JP2005068706A - 海浜清掃車 - Google Patents

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Hiroshi Iizuka
洋 飯塚
Eiji Kawashima
英二 川嶋
Kazuhiro Suzuki
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Abstract

【課題】 海浜面の塵芥が小さくタインの間をすり抜けるものなど、不均一であったり逆に大きな物体であったりしても、掬い機構で適正な塵芥類を回収する作業ができるようになり、また、掬い機構が多少深く海浜面に入り込んでも、塵埃類の回収部分であるタインにかかる荷重に耐えてその部分を損傷させ難くなり、回収作業の向上を期待するのに最適となる。
【解決手段】 自走型あるいは牽引型に設定される台車1と、この台車の前側に基端部が枢支されて先端側が上下方向に揺動可能とされる送り手段2と、送り手段の前側に揺動自在に連結した掬い機構4と、上記の台車の後側に配置されて送り手段からの塵芥混じりの砂を収容させると共に砂をふるい落すふるい手段3とを有してなる海浜清掃車において、上記掬い機構がドラム状の回転体48と、回転体の外周に円周方向に沿って植設した多数の棒状タイン49とからなり、隣接するタイン同士の先端をループ状に連結したことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

この発明は、海浜の塵芥類を効率的に除去できて、故障の少ない海浜清掃車の改良に関する。
海浜、特に、夏季に海水浴や日光浴をする者が利用する海浜にあっては、砂地の中にある塵芥類、すなわち、貝殻や木片などの自然物の他に、ガラス片や金属片などの人工物からなる塵芥類を除去することが肝要になる。
このとき、海浜清掃機や海浜清掃装置類を海浜やその近くの陸地などに設置するのは、稼動性の観点からして現実的でなく、したがって、移動型にする方が利便性に優れることから、この海浜清掃機や海浜清掃装置類を車両に搭載して海浜を走行できるようにしたビーチクリーナーなどと称される海浜清掃車についての提案がある(たとえば、特許文献1参照)。
すなわち、この海浜清掃車は、自走型に設定された台車の前部に配された掃き込み回転体(掬い機構)は、角筒ドラムの角部に棒材からなるタインを放射状に突出し、かつ掬い上げ板の左右方向に多数植列してなり、タインの先端は回転方向と反対方向に折曲された掃き部とされている。
それゆえ、この海浜清掃車によれば、台車を海浜で走行させながら台車の前部に配されているレーキで砂地から砂と共に塵芥類を掬い上げる際に、掃き込み回転体の角筒ドラムの角部に棒材からなるタインを放射状に突出し、タインの先端は回転方向と反対方向に折曲された掃き部として塵芥類を回収し、台車の後部の収容部に収集することで、海浜を清掃し得ることになる。
特許第2839357号公報(特許請求の範囲 請求項1,図1,明細書第3頁左欄第1行目から第13行目まで)
しかしながら、上記した海浜清掃車にあっては、次のような不具合の改善が望まれている。
1)タインが棒状体で構成されていることから、塵芥が適正に均一であれば問題は少ないが、この塵芥がタインの間の隙間より小さく不均一であったりすると、この塵芥がタインの間の隙間をすり抜けてしまい回収ができなくなり、結果として適正な塵芥類を回収する作業ができないという不具合がある。
2)タインが深く海浜の砂地中に深く入り込みやすいため、入り込んだとき砂地からの抵抗が大きくこのタインに無理な荷重がかかりその部分を損傷させることになり、回収作業の続行が不可能になってしまう虞がある。
3)軟らかい紙等の塵埃類の場合にはこれがタインの先端部分に突き刺さり、回収作業に支障をきたすことになる虞がある。
この発明は、このような現状を鑑みて創案されたものであって、その目的とするところは、海浜面上の塵芥が小さくタインの間をすり抜けるものなどの物体であったりしても、掬い機構で適正な塵芥類を回収する作業ができるようになり、さらに、掬い機構が多少深く海浜面に入り込んでも、塵埃類の回収部分であるタインにかかる荷重に耐えてその部分を損傷させ難くなるとともに、軟らかい塵埃類に突き刺さって回収作業に支障をきたす虞がなく、回収作業の向上を期待するのに最適となる海浜清掃車を提供することである。
