JP2005076347A - 壁構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 構造躯体としての柱(間柱)1に取付けられる例えばOSB板からなる野地板2とモルタル外装材3との間に通気空間を形成するように胴縁5が設けられる。ここで,胴縁5は,平面視で柱1と重ならない位置に設けられ,これによって,柱1が地震等により変位したときの力が野地板により分散されて胴縁5に伝わるので,モルタル外装材にひび割れが生じるのを抑制し,耐久性を向上させることができる。
【選択図】図1
Description
図8に従来の通気構法による壁構造を模式化して,上方から見た断面図により示す。この壁構造100は,柱(間柱)101,101,…等の構造躯体に野地板102を取付け,この野地板102とモルタル外装材103との間に胴縁104,104,…を設け,これにより通気層105を形成して構成されている。
なお,下記特許文献1に,通気構法に用いられる外壁施工用建築材の一例を示す。
この構成によって,構造躯体から外装材を支持する支持部材(胴縁等)に下地部材を介して間接的に力が伝わることになり,地震,風等によって建物が揺れ,柱,梁等の構造躯体に変位が生じた場合にもその変位により外装材に加わる力が下地部材により分散されて伝わる。したがって,構造躯体の変位による外装材への悪影響を緩和することができる。
具体的には,下地部材として例えば厚さ9mm(ミリメートル)以上のOSB板,あるいはCSP板等の構造面材,ないしは構造用面材を用いれば十分な強度が確保される。
したがって,外装材の十分な取付強度を確保しながら耐久性を向上させることが可能となる。
これにより,いわゆるラスモルタル工法によるモルタル壁において問題となることの多いひび割れの発生を抑制して耐久性を向上させることができる。
これによって,地震等により建物が揺れたときに大きな相対変位を生じる場合が多い,軸組工法における構造躯体である柱,梁から支持部材を介して外装材に加わる力を下地部材により分散してそれによる悪影響を緩和することができる。
この構成によって,いわゆる枠組壁工法(ツーバイフォー工法)により形成される壁構造においても,パネルを構成する枠組材の変位により支持部材を介して外装材に伝わる力がパネルの面材により分散されて伝わることになり,それによる外装材への悪影響を緩和することができる。
これによって,枠組壁工法による壁構造においてもモルタル壁におけるひび割れの発生を抑制して耐久性を向上させることができる。
この構成によって,十分な取付強度を達成しながらよりフレキシブルな態様で外装材を支持部材により支持させることができる。すなわち,外装材を単なる釘ではなく例えばコの字形状で2本の針を有するステープルを用いて取付けるものとすれば,例えばラスモルタル工法による外装材を取付ける場合にも,その下地であるリブ付きラスを支持部材(例えば胴縁)の上から十分な強度で取付けることが可能となる。また,この場合,リブ付きラスは胴縁とリブとの交点でステープルにより留められる(図4,図5参照)。このとき,全ての交点で留めることも可能であるし,よりフレキシブルな態様で外装材を取付けるために交点を千鳥に選んで留めるようにしてもよい。
これによって,さらにフレキシブルな態様で外装材を支持部材により支持させることができる。
外装材3は,YMプラスリブ(株式会社山中製作所の登録商標)等の防水紙付きリブ付きラス(以下単にラスという)9を胴縁5に防水紙側を当接させて取付け,ラス面にモルタル10を所定厚さに塗って形成される。
次に図2乃至図6を参照して,ラス9を胴縁5に取付ける際の取付け方法を説明する。
ラス9は例えば長方形形状を有し,その長辺の方向と平行になるように所定のピッチ(例えば75mm)で複数のリブ9aが設けられる。このリブ9aが水平となるようにラス9の長辺を横にして例えば壁面の右下より1段目を貼り,1段目が終了するとその上方に2段目,3段目を例えば長辺の半分(又は455mm)ずらして煉瓦積みの要領で貼り詰めていく。
また,図3に示すように,各ラス9の上下の継ぎ目は,下段のラス9の上辺にあるリブ9aと上段のラス9の下辺にあるリブ9aとを重ねて,各リブ9aのリブ溝にリブ山が嵌るように継ぎ合わせる。また,各ラス9の左右方向の継ぎ目は各ラス9を例えば45mm重ねて,各リブ9aのリブ溝にリブ山が嵌るように継ぎ合わせる。すなわち,各ラス9はリブ重ねの手法に繋ぎ合わされている。これにより,モルタル10の下地として十分な堅牢性を与えることができる。
