含有してなる、該HER
2阻害物質の水溶解性が改善された医薬組成物、(2)
固体分散体である上記(1)項記載の組成物、(3)水
難溶性ないし不溶性のHER2阻害物質および親水性重
合体を含有する上記(1)項または(2)項記載の組成
物、(4)HER2阻害物質が非晶形である上記(1)
項または(2)項記載の組成物、(5)親水性重合体が
セルロース誘導体、ポリアルケニルピロリドン、ポリア
ルキレングリコールまたはメタアクリル酸コポリマーで
ある上記(3)項記載の組成物、(6)親水性重合体が
腸溶性重合体である上記(3)項記載の組成物、(7)
親水性重合体がヒドロキシプロピルメチルセルロースフ
タレートである上記(3)項記載の組成物、(8)さら
に乳糖を含む上記(1)項〜(7)項のいずれか1項に
記載の組成物、(9)水難溶性ないし不溶性のHER2
阻害物質が、25℃で水に対する溶解度が10mg/m
L未満のHER2阻害物質である上記(1)項〜(8)
項のいずれか1項に記載の組成物、(10)水難溶性な
いし不溶性のHER2阻害物質が、式
【化7】 〔式中、Rは置換されていてもよい芳香族複素環基を、
Xは酸素原子、酸化されていてもよい硫黄原子、−C
(=O)−または−CH(OH)−を、YはCHまたは
Nを、pは0〜10の整数を、qは1〜5の整数を、式
【化8】 で表される基は置換されていてもよい芳香族アゾール基
を、環Aはさらに置換されていてもよい。〕で表される
化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグである上
記(1)項〜(8)項のいずれか1項に記載の組成物、
(11)水難溶性ないし不溶性のHER2阻害物質が、
【化9】 〔式中、mは1または2、Rはハロゲンまたはハロゲ
ン化されていてもよいC 1−2アルキル、RおよびR
の一方は水素原子、他方は式
【化10】 (式中、nは3または4、Rは1ないし2個のヒドロ
キシ基で置換されたC −4アルキル基を示す)で表さ
れる基を示す。〕で表される化合物もしくはその塩また
はそのプロドラッグである上記(1)項〜(8)項のい
ずれか1項に記載の組成物、(12)水難溶性ないし不
溶性のHER2阻害物質が、(i)1−(4−{4−
[(2−{(E)−2−[4−(トリフルオロメチル)
フェニル]エテニル}−1,3−オキサゾール−4−イ
ル)メトキシ]フェニル}ブチル)−1H−1,2,3
−トリアゾール、(ii)1−(3−{3−[(2−
{(E)−2−[4−(トリフルオロメチル)フェニ
ル]エテニル}−1,3−オキサゾール−4−イル)メ
トキシ]フェニル}プロピル)−1H−1,2,3−ト
リアゾール、(iii)3−(1−{4−[4−({2−
[(E)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)エテニ
ル]−1,3−オキサゾール−4−イル}メトキシ)フ
ェニル]ブチル}−1H−イミダゾール−2−イル)−
1,2−プロパンジオールもしくはその塩またはそのプ
ロドラッグである上記(1)項〜(8)項のいずれか1
項に記載の組成物、(13)水難溶性ないし不溶性のH
ER2阻害物質と親水性重合体との重量比が1:1〜
1:20である上記(3)項記載の組成物、(14)水
難溶性ないし不溶性のHER2阻害物質と親水性重合体
との重量比が1:1〜1:5である上記(3)項記載の
組成物、(15)水難溶性ないし不溶性のHER2阻害
物質と親水性重合体との重量比が1:2〜1:4である
上記(3)項記載の組成物、(16)水難溶性ないし不
溶性のHER2阻害物質と親水性重合体との重量比が
1:3〜1:5である上記(3)項記載の組成物、(1
7)抗癌剤である上記(1)項記載の組成物、(18)
乳癌または前立腺癌の予防・治療剤である上記(1)項
記載の組成物、(19)水難溶性ないし不溶性のHER
2阻害物質および親水性重合体を含む有機溶媒の懸濁液
または溶液から有機溶媒を除去することを特徴とする水
難溶性ないし不溶性のHER2阻害物質および親水性重
合体を含有する固体分散体の製造法、および(20)上
記(2)項記載の固体分散体を含有してなる医薬製剤を
提供する。
【0006】さらに、本発明は、(21)式
【化11】 で表される環式基が(i)アルキル基、(ii)アルー
ル基(iii)ヒドロキシアルキル基、(iv)カルボ
キシル基、(v)アルコキシカルボニル基および(v
i)カルバモイル基から選ばれる1個もしくは2個の置
換基でそれぞれ置換されていてもよいピロリル基、イミ
ダゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾ
リル基またはベンズイミダゾリル基である上記(10)
項記載の固体分散体、(22)pが3〜5の整数である
上記(10)項記載の固体分散体、(23)qが1であ
る上記(10)項記載の固体分散体、(24)Xが酸素
原子である上記(10)項記載の固体分散体、(25)
Rが置換されていてもよいオキサゾリル基または置換さ
れていてもよいチアゾリル基である上記(10)項記載
の固体分散体、(26)Rが(i)ヒドロキシル基、ア
ルコキシ基、アリールアルコキシ基、アルキル基、シア
ノ基、ハロゲン原子およびテトラゾリル基から選ばれる
1個または2個の置換基で置換されていてもよいアリー
ル基、(ii)アルキル基、(iii)ヒドロキシアル
キル基、(iv)アルコキシカルボニルアルキル基、
(v)1個または2個のアリール基で置換されたアルキ
ル基、(vi)1個または2個のアリール基で置換され
たアルケニル基、(vii)シクロアルキル基、(vi
ii)部分飽和ナフチル基、(ix)ヒドロキシ基、ア
ルコキシ基、アリールアルコキシ基、アルキル基、シア
ノ基、アリル基およびハロゲン原子から選ばれる1個ま
たは2個の置換基で置換されていてもよいチエニル基も
しくはフリル基、(x)ベンゾフラニル基および(x
i)ベンゾチエニル基から選ばれる1個もしくは2個の
置換基でそれぞれ置換されていてもよいオキサゾリル
基、ベンゾオキサゾリル基またはチアゾリル基である上
記(10)項記載の固体分散体、(27)Rが(i)ヒ
ドロキシル基、アルコキシ基、アリールアルコキシ基、
アルキル基、シアノ基、ハロゲン原子およびテトラゾリ
ル基から選ばれる1個または2個の置換基で置換されて
いてもよいアリール基、(ii)アルキル基、(ii
i)ヒドロキシアルキル基、(iv)アルコキシカルボ
ニルアルキル基、(v)1個または2個のアリール基で
置換されたアルキル基、(vi)1個または2個のアリ
ール基で置換されたアルケニル基、(vii)シクロア
ルキル基、(viii)部分飽和ナフチル基、(ix)
ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールアルコキシ基、
アルキル基、シアノ基、アリル基およびハロゲン原子か
ら選ばれる1個または2個の置換基で置換されていても
よいチエニル基もしくはフリル基、(x)ベンゾフラニ
ル基および(xi)ベンゾチエニル基から選ばれる1個
もしくは2個の置換基でそれぞれ置換されていてもよい
オキサゾリル基、ベンゾオキサゾリル基またはチアゾリ
ル基であり、Xが酸素原子であり、pが0〜6の整数で
あり、qが1であり、式
【化12】 で表される環式基が(i)アルキル基、(ii)アリー
ル基、(iii)ヒドロキシアルキル基、(iv)カル
ボキシル基、(v)アルコキシカルボニル基および(v
i)カルバモイル基から選ばれる1個もしくは2個の置
換基でそれぞれ置換されていてもよいピロリル基、イミ
ダゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾ
リル基またはベンズイミダゾリル基である上記(10)
項記載の固体分散体、(28)Rがアリールアルケニル
もしくはアリールアルコキシ−アリール基で置換された
オキサゾリル基であり、Xが酸素原子であり、pが3ま
たは4であり、qが1であり、式
【化13】 で表される環式基がイミダゾリル基またはトリアゾリル
基であり、式
【化14】 で表される基が1,3−フェニレン基または1,4−フ
ェニレン基である上記(10)項記載の固体分散体、
(29)Rがチエニル基で置換されたオキサゾリル基も
しくはチアゾリル基であり、Xが酸素原子であり、pが
3または4であり、qが1であり、式
【化15】 で表される環式基がイミダゾリル基またはトリアゾリル
基であり、式
【化16】 で表される基が1,3−フェニレン基または1,4−フ
ェニレン基である上記(10)項記載の固体分散体、
(30)Rがチエニル基で置換されたベンゾオキサゾリ
ル基であり、Xが酸素原子であり、pが3または4であ
り、qが1であり、式
【化17】 で表される環式基がイミダゾリル基またはトリアゾリル
基であり、式
【化18】 で表される基が1,3−フェニレン基または1,4−フ
ェニレン基である上記(10)項記載の固体分散体、
(31)水難溶性ないし不溶性のHER2阻害物質が、
(i)1−[4−[4−[2−[(E)−2−フェニル
エテニル]−4−オキサゾリルメトキシ]フェニル]ブ
チル]−1,2,4−トリアゾール、(ii)4−[4−
[4−(1−イミダゾリル)ブチル]フェノキシメチ
ル]−2−[(E)−2−フェニルエテニル]オキサゾ
ール、(iii)4−[4−[3−(1−イミダゾリル)
プロピル]フェノキシメチル]−2−[(E)−2−フ
ェニルエテニル]オキサゾール、(iv)4−[3−[3
−(1−イミダゾリル)プロピル]フェノキシメチル]
−2−[(E)−2−フェニルエテニル]オキサゾー
ル、(v)2−(4−ベンジルオキシフェニル)−4−
[4−[4−[3−(1−イミダゾリル)プロピル]フ
ェノキシメチル]オキサゾール、(vi)4−[4−[3
−(1−イミダゾリル)プロピル]フェノキシメチル]
−2−(2−チエニル)オキサゾール、(vii)4−
[4−[3−(1−イミダゾリル)プロピル]フェノキ
シメチル]−2−(5−メチル−2−チエニル)オキサ
ゾール、(viii)2−(5−クロロ−2−チエニル)−
4−[4−[3−(1−イミダゾリル)−プロピル]フ
ェノキシメチル]オキサゾール、(ix)4−[4−[3
−(1−イミダゾリル)プロピル]フェノキシメチル]
−2−(2−チエニル)チアゾール、(x)5−[4−
[3−(1−イミダゾリル)プロピル]フェノキシメチ
ル]−2−(2−チエニル)ベンゾオキサゾールもしく
はその塩あるいはそのプロドラッグである上記(10)
項記載の固体分散体、(32)Rがフルオロまたはト
リフルオロメチルである上記(11)項記載の固体分散
体、(33)Rが式
【化19】 で表される基およびRが水素原子、またはRが水素
原子およびRが式
【化20】 で表される基である上記(11)項記載の固体分散体、
(34)Rが式
【化21】 で表される基およびRが水素原子である上記(11)
項記載の固体分散体、(35)mが1、Rが4−トリ
フルオロメチル、Rが式
【化22】 で表される基、およびRが水素原子である上記(1
1)項記載の固体分散体、(36)水難溶性ないし不溶
性のHER2阻害物質を有機溶媒に溶解し、この溶液に
親水性重合体を加えて得られる懸濁液または溶液に、必
要に応じて添加剤を懸濁し、次いで有機溶媒を溜去する
ことを特徴とする水難溶性ないし不溶性のHER2阻害
物質および親水性重合体を含有する固体分散体の製造
法、(37)水難溶性ないし不溶性のHER2阻害物質
を有機溶媒に溶解し、この溶液に親水性重合体を加えて
懸濁し、この懸濁液を有機溶媒に溶解し、得られる均質
物質に必要に応じて添加剤を懸濁し、次いで有機溶媒を
溜去することを特徴とする水難溶性ないし不溶性のHE
R2阻害物質および親水性重合体を含有する固体分散体
の製造法、および(38)錠剤またはカプセルである上
記(20)項記載の医薬製剤を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】本願明細書において、「水難溶性
ないし不溶性」とは、例えば、25℃で水に対して10
00ppm未満、好ましくは10ppm未満などの溶解
度を示すこと、または25℃で水に対する溶解度が10
mg/mL未満、好ましくは0.1mg/mL未満など
であることを示す。溶解度は常法に従って測定すること
ができる。本願明細書において、「水溶解性が改善され
た」とは、例えば、水に対する溶解度が向上することを
言う。具体的には、例えば、25℃における水に対する
溶解度が約5倍、好ましくは約10倍、より好ましくは
100倍、さらに好ましくは1000倍、1万倍、10
万倍、100万倍以上に向上することを言う。より具体
的には、使用するHER2阻害物質の25℃で水に対す
る溶解度が10ppm未満の場合、例えば、25℃で水
に対する溶解度が10ppm以上、好ましくは1000
ppm以上、より好ましくは100000ppm以上を
示す場合などを言う。また、使用するHER2阻害物質
の25℃で水に対する溶解度が0.1mg/mL未満の
場合、25℃で水に対する溶解度が0.1mg/mL以
上、好ましくは10mg/mL以上、より好ましくは1
000mg/mL以上を示す場合などを言う。本願明細
書において、「固体分散体」とは、例えば、溶融法、溶
媒法または溶融−溶媒法等により調製され得る、固体状
態で不活性な担体またはそのマトリックス中に1種また
は2種以上の活性成分が分散したもの(ジャーナル・オ
ブ・ファーマコロジカル・サイエンス(J. Pharm. Sc
i.),Vol.60,1281-1302,1971)をいう。本発明の固体分
散体は、特に非晶形であることが望ましい。本発明の固
体分散体の平均粒径は、特に限定されないが、通常、下
限は約0.05μm以上、好ましくは約0.1μm以
上、より好ましくは約1μm以上、さらに好ましくは3
μmよりも大きいサイズであり、上限は約30mm以
下、好ましくは約100μm以下、より好ましくは約5
0μm以下、さらに好ましくは約10μm以下である。
【0008】本願明細書において、「HER2」とは
「増殖因子受容体チロシンキナーゼ」をいう。「水難溶
性ないし不溶性のHER2阻害物質」としては、上記し
た溶解度を示すHER2阻害物質であれば、特に限定さ
れない。具体的には、式
【化23】 〔式中、Rは置換されていてもよい芳香族複素環基を、
Xは酸素原子、酸化されていてもよい硫黄原子、−C
(=O)−または−CH(OH)−を、YはCHまたは
Nを、pは0ないし10の整数を、qは1ないし5の整
数を、式
【化24】 で表される基が置換されていてもよい芳香族アゾール基
を、環Aはさらに置換されていてもよい。〕で表される
化合物(I)もしくはその塩またはそのプロドラッグな
どが用いられる。
【0009】上記式(I)中、Rで示される置換されて
いてもよい芳香族複素環基における複素環基としては、
(1)環構成原子として炭素原子以外に窒素原子、酸素
原子、硫黄原子から選ばれる1ないし4個の原子を含む
5員もしくは6員の芳香族単環式複素環基、および
(2)(i)環構成原子として炭素原子以外に窒素原
子、酸素原子、硫黄原子から選ばれる1ないし4個の原
子を含む5員もしくは6員の芳香族単環式複素環と、
(ii)環構成原子として炭素原子以外に1もしくは2
個と窒素原子を含む5員または6員の芳香族あるいは非
芳香族複素環、ベンゼン環または環構成原子として炭素
原子以外に1個硫黄原子を含む5員の芳香族あるいは非
芳香族複素環とが縮合して形成する芳香族縮合複素環基
等が挙げられる。このような芳香族複素環基の具体例と
しては、例えばピリジル(例、2−ピリジル、3−ピリ
ジル、4−ピリジル)、ピリミジニル(例、2−ピリミ
ジニル、5−ピリミジニル、6−ピリミジニル)、ピリ
ダジニル(例、3−ピリダジニル、4−ピリダジニ
ル)、ピラジニル(例、2−ピラジニル)、ピロリル
(例、1−ピロリル、2−ピロリル)、イミダゾリル
(例、1−イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミ
ダゾリル、5−イミダゾリル)、ピラゾリル(例、1−
ピラゾリル、3−ピラゾリル、4−ピラゾリル)、イソ
オキサゾリル、イソチアゾリル、チアゾリル(例、2−
チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル)、オキ
サゾリル(例、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、
5−オキサゾリル)、オキサジアゾリル(例、1,2,
4−オキサジアゾール−5−イル等の1,2,4−オキ
サジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,
3,4−オキサジアゾリル)、チアジアゾリル(例、
1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾ
リル、1,3,4−チアジアゾリル)、トリアゾリル
(例、1,2,4−トリアゾール−1−イル、1,2,
4−トリアゾール−5−イル等の1,2,4−トリアゾ
リル、1,2,3−トリアゾール−1−イル、1,2,
3−トリアゾール−2−イル、1,2,3−トリアゾー
ル−4−イル等の1,2,3−トリアゾリル)、テトラ
ゾリル(例、テトラゾール−1−イル、テトラゾール−
5−イル)、ベンズイミダゾリル(例、ベンズイミダゾ
ール−1−イル、ベンズイミダゾール−2−イル)、イ
ンドリル(例、インドール−1−イル、インドール−3
−イル)、インダゾリル(例、1H−インダゾール−1
−イル、1H−インダゾール−3−イル)、ピロロピラ
ジニル(例、1H−ピロロ〔2,3−b〕ピラジニ
ル)、ピロロピリジル(例、1H−ピロロ〔2,3−
b〕ピリジル)、イミダゾピリジル(例、1H−イミダ
ゾ〔4,5−b〕ピリジル、1H−イミダゾ〔4,5−
c〕ピリジル)、イミダゾピラジニル(例、1H−イミ
ダゾ〔4,5−b〕ピラジニル)、ピロロピリダジニル
(例、ピロロ〔1,2−b〕ピリダジニル)、ピラゾル
ピリジル(例、ピラゾロ〔1,5−a〕ピリジル)、イ
ミダゾピリジル(例、イミダゾ〔1,2−a〕ピリジ
ル、イミダゾ〔1,5−a〕ピリジル)、イミダゾピリ
ダジニル(例、イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジニ
ル)、イミダゾピリミジニル(例、イミダゾ〔1,2−
a〕ピリミジニル)、フリル、チエニル、ベンゾフラニ
ル、ベンゾチエニル(例、ベンゾ〔b〕チエニル)、ベ
ンズオキサゾリル、ベンズチアゾリル、キノリル、イソ
キノリル、キナゾリニル等が挙げられ、好適な例として
は、例えばオキサゾリル、チアゾリル、イソオキサゾリ
ル、イソチアゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、オ
キサジアゾリル、チアジアゾリルなどの5員の単環式芳
香族アゾール基や、例えばベンズオキサゾリル、ベンゾ
チアゾリルなどのベンゼン環と縮合した芳香族縮合アゾ
ール基や、例えばピリジル、ピリミジルなどの6員の単
環式芳香族複素環が挙げられる。芳香族複素環のさらに
好適な例としては、例えばオキサゾリル基、チアゾリル
基などの5員の単環式芳香族アゾール基が挙げられる。
【0010】Rで示される芳香族複素環基および式
【化25】 で示される芳香族アゾール基としては、(1)環構成原
子として炭素原子以外に1〜4個の窒素原子を含み、1
個の酸素原子あるいは1個の硫黄原子を含んでいてもよ
い5員の芳香族単環式複素環基、および(2)(i)環
構成原子として炭素原子以外に1〜4個の窒素原子を含
み、1個の酸素原子あるいは1個の硫黄原子を含んでい
てもよい5員の芳香族単環式複素環と、(ii)環構成
原子として炭素原子以外に1もしくは2個と窒素原子を
含む5員または6員の芳香族あるいは非芳香族複素環、
ベンゼン環または環構成原子として炭素原子以外に1個
硫黄原子を含む5員の芳香族あるいは非芳香族複素環と
が縮合して形成する芳香族縮合複素環基等が挙げられ
る。このような芳香族アゾール基としては、例えばピロ
リル(例、1−ピロリル)、イミダゾリル(例、1−イ
ミダゾリル)、ピラゾリル(例、1−ピラゾリル)、ト
リアゾリル(例、1,2,4−トリアゾール−1−イ
ル、1,2,3−トリアゾール−1−イル)、テトラゾ
リル(例、テトラゾール−1−イル)、ベンズイミダゾ
リル(ベンズイミダゾール−1−イル)、インドリル
(例、インドール−1−イル)、インダゾリル(例、1
H−インダゾール−1−イル)、ピロロピラジニル
(例、1H−ピロロ〔2,3−b〕ピラジン−1−イ
ル)、ピロロピリジル(例、1H−ピロロ〔2,3−
b〕ピリジン−1−イル、イミダゾピリジル(例、1H
−イミダゾ〔4,5−b〕ピリジン−1−イル)、イミ
ダゾピラジニル(例、1H−イミダゾ〔4,5−b〕ピ
ラジン−1−イル)等の芳香族複素環基等が挙げられ、
それらの基は環構成原子の一つとして含まれる窒素原子
を介して−(CH)m−と結合する。芳香族アゾール
基の好適な例としてはイミダゾリル基およびトリアゾリ
ル基が挙げられる。
【0011】Rで示される芳香族複素環基および式
【化26】 で示される芳香族アゾール基は、置換可能な位置に置換
基を1〜3個(好ましくは1または2個)有していても
よい。該置換基としては、例えば脂肪族炭化水素基、脂
環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、芳香族炭化水素基
で置換された脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基で置
換された脂肪族炭化水素、芳香族複素環基、非芳香族複
素環基、芳香族複素環基で置換された脂肪族炭化水素
基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、置換されてい
てもよいアミノ基、置換されていてもよいアシル基、置
換されていてもよいヒドロキシル基、置換されていても
よいチオール基、エステル化もしくはアミド化されてい
てもよいカルボキシル基が挙げられる。置換基としての
脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素
基、芳香族炭化水素基で置換された脂肪族炭化水素基、
脂環式炭化水素基で置換された脂肪族炭化水素、芳香族
複素環基、非芳香族複素環基、および芳香族複素環基で
置換された脂肪族炭化水素基はそれぞれさらに置換され
ていてもよい。
【0012】環AはXおよび(CH)pの他に、さら
に置換可能な位置に置換基を1〜4個(好ましくは1ま
たは2個)有していてもよい。該置換基としては、Rで
示される芳香族複素環基上への置換基が有していてもよ
い置換基として例示したもの、例えば脂肪族炭化水素
基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、芳香族炭化
水素基で置換された脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素
基で置換された脂肪族炭化水素、芳香族複素環基、非芳
香族複素環基、芳香族複素環基で置換された脂肪族炭化
水素基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、置換され
ていてもよいアミノ基、置換されていてもよいアシル
基、置換されていてもよいヒドロキシル基、置換されて
いてもよいチオール基、エステル化もしくはアミド化さ
れていてもよいカルボキシル基等が挙げられる。置換基
としての脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族
炭化水素基、芳香族炭化水素基で置換された脂肪族炭化
水素基、脂環式炭化水素基で置換された脂肪族炭化水
素、芳香族複素環基、非芳香族複素環基、および芳香族
複素環基で置換された脂肪族炭化水素基はそれぞれさら
に置換されていてもよい。
【0013】脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜1
5の直鎖状または分枝状の脂肪族炭化水素基、例えばア
ルキル基、アルケニル基、アルキニル基等が挙げられ
る。アルキル基の好適な例としては、炭素数1〜10の
アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプ
ロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、ter
t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、
tert−ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチ
ル、オクチル、ノニル、デシル、1,1−ジメチルブチ
ル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチ
ル、2−エチルブチル等が挙げられ、さらに好適な例と
しては炭素数1〜6のアルキル基が挙げられる。アルケ
ニル基の好適な例としては、炭素数2〜10のアルケニ
ル基、例えばビニル(エテニル)、アリル、イソプロペ
ニル、1−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、
1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−エチ
ル−1−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−ペ
ンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペン
テニル、4−メチル−3−ペンテニル、1−ヘキセニ
ル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニ
ル、5−ヘキセニル等が挙げられ、さらに好適な例とし
ては炭素数2〜6のアルケニル基が挙げられる。アルキ
ニル基の好適な例としては、炭素数2〜10のアルキニ
ル基、例えばエチニル、1−プロピニル、2−プロピニ
ル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−
ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペ
ンチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキ
シニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシニル等が挙げら
れ、さらに好適な例としては炭素数2〜6のアルキニル
基が挙げられる。
【0014】脂環式炭化水素基としては、例えば炭素数
3〜12の飽和または不飽和の脂環式炭化水素基、例え
ばシクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアル
カジエニル基、部分不飽和縮合二環式炭化水素基等が挙
げられる。シクロアルキル基の好適な例としては、炭素
数3〜10のシクロアルキル基、例えばシクロプロピ
ル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、
シクロヘプチル、シクロオクチル等、炭素数6〜10の
ビシクロアルキル基、例えばビシクロ〔2.2.1〕ヘ
プチル、ビシクロ〔2.2.2〕オクチル、ビシクロ
〔3.2.1〕オクチル、ビシクロ〔3.2.2〕ノニ
ル、ビシクロ〔3.3.1〕ノニル、ビシクロ〔4.
