JP2005080553A - 新規トランスポータタンパク質 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】マイクロバクテリウム リクエファシエンス Microbacterium liquefaciens AJ3912株において、機能未知の遺伝子mhpを見出し、当該遺伝子のコードするタンパク質が、ヒダントイン化合物に対するトランスポータ活性を有することを見出した。遺伝子組換え技術を用いて、本発明のヒダントイントランスポータをコードするDNAを導入発現することにより、細胞内部へのヒダントイン化合物の取り込み能力に優れた組み換え体が得られる。
【選択図】 なし
Description
(A)5置換ヒダントイン化合物に作用し、当該物質を加水分解することによりN−カルバミルアミノ酸を生成する反応を触媒する酵素(ヒダントイナーゼ、以下「HHase」とも記す)。
(B)生成したN−カルバミルアミノ酸に作用し、当該物質を加水分解することにより光学活性アミノ酸を生成する反応を触媒する酵素(N−カルバミルアミノ酸ハイドロラーゼ、以下「CHase」とも記す。また、一般にカルバミルアミノ酸ハイドロラーゼはカルバミラーゼと略称される場合がある)。
5置換ヒダントイン化合物から光学活性アミノ酸を製造するためには、上記(A)ヒダントイナーゼおよび(B)N−カルバミルアミノ酸ハイドロラーゼのうち、少なくとも一方に光学特異性の酵素を用いればよい。
(A)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列
(B)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入、付加および/または逆位を含むアミノ酸配列
(A)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列
(B)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入、付加および/または逆位を含むアミノ酸配列
(a)配列表の配列番号1に記載の塩基配列
(b)配列表の配列番号1に記載の塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズする塩基配列
[I] ヒダントイントランスポータ
(1)ヒダントイントランスポータをコードするDNA、
(2)ヒダントイントランスポータの性質、
[II] ヒダントイントランスポータDNAが発現した形質転換体の調製
の順に添付の図面を参照して詳細に説明する。
マイクロバクテリウム リクエファシエンス Microbacterium liquefaciens AJ3912株において、5−置換ヒダントイン化合物に作用するヒダントインラセマーゼ(HRase)、ヒダントイナーゼ(HHase)、カルバミラーゼ(CHase)をコードする遺伝子群中に、機能未知の遺伝子mhpを見出し、当該遺伝子のコードするタンパク質が、ヒダントイン化合物に対するトランスポータ活性を有することを見出した。
微弱な活性とバックグラウンドとの区別には、トランスポータ遺伝子を発現していない非誘導条件で培養した菌体をコントロール区として用いることにより判断することができる。
配列表の配列番号1の塩基配列を有する本発明のトランスポータ遺伝子は、前述したようにMicrobacterium liquefaciens AJ 3912株の染色体DNAから単離することができる。配列表の配列番号1の塩基配列は、Arthrobacter aurescens DSM 3747株に存在するヒダントイン水解酵素遺伝子群中にコードされる機能未知トランスポーターホモログタンパク質HyuP(非特許文献1)と82%の相同性を有し、Pseudomonas sp. NS671株に存在するヒダントイン水解酵素遺伝子群中にコードされる機能未知トランスポーターホモログタンパク質ORF5タンパク質(P_ORF5)(非特許文献2)と31%の相同性を有する。
Microbacterium liquefaciens AJ3912株
(i)受託番号 FERM BP-7643(2001年6月27日、FERM−P3133より移管)
(ii)受託日 1975年6月27日
(iii)寄託先 独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6)
(a)配列表の配列番号2記載のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNA
(b)配列表の配列番号2記載のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入、付加、又は逆位を含むアミノ酸配列を有し、かつ、ヒダントイントランスポータ活性を有するタンパク質をコードするDNA