また,ラス9は,胴縁5とリブ9aとの交点で胴縁5を貫通するコの字状のステープル11によって野地板2に留められる。このとき,胴縁5とリブ9aとの全ての交点でステープル11により留めるようにしてもよいし,図4に示すように,交点を千鳥に選んで留めてもよい。これにより,よりフレキシブルな関係で外装材3を構造躯体である柱1に取付けることができる。
このように,2本の針11aを有するコの字状のステープル11によりラス9を留めるものとすることによって,例えば通常の釘を用いてラス9を留める場合と比較してリブ重ねされたラス9同士をより緊密且つ一体的に繋ぎ合わせることが可能となる。すなわち,釘の場合は,揺れ等により建物にねじれが生じたときに,釘を中心としてラス9が回転し,釘孔が広がって時の経過とともにラス9同士の繋ぎ合わせの強度が低下して,モルタル10の下地としての堅牢性が低下するといった問題がある。この点,2本の針11aを有するステープル11を用いてラス9を留めることによってそのような回転運動が生じにくく,ラス9同士をより長期間に亘って緊密且つ一体的に繋ぎ合わせておくことが可能となり,モルタル10にひび割れが発生するのをより効果的に防止することができる。
このようなステープル11を用いた外装材3の取付強度について発明者が実験した例では,高さL1が18mmである胴縁5を貫通させて,CSP板からなり厚さL2が12mmである野地板2に,針足11aが32mmであるステープル11を取付けた場合に,その引抜強度は1本あたり約60kg重であった。通常,このようなステープル11は胴縁5のピッチを455mmとすれば1m2(平方メートル)あたり39本取付けられる。したがって,1m2あたり約2340kg重程度の取付強度が得られる。
したがって,1m2あたりの重量が通常約40kg程度であるラスモルタル工法による外装材3の取付強度として十分なものが得られる。
また,外装材3は,2本の針11aが胴縁5及び野地板2を貫通するコの字状のステープル11を用いて固定される。したがって,前掲したとおり,外装材3を十分な強度で取付けることができる同時に,よりフレキシブルな関係で外装材3を野地板2に支持させることが可能となり,さらに外装材3の耐久性を向上させることができる。
図7に示すように,壁構造A1は,パネル20の一方の面材21と上記外装材3との間に上記通気空間4を形成するように,上記胴縁5を面材21表面の枠組材22と平面視で重ならない位置に設けてなるものである。この壁構造A1においても,外装材3は胴縁5と面材21とを貫通する上記ステープル11により留められている。
この構成によれば,枠組壁工法による壁構造においても外装材3をよりフレキシブルな関係で下地部材(面材21)に取付けることが可能となる。このため,外装材3の耐久性を向上させることができる。
また,胴縁5は縦胴縁に限らず,横胴縁であってもよい。
1…柱(構造躯体)
2…野地板(下地部材)
3…外装材
5…胴縁(支持部材)
9…ラス
10…モルタル
11…ステープル
20…パネル
21…枠組材
22…面材
Claims (7)
- 構造躯体に取り付けられた下地部材と外装材との間に空間を設けてなる壁構造であって,
上記外装材を上記下地部材に支持する支持部材を平面視で上記構造躯体と重ならない位置に設けてなることを特徴とする壁構造。 - 上記外装材がモルタルを用いた外装材である請求項1記載の壁構造。
- 上記構造躯体が軸組工法における柱部材及び/又は梁部材である請求項1又は2記載の壁構造。
- 枠組材と面材とを組み合わせてなるパネルを用いて形成され,上記面材と外装材との間に空間を設けてなる壁構造であって,
上記外装材を上記面材に支持する支持部材を平面視で上記枠組材と重ならない位置に設けてなることを特徴とする壁構造。 - 上記外装材がモルタルを用いた外装材である請求項4記載の壁構造。
- 上記外装材が支持部材を貫通するステープルによって下地部材に固定されてなる請求項1〜5のいずれか1項に記載の壁構造。
- 上記支持部材の設置位置が隣接する構造躯体の中央の位置である請求項1〜6のいずれか1項に記載の壁構造。
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