2.1〕ノニル、ビシクロ〔4.3.1〕デシル等が挙
げられる。シクロアルケニル基の好適な例としては、炭
素数5〜10のシクロアルケニル基、例えば2−シクロ
ペンテン−1−イル、3−シクロペンテン−1−イル、
2−シクロヘキセン−1−イル、3−シクロヘキセン−
1−イル等が挙げられる。シクロアルカジエニル基の好
適な例としては、炭素数5〜10のシクロアルカジエニ
ル基、例えば2,4−シクロペンタジエン−1−イル、
2,4−シクロヘキサジエン−1−イル、2,5−シク
ロヘキサジエン−1−イル等が挙げられる。部分不飽和
縮合二環式炭化水素基の好適な例としては、インダニル
基、部分飽和ナフチル基(例、3,4−ジヒドロ−2−
ナフチル等のジヒドロナフチル基、1,2,3,4−テ
トラヒドロナフチル等のテトラヒドロナフチル等)等の
ベンゼン環と脂環式炭化水素が縮合して形成する炭素数
9〜12の基が挙げられる。
【0015】芳香族炭化水素基としては、単環式もしく
は縮合多環式芳香族炭化水素基が挙げられ、好適な例と
しては炭素数6〜14のアリール基、例えばフェニル、
ナフチル、アントリル、フェナントリル、アセナフチレ
ニル、9−フルオレノン−2−イル等が挙げられ、なか
でもフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル等の単環式
もしくは縮合二環式芳香族炭化水素基が好ましい。芳香
族炭化水素基で置換された脂肪族炭化水素基としては、
例えば1〜3個(好ましくは1または2個)の炭素数7
〜20の芳香族炭化水素基で置換された脂肪族炭化水素
基が挙げられる。このような芳香族炭化水素基で置換さ
れた脂肪族炭化水素基の好適な例としては、例えば1〜
3個のC6−14アリール基で置換されたC1−6アル
キル基(例えば、ベンジル、2−フェニルエチル、1,
2−ジフェニルエチル、2,2−ジフェニルエチル等の
1〜3個のフェニル基で置換されたC1−6アルキル
基、1〜3個のナフチル基で置換されたC1−6アルキ
ル基、9−フルオレニル−C1−6アルキル等)、1〜
3個のC6−14アリール基で置換されたC2−6アル
ケニル基(例えば、(E)−2−フェニルエテニル、
(Z)−2−フェニルエテニル、2,2−ジフェニルエ
テニル、2−(2−ナフチル)エテニル、4−フェニル
−1,3−ブタジエニル等の1〜3個のフェニル基で置
換されたC2−6アルケニル基、1〜3個のナフチル基
で置換されたC2−6アルケニル、9−フルオレニリデ
ンアルキル基)等が挙げられる。脂環式炭化水素基で置
換された脂肪族炭化水素基としては、1〜3個(好まし
くは1または2個)の上記脂環式炭化水素基で置換され
た上記脂肪族炭化水素基が挙げられる。このような脂環
式炭化水素で置換された脂肪族炭化水素基の好適な例と
しては、例えばシクロプロピルメチル、シクロプロピル
エチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、
2−シクロペンテニルメチル、3−シクロペンテニルメ
チル、シクロヘキシルメチル、2−シクロヘキセニルメ
チル、3−シクロヘキセニルメチル、シクロヘキシルエ
チル、シクロヘキシルプロピル、シクロヘプチルメチ
ル、シクロヘプチルエチル等の1〜3個のC3−10
クロアルキル基で置換されたC1−6アルキル基、1〜
3個のC3−10シクロアルキル基で置換されたC
2−6アルケニル基、1〜3個のC5−10シクロアル
ケニル基で置換されたC1−6アルキル基、1〜3個の
5−10シクロアルケニル基で置換されたC2−6
ルケニル基等が挙げられる。
【0016】芳香族複素環基の好適な例としては、例え
ばフリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオ
キサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリ
ル、ピラゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,
2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾ
リル、フラザニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,
2,4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリ
ル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾ
リル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミ
ジニル、ピラジニル、トリアジニルなどの環構成原子と
して炭素以外に窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選ば
れる1ないし4個の原子を含む5員または6員の芳香族
単環式複素環基;例えばベンゾフラニル、イソベンゾフ
ラニル、ベンゾ〔b〕チエニル、インドリル、イソイン
ドリル、1H−インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベ
ンズオキサゾリル、1,2−ベンズイソオキサゾリル、
ベンゾチアゾリル、1,2−ベンズイソチアゾリル、1
H−ベンゾトリアゾリル、キノリル、イソキノリル、シ
ンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジ
ニル、ナフチリジニル、プリニル、プテリジニル、カル
バゾリル、α−カルボリニル、β−カルボリニル、γ−
カルボリニル、アクリジニル、フェノキサジニル、フェ
ノチアジニル、フェナジニル、フェノキサチイニル、チ
アントレニル、フェナトリジニル、フェナトロリニル、
インドリジニル、ピロロ〔1,2−b〕ピリダジニル、
ピラゾロ〔1,5−a〕ピリジル、イミダゾ〔1,2−
a〕ピリジル、イミダゾ〔1,5−a〕ピリジル、イミ
ダゾ〔1,2−b〕ピリダジニル、イミダゾ〔1,2−
a〕ピリミジニル、1,2,4−トリアゾロ〔4,3−
a〕ピリジル、1,2,4−トリアゾロ〔4,3−b〕
ピリダジニルなどの、(i)環構成原子として炭素以外
に窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選ばれる1ないし
4個の原子を含む5員または6員の芳香族複素環と(i
i)環構成原子として炭素原子以外に1もしくは2個と
窒素原子を含む5員または6員の芳香族あるいは非芳香
族複素環、ベンゼン環または環構成原子として炭素原子
以外に1個硫黄原子を含む5員の芳香族あるいは非芳香
族複素環とが縮合して形成する芳香族縮合複素環基等が
挙げられる。
【0017】非芳香族複素環基の好適な例としては、例
えばオキシラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエ
タニル、ピロリジニル、テトラヒドロフリル、チオラニ
ル、ピペリジル、テトラヒドロピラニル、モルホリニ
ル、チオモルホリニル、ピペラジニル等の環構成原子と
して炭素原子以外に窒素原子、酸素原子、硫黄原子から
選ばれる1もしくは2個の原子を含む3〜7員の非芳香
族複素環基等が挙げられる。
【0018】芳香族複素環基で置換された脂肪族炭化水
素基としては、1〜3個(好ましくは1または2個)の
上記芳香族複素環基で置換された炭素数1〜6の脂肪族
炭化水素基(例えば、C1−6アルキル基、C2−6
ルケニル基等)が挙げられる。芳香族複素環基で置換さ
れた脂肪族炭化水素基の好適な例としては、例えば1〜
3個の例えばフリル基、チエニル基、イミダゾリル基も
しくはピリジル基で置換されたC1−6アルキル基
(例、(2−フリル)メチル、チエニルメチル、2−
(1−イミダゾリル)エチル等)、1〜3個のフリル
基、チエニル基、イミダゾリル基もしくはピリジル基で
置換されたC2−6アルケニル基(例、2−(2−フリ
ル)エテニル、2−チエニルエテニル等)等が挙げられ
る。ハロゲン原子としては、例えばフッ素、塩素、臭素
およびヨウ素が挙げられ、とりわけフッ素および塩素が
好ましい。
【0019】置換されていてもよいアミノ基としては、
例えば炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10の
シクロアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭
素数5〜10のシクロアルケニル基、炭素数1〜10の
アシル基または炭素数6〜12の芳香族炭化水素基によ
りモノ−もしくはジ−置換されていてもよいアミノ基
(例、メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、
ジエチルアミノ、ジブチルアミノ、ジアリルアミノ、シ
クロヘキシルアミノ、アセチルアミノ、プロピオニルア
ミノ、ベンゾイルアミノ、フェニルアミノ、N−メチル
−N−フェニルアミノ等)、4ないし6員環状アミノ基
(例えば、1−アゼチジニル、1−ピロリジニル、ピペ
リジノ、モルホリノ、1−ピペラジニルなど)が挙げら
れる。ここにおいて、4ないし6員環状アミノ基は、
1−6アルキル基、ハロゲン,C1−6アルコキシ
基またはトリフルオロメチルで置換されていてもよいC
6−14アリール基(例、フェニル、ナフチルなど)、
環構成原子として炭素以外に1ないし2個の窒素原子
を含む5又は6員複素環基(例、2−ピリジル、ピリミ
ジニル)または6員環状アミノ基(例えば、ピペリジ
ノ、1−ピペラジニルなど)等によりさらに置換されて
いてもよい。
【0020】置換されていてもよいアシル基におけるア
シル基としては、炭素数1〜13のアシル基、具体的に
はホルミルの他例えば炭素数1〜6のアルキル基、炭素
数3〜10のシクロアルキル基、炭素数2〜6のアルケ
ニル基、炭素数5〜10のシクロアルケニル基、炭素数
6〜12の芳香族炭化水素基(例、フェニル、ナフチル
等)または芳香族複素環(例、ピリジル)とカルボニル
基の結合したもの、例えばC2−7アルカノイル基
(例、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリ
ル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル、ヘキサノイ
ル、ヘプタノイル、オクタノイル等)、C3−10シク
ロアルキル−カルボニル基(例、シクロブタンカルボニ
ル、シクロペンタンカルボニル、シクロヘキサンカルボ
ニル、シクロヘプタンカルボニル等)、C3−7アルケ
ノイル基(例、クロトノイル等)、C 5−10シクロア
ルケニル−カルボニル基(例、2−シクロヘキセンカル
ボニル等)、ベンゾイル基、ニコチノイル基等が挙げら
れる。置換されていてもよいアシル基における置換基と
しては、例えば炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜
3のアルコキシ基、ハロゲン(例、塩素、フッ素、臭素
など)、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミノ基等が挙げ
られる。置換基の数は、例えば1〜3個である。置換さ
れていてもよいヒドロキシル基としては、例えばヒドロ
キシル基、アルコキシ基、シクロアルキルオキシ基、ア
ルケニルオキシ基、シクロアルケニルオキシ基、アラル
キルオキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基等が
挙げられる。
【0021】アルコキシ基の好適な例としては、炭素数
1〜10のアルコキシ基、例えばメトキシ、エトキシ、
プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキ
シ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチル
オキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、ヘ
キシルオキシ、ヘプチルオキシ、ノニルオキシ等が挙げ
られる。シクロアルキルオキシ基の好適な例としては、
炭素数3〜10のシクロアルキルオキシ基、例えばシク
ロブトキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオ
キシ等が挙げられる。アルケニルオキシ基の好適な例と
しては、炭素数2〜10のアルケニルオキシ基、例えば
アリル(allyl)オキシ、クロチルオキシ、2−ペ
ンテニルオキシ、3−ヘキセニルオキシ等が挙げられ
る。シクロアルケニルオキシ基の好適な例としては、炭
素数5〜10のシクロアルケニルオキシ基、例えば2−
シクロペンテニルオキシ、2−シクロヘキセニルオキシ
等が挙げられる。アラルキルオキシ基の好適な例として
は、炭素数7〜20のアラルキルオキシ基、例えばC
6−14アリール−C1−6アルコキシ基、具体的には
フェニル−C1−6アルコオキシ基(例、ベンジルオキ
シ、フェネチルオキシ等)、ナフチル−C1−6アルコ
キシ基等が挙げられる。アリールオキシ基の好適な例と
しては、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のア
ルコキシ基、ハロゲン、ニトロ基、ヒドロキシル基もし
くはアミノ基で置換されていてもよい炭素数6〜14の
アリールオキシ基、例えばフェノキシ、4−クロロフェ
ノキシ等が挙げられる。アシルオキシ基の好適な例とし
ては、炭素数2〜15のアシルオキシ基、例えば炭素数
2〜7のアルカノイルオキシ基(例、アセチルオキシ、
プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、イソブチリルオ
キシ等)、C6−14アリール−カルボニルオキシ
(例、ベンゾイルオキシ、ナフトイルオキシ等)等が挙
げられる。置換されていてもよいチオール基としては、
例えばメルカプト基、アルキルチオ基、シクロアルキル
チオ基、アルケニルチオ基、アラルキルチオ基、アリー
ルチオ基、ヘテロアリールチオ基、ヘテロアリールアル
キルチオ基、アシルチオ基等が挙げられる。アルキルチ
オ基の好適な例としては、炭素数1〜10のアルキルチ
オ基、例えばメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、
イソプロピルチオ、ブチルチオ、イソブチルチオ、se
c−ブチルチオ、tert−ブチルチオ、ペンチルチ
オ、イソペンチルチオ、ネオペンチルチオ、ヘキシルチ
オ、ヘプチルチオ、ノニルチオ等が挙げられる。
【0022】シクロアルキルチオ基の好適な例として
は、炭素数3〜10のシクロアルキルチオ基、例えばシ
クロブチルチオ、シクロペンチルチオ、シクロヘキシル
チオ等が挙げられる。アルケニルチオ基の好適な例とし
ては、炭素数2〜10のアルケニルチオ基、例えばアリ
ル(allyl)チオ、クロチルチオ、2−ペンテニル
チオ、3−ヘキセニルチオ等が挙げられる。アラルキル
チオ基の好適な例としては、炭素数7〜20のアラルキ
ルチオ基、例えばC6−14アリールチオ基、具体的に
はフェニル−C1−6アルキルチオ(例、ベンジルチ
オ、フェネチルチオ等)、ナフチル−C1−6アルキル
チオ基等が挙げられる。アリールチオ基の好適な例とし
ては、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアル
コキシ基、ハロゲン、ニトロ基、ヒドロキシル基もしく
はアミノ基で置換されていてもよい炭素数6〜14のア
リールチオ基、例えばフェニルチオ、ナフチルチオ、4
−クロロフェニルチオ等が挙げられる。ヘテロアリール
チオ基としては、例えば上記した芳香族複素環基により
置換されたメルカプト基が挙げられ、なかでもピリジル
チオ(例、2−ピリジルチオ、3−ピリジルチオ等)、
イミダゾリルチオ(2−イミダゾリルチオ等)、トリア
ゾイルチオ(1,2,4−トリアゾール−5−イルチオ
等)等が好ましい。ヘテロアリールアルキルチオ基とし
ては、例えば上記した芳香族複素環基で置換された上記
アルキルチオ基が挙げられる。ヘテロアリールチオ基も
好適な例としては、ピリジル−C1−6アルキルチオ基
(例、2−ピリジルメチルチオ、3−ピリジルメチルチ
オ等)が挙げられる。アシルチオ基の好適な例として
は、炭素数2〜15のアシルチオ基、例えば炭素数2〜
7のアルカノイルチオ基(例、アセチルチオ、プロピオ
ニルチオ、ブチリルチオ、イソブチリルチオ等)、C
6−14アリール−カルボニルチオ(例、ベンゾイルチ
オ、ナフトイルチオ等)等が挙げられる。エステル化も
しくはアミド化されていてもよいカルボキシル基として
は、カルボキシル基、エステル化されたカルボキシル基
およびアミド化されたカルボキシル基が挙げられる。エ
ステル化されたカルボキシル基としては、例えばアルコ
キシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、ア
リールオキシカルボニル基、ヘテロアリールアルキルオ
キシカルボニル基等が挙げられる。アルコキシカルボニ
ル基の好適な例としては、炭素数2〜7のアルコキシカ
ルボニル基、例えばメトキシカルボニル、エトキシカル
ボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル等
が挙げられる。アラルキルオキシカルボニル基の好適な
例としては、炭素数8〜21のアラルキルオキシカルボ
ニル基、例えばフェニル−C2−7アルコキシカルボニ
ル(例、ベンジルオキシカルボニル等)、ナフチル−C
2−7アルコキシカルボニル等が挙げられる。アリール
オキシカルボニル基の好適な例としては、炭素数1〜3
のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、ハロゲ
ン、ニトロ基、ヒドロキシル基もしくはアミノ基で置換
されていてもよい炭素数7〜15のアリールオキシカル
ボニル基、例えばフェノキシカルボニル、p−トリール
オキシカルボニル等が挙げられる。
【0023】ヘテロアリールアルキルオキシカルボニル
としては、例えば上記した芳香族複素環基により置換さ
れた上記アルコキシカルボニル基が挙げられる。ヘテロ
アリールアルキルオキシカルボニル基の好適な例として
は、ピリジル−C2−7アルコキシカルボニル基(例、
2−ピリジルメトキシカルボニル、3−ピリジルメトキ
シカルボニル等)等が挙げられる。アミド化されたカル
ボキシル基としては、式:−CON(R)(R
〔式中、RおよびRは同一または異なって、水素原
子、置換されていてもよい炭化水素基または置換されて
いてもよい複素環基を示す〕で表される基が挙げられ
る。RまたはRで示される置換されていてもよい炭
化水素基における炭化水素基としてはRで示される芳香
族複素環基への置換基として例示した脂肪族炭化水素
基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基が挙げられ
る。また、RまたはRで示される置換されていても
よい複素環基における複素環基としては、Rで示される
芳香族複素環への置換基として例示した芳香族複素環基
が挙げられる。RまたはRにおける炭化水素基また
は複素環基への置換基としては、ハロゲン原子(例、塩
素、フッ素、臭素、ヨウ素等)、炭素数1〜6のアルキ
ル基、炭素数1〜6のアルコキシ基等から選ばれる1〜
3個の置換基が挙げられる。
【0024】一般式(I)中、Rで示される芳香族複素
環基、式
【化27】 で示される芳香族アゾール基または環Aへの置換基が脂
環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、芳香族炭化水素基
で置換された脂肪族炭化水素基、芳香族複素環基、非芳
香族複素環基、または芳香族複素環基で置換された脂肪
族炭化水素基であるときは、該脂環式炭化水素基、芳香
族炭化水素基、芳香族炭化水素基で置換された脂肪族炭
化水素基中の芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、非芳
香族炭化水素基、または芳香族複素環基で置換された脂
肪族炭化水素基中の芳香族複素環基はさらにそれぞれ置
換可能な位置に置換基を1〜3個(好ましくは1または
2個)有していてもよく、このような置換基としては、
例えば置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル
基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアル
キニル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数
5〜10のシクロアルケニル基、炭素数6〜14のアリ
ール基(例、フェニル、ナフチル等)、芳香族複素環基
(例、チエニル、フリル、ピリジル、オキサゾリル、チ
アゾリル、テトラゾリル等)、非芳香族複素環基(例、
テトラヒドロフリル、モルホリニル、ピペリジル、ピロ
リジル、ピペラジニル等)、炭素数7〜20のアラルキ
ル基(例、フェニル−C1−6アルキル基、ナフチル−
1−6アルキル基等)、アミノ基、N−モノ(C
1−6)アルキルアミノ基、N,N−ジ(C1−6)ア
ルキルアミノ基、炭素数2〜7のアシルアミノ基(例、
アセチルアミノ、プロピオニルアミノなどのC2−7
ルカノイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等)、アミジ
ノ基、炭素数2〜7のアシル基(例、炭素数2〜7のア
ルカノイル基、ベンゾイル基等)、カルバモイル基、N
−モノ(C1−6)アルキルカルバモイル基、N,N−
ジ(C1−6)アルキルカルバモイル基、スルファモイ
ル基、N−モノ(C 1−6)アルキルスルファモイル
基、N,N−ジ(C1−6)アルキルスルファモイル
基、カルボキシル基、炭素数2〜7のアルコキシカルボ
ニル基、炭素数8〜21のアラルキルオキシカルボニル
基(例、フェニル−C2−7アルコキシカルボニル、ナ
フチル−C2−7アルコキシカルボニル等)、ヒドロシ
キル基、置換されていてもよい炭素数1〜6のアルコキ
シ基、炭素数2〜6のアルケニルオキシ基、炭素数3〜
10のシクロアルキルオキシ基、炭素数5〜10のシク
ロアルケニルオキシ基、炭素数7〜20のアラルキルオ
キシ基(例、フェニル−C −6アルコキシ基、ナフチ
ル−C1−6アルコキシ基等)、炭素数6〜14のアリ
ールオキシ基(例、フェノキシ、ナフチルオキシ等)、
メルカプト基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、炭素数
3〜10のシクロアルキルチオ基、炭素数7〜20のア
ラルキルチオ基(例、フェニル−C1−6アルキル基、
ナフチル−C −6アルキルチオ基等)、炭素数6〜1
4のアリールチオ基(例、フェニルチオ、ナフチルチオ
基等)、スルホ基、シアノ基、アジド基、ニトロ基、ニ
トロソ基、ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨ
ウ素等)等が挙げられる。
【0025】上記置換されていてもよい炭素数1〜6の
アルコキシ基および置換されていてもよい炭素数1〜6
のアルキル基における置換基としては、例えばハロゲン
原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、ヒドロキ
シル基、炭素数1〜6のアルコキシ基等から選ばれる1
〜3個の置換基が挙げられる。置換された炭素数1〜6
のアルコキシ基としては、例えばトリフルオロメトキ
シ、ジフルオロメトキシ、2,2,2−トリフルオロエ
トキシ、1,1−ジフルオロエトキシ等が挙げられる。
置換された炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば
トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、2,2,2−
トリフルオロエチル、トリクロロメチル、ヒドロキシメ
チル、メトキシメチル、エトキシメチル、2−メトキシ
エチル、2,2−ジメトキシエチル等が挙げられる。
【0026】一般式(I)中、Rで示される芳香族複素
環基、式
【化28】 で示される芳香族アゾール基または環Aへの置換基が脂
肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基で置換された脂肪族
炭化水素基、または芳香族複素環基で置換された脂肪族
炭化水素基であるときは、該脂肪族炭化水素基、芳香族
炭化水素基で置換された脂肪族炭化水素基中の脂肪族炭
化水素基、または芳香族複素環基で置換された脂肪族炭
化水素基中の脂肪族炭化水素基はさらにそれぞれ置換可
能な位置に置換基を1〜3個(好ましくは1または2
個)有していてもよく、このような置換基としては、例
えば非芳香族複素環基(例、テトラヒドロフリル、モル
ホリニル、ピペリジル、ピロリジル、ピペラジニル
等)、アミノ基、N−モノ(C1− )アルキルアミノ
基、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ基、炭素数
2〜7のアシルアミノ基(例、アセチルアミノ、プロピ
オニルアミノなどのC2−8アルカノイルアミノ基、ベ
ンゾイルアミノ基等)、アミジノ基、炭素数2〜7のア
シル基(例、炭素数2〜7のアルカノイル基、ベンゾイ
ル基等)、カルバモイル基、N−モノ(C1−6)アル
キルカルバモイル基、N,N−ジ(C1−6)アルキル
カルバモイル基、スルファモイル基、N−モノ(C
1−6)アルキルスルファモイル基、N,N−ジ(C
1−6)アルキルスルファモイル基、カルボキシル基、
炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、炭素数8〜2
1のアラルキルオキシカルボニル基(例、フェニル−C
2−7アルコキシカルボニル基、ナフチル−C2−7
ルコキシカルボニル基等)、ヒドロシキル基、置換され
ていてもよい炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜
6のアルケニルオキシ基、炭素数3〜10のシクロアル
キルオキシ基、炭素数5〜10のシクロアルケニルオキ
シ基、炭素数7〜20のアラルキルオキシ基(例、フェ
ニル−C1−6アルコキシ基、ナフチル−C1−6アル
コキシ基等)、炭素数6〜14のアリールオキシ基
(例、フェノキシ、ナフチルオキシ等)、メルカプト
基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、炭素数3〜10の
シクロアルキルチオ基、炭素数7〜20のアラルキルチ
オ基(例、フェニル−C1−6アルキル基、ナフチル−
1−6アルキルチオ基等)、炭素数6〜14のアリー
ルチオ基(例、フェニルチオ、ナフチルチオ基等)、ス
ルホ基、シアノ基、アジド基、ニトロ基、ニトロソ基、
ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)等
が挙げられる。
【0027】上記置換されていてもよい炭素数1〜6の
アルコキシ基における置換基としては、例えばハロゲン
原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、ヒドロキ
シル基、炭素数1〜6のアルコキシ基等から選ばれる1
〜3個の置換基が挙げられる。 上記置換された炭素数
1〜6のアルコキシ基としては、例えばトリフルオロメ
トキシ、ジフルオロメトキシ、2,2,2−トリフルオ
ロエトキシ、1,1−ジフルオロエトキシ等が挙げられ
る。
【0028】Rとしては(i)ヒドロキシル基、アルコ
キシ基(例、C1−6アルコキシ基)、アリールアルコ
キシ基(例、フェニル−C1−6アルコキシ基)、アル
キル基(例、C1−6アルキル基)、シアノ基、ハロゲ
ン原子およびテトラゾリル基から選ばれる1個または2
個の置換基で置換されていてもよいアリール基(例、フ
ェニル基、ナフチル基)、(ii)アルキル基(例、C
1−10アルキル基)、(iii)ヒドロキシアルキル
基(例、ヒドロキシ−C1−10アルキル基)、(i
v)アルコキシカルボニルアルキル基(例、C2−7
ルコキシカルボニル−C1−10アルキル基)、(v)
1個または2個のアリール基で置換されたアルキル基
(例、1個または2個のフェニル基で置換されたC
1−6アルキル基)、(vi)1個または2個のアリー
ル基で置換されたアルケニル基(例、1個または2個の
フェニル基で置換されたC2−6アルケニル基)、(v
ii)シクロアルキル基(例、C3−10シクロアルキ
ル基)、(viii)部分飽和ナフチル基(例、ジヒド
ロナフチル基)、(ix)ヒドロキシ基、アルコキシ
基、アリールアルコキシ基、アルキル基、シアノ基、ア
リル基およびハロゲン原子から選ばれる1個または2個
の置換基で置換されていてもよいチエニル基もしくはフ
リル基、(x)ベンゾフラニル基および(xi)ベンゾ
チエニル基から選ばれる1個もしくは2個の置換基でそ
れぞれ置換されていてもよいオキサゾリル基、ベンゾオ
キサゾリル基またはチアゾリル基が好ましく、アリール
アルケニル基(例、フェニル−C2−6アルケニル基)
で置換されたオキサゾリル基およびアリールアルコキシ
−アリール基(例、フェニル−C1−6アルコキシ−フ
ェニル基)で置換されたオキサゾリル基がさらに好まし
い。
【0029】式
【化29】 で示される芳香族アゾール基としては、(i)アルキル
基(例、C1−10アルキル基)、(ii)アリール基
(例、フェニル基)、(iii)ヒドロキシアルキル基
(例、ヒドロキシ−C1−10アルキル基)、(iv)
カルボキシル基、(v)アルコキシカルボニル基(例、
2−7アルコキシカルボニル基)および(vi)カル
バモイル基から選ばれる1個もしくは2個の置換基でそ
れぞれ置換されていてもよいピロリル基、イミダゾリル
基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基ま
たはベンズイミダゾリル基が好ましく、イミダゾリル基
およびトリアゾリル基がさらに好ましい。環AはYの種
類(CHまたはN)により、置換されていてもよいベン
ゼン環または置換されていてもよいピリジン環を形成
し、好適な例としては置換されていてもよいベンゼン環
が挙げられ、さらに好適な例としては1もしくは2個の
−6アルコキシ基で置換されていてもよいベンゼン
環またはピリジン環が挙げられる。
【0030】式
【化30】 で表される基の好適な例としては、式
【化31】 で表される基が挙げられ、最も好適な例としては、1,
3−フェニレン基または1,4−フェニレン基が挙げら
れる。Xは酸素原子(O)、酸化されていてもよい硫黄
原子〔S(O)k(kは0〜2の整数を示す〕、−C
(=O)−または−CH(OH)−を示し、好適な例と
しては酸素原子等が挙げられる。pは0〜10の整数を
示し、好適な例としては0〜6の整数が挙げられ、より
好適な例としては3〜5の整数が挙げられる。qは1〜
5の整数を示し、好適な例としては1が挙げられる。
【0031】化合物(I)の具体例としては、特開平1
1−60571号公報の実施例で製造されている化合物
が用いられるが、なかでも(i)1−[4−[4−[2
−[(E)−2−フェニルエテニル]−4−オキサゾリ
ルメトキシ]フェニル]ブチル]−1,2,4−トリア
ゾール、(ii)4−[4−[4−(1−イミダゾリル)
ブチル]フェノキシメチル]−2−[(E)−2−フェ
ニルエテニル]オキサゾール、(iii)4−[4−[3
−(1−イミダゾリル)プロピル]フェノキシメチル]
−2−[(E)−2−フェニルエテニル]オキサゾー
ル、(iv)4−[3−[3−(1−イミダゾリル)プロ
ピル]フェノキシメチル]−2−[(E)−2−フェニ
ルエテニル]オキサゾール、(v)2−(4−ベンジル
オキシフェニル)−4−[4−[4−[3−(1−イミ
ダゾリル)プロピル]フェノキシメチル]オキサゾー
ル、(vi)4−[4−[3−(1−イミダゾリル)プロ
ピル]フェノキシメチル]−2−(2−チエニル)オキ
サゾール、(vii)4−[4−[3−(1−イミダゾリ
ル)プロピル]フェノキシメチル]−2−(5−メチル
−2−チエニル)オキサゾール、(viii)2−(5−ク
ロロ−2−チエニル)−4−[4−[3−(1−イミダ
ゾリル)−プロピル]フェノキシメチル]オキサゾー
ル、(ix)4−[4−[3−(1−イミダゾリル)プロ
ピル]フェノキシメチル]−2−(2−チエニル)チア
ゾール、(x)5−[4−[3−(1−イミダゾリル)
プロピル]フェノキシメチル]−2−(2−チエニル)
ベンゾオキサゾールなどが好ましい。
【0032】また、上記化合物(I)としては、例え
ば、式
【化32】 〔式中、mは1または2、Rはハロゲンまたはハロゲ
ン化されていてもよいC 1−2アルキル、RおよびR
の一方は水素原子、他方は式
【化33】 (式中、nは3または4、Rは1ないし2個のヒドロ
キシ基で置換されたC −4アルキル基を示す)で表さ
れる基を示す。〕で表される化合物(I')などが好ま
しい。
【0033】上記式(I')中、Rで示される「ハロ
ゲン」としては、例えば、フルオロ、クロロ、ブロモ、
ヨードなどが挙げられる。このうちフルオロが好まし
い。Rで示される「ハロゲン化されていてもよいC
1−2アルキル」の「ハロゲン」としては、例えば、フ
ルオロ、クロロ、ブロモ、ヨードなどが挙げられる。こ
のうちフルオロが好ましい。Rで示される「ハロゲン
化されていてもよいC1−2アルキル」の「C1−
ルキル」としては、メチル、エチルが挙げられ、メチル
が好ましい。該「C1−2アルキル」は、上記ハロゲン
を、置換可能な位置に1ないし3個、好ましくは2ない
し3個有していてもよく、該ハロゲンの数が2個以上の
場合、各ハロゲンは同一または異なっていてもよい。該
「ハロゲン化されていてもよいC1−2アルキル」の具
体例としては、メチル、エチル、トリフルオロメチルな
どが挙げられる。Rとしては、ハロゲンまたはハロゲ
ン化されたC1−2アルキルが好ましく、フルオロおよ
びトリフルオロメチルがさらに好ましい。mが2の場
合、各Rは異なっていてもよい。
【0034】RまたはRで示される式
【化34】 〔式中、Rは上記と同意義を示す〕で表される基は、
好ましくは式
【化35】 〔式中、Rは上記と同意義を示す〕で表される基であ
る。
【0035】Rで示される「1ないし2個のヒドロキ
シ基で置換されたC1−4アルキル基」の「C1−4
ルキル基」としては、例えば、メチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチ
ル、tert−ブチルなどが挙げられる。中でもエチ
ル、プロピルなどが好ましい。該「1ないし2個のヒド
ロキシ基で置換されたC1−4アルキル基」の具体例と
しては、2−ヒドロキシエチル、2,3−ジヒドロキシ
プロピル、1,3−ジヒドロキシプロピルなどが挙げら
れる。中でも好ましくは2,3−ジヒドロキシプロピル
である。
【0036】上記式中、Rが式
【化36】 で表される基およびRが水素原子である場合が好まし
い。Rが水素原子およびRが式
【化37】 で表される基である場合も好ましい。Rが式
【化38】 〔式中、nは上記と同意義を示す〕で表される基および
が水素原子である場合も好ましく、さらに好ましく
はnが4である。
【0037】化合物(I')の好ましい例としては、式
【化39】 〔式中、各記号は上記と同意義を示す〕で表される化合
物またはその塩が挙げられる。化合物(I)中、mが
1、Rが4−トリフルオロメチル、Rが式
【化40】 で表される基、およびRが水素原子である化合物また
はその塩が好ましい。
【0038】化合物(I')の具体例としては、 1−(4−{4−[(2−{(E)−2−[4−(ト
リフルオロメチル)フェニル]エテニル}−1,3−オ
キサゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}ブチル)
−1H−1,2,3−トリアゾール、 1−(3−{3−[(2−{(E)−2−[4−(ト
リフルオロメチル)フェニル]エテニル}−1,3−オ
キサゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピ
ル)−1H−1,2,3−トリアゾール、 3−(1−{4−[4−({2−[(E)−2−
(2,4−ジフルオロフェニル)エテニル]−1,3−
オキサゾール−4−イル}メトキシ)フェニル]ブチ
ル}−1H−イミダゾール−2−イル)−1,2−プロ
パンジオールなどが挙げられる。
【0039】本発明の化合物(I)の塩としては、薬学
的に許容される塩が好ましく、例えば無機塩基との塩、
有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性
または酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。無機塩基
との塩の好適な例としては、例えばナトリウム塩、カリ
ウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシ
ウム塩などのアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩;ア
ンモニウム塩などが挙げられる。有機塩基との塩の好適
な例としては、例えばトリメチルアミン、トリエチルア
ミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタ
ノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシ
ルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミンなど
との塩が挙げられる。無機酸との塩の好適な例として
は、例えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸など
との塩が挙げられる。有機酸との塩の好適な例として
は、例えばギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマール
酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク
酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン
酸、p−トルエンスルホン酸などとの塩が挙げられる。
塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えばアル
ギニン、リジン、オルニチンなどとの塩が挙げられ、酸
性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えばアスパラ
ギン酸、グルタミン酸などとの塩が挙げられる。化合物
(I)には、(Z)−エテニル体および(E)−エテニ
ル体の2種が存在し、この異性体が単独の場合も、それ
らの混合物の場合も本発明に含まれる。また、化合物
(I)が不斉炭素を有する場合、光学異性体が生ずる
が、この異性体が単独の場合も、それらの混合物の場合
も本発明に含まれる。
【0040】化合物(I)またはその塩は、自体公知の
方法、例えば特開平11−60571号公報に記載の方
法に準じた方法などにより得られる。特に、化合物
(I')またはその塩は、例えば以下の反応式A〜Hで
示される方法等により得られる。以下の反応式の略図中
の化合物の各記号は上記と同意義を示す。反応式中の化
合物は塩を形成している場合も含む。
【0041】
【化41】
【0042】Xで示される「脱離基」としては、例え
ばハロゲン(例、クロロ、ブロモなど)または式:−O
SO〔式中、Rはアルキルまたは置換基を有し
ていてもよいアリールを示す〕で表される基などが挙げ
られる。Rで示される「アルキル」としては、例えば
メチル、エチル、プロピルなどのC1−6アルキルなど
が挙げられる。Rで示される「置換基を有していても
よいアリール」の「アリール」としては、例えば、フェ
ニルなどのC6−14アリールが挙げられる。Rで示
される「置換基を有していてもよいアリール」の「置換
基」としては、メチル、エチル、プロピルなどのC
1−6アルキルなどが挙げられる。該「置換基を有して
いてもよいアリール」の具体例としては、C1−6アル
キルを有していてもよいフェニル(例、p−トリルな
ど)などが挙げられる。
【0043】化合物(II)と化合物(III)とを反
応させ、化合物(I')を得る。本反応は、通常、塩基
の存在下、化合物(II)と化合物(III)とを縮合
させる。該「塩基」としては、例えばアルカリ金属また
はアルカリ土類金属の水酸化物(例、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウムなど)、アルカリ金属またはアルカ
リ土類金属の炭酸塩(例、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナ
トリウム、炭酸カリウムなど)、アミン類(例、ピリジ
ン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリンな
ど)、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水素化物
(例、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化カル
シウムなど)、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の
低級アルコキシド(例、ナトリウムメトキシド、ナトリ
ウムエトキシド、カリウム tert−ブトキシドな
ど)などが挙げられる。「塩基」の好ましい使用量は、
化合物(II)に対して約1〜5モル当量である。「化
合物(III)」の好ましい使用量は、化合物(II)
に対して約0.5〜5モル当量である。本反応は、反応
に影響を及ぼさない溶媒存在下にて行うのが有利であ
る。該溶媒は、反応が進行する限り特に限定されない
が、例えば芳香族炭化水素類、エーテル類、ケトン類、
ハロゲン化炭化水素類、アミド類、スルホキシド類また
はこれら二種以上の混合物等が用いられる。反応温度
は、通常−50〜+150℃、好ましくは約−10〜+
100℃である。反応時間は、通常0.5〜48時間で
ある。
【0044】化合物(II)は、自体公知の方法または
これに準じた方法に従って製造でき、例えば、Xがクロ
ロである化合物(IIa)は、以下の反応式Bで示され
る方法等により製造できる。
【化42】
【0045】化合物(IV)と1,3−ジクロロアセト
ンとを縮合・脱水反応に付して化合物(IIa)を得
る。化合物(IV)は、市販されている場合には、市販
品をそのまま用いてもよく、また、自体公知の方法また
はこれに準じた方法等に従って製造してもよい。「1,
3−ジクロロアセトン」の使用量は、化合物(IV)に
対して、約1当量ないし大過剰(溶媒量)である。本反
応は、無溶媒または反応に影響を及ぼさない溶媒存在下
にて行うのが有利である。該溶媒は、反応が進行する限
り特に限定されないが、例えば芳香族炭化水素類、エー
テル類、ケトン類、ハロゲン化炭化水素類またはこれら
二種以上の混合物等が用いられる。反応温度は、通常5
0〜150℃、好ましくは約60〜120℃である。反
応時間は、通常0.5〜48時間である。生成物は反応
液のまま、あるいは粗成物として次の反応に用いること
もできるが、常法に従って反応混合物から単離すること
もできる。
【0046】化合物(III)うち、Rが水素原子で
ある化合物(IIIa)は、自体公知の方法またはこれ
に準じた方法に従って製造でき、例えば、以下の反応式
Cで示される方法により製造できる。
【化43】
【0047】上記式中、Pは水素原子または保護基、
は脱離基を示す。Pで示される「保護基」として
は、例えばアルキル(例、メチル、エチルなどのC
1−6アルキルなど)、フェニル−C1−6アルキル
(例、ベンジルなど)、C1−6アルキル−カルボニ
ル、アルキル置換シリル(例、トリメチルシリル、te
rt−ブチルジメチルシリルなど)などが挙げられる。
で示される「脱離基」としては、例えば上記X
示される「脱離基」と同様のものが挙げられる。
【0048】化合物(V)と化合物(VI)または化合
物(VII)とを縮合させて化合物(VIII)を得、
必要に応じ、次いで脱保護反応に付すことにより、化合
物(IIIa)を得る。化合物(V)、化合物(VI)
および化合物(VII)は、市販されている場合には、
市販品をそのまま用いてもよく、また、自体公知の方法
またはこれに準じた方法等に従って製造してもよい。該
「縮合反応」は、通常、塩基の存在下、反応に影響を及
ぼさない溶媒中で行われる。該「塩基」としては、上記
反応式Aで詳述した塩基が用いられる。「塩基」の好ま
しい使用量は、化合物(V)に対して約1〜5モル当量
である。「化合物(VI)または化合物(VII)」の
好ましい使用量は、化合物(V)に対して約0.5〜5
モル当量である。該溶媒は、反応が進行する限り特に限
定されないが、例えば芳香族炭化水素類、エーテル類、
ケトン類、ハロゲン化炭化水素類、アミド類、スルホキ
シド類またはこれら二種以上の混合物等が用いられる。
反応温度は、通常−50〜+150℃、好ましくは約−
10〜+100℃である。反応時間は約0.5〜48時
間である。得られた化合物(VIII)は反応液のま
ま、あるいは粗成物として次の反応に用いることもでき
るが、常法に従って反応混合物から単離することもでき
る。
【0049】該「脱保護反応」は、常法の中から適宜選
択することができる。例えばPがアルキルの場合、化
合物(VIII)を酸(例、臭化水素酸などの鉱酸、四
塩化チタンなどのルイス酸など)処理に付す。例えばP
がフェニル−C1−6アルキルの場合、化合物(VI
II)を水素添加反応に付す。例えばPがアルキル置
換シリルの場合、化合物(VIII)とフッ化物(例、
テトラブチルアンモニウムフルオリドなど)とを反応さ
せる。得られた化合物(IIIa)は反応液のまま、あ
るいは粗成物として次の反応に用いることもできるが、
常法に従って反応混合物から単離することもできる。
【0050】化合物(III)うち、Rが水素原子で
ある化合物(IIIb)は、自体公知の方法またはこれ
に準じた方法に従って製造でき、例えば、以下の反応式
Dで示される方法により製造できる。
【化44】
【0051】上記式中、Pは水素原子または保護基、
は脱離基を示すPで示される「保護基」として
は、上記Pで示される「保護基」と同様のものが挙げ
られる。Xで示される「脱離基」としては、例えば上
記Xで示される「脱離基」と同様のものが挙げられ
る。上記反応式Cに記載の方法と同様の方法により、化
合物(IX)と化合物(VI)または化合物(VII)
とを縮合させて化合物(X)を得、必要に応じ、次いで
脱保護反応に付すことにより、化合物(IIIb)を得
る。化合物(IX)は、市販されている場合には、市販
品をそのまま用いてもよく、また、自体公知の方法また
はこれに準じた方法等に従って製造してもよい。
【0052】化合物(I')のうち、Rが水素原子で
ある化合物(I'a)は、以下の反応式Eに記載の方法
に従っても製造できる。
【化45】 上記式中、Xは脱離基を示す。Xで示される「脱離
基」としては、例えば上記Xで示される「脱離基」と
同様のものが挙げられる。
【0053】化合物(XI)と化合物(VI)または化
合物(VII)とを反応させ、化合物(Ia)を得る。
本反応は、通常、塩基の存在下、化合物(XI)と化合
物(VI)または化合物(VII)とを縮合させる。該
「塩基」としては、上記反応式Aで詳述した塩基が用い
られる。「塩基」の好ましい使用量は、化合物(XI)
に対して約1〜5モル当量である。「化合物(VI)」
および「化合物(VII)」の好ましい使用量は、化合
物(XI)に対して、それぞれ約0.5〜5モル当量で
ある。本反応は、反応に影響を及ぼさない溶媒存在下に
て行うのが有利である。該溶媒は、反応が進行する限り
特に限定されないが、例えば芳香族炭化水素類、エーテ
ル類、ケトン類、ハロゲン化炭化水素類、アミド類、ス
ルホキシド類またはこれら二種以上の混合物等が用いら
れる。反応温度は、通常−20〜+150℃、好ましく
は約−10〜+100℃である。反応時間は、通常0.
