JP2005064278A - フレキシブルプリント配線板用基板の製造方法 - Google Patents

フレキシブルプリント配線板用基板の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005064278A
JP2005064278A JP2003293204A JP2003293204A JP2005064278A JP 2005064278 A JP2005064278 A JP 2005064278A JP 2003293204 A JP2003293204 A JP 2003293204A JP 2003293204 A JP2003293204 A JP 2003293204A JP 2005064278 A JP2005064278 A JP 2005064278A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
printed wiring
flexible printed
wiring board
substrate
polyimide resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003293204A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4889194B2 (ja
Inventor
Akira Shigeta
朗 繁田
Takeshi Yoshida
猛 吉田
Fumiko Okui
文子 奥井
Katsuyuki Tazawa
克行 田澤
Ko Takeuchi
耕 竹内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Unitika Ltd filed Critical Unitika Ltd
Priority to JP2003293204A priority Critical patent/JP4889194B2/ja
Publication of JP2005064278A publication Critical patent/JP2005064278A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4889194B2 publication Critical patent/JP4889194B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

【課題】 実質的にカールがなく、寸法安定性にも優れたフレキシブルプリント配線板用基板を、コンパクトな装置で効率よく製造する方法を提供する。
【解決手段】 金属箔上にポリイミド樹脂前駆体溶液を連続的に直接塗布し、形成された塗膜中の固形分濃度が40〜80質量%となるまで連続的に予備乾燥を行ったのち、これを巻き取り、巻き状態で200℃未満の温度で10分以上さらに乾燥を行い、しかる後、200℃以上の温度でポリイミドを熱硬化させることを特徴とするフレキシブルプリント配線用基板の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明はポリイミド樹脂前駆体溶液を金属箔上に連続的に直接塗布してなるフレキシブルプリント配線板用基板の製造方法に関するものである。
従来、フレキシブルプリント配線板用基板はポリイミドやポリエステルのフィルムと金属箔をエポキシ樹脂やアクリル樹脂などの接着剤を介して貼り合わせて製造されている。しかし、この様な方法で製造されたフレキシブルプリント配線板用基板は、接着剤層のために耐熱性や難燃性が低下するという問題があった。また、金属箔をエッチングした際や、何らかの熱処理を施した際の寸法変化率が大きく、その後の工程で支障をきたすという問題があった。そこで、このような問題を解決するために、接着剤層を存在させることなく、ポリイミド系樹脂層を金属箔上に直接形成することによりフレキシブルプリント配線板用基板を製造する方法が開示されている。例えば、特許文献1においては、特定構造を有するポリイミド樹脂前駆体を金属箔上に直接塗布・乾燥した後、硬化してフレキシブルプリント配線板用基板を得る方法が提案されている。
また、乾燥およびそれに続くポリイミドの硬化方法として、特許文献2には、(1)ライン状で乾燥、硬化をおこなう方法、(2)乾燥のみ行った基板を真空炉等の装置内で巻き戻しながら加熱して硬化させる方法、(3)乾燥のみ行った基板をロール状態で熱処理する方法等の方法が記載されている。さらに同文献には、ロール状で熱処理する場合、不織布、金網等の表面凹凸が大きい基材をスペーサーとして伴巻きすることも記載されている。スペーサーなどを用い乾燥のみを行った基板をロール状態で熱処理する方法は、コンパクトな装置で効率よくフレキシブルプリント配線板用基板を製造することができるが、この方法で製造されたフレキシブルプリント配線板用基板はカールが発生したり、寸法安定性も十分なものではなかった。
特開昭60−157286号公報 特開平5−175634号公報
本発明の目的は、実質的にカールがなく、寸法安定性にも優れたフレキシブルプリント配線板用基板を、コンパクトな装置で効率よく製造出来る方法を提供することにある。
