JP2005074476A - プレスの運転制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ワークの搬送を確実に行えるとともに、制御を簡単にでき、かつ生産性を大幅に向上させることができるプレスの運転制御方法を提供すること。
【解決手段】 トランスファプレスを連続運転するにあたっては、各スライドの下死点到達タイミングを上流側から下流側に順次位相差Pを設けて遅らせる。これにより、各フィードユニットの駆動スピードを上げることなく、各スライドのモーションのサイクルタイムC1やフィードユニットの待機時間w1を従来に比して短縮でき、ワーク搬送に何ら影響を及ぼさずに生産性を向上させることができる。
【選択図】 図6
Description
このようなトランスファプレスでは、各スライドが個別に独立して駆動されるため、図8に示すように、全スライドを一斉に駆動させることで、従来のトランスファプレスと同様な加工が行えるうえ、1ショット毎の上死点停止時間を各スライド毎に調整することにより、タンデムプレスのような加工が行え、多様な加工に対応できる。
また、スライドの駆動源をサーボモータにすることにより、スライド毎にスライドモーションを変えることが可能である。
また、各スライドのモーションや搬送装置の駆動条件を個別に設定することが考えられるが、その設定作業に手間がかかるうえ、制御も煩雑になるという問題もある。
なお、このような要望は、トランスファプレスのみならず、タンデムプレスの場合にも同様に存在する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るプレスの運転制御方法が適用されるトランスファプレス1を模式的に示す全体斜視図である。図2、図3は、トランスファプレス1の正面図および平面図である。図4は、トランスファプレス1の側面図である。図5は、トランスファフィーダ(搬送装置)10の要部を下方側から見た斜視図である。
図1ないし図4において、トランスファプレス1は、モジュール化された複数(本実施形態では4つ)のプレスユニット2をワーク搬送方向に沿って配列した構成であり、各プレスユニット2に対応した加工ステーション(工程)W1〜W4を備えている。
このトランスファプレス1には、制御盤および操作盤を含んで構成された制御手段としてのコントローラ3(図1)の他、図示しないワーク供給用のスタッカ装置および後述するトランスファフィーダ10等が設置されている。このようなトランスファプレス1では、ワーク11が図中の左側から右側に搬送される(図中の左側が上流で、右側が下流)。
なお、このようなアプライト7およびタイロッド8は、ワーク搬送方向の最上流側および最下流側にも二本ずつ設けられていることは図示の通りである。
このスライド駆動部20は、駆動源としてのメインモータ21と、メインモータ21で回転するフライホイール22と、フライホイール22の回転エネルギをクラウン4内の駆動力伝達機構に断続的に伝達する図示略のクラッチと、スライド5の動き(スライドモーション)を停止させるブレーキ23とで構成され、例えば、クラウン4の上部側に配置されている。
なお、駆動源としてサーボモータを用いた場合、フライホイール22およびクラッチは設置されていない。
統括制御手段3Eは、W1〜W4制御手段3A〜3Dのうち、任意に選択された2つ以上の制御手段(3A〜3D)を互いにリンクさせて制御する機能を有するとともに、選択された制御手段(3A〜3D)に対応した加工ステーション(W1〜W4)のスライド駆動部20を制御し、各スライド5同士を同期駆動させる。
そして、コントローラ3では、操作盤等から任意の駆動モードを選択することにより、選択された駆動モードに応じた制御手段(3A〜3E)を起動し、トランスファプレス1の運転を制御する。
また、コントローラ3は、トランスファフィーダ10を制御するためのT1〜T4制御手段3F〜3Iを備えているが、これらについては後述する。
トランスファフィーダ10は、各加工ステーションW1〜W4で加工されたワーク11を、各加工ステーションW1〜W4の中心間に設定された搬送エリアT1〜T4内で下流側に搬送するものであって、図2〜図4に示すように、各搬送エリアT1〜T4に配置された4つのフィードユニット12で構成されている。