5〜48時間である。
【0054】化合物(XI)は、自体公知の方法または
これに準じた方法に従って製造でき、例えば、以下の反
応式Fで示される方法により製造できる。
【化46】
【0055】上記式中、Xは脱離基を示す。Xで示
される「脱離基」としては、例えば上記Xで示される
「脱離基」と同様のものが挙げられ、好ましくは、X
よりも反応性の低い脱離基である。上記反応式Aに記載
の方法と同様の方法により、化合物(II)と化合物
(XII)とを反応させて化合物(XI)を得る。化合
物(XII)は、市販されている場合には、市販品をそ
のまま用いてもよく、また、自体公知の方法またはこれ
に準じた方法等に従って製造してもよい。
【0056】化合物(I')のうち、Rが水素原子で
ある化合物(I'b)は、以下の反応式Gに記載の方法
に従っても製造できる。
【化47】
【0057】上記式中、Xは脱離基を示す。Xで示
される「脱離基」としては、例えば上記Xで示される
「脱離基」と同様のものが挙げられる。上記反応式Eに
記載の方法と同様の方法により、化合物(XIII)と
化合物(VI)または化合物(VII)とを反応させ、
化合物(I'b)を得る。
【0058】化合物(XIII)は、自体公知の方法ま
たはこれに準じた方法に従って製造でき、例えば、以下
の反応式Hで示される方法により製造できる。
【化48】
【0059】上記式中、Xは脱離基を示す。Xで示
される「脱離基」としては、例えば上記Xで示される
「脱離基」と同様のものが挙げられれ、好ましくは、X
よりも反応性の低い脱離基である。上記反応式Aに記
載の方法と同様の方法により、化合物(II)と化合物
(XIV)とを反応させて化合物(XIII)を得る。
化合物(XIV)は、市販されている場合には、市販品
をそのまま用いてもよく、また、自体公知の方法または
これに準じた方法等に従って製造してもよい。
【0060】上記「芳香族炭化水素類」としては、例え
ばベンゼン、トルエン、キシレンなどが用いられる。上
記「エーテル類」としては、例えばテトラヒドロフラ
ン、ジオキサンなどが用いられる。上記「ケトン類」と
しては、例えばアセトン、2−ブタノンなどが用いられ
る。上記「ハロゲン化炭化水素類」としては、例えばク
ロロホルム、ジクロロメタンなどが用いられる。上記
「アミド類」としては、例えばN,N−ジメチルホルム
アミドなどが用いられる。上記「スルホキシド類」とし
ては、例えばジメチルスルホキシドなどが用いられる。
【0061】上記の各反応において、生成物が遊離体で
得られた場合はその塩に、また、塩で得られた場合は遊
離体にそれぞれ常法に従って変換することができる。上
記の反応において、置換基中にアミノ(NH)、ヒド
ロキシ(OH)、カルボキシル(COOH)等が含まれ
る場合には、これらの基が保護されたものを原料として
用い、反応後に自体公知の方法により保護基を除去して
目的物を製造してもよい。アミノの保護基としては、例
えばアシル(例、アセチル等のC1− アルキル−カル
ボニル;ベンジルオキシカルボニル;tert−ブトキ
シカルボニル等のC1−6アルコキシ−カルボニル;フ
タロイル;ホルミル等)などが挙げられる。ヒドロキシ
の保護基としては、例えばC1−6アルキル(例、メチ
ル、エチル等)、フェニル−C1−6アルキル(例、ベ
ンジル等)、C1−6アルキル−カルボニル(例、アセ
チル等)、ベンゾイル、アルキル置換シリル(例、トリ
メチルシリル、tert−ブチルジメチルシリル等)な
どが挙げられる。カルボキシルの保護基としては、例え
ばC1−6アルキル(例、メチル、エチル等)、フェニ
ル−C1−6アルキル(例、ベンジル等)などが挙げら
れる。
【0062】かくして得られた化合物(I')〔(I'
a)および(I'b)を含む〕は、自体公知の分離手
段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、
転溶、クロマトグラフィーなどにより単離、精製するこ
とができる。化合物(I')が遊離体で得られた場合に
は、自体公知の方法あるいはそれに準じる方法によって
目的とする塩に変換することができ、逆に塩で得られた
場合には、自体公知の方法あるいはそれに準ずる方法に
より、遊離体または、目的とする他の塩に変換すること
ができる。化合物(I)は、水和物であってもよく、非
水和物であってもよい。化合物(I)が光学活性体の混
合物として得られる場合には、自体公知の光学分割手段
により目的とする(R)体または(S)体に分離するこ
とができる。化合物(I)は同位元素(例、H、14
C等)などで標識されていてもよい。
【0063】化合物(I)またはその塩(化合物(I)
と略記)のプロドラッグは、生体内における生理条件下
で酵素や胃酸等による反応により化合物(I)に変換す
る化合物、すなわち酵素的に酸化、還元、加水分解等を
起こして化合物(I)に変化する化合物、胃酸等により
加水分解などを起こして化合物(I)に変化する化合物
であってよい。化合物(I)のプロドラッグとしては、
化合物(I)のアミノ基がアシル化、アルキル化、りん
酸化された化合物(例、化合物(I)のアミノ基がエイ
コサノイル化、アラニル化、ペンチルアミノカルボニル
化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン
−4−イル)メトキシカルボニル化、テトラヒドロフラ
ニル化、ピロリジルメチル化、ピバロイルオキシメチル
化、tert−ブチル化された化合物など);化合物
(I)の水酸基がアシル化、アルキル化、りん酸化、ほ
う酸化された化合物(例、化合物(I)の水酸基がアセ
チル化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロイル
化、サクシニル化、フマリル化、アラニル化、ジメチル
アミノメチルカルボニル化された化合物など);化合物
(I)のカルボキシル基がエステル化、アミド化された
化合物(例、化合物(I)のカルボキシル基がエチルエ
ステル化、フェニルエステル化、カルボキシメチルエス
テル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロイル
オキシメチルエステル化、エトキシカルボニルオキシエ
チルエステル化、フタリジルエステル化、(5−メチル
−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチ
ルエステル化、シクロヘキシルオキシカルボニルエチル
エステル化、メチルアミド化された化合物など)等が挙
げられる。これらの化合物は自体公知の方法によって化
合物(I)から製造することができる。また、化合物
(I)のプロドラッグは、広川書店1990年刊「医薬
品の開発」第7巻分子設計163頁から198頁に記載
されているような、生理的条件で、化合物(I)に変化
するものであってもよい。
【0064】化合物(I)もしくはその塩またはそのプ
ロドラッグは、チロシンキナーゼ阻害作用を有し、哺乳
動物におけるチロシンキナーゼ依存性疾患の予防または
治療に用いることができる。チロシンキナーゼ依存性疾
患には、異常なチロシンキナーゼ酵素活性による細胞増
殖亢進性の疾患が含まれる。さらに、化合物(I)もし
くはその塩またはそのプロドラッグは、HER2チロシ
ンキナーゼを特異的に阻害するため、HER2を発現し
ている癌の増殖を抑制する治療剤として、または、ホル
モン依存性癌のホルモン非依存性癌への移行を防ぐ予防
剤としても有用である。すなわち、化合物(I)もしく
はその塩またはそのプロドラッグは、種々の癌(なかで
も乳癌、前立腺癌、膵癌、胃癌、肺癌、結腸癌、直腸
癌、食道癌、十二指腸癌、舌癌、咽頭癌、脳腫瘍、神経
鞘腫、非小細胞肺癌、肺小細胞癌、肝臓癌、腎臓癌、胆
管癌、子宮体癌、子宮頸癌、卵巣癌、膀胱癌、皮膚癌、
血管腫、悪性リンパ腫、悪性黒色腫、甲状腺癌、骨腫
瘍、血管線維腫、網膜肉腫、陰茎癌、小児固形癌、カポ
ジ肉腫、AIDSに起因するカポジ肉腫、上顎洞腫瘍、
線維性組織球腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、白血病な
ど)、アテローム性動脈硬化症、血管新生(例、固形癌
および肉腫の成長にともなう血管新生、腫瘍の転移にと
もなう血管新生、および糖尿病性網膜症にともなう血管
新生など)、ウイルス性疾患(HIV感染など)などの
異常な細胞増殖による疾患に対する安全な予防または治
療剤として用いることができ、単独またはこれらの疾患
に有効な他剤と併用して用いることができる。チロシン
キナーゼ依存性疾患にはさらに、異常なチロシンキナー
ゼ酵素活性に関連する心臓血管疾患が含まれる。従っ
て、化合物(I)もしくはその塩またはそのプロドラッ
グは、再狭窄のような心臓血管疾患に対する予防または
治療剤として用いることもできる。
【0065】本発明の固体分散体に使用される親水性重
合体としては、例えば、水溶性重合体、腸溶性重合体、
胃溶性重合体などが用いられ、なかでも腸溶性重合体が
好ましく用いられる。水溶性重合体としては、例えば、
ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピル
メチルセルロース等のヒドロキシアルキルセルロース;
メチルセルロース、エチルセルロース等のアルキルセル
ロースなどのセルロース誘導体;ポリビニルピロリド
ン等のポリアルケニルピロリドン;ポリエチレングリ
コール等のポリアルキレングリコールなどが用いられ
る。腸溶性重合体としては、例えば、ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロースフタレート等のヒドロキシアルキル
セルロースフタレート;ヒドロキシプロピルメチルセル
ロースアセテートサクシネート等のヒドロキシアルキル
セルロースアセテートサクシネート;カルボキシメチル
エチルセルロース等のカルボキシアルキルセルロース;
酢酸フタル酸セルロース;メタアクリル酸コポリマー
(オイドラギット(登録商標)L−100−55)等の
アクリル酸エチルおよびメタアクリル酸の共重合体;メ
タアクリル酸コポリマーL、メタアクリル酸コポリマー
S等のメタアクリル酸メチルおよびメタアクリル酸の共
重合体などが用いられる。胃溶性重合体としては、例え
ば、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE;ポ
リビニルアセタールジエチルアミノアセテートなどが用
いられる。その他、メタアクリル酸コポリマーRL、メ
タアクリル酸コポリマーRS等のアクリル酸エチルおよ
びメタアクリル酸メチルの少量の4級アンモニウムグル
ープを含む共重合体、カルボキシメチルセルロース、カ
ルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、アラ
ビアゴム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレ
ングリコールエステル、カンテン、ゼラチン、キトサン
といった水難溶性ないし不溶性HER2阻害物質を分散
させうる親水性重合体が用いられる。これらの親水性重
合体は、2種類以上混合して使用しても良い。
【0066】上記した中でも、親水性重合体としては、
ヒドロキシアルキルセルロース、アルキルセルロース、
ポリアルケニルピロリドン、ポリアルキレングリコー
ル、メタアクリル酸コポリマー、カルボキシメチルセル
ロースなどが好ましく、特にヒドロキシプロピルメチル
セルロースフタレート、ポリビニルピロリドン、ヒドロ
キシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルエチ
ルセルロース、メタアクリル酸コポリマーLなどが好適
である。
【0067】本発明の固体分散体は、一般的に医薬品製
剤の分野で使用される添加剤を含んでいてもよい。添加
剤としては、製剤素材として慣用されている各種有機、
無機担体物質などの薬学的に許容される担体が用いら
れ、賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、界面活性剤など
として配合される。また必要に応じて、防腐剤、抗酸化
剤、着色剤、甘味剤などの製剤添加物を用いることもで
きる。賦形剤の好適な例としては、例えば、乳糖、白
糖、D−マンニトール、デンプン、結晶セルロース、シ
ュクロース、有孔デンプン、マンニトール、ケイ酸カル
シウム(商品名:フローライトRE)、メタケイ酸アル
ミン酸マグネシウム(商品名:ノイシリン)、軽質無水
ケイ酸(商品名:サイリシア)、白糖・デンプン球状顆
粒(品名:ノンパレル)、結晶セルロース・カルボキシ
メチルセルロース(商品名:アビセルRC)、ヒドロキ
シプロピルスターチなどが用いられる。滑沢剤の好適な
例としては、例えば結晶セルロース、ステアリン酸マグ
ネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイド
シリカ、トウモロコシデンプン、酸化マグネシウムなど
が挙げられる。結合剤の好適な例としては、例えば結晶
セルロース、白糖、D−マンニトール、デキストリン、
ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメ
チルセルロース、ポリビニルピロリドンなどが挙げられ
る。崩壊剤の好適な例としては、例えばデンプン、カル
ボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース
カルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキ
シメチルスターチナトリウム、メチルセルロース(商品
名:メトローズSM)、クロスカルメロースナトリウ
ム、カルメロースカルシウム、低置換ヒドロキシプロピ
ルセルロース、でんぷんグリコール酸ナトリウム、部分
アルファー化デンプンなどが用いられる。界面活性剤と
しては、例えば、ポリオキシエチレンポリオキシプロピ
レングリコール(商品名:プルロニック)、グリセリン
脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエ
チレン硬化ヒマシ油、ポリソルベート80、セタノール
などが用いられる。防腐剤の好適な例としては、例え
ば、パラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノー
ル、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒ
ドロ酢酸、ソルビン酸などが用いられる。抗酸化剤の好
適な例としては、例えば、亜硫酸塩、アスコルビン酸な
どが用いられる。これらの添加剤は、単独で、または2
種以上を混合して使用してもよい。
【0068】本発明の固体分散体は、自体公知の方法を
用いて製造できるが、具体的には、例えばスプレードラ
イ法、ロータリーエバポレーション法などの溶媒法;例
えば二軸エクストルーダー法などの溶融法;混合粉砕
法;超音波成形機などを用いる超音波法などにより製造
することができる。より具体的には、本発明の固体分散
体は、下記の溶媒法により製造することができる。 (1)HER2阻害物質を適当な有機溶媒に溶解し、
(2)この溶液に親水性重合体を加え、(3)必要に応
じて、この懸濁液または溶液に賦形剤、崩壊剤、滑沢剤
および界面活性剤のような添加剤を懸濁し、次いで、
(4)この均質な懸濁液から常法、例えばスプレードラ
イ法、ロータリーエバポレーション法などにより、減圧
下または常圧下で有機溶媒を溜去する。また、より一層
均質な固体分散体を所望する場合には、均質な懸濁液を
上記操作法(2)で製造し、次いで逐次下記操作法に付
す。(5)上記製造法(2)で製造した懸濁液を適当な
有機溶媒に溶解し、(6)必要に応じて賦形剤、崩壊
剤、滑沢剤および界面活性剤のような添加剤を懸濁し、
次いで、(7)有機溶媒を常法、例えばスプレードライ
法、ロータリーエバポレーション法などにより、により
減圧下または常圧下で溜去する。
【0069】上記操作(1)で使用する有機溶媒として
は、水難溶性ないし不溶性のHER2阻害物質および親
水性重合体を溶解しうるものであれば特に限定されず、
例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソ
プロピルアルコール、ブタノール、モノメトキシエタノ
ール、エチレングリコールモノメチルエーテル等のアル
コール;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソ
ブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エ
チレングリコール等のエーテル類;n−ヘキサン、シク
ロヘキサン、n−ヘプタンのような脂肪族炭化水素類:
ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素
類:アセトニトリル等のニトリル類;酢酸、プロピオン
酸等の有機酸類;酢酸エチル等のエステル類、ジクロロ
メタン、ジクロロエタン、クロロホルム等の脂肪族ハロ
ゲン化炭化水素類;アセトン、メチルケトン等のケトン
類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等の
アミド類;もしくはこれらの適当な比率の混合液などが
用いられる。それらの中でも、ケトン類、アルコール類
などの低沸点の溶剤が好ましく、なかでもアセトン、エ
タノールなどが好ましい。
【0070】処理温度、処理時間などの操作条件は、使
用される原料化合物、有機溶媒などによって異なるが、
処理温度は通常200℃以下である。溶融法では、水難
溶性ないし不溶性のHER2阻害物質を融点以上に加温
して溶融した後、親水性重合体、必要に応じて賦形剤、
崩壊剤、滑沢剤および界面活性剤のような添加剤をこれ
に溶解し、急冷することによって製造することができ
る。例えば、二軸エクストルーダー法では、水難溶性な
いし不溶性のHER2阻害物質と親水性重合体、必要に
応じて賦形剤、崩壊剤、滑沢剤および界面活性剤のよう
な添加剤を物理混合したものを、高圧下で加温すること
により水難溶性ないし不溶性のHER2阻害物質を融点
以下の温度で溶融させた後、急冷することによって製造
することができる。混合粉砕法では、水難溶性ないし不
溶性のHER2阻害物質と親水性重合体、必要に応じて
賦形剤、崩壊剤、滑沢剤および界面活性剤のような添加
剤を物理混合したものを混合粉砕することによって製造
することができる。超音波法では、水難溶性ないし不溶
性のHER2阻害物質と親水性重合体、必要に応じて賦
形剤、崩壊剤、滑沢剤および界面活性剤のような添加剤
を物理混合したものを臼に充填し予成形した後、超音
波、例えば超音波成形機を用いて、超音波を照射するこ
とにより製造することができる。
【0071】親水性重合体の量は特に限定されず、水難
溶性ないし不溶性のHER2阻害物質を分散しうる量で
あればいかなる量でもよい。例えば、親水性重合体と水
難溶性ないし不溶性のHER2阻害物質との好適な重量
比は、0.01:1から100:1の範囲であればよ
く、好ましくは0.02:1から50:1、より好まし
くは0.1:2から20:1であり、さらに好ましくは
0.3:1ないし10:1、または1:1ないし20:
1、より好ましくは1:1ないし10:1、さらに好ま
しくは1:1ないし5:1であり、特に3〜5(特に
4):1または2ないし4:1が好適である。添加剤の
量は特に限定されないが、添加剤を使用する場合、賦形
剤、崩壊剤、滑沢剤、界面活性剤などの添加剤と水難溶
性ないし不溶性のHER2阻害物質との好適な重量比は
通常0.1:1から20:1の範囲であればよく、好ま
しくは0.3:1ないし10:1、さらに好ましくは
1:1ないし3:1である。上記操作(5)で使用する
有機溶媒は特に限定されず、例えばクロロホルム、ジク
ロロメタンなどのような上記操作法(2)の懸濁液を溶
解しうる溶媒であればいかなる溶媒でもよい。
【0072】本発明の固体分散体は、それ自体経口投与
用医薬製剤として使用することができ、また常法により
細粒剤、微細顆粒、顆粒、錠剤、カプセル剤、注射剤な
どの医薬製剤とすることもできる。本発明の固体分散体
を含有する医薬製剤は、所望によっては、上記した添加
剤、具体的には、着色剤、甘味剤、芳香剤、例えばシュ
クロース、乳糖、デンプン、結晶性セルロース、合成ケ
イ酸アンモニウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク
なその希釈剤や滑沢剤を経口投与用医薬製剤に混合して
もよい。また、製剤表面をコーティングすることにより
徐放性製剤とすることもできる。通常、HER2阻害物
質は水難溶性ないし不溶性であるため、経口投与した場
合、投与量のうち実際に血中へ吸収される割合が小さい
ために、バイオアベイラビリティが低いという欠点を有
している。しかし、本発明の固体分散体を上記の種々の
投与形態に任意に変化させて製造した種々の製剤は、水
難溶性ないし不溶性のHER2阻害物質それ自体の結晶
と比して、溶解度、経口吸収性または(および)血液中
への吸収性が著しく改良される。このように、本発明は
固体分散体は、水難溶性ないし不溶性のHER2阻害物
質の可溶化が達成され、これにより水難溶性ないし不溶
性のHER2阻害物質のバイオアベイラビリティが飛躍
的に改良されている。
【0073】本発明の固体分散体における水難溶性ない
し不溶性のHER2阻害物質の含有量は、剤型、投与方
法、担体などにより異なるが、製剤全量に対して、通常
0.1〜99%(w/w)、好ましくは10〜50%
(w/w)、より好ましくは20〜40%(w/w)、
さらに好ましくは25〜35%(w/w)である。本発
明の固体分散体における親水性重合体の含有量は、剤
型、投与方法、担体などにより異なるが、製剤全量に対
して、通常1〜99.9%(w/w)、好ましくは50
〜90%(w/w)、より好ましくは60〜80%(w
/w)、さらに好ましくは65〜75%(w/w)であ
る。本発明の固体分散体における添加物の含有量は、剤
型、投与方法などにより異なるが、製剤全量に対して、
通常10〜99%(w/w)である。本発明の医薬製剤
における固体分散体の含有量は、剤型、投与方法、担体
などにより異なるが、製剤全量に対して、通常0.1〜
100%(w/w)、好ましくは5〜80%(w/
w)、より好ましくは30〜60%(w/w)、さらに
好ましくは33〜50%(w/w)である。本発明の医
薬製剤における添加物の含有量は、剤型、投与方法など
により異なるが、製剤全量に対して、通常10〜99%
(w/w)である。本発明の固体分散体を他の添加剤と
混合して製剤化する場合、固体分散体として約30ない
し40重量%と約70ないし約60重量%の添加剤とを
混合して製剤とするのが好ましい。このような添加剤お
よびその使用量(製剤中の重量割合)は、たとえば乳糖
(約3−30重量%)、結晶セルロース(約40−60
重量%)、形質無水ケイ酸(約0.5−13重量%)、
カルメロースカルシウム(約1−5重量%)、ステアリ
ン酸マグネシウム、乾燥メタアクリル酸コポリマー(約
30−35重量%)、D−マンニトール(約35−45
重量%)、ポピドン(約6−10重量%)、クロスポピ
ドン(約5−10重量%)、ステアリン酸マグネシウム
(約0.3−2.0重量%)などから適宜選択して用い
るのが好ましい。
【0074】また、本発明の固体分散体またはそれを含
有する医薬製剤には、他のホルモン療法剤、化学療法
剤、免疫療法剤または細胞増殖因子ならびにその受容体
の作用を阻害する薬剤などを配合させてもよい。該「ホ
ルモン療法剤」としては、例えば、ホスフェストロー
ル、ジエチルスチルベストロール、クロロトリアニセリ
ン、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロー
ル、酢酸クロルマジノン、酢酸シプロテロン、ダナゾー
ル、アリルエストレノール、ゲストリノン、メパルトリ
シン、ラロキシフェン、オルメロキフェン、レボルメロ
キシフェン、抗エストロゲン(例、クエン酸タモキシフ
ェン、クエン酸トレミフェンなど)、ピル製剤、メピチ
オスタン、テストロラクトン、アミノグルテチイミド、
LH−RHアゴニスト(例、酢酸ゴセレリン、ブセレリ
ン、リュープロレリンなど)、ドロロキシフェン、エピ
チオスタノール、スルホン酸エチニルエストラジオー
ル、アロマターゼ阻害薬(例、塩酸ファドロゾール、ア
ナストロゾール、レトロゾール、エキセメスタン、ボロ
ゾール、フォルメスタンなど)、抗アンドロゲン(例、
フルタミド、ビカルタミド、ニルタミドなど)、5α-
レダクターゼ阻害薬(例、フィナステリド、エプリステ
リドなど)、副腎皮質ホルモン系薬剤(例、デキサメタ
ゾン、プレドニゾロン、ベタメタゾン、トリアムシノロ
ンなど)、アンドロゲン合成阻害薬(例、アビラテロン
などやリアーゼ阻害薬)、レチノイドおよびレチノイド
の代謝を遅らせる薬剤(例、リアロゾールなど)などが
挙げられ、なかでもLH−RHアゴニスト(例、酢酸ゴ
セレリン、ブセレリン、リュープロレリンなど)が好ま
しい。
【0075】該「化学療法剤」としては、例えばアルキ
ル化剤、代謝拮抗剤、抗癌性抗生物質、植物由来抗癌剤
などが挙げられる。「アルキル化剤」としては、例え
ば、ナイトロジェンマスタード、塩酸ナイトロジェンマ
スタード−N−オキシド、クロラムブチル、シクロフォ
スファミド、イホスファミド、チオテパ、カルボコン、
トシル酸インプロスルファン、ブスルファン、塩酸ニム
スチン、ミトブロニトール、メルファラン、ダカルバジ
ン、ラニムスチン、リン酸エストラムスチンナトリウ
ム、トリエチレンメラミン、カルムスチン、ロムスチ
ン、ストレプトゾシン、ピポブロマン、エトグルシド、
アルトレタミン、アンバムスチン、塩酸ジブロスピジウ
ム、フォテムスチン、プレドニムスチン、プミテパ、リ
ボムスチン、テモゾロミド、トレオスルファン、トロフ
ォスファミド、ジノスタチンスチマラマー、カルボコ
ン、アドゼレシン、システムスチン、ビゼレシン、白金
錯体(カルボプラチン、シスプラチン、ミボプラチン、
ネダプラチン、オキサリプラチンなど)などが挙げられ
る。「代謝拮抗剤」としては、例えば、メルカプトプリ
ン、6−メルカプトプリンリボシド、チオイノシン、メ
トトレキサート、エノシタビン、シタラビン、シタラビ
ンオクフォスファート、塩酸アンシタビン、5−FU系
薬剤(例、フルオロウラシル、テガフール、UFT、ド
キシフルリジン、カルモフール、ガロシタビン、エミテ
フールなど)、アミノプテリン、ロイコボリンカルシウ
ム、タブロイド、ブトシン、フォリネイトカルシウム、
レボフォリネイトカルシウム、クラドリビン、エミテフ
ール、フルダラビン、ゲムシタビン、ヒドロキシカルバ
ミド、ペントスタチン、ピリトレキシム、イドキシウリ
ジン、ミトグアゾン、チアゾフリン、アンバムスチンな
どが挙げられる。「抗癌性抗生物質」としては、例え
ば、アントラサイクリン系抗癌薬(塩酸ドキソルビシ
ン、塩酸ダウノルビシン、塩酸アクラルビシン、塩酸ピ
ラルビシン、塩酸エピルビシンなど)、アクチノマイシ
ンD、アクチノマイシンC、マイトマイシンC、クロモ
マイシンA3、塩酸ブレオマイシン、硫酸ブレオマイシ
ン、硫酸ペプロマイシン、ネオカルチノスタチン、ミス
ラマイシン、ザルコマイシン、カルチノフィリン、ミト
タン、塩酸ゾルビシン、塩酸ミトキサントロン、塩酸イ
ダルビシンなどが挙げられる。「植物由来抗癌剤」とし
ては、例えば、ビンカアルカロイド系抗癌薬(硫酸ビン
ブラスチン、硫酸ビンクリスチン、硫酸ビンデシンな
ど)、タクサン系抗癌薬(パクリタクセル、ドセタクセ
ルなど)、エトポシド、リン酸エトポシド、テニポシ
ド、ビノレルビンなどが挙げられる。
【0076】該「免疫療法剤(BRM)」としては、例
えば、ピシバニール、クレスチン、シゾフィラン、レン
チナン、ウベニメクス、インターフェロン、インターロ
イキン、マクロファージコロニー刺激因子、顆粒球コロ
ニー刺激因子、エリスロポイエチン、リンホトキシン、
BCGワクチン、コリネバクテリウムパルブム、レバミ
ゾール、ポリサッカライドK、プロコダゾールなどが挙
げられる。該「細胞増殖因子ならびにその受容体の作用
を阻害する薬剤」における、「細胞増殖因子」として
は、細胞の増殖を促進する物質であればどのようなもの
でもよく、通常、分子量が20,000以下のペプチド
で、受容体との結合により低濃度で作用が発揮される因
子が挙げられ、具体的には、(1)EGF(epidermalgr
owth factor)またはそれと実質的に同一の活性を有す
る物質〔例、EGF、ハレグリン(HER2リガンド)
など〕、(2)インシュリンまたはそれと実質的に同一
の活性を有する物質〔例、インシュリン、IGF(insul
in-like growthfactor)−1、IGF−2など〕、(3)
FGF(fibroblast growth factor)またはそれと実質
的に同一の活性を有する物質〔例、酸性FGF、塩基性
FGF、KGF(keratinocyte growth factor)、FG
F-10など〕、(4)その他の細胞増殖因子〔例、CS
F(colony stimulating factor)、EPO(erythropo
ietin)、IL−2(interleukin-2)、NGF(nerve gr
owth factor)、PDGF(platelet-derived growth fa
ctor)、TGFβ(transforming growth factorβ)、
HGF(hepatocyte growth factor)、VEGF(vasc
ular endothelialgrowth factor)など)などがあげら