も本発明のDNAに包含される。ここで、「1若しくは数個」とは、アミノ酸残基のタンパク質の立体構造や、トランスポータ活性を大きく損なわない範囲のものであり、具体的には、1〜50個、好ましくは1〜30個、さらに好ましくは1〜10個である。またここでいう「ヒダントイントランスポータ活性」とは、少なくとも一種のヒダントイン化合物に対するトランスポータ活性を有していればよい。ただし、配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列において1または数個のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入、付加または逆位を含むアミノ酸配列の場合には、25℃、pH6.6の条件下で配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質が5−ベンジルヒダントインに対して有するヒダントイントランスポータ活性の10%以上、好ましくは30%以上、より好ましくは50%以上、さらに好ましくは70%以上のヒダントイントランスポータ活性を保持していることが望ましい。
本発明のヒダントイントランスポータは前述した遺伝子の単離と解析より明らかにされるように、代表的には配列表配列番号2のアミノ酸配列を有する。しかし、本発明は、配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列において1または数個のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入、付加または逆位を含むアミノ酸配列を有し、トランスポータ活性を有するタンパク質をも含むものである。
(a)配列表の配列番号2記載のアミノ酸配列からなるタンパク質
(b)配列表の配列番号2記載のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入、付加、又は逆位を含むアミノ酸配列を有し、かつ、ヒダントイントランスポータ活性を有するタンパク質
ここで、「数個」および「ヒダントイントランスポータ活性」の定義は(1)ヒダントイントランスポータをコードするDNAの項の説明と同義である。
次に本発明のヒダントイントランスポータDNAが発現した形質転換体の製造方法について説明する。組み換えDNA技術を利用して酵素、生理活性物質等の有用タンパク質を製造する例は数多く知られており、組み換えDNA技術を用いることで、天然に微量に存在する有用タンパク質を大量に産生できる。
(a)配列表の配列番号1記載の塩基配列からなるDNA
(b)配列表の配列番号1記載の塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつ、ヒダントイントランスポータ活性を有するタンパク質をコードするDNA
(c)配列表の配列番号2記載のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNA
(d)配列表の配列番号2記載のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入、付加、又は逆位を含むアミノ酸配列を有し、かつ、ヒダントイントランスポータ活性を有するタンパク質をコードするDNA
などを使用できる。
(i)寄託機関の名称・あて名
名称:アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American Type Culture Collection)
あて名:12301 Parklawn Drive, Rockville, Maryland 20852, United States of America、
(ii)寄託番号:ATCC31195
(i)寄託機関の名称・あて名
名称:独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター
あて名:日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305−8566)、
(ii)寄託日:1986年7月5日
(iii)寄託番号:FERM BP-7646(FERM P−8837より2001年6月27日に国際寄託へ移管)
(i)寄託機関の名称・あて名
名称:独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター
あて名:日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305−8566)、
(ii)寄託日:1981年5月1日
(iii)寄託番号:FERM BP−8063(FERM P−4229より2002年5月30日に国際寄託へ移管)
(i)寄託機関の名称・あて名
名称:独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター
あて名:日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305−8566)、
(ii)寄託日:1981年5月1日
(iii)寄託番号:FERM BP−8064(FERM P−4348より2002年5月30日に国際寄託へ移管)
(i)寄託機関の名称・あて名
名称:独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター
あて名:日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305−8566)、