本発明者等は上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、塗膜中の樹脂濃度が特定の範囲になるまで予備乾燥を行った後に巻き取りを行い、特定の温度条件で乾燥し、しかる後に硬化を行うことにより前記課題が解決されることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明の要旨は、第一に、金属箔上にポリイミド樹脂前駆体溶液を連続的に直接塗布し、形成された塗膜中の固形分濃度が40〜80質量%となるまで連続的に予備乾燥を行ったのち、これを巻き取り、巻き状態で200℃未満の温度で10分以上さらに乾燥を行い、しかる後、200℃以上の温度でポリイミドを熱硬化させることを特徴とするフレキシブルプリント配線用基板の製造方法であり、また、第二に、巻き状態での乾燥の際に、ポリイミド樹脂前駆体溶液が塗布された金属箔上に、溶液塗布部幅の0.5〜20%を占めるようにスペーサーを挿入することを特徴とする前記フレキシブルプリント配線用基板の製造方法である。
本発明によれば、実質的にカールがなく、寸法安定性にも優れたフレキシブルプリント配線板用基板を、コンパクトな装置で効率よく製造することができる。
本発明でいうポリイミド樹脂前駆体とは、加熱硬化によってイミド結合を生じ、下記構造式(1)で示される構成単位を有するポリイミド樹脂となるものである。そのような化合物であれば如何なるものも用いることができるが、例えば、ポリイミド樹脂前駆体として、下記構造式(2)で示されるポリアミック酸を用いることができる。ポリアミック酸は通常、ポリアミック酸と溶媒からなるポリイミド樹脂前駆体溶液として製造することができる。
Figure 2005064278
構造式(1)、(2)において、Rは4価の有機残基を、R’は2価の有機残基を示す。
ポリイミド樹脂前駆体溶液として製造するための溶媒としては、例えば、非プロトン性極性溶媒、エーテル系化合物、水溶性アルコール系化合物が挙げられる。
非プロトン性極性溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルフォスフォラアミド等が挙げられる。
また、エーテル系化合物としては、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−(メトキシメトキシ)エトキシエタノール、2−イソプロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等が挙げられる。
また、水溶性アルコール系化合物としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、tert−ブチルアルコール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、ジアセトンアルコール等が挙げられる。
これらの溶媒は2種以上を混合して用いることができる。これらの溶媒のうち、特に好ましい例としては、単独溶媒としてはN,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンが挙げられ、また、混合溶媒としては、N,N−ジメチルアセトアミドとN−メチル−2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドンとメタノール、N−メチル−2−ピロリドンと2―メトキシエタノール等の組み合わせが挙げられる。
次に、ポリイミド樹脂前駆体の製造方法について説明する。
まず、ポリアミック酸からなる溶液は、たとえば、下記構造式(3)で示される芳香族テトラカルボン酸二無水物と下記構造式(4)で示される芳香族ジアミンとを上記溶媒例えば非プロトン性極性溶媒中で反応させることにより製造することができる。
Figure 2005064278
ここで、R1 は4価の芳香族残基を表す。
Figure 2005064278
ここで、R2は2価の芳香族残基を表す。
上記反応においては、上記テトラカルボン酸二無水物と上記ジアミンとの割合は、ジアミン1モルに対してテトラカルボン酸二無水物1.03〜0.97モルが好ましく、より好ましくはジアミン1モルに対しテトラカルボン酸二無水物が1.01〜0.99モルである。また、反応温度は、−30〜60℃が好ましく、−20〜40℃がより好ましい。
上記反応において、モノマー及び溶媒の混合順序は特に制限はなくいかなる順序でもよい。溶媒として混合溶媒を用いる場合は、個々の溶媒に別々のモノマーを溶解又は懸濁させておき、それらを混合し、撹拌下、所定の温度と時間で反応させることによっても、ポリアミック酸からなる溶液が得られる。このポリイミド樹脂前駆体の溶液は2種類以上混合して用いることもできる。