れる。該「細胞増殖因子の受容体」としては、上記の細
胞増殖因子と結合能を有する受容体であればいかなるも
のであってもよく、具体的には、EGF受容体、ハレグ
リン受容体(HER2)、インシュリン受容体、IGF
受容体、FGF受容体−1またはFGF受容体−2、H
GF受容体(c−met)、VEGF受容体、SCF受
容体(c−kit)などがあげられる。該「細胞増殖因
子の作用を阻害する薬剤」としては、ハーセプチン(H
ER2抗体)、GLEEVEC(c−met、c−ki
t、abl阻害薬)、Iressa(EGF受容体阻害
薬)などがあげられる。また、一つの薬剤で複数の細胞
増殖因子の作用を阻害する薬剤や、細胞増殖因子よって
発せられる細胞内の情報を遮断する薬剤も含まれる。前
記の薬剤の他に、L−アスパラギナーゼ、アセグラト
ン、塩酸プロカルバジン、プロトポルフィリン・コバル
ト錯塩、水銀ヘマトポルフィリン・ナトリウム、トポイ
ソメラーゼI阻害薬(例、イリノテカン、トポテカンな
ど)、トポイソメラーゼII阻害薬(例えば、ソブゾキ
サンなど)、分化誘導剤(例、レチノイド、ビタミンD
類など)、血管新生阻害薬、α−ブロッカー(例、塩酸
タムスロシンなど)なども用いることができる。上記し
た中でも、併用薬としては、LH−RHアゴニスト
(例、酢酸ゴセレリン、ブセレリン、リュープロレリン
など)、ハーセプチン(HER2抗体)、Iress
a、タクサン系薬剤(例、パクリタクセル、ドセタクセ
ル)、白金錯体(例、カルボプラチン、シスプラチン、
オキサリプラチンなど)、5−FU系薬剤(例、フルオ
ロウラシル、テガフール、UFT、ドキシフルリジンな
ど)、ゲムシタビン、アントラサイクリン系抗癌薬
(例、塩酸ドキソルビシン、塩酸ダウノルビシン、塩酸
エピルビシンなど)、シクロフォスファミド、イホスフ
ァミド、ビンカアルカロイド系抗癌薬(例、硫酸ビンブ
ラスチン、硫酸ビンクリスチン、硫酸ビンデシンなど)
などが好ましい。また、これら薬剤の併用療法と併用し
て用いることもできる。例えば、タクサン系薬剤と白金
錯体の併用、ゲムシタビンとタクサン系または白金錯体
または5−FUとの併用、シクロフォスファミドとアン
トラサイクリン系抗癌薬の併用、さらには、これらとI
ressaまたはハーセプチンとの併用などがあげられ
る。併用する時の投与法としては、個々の薬剤をそれぞ
れの最適な投与法で投与する方法と、併用による効果を
高めるために個々の投与法を最適な投与法から変更した
方法のどちらも用いることができる。本発明の固体分散
体またはそれを含有する医薬製剤におけるこれら他の薬
物の含有量は、剤型、投与方法、担体などにより異なる
が、製剤全量に対して、通常0〜95%(w/w)であ
る。
【0077】本発明の固体分散体またはそれを含有する
医薬製剤は、毒性が低く、哺乳動物(例、ヒト、ウマ、
ウシ、犬、猫、ラット、マウス、ウサギ、ブタ、サル
等)に対して安全に使用することができる。本発明の固
体分散体またはそれを含有する医薬製剤をヒト等の哺乳
動物に投与するにあたって、投与方法は経口的あるいは
非経口的の何れであってもよい。本発明の固体分散体ま
たはそれを含有する医薬製剤の投与量は、投与ルート、
症状等によって異なるが、例えば乳癌、前立腺癌を持つ
患者(体重40ないし80kg)に抗癌剤として経口投
与する場合、例えば、水難溶性ないし不溶性のHER2
阻害物質として、1日0.5〜100mg/kg体重、
好ましくは1日1〜50mg/kg体重、さらに好まし
くは1日1〜25mg/kg体重である。この量を1日
1回または2〜3回に分けて投与することができる。
【0078】
【実施例】以下に参考例、実施例および試験例を挙げ
て、本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらに限定
されるものではない。参考例のカラムクロマトグラフィ
ーにおける溶出は、TLC(Thin Layer C
hromatography, 薄層クロマトグラフィ
ー)による観察下に行われた。TLCの観察において
は、TLCプレートとしてメルク社製のキーゼルゲル6
0F254プレートを使用し、展開溶媒としてはカラム
クロマトグラフィーで溶出溶媒として用いられた溶媒
を、検出法としてUV検出器を採用した。カラム用シリ
カゲルは、同じくメルク社製のキーゼルゲル60F
254(70〜230メッシュ)を用いた。NMRスペ
クトルは、プロトンNMRを示し、内部標準としてテト
ラメチルシランを用いてVARIAN Gemini−
200(200MHz型スペクトロメーター)で測定
し、δ値をppmで表した。参考例で用いる略号は、次
のような意義を有する。 s :シングレット br :ブロード(幅広い) d :ダブレット t :トリプレット q :クワルテット dd :ダブルダブレット dt :ダブルトリプレット m :マルチプレット J :カップリング定数 Hz :ヘルツ DMF:N,N−ジメチルホルムアミド THF:テトラヒドロフラン
【0079】参考例A1 4−クロロメチル−2−[(E)−2−(4−メチルフ
ェニル)エテニル]−1,3−オキサゾール (i)(E)−3−(4−メチルフェニル)−2−プロ
ペナミド 4−メチル桂皮酸(15.19g)のTHF(100m
L)溶液にDMF(5滴)を加え、氷冷下、塩化オキサ
リル(9.6mL)を加え、室温で2時間攪拌した。塩
化オキサリル(4.0mL)を追加し、さらに室温で1
時間攪拌後、濃縮乾固した。残留物を酢酸エチル(50
mL)に溶解し、氷冷下25%アンモニア水(50m
L)−酢酸エチル(20mL)混液に滴下した。水層を
塩析し、有機層を酢酸エチルで抽出した。抽出液を硫酸
マグネシウムで乾燥後、減圧下に濃縮した。析出物をヘ
キサンおよびジエチルエーテルで洗浄し、標題化合物
(11.63g)を無色結晶として得た。 H−NMR (CDCl) δ : 2.37
(3H, s), 5.56 (2H, brs),
6.41 (1H, d, J = 15.8),7.
18 (2H, d, J = 8.0), 7.42
(2H, d,J = 8.0), 7.62 (1
H, d, J = 15.8). IR (KBr) : 1671, 1601, 15
18, 1397, 1254, 1123, 99
0, 816cm−1. (ii)4−クロロメチル−2−[(E)−2−(4−
メチルフェニル)エテニル]−1,3−オキサゾール (E)−3−(4−メチルフェニル)−2−プロペナミ
ド(8.06g)および1,3−ジクロロアセトン
(6.98g)をトルエン(50mL)中3時間還流し
た。冷後、反応液を酢酸エチルで希釈し、水、食塩水で
洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮し
た。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(溶
出液;酢酸エチル:ヘキサン=1:4)に付して精製
し、標題化合物(8.44g)を白色粉末晶として得
た。 H−NMR (CDCl) δ : 2.38
(3H, s), 4.54 (2H, s), 6.
87 (1H, d, J = 16.2), 7.2
0 (2H, d, J = 8.2), 7.43
(2H, d, J= 8.2), 7.52 (1
H, d, J = 16.2), 7.62 (1
H, s). IR (KBr) : 1642, 1607, 15
91, 1537, 1345, 1267, 97
6, 943, 810cm−1
【0080】参考例A2 4−クロロメチル−2−[(E)−2−(4−フルオロ
フェニル)エテニル]−1,3−オキサゾール 4−フルオロ桂皮酸(25g)をジクロロメタン(30
0mL)に懸濁し、氷冷・撹拌下、DMF(0.5m
L)、ついで塩化オキサリル(15.36mL)を滴下
し、3時間同温度を保ち、徐々に室温に戻した。減圧
下、溶媒を留去して残留物を酢酸エチル(100mL)
に溶解した。本溶液を、氷冷した25%アンモニア水
(250mL)および酢酸エチル(52.5mL)の混
合溶液に滴下した。反応液を酢酸エチル(400mL×
2)で抽出し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去し、析出結晶を濾
取・乾燥し、(E)−3−(4−フルオロフェニル)−
2−プロペナミド(24.4g)を得た。得られた
(E)−3−(4−フルオロフェニル)−2−プロペナ
ミド(17.55g)および1,3−ジクロロアセトン
(12.85g)を130℃で溶融し、1.5時間かき
まぜた。室温に戻して酢酸エチルで抽出し、氷水、飽和
重曹水、飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで
乾燥後、溶媒を留去し、残留物をカラムクロマトグラフ
ィー(溶出液;ジエチルエーテル:ヘキサン=1:9→
3:17)に付して精製し、標題化合物(10.5g)
を無色結晶として得た。 H−NMR(CDCl)δ:4.54(2H,
s), 6.84(1H,d,J=16.0Hz),
7.09(2H,t,J=8.8Hz), 7.47−
7.55(3H,m), 7.63(1H,s). IR (KBr):3173, 3133, 306
3, 3040, 1645, 1601, 159
1, 1537, 1508, 1435, 141
6, 1350, 1275, 1233, 116
7, 1101, 999cm −1
【0081】参考例A3 4−クロロメチル−2−[(E)−2−(4−トリフル
オロメチルフェニル)エテニル]−1,3−オキサゾー
ル (i)(E)−3−(4−トリフルオロメチルフェニ
ル)−2−プロペナミド 4−トリフルオロメチル桂皮酸(19.4g)、DMF
(6滴)のTHF(100mL)懸濁液に0℃で塩化オ
キサリル(11.7mL)を滴下し、室温で2時間攪拌
した。溶媒を減圧留去後、残渣を酢酸エチル(60m
L)に溶解し、25%アンモニア水−酢酸エチル(5:
1、120mL)に注いだ。水層を塩析後、酢酸エチル
−THF(12:1)混液(650mL)、酢酸エチル
(100mL×2)で抽出し、無水硫酸マグネシウムで
乾燥した。溶媒を減圧留去後、残渣を酢酸エチル−ヘキ
サンから再結晶し、標題化合物(18.0g)を無色板
状結晶として得た。 H−NMR (CDCl) δ : 5.58
(2H, br s),6.53 (1H, d, J
= 15.8 Hz), 7.63−7.72(5
H, m). IR (KBr): 3326, 3167, 168
6, 1636, 1617, 1404, 1190
cm−1
【0082】(ii)4−クロロメチル−2−[(E)
−2−(4−トリフルオロメチルフェニル)エテニル]
−1,3−オキサゾール (E)−3−(4−トリフルオロメチルフェニル)−2
−プロペナミド(17.9g)、1,3−ジクロロアセ
トン(14.8g)のトルエン溶液(83mL)溶液を
ディーン・スターク(Dean−Stark)装置を用
いて9時間加熱還流した。冷後、反応液に水を加えて酢
酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液、ヘキサン:酢
酸メチル=6:1→5:1)で精製し、標題化合物(1
5.1g)を無色針状結晶として得た。 H−NMR (CDCl) δ :4.55 (2
H, d, J = 0.8 Hz), 7.00
(1H, d, J = 16.2 Hz), 7.5
6 (1H, d, J = 16.2 Hz),
7.64−7.68(5H, m). IR (KBr): 1350, 1325, 117
0, 1136, 1113, 1071, 959,
826, 727, 708 cm−1
【0083】参考例A4 4−クロロメチル−2−[(E)−2−(2,4−ジフ
ルオロフェニル)エテニル]−1,3−オキサゾール (E)−3−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−プ
ロペナミド(9.16g)、1,3−ジクロロアセトン
(7.62g)を用いて参考例A1−(ii)と同様の
反応を行い、標題化合物(6.31g)を無色結晶とし
て得た。 H−NMR (CDCl) δ : 4.55
(2H, s), 6.8−7.0 (2H, m),
6.96 (1H, d, J = 16.8),
7.45−7.7 (3H, m).
【0084】参考例A5 4−クロロメチル−2−[(E)−2−(2,6−ジフ
ルオロフェニル)エテニル]−1,3−オキサゾール (E)−(2,6−ジフルオロフェニル)−2−プロペ
ナミド(9.0g)および1,3−ジクロロアセトン
(7.49g)を用いて参考例A1−(ii)と同様の
反応を行い、標題化合物(7.18g)を淡黄色固体と
して得た。 H−NMR (CDCl) δ : 4.55
(2H, s), 6.85−7.0 (2H,
m), 7.2−7.35 (2H, m), 7.5
5−7.7 (1H, m), 7.66 (1H,
s).
【0085】参考例A6 3−(1H−イミダゾール−2−イル)−1,2−プロ
パンジオール 3,4−ジヒドロキシブチロニトリル(30.33g)
を無水メタノール(12.2mL)に溶解し、氷冷・撹
拌下、5.12規定塩化水素エーテル溶液(62mL)
を5℃以下で加えた。同温度で35時間撹拌すると二層
の溶液が得られた。上層を除き、下層を無水メタノール
(45mL)に溶解した。アミノアセトアルデヒドジメ
チルアセタール(31.5g)の無水メタノール(45
mL)溶液を氷冷・撹拌下、20℃以下で加え、27時
間撹拌した。減圧下、溶媒を留去し、残留物に水(57
mL)と濃塩酸(142mL)を加えて室温で2時間撹
拌した。減圧下、溶媒を留去し、残留物に炭酸カリウム
水溶液を加えpH10に調整後、再度溶媒を留去した。
残渣をエタノール(500mL)で抽出し、濃縮乾固し
た。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製後、イ
オン交換樹脂(アンバーリスト15)で脱塩処理し、標
題化合物(13.16g)を淡褐色結晶として得た。 mp 98−100 ℃. H−NMR(DMSO−d)δ:2.60(1H,
dd,J=7.6Hz,14.8Hz), 2.80
(1H,dd,J=5.0Hz,14.8Hz),3.
28(1H,dd,J=5.6Hz,10.2Hz),
3.35(1H,dd,J=5.4Hz,10.2H
z), 3.72−3.85(1H,m), 6.88
(2H,s). IR (KBr):3167, 3094, 292
8, 2656, 1559, 1456, 141
6, 1379, 1327, 1291, 127
5, 1242, 1202, 1152, 111
1, 1092, 1044 cm−1
【0086】参考例A7 (2R)−3−(1H−イミダゾール−2−イル)−
1,2−プロパンジオール (i)(2R)−1−(ベンジルオキシ)−3−(1−
トリチル−1H−イミダゾール−2−イル)−2−プロ
パノール 1−トリチルイミダゾール(3.10g)のTHF溶液
(80mL)にアルゴン雰囲気中、氷冷下、n−ブチル
リチウム(1.6Mヘキサン溶液、6.9ml)を滴下
した。同温度で30分間攪拌後、(R)−2−[(ベン
ジルオキシ)メチル]オキシラン(1.52mL)を加
えた。氷冷下で1.5時間、室温で1時間攪拌後、反応
液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水、食
塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に濃
縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィ−(溶出
液;酢酸エチル:ヘキサン=1:1)に付して精製し、
標題化合物(1.402g)を淡黄色油状物として得
た。 H−NMR (CDCl) δ: 2.06 (2
H, dd, J =2.8Hz, 18.0Hz),
3.08 (1H, dd, J = 5.4Hz,
9.8Hz), 3.21 (1H, dd, J
= 5.4Hz, 9.8Hz), 3.55−3.7
(1H, m), 4.36 (2H, s),
6.73 (1H, d, J = 1.4Hz),
6.93(1H, d, J = 1.4Hz),
7.0−7.4 (20H, m).
【0087】(ii)(2R)−1−(ベンジルオキ
シ)−3−(1H−イミダゾール−2−イル)−2−プ
ロパノール (2R)−1−(ベンジルオキシ)−3−(1−トリチ
ル−1H−イミダゾール−2−イル)−2−プロパノー
ル(1.40g)のアセトン(8mL)溶液に1規定塩
酸(8mL)を加え、50℃で1時間攪拌した。1規定
塩酸(8mL)追加し、さらに50℃で2時間撹拌し
た。反応液を濃縮して水を加え、ジエチルエーテルで2
回洗浄した。水層を重曹水で中和後、酢酸エチルで抽出
し、食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧
下に濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィ−(溶出液;酢酸エチル:メタノール=10:1)
に付して精製し、標題化合物(424mg)を無色油状
物として得た。 H−NMR (CDCl)δ: 2.85 (1
H, dd, J = 7.8Hz, 15.6H
z), 2.99 (1H, dd, J = 3.6
Hz, 15.6Hz), 3.39 (1H, d
d, J = 7.0Hz, 9.5Hz), 3.5
2 (1H, dd, J = 4.4Hz, 9.5
Hz), 4.1−4.3 (1H, m), 4.5
5 (2H, s), 6.94 (2H, s),
7.3−7.45 (5H, m).
【0088】(iii)(2R)−3−(1H−イミダ
ゾール−2−イル)−1,2−プロパンジオール (2R)−1−(ベンジルオキシ)−3−(1H−イミ
ダゾール−2−イル)−2−プロパノール(424m
g)のメタノール(10mL)溶液に10%パラジウム
炭素(50%含水、85mg)を加え、水素雰囲気下、
50−60℃で2日間攪拌した。触媒をろ去し、ろ液を
濃縮し、標題化合物(254mg)を白色固体として得
た。 H−NMR (CDCl)δ: 2.58 (1
H,dd,J=7.6Hz, 14.6Hz), 2.
78 (1H, dd, J =5.2Hz, 14.
6Hz), 3.17 (1H, d, J=5.2H
z), 3.2−3.3 (1H, m), 3.7−
3.85 (1H, m), 4.6−4.7 (1
H, m), 4.86 (1H, d, J=4.8
Hz), 6.76 (1H, brs), 6.95
(1H, brs). [α] 22 = + 2.5°(C = 1.0,メ
タノール)
【0089】参考例A8 (2S)−3−(1H−イミダゾール−2−イル)−
1,2−プロパンジオール(i)(3S)−4−(ベン
ジルオキシ)−3−(トリメチルシリルオキシ)ブチロ
ニトリル (2S)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]オキシラ
ン(6.57g)とトリメチルシランカルボニトリル
(5.0g)の混合液にシアン化カリウム(26mg)
と18−クラウン−6(106mg)を加えてアルゴン
雰囲気下、135℃で75分間還流した。冷後、減圧蒸
留に付し、標題化合物(7.42g)を得た。 H−NMR (CDCl) δ : 0.15(9
H,s), 2.52(1H,dd,J=6.6Hz,
16.6Hz), 2.65(1H,dd, J=4.
6Hz, 16.6Hz), 3.39(1H,dd,
J=6.8Hz,9.6Hz), 3.50(1H,d
d,J=4.8Hz,9.6Hz), 4.01−4.
14(1H,m), 4.52(2H,s), 7.2
6−7.44(5H,m). IR (neat):3065, 3032, 295
7, 2903, 2865, 2251, 160
7, 1588, 1497, 1454, 141
6, 1366, 1254, 1209, 111
7, 1001 cm
【0090】(ii)(3S)−4−(ベンジルオキ
シ)−3−ヒドロキシブチロニトリル (3S)−4−(ベンジルオキシ)−3−[(トリメチ
ルシリル)オキシ]ブチロニトリル(7.41g)をテ
トラヒドロフラン(28.2mL)に溶解し、氷冷撹拌
下、1M−テトラブチルアンモニウムフルオリドTHF
溶液(28.2mL)を加えて1.5時間撹拌した。減
圧下、溶媒を留去し、残渣をエーテルに溶解し、水、飽
和食塩水で洗浄した。減圧下、溶媒を留去し、残留物を
シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し標題化合
物(4.58g)を無色油状物として得た。 H−NMR(DMSO−d)δ:2.56(1H,
dd,J=6.4Hz,16.8Hz), 2.70
(1H,dd,J=4.6Hz,16.8Hz),3.
34(1H,dd,J=6.2Hz,9.8Hz),
3.44(1H,dd,J=5.4Hz,9.8H
z), 3.85−3.95(1H,m),5.52
(2H,d,J=5.2Hz), 7.25−7.40
(5H,m). IR (neat):3600−3200, 306
5, 3032, 2867, 2253, 160
5, 1586, 1497, 1454, 141
6, 1364, 1308, 1254, 120
8, 1101, 1078 cm−1
【0091】(iii)(2S)−1−(ベンジルオキ
シ)−3−(1H−イミダゾール−2−イル)−2−プ
ロパノール (3S)−4−(ベンジルオキシ)−3−ヒドロキシブ
チロニトリル(6.51g)、5.12規定塩化水素エ
ーテル溶液(7.0mL)、アミノアセトアルデヒドジ
メチルアセタール(3.58g)を用いて参考例A6と
同様の反応を行い、標題化合物(2.22g)を淡褐色
油状物として得た。 H−NMR(CDCl)δ:2.84(1H,d
d,J=7.8Hz,15.4Hz), 2.97(1
H,dd,J=3.6Hz,15.4Hz), 3.4
1(1H,dd,J=6.8Hz,9.4Hz),
3.51(1H,dd,J=4.4Hz,9.4H
z), 4.11−4.23(1H,m), 4.54
(2H,s), 6.91(2H,s), 7.27
(5H,m). IR (neat):3400−3140, 306
5, 3032, 2903, 2865, 160
1, 1557, 1495, 1454, 142
7, 1366, 1312, 1206, 110
1, 1028 cm−1. [α] 22 = − 2.3°(C = 1.04,
メタノール)
【0092】(iv)(2S)−3−(1H−イミダゾ
ール−2−イル)−1,2−プロパンジオール (2S)−1−(ベンジルオキシ)−3−(1H−イミ
ダゾール−2−イル)−2−プロパノール(1.725
g)をエタノール(30mL)に溶解し、10%パラジ
ウム炭素(1.04g)を加え、60℃、5気圧の水素
雰囲気下、24時間激しく撹拌した。触媒を濾去し、溶
媒留去後の残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマト
グラフィーで精製すると標題化合物(0.945g)が
得られた。本品のスペクトルデータ(H−NMR、I
R)は参考例A6の化合物と一致した。
【0093】参考例A9 (i)4−(4−ベンジルオキシフェニル)−3−ブテ
ン−1−オール アルゴン雰囲気下、3−ヒドロキシプロピルトリフェニ
ルホスホニウムブロミド(4.02g)を脱水THF
(30mL)に懸濁し、60%油性水素化ナトリウム
(0.4g)を加えて、3時間還流した。反応液に4−
ベンジルオキシベンズアルデヒド(2.12g)の脱水
THF溶液(7mL)を滴下し、67時間還流した。冷
後、不溶物をろ去し、ろ液を減圧濃縮した。残留物をカ
ラムクロマトグラフィー(溶出液;ヘキサン:酢酸エチ
ル=9:1→4:1)に付して精製し、題記化合物
(1.76g)を無色結晶として得た。 H−NMR (CDCl) δ: 2.46(0.
8H,dq,J=1.4Hz,6.2Hz), 2.6
1(1.2H,dq,J=1.6Hz,6.4Hz),
3.71−3.78(2H,m), 5.06(1.
2H,s), 5.07(1.8H,s), 5.59
(0.6H,dt,J=7.2Hz,11.6Hz),
6.07(0.4H,dt,J=7.2Hz,15.
8Hz),6.45(0.4H,d,J=15.8H
z), 6.52(0.6H,d,J=11.6H
z), 6.89−6.98(2H,m), 7.22
−7.46(7H,m). IR (KBr): 3279, 3063, 303
6, 3011, 2911, 2867, 160
7, 1574, 1510, 1470, 145
4, 1383, 1302, 1250, 117
7, 1117, 1053, 1017 cm−1
【0094】(ii)4−(4−ヒドロキシブチル)フ
ェノール 4−(4−ベンジルオキシフェニル)−3−ブテン−1
−オール(1.70g)をメタノール−THF混液
(1:1,20mL)に溶解し、10%パラジウム炭素
(0.17g)を添加後、水素雰囲気下、1.5時間激
しくかきまぜた。触媒をろ去して、ろ液を減圧濃縮し、
標題化合物(1.1g)を無色結晶性粉末として得た。 H−NMR(CDCl)δ: 1.50−1.76
(4H,m), 2.57(2H,t,J=7.1H
z), 3.67(2H,t,J=6.2Hz),6.
74(2H,d,J=8.4Hz), 7.03(2
H,d,J=8.4Hz). IR (KBr): 3500−3100, 302
5, 2940, 2859, 1615, 159
7, 1514, 1456, 1362, 124
0, 1173, 1107, 1055, 1024
cm−1
【0095】(iii)4−[4−(ベンジルオキシ)
フェニル]−1−ブタノール アルゴン雰囲気下、4−(4−ヒドロキシブチル)フェ
ノール(9.43g)、65%油性水素化ナトリウム
(2.4g)に乾燥DMF(115mL)を加え15分
間かきまぜた。次いで氷冷撹拌下、ベンジルブロミド
(9.87g)の乾燥ジメチルホルムアミド(29.5
mL)溶液を滴下し同温度で2時間かきまぜた。反応液
に、氷水および1規定硫酸水素カリウム水溶液を加え、
酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、
無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、残
留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、
標題化合物(10.67g)を無色結晶性粉末として得
た。 H−NMR(DMSO−d)δ: 1.34−1.
64(4H,m), 2.50(2H,t,J=7.0
Hz), 3.39(2H,dt,J=5.2Hz,
6.4Hz), 4.34(1H,t,J=5.2H
z), 5.05(2H,s), 6.90(2H,
d,J=8.6Hz), 7.09(2H,d,J=
8.6Hz), 7.28−7.47(5H,m). IR (KBr): 3500−3200, 304
8, 3036, 2928, 2907, 286
1, 2840, 1615, 1582, 151
4, 1472, 1454, 1379, 136
0, 1298, 1285, 1250, 117
5, 1119, 1063, 1012 cm−1
【0096】(iv)4−[4−(ベンジルオキシ)フ
ェニル]ブチル メタンスルホナート 4−(4−ベンジルオキシフェニル)ブタノール(10
g)の酢酸エチル(390mL)溶液に氷冷下、トリエ
チルアミン(8.16mL)及びメタンスルホニルクロ
リド(4.53mL)を滴下した。同温度で30分、室
温で1時間撹拌した後、氷水と飽和食塩水で洗浄した。
無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去すると
標題化合物(14g)が油状物として得られた。本品は
精製する事なく次の工程に用いた。 H−NMR(CDCl)δ:1.64−1.86
(4H,m), 2.60(2H,t,J=7.1H
z), 2.98(3H,s), 4.23(2H,
t,J=6.1Hz), 5.05(2H,s),
6.91(2H,d,J=8.8Hz), 7.09
(2H,d,J=8.8Hz), 7.32−7.48
(5H,m). IR (neat):3063, 3031, 294
0, 2865, 1611, 1584, 151
2, 1456, 1354, 1337, 124
0, 1175, 1115, 1015 cm−1
【0097】(v)ベンジル 4−(4−ヨードブチ
ル)フェニル エーテル ヨウ化ナトリウム(29.25g)をアセトン(195
mL)に溶解し、4−[4−(ベンジルオキシ)フェニ
ル]ブチルメタンスルホナート(13g)を加えて、8
0℃で1.5時間還流した。冷後、溶媒を留去し、残留
物に酢酸エチル(750mL)を加え、水、チオ硫酸ナ
トリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を
無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下、溶媒を留去す
ると標題化合物(14.29g)が油状物として得られ
た。本品は精製する事なく次の工程に用いた。 H−NMR(CDCl)δ:1.63−1.93
(4H,m), 2.57(2H,t,J=7.3H
z), 3.19(2H,t,J=6.8Hz),5.
