JP2005077455A - ピアノのシャンクフレンジ - Google Patents

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Abstract

【課題】 均質性および寸法安定性に優れるとともに、高い剛性を有し、それにより、ハンマーの円滑で安定した動作を確保することができ、さらに、シャンクフレンジおよびその周辺へのほこりなどの付着を抑制でき、ハンマーの動作およびシャンクフレンジ周辺の外観を良好に維持することができるピアノのシャンクフレンジを提供する。
【解決手段】 鍵2の押鍵に伴って回動するハンマー30を支持するピアノのシャンクフレンジ31であって、シャンクフレンジ31が、長繊維法で成形された、補強用の長繊維を含有する熱可塑性樹脂の成形品で構成されている。また、長繊維は炭素繊維で構成されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、アコースティックピアノなどにおいて、鍵の押鍵に伴って回動するハンマーを支持するピアノのシャンクフレンジに関する。
図1は、グランドピアノのハンマー30およびシャンクフレンジ31を示しており、これらは鍵2(図3参照)ごとに設けられる。ハンマー30は、ハンマーシャンク32およびハンマーヘッド33などで構成されている。ハンマーシャンク32は、木材で構成され、細長い棒状に形成されており、その後端部にハンマーヘッド33が設けられている。ハンマーシャンク32の前端部には、二股状に分岐した2つの腕32a,32aが形成されており、これらの腕32a,32aは、互いに平行に前方に延びている。
シャンクフレンジ31は、従来一般に、木材で構成されている。これは、木材が、入手が容易で、加工性が良いとともに、軽量でありながら、剛性が高いという利点を有するためである。シャンクフレンジ31は、フレンジねじ38を介して、ハンマーシャンクレール23に固定されている(図3参照)。シャンクフレンジ31の後端部には、所定の幅の係合部31bが後方に突出するように形成されており、この係合部31bが、ハンマーシャンク32の腕32a,32aの間に係合している。また、腕32a,32aおよび係合部31bにはピン35が通されており、ハンマーシャンク32は、このピン35を介して、シャンクフレンジ31に、水平軸線回りに回動自在に支持されている。
また、シャンクフレンジ31の係合部31bの両側面は、互いに平行に形成されており、ハンマーシャンク32の腕32a,32aの内側面に、若干のクリアランスをもって対向している。さらに、ハンマーシャンク32の下面の前端部には、円柱状のシャンクローラ37が取り付けられており、ハンマーシャンク32は、このシャンクローラ37を介して、アクション1のレペティションレバー4(図3参照)に載置されている。
以上の構成により、鍵2の押鍵に伴い、ハンマーシャンク32が、シャンクローラ37を介してアクション1のジャック5で突き上げられることによって、ハンマー30が上方に回動し、ハンマーヘッド33が弦Sを打弦することによって、ピアノの発音が行われる(図3参照)。また、このハンマー30の回動時、ハンマーシャンク32が、腕32a,32aおよび係合部31bで案内されることにより、ハンマー30は、左右にぶれることなく回動する。
また、従来の他のシャンクフレンジとして、例えば特許文献1に開示されたものが知られている。このシャンクフレンジは、アップライトピアノにおいて、ハンマーのバットを回動自在に支持するバットフレンジとして構成されたものである。このバットフレンジは、木材ではなく、ABS樹脂で構成されている。