具体的に、リフトビーム13は、等ピッチに設定された搬送エリアT1〜T4の長さ(ワーク搬送方向の長さ)よりも若干短い。また、図3に示すように、平面視において、ワーク搬送方向に沿って近接し合うリフトビーム13の端部同士は、加工ステーションW1〜W4の中心に対応した位置で、ワーク搬送方向に(図4中左右方向)に離間して対向し、各搬送エリアT1〜T4を通して一直線上に配置されている。
このようなリフトビーム13の下部側には、図5に示すように、長手方向に連続した水平な鍔状のガイド部131が突設されている。
なお、本実施形態では、一本のリフトビーム13を二つのサーボモータ14で上下動させるが、リフトビーム13を無理なく安定した状態で上下動できる構成であれば、サーボモータ14は一つ、あるいは三つ以上であってもよく、サーボモータ14の個数やリフトビーム13との連結構造等は、実施にあたって任意に決められてよい。
なお、リフトビーム側構成部分16Bに一次コイルを、キャリア側構成部分16Aに、一次コイルと対向するように二次導体または二次永久磁石を設けてもよい。
クロスバー17およびこれに取り付けられたバキュームカップ装置18は、通常のトランスファフィーダに用いられるものと同様であり、適宜な剛性および確実なワーク保持(吸着)力を有している。
キャリア型オフセット装置30は、キャリア15を兼用し、かつワーク搬送方向に沿ったガイド溝31Aを有する所定長さのベースプレート31と、ベースプレート31の長手方向の一端側下面に設けられたモータ32と、ベースプレート31の他端側下面に設けられたエンコーダ33と、一端がこのモータ32にカップリング34Aを介して連結され、他端がエンコーダ33にカップリング34Aを介して支持されたシャフト34と、シャフト34の外面に刻設された雄ねじ部34Bに螺合し、かつベースプレート31のガイド溝31Aに嵌合された可動ブロック35とを備え、この可動ブロック35にクロスバー17の端部が連結されている。
つまり、各リフトビーム13において、キャリア15がワーク搬送方向の上流側端部にあるときは、可動ブロック35も上流側に移動させ(図2、図3中に二点鎖線で示したキャリア15A、クロスバー17Aを参照)、クロスバー17に取り付けられたバキュームカップ装置18を加工ステーションW1〜W4の中心まで移動させる。
反対に、キャリア15が下流側端部にあるときは、可動ブロック35も下流側に移動させ(図2、図3中に二点鎖線で示したキャリア15B、クロスバー17Bを参照)、バキュームカップ装置18を加工ステーションW2〜W4の中心(搬送エリアT4では、図示しない搬出装置上の適宜な位置)まで移動させる。
このことにより、バキュームカップ装置18がワーク搬送方向にオフセットされ、ワーク11が加工ステーションW1〜W4の中心で着脱されて確実に搬送されるようになっている。
なお、この際のオフセット量の制御は、エンコーダ33からの出力に基づき、コントローラ3がモータ32の回転数を制御することで行われる。
上述のキャリア型オフセット装置30の駆動源は、サーボモータであったが、これには限らず、例えばリニアモータであってもよい。
そして、T1〜T4制御手段3F〜3Iは、各搬送エリアT1〜T4毎にサーボモータ14およびリニアモータ16間相互の制御も行っており、リフトビーム13の動きとキャリア15の動きとをリンクさせている。
さらに、この統括制御手段3Eは、W1〜W4制御手段3A〜3DおよびT1〜T4制御手段3F〜3Iを相互にリンクさせて制御可能であり、各加工ステーションW1〜W4でのスライドモーションと、搬送エリアT1〜T4でのリフトビーム13およびキャリア15の動きをリンクさせている。
そして、コントローラ3では、操作盤等から任意の駆動モードを選択することにより、選択された駆動モードに応じた制御手段(3E〜3I)を起動し、トランスファフィーダ10の運転を制御する。
このような、フライホイール22の回転数回復制御を各プレスユニット2が個々に行っている。しかし、成形時の必要エネルギー、フライホイール22の大きさおよびメインモータ21の容量等フライホイール22の回転数の減少量に関連する要因は各加工ステーションで異なるため、スライドの動きが各加工ステーションでまちまちになる。
このような状況でも、連続運転時にスライド5(あるいは上型)とトランスファフィーダ10が干渉を起こさないように制御するように次に示すようなシステムになっている。
また、各搬送エリアT1〜T4制御手段3F〜3Iには、プレスユニット2のエンコーダと同じような信号を発生するが、ハードとしてのエンコーダ本体が存在しないダミーカムが備えられ、このダミーカムから信号によってトランスファフィーダ10の目標位置と目標速度が設定される。