04(2H,s), 6.90(2H,d,J=8.8
Hz), 7.09(2H,d,J=8.8Hz),
7.30−7.47(5H,m). IR (neat):3063, 3031, 293
2, 2857, 1611, 1582, 151
0, 1454, 1381, 1298, 123
8, 1175, 1121, 1026 cm−1
【0098】(vi)1−[4−(4−ベンジルオキシ
フェニル)ブチル]−1H−1,2,3−トリアゾール ベンジル 4−(4−ヨードブチル)フェニル エーテ
ル(1.1g)、1H−1,2,3−トリアゾール
(0.31g)、炭酸カリウム(0.622g)をDM
F(7.5mL)に懸濁して、70℃で26.5時間か
きまぜた。冷後、反応液を酢酸エチルで抽出し、水、飽
和食塩水で洗浄した。減圧下、溶媒を留去し、残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;ヘキサ
ン:酢酸エチル=4:1→2:3)に付し、標題化合物
(0.391g)を得た。 H−NMR (CDCl) δ : 1.61(2
H,quintet,J=7.8Hz), 1.93
(2H,quintet,J=7.8Hz), 2.5
9(2H,t,J=7.6Hz), 4.39(2H,
t,J=7.1Hz), 5.04(2H,s),
6.90(2H,d,J=8.8Hz), 7.06
(2H,d,J=8.8Hz), 7.30−7.48
(5H,m),7.49(1H,s), 7.69(1
H,s). IR (KBr):3106, 3034, 294
0, 2861, 1611, 1582, 151
2, 1454, 1387, 1298, 124
4, 1177, 1113, 1080, 104
0, 1028 cm−1
【0099】(vii)4−[4−(1H−1,2,3
−トリアゾール−1−イル)ブチル]フェノール 1−[4−(4−ベンジルオキシフェニル)ブチル]−
1H−1,2,3−トリアゾール(0.38g)をメタ
ノール(7.6mL)に溶解して、10%−パラジウム
炭素(0.1g)を添加し、水素雰囲気下、14時間激
しくかきまぜた。触媒を濾去して、濾液を減圧下、濃縮
乾固し、標題化合物(0.268g)を結晶性粉末とし
て得た。 H−NMR (CDCl) δ :1.60(2
H,quintet,J=7.0Hz), 1.93
(2H,quintet,J=7.4Hz), 2.5
7(2H,t,J=7.5Hz), 4.40(2H,
t,J=7.0Hz), 6.79(2H,d,J=
8.6Hz), 6.99(2H,d,J=8.6H
z), 7.51(1H,s), 7.71(1H,
s). IR (KBr):3148, 3129, 301
7, 2946, 2861, 2814, 161
5, 1593, 1514, 1462, 138
1, 1269, 1242, 1225, 112
3, 1078 cm−1
【0100】参考例A10 4−[3−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イ
ル)プロピル]フェノール ベンジル 4−(3−ヨードプロピル)フェニル エー
テル(2.47g)、1H−1,2,3−トリアゾール
(629mgl)、炭酸カリウム(1.26gl)をD
MF(17.5mL)に懸濁して、70℃で18.5時
間かきまぜた。室温に戻し、酢酸エチルで抽出後、水、
飽和食塩水で洗浄した。減圧下、溶媒を留去し、残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液、ヘキサ
ン:酢酸エチル=4:1→2:3)に付して精製を行い
1−[3−(4−ベンジルオキシフェニル)プロピル]
−1H−1,2,3−トリアゾール(856mg)を得
た。 H−NMR (CDCl) δ :2.23(2
H,quintet,J=7.2Hz), 2.60
(2H,t,J=7.5Hz), 4.38(2H,
t,J=7.1Hz), 5.05(2H,s),
6.92(2H,d,J=8.8Hz), 7.10
(2H,d,J=8.8Hz), 7.30−7.48
(5H,m), 7.52(1H,s), 7.72
(1H,s). IR (KBr):3100, 3030, 296
0, 2926, 2860, 1613, 158
5, 1514, 1454, 1383, 129
8, 1250, 1215, 1177, 111
5, 1082, 1044, 1028, 1019
cm−1
【0101】1−[3−(4−ベンジルオキシフェニ
ル)プロピル]−1H−1,2,3−トリアゾール(8
50mg)をメタノール(29mL)に溶解して、10
%−パラジウム炭素(0.1g)を添加し、水素雰囲気
下、13時間激しくかきまぜた。触媒を濾去して、濾液
を減圧下、濃縮乾固し、標題化合物(600mg)を結
晶性粉末として得た。 H−NMR(CDCl)δ:2.22(2H,qu
intet,J=7.0Hz), 2.56(2H,
t,J=7.0Hz), 4.38(2H,t,J=
7.0Hz), 6.87(2H,d,J=8.6H
z), 7.04(2H,d,J=8.6Hz),
7.55(1H,s), 7.74(1H,s). IR (KBr):3127, 3100, 301
5, 2932, 1615, 1595, 151
6, 1456, 1373, 1244, 122
3, 1175, 1121, 1080, 1038
cm−1
【0102】参考例A11 3−[3−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イ
ル)プロピル]フェノール (i)3−[3−(ベンジルオキシ)フェニル]−1−
プロパノール アルゴン気流下、3−ベンジルオキシベンズアルデヒド
(21.3g)とジエチルホスホノ酢酸エチル(23.
6g)を乾燥DMF(250mL)に懸濁させた。氷冷
・撹拌下、65%油性水素化ナトリウム(3.88g)
を少量ずつ添加し、添加終了後、室温で2時間撹拌し
た。溶媒を留去後、残渣を酢酸エチルに溶解し、水、飽
和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減
圧下、溶媒を留去すると(E)−3−[3−(ベンジル
オキシ)フェニル]−2−プロペン酸エチルの粗生成物
33.15gが油状物として得られた。本品をエタノー
ル(406mL)に溶解し、エチレンジアミンで処理し
た5%パラジウム炭素[Pd−C(en),2.7g]
を加え、水素雰囲気下、激しく撹拌した。水素(1.7
5L)を消費させて水素添加を終了し、触媒を濾去し
た。減圧下、溶媒を留去し、残渣を脱水THF(120
mL)に溶解した。本溶液を氷冷下、水素化リチウムア
ルミニウム(4.61g)を懸濁させた脱水THF(1
20mL)混液に滴下した。氷冷下で1.5時間、さら
に室温で1時間撹拌した。反応液を氷水に加え、酸性に
調整後、酢酸エチルで抽出し、水、飽和食塩水で洗浄
後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留
去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精
製し、標題化合物(14.39g)を無色油状物として
得た。 H−NMR (CDCl) δ :1.80−1.
96(2H,m), 2.69(2H,t,J=7.7
Hz), 3.66(2H,t,J=6.4Hz),
5.05(2H,s), 6.77−6.87(3H,
m), 7.20(1H,t,J=8.0Hz),
7.28−7.48(5H,m). IR (neat):3330, 3063, 303
2, 2940, 2867, 1599, 158
2, 1487, 1453, 1381, 131
4, 1258, 1155, 1026 cm−1
【0103】(ii)3−[3−(ベンジルオキシ)フ
ェニル]プロピル メタンスルホナート 3−(3−ベンジルオキシフェニル)プロパノール(1
3.5g)、トリエチルアミン(8.16mL)および
メタンスルホニルクロリド(4.53mL)を用いて、
参考例A9−(iv)と同様の反応を行い、標題化合物
(19.7g)を油状物として得た。 H−NMR (CDCl) δ :2.00−2.
15(2H,m), 2.73(2H,t,J=7.5
Hz), 2.98(3H,s), 4.22(2H,
t,J=6.3Hz), 5.06(2H,s),
6.77−6.88(3H,m), 7.22(1H,
t,J=7.7Hz), 7.31−7.48(5H,
m). IR (neat):3032, 2940, 287
0, 1599, 1584, 1487, 145
3, 1381, 1354, 1260, 117
5, 1026 cm−1
【0104】(iii)ベンジル 3−(3−ヨードプ
ロピル)フェニル エーテル 3−[3−(ベンジルオキシ)フェニル]プロピルメタ
ンスルホナート(19.7g)およびヨウ化ナトリウム
(29.25g)を用いて参考例A9−(v)と同様の
反応を行い標題化合物(18.4g)を油状物として得
た。 H−NMR(CDCl)δ:2.11(2H,qu
intet,J=7.3Hz), 2.70(2H,
t,J=7.2Hz), 3.16(2H,t,J=
6.8Hz), 5.06(2H,s), 6.78−
6.87(3H,m), 7.21(1H,t,J=
7.2Hz), 7.32−7.48(5H,m). IR (neat):3063, 3031, 293
4, 2861, 1599, 1582, 148
7, 1451, 1381, 1316, 125
8, 1213, 1155, 1080, 1028
cm−1
【0105】(iv)1−[3−(3−ベンジルオキシ
フェニル)プロピル]−1H−1,2,3−トリアゾー
ル アルゴン雰囲気下、1H−1,2,3−トリアゾール
(0.9g)をDMF(20mL)に溶解し、65%油
性水素化ナトリウム(0.48g)を添加した。30分
撹拌後、ベンジル 3−(3−ヨードプロピル)フェニ
ル エーテル(3.53g)のDMF(5mL)溶液を
加え、室温で19時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで
希釈し、水、飽和食塩水で洗浄した。減圧下、溶媒を留
去し、残渣をカラムクロマトグラフィーに付し、標題化
合物(1.1g)を無色結晶として得た。 mp 74−75 ℃. H−NMR (CDCl) δ :2.25(2
H,quintet,J=7.2Hz), 2.63
(2H,t,J=7.3Hz), 4.37(2H,
t,J=7.1Hz), 5.05(2H,s),
6.75−6.88(3H,m), 7.23(1H,
t,J=8.2Hz), 7.31−7.47(5H,
m), 7.49(1H,d,J=1.0Hz),
7.71(1H,d,J=1.0Hz). IR (KBr):3125, 3063, 303
2, 2944, 2867, 1599, 158
4, 1487, 1453, 1381, 131
6, 1260, 1215, 1157, 111
3, 1074, 1028 cm−1
【0106】(v)3−[3−(1H−1,2,3−ト
リアゾール−1−イル)プロピル]フェノール 1−[3−(3−ベンジルオキシフェニル)プロピル]
−1H−1,2,3−トリアゾール(0.937g)の
メタノール溶液(32mL)に10%−パラジウム炭素
(0.1g)を添加し、水素雰囲気下、室温で8時間激
しくかきまぜた。触媒を濾去して、濾液を減圧下濃縮乾
固し、標題化合物(0.593g)を無色結晶として得
た。 mp 85−86 ℃. H−NMR (CDCl) δ :2.24(2
H,quintet,J=7.1Hz), 2.60
(2H,t,J=7.5Hz), 4.38(2H,
t,J=7.1Hz), 6.68−6.79(3H,
m), 6.96(1H,s), 7.16(1H,
t,J=8.1Hz), 7.54(1H,d,J=
1.0Hz), 7.73(1H,d,J=1.0H
z). IR (KBr):3129, 3077, 305
4, 2949, 2863, 2722, 261
4, 1599, 1588, 1483, 145
8, 1362, 1337, 1281, 122
1, 1157, 1121, 1080, 1038
cm−1
【0107】参考例A12 4−{4−[2−(2−ヒドロキシエチル)−1H−イ
ミダゾール−1−イル]ブチル}フェノール (i)2−(1−{4−[4−(ベンジルオキシ)フェ
ニル]ブチル}−1H−イミダゾール−2−イル)−1
−エタノール ベンジル 4−(4−ヨードブチル)フェニル エーテ
ル(14.29g)、2−(2−ヒドロキシエチル)イ
ミダゾール(13.1g)、炭酸カリウム(5.39
g)をDMF(390mL)中、60℃で16時間かき
まぜた。冷後、不溶物をろ去し、ろ液を減圧濃縮した。
残留物を酢酸エチルに溶解し、水、飽和食塩水で洗浄し
た。減圧下、溶媒を留去し残留物をカラムクロマトグラ
フィー(溶出液、酢酸エチル:メタノール=19:1→
9:1)に付して精製した。溶出物を酢酸エチル−メタ
ノールから再結晶し、標題化合物(10.99g)を無
色結晶として得た。 mp 75−77 ℃. H−NMR(CDCl)δ:1.53−1.82
(4H,m), 2.58(2H,t,J=7.1H
z), 2.78(2H,t,J=5.5Hz),3.
81(2H,t,J=6.9Hz), 4.03(2
H,t,J=5.5Hz), 5.04(2H,s),
6.80(1H,d,J=1.2Hz),6.90
(2H,d,J=8.6Hz), 6.93(1H,
d,J=1.2Hz), 7.05(2H,d,J=
8.6Hz), 7.34−7.47(5H,m). IR (KBr):3144, 3032, 293
4, 2859, 1611, 1582, 151
4, 1495, 1456, 1431, 138
1, 1298, 1273, 1244, 117
5, 1150, 1121, 1109, 105
1, 1026 cm−1
【0108】(ii)4−{4−[2−(2−ヒドロキ
シエチル)−1H−イミダゾール−1−イル]ブチル}
フェノール 2−(1−{4−[4−(ベンジルオキシ)フェニル]
ブチル}−1H−イミダゾール−2−イル)−1−エタ
ノール(10.67g)および10%パラジウム炭素
(1.6g)を用いて、参考例A11−(v)と同様の
反応を行い、標題化合物(5.3g)を得た。 mp 118−119 ℃. H−NMR(CDCl)δ:1.50−1.80
(4H,m), 2.55(2H,t,J=7.0H
z), 2.79(2H,t,J=5.8Hz),3.
82(2H,t,J=7.0Hz), 3.97(2
H,t,J=5.8Hz), 3.85−4.40(1
H,br), 6.77(2H,d,J=8.4H
z), 6.80(1H,s), 6.94(1H,
s), 6.96(2H,d,J=8.4Hz). IR (KBr):3600−2400, 1615,
1593, 1516, 1489, 1456,
1373, 1252, 1171, 1150, 1
125, 1103, 1055 cm−1
【0109】参考例A13 (i)2−(1−{3−[4−(ベンジルオキシ)フェ
ニル]プロピル}−1H−イミダゾール−2−イル)−
1−エタノール ベンジル 4−(3−ヨードプロピル)フェニルエーテ
ル(5.28g)、2−(2−ヒドロキシエチル)イミ
ダゾール(5.05g)および炭酸カリウム(2.07
g)を用いて、参考例A12−(i)と同様の反応を行
い、標題化合物(2.78g)を無色結晶として得た。 mp 80−82 ℃. H−NMR(CDCl)δ:2.03(2H,qu
intet,J=7.4Hz), 2.58(2H,
t,J=7.4Hz), 2.74(2H,t,J=
5.6Hz), 3.82(2H,t,J=7.4H
z), 4.01(2H,t,J=5.6Hz),
5.05(2H,s), 6.83(1H,s),6.
92(2H,d,J=8.6Hz), 6.94(1
H,s), 7.07(2H,d,J=8.6Hz),
7.32−7.47(5H,m). IR (KBr):3500−3100, 3110,
3063, 3032, 2934, 2865,
1611, 1584, 1512, 1495, 1
454, 1381, 1298, 1240, 11
77, 1152, 1121, 1057, 102
4 cm−1
【0110】(ii)4−{3−[2−(2−ヒドロキ
シエチル)−1H−イミダゾール−1−イル]プロピ
ル}フェノール 2−(1−{3−[4−(ベンジルオキシ)フェニル]
プロピル}−1H−イミダゾール−2−イル)−1−エ
タノール(2.53g)および10%パラジウム炭素
(0.38g)を用いて、参考例A11−(v)と同様
の反応を行い、標題化合物(1.85g)を無色結晶と
して得た。 mp 116−117 ℃. H−NMR(CDCl+CDOD)δ:2.03
(2H,quintet,J=7.3Hz), 2.5
5(2H,t,J=7.3Hz), 2.75(2H,
t, J=6.2Hz), 3.83(2H,t,J=
7.3Hz),3.91(2H,t,J=6.2H
z), 6.77(2H,d,J=8.6Hz),
6.84(1H,d, J=1.2Hz), 6.93
(1H,d,J=1.2Hz), 6.97(2H,
d,J=8.6Hz). IR (KBr):3500−3100, 3119,
2934, 2861, 1615, 1593,
1516, 1495, 1454, 1373, 1
252, 1173, 1152, 1123, 10
53 cm−1
【0111】参考例A14 3−{3−[2−(2−ヒドロキシエチル)−1H−イ
ミダゾール−1−イル]プロピル}フェノール (i)2−(1−{3−[3−(ベンジルオキシ)フェ
ニル]プロピル}−1H−イミダゾール−2−イル)−
1−エタノール ベンジル 3−(3−ヨードプロピル)フェニル エー
テル(3.53g)、2−(2−ヒドロキシエチル)イ
ミダゾール(1.46g)および65%油性水素化ナト
リウム(0.48g)を用いて、参考例A11−(i
v)と同様の反応を行い、標題化合物(2.66g)を
無色油状物として得た。 H−NMR(CDCl)δ:2.05(2H,qu
intet,J=7.3Hz), 2.61(2H,
t,J=7.5Hz), 2.73(2H,t,J=
5.5Hz), 3.81(2H,t,J=7.3H
z), 4.02(2H,t,J=5.5Hz),
5.06(2H,s), 6.73−6.88(3H,
m), 6.82(1H,d,J=1.2Hz),
6.95(1H,d,J=1.2Hz), 7.23
(1H,t,J=8.2Hz), 7.31−7.48
(5H,m). IR (neat):3500−3100, 306
7, 3034, 2938, 2867, 159
9, 1584, 1524, 1491, 145
3, 1381, 1316, 1260, 115
5, 1119, 1053, 1026 cm−1
【0112】(ii)3−{3−[2−(2−ヒドロキ
シエチル)−1H−イミダゾール−1−イル]プロピ
ル}フェノール 2−(1−{3−[3−(ベンジルオキシ)フェニル]
プロピル}−1H−イミダゾール−2−イル)−1−エ
タノール(2.42g)および10%パラジウム炭素
(0.24g)を用いて、参考例A11−(v)と同様
の反応を行い、標題化合物(1.69g)を無色結晶と
して得た。 mp 111−113 ℃. H−NMR(CDCl)δ:2.07(2H,qu
intet,J=6.9Hz), 2.55(2H,
t,J=7.3Hz), 2.73(2H,t,J=
5.9Hz), 3.80(2H,t,J=7.1H
z), 4.00(2H,t,J=5.9Hz),
6.55−6.76(3H,m), 6.86(1H,
d,J=1.4Hz), 6.96(1H,d,J=
1.4Hz), 7.15(1H,t,J=7.8H
z). IR (KBr)cm−1:3500−3100, 3
046, 2940,2865, 2712, 260
4, 1599, 1588, 1528,1483,
1456, 1372, 1279, 1250,
1155,1123, 1057.
【0113】参考例A15 3−{1−[4−(4−ヒドロキシフェニル)ブチル]
−1H−イミダゾール−2−イル}−1,2−プロパン
ジオール (i)3−{1−[4−(4−ベンジルオキシフェニ
ル)ブチル]−1H−イミダゾール−2−イル}−1,
2−プロパンジオール ベンジル 4−(4−ヨードブチル)フェニル エーテ
ル(2.05g)、2−(2,3−ジヒドロキシプロピ
ル)イミダゾール(1.0g)および65%油性水素化
ナトリウム(0.259g)を用いて、参考例A11−
(iv)と同様の反応を行い、標題化合物(1.23
g)を無色結晶として得た。 H−NMR(CDCl)δ:1.52−1.83
(4H,m), 2.57(2H,t,J=7.1H
z), 2.78(2H,d,J=5.2Hz),2.
79(1H,d,J=6.8Hz), 3.62(1
H,dd,J=4.8Hz,11.2Hz), 3.7
4(1H,dd,J=4.8Hz,11.2Hz),
3.82(2H,t,J=7.1Hz), 4.12−
4.23(1H,m), 5.04(2H,s),
6.79(1H,d,J=1.4Hz),6.90(2
H,d,J=8.6Hz), 6.91(1H,d,J
=1.4Hz), 7.05(2H,d,J=8.6H
z), 7.30−7.47(5H,m). IR (KBr):3500−3200, 3065,
3030, 2932, 2861, 1611,
1582, 1510, 1495, 1454, 1
379, 1296, 1275, 1240, 11
77, 1150, 1123, 1080, 102
6 cm−1
【0114】(ii)3−{1−[4−(4−ヒドロキ
シフェニル)ブチル]−1H−イミダゾール−2−イ
ル}−1,2−プロパンジオール 3−{1−[4−(4−ベンジルオキシフェニル)ブチ
ル]−1H−イミダゾール−2−イル}−1,2−プロ
パンジオール(1.22g)および10%パラジウム炭
素(0.18g)を用いて、参考例A11−(v)と同
様の反応を行い、標題化合物(0.918g)を無色結
晶として得た。 H−NMR(CDCl+CDOD)δ:1.50
−1.80(4H,m), 2.55(2H,t,J=
7.0Hz), 2.75(1H,d,J=7.2H
z), 2.76(1H,d,J=5.6Hz),
3.49(1H,dd,J=5.4Hz,11.6H
z), 3.62(1H,dd,J=4.2Hz,1
1.6Hz), 3.84(2H,t,J=7.0H
z), 3.97−4.08(1H,m), 6.75
(2H,d,J=8.6Hz), 6.80(1H,
d,J=1.4Hz), 6.89(1H,d,J=
1.4Hz), 6.97(2H,d,J=8.6H
z). IR (KBr):3500−3100, 3011,
2936, 2859, 1613, 1595,
1516, 1489, 1456, 1372, 1
360, 1252, 1171, 1150, 11
25, 1101, 1030 cm−1
【0115】参考例A16 (i)3−{1−[3−(3−ベンジルオキシフェニ
ル)プロピル]−1H−イミダゾール−2−イル}−
1,2−プロパンジオール ベンジル 3−(3−ヨードプロピル)フェニル エー
テル(1.98g)、2−(2,3−ジヒドロキシプロ
ピル)イミダゾール(1.0g)および65%油性水素
化ナトリウム(0.259g)を用いて、参考例A11
−(iv)と同様の反応を行い、標題化合物(1.31
g)を無色油状物として得た。 H−NMR(CDCl)δ:2.05(2H,qu
intet,J=7.3Hz), 2.60(2H,
t,J=7.3Hz), 2.73(1H,d,J=
4.8Hz), 2.74(1H,d,J=7.2H
z), 3.61(1H,dd,J=4.8Hz,1
1.2Hz), 3.74(1H,dd,J=4.8H
z,11.2Hz), 3.82(2H,t,J=7.
3Hz), 4.12−4.23(1H,m), 5.
06(2H,s), 6.73−6.88(3H,
m), 6.81(1H,d,J=1.2Hz),
6.93(1H,d,J=1.2Hz), 7.23
(1H,t,J=8.4Hz), 7.31−7.48
(5H,m). IR (neat):3500−3200, 306
3, 3032, 2934, 2865, 159
9, 1584, 1526, 1489, 145
4, 1381, 1316, 1260, 115
5, 1123, 1082, 1028 cm−1
【0116】(ii)3−{1−[3−(3−ヒドロキ
シフェニル)プロピル]−1H−イミダゾール−2−イ
ル}−1,2−プロパンジオール 3−{1−[3−(3−ベンジルオキシフェニル)プロ
ピル]−1H−イミダゾール−2−イル}−1,2−プ
ロパンジオール(1.30g)および10%パラジウム
炭素(0.195g)を用いて、参考例A11−(v)
と同様の反応を行い、標題化合物(0.979g)を無
色油状物として得た。 H−NMR(CDCl+CDOD)δ:2.07
(2H,quintet,J=7.4Hz), 2.5
8(2H,t,J=7.3Hz), 2.72(1H,
d,J=6.8Hz), 2.72(1H,d,J=
5.8Hz), 3.50(1H,dd,J=5.4H
z,11.4Hz), 3.61(1H,d,J=4.
2Hz,11.4Hz), 3.85(2H,t,J=
7.3Hz), 3.98−4.10(1H,m),
6.60−6.74(3H,m),6.86(1H,
d,J=1.4Hz), 6.92(1H,d,J=
1.4Hz), 7.14(1H,t,J=7.8H
z). IR (neat):3500−3100, 304
0, 2942, 2863, 1599, 158
8, 1530, 1483, 1456, 136
0, 1279, 1254, 1155, 112
5, 1088, 1030 cm−1
【0117】参考例A17 2−[(E)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)エ
テニル]−4−[[4−(4−ヨードブチル)フェノキ
シ]メチル]−1,3−オキサゾール (i)4−[4−[2−(E)−[2−(2,4−ジフ
ルオロフェニル)エテニル]−1,3−オキサゾール−
4−イル]メトキシフェニル]−1−ブタノール4−
(4−ヒドロキシフェニル)−1−ブタノール(1.9
9g)のDMF(20mL)溶液に、氷冷下60%油性
水素化ナトリウム(528mg)を加え、室温で30分
間攪拌した。氷冷下、(E)−4−クロロメチル−2−
[2−(2,4−ジフルオロフェニル)エテニル]オキ
サゾール(3.37g)を加え、室温で一夜攪拌した。
反応液に水、1規定塩酸を加えて、酢酸エチルで抽出し
た。抽出液を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に濃縮
し、残留物を酢酸エチル−ジエチルエーテル−ヘキサン
より再結晶し、標題化合物(3.71g)を無色結晶と
して得た。 mp 75−76 ℃. H−NMR (CDCl) δ: 1.5−1.7
(4H, m), 2.60 (2H, t, J
= 6.8Hz), 3.66 (2H, t,J =
6.0Hz), 5.02 (2H, s), 6.
8−6.9 (1H, m), 6.89 (2H,
d, J = 8.4Hz), 6.98 (1H,
d, J = 17.0Hz), 7.11 (2H,
d,J = 8.4Hz), 7.5−7.6 (1
H, m), 7.59 (1H, d, J = 1
7.0Hz), 7.66 (1H, s). IR (KBr): 1613, 1514, 149
3, 1431, 1279, 1246, 114
0, 968, 856cm−1
【0118】(ii)2−[(E)−2−(2,4−ジ
フルオロフェニル)エテニル]−4−[[4−(4−ヨ
ードブチル)フェノキシ]メチル]−1,3−オキサゾ
ール 4−[4−[2−(E)−[2−(2,4−ジフルオロ
フェニル)エテニル]−1,3−オキサゾール−4−イ
ル]メトキシフェニル]−1−ブタノール(3.47
g)のTHF(50mL)溶液にトリエチルアミン
(1.37mL)を加え、氷冷下、塩化メタンスルホニ
ル(0.77mL)を加え、室温で30分間攪拌した。
反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、抽出液を食塩
水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去
し、残留物にアセトン(100mL)、ヨウ化ナトリウ
ム(6.75g)を加え、40−50℃で2時間攪拌し
た。反応液を濃縮して水を加え、酢酸エチルで抽出し
た。抽出液をチオ硫酸ナトリウム水、食塩水で順次洗浄
し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。析出物
をろ取し、ジエチルエーテル−ヘキサンで洗浄し、標題
化合物(3.55g)を淡黄色粉末として得た。 H−NMR (CDCl)δ: 1.6−1.9
(4H, m), 2.5−2.7 (2H, m),
3.1−3.3 (2H, m), 5.02(2
H, s), 6.8−7.2 (6H, m),
7.5−7.75(4H, m). IR (KBr): 1615, 1514, 149
3, 1431, 1279, 1246, 114
0, 966, 856cm−1
【0119】参考例A18 2−[(E)−2−(4−ブロモフェニル)エテニル]
−4−[[4−(4−ヨードブチル)フェノキシ]メチ
ル]−1,3−オキサゾール 4−(4−ヒドロキシフェニル)−1−ブタノール
(4.99g)および(E)−4−クロロメチル−2−
[2−(4−ブロモフェニル)エテニル]オキサゾール
(7.43g)を用いて、参考例A17−(i)と同様
の反応を行い、4−[4−[2−(E)−[2−(4−
ブロモフェニル)エテニル]−1,3−オキサゾール−
4−イル]メトキシフェニル]−1−ブタノール(9.
70g)を得た。得られた化合物(4.28g)を用い
て、参考例A17−(ii)と同様の反応を行い、標題
化合物(4.47g)を白色粉末として得た。 H−NMR (CDCl)δ:1.65−1.95
(4H,m), 2.58(2H,t,J=7.2H
z), 3.20(2H,t,J=6.8Hz),5.
02(2H,s), 6.92(1h,d,J=16.
4Hz), 6.92(2H,d,J=8.6Hz),
7.38(2H,d,J=8.4Hz), 7.47
(1H,d,J=16.4Hz), 7.52(2H,
d,J=8.4Hz), 7.66(1H,s).
【0120】参考例B1 [1−[4−[4−[[2−[(E)−2−(4−メチ
ルフェニル)エテニル]−1,3−オキサゾール−4−
イル]メトキシ]フェニル]ブチル]−1H−1,2,
3−トリアゾール 4−[4−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イ
ル)ブチル]フェノール(174mg)のDMF(4m
L)溶液に氷冷下、60%油性水素化ナトリウム(35
mg)を加え、室温で30分間攪拌した。氷冷下、
(E)−4−クロロメチル−2−[2−(4−メチルフ
ェニル)エテニル]オキサゾール(206mg)を加
え、室温で2時間攪拌した。反応液に水を加え、析出物
をろ取し、水洗した。ろ取物をTHF−酢酸エチル混液
に溶かし、水、食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾
燥後、減圧濃縮した。残留物を酢酸エチル−ヘキサンよ
り再結晶し、標題化合物(281mg)を無色結晶とし
て得た。 mp 154−155 ℃. H−NMR(CDCl)δ:1.5−1.7(2
H,m),1.85−2.05(2H, m), 2.
38 (3H, s), 2.60 (2H, t,
J=7.5Hz), 4.39 (2H, t, J
= 7.0Hz),5.01 (2H, s), 6.
87 (2H, d, J = 8.6Hz), 6.
9−7.0 (1H, m), 7.19 (2H,
d, J= 8.6Hz), 7.19 (2H,
d, J = 8.0Hz), 7.42 (2H,
d, J = 8.0Hz), 7.5−7.7 (4
H,m). IR (KBr): 1640, 1607, 153
0, 1514, 1464, 1339, 125
6, 1211, 1053, 974, 810cm
−1. 元素分析:C2526として 計算値(%): C, 72.44; H, 6.32; N, 13.52. 実測値(%): C, 72.36; H, 6.49; N, 13.70.
