JP2005081893A - 車両用電源制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 意に反した機能ポジションの切り換えを確実に防止しつつ、簡単且つ安価に構成することができる車両用電源制御装置を提供する。
【解決手段】 IGスイッチ部15は、アクチュエータ14の駆動により操作され、機能ポジションをイグニッションON状態とイグニッションOFF状態とに択一的に切り換える。照合ECU16は、イグニッションOFF状態における操作スイッチ13の操作及び携帯機11との相互通信の確立を条件として許可信号を出力する。そして、照合ECU16から許可信号が出力されると、第1給電経路L1を介してアクチュエータ14に給電が行われてイグニッションON状態に切り換わる。また、イグニッションON状態においては、第1給電経路L1を介したアクチュエータ14への給電が不能となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えばワンプッシュ操作で車両の電源制御を行うことができる車両用電源制御装置に関するものである。
一般に、車両の機能ポジションは、車両室内に設けられたキースイッチを操作することによって切換可能となっている。キースイッチは、ロータリスイッチによって構成され、対応するキーが装着されているときに回動可能となっている。そして、この回動操作によってキースイッチの可動接点と固定接点との接触状態が切り換わり、車両の電気系の機能ポジションが「OFF(イグニッションOFF)」、「ACC(アクセサリ)」、「ON(イグニッションON)」、「ST(スタータ)」に切り換わる。
ところが近年、車両室内に押しボタン式の始動・停止スイッチを設け、このスイッチが押されたときにエンジンを始動・停止させるワンプッシュ式エンジン始動・停止制御システムとして具体化された車両用電源制御装置が提案されている(例えば「特許文献1」参照)。
例えば図3に示すように、こうしたエンジン始動・停止制御システム61は電源制御部62を備え、同電源制御部62には、始動・停止スイッチ63からの操作信号が入力されるようになっている。この電源制御部62には、通信機能を有する携帯機との相互通信を行う照合制御部73と、ACCリレー64、IG1リレー65、IG2リレー66及びSTリレー67を個別に作動させるドライバ部68〜71と、エンジン制御部72とが接続されている。電源制御部62及び照合制御部73は、CPU、ROM、RAM等からなるCPUユニット(マイクロコンピュータ)によって構成され、照合制御部73は、携帯機との相互通信が確立すると電源制御部62に対して許可信号を出力する。そして、電源制御部62は、始動・停止スイッチ63からの操作信号と、照合制御部73からの許可信号とに基づいて、各ドライバ部68〜71に対して個別に制御信号を出力することにより、対応するリレー64〜67の作動を制御する。また、電源制御部62は、各ドライバ部68〜71及びエンジン制御部72に対して制御信号を出力することにより、エンジンの始動を制御する。すなわち、エンジン始動・停止制御システム61は、電源制御部62による電子制御によって機能ポジションの切換制御を行うようになっている。
特開2001−311333号公報
ところが、従来のエンジン始動・停止制御システム61では、車両の電気系の機能ポジションを切り換えるための電源制御部62が必要であるため、システム全体が複雑になるとともに高価になってしまう。
また、電源制御部62による電子制御によって機能ポジションの切換制御を行う場合、電源制御部62が意図しない作動などを生じて各リレー64〜67が作動制御されてしまうと、ユーザの意に反して機能ポジションが切り換えられてしまうという懸念がある。こうした観点から、この種のエンジン始動・停止制御システムでは、ユーザの意に反した機能ポジションの切換動作を防止するための様々なフェイルセーフ機能を電源制御部62に具備させる必要があるため、車両用電源制御装置の構成がより複雑になるとともに、より高価になってしまう傾向にある。