A1域では、ダミーカムは、上流加工ステーションのエンコ−ダの信号をそのままフィードユニット12へ出力する。また、A3域では、ダミーカムは、下流加工ステーションのエンコ−ダの信号をそのままフィードユニット12へ出力する。さらに、A2域では、上流加工ステーションと下流加工ステーションとのエンコ−ダの信号の差(メインギヤの回転角度の差)によってフィードユニット12の動きが不自然にならないように、ソフト的に補正をかけた信号を出力している。
この運転では、コントローラ3の操作盤において、トランスファプレス1およびトランスファフィーダ10の各駆動モードとして「異条件での同期駆動モード」がそれぞれ選択される。
また、コントローラ3では、全てのW1〜W4制御手段3A〜3D、T1〜T4制御手段3F〜3Iが起動しており、統括制御手段3Eがこれら制御手段3A〜3D,3F〜3Iの全てをリンクさせて制御している。
前述のようにフライホイール22の回転数の一時的な低下によって、スライド5の動きが各ステーションでまちまちになる。統括制御手段3Eからの指令がなければ、W1〜W4制御手段3A〜3Dは、フライホイール22の回転数を早く通常値に戻すように、個々にメインモータ21の発生トルクおよび回転数を上げることになる。統括制御手段3Eから位相差Pの指令が加えられると、W1〜W4制御手段3A〜3Dは、回転数の低下以外に、隣接するステーションとの位相差Pについても監視を行い、正常な位相差になるようにメインモータ21の発生トルクおよび回転数を調整する。
すなわち、下死点到達タイミングを、上流ステーションから下流ステーションへ順次遅らせているので、スライド自身の制御の他、これに同期させる搬送装置の制御も簡単である。
また、各スライド5の下死点到達タイミングを上流側から下流側に順次位相差Pを設けて遅らせるので、各フィードユニット12の駆動スピードを上げることなく、各スライド5のモーションのサイクルタイムC1やフィードユニット12の待機時間w1を従来に比して短縮でき、ワーク搬送に何ら影響を及ぼさずにラインスピードを上げることができ、生産性を向上させることができる。
例えば、前記実施形態では、本発明のプレスの運転制御方法をトランスファプレスラインに適用した例を説明したが、図7に示すように、独立して駆動される複数のプレス50と、各加工ステーション間に配置されてワークの受け渡しを行う複数の搬送装置60とが設置されているタンデムプレスラインに適用してもよい。なお、このようなタンデムプレスラインにおいても、前記実施形態で説明したようなコントローラが設けられるが、図7での図示を省略してある。
そして、タンデムプレスラインに本発明の運転制御方法を適用した場合でも、前記実施形態で説明した効果を同じく得ることができる。
従って、上記に開示した形状、数量などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、数量などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (2)
- 各工程(W1〜W4)毎に独立して駆動される複数のスライド(5)を備えたトランスファプレス(1)と、前記各工程(W1〜W4)間でワーク(11)の受け渡しを行う搬送装置(10)とが設置され、前記各工程(W1〜W3)でプレス成形された前記ワーク(11)を下流工程(W2〜W4)へ順次搬送するトランスファプレスラインでのプレスの運転制御方法であって、
連続運転する各スライド(5)の下死点到達タイミングを、上流工程(W1〜W3)から下流工程(W2〜W4)へ順次遅らせる
ことを特徴とするプレスの運転制御方法。 - 各工程(W1〜W4)毎に独立して駆動される複数のプレス(50)と、前記各工程(W1〜W4)間でワーク(11)の受け渡しを行う搬送装置(60)とが設置され、前記各工程(W1〜W3)でプレス成形された前記ワーク(11)を下流工程(W2〜W4)へ順次搬送するタンデムプレスラインでのプレスの運転制御方法であって、
連続運転する各プレス(50)のスライド(5)の下死点到達タイミングを、上流(W1〜W3)工程から下流工程(W2〜W4)へ順次遅らせる
ことを特徴とするプレスの運転制御方法。
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