前述したように、シャンクフレンジ31の材料としては従来一般に、軽量性と高剛性を併せ持つ木材が用いられている。特に、シャンクフレンジ31の場合には、ハンマー30の支持部材として機能するため、鍵2が強打されたときにも、ハンマー30が安定して回動できるよう、高い剛性が要求される。しかし、その一方で、天然の素材である木材は、均質性に乏しいため、剛性や重量がばらつくとともに、残留した応力などにより反りやねじれなどの変形が発生しやすいという欠点を有する。また、木材は、乾湿による寸法変化が大きいので、図1に示すシャンクフレンジ31に用いられた場合には、その係合部31bの幅が、乾湿に応じて比較的大きく伸縮する。特に、このシャンクフレンジ31では、前述した理由から、係合部31bとハンマーシャンク32の腕32a,32aとの間のクリアランスがもともと狭く設定されているので、乾湿による係合部31bの伸縮によって、ハンマーシャンク32がシャンクフレンジ31に対して、緩くなったり、渋くなったりし、その結果、鍵2の押鍵強さに応じたハンマー30の回動速度が安定して得られないおそれがある。
一方、シャンクフレンジ31を、特許文献1に開示されるようなABS樹脂で構成した場合には、木材の場合の上述したような不具合はないものの、木材と比較して、剛性が小さく、不足がちになるので、鍵2を強打したときなどにハンマー30の安定した動作を十分に確保できないおそれがある。また、ABS樹脂は木材よりも比重が大きいので、その分、ピアノ全体としての重量が増大してしまう。また、ABS樹脂は電気絶縁性が高いので、ハンマー30の作動に伴い、ハンマーシャンク32がシャンクフレンジ31に擦れることにより発生した静電気が逃げられず、帯電しやすいため、ほこりなどの付着によって、ハンマー30の動作不良を招いたり、外観を損なったりするなどの欠点もある。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、均質性および寸法安定性に優れるとともに、高い剛性を有し、それにより、ハンマーの円滑で安定した動作を確保することができるピアノのシャンクフレンジを提供することを目的とする。
実開昭62−146194号公報
この目的を達成するため、請求項1による発明は、鍵の押鍵に伴って回動するハンマーを支持するピアノのシャンクフレンジであって、シャンクフレンジが、長繊維法で成形された、補強用の長繊維を含有する熱可塑性樹脂の成形品で構成されていることを特徴とする。
上記の構成における長繊維法とは、熱可塑性樹脂で被覆した同じ長さの繊維状の強化材を含むペレットを射出成形することによって、成形品を得るものである。この長繊維法によれば、成形品中に、例えば0.5mm以上の長さを有する比較的長い繊維状の強化材が含有される。したがって、本発明のシャンクフレンジは、比較的長い補強用の長繊維を含有することにより、ABS樹脂などの合成樹脂のみで構成した場合と比較して、非常に高い剛性が得られ、木材と同等またはそれ以上の剛性を得ることができる。その結果、鍵が強打されたときのシャンクフレンジのたわみを抑制でき、ハンマーを安定して支持することができる。また、長繊維法で成形された成形品は、単体の合成樹脂と同様、均質性や寸法安定性に優れているので、木材の場合と比較して、シャンクフレンジ自身の反りおよびねじれなどの変形および乾湿による伸縮を、非常に小さく抑制することができる。以上により、ハンマーの円滑で安定した動作を確保することができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のピアノのアクション部品において、長繊維が炭素繊維であることを特徴とする。
一般に、炭素繊維は、他の補強用の長繊維、例えばガラス繊維よりも導電性が高い。したがって、上記のように、そのような炭素繊維を補強用の長繊維として用いることにより、シャンクフレンジの導電性が高められることによって、その帯電を防止することができる。それにより、シャンクフレンジおよびその周辺へのほこりなどの付着を抑制でき、したがって、ハンマーの動作およびシャンクフレンジ周辺の外観を良好に維持することができる。
本発明の実施形態によるグランドピアノのシャンクフレンジおよびハンマーを示す斜視図である。 図1のシャンクフレンジの(a)平面図および(b)側面図である。 ハンマーおよびシャンクフレンジを含むグランドピアノの鍵盤装置の側面図である。 シャンクフレンジに対して行った剛性試験の結果を比較例とともに示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を、詳細に説明する。なお、以下の説明では、グランドピアノを演奏者から見た場合の手前側(図3の右側)を「前」、奥側(図3の左側)を「後」とし、さらに鍵2の並び方向を「左右方向」として、説明を行うものとする。