本発明はこうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、意に反した機能ポジションの切り換えを確実に防止しつつ、簡単且つ安価に構成することができる車両用電源制御装置を提供することにある。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、車両室内に設けられたモーメンタリ式の操作スイッチと、給電された際に駆動するアクチュエータと、前記アクチュエータの駆動により操作され、該アクチュエータが駆動する度毎に、車両の電気系の機能ポジションを第1状態と第2状態とに択一的に切り換えるIGスイッチ部と、通信機能を有する携帯機との相互通信を行うとともに、前記第2状態における前記操作スイッチの操作及び車両室内に位置する前記携帯機との相互通信の確立を条件として許可信号を出力する照合制御手段と、前記照合制御手段からの許可信号に基づいて、前記IGスイッチ部を介した前記アクチュエータへの給電を行う第1給電経路と、前記第1状態において前記操作スイッチが操作されているときに、前記IGスイッチ部を介した前記アクチュエータへの給電を行う第2給電経路とを備え、前記IGスイッチ部は、第2状態にあっては前記第2給電経路を遮断し、第1状態にあっては前記第1給電経路を遮断することを要旨とする。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の車両用電源制御装置において、前記照合制御手段は、前記操作スイッチが操作された旨を示す操作信号が入力されたことをトリガとして前記携帯機との相互通信を行うことを要旨とする。
請求項3に記載の発明では、請求項1または請求項2に記載の車両用電源制御装置において、前記第1状態はイグニッションON状態であり、前記第2状態はイグニッションOFF状態であることを要旨とする。
以下、本発明の「作用」について説明する。
請求項1に記載の発明によると、車両の電気系の機能ポジションが第2状態であるときには、照合制御手段から許可信号が出力された場合にのみアクチュエータへの給電が行われ、機能ポジションが第1状態に切り換わる。また、機能ポジションが第1状態であるときには、操作スイッチが操作されている状態でのみアクチュエータへの給電が行われ、機能ポジションが第2状態に切り換わる。つまり、第1状態においては、たとえ照合制御手段から許可信号が出力されたとしても、第2状態に切り換わることがない。このため、第1状態において、たとえユーザの意図に反して照合制御手段から許可信号が出力されたとしても、該許可信号に基づいてアクチュエータが駆動することはない。よって、ユーザの意に反した照合制御手段の動作により機能ポジションが第2状態に切り換わってしまうことが、確実に防止される。しかも、IGスイッチ部とアクチュエータとによって機能ポジションが切り換えられるため、従来のようなCPUユニットからなる電源制御部が不要となる。よって、意に反した機能ポジションの切り換えを確実に防止しつつ、車両用電源制御装置を簡単且つ安価に構成することが可能となる。
請求項2に記載の発明によると、車両の電気系の機能ポジションが第2状態であるときにおいては、操作スイッチが瞬間的にでも操作されれば、照合制御手段による携帯機との相互通信が行われる。このため、機能ポジションを第1状態に切り換える際での操作スイッチの操作が容易となる。また、機能ポジションが第1状態であるときにあっては操作スイッチが操作されているときにアクチュエータへの給電が行われるため、機能ポジションを第2状態に切り換えるためには、アクチュエータによってIGスイッチ部の操作が完了するまでの間は操作スイッチを操作し続ける必要がある。よって、操作スイッチを誤って操作した場合などの瞬間的な操作スイッチの操作により、機能ポジションが第2状態に切り換わってしまうことがない。
請求項3に記載の発明によると、イグニッションOFF状態においては、照合制御手段から許可信号が出力された場合にのみアクチュエータへの給電が行われ、機能ポジションがイグニッションON状態に切り換わる。また、イグニッションON状態においては、操作スイッチが操作されている状態でのみアクチュエータへの給電が行われ、機能ポジションがイグニッションOFF状態に切り換わる。つまり、イグニッションON状態においては、たとえ照合制御手段から許可信号が出力されたとしても、イグニッションOFF状態に切り換わることがない。このため、イグニッションON状態において、たとえユーザの意図に反して照合制御手段から許可信号が出力されたとしても、該許可信号に基づいてアクチュエータが駆動することはない。よって、ユーザの意に反した照合制御手段の動作により機能ポジションがイグニッションOFF状態に切り換わってしまうことが、確実に防止される。しかも、IGスイッチ部とアクチュエータとによって機能ポジションが切り換えられるため、従来のようなCPUユニットからなる電源制御部が不要となる。よって、意に反した機能ポジションの切り換えを確実に防止しつつ、車両用電源制御装置を簡単且つ安価に構成することが可能となる。
