JP2005067950A - フェライト材料の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な手法によりMn−Zn系フェライトの飽和磁束密度を向上することのできるフェライト材料の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明は、Fe23:62〜68mol%、ZnO:12〜20mol%、残部実質的にMnOを主成分とするフェライト材料の製造方法であって、比表面積が2.5〜5.0m2/gの範囲にあり、かつ90%径が10μm以下である主成分を含む粉末を用いて成形体を得る成形工程と、成形工程で得られた成形体を焼成する焼成工程と、を備えることを特徴とするフェライト材料の製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、Mn−Zn系フェライトの100℃近傍の温度域における飽和磁束密度を向上する技術に関するものである。
近年、電子機器の小型化、高出力化が進んでいる。それに伴い各種部品の高集積化、高速処理化が進み、電力を供給する電源ラインの大電流化が要求されている。また、CPUをはじめとする部品などからの発熱、あるいは自動車用電子回路のように使用環境温度の高い条件下など、高温域においても所定の性能を保つ電源ラインが要求されている。したがって、電源ラインに用いられるトランスやリアクタにも、高温下において大電流で使用されることが求められる。
これらトランスやリアクタに使用される材料としては、軟磁性金属材料とフェライト材料がある。フェライト材料はMn−Zn系フェライトとNi系フェライトに分類される。 軟磁性金属材料はフェライト材料に比べて飽和磁束密度が高いため、より大きな電流を流しても磁気飽和を起さない。しかしながら、軟磁性金属材料は、一般的に損失が高い、値段が高い、比重が高い、防錆性に劣るといった問題がある。
一方、フェライト材料はコストパフォーマンスに優れ、数十kHzから数百kHzの周波数帯域において損失が低いという利点がある。また、Ni系フェライトより飽和磁束密度が高いMn−Zn系フェライトが一般的に大電流用のトランスおよびチョークコイルに使用されている。しかしながら、近年の仕様要求の高度化に対しては、Mn−Zn系フェライトであっても100℃近傍の温度域(以下、単に高温域ということがある)で飽和磁束密度が不十分であった。
そこで、高温域におけるフェライト材料の飽和磁束密度を向上するための検討が種々行われている。その中で例えば、特許文献1(特開2000−159523号公報)は、酸化鉄を60〜75mol%と多く含み、酸化亜鉛の含有量が0〜20mol%(ただし、0を含まず)および残部が酸化マンガンからなる組成を採用することにより、100℃において450mT(測定磁界:1000A/m)以上の飽和磁束密度が得られることを開示している。特許文献1は、100℃において450mT(測定磁界:1000A/m)以上の飽和磁束密度を得るために、組成以外に仮焼き及び焼成の条件を特定する必要があることを述べている。
特開2000−159523号公報
特許文献1に開示された技術は、Mn−Zn系フェライトに要求される飽和磁束密度の向上という技術課題に対して有効であるが、さらなる飽和磁束密度の向上が求められている。ここで、コストパフォーマンスに優れるというフェライトの特徴を維持できる手法によって飽和磁束密度を向上できることが望ましいことは言うまでもない。
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、簡易な手法によりMn−Zn系フェライトの飽和磁束密度を向上することのできるフェライト材料の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は上記課題を解決するべく検討を行なったところ、比表面積、さらには90
%が特定の範囲にある粉末を成形、焼成することにより得たフェライト材料の飽和磁束密度が向上することを知見した。すなわち、本発明はFe23:62〜68mol%、ZnO:12〜20mol%、残部実質的にMnOを主成分とするフェライト材料の製造方法であって、比表面積が2.5〜5.0m2/gの範囲にあり、かつ90%径が10μm以