まず、すでに概説したグランドピアノのハンマー30およびシャンクフレンジ31の構成を、図1および図2を参照しながら、より詳細に説明する。これらのハンマー30およびシャンクフレンジ31は、多数のものが、鍵2に対応するように左右方向に並設されている。ハンマー30は、ハンマーシャンク32と、その後端部に取り付けられたハンマーヘッド33などで構成されている。
ハンマーヘッド33は、ハンマーシャンク32に直交するように設けられた木製のハンマーウッド33aと、その先端部を包むように順に巻かれたアンダーフェルト33bおよびトップフェルト33cで構成されている。ハンマーシャンク32は、木材を所定の細長い棒状に切削加工したものである。ハンマーシャンク32の前端部には、互いに平行に前方に延びる2つの腕32a,32aが形成されている。これらの腕32a,32aには、側方に貫通する孔32b,32b(1つのみ図示)が直線上に並ぶように形成され、これらの孔32b,32bに、ブッシングクロス(図示せず)を介してピン35が取り付けられている。ハンマーシャンク32の下面には、腕部32aのすぐ後ろ側に、シャンクローラ芯36を介して、円柱状のシャンクローラ37が取り付けられている。
一方、シャンクフレンジ31は、本実施形態では、長繊維法で成形された熱可塑性樹脂の成形品で構成されており、例えば、以下に述べるようなペレットを用いた射出成形によって成形されている。このペレットは、炭素繊維で構成されたロービングを、所定の張力を加えた状態で揃えながら、ゴム状重合体を含む熱可塑性樹脂である、例えばABS樹脂を押出機で押し出したもので被覆することによって成形される。このような成形方法により、ペレットの成形時に炭素繊維のロービングが折れることがなく、成形されたペレット中にこれと等しい長さの炭素繊維を含有させることができる。本実施形態では、ペレットの長さは5〜15mmに設定されており、それにより、このペレットを用いて射出成形されたシャンクフレンジ31には、0.5〜2mmの長さの炭素繊維が含有される。
図2に示すように、シャンクフレンジ31は、断面がほぼ矩形の細長い本体部31aと、その背面の中央部から後方に突出する係合部31bを一体に有している。係合部31bは、所定の幅Wを有し、その両側面が互いに平行に形成されており、ハンマーシャンク32の腕32a,32aの間に、若干のクリアランスをもって係合している。また、係合部31bには、孔31cが側方に貫通するように形成されている。そして、この孔31cにピン35が通されることによって、ハンマーシャンク32は、このピン35を介して、シャンクフレンジ31に、水平軸線回りに回動自在に支持されている。
また、本体部31aの中央部には、シャンクフレンジ31を後述するハンマーシャンクレール23に取り付けるための取付孔31dが、上下方向に貫通するように形成されている。さらに、係合部31bの基端部には、上下方向に貫通するねじ孔31eが形成されており、このねじ孔31eに、後述するレペティションレバー4の上方への回動を規制するためのドロップスクリュー7が、下方から進退自在にねじ込まれている。
次に、鍵2の押鍵に伴ってハンマー30を回動させるアクション1の構成を、図3を参照して説明する。同図に示すように、アクション1は、前後方向に延びる回動自在のウィッペン3と、ウィッペン3に回動自在に取り付けられたレペティションレバー4およびジャック5を備えており、左右のブラケット21,21(一方のみ図示)の間に取り付けられている。左右のブラケット21,21は、鍵2を載置する筬(図示せず)の左右端部にそれぞれ固定され、それらの間にウィッペンレール22が渡されていて、このウィッペンレール22にねじ止めした各ウィッペンフレンジ24に、ウイッペン3の後端部が回動自在に取り付けられている。各ウイッペン3は、対応する鍵2の上面後部に設けられたキャプスタンボタン25に、ウィッペンヒール26を介して載っている。