本発明によれば、意に反した機能ポジションの切り換えを確実に防止しつつ、車両用電源制御装置を簡単且つ安価に構成することができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1に基づき詳細に説明する。
図1に示すように、車両用電源制御システム1は、携帯機11と、車両に配設された電源制御装置12とを備えている。
携帯機11は、所有者(ユーザ)によって所持され、電源制御装置12と相互通信可能となっている。詳しくは、携帯機11は、電源制御装置12から出力されたリクエスト信号を受信すると、所定のIDコードを含むIDコード信号を自動的に送信する。このIDコード信号は、所定周波数(例えば300MHz)の電波として送信される。
電源制御装置12は、操作スイッチ13、アクチュエータ14、IGスイッチ部15、照合制御手段としての照合ECU16、送受信部17及びステアリングロック機構18を備えている。
操作スイッチ13は、モーメンタリ式の押しボタンスイッチなどによって構成され、車両室内の例えばインストルメントパネル等に設けられている。
アクチュエータ14は、例えばDCモータ、ステッピングモータ、ソレノイド等によって構成され、電力が供給されると駆動するようになっている。このアクチュエータ14の電源端子には、同図に2点鎖線で示す第1給電経路L1と、同図に1点鎖線で示す第2給電経路L2とからなる2系統の給電経路が並列に接続されている。
IGスイッチ部15は、バッテリの陽極(図1において「+B」で示す)に接続された第1接点CP1と、前記第1給電経路L1に接続された第2接点CP2と、前記第2給電経路L2及び図示しないエンジン制御部等の各種IG系電装品に接続された第3接点CP3とを有するメカニカルスイッチによって構成されている。また、IGスイッチ部15は、第1接点CP1と第2接点CP2との接続状態、第1接点CP1と第3接点CP3との接続状態に択一的に切り換える接点切換部15aを備えている。この接点切換部15aは、前記アクチュエータ14の駆動部に連結されており、アクチュエータ14が駆動する度毎に接続状態が切り換わるようになっている。このため、第1接点CP1と第2接点CP2との接続状態においては、バッテリからの電力が第1給電経路L1に供給される。この状態においては各種IG系電装品に対して給電されないため、車両の電気系の機能ポジションは、イグニッションOFF状態(第2状態)となる。また、第1接点CP1と第3接点CP3との接続状態においては、バッテリからの電力が第2給電経路L2及び各種IG系電装品に供給されるため、車両の電気系の機能ポジションは、イグニッションON状態(第1状態)となる。なお、図1においては、第2接点CP2と第1給電経路L1との接続子を「LKP」で示し、第3接点CP3と第2給電経路L2との接続子を「IG」で示す。
次に、第1給電経路L1及び第2給電経路L2の構成について説明する。
第1給電経路L1には、スイッチング素子(ここではPNPトランジスタTr)が介在され、同トランジスタTrのエミッタ端子がIGスイッチ部15の第2接点CP2に接続され、コレクタ端子がアクチュエータ14の電源端子に接続されている。また、トランジスタTrのベース端子は、照合ECU16の出力端子OUTに接続されている。このため、IGスイッチ部15の第1接点CP1と第2接点CP2とが接続され、且つトランジスタTrがON状態となっている場合に、第1給電経路L1によるアクチュエータ14への給電が行われる。つまり、イグニッションOFF状態でトランジスタTrがON状態となっている場合に、第1給電経路L1によるアクチュエータ14への給電が行われる。