(ii)寄託日:1977年12月20日
(iii)寄託番号:FERM BP-7645(FERM−P4347より2001年6月27日に国際寄託へ移管)
1.1. 菌株と培養方法
MHP解析にはE. coli BLR株を用いた。以下、E. coli BLR株の遺伝子型を示す(表1)。
トランスポーター発現用プラスミドとして、pTTQ18を用いた。また、トランスポータの発現を確認するため、およびその後の精製を容易にするため、Hendersonらの方法に従いトランスポータC末端にRGSHis6-Tagが挿入されるようプラスミドを構築した。このプラスミドのマルチクローニングサイト中EcoRI、PstI間に、PCRによって増幅したMHPを挿入し、C末端にRGSHis6-Tagが付加されたタンパク質(;MHPH6(配列番号3))発現プラスミドpSHP11Hを構築し、用いた。このプラスミドを用いてE. coli BLR株を形質転換し、MHP発現株E. coli BLR/pSHP11Hとして用いた。
各保存菌株を、Luria Bertani(LB)寒天培地(必要に応じて0.1 mg/mlのcarbenicillinを添加)上、37℃、16 hr程度培養することによりリフレッシュした。得られたプレートよりコロニーを単離し、以下の方法により培養した。
フレンチプレス法は、M. Futai (1978). Experimental systems for the study of active transport in bacteria. In Bacterial Transport (Rosen, B.P., ed.) pp. 7-41, Marcel Dekker Inc., New York.を参照して行った。
E. coli BLR/pSHP11H株を用いたMHPH6の大量発現を、培養後フレンチプレス法で調製した全膜画分のSDS-PAGEおよびウエスタンブロッティングにより観察した(図3、レーン2,3)。
E. coli BLR/pSHP11H株の全膜画分では、IPTGによる誘導区(図3レーン3)においてMHPと見られる分子量36 kDaと見積もられるタンパク質の発現が、SDS-PAGEおよびウエスタンブロッティングにおいて確認された。
3.1. MHPH6の可溶化と精製
MHPH6可溶化のための界面活性剤としてn-Dodecyl-β-D-maltoside (DDM)を用い、精製にはNi-NTA Agarose(QIAGEN)を用いた。
Schaffner and Weissman法を用いた(W. Schaffner and C. Weissman (1973). A rapid, sensitive, and specific method for the determination of protein in dilute solution. Anal. Biochem. 56: 502-514.)。濃度スタンダードにはBSAを使用した。
Laemmli法を用い(U.K. Laemmli (1970). Cleavage of structural proteins during the assembly of the head of bacteriophage T4. Nature 227: 680-685.)、泳動後の染色にはCoomasie Brilliant Blue Rを用いた。分子量マーカーには、BSA(66 kDa)、Ovalbumin(45 kDa)、Glyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenase(36 kDa)、Carbonic anhydrase(29 kDa)、Tripsinogen(24 kDa)、Trypsin Inhibitor(20 kDa)、およびα-Lactalbumin(14.2 kDa)を用いた(Sigma)。
タンパク質のブロッティングにはセミドライ方式を採用し、転写膜にはPVDF膜を用いた。RGSH6タグ保持タンパク質の検出は、1次抗体にはマウスanti-RGSH4(QIAGEN)を、2次抗体にはヤギanti-マウスIgG(BIO-RAD)をそれぞれ用い、可視化にはケミルミネッセンス法を用いた。ウエスタンブロッティング時の分子量マーカーとして6xHis Protein Ladder(分子量100, 75, 50, 30, 15 kDa、QIAGEN)を用いた。
フレンチプレス法により調製した各分画画分、DDMによる可溶化とニッケルNTAカラムによる精製の際の各分画画分をSDS-PAGEおよびウエスタンブロッティングによって観察した(図3(A)および(B))。
ニッケルNTAカラムにより、MHPH6はSDS-PAGEによる観察で分子量36 kDaと見積もられる電気泳動的に単一のバンドとして精製された(図3(A)および(B)における lane 9)。
精製したMHPH6 5 μgをSDS-PAGEに供し、PVDF膜にブロット後、バンドをSulforodamine染色により可視化、切り出しし、プロテインシーケンサーにて解析した。確認された配列は
MNSTPIEEAR(配列番号7)