【0121】参考例B2 1−{4−[4−({2−[(E)−2−(4−フルオ
ロフェニル)エテニル]−1,3−オキサゾール−4−
イル}メトキシ)フェニル]ブチル}−1H−1,2,
3−トリアゾール アルゴン雰囲気下、4−[4−(1H−1,2,3−ト
リアゾール−1−イル)ブチル]フェノール(218m
g)および65%油性水素化ナトリウム(39mg)
に、DMF(5mL)を加えて溶解した。氷冷撹拌下、
4−(クロロメチル)−2−[(E)−2−(4−フル
オロフェニル)エテニル]−1,3−オキサゾール(2
50mg)を添加し、室温で3時間撹拌した。反応液に
水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水、飽和食
塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し
た。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶
出液;クロロホルム:エタノール=24:1)に付して
精製した後、酢酸エチルから再結晶を行い、標題化合物
(368mg)を無色結晶として得た。 mp 124−125 ℃. H−NMR(CDCl)δ:1.62(2H,qu
intet,J=7.0Hz), 1.94(2H,q
uintet,J=7.5Hz), 2.61(2H,
t,J=7.5Hz), 4.40(2H,t,J=
7.0Hz), 5.01(2H,s), 6.86
(1H,d,J=16.0Hz), 6.92(2H,
d,J=8.6Hz), 7.08(2H,d,J=
8.6Hz),7.09(2H,t,J=8.7H
z), 7.46−7.57(4H,m),7.66
(1H,s), 7.70(1H,d,J=1.0H
z). IR (KBr):3420, 3160, 312
0, 2940, 2924, 2865, 164
4, 1599, 1584, 1532, 151
2, 1466, 1435, 1400, 133
7, 1302, 1248, 1229, 121
1, 1177, 1161, 1113, 107
6, 1049, 1030 cm−1. 元素分析: C2423Fとして 計算値(%): C,68.88;H,5.55;N,13.39. 実測値(%): C,68.70;H,5.55;N,13.49.
【0122】参考例B3 1−{3−[3−({2−[(E)−2−(4−フルオ
ロフェニル)エテニル]−1,3−オキサゾール−4−
イル}メトキシ)フェニル]プロピル}−1H−1,
2,3−トリアゾール 3−[3−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イ
ル)プロピル]フェノール(208mg)、65%油性
水素化ナトリウム(39mg)および4−(クロロメチ
ル)−2−[(E)−2−(4−フルオロフェニル)エ
テニル]−1,3−オキサゾール(250mg)を用い
て、参考例B2と同様の反応を行い、標題化合物(36
6mg)を得た。 mp 105−106 ℃. H−NMR(CDCl)δ:2.26(2H,qu
intet,J=7.2Hz), 2.64(2H,
t,J=7.5Hz), 4.39(2H,t,J=
7.0Hz), 5.03(2H,s), 6.78−
6.89(3H,m), 6.86(1H,d,J=1
6.2Hz), 7.09(2H,t,J=8.6H
z), 7.25(1H,t,J=7.8Hz),
7.51(1H,d,J=16.2Hz), 7.47
−7.54(3H,m), 7.68(1H,s),
7.72(1H,s). IR (KBr):3110, 3050, 295
5, 2870, 1642, 1601, 158
6, 1532, 1507, 1489, 146
0, 1453, 1337, 1310, 127
3, 1240, 1213, 1177, 115
9, 1113, 1097, 1080, 1065
cm−1. 元素分析:C2321Fとして 計算値(%):C,68.30;H,5.23;N,13.85. 実測値(%):C,68.22;H,5.04;N,14.00.
【0123】参考例B4 1−(4−{4−[(2−{(E)−2−[4−(トリ
フルオロメチル)フェニル]エテニル}−1,3−オキ
サゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}ブチル)−
1H−1,2,3−トリアゾール 4−[4−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イ
ル)ブチル]フェノール(152mg)、65%油性水
素化ナトリウム(28mg)および4−(クロロメチ
ル)−2−{(E)−2−[4−(トリフルオロメチ
ル)フェニル]エテニル}−1,3−オキサゾール(2
12mg)を用いて、参考例B2と同様の反応を行い、
標題化合物(290mg)を得た。 mp 160−161 ℃. H−NMR(CDCl)δ:1.62(2H,qu
intet,J=7.0Hz), 1.94(2H,q
uintet,J=7.6Hz), 2.61(2H,
t,J=7.4Hz), 4.40(2H,t,J=
7.4Hz), 5.02(2H,s), 6.92
(2H,d,J=8.6Hz), 7.02(1H,
d,J=16.6Hz), 7.08(2H,d,J=
8.6Hz),7.50(1H,s), 7.56(1
H,d,J=16.6Hz), 7.64(4H,
s), 7.69(1H,s), 7.71(1H,
s). IR (KBr):3120, 2936, 161
5, 1584, 1512, 1464, 141
4, 1327, 1248, 1159, 112
5, 1069 cm−1. 元素分析:C2523として 計算値(%):C,64.10;H,4.95;N,11.96. 実測値(%):C,64.18;H,5.12;N,11.98.
【0124】参考例B5 1−(3−{4−[(2−{(E)−2−[4−(トリ
フルオロメチル)フェニル]エテニル}−1,3−オキ
サゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)
−1H−1,2,3−トリアゾール 4−[3−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イ
ル)プロピル]フェノール(143mg)、65%油性
水素化ナトリウム(28mg)および4−(クロロメチ
ル)−2−{(E)−2−[4−(トリフルオロメチ
ル)フェニル]エテニル}−1,3−オキサゾール(2
12mg)を用いて、参考例B2と同様の反応を行い、
標題化合物(232mg)を得た。 mp 157−158 ℃. H−NMR(CDCl)δ:2.24(2H,qu
intet,J=7.2Hz), 2.61(2H,
t,J=7.3Hz), 4.39(2H,t,J=
7.2Hz), 5.03(2H,s), 6.94
(2H,d,J=8.4Hz), 7.02(1H,
d,J=16.4Hz), 7.11(2H,d,J=
8.4Hz), 7.52(1H,s), 7.56
(1H,d,J=16.4Hz), 7.64(4H,
s), 7.69(1H,s), 7.72(1H,
s). IR (KBr):3129, 3100, 293
4, 1613, 1584, 1547, 151
0, 1449, 1416, 1337, 132
9, 1291, 1238, 1179, 114
0, 1109, 1071, 1009 cm−1. 元素分析:C2421として 計算値(%):C,63.43;H,4.66;N,12.33. 実測値(%):C,63.21;H,4.73;N,12.26.
【0125】参考例B6 1−(3−{3−[(2−{(E)−2−[4−(トリ
フルオロメチル)フェニル]エテニル}−1,3−オキ
サゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)
−1H−1,2,3−トリアゾール 3−[3−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イ
ル)プロピル]フェノール(123mg)、65%油性
水素化ナトリウム(24mg)および4−(クロロメチ
ル)−2−{(E)−2−[4−(トリフルオロメチ
ル)フェニル]エテニル}−1,3−オキサゾール(1
83mg)を用いて、参考例B2と同様の反応を行い、
標題化合物(248mg)を得た。 mp 115−116 ℃. H−NMR(CDCl)δ:2.26(2H,qu
intet,J=7.2Hz), 2.64(2H,
t,J=7.2Hz), 4.39(2H,t,J=
7.2Hz), 5.04(2H,s), 6.77−
6.91(3H,m), 7.01(1H,d,J=1
6.6Hz), 7.25(1H,t,J=8.4H
z), 7.52(1H,s), 7.56(1H,
d,J=16.6Hz), 7.64(4H,s),
7.71(2H,s). IR (KBr):3140, 3050, 294
0, 2860, 1610, 1599, 158
6, 1487, 1451, 1415, 132
7, 1262, 1169, 1125, 111
3, 1069, 1017 cm−1. 元素分析:C2421として 計算値(%):C,63.43;H,4.66;N,12.33. 実測値(%):C,63.36;H,4.73;N,12.26.
【0126】参考例B7 1−{4−[4−({2−[(E)−2−(2,4−ジ
フルオロフェニル)エテニル]−1,3−オキサゾール
−4−イル}メトキシ)フェニル]ブチル}−1H−
1,2,3−トリアゾール 4−[4−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イ
ル)ブチル]フェノール(152mg)、65%油性水
素化ナトリウム(28mg)および4−(クロロメチ
ル)−2−[(E)−2−(2,4−ジフルオロフェニ
ル)エテニル]−1,3−オキサゾール(188mg)
を用いて、参考例B2と同様の反応を行い、標題化合物
(254mg)を得た。 mp 115−117 ℃. H−NMR(CDCl)δ:1.62(2H,qu
intet,J=7.2Hz), 1.94(2H,q
uintet,J=7.5Hz), 2.60(2H,
t,J=7.5Hz), 4.39(2H,t,J=
7.1Hz), 5.01(2H,s), 6.81−
6.98(2H,m), 6.91(2H,d,J=
8.6Hz), 6.98(1H,d,J=16.2H
z), 7.07(2H,d,J=8.6Hz),
7.47−7.53(1H,m), 7.50(1H,
s), 7.59(1H,d,J=16.2Hz),
7.67(1H,s), 7.70(1H,s). IR (KBr):3133, 2932, 286
3, 1644, 1615, 1590, 153
2, 1514, 1493, 1468, 143
1, 1345, 1298, 1279, 124
6, 1215, 1179, 1140, 108
6, 1049, 1032 cm−1. 元素分析:C2422として 計算値(%):C,66.05;H,5.08;N,12.84. 実測値(%):C,66.03;H,5.00;N,13.03.
【0127】参考例B8 1−{3−[3−({2−[(E)−2−(2,4−ジ
フルオロフェニル)エテニル]−1,3−オキサゾール
−4−イル}メトキシ)フェニル]プロピル}−1H−
1,2,3−トリアゾール 3−[3−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イ
ル)プロピル]フェノール(143mg)、65%油性
水素化ナトリウム(28mg)および4−(クロロメチ
ル)−2−[(E)−2−(2,4−ジフルオロフェニ
ル)エテニル]−1,3−オキサゾール(188mg)
を用いて、参考例B2と同様の反応を行い、標題化合物
(257mg)を得た。 mp 89−90 ℃. H−NMR(CDCl)δ:2.26(2H,qu
intet,J=7.3Hz), 2.64(2H,
t,J=7.4Hz), 4.39(2H,t,J=
7.1Hz), 5.03(2H,s), 6.77−
6.98(5H,m), 6.98(1H,d,J=1
6.8Hz), 7.24(1H,t,J=7.6H
z), 7.47−7.60(1H,m), 7.52
(1H,s),7.59(1H,d,J=16.8H
z), 7.68(1H,s), 7.71(1H,
s). IR (KBr):3127, 3071, 293
4, 2868, 1644, 1615, 159
9, 1534, 1495, 1453, 143
3, 1354, 1273, 1215, 115
9, 1142, 1090, 1028 cm−1. 元素分析: C2320として 計算値(%):C,65.39;H,4.77;N,13.26. 実測値(%):C,65.32;H,4.56;N,13.34.
【0128】参考例B9 [1−[4−[4−[[2−[(E)−2−(2,6−
ジフルオロフェニル)エテニル]−1,3−オキサゾー
ル−4−イル]メトキシ]フェニル]ブチル]−1H−
1,2,3−トリアゾール 4−[4−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イ
ル)ブチル]フェノール(217mg)のDMF(4m
L)溶液に氷冷下、65%油性水素化ナトリウム(41
mg)を加えた。室温で30分間攪拌後、氷冷下、4−
(クロロメチル)−2−[(E)−2−(2,6−ジフ
ルオロフェニル)エテニル]−1,3−オキサゾール
(281mg)を加え、室温で一夜攪拌した。氷冷下、
水を加えて析出物をろ取し、水洗後、THF−酢酸エチ
ルに溶解させた。水、食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウ
ムで乾燥後、減圧下に濃縮した。残留物を酢酸エチル−
ヘキサンより再結晶し、標題化合物(348mg)を無
色結晶として得た。 H−NMR(CDCl)δ: 1.5−1.7
(2H, m), 1.85−2.05 (2H,
m), 2.60 (2H, t, J = 7.4H
z), 4.39 (2H, t, J = 7.2H
z), 5.02 (2H, s), 6.92 (2
H, d, J = 8.8Hz), 6.94 (1
H, d, J = 17.4Hz), 6.85−
7.35 (3H, m), 7.07 (2H,
d, J = 8.8Hz), 7.61(1H,
d, J = 17.4Hz), 7.45−7.7
(3H, m). IR (KBr) : 1620, 1586, 15
14, 1464, 1244, 1024, 99
9, 968, 783cm−1. 元素分析: C2422 として 計算値(%): C, 66.05; H, 5.08; N, 12.84. 実測値(%): C, 65.83; H, 5.06; N, 12.93.
【0129】参考例B10 2−[1−[4−[4−[[2−[(E)−2−(4−
メチルフェニル)エテニル]−1,3−オキサゾール−
4−イル]メトキシ]フェニル]ブチル]−1H−イミ
ダゾール−2−イル]−1−エタノール 4−[4−[2−(2−ヒドロキシエチル)−1H−イ
ミダゾール−1−イル]ブチル]フェノール(260m
g)と(E)−4−クロロメチル−2−[2−(4−メ
チルフェニル)エテニル]オキサゾール(257mg)
を参考例B1と同様の反応を行い、標題化合物(331
mg)を無色結晶として得た。 mp 108−109 ℃. H−NMR(CDCl)δ: 1.5−1.8
(4H, m), 2.38 (3H, s), 2.
58 (2H, t, J = 7.0Hz),2.7
9 (2H, t, J = 5.6Hz), 3.8
2 (2H, t, J = 6.8Hz), 4.0
3 (2H, t, J = 5.6Hz), 5.0
1 (2H, s), 6.8−6.85 (2H,
m), 6.89 (1H, d, J = 16.6
Hz), 6.92 (2H, d, J = 8.6
Hz), 7.07 (2H, d, J = 8.6
Hz), 7.19 (2H, d, J = 7.8
Hz), 7.43 (2H, d, J = 7.8
Hz), 7.51 (1H, d, J = 16.
6Hz), 7.64 (1H, s). IR (KBr): 1510, 1240, 105
5, 806cm−1. 元素分析: C2831として 計算値(%): C, 73.50; H, 6.83; N, 9.18. 実測値(%): C, 73.36; H, 6.66; N, 9.12.
【0130】参考例B11 2−[1−[4−[4−[[2−[(E)−2−(3−
メチルフェニル)エテニル]−1,3−オキサゾール−
4−イル]メトキシ]フェニル]ブチル]−1H−イミ
ダゾール−2−イル]−1−エタノール 4−[4−[2−(2−ヒドロキシエチル)−1H−イ
ミダゾール−1−イル]ブチル]フェノール(260m
g)と(E)−4−クロロメチル−2−[2−(3−メ
チルフェニル)エテニル]オキサゾール(257mg)
を用いて参考例B1と同様の反応を行い、標題化合物
(290mg)を無色結晶として得た。 mp 109−111 ℃. H−NMR(CDCl)δ: 1.55−1.8
(4H, m), 2.38 (3H, s), 2.
58 (2H, t, J = 7.0Hz),2.7
8 (2H, t, J = 5.6Hz), 3.8
2 (2H,t, J = 7.0Hz), 4.03
(2H, t, J = 5.6Hz), 5.01
(2H, s), 6.80 (1H, d, J
= 1.4Hz), 6.92 (1H, d, J
= 16.6Hz), 6.92 (2H, d, J
= 8.8Hz), 6.93 (1H, d, J
= 1.4Hz), 7.07 (2H, d, J
= 8.8Hz),7.1−7.2 (1H, m),
7.2−7.4 (3H, m), 7.51
(1H, d, J = 16.6Hz), 7.65
(1H, s). IR (KBr) : 1514, 1460, 12
50, 1051, 976, 828, 789cm
−1. 元素分析:C2831・0.2HO として 計算値(%):C, 72.92; H, 6.86; N, 9.11. 実測値(%):C, 72.71; H, 6.74; N, 8.97.
【0131】参考例B12 2−[1−[4−[4−[[2−[(E)−2−(2−
メチルフェニル)エテニル]−1,3−オキサゾール−
4−イル]メトキシ]フェニル]ブチル]−1H−イミ
ダゾール−2−イル]−1−エタノール 4−[4−[2−(2−ヒドロキシエチル)−1H−イ
ミダゾール−1−イル]ブチル]フェノール(153m
g)と(E)−4−クロロメチル−2−[2−(2−メ
チルフェニル)エテニル]オキサゾール(151mg)
を用いて参考例B1と同様の反応を行い、標題化合物
(167mg)を無色結晶として得た。 mp 91−93 ℃(酢酸エチル−ヘキサン). H−NMR(CDCl)δ: 1.5−1.8
(4H, m), 2.46 (3H, s), 2.
59 (2H, t, J = 7.0Hz),2.7
9 (2H, t, J = 5.6Hz), 3.8
2 (2H, t, J = 7.0Hz), 4.0
3 (2H, t, J = 5.6Hz), 5.0
2 (2H, s), 6.8−6.9 (3H,
m), 6.92 (2H, d, J = 8.6H
z), 7.07 (2H, d,J = 8.6H
z), 7.2−7.3 (3H, m), 7.55
−7.65 (1H, m), 7.66 (1H,
s), 7.79 (1H,d, J = 16.2H
z). IR (KBr) : 1508, 1464, 12
31, 1061, 1009, 862, 752c
−1. 元素分析:C2831・0.2HO として 計算値(%):C,72.92;H, 6.86;N, 9.11. 実測値(%):C,72.98;H, 6.70;N, 9.23.
【0132】参考例B13 2−[1−[4−[4−[[2−[(E)−2−(4−
エチルフェニル)エテニル]−1,3−オキサゾール−
4−イル]メトキシ]フェニル]ブチル]−1H−イミ
ダゾール−2−イル]−1−エタノール 4−[4−[2−(2−ヒドロキシエチル)−1H−イ
ミダゾール−1−イル]ブチル]フェノール(260m
g)のDMF(4mL)溶液に氷冷下、60%油性水素
化ナトリウム(44mg)加えた。室温で30分間攪拌
後、氷冷下、(E)−4−クロロメチル−2−[2−
(4−エチルフェニル)エテニル]オキサゾール(27
2mg)を加えた。室温で一晩攪拌後、氷冷下、水を加
えた。析出物をろ取し、水洗した。酢酸エチルに溶か
し、乾燥後(硫酸マグネシウム)、減圧下に濃縮した。
残留物を酢酸エチル−ヘキサンより再結晶し、標題化合
物(297mg)を無色結晶として得た。 mp 94−95 ℃. H−NMR(CDCl)δ: 1.25 (3H,
t, J = 7.4Hz), 1.5−1.85
(4H, m), 2.59 (2H, t,J =
7.0Hz), 2.67 (2H, q, J =
7.4Hz),2.79 (2H, t, J =
5.4Hz), 3.82 (2H,t, J =
7.0Hz), 4.04 (2H, t, J =
5.4), 5.01 (2H, s), 6.8−
7.0 (3H, m), 6.92 (2H, d,
J = 8.4Hz), 7.07 (2H, d,
J= 8.4Hz), 7.2−7.3 (2H,
m), 7.4−7.5(2H, m), 7.53
(1H, d, J = 17.2Hz),7.65
(1H, s). IR (KBr) : 1508, 1462, 12
31, 1181, 1061, 1007, 86
4, 833cm−1. 元素分析: C2933として 計算値(%):C,73.86; H,7.05; N,8.91. 実測値(%):C,73.73; H,6.79; N,8.76.
【0133】参考例B14 2−(1−{4−[4−({2−[(E)−2−(4−
フルオロフェニル)エテニル]−1,3−オキサゾール
−4−イル}メトキシ)フェニル]ブチル}−1H−イ
ミダゾール−2−イル)−1−エタノール 4−[4−[2−(2−ヒドロキシエチル)−1H−イ
ミダゾール−1−イル]ブチル]フェノール(391m
g)、65%油性水素化ナトリウム(60mg)および
4−(クロロメチル)−2−[(E)−2−(4−フル
オロフェニル)エテニル]−1,3−オキサゾール(3
75mg)を用いて、参考例B2と同様の反応を行い、
標題化合物(583mg)を得た。 mp 130−132 ℃. H−NMR(CDCl)δ:1.56−1.84
(4H,m), 2.10−2.90(1H,br),
2.58(2H,t,J=7.1Hz), 2.78
(2H,t,J=5.5Hz), 3.82(2H,
t,J=7.1Hz), 4.03(2H,t,J=
5.5Hz), 5.01(2H,s), 6.80−
6.94(5H,m), 7.04−7.13(4H,
m), 7.46−7.55(3H,m), 7.65
(1H,s). IR (KBr):3150, 3113, 304
8, 2936, 2861, 1642, 159
9, 1582, 1532, 1512, 146
4, 1422, 1399, 1375, 133
7, 1302, 1277, 1246, 122
9, 1209, 1177, 1159, 114
8, 1105, 1051, 1001 cm−1. 元素分析: C2728Fとして 計算値(%):C,70.26;H,6.11;N,9.10. 実測値(%):C,70.15;H,6.06;N,9.35
【0134】参考例B15 2−[1−[4−[4−[[2−[(E)−2−(4−
クロロフェニル)エテニル]−1,3−オキサゾール−
4−イル]メトキシ]フェニル]ブチル]−1H−イミ
ダゾール−2−イル]−1−エタノール 4−[4−[2−(2−ヒドロキシエチル)−1H−イ
ミダゾール−1−イル]ブチル]フェノール(130m
g)のDMF(4mL)溶液に氷冷下、60%油性水素
化ナトリウム(22mg)加えた。室温で30分間攪拌
後、氷冷下、(E)−4−クロロメチル−2−[2−
(4−クロロフェニル)エテニル]オキサゾール(14
0mg)を加えた。0℃で1時間、室温で一晩攪拌後、
氷冷下、水を加えた。析出物をろ取、水洗し、THF−
酢酸エチル混液に溶かした。この溶液を硫酸マグネシウ
ムで乾燥後、減圧下に濃縮した。残留物をメタノール−
酢酸エチル−ジエチルエーテルより再結晶し、標題化合
物(168mg)を無色結晶として得た。 mp 127−128 ℃. H−NMR(CDCl)δ: 1.5−1.8
(4H, m), 2.58 (2H, t, J =
7.0Hz), 2.78 (2H, t, J=
5.4Hz), 3.82 (2H, t, J =
7.0Hz),4.03 (2H, t, J =
5.4Hz), 5.01 (2H, s), 6.8
−7.0 (5H, m), 7.07 (2H,
d, J =8.8Hz), 7.35 (2H,
d, J = 8.4Hz), 7.46 (2H,
d, J = 8.4Hz), 7.4−7.55
(1H,m), 7.66 (1H, s). IR (KBr) : 1514, 1474, 13
41, 1264, 1246, 1076, 96
6, 814cm−1. 元素分析:C2728ClNとして 計算値(%):C,67.85; H,5.90; N,8.79. 実測値(%):C,67.85; H,5.72; N,9.09.
【0135】参考例B16 2−[1−[4−[4−[[2−[(E)−2−(4−
ブロモフェニル)エテニル]−1,3−オキサゾール−
4−イル]メトキシ]フェニル]ブチル]−1H−イミ
ダゾール−2−イル]−1−エタノール 2−(1H−イミダゾール−2−イル)−エタノール
(449mg)のDMF(10mL)溶液に氷冷下、6
0%油性水素化ナトリウム(176mg)を加えた。室
温で30分間攪拌後、氷冷下、4−[[4−(4−ヨー
ドブチル)フェノキシ)メチル]−2−[(E)−2−
(4−ブロモフェニル)エテニル]−1,3−オキサゾ
ール(2.15g)を加えた。室温で一晩攪拌後、氷冷
下、水を加えた。酢酸エチル−THF混液で抽出し、硫
酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に濃縮した。残留物を
酢酸エチル−ヘキサンより再結晶し、標題化合物(2.
09g)を淡黄色結晶として得た。 mp 149−150 ℃. H−NMR(CDCl)δ: 1.55−1.8
(4H, m), 2.58 (2H, t, J =
7.0Hz), 2.78 (2H, t,J =
5.6Hz), 3.82 (2H, t, J =
7.0Hz),4.03 (2H, t, J =
5.6Hz), 5.01 (2H,s), 6.91
(2H, d, J = 8.8Hz), 6.92
(1H, d, J = 16.3Hz), 6.8
−7.0 (2H, m),7.07 (2H, d,
J = 8.8Hz), 7.38 (2H, d,
J = 8.6Hz), 7.47 (1H, d,
J = 16.3Hz), 7.52 (2H,
d, J = 8.6Hz), 7.66 (1H,
s). IR (KBr) : 1514, 1487, 12
54, 1055, 972, 826, 814cm
−1. 元素分析:C2728BrNとして 計算値(%):C,62.07; H,5.40; N,8.04. 実測値(%):C,61.82; H,5.26; N,7.90.
【0136】参考例B17 2−[1−[4−[4−[2−[(E)−2−(4−ト
リフルオロメチルフェニル)エテニル]オキサゾール−
4−イル]メトキシフェニル]ブチル−1H−イミダゾ
ール−2−イル]−1−エタノール アルゴン雰囲気下、65%水素化ナトリウム(40.6
mg)および4−[4−[2−(2−ヒドロキシエチ
ル)−1H−イミダゾール−1−イル]ブチル]フェノ
ール(260mg)に0℃でDMF(4mL)を加え
た。室温で30分攪拌後、0℃で[2−[(E)−2−
(4−トリフルオロメチルフェニル)エテニル]オキサ
ゾール−4−イル]メチルクロライド(316mg)を
加え、室温で15時間攪拌した。反応液に水を加え、析
出した結晶を濾取し、水、イソプロピルエーテルで洗浄
後、アセトン−ヘキサンより再結晶を行い、標題化合物
(393mg)を淡黄色針状結晶として得た。 H−NMR (CDCl)δ: 1.56−1.7
4 (4H, m),2.59 (2H, t, J
= 6.6 Hz), 2.78 (2H,t, J
= 5.4 Hz), 3.82 (2H, t, J
= 6.8Hz), 4.03 (2H, t, J
= 5.4 Hz), 5.02(2H, d, J
= 1.2 Hz), 6.81 (1H, d,
J= 1.6 Hz), 6.90−6.95 (4
H, m), 7.02(2H, d, J = 1
6.2 Hz), 7.52−7.69 (6H,
m). IR (KBr): 1512, 1323, 124
4, 1175, 1132, 1113, 106
7, 1055 cm−1
【0137】参考例B18 2−[1−[3−[4−[2−[(E)−2−(4−ト
リフルオロメチルフェニル)エテニル]オキサゾール−
4−イル]メトキシフェニル]プロピル]−1H−イミ
ダゾール−2−イル]−1−エタノール 65%水素化ナトリウム(40.6mg)、4−[3−
[2−(ヒドロキシエチル)−1H−イミダゾール−1
−イル]プロピル]フェノール(246mg)および
[2−[(E)−2−(4−トリフルオロメチルフェニ
ル)エテニル]オキサゾール−4−イル]メチルクロラ
イド(316mg)を用いて、参考例B17と同様の反
応を行い、標題化合物(330mg)を無色針状結晶と
して得た。 H−NMR (CDCl) δ: 2.01−2.
08 (2H, m),2.60 (2H, t, J
= 7.8 Hz), 2.74 (2H,t, J
= 5.8 Hz), 3.83 (2H, t,
J = 7.4 Hz), 4.03 (2H, t,
J = 5.8 Hz), 5.03 (2H,
s), 6.84 (1H, d, J = 1.2
Hz), 6.96−7.12 (6H, m),
7.52−7.70 (6H,m). IR (KBr): 1512, 1327, 124
6, 1173, 1125, 1069, 101
7, 826 cm−1
【0138】参考例B19 2−[1−[4−[4−[[2−[(E)−2−(2,
4−ジフルオロフェニル)エテニル]−1,3−オキサ
ゾール−4−イル]メトキシ]フェニル]ブチル]−1
H−イミダゾール−2−イル]−1−エタノール 4−[4−[2−(2−ヒドロキシエチル)−1H−イ
ミダゾール−1−イル]ブチル]フェノール(260m
g)のDMF(4mL)溶液に氷冷下、60%油性水素
化ナトリウム(44mg)を加えた。室温で30分間攪
拌後、氷冷下、(E)−4−クロロメチル−2−[2−
(2,4−ジフルオロフェニル)エテニル]オキサゾー
ル(281mg)を加えた。室温で3日間攪拌後、氷冷
下、水を加えた。析出物をろ取し、水洗した。酢酸エチ
ル−THF混液に溶かし、硫酸マグネシウムで乾燥後、
減圧下に濃縮した。残留物を酢酸エチル−ヘキサンより
再結晶し、標題化合物(275mg)を淡黄色結晶とし
て得た。 mp 93−95 ℃. H−NMR(CDCl)δ : 1.55−1.8
5 (4H, m),2.58 (2H, t, J
= 7.0Hz), 2.78 (2H, t, J
= 5.4Hz), 3.82 (2H, t, J
= 7.0Hz), 4.03 (2H, t, J
= 5.4Hz), 5.01 (2H, s),
6.8−7.0 (6H, m), 6.98 (1
H, d,J = 16.3Hz), 7.07 (2
H, d, J = 8.8Hz), 7.5−7.
6 (1H, m), 7.59 (1H, d, J
=16.3Hz), 7.67 (1H, s). IR (KBr) : 1611, 1508, 12
77, 1231, 1140, 1103, 106
3, 970, 860cm−1. 元素分析: C2727 ・0.1HOとして 計算値(%):C,67.38; H,5.70; N,8.73. 実測値(%):C,67.24; H,5.74; N,8.55.
【0139】参考例B20 2−[1−[3−[4−[[2−[(E)−2−(2,
4−ジフルオロフェニル)エテニル]−1,3−オキサ
ゾール−4−イル]メトキシ]フェニル]プロピル]−
1H−イミダゾール−2−イル]−1−エタノール 4−[4−[2−(2−ヒドロキシエチル)−1H−イ
ミダゾール−1−イル]プロピル]フェノール(246
mg)のDMF(4mL)溶液に氷冷下、60%油性水
素化ナトリウム(44mg)を加えた。室温で30分間
攪拌後、氷冷下、(E)−4−クロロメチル−2−[2
−(2,4−ジフルオロフェニル)エテニル]オキサゾ
ール(281mg)を加えた。室温で一晩攪拌後、氷冷
下で水を加えた。析出物をろ取し、水洗した。酢酸エチ
ルに溶かし、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に濃縮
した。残留物を酢酸エチル−ジエチルエーテル−ヘキサ
ンより再結晶し、標題化合物(272mg)を無色結晶
として得た。 mp 94−96 ℃. H−NMR(CDCl)δ: 1.95−2.15
(2H, m), 2.5−2.65 (2H,
m), 2.65−2.8 (2H, m), 3.7
5−3.9 (2H,m), 3.95−4.1 (2
H, m), 5.02 (2H, s), 6.8−
7.15 (9H, m), 7.45−7.7 (3
H, m). IR(KBr) : 1609, 1512, 127
7, 1231, 1140, 1061, 102
0, 974, 860cm−1. 元素分析: C2625・0.4HOとして 計算値(%):C, 66.06; H,5.50; N,8.89. 実測値(%):C, 66.13; H,5.38; N,8.55.