一方、第2給電経路L2には、操作スイッチ13が介在され、同操作スイッチ13の第1端13aがIGスイッチ部15の第3接点CP3に接続され、第2端13bがアクチュエータ14の電源端子に接続されている。このため、IGスイッチ部15の第1接点CP1と第3接点CP3とが接続され、且つ操作スイッチ13が操作されている状態(ON状態)となっている場合に、第2給電経路L2によるアクチュエータ14への給電が行われる。つまり、イグニッションON状態で操作スイッチ13が操作されている場合に、第2給電経路L2によるアクチュエータ14への給電が行われる。
また、操作スイッチ13の第1端13aには、抵抗Rを介してバッテリの陽極が接続されるとともに、照合ECU16の入力端子INが接続されている。このため、イグニッションOFF状態で、且つアクチュエータ14が駆動されていない状態にあっては、操作スイッチ13の非操作(OFF)時にHレベルの信号が照合ECU16の入力端子INに入力され、操作スイッチ13の操作(ON)時にLレベルの信号が該入力端子INに入力される。
なお、抵抗Rは、イグニッションOFF状態で操作スイッチ13が操作された際に、「バッテリ→抵抗R→操作スイッチ13→アクチュエータ14」の経路での通電によりアクチュエータ14が駆動してしまうのを防止するための電流制限抵抗である。
ところで、照合ECU16は、具体的には図示しないCPU、ROM、RAMからなるCPUユニットによって構成されている。また、照合ECU16には、送受信部17及びステアリングロック機構18が電気的に接続されている。
送受信部17は、照合ECU16からリクエスト信号が入力されると、そのリクエスト信号を所定周波数の電波(例えば134kHz)に変調し、該電波を車両室内の所定領域に出力する。また、送受信部17は、携帯機11から送信されたIDコード信号を受信すると、そのIDコード信号をパルス信号に復調して照合ECU16に出力する。このため、携帯機11が車両室内に位置しているときに、電源制御装置12と同携帯機11との相互通信が可能となる。
ステアリングロック機構18は、ステアリングシャフトに係脱可能に設けられたロックバーをモータ等によって移動させることにより、ステアリングの回動を規制したり、ステアリングの回動規制を解除したりする機構である。このステアリングロック機構18は、照合ECU16から解除信号が入力されるとステアリングの回動規制を解除し、解除を完了すると照合ECU16に対して解除完了信号を出力する。また、ステアリングロック機構18は、照合ECU16からロック信号が入力されるとステアリングを回動規制し、回動規制が完了すると照合ECU16に対して規制完了信号を出力する。
照合ECU16は、入力端子INから操作信号(ここではLレベルの信号)が入力されると、送受信部17に対してリクエスト信号を間欠的に出力する。すなわち、照合ECU16は、該操作信号の入力をトリガとして、送受信部17に対してリクエスト信号を出力する。
また、照合ECU16は、送受信部17から前記IDコード信号が入力されると、そのIDコード信号に含まれるIDコードと、自身に予め設定されたIDコードとの比較(IDコード照合)を行う。そして、それらIDコード同士が一致した場合、照合ECU16は、ステアリングロック機構18に対して解除信号を出力する。
さらに、照合ECU16は、ステアリングロック機構18から解除完了信号が入力されると、出力端子OUTから許可信号(ここではLレベルの信号)を出力する。このため、この許可信号により、前記第1給電経路L1を介してアクチュエータ14に給電される。
次に、このように構成された電源制御装置12における機能ポジションの切換動作について説明する。
<1>イグニッションOFF状態からイグニッションON状態への切換動作
イグニッションOFF状態においては、IGスイッチ部15の第1接点CP1は第2接点CP2と接続した状態にあるため、第1給電経路L1を構成するトランジスタTrのエミッタ端子にバッテリ電圧が印加された状態となる。この状態で操作スイッチ13が押圧操作されると、照合ECU16の入力端子INへの入力信号のレベルがHレベルからLレベルに切り換わる。照合ECU16は、この入力信号のレベルがLレベルに切り換わったことをトリガとして送受信部17にリクエスト信号を出力する。そして、該リクエスト信号に応答して送信された携帯機11からのIDコード信号が送受信部17から入力されると、照合ECU16は、前記IDコード照合を行う。このIDコード照合が成立すると、照合ECU16は、出力端子OUTから許可信号を出力してトランジスタTrを作動させる。これにより、第1給電経路L1を介してアクチュエータ14に給電が行われ、同アクチュエータ14が駆動する。そして、このアクチュエータ14の駆動によってIGスイッチ部15の接点切換部15aが移動し、第1接点CP1と第2接点CP2との接続状態から、第1接点CP1と第3接点CP3との接続状態に切り換わる。このため、第1給電経路L1によるアクチュエータ14への給電が遮断されるとともに、各種IG系電装品への給電が開始される。すなわち、車両の電気系の機能ポジションが、イグニッションOFF状態からイグニッションON状態に切り換わる。