で、これはMHPのN末端アミノ酸配列(MSTTPIEEAR)、および発現ベクター構築の際の塩基配列置換(ORFの5'側からATGTCGACGACA… → ATGAATTCGACA…)から期待されるMHPH6のN末端アミノ酸配列と一致した。
5.1. Circular Dichroism (CD) spectroscopy
精製したMHPH6を限外ろ過器(Centricon C50, Millipore)を用いて10 mM Sodium phosphate (pH 7.6), 0.05% (w/v) DDMに緩衝液置換した。この緩衝液により、タンパク質濃度を50 μg/mlに調製し、10℃にてCDスペクトルを測定した(JASCO J-715 Spectropolarimeter)。測定は波長190-260 nm間で行い、20回の測定値を積算、平均したものをデータとした。また、試料の温度を10℃→90℃→10℃(温度変化は10℃刻み、各温度での滞留時間はおよそ10 min)と変化させた際の波長222 nmにおけるCDユニット値の変化を測定することにより、MHPH6の2次構造の変化(温度安定性)を測定した。
精製したMHPH6のCDスペクトル解析を行った結果、そのスペクトルよりMHPH6が可溶化、精製後も高次構造を保持していることが観察された(図4−1)。また温度安定性の測定では、MHPH6の高次構造が30℃以上で壊れ始め、70℃でほぼ完全に崩壊することが観察された(図4−2)。この熱変性は不可逆的なものであり、90℃までの温度上昇の後に再度試料の温度を低下させても、MHPH6の高次構造の崩壊は回復しなかった(図4−1、図4−2)。
6.1. アッセイ法
West (1970)(I.C. West (1970). Lactose transport coupled to proton movements in Escherichia coli. Biochem. Biophys. Res. Commun. 41: 655-661.)、Macpherson and Henderson (1986)の方法(P.J.F. Henderson and A.J.S. Macpherson (1986). Assay, genetics, proteins, and reconstitution of proton-linked galactose, arabinose, and xylose transport systems of Escherichia coli. Methods Enzymol. 125: 387-429.)に従った。
反応液のpHを変化させる場合には、10 mM 酢酸カリウム (pH 4.0)、5 mM MES (pH 4.9, 6.1, 6.6, 7.1, 7.9)、10 mM Tris-HCl (pH 8.0)、10 mM glycin-NaOH (pH 10.0)を適宜用いた。
E. coli BLR/pSHP11H株インタクトセルのL-BH(△、黒△)あるいはL-IMH(○、黒○)の取り込み能を測定した。
E. coli BLR/pSHP11H株のL-IMH取り込みに及ぼすナトリウムイオンとDNPの効果を測定した(図6)。
L-IMH取り込みアッセイの反応液に10 mMのナトリウムイオンを添加したが、誘導区(黒△)および非誘導区(△)のいずれにおいても、L-IMH取り込みには影響を与えなかった。一方、DNPを添加した場合、非誘導区(□)では、L-IMH取り込みにはほとんど影響を与えなかったが、誘導区(黒□)では、L-IMH取り込み量の低下が観察された。
E. coli BLR/pSHP11H株のL-IMH取り込み反応時の溶液pHをpH4.0〜10.0の間で変化させ、各pHにおけるL-IMH取り込み初速度を測定した(図7)。結果、誘導区(黒○)および非誘導区(○)のいずれにおいても、取り込み初速度はpH 6.6で最大となり、L-IMHの取り込み反応の至適は中性域(pH 6〜8)であった。酸性域、アルカリ性域ともpHが中性域から離れるに連れ取り込み初速度は低下し、pH 4.0あるいは10.0での取り込み初速度は、pH 6.6での初速度に比べ、いずれも10%程度にまで低下した。
7.1. スクリーニング法
上記インタクトセルを用いた反応においてRIラベル基質を25 μM 3H-L-BHとし、候補基質(コールド)を250 μM添加した反応液を作成した。個々の3H-L-BH添加後3 min後の取り込み量を、候補基質無添加の場合と比較し、各候補基質のL-BHに対する競合阻害能により、それぞれの候補基質のMHPに対する基質可能性を評価した。
E. coli BLR/pSHP11H株のL-BHの取り込みに対する競合阻害能から、各種化合物のMHPH6に対する親和性を測定し、MHPH6の基質を探索した(図8)。コールドのL-BHを含む候補とした18種の化合物のうち、強い競合阻害活性が示されたのはL-BH、D-BH、L-IMHおよびD-IMHの4化合物であり、また、5-DL-methyl hydantoin、5-DL-isopropyl hydantoin、5-L-isopropyl hydantoin、5-DL-isobutyl hydantoin、5-L-isobutyl hydantoin、5-DL-p-hydroxybenzyl hydantoin等の5-置換ヒダントイン化合物の添加によっても若干の阻害活性が認められ、MHPH6が、多くの5-置換ヒダントイン化合物のトランスポート活性を有する可能性が示された。この結果より、MHPH6は芳香族アミノ酸に対応する5-置換ヒダントイン化合物に対して特に強い、また、その他アミノ酸に対応する5-置換ヒダントイン化合物に対しては、疎水性の高いアミノ酸に対応する5-置換ヒダントイン化合物に対して強いトランスポート活性を有する傾向が見られた。特に強い阻害活性を示した4化合物を添加した場合の3H-L-BHの取り込み活性(化合物無添加時を100%とした時の相対活性)は、それぞれ7% (L-BH, 理論値9%)、47%(D-BH)、3%(L-IMH)、および24%(D-IMH)で、最も高い阻害活性を示したのはL-IMHであった。