【0140】参考例B21 2−[1−[3−[4−[[2−[(E)−2−(2,
6−ジフルオロフェニル)エテニル]−1,3−オキサ
ゾール−4−イル]メトキシ]フェニル]プロピル]−
1H−イミダゾール−2−イル]−1−エタノール 2−(2−ヒドロキシエチル)−1−[4−(4−ヒド
ロキシフェニル)ブチル]イミダゾール(260m
g)、60%油性水素化ナトリウム(41mg)および
(E)−4−クロロメチル−2−[2−(2,6−ジフ
ルオロフェニル)エテニル]オキサゾール(281m
g)を用いて、参考例B19と同様の反応を行い、標題
化合物(359mg)を無色結晶として得た。 mp 106−107 ℃. H−NMR(CDCl)δ: 1.5−1.8
(4H, m), 2.58 (2H, t, J =
7.0Hz), 2.78 (2H, t, J=
5.6Hz), 3.82 (2H, t, J =
7.0Hz),4.03 (2H, t, J =
5.6Hz), 5.02 (2H, s), 6.8
−7.0 (6H, m), 7.07 (2H,
d, J =8.4Hz), 7.2−7.35 (2
H, m), 7.61 (1H,d, J = 1
6.8Hz), 7.68 (1H, s). IR (KBr) : 1618, 1516, 14
72, 1456, 1246, 1065, 100
1, 974, 789cm−1. 元素分析:C2727として 計算値(%):C, 67.63; H, 5.68; N, 8.76. 実測値(%):C, 67.78; H, 5.57; N, 9.01.
【0141】参考例B22 3−(1−{4−[4−({2−[(E)−2−(3−
メチルフェニル)エテニル]−1,3−オキサゾール−
4−イル}メトキシ)フェニル]ブチル}−1H−イミ
ダゾール−2−イル)−1,2−プロパンジオール 3−{1−[4−(4−ヒドロキシフェニル)ブチル]
−1H−イミダゾール−2−イル}−1,2−プロパン
ジオール(154mg)、65%油性水素化ナトリウム
(21mg)および4−(クロロメチル)−2−
[(E)−2−(3−メチルフェニル)エテニル]−
1,3−オキサゾール(131mg)を用いて、参考例
B2と同様の反応を行い、標題化合物(156mg)を
得た。 mp 102−104 ℃. H−NMR(CDCl)δ:1.52−1.82
(4H,m), 2.39(3H,s), 2.59
(2H,t,J=7.0Hz), 2.77(1H,
d,J=5.0Hz), 2.78(1H,d,J=
6.8Hz), 3.64(1H,dd,J=4.8H
z,11.2Hz), 3.76(1H,dd,J=
4.2Hz,11.2Hz), 3.82(2H,t,
J=7.0Hz),4.12−4.24(1H,m),
5.02(2H,s), 6.80(1H,d,J=
1.4Hz), 6.92(1H,d,J=1.4H
z), 6.93(1H,d,J=16.2Hz),
6.93(1H,d,J=8.8Hz), 7.08
(2H,d,J=8.8Hz), 7.13−7.39
(4H,m), 7.52(1H,d,J=16.2H
z), 7.66(1H,s). IR (KBr):3500−3200, 3112,
3029, 2934, 2865, 1645,
1609, 1584, 1510, 1491, 1
462, 1379, 1350, 1242, 11
77, 1150, 1123, 1100, 102
6 cm−1. 元素分析:C2933・0.5HOとして 計算値(%):C,70.14;H,6.90;N,8.46. 実測値(%):C,70.39;H,6.63;N,8.51.
【0142】参考例B23 3−(1−{4−[4−({2−[(E)−2−(4−
フルオロフェニル)エテニル]−1,3−オキサゾール
−4−イル}メトキシ)フェニル]ブチル}−1H−イ
ミダゾール−2−イル)−1,2−プロパンジオール 3−{1−[4−(4−ヒドロキシフェニル)ブチル]
−1H−イミダゾール−2−イル}−1,2−プロパン
ジオール(291mg)、65%油性−水素化ナトリウ
ム(39mg)および4−(クロロメチル)−2−
[(E)−2−(4−フルオロフェニル)エテニル]−
1,3−オキサゾール(250mg)を用いて、参考例
B2と同様の反応を行い、標題化合物(347mg)を
得た。 mp 114−116 ℃. H−NMR(CDCl)δ:1.52−1.83
(4H,m), 2.59(2H,t,J=7.2H
z), 2.76(1H,d,J=5.2Hz),2.
77(1H,d,J=7.0Hz), 3.64(1
H,dd,J=4.8Hz,11.4Hz), 3.7
6(1H,dd,J=4.2Hz,11.4Hz),
3.82(2H,t,J=6.8Hz), 4.12−
4.24(1H,m), 5.01(2H,s),
6.80(1H,d,J=1.4Hz),6.86(1
H,d,J=16.8Hz), 6.92(1H,d,
J=1.4Hz), 6.93(2H,d,J=8.8
Hz), 7.07(2H,d,J=8.8Hz),
7.09(2H,d,J=8.7Hz), 7.46−
7.56(3H,m), 7.66(1H,s). IR (KBr):3500−3200, 3152,
3104, 3044, 2940, 2865,
1644, 1599, 1584, 1532, 1
512, 1495, 1462, 1422, 14
00, 1339, 1300, 1246, 117
7, 1159, 1098, 1047cm−1. 元素分析:C2830Fとして 計算値(%):C,68.42;H,6.15;N,8.55. 実測値(%):C,68.16;H,5.98;N,8.46.
【0143】参考例B24 3−[1−(4−{4−[(2−{(E)−2−[4−
(トリフルオロメチル)フェニル]エテニル}−1,3
−オキサゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}ブチ
ル)−1H−イミダゾール−2−イル]−1,2−プロ
パンジオール3−{1−[4−(4−ヒドロキシフェニ
ル)ブチル]−1H−イミダゾール−2−イル}−1,
2−プロパンジオール(204mg)、65%油性水素
化ナトリウム(28mg)および4−(クロロメチル)
−2−{(E)−2−[4−(トリフルオロメチル)フ
ェニル]エテニル}−1,3−オキサゾール(212m
g)を用いて参考例B2と同様の反応を行い標題化合物
(285mg)を得た。 mp 142−143 ℃. H−NMR(CDCl)δ:1.53−1.82
(4H,m), 2.59(2H,t,J=7.1H
z), 2.76(1H,d,J=5.0Hz),2.
77(1H,d,J=7.0Hz), 3.64(1
H,dd,J=4.8Hz,11.4Hz), 3.7
6(1H,dd,J=4.2Hz,11.4Hz),
3.83(2H,t,J=6.8Hz), 4.12−
4.24(1H,m), 5.02(2H,s),
6.81(1H,d,J=1.4Hz),6.92(1
H,d,J=1.4Hz), 6.93(2H,d,J
=8.8Hz), 6.95(1H,d,J=16.4
Hz),7.08(2H,d,J=8.8Hz),
7.56(1H,d,J=16.4Hz), 7.64
(4H,s), 7.70(1H,s). IR (KBr):3500−3200, 3148,
3071, 2936, 2867, 1642,
1615, 1582, 1510, 1491, 1
466, 1416, 1397, 1323, 12
46, 1173, 1138, 1117, 106
7, 1046, 1017 cm−1. 元素分析:C2930として 計算値(%):C,64.32;H,5.58;N,7.76. 実測値(%):C,64.26;H,5.70;N,7.62.
【0144】参考例B25 3−[1−(3−{3−[(2−{(E)−2−[4−
(トリフルオロメチル)フェニル]エテニル}−1,3
−オキサゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロ
ピル)−1H−イミダゾール−2−イル]−1,2−プ
ロパンジオール 3−{1−[3−(3−ヒドロキシフェニル)プロピ
ル]−1H−イミダゾール−2−イル}−1,2−プロ
パンジオール(194mg)、65%油性水素化ナトリ
ウム(28mg)および4−(クロロメチル)−2−
{(E)−2−[4−(トリフルオロメチル)フェニ
ル]エテニル}−1,3−オキサゾール(212mg)
を用いて、参考例B2の反応と同様にして、標題化合物
(255mg)を得た。 mp 102−104 ℃. H−NMR(CDCl)δ:2.08(2H,qu
intet,J=7.0Hz), 2.62(2H,
t,J=7.4Hz), 2.72(1H,d,J=
4.8Hz), 2.73(1H,d,J=7.6H
z), 3.63(1H,dd,J=4.8Hz,1
1.4Hz), 3.74(1H,dd,J=4.2H
z,11.4Hz), 3.83(2H,t,J=7.
2Hz), 4.13−4.24(1H,m), 5.
03(2H,s), 6.77−6.91(3H,
m), 6.84(1H,d,J=1.4Hz),
6.94(1H,d,J=1.4Hz), 7.02
(1H,d,J=16.4Hz), 7.25(1H,
t,J=7.8Hz), 7.57(1H,d,J=1
6.4Hz),7.64(4H,s), 7.71(1
H,s). IR (KBr):3500−3200, 3108,
3056, 2932, 2867, 1613,
1599, 1586, 1534, 1489, 1
451, 1416, 1325, 1260, 11
67, 1125, 1069, 1030, 101
7 cm−1. 元素分析:C2828として 計算値(%):C,63.75;H,5.35;N,7.97. 実測値(%):C,63.60;H,5.32;N,7.88.
【0145】参考例B26 3−(1−{4−[4−({2−[(E)−2−(2,
4−ジフルオロフェニル)エテニル]−1,3−オキサ
ゾール−4−イル}メトキシ)フェニル]ブチル}−1
H−イミダゾール−2−イル)−1,2−プロパンジオ
ール 3−{1−[4−(4−ヒドロキシフェニル)ブチル]
−1H−イミダゾール−2−イル}−1,2−プロパン
ジオール(204mg)、65%油性水素化ナトリウム
(28mg)および4−(クロロメチル)−2−
[(E)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)エテニ
ル]−1,3−オキサゾール(188mg)を用いて、
参考例B2と同様の反応を行い、標題化合物(223m
g)を得た。 mp 126−128 ℃. H−NMR(CDCl)δ:1.52−1.81
(4H,m), 2.58(2H,t,J=6.9H
z), 2.77(2H,d,J=5.4Hz),3.
63(1H,dd,J=4.8Hz,11.4Hz),
3.75(1H,dd,J=4.2Hz,11.4H
z), 3.82(2H,t,J=7.0Hz),
4.10−4.24(1H,m), 5.01(2H,
s), 6.76−7.02(7H,m), 7.07
(2H,d,J=8.6Hz), 7.48−7.51
(1H,m), 7.59(1H,d,J=16.6H
z),7.67(1H,s). IR (KBr):3500−3200, 3106,
3073, 3032, 2934, 2865,
1644, 1613, 1593, 1532, 1
512, 1495, 1462, 1431, 13
54, 1298, 1275, 1244, 117
7, 1142, 1090, 1028cm−1. 元素分析:C2829として 計算値(%):C,66.00;H,5.74;N,8.25. 実測値(%):C,65.89;H,5.94;N,8.37.
【0146】参考例B27 3−(1−{3−[3−({2−[(E)−2−(2,
4−ジフルオロフェニル)エテニル]−1,3−オキサ
ゾール−4−イル}メトキシ)フェニル]プロピル}−
1H−イミダゾール−2−イル)−1,2−プロパンジ
オール 3−{1−[3−(3−ヒドロキシフェニル)プロピ
ル]−1H−イミダゾール−2−イル}−1,2−プロ
パンジオール(203mg)、65%油性水素化ナトリ
ウム(29mg)および4−(クロロメチル)−2−
[(E)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)エテニ
ル]−1,3−オキサゾール(197mg)を用いて、
参考例B2と同様の反応を行い、標題化合物(220m
g)を得た。 mp 92−94 ℃. H−NMR(CDCl)δ:2.08(2H,qu
intet,J=7.2Hz), 2.62(2H,
t,J=7.3Hz), 2.73(1H,d,J=
5.0Hz), 2.74(1H,d,J=7.0H
z), 3.63(1H,dd,J=4.8Hz,1
1.2Hz), 3.74(1H,dd,J=4.2H
z,11.2Hz), 3.83(2H,t,J=7.
4Hz), 4.14−4.24(1H,m), 5.
02(2H,s), 6.76−6.98(5H,
m), 6.84(1H,d,J=1.4Hz),
6.93(1H,d,J=1.4Hz), 6.98
(1H,d,J=16.4Hz), 7.25(1H,
t,J=7.9Hz), 7.48−7.61(1H,
m), 7.60(1H,d,J=16.4Hz),
7.69(1H,s). IR (KBr):3500−3200, 3106,
3067, 3042, 2938, 2872,
1644, 1613, 1599, 1534, 1
495, 1453, 1431, 1379, 13
54, 1275, 1155, 1142, 112
3, 1090, 1028 cm−1. 元素分析:C2727として 計算値(%):C,65.44;H,5.49;N,8.48. 実測値(%):C,65.39;H,5.32;N,8.62.
【0147】参考例B28 3−[1−[4−[4−[[2−[(E)−2−(2,
6−ジフルオロフェニル)エテニル]−1,3−オキサ
ゾール−4−イル]メトキシ]フェニル]ブチル]−1
H−イミダゾール−2−イル]−1,2−プロパンジオ
ール 3−{1−[3−(3−ヒドロキシフェニル)プロピ
ル]−1H−イミダゾール−2−イル}−1,2−プロ
パンジオール(142mg)、60%油性水素化ナトリ
ウム(40mg)および4−(クロロメチル)−2−
[(E)−2−(2,6−ジフルオロフェニル)エテニ
ル]−1,3−オキサゾール(495mg)を用いて、
参考例B2と同様の反応を行い、標題化合物(395m
g)を無色結晶として得た。 mp 123−125 ℃. H−NMR(CDCl)δ: 1.5−1.8
(4H, m), 2.59 (2H, t, J =
7.0), 2.7−2.8 (2H, m),3.
6−3.75 (2H, m), 3.83 (2H,
t, J =7.0Hz), 4.1−4.25
(1H, m), 5.03 (2H,s), 6.8
−7.0 (4H, m), 6.92 (2H,
d, J= 8.6Hz), 7.07 (2H,
d, J = 8.6Hz), 7.2−7.3 (1
H, m), 7.29 (1H, d, J = 1
6.8Hz), 7.61 (1H, d, J =
16.8Hz), 7.69(1H, s). IR (KBr): 1620, 1508, 145
8, 1236, 1051, 1001, 789c
−1. 元素分析: C2829として 計算値(%):C,66.00; H,5.74; N,8.25. 実測値(%):C,65.71; H,5.78; N,8.09.
【0148】参考例B29 (2R)−3−[[1−[4−[4−[[2−[(E)
−2−(2,4−ジフルオロフェニル)エテニル]−
1,3−オキサゾール−4−イル]メトキシ]フェニ
ル]ブチル]−1H−イミダゾール−2−イル]−1,
2−プロパンジオール (2R)−3−(1H−イミダゾール−2−イル)−
1,2−プロパンジオール(127mg)のDMF(4
mL)溶液に氷冷下、60%油性水素化ナトリウム(3
7mg)を加えた。室温で30分間攪拌後、氷冷下、4
−[[4−(4−ヨードブチル)フェノキシ]メチル]
−2−[(E)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)
エテニル]−1,3−オキサゾール(485mg)を加
えた。室温で3時間攪拌後、氷冷下、水を加えた。TH
F−酢酸エチル混液で抽出し、水、食塩水で洗浄し、硫
酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に濃縮した。残留物を
シリカゲルカラムクロマトグラフィ−(溶出液;酢酸エ
チル:メタノール=10:1)により精製後、酢酸エチ
ル−ヘキサンより再結晶し、標題化合物(262mg)
を無色結晶として得た。 mp 104−106 ℃. H−NMR(CDCl)δ: 1.5−1.8
(4H, m), 2.59 (2H, t, J =
7.0Hz), 2.7−2.8 (2H, m),
3.55−3.75 (2H, m), 3.79
(2H, t, J= 7.0Hz), 4.1−4.
2 (1H, m), 5.01 (2H, s),
6.8−7.1 (5H, m), 6.92 (2
H, d,J = 8.4Hz), 7.07 (2
H, d, J = 8.4Hz),7.5−7.6
(1H, m), 7.59 (1H, d, J =
16.2Hz), 7.67 (1H, s). IR (KBr):1507, 1472, 127
3, 1235, 1140, 1092, 966,
858cm−1. 元素分析:C2829として 計算値(%):C,66.00; H,5.74; N,8.25. 実測値(%):C,65.69; H,5.82; N,8.06. [α]22 = + 4.2° (c = 1.0,
メタノール).
【0149】参考例B30 (2S)−3−[[1−[4−[4−[[2−[(E)
−2−(2,4−ジフルオロフェニル)エテニル]−
1,3−オキサゾール−4−イル]メトキシ]フェニ
ル]ブチル]−1H−イミダゾール−2−イル]−1,
2−プロパンジオール (2S)−3−(1H−イミダゾール−2−イル)−
1,2−プロパンジオール、60%油性水素化ナトリウ
ム(50mg)および4−[[4−(4−ヨードブチ
ル)フェノキシ]メチル]−2−[(E)−2−(2,
4−ジフルオロフェニル)エテニル]−1,3−オキサ
ゾール(415mg)を用いて、参考例B29と同様の
反応を行い、標題化合物(219mg)を無色結晶とし
て得た。 mp 106−108 ℃. H−NMR(CDCl)δ : 1.5−1.8
(4H, m), 2.58 (2H, t, J =
6.8Hz), 2.7−2.8 (2H,m),
3.6−3.75 (2H, m), 3.82 (2
H, t, J= 7.0Hz), 4.1−4.2
(1H, m), 5.01 (2H, s), 6.
8−7.1 (5H, m), 6.89 (2H,
d,J = 8.4Hz), 7.07 (2H,
d, J = 8.4Hz),7.5−7.6 (1
H, m), 7.59 (1H, d, J = 1
6.4Hz), 7.67 (1H, s). IR(KBr) : 1615, 1512, 149
7, 1273, 1246, 1229, 114
0, 1094, 1046, 966, 847cm
−1. 元素分析: C2829として 計算値(%):C,66.00; H,5.74; N,8.25. 実測値(%):C,65.75; H,5.60; N,8.12. [α]22 = − 3.5° (c = 1.
0, メタノール).
【0150】参考例C1 ヒト乳癌細胞の受容体チロシンのリン酸化の抑制 ヒト乳癌細胞MCF−7の細胞懸濁液500μl(30
0,000細胞)を24穴プレートに播き、5%炭酸ガ
スインキュベーター中37℃で培養した。翌日、4倍段
階希釈した被検化合物溶液250μlを添加し、2時間
後、最終濃度が0.8μg/mLとなるよう調整したハ
レグリン溶液250μlを加え、5分後、抽出液を加え
て反応を停止させるとともにタンパク質を抽出した。こ
のタンパク質をタンパク質電気泳動法により分画した
後、電気泳動ゲル内のタンパク質をナイロンフィルター
にトランスファーした。このフィルターとリン酸化チロ
シン特異抗体とを反応させ、反応産物を蛍光標識して感
光フィルムを反応させた。感光フィルムの感光量を画像
解析装置により定量した。ハレグリンを加えた群の細胞
のHER2チロシンのリン酸化量を100%として、各
濃度の被検化合物溶液を加えた群の細胞のHER2チロ
シンのリン酸化量の割合を求め、被検化合物がHER2
チロシンのリン酸化量を対照の50%に抑制するのに必
要な化合物濃度(IC50値)を算出した。結果を〔表
1〕に示す。これより、試験化合物は、ヒト乳癌細胞が
増殖因子ハレグリンにより刺激を受けた時の、増殖因子
刺激に伴う受容体チロシンキナーゼの活性化によって引
き起こされる、受容体タンパク質のチロシン残基のリン
酸化反応を強く阻害することが示された。
【0151】
【表1】 ────────────────────────────── 参考例番号(化合物番号) 細胞内HER2リン酸化阻害 MCF−7(IC50:μM) ────────────────────────────── B2 1.9 B3 0.18 B4 0.10 B6 1.2 B11 1.1 B20 1.5 B22 1.9 B26 0.92 ──────────────────────────────
【0152】参考例C2 in vitro での乳癌細胞BT−474増殖抑制
作用 ヒト乳癌細胞BT−474の細胞懸濁液100μl
(1,000細胞)を96穴マイクロプレートに播き、
5%炭酸ガスインキュベーター中37℃で培養した。翌
日、最終濃度が0.04μg/mLとなるよう調整した
ハレグリン溶液で2倍段階希釈した各被検化合物溶液1
00μlを添加し、培養を5日間行った。被検化合物を
含む培養液を除き、細胞を洗浄した後、50%トリクロ
ロ酢酸溶液で固定後、色素SRB0.4%(W/V)溶
液(1%酢酸に溶解)を加え細胞タンパク質を固定する
とともに染色した(スケハンら、ジャーナル オブ ナ
ショナル キャンサー インスティチュート 82巻1
107−1112ページ、1990年)。色素溶液を除
き、1%酢酸溶液にて洗浄した後、100μlの抽出液
(10mM トリス緩衝液)を加えて色素を抽出し、吸
収波長550nmの吸光度を測定し、タンパク質量とし
て細胞量を測定した。被検化合物溶液を加えていない対
照群のタンパク質量を100%としたときの各処理群の
残存タンパク質量の割合を求め、残存細胞量を対照の5
0%に抑制するのに必要な化合物濃度(IC50)値を
算出した。結果を〔表2〕に示す。これより、試験化合
物は、ヒト乳癌細胞株BT−474の増殖を強く抑制す
ることが示された。
【0153】
【表2】 ───────────────────────────── 参考例番号(化合物番号) 細胞増殖阻害 BT−474(IC50:μM) ───────────────────────────── B2 <0.05 B3 <0.05 B4 <0.05 B6 <0.05 B11 <0.05 B19 0.017 B20 <0.05 B22 <0.05 B26 <0.05 ─────────────────────────────
【0154】参考例C3 in vivo での乳癌増殖抑制作用 500万個のヒト乳癌細胞BT−474を、マトリゲル
溶液に懸濁してBalb/C系雌ヌードマウス(6週
齢)胸部皮下に移植した(フリードマンら プロシーデ
イング オブ ナショナル アカデミー オブ サイエ
ンス USA 87巻6698−6702ページ、19
90年)。移植時ならびに移植後7日目に、腫瘍の生着
率を高める目的で、ジプロピオン酸エストラジオール
(5mg/mL溶液)50μLを、後足に筋肉内投与し
た。移植後14日目に腫瘍径を測定し腫瘍サイズを揃え
たマウスを一群当たり5匹実験に使用した。本発明の化
合物(4、6、14、17、19、20、23、24、
26)の5%アラビアゴム懸濁液(生理的食塩水溶液)
を30mg/kgの濃度で一日二回で10日間経口投与
を行った。投与終了日に腫瘍径を測定し、 式:腫瘍体積=長径×短径×短径×(1/2) により腫瘍体積を算出した。アラビアゴム溶液投与の対
照群での投与終了日の腫瘍体積から投与開始日の腫瘍体
積を減じた値と、薬物投与群での投与終了日の腫瘍体積
から投与開始日の腫瘍体積を減じた値との比率を増殖率
として求めた。結果を〔表3〕に示す。試験化合物は、
ヌードマウスに移植されたヒト乳癌細胞の成長を抑制し
た。また、試験期間にわたりマウス体重を測定したが、
試験化合物の投与による体重減少は認められなかった。
【0155】
【表3】
【0156】実施例1a 参考例B4の化合物 0.1g ポリビニルピロリドン 0.8g 乳糖 0.1g 合計 1.0g 参考例B4の化合物(0.1g)を塩化メチレン(10
mL)に溶解し、これにポリビニルピロリドン(K−3
0、和光純薬、0.8g)を加えて溶解した。この溶液
に乳糖(0.1g)を加えて均一に懸濁し、次いで有機
溶媒を溜去した。残渣の生成物を真空乾燥機で減圧下に
14時間乾燥し、ボールミルで90分間粉砕して、参考
例B4の化合物の固体分散体(0.55g)を得た。
【0157】実施例1b 参考例B6の化合物 0.1g ポリビニルピロリドン 0.8g 乳糖 0.1g 合計 1.0g 参考例B6の化合物(0.1g)を塩化メチレン(10
mL)に溶解し、これにポリビニルピロリドン(K−3
0、和光純薬、0.8g)を加えて溶解する。この溶液
に乳糖(0.1g)を加えて均一に懸濁し、次いで有機
溶媒を溜去する。残渣の生成物を真空乾燥機で減圧下に
14時間乾燥し、ボールミルで90分間粉砕して、参考
例B6の化合物の固体分散体を得る。
【0158】実施例1c 参考例B26の化合物 0.1g ポリビニルピロリドン 0.8g 乳糖 0.1g 合計 1.0g 参考例B26の化合物(0.1g)を塩化メチレン(1
0mL)に溶解し、これにポリビニルピロリドン(K−
30、和光純薬、0.8g)を加えて溶解する。この溶
液に乳糖(0.1g)を加えて均一に懸濁し、次いで有
機溶媒を溜去する。残渣の生成物を真空乾燥機で減圧下
に14時間乾燥し、ボールミルで90分間粉砕して、参
考例B26の化合物の固体分散体を得る。
【0159】 実施例2a 参考例B4の化合物 0.1g ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート 0.8g 乳糖 0.1g 合計 1.0g 参考例B4の化合物(0.1g)を塩化メチレン(9.
4mL)およびエタノール(0.6mL)混液に溶解
し、これにヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレ
ート(HP−50、信越化学工業社製、0.8g)を加
えて溶解した。この溶液に乳糖(0.1g)を加えて均
一に懸濁し、次いで有機溶媒を溜去した。残渣の生成物
を真空乾燥機で減圧下に14時間乾燥し、ボールミルで
90分間粉砕して、参考例B4の化合物の固体分散体
(0.61g)を得た。
【0160】 実施例2b 参考例B6の化合物 0.1g ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート 0.8g 乳糖 0.1g 合計 1.0g 参考例B6の化合物(0.1g)を塩化メチレン(9.