また、左右のブラケット21,21の間には、ハンマーシャンクレール23が渡されている。このハンマーシャンクレール23には、多数のねじ穴(図示せず)が左右方向に並ぶように形成されており、シャンクフレンジ31は、その取付孔31dに通したフレンジねじ38を、ハンマーシャンクレール23のねじ穴にねじ込み、締め付けることによって、ハンマーシャンクレール23に固定されている。
レペティションレバー4は、断面が矩形状で、斜め前上がりに前後方向に延びており、その中央部において、ウィッペン3に回動自在に取り付けられている。レペティションレバー4の後端部には、レバースクリュー27が上下方向に貫通した状態で進退自在に螺合しており、その下端部にレバーボタン28が一体に設けられている。また、レペティションレバー4は、ウィッペン3に取り付けたレペティションスプリング6によって、復帰方向(図3の反時計方向)に付勢されている。以上の構成により、鍵2の離鍵状態では、レペティションレバー4は、レペティションスプリング6のばね力により復帰側に回動していて、レバーボタン28がウィッペン3の上面に当接しているとともに、レバースクリュー27を回すことによって、離鍵状態におけるレペティションレバー4の角度を調整することが可能である。
レペティションレバー4の前部の所定位置には、上下方向に貫通するジャック案内孔4aが形成されている。このレペティションレバー4の上面のジャック案内孔4a付近に、ハンマー30がシャンクローラ37を介して載置されている。また、レペティションレバー4の上面の前端部には、レバースキン39が貼り付けられており、ドロップスクリュー7に対向している。この構成により、ドロップスクリュー7を回し、その下方への突出量を調整することによって、これにレペティションレバー4が当接するレットオフ位置を調整することが可能である。
ジャック5は、上下方向に延びる断面矩形のハンマー突上げ部5aと、その下端部から後方にほぼ直角に延びるレギュレーティングボタン当接部5bとから、L字状に形成されており、その角部においてウィッペン3の前端部に回動自在に取り付けられている。ハンマー突上げ部5aの上端部は、レペティションレバー4のジャック案内孔4aに、前後方向に移動自在に係合するとともに、離鍵状態においてはシャンクローラ37と微小な間隔を存して対向している。また、ジャック5は、レペティションレバー4を付勢するレペティションスプリング6によって、復帰方向(図3の反時計方向)に付勢されている。
また、ジャック5のハンマー突上げ部5aの中間部には、ジャック5の角度位置を調整するためのジャックボタンスクリュー9が、前後方向に貫通した状態で進退自在に螺合している。ジャックボタンスクリュー9の先端部には、ジャックボタン12が一体に設けられており、このジャックボタン12は、離鍵状態では、ウィッペン3に立設されたスプーン13に当接している。したがって、このジャックボタンスクリュー9を回すことによって、離鍵状態におけるジャック5の角度位置を調整することが可能である。
一方、ハンマーシャンクレール23の下面には、レギュレーティングレール40がねじ止めされており、このレギュレーティングレール40の下面に、ジャック5の上方への回動を規制するレギュレーティングボタン8が進退自在に螺合していて、ジャック5のレギュレーティングボタン当接部5bの前端部と所定の間隔をもって対向している。
以上の構成のアクション1によれば、図3に示す離鍵状態から鍵2が押鍵されると、ウィッペン3が、キャプスタンボタン25を介して突き上げられることにより、上方に回動するとともに、ウィッペン3に取り付けたレペティションレバー4およびジャック5も上方に回動する。これに伴い、まず、レペティションレバー4が、シャンクローラ37を摺動させながらこれを介してハンマー30を押し上げ、上方に回動させる。次いで、レペティションレバー4がドロップスクリュー7に係合することにより、その回動が阻止されることで、ジャック5がシャンクローラ37を介してハンマー30を突き上げる。その後、ハンマー30が、上方に張られた弦Sを打弦する直前まで回動した時点で、ジャック5が、レギュレーティングボタン8に係合し、その回動が阻止されることによって、シャンクローラ37から抜ける。これにより、ハンマー30は、アクション1および鍵2との連結を解かれ、自由回動状態で弦Sを打弦する。