よって、機能ポジションをイグニッションOFF状態からイグニッションON状態に切り換えるためには、操作スイッチ13を操作することと、携帯機11と電源制御装置12との間で相互通信が確立することとが必要となる。
<2>イグニッションON状態からイグニッションOFF状態への切換動作
イグニッションON状態においては、IGスイッチ部15の第1接点CP1は第3接点CP3と接続した状態にあるため、第2給電経路L2を介したアクチュエータ14への給電が可能となる。よって、イグニッションON状態においては、操作スイッチ13が操作されると、その操作されている間のみ、第2給電経路L2を介したアクチュエータ14への給電が行われ、アクチュエータ14が駆動する。そして、このアクチュエータ14の駆動によってIGスイッチ部15の接点切換部15aが移動し、第1接点CP1と第3接点CP3との接続状態から、第1接点CP1と第2接点CP2との接続状態に切り換わる。このため、第2給電経路L2によるアクチュエータ14への給電が遮断されるとともに、各種IG系電装品への給電が停止される。すなわち、車両の電気系の機能ポジションが、イグニッションON状態からイグニッションOFF状態に切り換わる。
よって、機能ポジションをイグニッションON状態からイグニッションOFF状態に切り換えるためには、アクチュエータ14によるIGスイッチ部15の接点切換動作が終了するまでの間、操作スイッチ13を操作することが必要となる。
したがって、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
(1)機能ポジションがイグニッションOFFの状態にあっては、照合ECU16からトランジスタTrに許可信号が出力された場合にのみアクチュエータ14への給電が行われ、機能ポジションがイグニッションON状態に切り換わる。また、機能ポジションがイグニッションONの状態にあっては、操作スイッチ13が操作されている状態でのみアクチュエータ14への給電が行われ、機能ポジションがイグニッションOFF状態に切り換わる。つまり、イグニッションON状態においては、たとえ照合ECU16から許可信号が出力されたとしても、イグニッションOFF状態に切り換わることがない。このため、イグニッションON状態において、たとえユーザの意図に反して照合ECU16からトランジスタTrに許可信号が出力されたとしても、該許可信号に基づいてアクチュエータ14が駆動することはない。よって、ユーザの意に反した照合ECU16の動作により機能ポジションがイグニッションOFF状態に切り換わってしまうのを、確実に防止することができる。
しかも、IGスイッチ部15とアクチュエータ14とによって機能ポジションが切り換えられるため、従来のようなCPUユニットからなる電源制御部が不要となる。よって、意に反した機能ポジションの切り換えを確実に防止しつつ、電源制御装置12を簡単且つ安価に構成することができる。
(2)イグニッションOFFの状態にあっては、操作スイッチ13が瞬間的にでも操作されれば、照合ECU16による携帯機11との相互通信が行われる。このため、機能ポジションをイグニッションON状態に切り換える際での操作スイッチ13の操作が容易となる。また、イグニッションON状態にあっては操作スイッチ13が操作されている間にのみアクチュエータ14への給電が行われるため、イグニッションOFF状態に切り換えるためには、アクチュエータ14によってIGスイッチ部15の操作が完了するまでの間は操作スイッチ13を操作し続ける必要がある。よって、操作スイッチ13を誤って操作した場合などの瞬間的な操作スイッチ13の操作により、機能ポジションがイグニッションOFF状態に切り換わってしまうことがない。