上記した目的を達成するために、この発明による海浜清掃車の手段は、自走型あるいは牽引型に設定される台車と、この台車の前側に基端部が枢支されて先端側が上下方向に揺動可能とされる送り手段と、送り手段の前側に揺動自在に連結した掬い機構と、上記の台車の後側に配置されて送り手段からの塵芥混じりの砂を収容させると共に砂をふるい落すふるい手段とを有してなる海浜清掃車において、上記掬い機構がドラム状の回転体と、回転体の外周に円周方向に沿って植設した多数の棒状タインとからなり、隣接するタイン同士の先端をループ状に連結したことを特徴とする。
この場合、タインの基端が支持板を介して回転体の外周に結合されているのが好ましい。
この発明にあっては、タインの先端がループ状に形成されていることから、海浜面上の塵芥が小さくてもタインの間をすり抜け難く、更にタインが砂地に深く突き刺さるのを防止でき、又相互のタインが補強しあって変形し難くなり、掬い機構で適正な塵芥類を回収する作業ができるようになる。
従って、海浜面の塵芥が小さくてもタインの間をすり抜け難くなり、逆に大きな物体に対しても相互のタインが、総合的に一層強固に補強しあって変形し難くなり、掬い機構で適正な塵芥類を回収する作業ができるようになる。
以下に、図示した実施形態に基づいて、この発明を説明するが、この発明による海浜清掃車は、図1に示すように、台車1と、送り手段2と、ふるい手段3とを有し、さらには、掬い機構4を有してなる。
台車1は、海浜での走行を可能にするように形成されていれば足り、自走型であるか牽引型であるかは、この発明において限定要素にならず、図示するところでは、オペレーターの操縦で走行する自走型に設定されてなるとしている。
また、この台車1における車体11に連繋される走行機構12についてだが、海浜が砂地からなるという特殊性から、図示するところでは、クローラ構造に形成されてなるとしているが、要は、所定の走行が実現可能とされるものであれば足り、クローラ構造に限定されるものでないことはもちろんである。
送り手段2は、台車1、すなわち、車体11の図中で左側となる前側に基端部2aが枢支されて、図中に仮想線図で示すように、先端側が上下方向に揺動可能とされており、図示するところでは、この先端側の揺動を油圧シリンダ21の伸縮によるとしている。
ちなみに、油圧シリンダ21の基端は、上記の車体11側に連結されて支持されており、図示しない油圧機構の作動で伸縮して、この送り手段2を構成する無限ベルト体22を介装させるフレーム体23の先端側を上下方向に揺動させるとしている。
このように、送り手段2にあって、先端側が揺動可能とされることで、後述する掬い機構4で海浜の砂地にある塵芥混じりの砂を掬い上げるときに、砂地に対する深さを自由に選択できることになる。
のみならず、送り手段2にあって、先端側が揺動可能とされることで、同じく後述するローラ5が凹凸の続く海浜を転動するときに、このローラ5が海浜の凹凸に応じて上下動し得ることになり、たとえば、掬い機構4の無駄のない掬い作動を期待し得ることになる。
ところで、この送り手段2にあって、無限ベルト体22は、網目構造あるいは孔開き構造に形成されながら塵芥混じりの砂を後述するふるい手段3に搬送するとしており、この無限ベルト体22を介装させるフレーム体23の先端側に塵芥混じりの砂を砂地から掬い上げる掬い機構4を保持してなるとしている。
このとき、無限ベルト体22が網目構造あるいは孔開き構造に形成されているから、塵芥混じりの砂を後方のふるい手段3に向けて移送する際に、多くの場合に振動するであろうから、この振動によって砂をふるい落すことが可能になる。
その結果、この送り手段2にあっては、無限ベルト体22が塵芥混じりの砂から可能な限り砂を分離することになるから、後述するふるい手段3で言わば本格的に砂を分離するについて、その負担を軽減する、すなわち、ふるい手段3における作業効率を良くすることになる。
ちなみに、この無限ベルト体22は、後述する掬い機構4によって掬い上げられた塵芥混じりの砂を言わば受け取ることから、この受け取りを確実にするために、この無限ベルト体22上から塵芥混じりの砂がズリ落ちないように、図示しないが、たとえば、遮蔽板などを有するとするのが常態であろう。