下である主成分を含む粉末を用いて成形体を得る成形工程と、成形工程で得られた成形体を焼成する焼成工程と、を備えることを特徴とするフェライト材料の製造方法である。
本発明のフェライト材料の製造方法は、50%粒径が0.8〜1.8μm、10%粒径が0.55〜0.73μmの範囲にあることが望ましい。
また、本発明のフェライト材料の製造方法は、上記主成分以外にNiO:5mol%以下(但し、0%を含む)及びLiO0.5:4mol%以下(但し、0を含まず)の1種又
は2種を含むことができる。
さらに本発明のフェライト材料の製造方法は、比表面積を2.7〜5.0m2/gの範
囲とし、かつ90%径を5μm以下とすることが望ましい。
本発明は比表面積が2.5〜5.0m2/gの範囲にあり、かつ90%径が10μm以
下である粉末を用いる。このような性状を有する粉末は、例えば仮焼き粉を粉砕するときの条件を制御することにより得ることができる。つまり、本発明は、仮焼き粉の粉砕条件を制御するという簡易な手法によってMn−Zn系フェライトの飽和磁束密度を向上することができるという顕著な効果を有している。
以下、本発明を詳述する。
はじめに本発明が適用されるMn−Znフェライトの組成について説明する。
本発明が適用されるMn−Znフェライトは、主成分としてFe23:62〜68mol%、ZnO:12〜20mol%、残部実質的にMnOを含む。
Fe23の量を増加すると高温域における飽和磁束密度が向上する一方、コア損失が劣化する傾向にある。Fe23が62mol%より少ないと高温域における飽和磁束密度が低下する。一方、Fe23が68mol%を超えるとコア損失の増大が顕著となる。したがって、本発明ではFe23を62〜68mol%とする。この範囲では、Fe23量の増加に伴ってボトム温度(コア損失が最小を示す温度)は高温側へシフトするが、Fe2
3量が62〜68mol%の範囲内にある場合には、ボトム温度を60〜130℃の範
囲に設定することができる。望ましいFe23の量は63〜67mol%、さらに望ましいFe23の量は63〜66mol%である。
ZnOの量も飽和磁束密度およびコア損失に影響を与える。ZnOが12mol%より少ないと飽和磁束密度が低下するとともに、損失が大きくなる。また、ZnOが20mol%を超えても飽和磁束密度が低下するとともに、損失が大きくなる。したがって本発明ではZnOを12〜20mol%とする。ZnO量の増加に伴ってボトム温度は高温側へシフトするが、ZnO量が12〜20mol%の範囲内にある場合には、ボトム温度を60〜130℃の範囲に設定することができる。望ましいZnOの量は13〜19mol%、さらに望ましいZnOの量は14〜18mol%である。
本発明のフェライト材料は主成分として上記以外に実質的な残部としてMnOを含むが、さらにNiO及びLiO0.5の1種又は2種を含むことが望ましい。
NiOは、キュリー温度の上昇に伴って飽和磁束密度を向上させるのに有効である。但し、NiOの含有量が5mol%を超えると、損失が大きくなる。したがって本発明では、飽和磁束密度の向上および低損失という効果を享受するために、NiOを5mol%以下(但し、0を含まず)の範囲内で含有させる。望ましいNiOの量は0.2〜5mol%、さらに望ましいNiOの量は0.5〜4mol%である。
LiO0.5は、高温域における飽和磁束密度を向上させるのに有効である。但し、4m
ol%を超えて含有させると、損失が大きくなるとともに、100℃における飽和磁束密度が添加前と同等以下のレベルまで低下してしまう。したがって本発明では、LiO0.5
の量を4mol%以下とする。望ましいLiO0.5の量は0.2〜3.5mol%、さら
に望ましいLiO0.5の量は0.5〜3mol%である。なお、Li酸化物は、Li2Oと表記されるが、Li換算にて組成を計算するために、本発明ではLi酸化物を「LiO0.5」と表記する。
NiOおよびLiO0.5の合計量は、0.2〜5mol%とすることが望ましい。より
望ましいNiOおよびLiO0.5の合計量は、0.5〜4mol%、さらに望ましいNi
OおよびLiO0.5の合計量は、1〜3mol%である。
本発明のフェライト材料は、以上の主成分の他に以下説明する副成分を含むことができる。
本発明のフェライト材料は、第1副成分としてSiをSiO2換算で250ppm以下