(3)IGスイッチ部15は、3接点式のメカニカルスイッチによって構成されている。このため、IGスイッチ部15を、公知の大電流通電用のスイッチによって構成することができる。よって、各種IG系電装品へ給電を行うためのリレー(前記従来のエンジン始動・停止制御システム61におけるIG1リレー65やIG2リレー66)を省略することができる。
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・ IGスイッチ部15は、ロータリスイッチやスライドスイッチなど、3接点式のメカニカルスイッチであればどのような構成となっていてもよい。
例えば図2に示すように、IGスイッチ部15をロータリスイッチ21によって構成した場合、第1接点CP1を可動部22に設け、第2接点CP2及び第3接点CP3を固定部23に設ける。また、例えばDCモータやステッピングモータ等の回転式アクチュエータによってアクチュエータ14を構成し、同アクチュエータ14の回転軸と可動部22とを連結する。そして、同図に矢印F1で示すように同アクチュエータ14によって可動部22を回動させてIGスイッチ部15の接続状態を切り換えるようにする。
また、例えばIGスイッチ部15を公知のスライドスイッチによって構成した場合、第1接点CP1を可動部に設け、第2接点CP2及び第3接点CP3を固定部に設ける。また、例えばソレノイドや流体圧シリンダ等の公知の伸縮式アクチュエータによってアクチュエータ14を構成し、同アクチュエータ14のロッドと可動部25とを連結する。そして、該ロッドを伸縮させることによってIGスイッチ部15の接続状態を切り換えるようにする。
・ 前記実施形態では、操作スイッチ13の第1端13aが照合ECU16の入力端子INに接続されている。しかし、こうした構成に限らず、操作スイッチ13の第2端13bが該入力端子INに接続されていてもよい。但しこの場合、照合ECU16は、入力端子INにHレベルの信号が入力されたことをトリガとして、送受信部17にリクエスト信号を出力するように変更される必要がある。
・ 操作スイッチ13は、押しボタンスイッチに限らず、モーメンタリ式のスイッチであれば、シーソースイッチやロータリスイッチなど、他種のスイッチによって構成されてもよい。
・ 前記実施形態では、IGスイッチ部15の第3接点CP3にはIG系電装品が接続され、第1状態がイグニッションON状態、第2状態がイグニッションOFF状態に設定されている。しかし、第1状態及び第2状態は、これに限らない。例えば、IGスイッチ部15の第3接点CP3に接続される電装品をアクセサリ駆動系電装品に変更し、第1状態をアクセサリON状態に設定してもよい。つまりこの場合、第1状態がアクセサリON状態、第2状態がイグニッションOFF状態となる。このようにしても、ユーザの意に反した照合ECU16の動作により、機能ポジションがアクセサリON状態からイグニッションOFF状態に切り換わってしまうのを、確実に防止することができる。
また、例えば、IGスイッチ部15の第2接点CP2にアクセサリ駆動系電装品を接続し、第2状態をアクセサリON状態に設定してもよい。つまりこの場合、第1状態がイグニッションON状態、第2状態がアクセサリON状態となる。このようにしても、ユーザの意に反した照合ECU16の動作により、機能ポジションがイグニッションON状態からアクセサリON状態に切り換わってしまうのを、確実に防止することができる。
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1) 請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用電源制御装置において、前記IGスイッチ部は、バッテリに接続された第1接点と、前記第1給電経路に接続された第2接点と、前記第2給電経路に接続された第3接点とを有するメカニカルスイッチであり、前記第2状態においては前記第1接点と前記第2接点との接続状態となり、前記第1状態においては前記第1接点と前記第3接点との接続状態となること。