以上のように、本実施形態によれば、ハンマー30を支持するシャンクフレンジ31は、長繊維法で成形されたABS樹脂の成形品で構成され、0.5〜2mmの比較的長い炭素繊維を補強用の長繊維として含有するので、非常に高い剛性が得られ、木材と同等またはそれ以上の剛性を得ることができる。その結果、鍵2が強打されたときのシャンクフレンジ31のたわみを抑制でき、ハンマー30を安定して支持することができる。また、単体の合成樹脂と同様、均質性や寸法安定性に優れているので、木材の場合と比較して、シャンクフレンジ31自身の反りおよびねじれなどの変形および乾湿による伸縮を、非常に小さく抑制することができる。その結果、ハンマーシャンク32がシャンクフレンジ31に対して、緩くなったり、渋くなったりするのを防止でき、したがって、鍵2の押鍵強さに応じたハンマー30の回動速度を安定して得ることができる。以上により、ハンマー30の円滑で安定した動作を確保することができる。
また、本実施形態のシャンクフレンジ31では、補強用の長繊維として、炭素繊維を用いているので、シャンクフレンジ31の導電性が高められることによって、その帯電を防止することができる。それにより、シャンクフレンジ31およびその周辺へのほこりなどの付着を抑制でき、したがって、ハンマー30の動作およびシャンクフレンジ31周辺の外観を良好に維持することができる。
図4は、本実施形態によるシャンクフレンジ31の剛性の補強効果を確認するために、シャンクフレンジ31に対して行った剛性試験の結果を、比較例とともに示したものである。比較例のシャンクフレンジは、木材(シデ)で構成されており、そのサイズおよび形状は、シャンクフレンジ31と同じである。試験の方法は、固定したブラケット21,21間に、ウィッペンレール22、ハンマーシャンクレール23およびレギュレーティングレール40を渡して固定したものを試験台とするとともに、そのハンマーシャンクレール23にシャンクフレンジ31をフレンジねじ38で固定した状態で、その係合部31bに上方から荷重を加え、そのときの係合部31bの変位を測定し、荷重と変位の関係から剛性を算出した。また、実施例および比較例のそれぞれについて、同じ数の複数の試料を用意した。図4は、それぞれの平均的な荷重−変位の関係を示している。
この試験結果によれば、同図に示すように、実施形態のシャンクフレンジ31は、その剛性が比較例に対して約15%、増大しており、木製のシャンクフレンジよりもかなり大きな剛性が得られることが確認された。また、図示しないが、試料間の剛性のばらつきも、実施形態の方が小さいことが確認された。
なお、本発明は、説明した実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、実施形態は、熱可塑性樹脂としてABS樹脂を、補強用の長繊維として炭素繊維をそれぞれ用いた例であるが、他の適当な材料を用いることが可能であり、例えば、後者については、ガラス繊維を採用してもよい。また、実施形態は、本発明をグランドピアノのシャンクフレンジに適用した例であるが、本発明を、他のタイプのピアノ、例えば、ハンマーを有するグランド型電子ピアノや自動演奏ピアノのシャンクフレンジ、さらにはアップライトピアノのバットフレンジなどに適用してもよいことはもちろんである。その他、本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜、変更することが可能である。
符号の説明
2 鍵
30 ハンマー
31 シャンクフレンジ

Claims (2)

  1. 鍵の押鍵に伴って回動するハンマーを支持するピアノのシャンクフレンジであって、
    当該シャンクフレンジが、長繊維法で成形された、補強用の長繊維を含有する熱可塑性樹脂の成形品で構成されていることを特徴とするピアノのシャンクフレンジ。
  2. 前記長繊維が炭素繊維であることを特徴とする、請求項1に記載のピアノのシャンクフレンジ。
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