また、この送り手段2にあっては、斜めに配在されることで、その水平方向の占有長さを小さくするとしているが、さらには、図示するところでは、中間部で折り曲げられてなるとし、これによって、中間部で折り曲げられていない場合に比較して、その水平方向の占有長さをより小さくし、結果として、この海浜清掃車における全長の短縮化に寄与するとしている。
なお、この送り手段2にあって、無限ベルト体22を介装させるフレーム体23は、図中で下端となる先端に補助板24を有していて、後述する掬い機構4で掬い上げた塵芥混じりの砂を確実に無限ベルト体22上に移送し得るようにしている。
ここで、掬い機構4について説明するとこの掬い機構4は、海浜の砂地から塵芥混じりの砂を掬い上げる掬い体41と、この掬い体41を前記した送り手段2を構成するフレーム体の23の先端側で上下方向に揺動させる揺動構造42とを有してなる。
そして、この揺動構造42には後述する揺動アーム45が設けられ、上記掬い体41を回動可能に支持するとともに、上記のフレーム体23の先端における海浜の砂地に対する高さ位置、および、上記の掬い体41の砂地に対する高さ位置を決めるローラ5が、上記揺動アーム45上で回動自在に枢支されている。
ここで、上記掬い体41と上記ローラ5とは、上記揺動アーム45を介して上で回動自在に枢支されているが、それらの回動軸は同一又は略同一鉛直線X上で支持するように構成している。このように構成することによって海浜面に凹凸があっても、進行方向に対して双方が同一タイミングで上下動をすることができるから、上記掬い体41が海浜面の凹凸に倣って均一な深さで、海浜の塵芥類を回収することができるようになる。
この場合に、双方の回動軸が略同一鉛直線X上で支持するような構成とは、鉛直線上に一致する場合のほか、上記掬い体41と上記ローラ5とが海浜面に凹凸があっても、進行方向に対して双方が同一タイミングで上下動をすることができる程度に、近似していれば良いことは容易に理解できるであろう。
なお、図2に示すように上記送り手段2におけるフレーム体23の前側に固定枢着される支持部材47を介して上記ローラ5を回動自在に枢支するようにしても良く、このようにすれば、掬い機構4から独立して上記ローラ5を支持できるとともに、台車1の走行方向に対して回動軸を略鉛直線上に構成しているため、ほぼ同一位置を走行して均一な深さで、塵芥混じりの砂を収容することができる。
掬い体41は、海浜の砂地から塵芥類を掬い上げるものであるが、結果的には塵芥類と共に砂を掬い上げることになるから、可能な限りに塵芥類を優先的に掬い上げられる構造が選択される。
そして、掬い体41は、図3に示すように、ドラム状回転体48と、回転体48の外周に先端をループ形状に連接した多数本のタイン49とで構成され、このタイン49は、軸線方向に沿って植設されている。回転体48は、太鼓状に形成しても良く、又は、両側の円盤に複数の支持桿を架設して形成しても良い。
タイン49は、回転体48の胴部に直接植設しても良いが、胴部に支持板49aを介して取り付けても良い。
また、掬い体41は、図4に示すようにドラム状回転体48の全長に亙る構造の、あるいは間欠構造になる多数本からなる、先端をループ状で一体に連接して形成されたタイン50を突設させてなるとしても良い。すなわち、図3の場合には二本のタイン49でループを形成しているが、複数本のタイン50によってループ状で一体に連接して形成させている。
そして、タイン49,50の先端側は、従来のようにドラム状回転体48の旋回方向に対して、塵埃などを掬い取り易いようにやや傾斜させておくことのほか、ゆるい円弧状や放物線状に形成するとタイン49,50の強度上からも好ましい。
ここで、この発明では、掬い体41の作動部分を図示しないものの適宜の駆動手段で強制的に回動されるものであるが、これに代えて、この掬い体41が海浜面に言わば食い込むようになることから、台車1の走行速度に応じて従動的に回動するとしても良い。
ただ、掬い体41を従動的に回動させる場合には、塵芥混じりの砂を掬い上げる効率の点で劣る危惧があるが、掬い体41を強制的に駆動させる手段が不要になる点で有利となる。