(2) 車両室内に設けられたモーメンタリ式の操作スイッチと、給電された際に駆動するアクチュエータと、前記アクチュエータの駆動により操作され、該アクチュエータが駆動する度毎に、車両の電気系の機能ポジションをイグニッションON状態とイグニッションOFF状態とに択一的に切り換えるIGスイッチ部と、通信機能を有する携帯機との相互通信を行うとともに、前記イグニッションOFF状態における前記操作スイッチの操作及び車両室内に位置する前記携帯機との相互通信の確立を条件として許可信号を出力する照合制御手段と、前記照合制御手段からの許可信号に基づいて、前記IGスイッチ部を介した前記アクチュエータへの給電を行う第1給電経路と、前記イグニッションON状態において前記操作スイッチが操作されているときに、前記IGスイッチ部を介した前記アクチュエータへの給電を行う第2給電経路とを備え、前記IGスイッチ部は、イグニッションOFF状態にあっては、前記第1給電経路による前記アクチュエータへの給電を可能とする反面、前記第2給電経路による前記アクチュエータへの給電を遮断し、イグニッションON状態にあっては、前記第1給電経路による前記アクチュエータへの給電を遮断する反面、前記第2給電経路による前記アクチュエータへの給電を可能とすることを特徴とする車両用電源制御装置。
(3) 通信機能を有する携帯機と、その携帯機との相互通信が確立したことを条件として車両の電気系の機能ポジションをイグニッションON状態に切換可能とする電源制御装置とを備える車両用電源制御システムであって、前記電源制御装置は、車両室内に設けられたモーメンタリ式の操作スイッチと、給電された際に駆動するアクチュエータと、前記アクチュエータの駆動により操作され、該アクチュエータが駆動する度毎に、前記機能ポジションをイグニッションON状態とイグニッションOFF状態とに択一的に切り換えるIGスイッチ部と、前記携帯機との相互通信を行うとともに、前記イグニッションOFF状態における前記操作スイッチの操作及び車両室内に位置する前記携帯機との相互通信の確立を条件として許可信号を出力する照合制御手段と、前記照合制御手段からの許可信号に基づいて、前記IGスイッチ部を介した前記アクチュエータへの給電を行う第1給電経路と、前記イグニッションON状態において前記操作スイッチが操作されているときに、前記IGスイッチ部を介した前記アクチュエータへの給電を行う第2給電経路とを備え、前記IGスイッチ部は、イグニッションOFF状態にあっては前記第2給電経路を遮断し、イグニッションON状態にあっては前記第1給電経路を遮断すること。
本発明の一実施形態の車両用電源制御装置の概略構成を示すブロック図。 他の実施形態のIGスイッチ部の具体例を示す概略説明図。 従来の車両用電源制御装置の概略構成を部分的に示すブロック図。
符号の説明
1…車両用電源制御システム、11…携帯機、12…車両用電源制御装置、13…操作スイッチ、14…アクチュエータ、15…IGスイッチ部、16…照合制御手段としての照合ECU、L1…第1給電経路、L2…第2給電経路。

Claims (3)

  1. 車両室内に設けられたモーメンタリ式の操作スイッチと、
    給電された際に駆動するアクチュエータと、
    前記アクチュエータの駆動により操作され、該アクチュエータが駆動する度毎に、車両の電気系の機能ポジションを第1状態と第2状態とに択一的に切り換えるIGスイッチ部と、
    通信機能を有する携帯機との相互通信を行うとともに、前記第2状態における前記操作スイッチの操作及び車両室内に位置する前記携帯機との相互通信の確立を条件として許可信号を出力する照合制御手段と、
    前記照合制御手段からの許可信号に基づいて、前記IGスイッチ部を介した前記アクチュエータへの給電を行う第1給電経路と、
    前記第1状態において前記操作スイッチが操作されているときに、前記IGスイッチ部を介した前記アクチュエータへの給電を行う第2給電経路とを備え、
    前記IGスイッチ部は、第2状態にあっては前記第2給電経路を遮断し、第1状態にあっては前記第1給電経路を遮断することを特徴とする車両用電源制御装置。
  2. 前記照合制御手段は、前記操作スイッチが操作された旨を示す操作信号が入力されたことをトリガとして前記携帯機との相互通信を行うことを特徴とする請求項1に記載の車両用電源制御装置。
  3. 前記第1状態はイグニッションON状態であり、前記第2状態はイグニッションOFF状態であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用電源制御装置。
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