(但し、0を含まず)およびCaをCaCO3換算で2500ppm以下(但し、0を含
まず)の範囲内で含むことができる。SiおよびCaは、結晶粒界に偏析して高抵抗層を形成して低損失に寄与するとともに焼結助剤として焼結密度を向上する効果を有する。SiがSiO2換算で250ppmを超え、あるいはCaがCaCO3換算で2500ppmを超えると、不連続異常粒成長による損失の劣化が大きい。そこで本発明では、SiをSiO2換算で250ppm以下、CaをCaCO3換算で2500ppm以下とする。一方、SiがSiO2換算で80ppm未満、あるいはCaがCaCO3換算で800ppm未満では上記効果を十分に得ることができないため、SiはSiO2換算で80ppm以上、CaはCaCO3換算で800ppm以上、含有させることが望ましい。さらに望ましいSiおよびCaの含有量はSiはSiO2換算で80〜200ppm、CaはCaCO3換算で1000〜1800ppm、より望ましいSiおよびCaの含有量はSiはSiO2換算で80〜150ppm、CaはCaCO3換算で1200〜1700ppmである。
低損失に寄与し、かつ焼結助剤として焼結密度を向上する効果を有するとともに、所定量のSiおよびCaの含有は、高温域における飽和磁束密度の向上にも有効に寄与する。
また、SiとCaを複合添加する場合には、Si、CaをそれぞれSiO2換算、Ca
CO3換算でSiO2/CaCO3(重量比)が0.04〜0.25、より望ましくは0.
05〜0.2の範囲になるように設定することが有効である。
本発明は第2副成分として、Nb25:400ppm以下(但し、0を含まず)、ZrO2:1000ppm以下(但し、0を含まず)、Ta25:1000ppm以下(但し
、0を含まず)、In25:1000ppm以下(但し、0を含まず)、Ga25:1000ppm以下(但し、0を含まず)の1種又は2種以上を含むことができる。これらの第2副成分を含有することによって、飽和磁束密度の向上および/または損失低減という効果を得ることができる。
本発明は第3副成分として、SnO2:10000ppm以下(但し、0を含まず)お
よびTiO2:10000ppm以下(但し、0を含まず)の1種又は2種を含むことが
できる。SnO2およびTiO2は、結晶粒内、結晶粒界に存在し損失低減の効果がある。10000ppmを超えると、不連続異常粒成長による損失の劣化や飽和磁束密度の低下を招く。そのために本発明では、SnO2およびTiO2の上限値を各々10000ppmとする。一方、以上の効果を十分享受するためには、第3副成分を500ppm以上含有させることが望ましい。さらに望ましいSnO2およびTiO2の量は1000〜8000ppm、より望ましいSnO2およびTiO2の含有量は1000〜7000ppmである
。なお、第3副成分を複合して添加する場合、添加量の合計は10000ppm以下とすることが望ましい。
本発明は第4副成分として、P換算でのPの化合物:35ppm以下(但し、0を含まず)、MoO3:1000ppm以下(但し、0を含まず)、V25:1000ppm以
下(但し、0を含まず)、GeO2:1000ppm以下(但し、0を含まず)、Bi23:1000ppm以下(但し、0を含まず)、Sb23:3000ppm以下(但し、
0を含まず)の1種又は2種以上を含むことができる。第4副成分は、焼結助剤として焼結密度を向上させる効果を有するとともに、低温焼成に寄与する。その効果を十分に享受するためには、MoO3、V25、GeO2、Bi23、Sb23は50ppm以上、P換算でのPの化合物は5ppm以上含有されることが望ましい。なお、第4副成分を複合して添加する場合、添加量の合計は2500ppm以下とすることが望ましい。
次に、本発明におけるフェライト材料の製造方法について説明する。
主成分の原料としては、酸化物または加熱により酸化物となる化合物の粉末を用いる。具体的には、Fe23粉末、Mn34粉末、ZnO粉末、さらにはNiO粉末およびLi2CO3粉末等を用いることができる。各原料粉末の平均粒径は0.1〜3.0μmの範囲で適宜選択すればよい。
主成分の原料粉末を湿式混合した後、仮焼きを行なう。仮焼きの温度は800〜1000℃の範囲内の所定温度で、また雰囲気はN2または大気とすればよい。仮焼きの安定時間は0.5〜5.0時間の範囲で適宜選択すればよい。