3H-L-BH取り込み活性の競合阻害活性からの基質スクリーニングの結果としてD-およびL-体のBHおよびIMHがMHPH6の基質候補物質として選抜されたため、MHPH6の基質光学特異性を精査した(図9)。
上記基質スクリーニングと同様の競合阻害実験を、基質濃度を変化させて測定した結果、D-, L-BHおよびD-, L-IMHのMHPH6への親和性には違いが見られ、親和性が強い方からL-IMH(黒△)、L-BH(黒○)、D-IMH(△)、D-BH(○)の順となった。3H-L-BHと添加したコールド化合物が単純な競合阻害をしていると仮定して実験結果にカーブフィットを行うと、L-BHとMHPHの親和性を1として、それぞれの化合物との親和性は、5.32 (L-IMH)、1.05 (L-BH、実験値)、0.96 (D-IMH)、および0.20 (D-BH)と算出され、最も高い親和性を示したL-IMHはL-BHのおよそ5倍の親和性を有していると見積もられた。
Claims (18)
- アラントイン以外の少なくとも一種の5−置換ヒダントイン化合物に対してヒダントイントランスポータ活性を有することを特徴とするタンパク質。
- 上記Rが、炭素数20以下のアラルキル基であることを特徴とする請求項2に記載のタンパク質。
- 上記Rが、インドリルメチル基またはベンジル基であることを特徴とする請求項3に記載のタンパク質。
- マイクロバクテリウム(Microbacterium)属に属する微生物に由来することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のタンパク質。
- マイクロバクテリウム リクエファシエンス(Microbacterim liquefaciens)に由来することを特徴とする請求項5に記載のタンパク質。
- マイクロバクテリウム リクエファシエンス(Microbacterium liquefaciens)AJ3912株に由来することを特徴とする請求項6に記載のタンパク質。
- 下記(A)または(B)のアミノ酸配列を有し、かつ、ヒダントイントランスポータ活性を有するタンパク質。
(A)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列
(B)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入、付加および/または逆位を含むアミノ酸配列 - 前記タンパク質は、5−インドリルメチルヒダントインおよび5−ベンジルヒダントインのうち少なくとも一方のヒダントイン化合物を輸送することを特徴とする請求項8に記載のタンパク質。
- 前記タンパク質は、5−置換ヒダントイン化合物に対してL体選択的に作用するヒダントイントランスポータ活性を有することを特徴とする請求項8または9に記載のタンパク質。
- 下記(A)または(B)のアミノ酸配列を有し、かつ、ヒダントイントランスポータ活性を有するタンパク質をコードするDNA。
(A)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列
(B)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入、付加および/または逆位を含むアミノ酸配列 - 下記(a)または(b)の塩基配列を有し、かつ、ヒダントイントランスポータ活性を有するタンパク質をコードするDNA。
(a)配列表の配列番号1に記載の塩基配列
(b)配列表の配列番号1に記載の塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズする塩基配列 - 請求項11または12のいずれか1項に記載のDNAとベクターDNAとが接続してなる組換えDNA。
- 前記ベクターDNAが、pUC系プラスミドまたはその誘導体であることを特徴とする請求項13に記載の組換えDNA。
- 前記ベクターDNAが、pTTQ系プラスミドまたはその誘導体であることを特徴とする請求項14に記載の組換えDNA。
- 請求項13〜15のいずれか一項に記載の組換えDNAによって形質転換された形質転換細胞。
- 前記形質転換細胞が、エシェリヒア コリであることを特徴とする請求項16に記載の形質転換細胞。
- 前記エシェリヒア コリが、E. coli BLRであることを特徴とする請求項17に記載の形質転換細胞。
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