なお、掬い体41を強制的に回動させる場合の駆動手段については、任意の構成を選択できるが、たとえば、油圧モータを利用する場合には、駆動トルクの点で有利となり、また、掬い体41がタイン構造とされる場合に、このタイン構造を構成するドラム内に油圧モータを収装するとしても良い。
つぎに、揺動構造42は、図示するところでは、油圧の給排で伸縮する油圧シリンダ43と、この油圧シリンダ43に対する油圧の給排を実現するタンク、ポンプ44とを備えた油圧パッケージ型に形成されてなり、油圧シリンダ43の伸縮時に上記のフレーム体23に基端が連結されて先端側が揺動する揺動アーム45を有してなる。
そして、この揺動アーム45が上記した掬い体41を回動可能に支持すると共に、前記したローラ5をも支持し、上記掬い体41と上記ローラ5との回動軸を略鉛直線上に構成している。さらには、図示するところでは、先端にカバー体46を有している。
ちなみに、このカバー体46を設けることで、この海浜清掃車を走行させている際に、前方から不要物などが掬い体41に衝突したり接触したりすることをあらかじめ防止でき、掬い体41の耐久性をいたずらに低下させないことが可能になる点で有利となる。
それゆえ、この揺動構造42を有する掬い機構4にあっては、油圧シリンダ43の伸縮でローラ5の海浜の砂地に対する高さ位置および掬い体41の砂地に対する高さ位置を設定することもできる。特に、掬い機構4における掬い体41で砂地を表層から掬い上げる深さを自由に設定できることになる。
この場合に、油圧シリンダ43の伸縮でローラ5の海浜の砂地に対する高さ位置および掬い体41の砂地に対する高さ位置の設定を解除しても、ローラ5と掬い機構4における掬い体41とは、台車1の走行方向に対して回動軸を同一又は略同一鉛直線X上に構成しているから、前述の通り双方ともほぼ同一位置を走行して均一な深さで、塵芥混じりの砂を収容することができる。
上記実施の形態においては、ドラム状回転体48の外周に先端をループ形状に連接したタイン49は、多数本整列させるとともに軸線方向に沿って連接して植設したタイン構造に形成されているが、ループ形状になった先端部分を平坦な連接にしたり、円弧状、三角状または台形状に形成して連結したり、さまざまな形状で構成することができる。
そして、これらのループ形状に連接したタイン49,50を、適用する海浜面の塵芥の種類に対応させて取り替えて使用すれば、柔らかい塵芥にタインが突き刺さるのを防止して、効率的に塵芥類の回収をすることができるようになる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の技術的思想の範囲内で適宜変形して実施できるものである。
この発明による海浜清掃車を示す側面図である。 この発明による海浜清掃車の他の実施の形態を示す側面図である。 この発明による海浜清掃車の掬い機構を示す部分拡大斜視図図である。 この発明による海浜清掃車の掬い機構における他の実施の形態を示す部分拡大斜視図である。
符号の説明
1 台車
2 送り手段
2a 基端部
3 ふるい手段
4 掬い機構
5 ローラ
6 駆動手段
7 支持フレーム
11 車体
12 走行機構
13,35 油圧シリンダユニット
14 整地板
21,43,72 油圧シリンダ
22 無限ベルト体
23 フレーム体
31 ドラム体
32 ブレード
33 ホッパー
34 蓋体
41 掬い体
42 揺動構造
44 油圧パック
45 揺動アーム
46 カバー体
47 支持部材
48 ドラムの回転体
49 タイン
71 リンク機構

Claims (2)

  1. 自走型あるいは牽引型に設定される台車と、この台車の前側に基端部が枢支されて先端側が上下方向に揺動可能とされる送り手段と、送り手段の前側に揺動自在に連結した掬い機構と、上記の台車の後側に配置されて送り手段からの塵芥混じりの砂を収容させると共に砂をふるい落すふるい手段とを有してなる海浜清掃車において、上記掬い機構がドラム状の回転体と、回転体の外周に円周方向に沿って植設した多数の棒状タインとからなり、隣接するタイン同士の先端をループ状に連結したことを特徴とする海浜清掃車。
  2. タインの基端が支持板を介して回転体の外周に結合されている請求項1に記載の海浜清掃車。
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