仮焼き後、仮焼き粉を粉砕する。粉砕は、比表面積が2.5〜5.0m2/g、90%
径が10μm以下となるように行なう。
比表面積を2.5〜5.0m2/gとするのは、2.5m2/g未満では十分な焼結密度が得られず高い飽和磁束密度を得ることができないからであり、また、5.0m2/gを
超えると焼結後に異常粒成長が多数確認されコア損失(Pcv)、初透磁率(μi)が劣化するからである。望ましい比表面積は2.7〜5.0m2/gである。
90%径を10μm以下とするのは、10μmを超えると十分な焼成密度を得ることができないからである。望ましい90%粒径は5μm以下である。さらに本発明において、90%径のほかに50%粒径が0.8〜1.8μm、10%粒径が0.73〜0.55μmの範囲にあることが飽和磁束密度向上のために望ましい。なお、本発明における90%径等は個数を基準として定められるものであり、90%径は累積個数が90%となる粒径、50%径とは累積個数が50%となる粒径、10%径とは累積個数が10%となる粒径をいう。
以上では仮焼き粉を粉砕して比表面積が2.5〜5.0m2/g、90%径が10μm
以下の粉末を得ることとしたが、本発明はこれに限定されない。特別に制御することなく仮焼き粉を粉砕し、得られた粉砕粉末を篩い分け等することにより比表面積が2.5〜5.0m2/g、90%径が10μm以下の粉末を得ることもできる。
また、本発明では、上述の主成分の原料に限らず、2種以上の金属を含む複合酸化物の粉末を主成分の原料としてもよい。例えば、塩化鉄、塩化マンガンを含有する水溶液を酸化培焼することによりFe、Mnを含む複合酸化物の粉末が得られる。この粉末とZnO粉末を混合して主成分原料としてもよい。このような場合には、仮焼きは不要であり、複合酸化物の粉末とZnO粉末との混合粉末との比表面積が2.5〜5.0m2/g、90
%径が10μm以下となっていればよい。
同様に副成分の原料として、酸化物または加熱により酸化物となる化合物の粉末を用いることもできる。具体的には、SiO2、CaCO3、Nb25、ZrO2、Ta25、I
25、Ga25、SnO2、TiO2、MoO3、V25、GeO2、Bi23、Sb23等を用いることができる。また、第4副成分としてP化合物を選択する場合には、加熱によりP化合物が得られる粉末、例えば(Ca3(PO42)等を用いることができる。こ
れら副成分の原料粉末は、仮焼き後に粉砕された主成分の粉末と混合される。但し、主成分の原料粉末と混合した後に、主成分とともに仮焼きに供することもできる。
主成分および必要に応じた副成分からなる粉末は、後の成形工程を円滑に実行するために顆粒に造粒される。造粒は例えばスプレードライヤを用いて行なうことができる。混合粉末に適当な結合材、例えばポリビニルアルコール(PVA)を少量添加し、これをスプレードライヤで噴霧、乾燥する。得られる顆粒の粒径は80〜200μm程度とすることが望ましい。
得られた顆粒は、例えば所定形状の金型を有するプレスを用いて所望の形状に成形され、この成形体は焼成工程に供される。
焼成は1250〜1450℃の温度範囲で2〜10時間程度保持する。このときの雰囲気(焼成雰囲気)の酸素分圧を2.0%未満、望ましくは1.0%以下、さらに望ましくは0.5%以下とする。本発明のフェライト材料の効果を十分引き出すには、1300〜1400℃の範囲で焼成することが望ましい。
以上の本発明の望ましい形態によれば、100℃における飽和磁束密度を500mT以上(測定磁界:1194A/m)、かつコア損失の最小値を1300kW/m3以下(測
定条件:100kHz、200mT)とすることができる。特に、望ましい組成を選択することにより、コア損失の最小値を1200kW/m3以下(測定条件:100kHz、
200mT)としつつ、100℃における飽和磁束密度が500mT以上(測定磁界:1194A/m)という従来では得ることのできなかった特性を得ることもできる。しかも本発明によれば、室温における初透磁率が600、さらには700以上という高い値を有している。
主成分の原料として、Fe23粉末:65.6mol%、MnO粉末:18.9mol%、ZnO粉末:14.0mol%及びNiO粉末:1.5mol%を用意し、湿式混合した後、850℃で3時間仮焼きした。