4mL)およびエタノール(0.6mL)混液に溶解
し、これにヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレ
ート(HP−50、信越化学工業社製、0.8g)を加
えて溶解する。この溶液に乳糖(0.1g)を加えて均
一に懸濁し、次いで有機溶媒を溜去する。残渣の生成物
を真空乾燥機で減圧下に14時間乾燥し、ボールミルで
90分間粉砕して、参考例B6の化合物の固体分散体を
得る。
【0161】 実施例2c 参考例B26の化合物 0.1g ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート 0.8g 乳糖 0.1g 合計 1.0g 参考例B26の化合物(0.1g)を塩化メチレン
(9.4mL)およびエタノール(0.6mL)混液に
溶解し、これにヒドロキシプロピルメチルセルロースフ
タレート(HP−50、信越化学工業社製、0.8g)
を加えて溶解する。この溶液に乳糖(0.1g)を加え
て均一に懸濁し、次いで有機溶媒を溜去する。残渣の生
成物を真空乾燥機で減圧下に14時間乾燥し、ボールミ
ルで90分間粉砕して、参考例B26の化合物の固体分
散体を得る。
【0162】 実施例3a 参考例B4の化合物 0.4g ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート 1.4g 乳糖 0.2g 合計 2.0g 参考例B4の化合物(0.4g)を塩化メチレン(24
mL)およびエタノール(16mL)に溶解し、これに
ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HP
−50、信越化学工業社製、1.4g)を加えて溶解し
た。この溶液に乳糖(0.2g)を加えて均一に懸濁
し、次いでスプレードライヤ(ヤマト科学社製)を用い
て有機溶媒を溜去した。生成物を真空乾燥機で減圧下に
14時間乾燥して、参考例B4の化合物の固体分散体
(1.2g)を得た。
【0163】 実施例3b 参考例B6の化合物 0.4g ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート 1.4g 乳糖 0.2g 合計 2.0g 参考例B6の化合物(0.4g)を塩化メチレン(24
mL)およびエタノール(16mL)に溶解し、これに
ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HP
−50、信越化学工業社製、1.4g)を加えて溶解す
る。この溶液に乳糖(0.2g)を加えて均一に懸濁
し、次いでスプレードライヤ(ヤマト科学社製)を用い
て有機溶媒を溜去する。生成物を真空乾燥機で減圧下に
14時間乾燥して、参考例B6の化合物の固体分散体を
得る。
【0164】 実施例3c 参考例B26の化合物 0.4g ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート 1.4g 乳糖 0.2g 合計 2.0g 参考例B26の化合物(0.4g)を塩化メチレン(2
4mL)およびエタノール(16mL)に溶解し、これ
にヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(H
P−50、信越化学工業社製、1.4g)を加えて溶解
する。この溶液に乳糖(0.2g)を加えて均一に懸濁
し、次いでスプレードライヤ(ヤマト科学社製)を用い
て有機溶媒を溜去する。生成物を真空乾燥機で減圧下に
14時間乾燥して、参考例B26の化合物の固体分散体
を得る。
【0165】 実施例4a 参考例B4の化合物 0.4g ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート 1.4g 乳糖 0.2g 合計 2.0g 参考例B4の化合物(0.4g)をアセトン(20m
L)およびエタノール(20mL)に溶解し、これにヒ
ドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HP−
50、信越化学工業社製、1.4g)を加えて溶解し
た。この溶液に乳糖(0.2g)を加えて均一に懸濁
し、次いでスプレードライヤ(ヤマト科学社製)を用い
て有機溶媒を溜去した。生成物を真空乾燥機で減圧下に
14時間乾燥して、参考例B4の化合物の固体分散体
(1.2g)を得た。
【0166】 実施例4b 参考例B6の化合物 0.4g ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート 1.4g 乳糖 0.2g 合計 2.0g 参考例B6の化合物(0.4g)をアセトン(20m
L)およびエタノール(20mL)に溶解し、これにヒ
ドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HP−
50、信越化学工業社製、1.4g)を加えて溶解す
る。この溶液に乳糖(0.2g)を加えて均一に懸濁
し、次いでスプレードライヤ(ヤマト科学社製)を用い
て有機溶媒を溜去する。生成物を真空乾燥機で減圧下に
14時間乾燥して、参考例B6の化合物の固体分散体を
得る。
【0167】 実施例4c 参考例B26の化合物 0.4g ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート 1.4g 乳糖 0.2g 合計 2.0g 参考例B26の化合物(0.4g)をアセトン(20m
L)およびエタノール(20mL)に溶解し、これにヒ
ドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HP−
50、信越化学工業社製、1.4g)を加えて溶解す
る。この溶液に乳糖(0.2g)を加えて均一に懸濁
し、次いでスプレードライヤ(ヤマト科学社製)を用い
て有機溶媒を溜去する。生成物を真空乾燥機で減圧下に
14時間乾燥して、参考例B26の化合物の固体分散体
を得る。
【0168】 実施例5a 参考例B4の化合物 0.4g ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート 1.6g 合計 2.0g 参考例B4の化合物(0.4g)をアセトン(20m
L)およびエタノール(20mL)に溶解し、これにヒ
ドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HP−
50、信越化学工業社製、1.6g)を加えて溶解し、
スプレードライヤ(ヤマト科学社製)を用いて有機溶媒
を溜去した。生成物を真空乾燥機で減圧下に14時間乾
燥して、参考例B4の化合物の固体分散体(1.2g)
を得た。
【0169】 実施例5b 参考例B6の化合物 0.4g ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート 1.6g 合計 2.0g 参考例B6の化合物(0.4g)をアセトン(20m
L)およびエタノール(20mL)に溶解し、これにヒ
ドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HP−
50、信越化学工業社製、1.6g)を加えて溶解し、
スプレードライヤ(ヤマト科学社製)を用いて有機溶媒
を溜去する。生成物を真空乾燥機で減圧下に14時間乾
燥して、参考例B6の化合物の固体分散体を得る。
【0170】 実施例5c 参考例B26の化合物 0.4g ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート 1.6g 合計 2.0g 参考例B26の化合物(0.4g)をアセトン(20m
L)およびエタノール(20mL)に溶解し、これにヒ
ドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HP−
50、信越化学工業社製、1.6g)を加えて溶解し、
スプレードライヤ(ヤマト科学社製)を用いて有機溶媒
を溜去する。生成物を真空乾燥機で減圧下に14時間乾
燥して、参考例B26の化合物の固体分散体を得る。
【0171】実施例6a 参考例B4の化合物 0.4g カルボキシメチルエチルセルロース 1.6g 合計 2.0g 参考例B4の化合物(0.4g)をアセトン(20m
L)およびエタノール(20mL)に溶解し、これにカ
ルボキシメチルエチルセルロース(フロイント産業社
製、1.6g)を加えて溶解し、スプレードライヤ(ヤ
マト科学社製)を用いて有機溶媒を溜去した。生成物を
真空乾燥機で減圧下に14時間乾燥して、参考例B4の
化合物の固体分散体(1.2g)を得た。
【0172】実施例6b 参考例B6の化合物 0.4g カルボキシメチルエチルセルロース 1.6g 合計 2.0g 参考例B6の化合物(0.4g)をアセトン(20m
L)およびエタノール(20mL)に溶解し、これにカ
ルボキシメチルエチルセルロース(フロイント産業社
製、1.6g)を加えて溶解し、スプレードライヤ(ヤ
マト科学社製)を用いて有機溶媒を溜去する。生成物を
真空乾燥機で減圧下に14時間乾燥して、参考例B6の
化合物の固体分散体を得る。
【0173】実施例6c 参考例B26の化合物 0.4g カルボキシメチルエチルセルロース 1.6g 合計 2.0g 参考例B26の化合物(0.4g)をアセトン(20m
L)およびエタノール(20mL)に溶解し、これにカ
ルボキシメチルエチルセルロース(フロイント産業社
製、1.6g)を加えて溶解し、スプレードライヤ(ヤ
マト科学社製)を用いて有機溶媒を溜去する。生成物を
真空乾燥機で減圧下に14時間乾燥して、参考例B26
の化合物の固体分散体を得る。
【0174】実施例7a 参考例B4の化合物 0.4g オイドラギット 1.6g 合計 2.0g 参考例B4の化合物(0.4g)をアセトン(20m
L)およびエタノール(20mL)に溶解し、これにオ
イドラギット(L−100−55、ローム社製、1.6
g)を加えて溶解し、スプレードライヤ(ヤマト科学社
製)を用いて有機溶媒を溜去した。生成物を真空乾燥機
で減圧下に14時間乾燥して、参考例B4の化合物の固
体分散体(1.2g)を得た。
【0175】実施例7b 参考例B6の化合物 0.4g オイドラギット 1.6g 合計 2.0g 参考例B6の化合物(0.4g)をアセトン(20m
L)およびエタノール(20mL)に溶解し、これにオ
イドラギット(L−100−55、ローム社製、1.6
g)を加えて溶解し、スプレードライヤ(ヤマト科学社
製)を用いて有機溶媒を溜去する。生成物を真空乾燥機
で減圧下に14時間乾燥して、参考例B6の化合物の固
体分散体を得る。
【0176】実施例7c 参考例B26の化合物 0.4g オイドラギット 1.6g 合計 2.0g 参考例B26の化合物(0.4g)をアセトン(20m
L)およびエタノール(20mL)に溶解し、これにオ
イドラギット(L−100−55、ローム社製、1.6
g)を加えて溶解し、スプレードライヤ(ヤマト科学社
製)を用いて有機溶媒を溜去する。生成物を真空乾燥機
で減圧下に14時間乾燥して、参考例B26の化合物の
固体分散体を得る。
【0177】 実施例8a 参考例B4の化合物 1.5g ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート 3.5g 合計 5.0g 参考例B4の化合物(1.5g)をアセトン(75m
L)およびエタノール(25mL)に溶解し、これにヒ
ドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HP−
55、信越化学工業社製、3.5g)を加えて溶解し、
スプレードライヤ(ヤマト科学社製)を用いて有機溶媒
を溜去した。生成物を真空乾燥機で減圧下に14時間乾
燥して、参考例B4の化合物の固体分散体(3.5g)
を得た。
【0178】 実施例8b 参考例B6の化合物 1.5g ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート 3.5g 合計 5.0g 参考例B6の化合物(1.5g)をアセトン(75m
L)およびエタノール(25mL)に溶解し、これにヒ
ドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HP−
55、信越化学工業社製、3.5g)を加えて溶解し、
スプレードライヤ(ヤマト科学社製)を用いて有機溶媒
を溜去する。生成物を真空乾燥機で減圧下に14時間乾
燥して、参考例B6の化合物の固体分散体を得る。
【0179】 実施例8c 参考例B26の化合物 1.5g ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート 3.5g 合計 5.0g 参考例B26の化合物(1.5g)をアセトン(75m
L)およびエタノール(25mL)に溶解し、これにヒ
ドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HP−
55、信越化学工業社製、3.5g)を加えて溶解し、
スプレードライヤ(ヤマト科学社製)を用いて有機溶媒
を溜去する。生成物を真空乾燥機で減圧下に14時間乾
燥して、参考例B26の化合物の固体分散体を得る。
【0180】実施例9a 参考例B4の化合物 1.5g カルボキシメチルエチルセルロース 3.5g 合計 5.0g 参考例B4の化合物(1.5g)をアセトン(75m
L)およびエタノール(25mL)に溶解し、これにカ
ルボキシメチルエチルセルロース(フロイント産業社
製、3.5g)を加えて溶解し、スプレードライヤ(ヤ
マト科学社製)を用いて有機溶媒を溜去した。生成物を
真空乾燥機で減圧下に14時間乾燥して、参考例B4の
化合物の固体分散体(3.5g)を得た。
【0181】実施例9b 参考例B6の化合物 1.5g カルボキシメチルエチルセルロース 3.5g 合計 5.0g 参考例B6の化合物(1.5g)をアセトン(75m
L)およびエタノール(25mL)に溶解し、これにカ
ルボキシメチルエチルセルロース(フロイント産業社
製、3.5g)を加えて溶解し、スプレードライヤ(ヤ
マト科学社製)を用いて有機溶媒を溜去する。生成物を
真空乾燥機で減圧下に14時間乾燥して、参考例B6の
化合物の固体分散体を得る。
【0182】実施例9c 参考例B26の化合物 1.5g カルボキシメチルエチルセルロース 3.5g 合計 5.0g 参考例B26の化合物(1.5g)をアセトン(75m
L)およびエタノール(25mL)に溶解し、これにカ
ルボキシメチルエチルセルロース(フロイント産業社
製、3.5g)を加えて溶解し、スプレードライヤ(ヤ
マト科学社製)を用いて有機溶媒を溜去する。生成物を
真空乾燥機で減圧下に14時間乾燥して、参考例B26
の化合物の固体分散体を得る。
【0183】実施例10a 参考例B4の化合物 1.5g オイドラギット 3.5g 合計 5.0g 参考例B4の化合物(1.5g)をアセトン(75m
L)およびエタノール(25mL)に溶解し、これにオ
イドラギット(L−100−55、ローム社製、3.5
g)を加えて溶解し、スプレードライヤ(ヤマト科学社
製)を用いて有機溶媒を溜去した。生成物を真空乾燥機
で減圧下に14時間乾燥して、参考例B4の化合物の固
体分散体(3.5g)を得た。
【0184】実施例10b 参考例B6の化合物 1.5g オイドラギット 3.5g 合計 5.0g 参考例B6の化合物(1.5g)をアセトン(75m
L)およびエタノール(25mL)に溶解し、これにオ
イドラギット(L−100−55、ローム社製、3.5
g)を加えて溶解し、スプレードライヤ(ヤマト科学社
製)を用いて有機溶媒を溜去する。生成物を真空乾燥機
で減圧下に14時間乾燥して、参考例B6の化合物の固
体分散体を得る。
【0185】実施例10c 参考例B26の化合物 1.5g オイドラギット 3.5g 合計 5.0g 参考例B26の化合物(1.5g)をアセトン(75m
L)およびエタノール(25mL)に溶解し、これにオ
イドラギット(L−100−55、ローム社製、3.5
g)を加えて溶解し、スプレードライヤ(ヤマト科学社
製)を用いて有機溶媒を溜去する。生成物を真空乾燥機
で減圧下に14時間乾燥して、参考例B26の化合物の
固体分散体を得る。
【0186】 実施例11a 参考例B4の化合物 1.65g ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート 3.35g 合計 5.0g 参考例B4の化合物(1.65g)をアセトン(75m
L)およびエタノール(25mL)に溶解し、これにヒ
ドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HP−
55、信越化学工業社製、3.35g)を加えて溶解
し、スプレードライヤ(ヤマト科学社製)を用いて有機
溶媒を溜去した。生成物を真空乾燥機で減圧下に14時
間乾燥して、参考例B4の化合物の固体分散体(3.5
g)を得た。
【0187】 実施例11b 参考例B6の化合物 1.65g ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート 3.35g 合計 5.0g 参考例B6の化合物(1.65g)をアセトン(75m
L)およびエタノール(25mL)に溶解し、これにヒ
ドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HP−
55、信越化学工業社製、3.35g)を加えて溶解
し、スプレードライヤ(ヤマト科学社製)を用いて有機
溶媒を溜去する。生成物を真空乾燥機で減圧下に14時
間乾燥して、参考例B6の化合物の固体分散体を得る。
【0188】 実施例11c 参考例B26の化合物 1.65g ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート 3.35g 合計 5.0g 参考例B26の化合物(1.65g)をアセトン(75
mL)およびエタノール(25mL)に溶解し、これに
ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HP
−55、信越化学工業社製、3.35g)を加えて溶解
し、スプレードライヤ(ヤマト科学社製)を用いて有機
溶媒を溜去する。生成物を真空乾燥機で減圧下に14時
間乾燥して、参考例B26の化合物の固体分散体を得
る。
【0189】実施例12a 参考例B4の化合物 1.65g オイドラギット 3.35g 合計 5.0g 参考例B4の化合物(1.65g)をアセトン(75m
L)およびエタノール(25mL)に溶解し、これにオ
イドラギット(L−100−55、ローム社製、3.3
5g)を加えて溶解し、スプレードライヤ(ヤマト科学
社製)を用いて有機溶媒を溜去した。生成物を真空乾燥
機で減圧下に14時間乾燥して、参考例B4の化合物の
固体分散体(3.5g)を得た。
【0190】実施例12b 参考例B6の化合物 1.65g オイドラギット 3.35g 合計 5.0g 参考例B6の化合物(1.65g)をアセトン(75m
L)およびエタノール(25mL)に溶解し、これにオ
イドラギット(L−100−55、ローム社製、3.3
5g)を加えて溶解し、スプレードライヤ(ヤマト科学
社製)を用いて有機溶媒を溜去する。生成物を真空乾燥
機で減圧下に14時間乾燥して、参考例B6の化合物の
固体分散体を得る。
【0191】実施例12c 参考例B26の化合物 1.65g オイドラギット 3.35g 合計 5.0g 参考例B26の化合物(1.65g)をアセトン(75
mL)およびエタノール(25mL)に溶解し、これに
オイドラギット(L−100−55、ローム社製、3.
35g)を加えて溶解し、スプレードライヤ(ヤマト科
学社製)を用いて有機溶媒を溜去する。生成物を真空乾
燥機で減圧下に14時間乾燥して、参考例B26の化合
物の固体分散体を得る。
【0192】 実施例13a 参考例B4の化合物 12.5kg ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート 50.0kg 合計 62.5kg 参考例B4の化合物(12.5kg)をアセトン(62
5L)およびエタノール(625L)に溶解し、これに
ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HP
−55、信越化学工業社製、50.0kg)を加えて溶
解し、スプレードライヤ(日本車輌社製)を用いて有機
溶媒を溜去した。生成物を真空乾燥機で減圧下に20時
間乾燥して、参考例B4の化合物の固体分散体(47.
2kg)を得た。
【0193】 実施例13b 参考例B6の化合物 12.5kg ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート 50.0kg 合計 62.5kg 参考例B6の化合物(12.5kg)をアセトン(62
5L)およびエタノール(625L)に溶解し、これに
ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HP
−55、信越化学工業社製、50.0kg)を加えて溶
解し、スプレードライヤ(日本車輌社製)を用いて有機
溶媒を溜去する。生成物を真空乾燥機で減圧下に20時
間乾燥して、参考例B6の化合物の固体分散体を得る。
【0194】 実施例13c 参考例B26の化合物 12.5kg ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート 50.0kg 合計 62.5kg 参考例B26の化合物(12.5kg)をアセトン(6
25L)およびエタノール(625L)に溶解し、これ
にヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(H
P−55、信越化学工業社製、50.0kg)を加えて
溶解し、スプレードライヤ(日本車輌社製)を用いて有
機溶媒を溜去する。生成物を真空乾燥機で減圧下に20
時間乾燥して、参考例B26の化合物の固体分散体を得
る。
【0195】 実施例14a 参考例B4の化合物 0.6kg ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート 1.4kg 合計 2.0kg 参考例B4の化合物(0.6kg)をアセトン(25
L)およびエタノール(25L)に溶解し、これにヒド
ロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HP−5
5、信越化学工業社製、1.4kg)を加えて溶解し、
スプレードライヤ(日本車輌社製)を用いて有機溶媒を
溜去した。生成物を真空乾燥機で減圧下に20時間乾燥
して、参考例B4の化合物の固体分散体(1.4kg)
を得た。
【0196】 実施例14b 参考例B6の化合物 0.6kg ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート 1.4kg 合計 2.0kg 参考例B6の化合物(0.6kg)をアセトン(25
L)およびエタノール(25L)に溶解し、これにヒド
ロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HP−5
5、信越化学工業社製、1.4kg)を加えて溶解し、
スプレードライヤ(日本車輌社製)を用いて有機溶媒を
溜去する。生成物を真空乾燥機で減圧下に20時間乾燥
して、参考例B6の化合物の固体分散体を得る。
【0197】 実施例14c 参考例B26の化合物 0.6kg ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート 1.4kg 合計 2.0kg 参考例B26の化合物(0.6kg)をアセトン(25
L)およびエタノール(25L)に溶解し、これにヒド
ロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HP−5
5、信越化学工業社製、1.4kg)を加えて溶解し、
スプレードライヤ(日本車輌社製)を用いて有機溶媒を
溜去する。生成物を真空乾燥機で減圧下に20時間乾燥
して、参考例B26の化合物の固体分散体を得る。
【0198】実施例15a 参考例B4の化合物 0.67kg オイドラギット 1.33kg 合計 2.00kg 参考例B4の化合物(0.67kg)をアセトン(2
7.8L)およびエタノール(27.8L)に溶解し、
これにオイドラギット(L100−55、ローム社製、
1.33kg)を加えて溶解し、スプレードライヤ(日
本車輌社製)を用いて有機溶媒を溜去した。生成物を真
空乾燥機で減圧下に20時間乾燥して、参考例B4の化
合物の固体分散体(1.4kg)を得た。
【0199】実施例15b 参考例B6の化合物 0.67kg オイドラギット 1.33kg 合計 2.00kg 参考例B6の化合物(0.67kg)をアセトン(2
7.8L)およびエタノール(27.8L)に溶解し、
これにオイドラギット(L100−55、ローム社製、
1.33kg)を加えて溶解し、スプレードライヤ(日
本車輌社製)を用いて有機溶媒を溜去する。生成物を真
空乾燥機で減圧下に20時間乾燥して、参考例B6の化
合物の固体分散体を得る。
【0200】実施例15c 参考例B26の化合物 0.67kg オイドラギット 1.33kg 合計 2.00kg 参考例B26の化合物(0.67kg)をアセトン(2
7.8L)およびエタノール(27.8L)に溶解し、
これにオイドラギット(L100−55、ローム社製、
1.33kg)を加えて溶解し、スプレードライヤ(日
本車輌社製)を用いて有機溶媒を溜去する。生成物を真
空乾燥機で減圧下に20時間乾燥して、参考例B26の
化合物の固体分散体を得る。
【0201】実施例16a 実施例13aで得た固体分散体(2044g)、乳糖
(6928g)、結晶セルロース(13880g)、軽
質無水ケイ酸(144g)、カルメロースカルシウム
(720g)、ステアリン酸マグネシウム(288g)
をタンブラー混合機に入れて30分間混合し、これを打
錠機で打錠して長径14mm×短径8mmの錠剤を得、
これをパワーミルで粉砕し、再びタンブラー混合機で混
合後、打錠機で打錠して長径14mm×短径8mmの錠
剤30000錠を得た。
【0202】実施例16b 実施例13bで得られる固体分散体(2044g)、乳
糖(6928g)、結晶セルロース(13880g)、
軽質無水ケイ酸(144g)、カルメロースカルシウム
(720g)、ステアリン酸マグネシウム(288g)
をタンブラー混合機に入れて30分間混合し、これを打
錠機で打錠して長径14mm×短径8mmの錠剤を得、
これをパワーミルで粉砕し、再びタンブラー混合機で混
合後、打錠機で打錠して長径14mm×短径8mmの錠
剤を得る。
【0203】実施例16c 実施例13cで得られる固体分散体(2044g)、乳
糖(6928g)、結晶セルロース(13880g)、
軽質無水ケイ酸(144g)、カルメロースカルシウム
(720g)、ステアリン酸マグネシウム(288g)
をタンブラー混合機に入れて30分間混合し、これを打
錠機で打錠して長径14mm×短径8mmの錠剤を得、
これをパワーミルで粉砕し、再びタンブラー混合機で混
合後、打錠機で打錠して長径14mm×短径8mmの錠
剤を得る。
【0204】実施例17a 実施例13aで得た固体分散体(10220g)、乳糖
(7856g)、結晶セルロース(27620g)、軽
質無水ケイ酸(288g)、カルメロースカルシウム
(1440g)、ステアリン酸マグネシウム(576
g)をタンブラー混合機に入れて30分間混合し、これ
を打錠機で打錠して長径14mm×短径8mmの錠剤を
得、これをパワーミルで粉砕し、再びタンブラー混合機
で混合後、打錠機で打錠して長径14mm×短径8mm
の錠剤65000錠を得た。
【0205】実施例17b 実施例13bで得られる固体分散体(10220g)、
乳糖(7856g)、結晶セルロース(27620
g)、軽質無水ケイ酸(288g)、カルメロースカル
シウム(1440g)、ステアリン酸マグネシウム(5
76g)をタンブラー混合機に入れて30分間混合し、
これを打錠機で打錠して長径14mm×短径8mmの錠
剤を得、これをパワーミルで粉砕し、再びタンブラー混
合機で混合後、打錠機で打錠して長径14mm×短径8
mmの錠剤を得る。
【0206】実施例17c 実施例13cで得られる固体分散体(10220g)、
乳糖(7856g)、結晶セルロース(27620
g)、軽質無水ケイ酸(288g)、カルメロースカル
シウム(1440g)、ステアリン酸マグネシウム(5
76g)をタンブラー混合機に入れて30分間混合し、
これを打錠機で打錠して長径14mm×短径8mmの錠
剤を得、これをパワーミルで粉砕し、再びタンブラー混
合機で混合後、打錠機で打錠して長径14mm×短径8
mmの錠剤を得る。
【0207】実施例18a 実施例13aで得た固体分散体(16870g)、乳糖
(1914g)、結晶セルロース(28340g)、軽
質無水ケイ酸(297g)、カルメロースカルシウム
(1485g)、ステアリン酸マグネシウム(594
g)をタンブラー混合機に入れて30分間混合し、これ
を打錠機で打錠して長径14mm×短径8mmの錠剤を
得、これをパワーミルで粉砕し、二回分の粉砕物を再び
タンブラー混合機で混合後、打錠機で打錠して長径14
mm×短径8mmの錠剤140000錠を得た。
【0208】実施例18b 実施例13bで得られる固体分散体(16870g)、
乳糖(1914g)、結晶セルロース(28340
g)、軽質無水ケイ酸(297g)、カルメロースカル
シウム(1485g)、ステアリン酸マグネシウム(5
94g)をタンブラー混合機に入れて30分間混合し、
これを打錠機で打錠して長径14mm×短径8mmの錠
剤を得、これをパワーミルで粉砕し、二回分の粉砕物を
再びタンブラー混合機で混合後、打錠機で打錠して長径
14mm×短径8mmの錠剤を得る。
【0209】実施例18c 実施例13cで得られる固体分散体(16870g)、
乳糖(1914g)、結晶セルロース(28340
g)、軽質無水ケイ酸(297g)、カルメロースカル
シウム(1485g)、ステアリン酸マグネシウム(5
94g)をタンブラー混合機に入れて30分間混合し、
これを打錠機で打錠して長径14mm×短径8mmの錠
剤を得、これをパワーミルで粉砕し、二回分の粉砕物を
再びタンブラー混合機で混合後、打錠機で打錠して長径
14mm×短径8mmの錠剤を得る。
【0210】 実施例19a (1)実施例1aの固体分散体 50mg (2)ラクトース 34mg (3)トウモロコシ澱粉 10.6mg (4)トウモロコシ澱粉(のり状) 5mg (5)ステアリン酸マグネシウム 0.4mg (6)カルボキシメチルセルロースカルシウム 20mg 計 120mg 常法に従い上記(1)〜(6)を混合し、打錠機により
打錠し、錠剤を得る。実施例1aの固体分散体に代え
て、実施例1b〜10cの固体分散体をそれぞれ用い
て、錠剤を得ることができる。
【0211】試験例1 溶解度測定試験 (1)試験試料 (A)実施例4aで製造した固体分散体。 (B)対照として参考例B4それ自体の結晶。 (2)試験法 常法に従い、参考例B4の化合物の第十三改正日本薬局
法第2液(pH6.8)における溶解度を測定した。即
ち、遠沈管に第十三改正日本薬局法第2液(pH6.
8)10mL入れ、これに上記の試験試料(参考例B4
の化合物を20mg含有する)を添加し、室温で振とう
した。振とうを続けて3時間後に、ポアサイズ0.45
μmのメンブランフィルターでろ過した。濾液中のHE
R2阻害物質T−162165の溶解量をHPLCで測
定した。 (3)試験結果
【0212】
【表4】
【0213】試験例2 溶出試験 (1)試験試料 (A)対照として参考例B4の化合物それ自体の結晶。 (B)実施例1aの固体分散体。 (C)実施例2aの固体分散体。 (D)実施例4aの固体分散体。 (E)実施例5aの固体分散体。 (F)実施例6aの固体分散体。 (G)実施例7aの固体分散体。 (H)実施例8aの固体分散体。 (I)実施例9aの固体分散体。 (J)実施例10aの固体分散体。 (2)試験法 試験液として第十三改正日本薬局法の溶出試験第2法
(パドル法)に従って第十三改正日本薬局法第2液50
0mLを使用して100mgに対して試験を行ない、1
00rpmでの各溶出試験開始からの一定時間後の溶出
液を測定した。 (3)試験結果 参考例B4の化合物の固体分散体の溶出率を下記の表5
に示す。
【0214】
【表5】
【0215】試験例3 バイオアベラビリティ試験 (1)試験試料 (A)対照として参考例B4の化合物それ自体の結晶。 (B)実施例1aの固体分散体。 (C)実施例4aの固体分散物。 (D)実施例5aの固体分散物。 (E)実施例8aの固体分散物。 (2)試験法 参考例B4の化合物の固体分散体を含む上記試料(3mg/
kg)を自由摂食させた生後9週令のIGS/SD雄性ラットに
経口投与した。参考例B4の化合物の血漿中濃度を高性
能液体クロマトグラフィ−により、投与後、1、2,4,
8,24時間後に測定した。 (3)試験結果 参考例B4の化合物の固体分散体および結晶の血漿中濃
度を下記の表6に示す。
【0216】
【表6】
【0217】
【発明の効果】本発明の固体分散体は、水難溶性ないし
不溶性のHER2阻害物質の溶解性、経口吸収性または
(および)血液中への吸収性が著しく改善されている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 9/10 A61P 9/10 31/12 31/12 35/00 35/00 43/00 111 43/00 111 123 123 (72)発明者 坂東 博人 大阪府大阪市住吉区苅田2丁目13−25− 205 Fターム(参考) 4C076 AA16 AA31 AA37 AA38 AA41 AA53 AA67 BB01 BB04 BB05 BB11 CC11 CC27 CC35 CC42 DD67A EE10J EE10M EE10N EE11J EE11M EE11N EE12J EE12M EE12N EE23M EE23N EE32J EE32M EE32N EE33J EE33M EE33N FF03 FF04 FF24 FF25 FF31 FF34 FF66 FF68 GG05 GG08 GG09 GG10 GG12 GG16 4C086 AA02 AA03 BC69 GA07 GA09 MA01 MA02 MA03 MA04 MA05 MA21 MA35 MA36 MA37 MA41 MA44 MA52 MA66 NA10 NA11 NA12 NA15 ZA36 ZA45 ZB26 ZB33 ZC20

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水難溶性ないし不溶性のHER2阻害物
    質を含有してなる、該HER2阻害物質の水溶解性が改
    善された医薬組成物。
  2. 【請求項2】 固体分散体である請求項1記載の組成
    物。
  3. 【請求項3】 水難溶性ないし不溶性のHER2阻害物
    質および親水性重合体を含有する請求項1または2記載
    の組成物。
  4. 【請求項4】 HER2阻害物質が非晶形である請求項
    1または2記載の組成物。
  5. 【請求項5】 親水性重合体がセルロース誘導体、ポリ
    アルケニルピロリドン、ポリアルキレングリコールまた
    はメタアクリル酸コポリマーである請求項3記載の組成
    物。
  6. 【請求項6】 親水性重合体が腸溶性重合体である請求
    項3記載の組成物。
  7. 【請求項7】 親水性重合体がヒドロキシプロピルメチ
    ルセルロースフタレートである請求項3記載の組成物。
  8. 【請求項8】 さらに乳糖を含む請求項1〜7のいずれ
    か1項に記載の組成物。
  9. 【請求項9】 水難溶性ないし不溶性のHER2阻害物
    質が、25℃で水に対する溶解度が10mg/mL未満
    のHER2阻害物質である請求項1〜8のいずれか1項
    に記載の組成物。
  10. 【請求項10】 水難溶性ないし不溶性のHER2阻害
    物質が、式 【化1】 〔式中、Rは置換されていてもよい芳香族複素環基を、
    Xは酸素原子、酸化されていてもよい硫黄原子、−C
    (=O)−または−CH(OH)−を、YはCHまたは
    Nを、pは0〜10の整数を、qは1〜5の整数を、式 【化2】 で表される基は置換されていてもよい芳香族アゾール基
    を、環Aはさらに置換されていてもよい。〕で表される
    化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグである請
    求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。
  11. 【請求項11】 水難溶性ないし不溶性のHER2阻害
    物質が、式 【化3】 〔式中、mは1または2、R1はハロゲンまたはハロゲ
    ン化されていてもよいC1 -2アルキル、R2およびR3
    一方は水素原子、他方は式 【化4】 (式中、nは3または4、R4は1ないし2個のヒドロ
    キシ基で置換されたC1-4アルキル基を示す)で表され
    る基を示す。〕で表される化合物もしくはその塩または
    そのプロドラッグである請求項1〜8のいずれか1項に
    記載の組成物。
  12. 【請求項12】 水難溶性ないし不溶性のHER2阻害
    物質が、(i)1−(4−{4−[(2−{(E)−2
    −[4−(トリフルオロメチル)フェニル]エテニル}
    −1,3−オキサゾール−4−イル)メトキシ]フェニ
    ル}ブチル)−1H−1,2,3−トリアゾール、(i
    i)1−(3−{3−[(2−{(E)−2−[4−
    (トリフルオロメチル)フェニル]エテニル}−1,3
    −オキサゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロ
    ピル)−1H−1,2,3−トリアゾール、(iii)3
    −(1−{4−[4−({2−[(E)−2−(2,4
    −ジフルオロフェニル)エテニル]−1,3−オキサゾ
    ール−4−イル}メトキシ)フェニル]ブチル}−1H
    −イミダゾール−2−イル)−1,2−プロパンジオー
    ルもしくはその塩またはそのプロドラッグである請求項
    1〜8のいずれか1項に記載の組成物。
  13. 【請求項13】 水難溶性ないし不溶性のHER2阻害
    物質と親水性重合体との重量比が1:1〜1:20であ
    る請求項3記載の組成物。
  14. 【請求項14】 水難溶性ないし不溶性のHER2阻害
    物質と親水性重合体との重量比が1:1〜1:5である
    請求項3記載の組成物。
  15. 【請求項15】 水難溶性ないし不溶性のHER2阻害
    物質と親水性重合体との重量比が1:2〜1:4である
    請求項3記載の組成物。
  16. 【請求項16】 水難溶性ないし不溶性のHER2阻害
    物質と親水性重合体との重量比が1:3〜1:5である
    請求項3記載の組成物。
  17. 【請求項17】 抗癌剤である請求項1記載の組成物。
  18. 【請求項18】 乳癌または前立腺癌の予防・治療剤で
    ある請求項1記載の組成物。
  19. 【請求項19】 水難溶性ないし不溶性のHER2阻害
    物質および親水性重合体を含む有機溶媒の懸濁液または
    溶液から有機溶媒を除去することを特徴とする水難溶性
    ないし不溶性のHER2阻害物質および親水性重合体を
    含有する固体分散体の製造法。
  20. 【請求項20】 請求項2記載の固体分散体を含有して
    なる医薬製剤。
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