次に仮焼き粉を粉砕して表1に示す種々の比表面積(SSA)、90%径(90%Ps)の粉砕粉末を得た。この粉砕粉末にバインダを加え、顆粒化した後、成形してトロイダル形状の成形体を得た。
得られた成形体を1350℃まで昇温し、その後酸素分圧を0.8%に制御して5時間保持する焼成によりフェライトコアを作製した。得られたフェライトコアについて、100℃、測定磁界:1194A/mにおける飽和磁束密度(Bs)、焼成後の密度、80℃(ボトム温度)におけるコア損失(Pcv)及び初透磁率(μi)を測定した。その結果を表1に示す。
表1に示すように、粉砕粉末の比表面積(SSA)が2.5m2/g未満の場合(No
.1)には焼成後の密度が低く、そのために飽和磁束密度(Bs)が500mT以下の値に留まっている。ただし、粉砕粉末の比表面積(SSA)が5.0m2/gを超えると(
No.8)、コア損失(Pcv)が1400kW/m3を超えてしまう。したがって、本
発明では成形体を得る段階の粉末の比表面積(SSA)を2.5〜5.0m2/gの範囲
とするが、表1より2.7〜5.0m2/gの範囲とすることが高い飽和磁束密度(Bs
)を得るために望ましいことがわかる。
また、粉砕粉末の比表面積(SSA)が2.5m2/g以上であって90%径(90%
Ps)が10μmを超えているもの(No.2)と、比表面積(SSA)が2.5m2
g以上であって90%径(90%Ps)が10μm未満のもの(No.3〜7)とを比べると、後者の方が飽和磁束密度(Bs)が高くなっていることがわかる。したがって本発明では90%径を10μm以下、望ましくは5μm以下とする。また、高い飽和磁束密度(Bs)かつ低いコア損失(Pcv)が得られているフェライト材料は、粉末の10%径(10%Ps)が0.55〜0.73の範囲にあり、かつ50%径(50%Ps)が0.8〜1.8μmの範囲にあることがわかる。
Figure 2005067950
焼成の1350℃における保持時の酸素分圧を1.0%とする以外は実施例1と同様にして表2に示す本発明によるフェライトコアを作製した。このフェライトコアについて、100℃、測定磁界:1194A/mにおけるにおける飽和磁束密度(Bs)、焼成後の密度、100℃(ボトム温度)におけるコア損失(Pcv)及び初透磁率(μi)を測定した。その結果を表2に示す。本発明で規定する組成範囲を採用し、かつ比表面積(SSA)及び90%径(90%Ps)を本発明の範囲とした粉末を用いることにより、480mT、さらには500mT以上の飽和磁束密度(Bs)を有し、かつ1200kW/m3
以下、さらには1000kW/m3以下のコア損失(Pcv)を得ることができる。
Figure 2005067950
本発明によれば、Mn−Zn系フェライトの高温域における飽和磁束密度を向上することができるので、各種部品の高集積化、高速処理化による電源ラインの大電流化に対応することができる。

Claims (4)

  1. Fe23:62〜68mol%、ZnO:12〜20mol%、残部実質的にMnOを主成分とするフェライト材料の製造方法であって、
    前記主成分を含み比表面積が2.5〜5.0m2/gの範囲にあり、かつ90%径が1
    0μm以下である粉末を用いて成形体を得る成形工程と、
    前記成形工程で得られた前記成形体を焼成する焼成工程と、を備えることを特徴とするフェライト材料の製造方法。
  2. 前記粉末の50%粒径が0.8〜1.8μm、10%粒径が0.55〜0.73μmの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載のフェライト材料の製造方法。
  3. 前記フェライト材料は、NiO:5mol%以下(但し、0%を含む)及びLiO0.5:4mol%以下(但し、0を含まず)の1種又は2種を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のフェライト材料の製造方法。
  4. 前記粉末の比表面積が2.7〜5.0m2/gの範囲にあり、かつ90%粒径が5μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のフェライト材料の製造方法。
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