上記構造式(3)で示される芳香族テトラカルボン酸二無水物の具体例としては、ピロメリット酸、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,3′,4,4′−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、2,3,3′,4′−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸、2,3,3′,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,4,5,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、3,3′,4,4′−ジフェニルメタンテトラカルボン酸、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、3,4,9,10−テトラカルボキシペリレン、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンの二無水物等が挙げられる。これらの芳香族テトラカルボン酸二無水物は2種類以上を混合して用いることもできる。
本発明において、特に好ましい芳香族テトラカルボン酸二無水物として、ピロメリット酸または3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸を用いることが出来る。これらは単独または混合して用いることができる。
また、上記構造式(4)で示される芳香族ジアミンの具体例としては、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,2−ビス(アニリノ)エタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノベンズアニリド、ジアミノベンゾエート、ジアミノジフェニルスルフィド、2,2−ビス(p−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(p−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,5−ジアミノナフタレン、ジアミノトルエン、ジアミノベンゾトリフルオライド、1,4−ビス(p−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4′−ビス(p−アミノフェノキシ)ビフェニル、ジアミノアントラキノン、4,4′−ビス(3−アミノフェノキシフェニル)ジフェニルスルホン、1,3−ビス(アニリノ)ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(アニリノ)オクタフルオロブタン、1,5−ビス(アニリノ)デカフルオロペンタン、1,7−ビス(アニリノ)テトラデカフルオロヘプタン等が挙げられる。これらの芳香族ジアミンは2種類以上を混合して用いることもできる。
本発明において、特に好ましい芳香族ジアミンとして、p−フェニレンジアミン、または4,4′−ジアミノジフェニルエーテルを用いることが出来る。これらは単独または混合して用いることができる。
本発明において、ポリイミド樹脂前駆体の溶液を製造する際、重合性不飽和結合を有するアミン、ジアミン、ジカルボン酸、トリカルボン酸、テトラカルボン酸の誘導体を添加して、熱硬化時に橋かけ構造を形成させることができる。不飽和化合物としては、マレイン酸、ナジック酸、テトラヒドロフタル酸、エチニルアニリン等が使用できる。
ポリイミド樹脂前駆体の合成条件、乾燥条件、その他の理由等により、ポリイミド樹脂前駆体中に部分的にイミド化されたものが存在していても特に支障はない。
また、これらのポリイミド樹脂前駆体の溶液を製造する際、上記溶媒に可溶なポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等、他の耐熱性樹脂を混合することができる。さらに、接着性(密着性)向上やフィルム物性を向上させるため、シランカップリン剤や各種界面活性剤を微量添加することもできる。
本発明でいう金属箔とは、銅、アルミニウム、鉄、銀、パラジウム、ニッケル、クロム、モリブデン、タングステン又はそれらの合金等の箔を挙げることができ、好ましくは銅である。これらの金属箔についてはその表面に、接着力の向上を目的として、サイディング、ニッケルメッキ、銅‐亜鉛合金メッキ、又は、アルミニウムアルコラート、アルミニウムキレート、シランカップリング剤等によって化学的あるいは機械的な表面処理を施してもよい。金属箔の厚さは5〜50μmが好ましく、10〜20μmがより好ましい。
塗布は任意の塗工機を用いて行うことができるが、ダイコーター、リップコーター、グラビアコーター、バーコーター、ドクターブレードコーター、コンマコーター、リバースロールコーター、バーリバースロールコーターなどが挙げられる。また、特性の向上などを目的として多層塗布することも可能であり、その際、各層のポリイミド樹脂前駆体溶液は同じであっても異なっていてもよい。
予備乾燥には任意の装置を用いることができ、熱風乾燥機が好ましいが、赤外線加熱、電磁誘導加熱などを使用又は併用してもよい。
予備乾燥は、好ましくは塗布直後に行い、塗膜中の固形分濃度が40〜80質量%の範囲となるまで連続的に行う。このとき固形分濃度が40質量%未満であると、塗布面のべたつきのため、巻き取りを良好に行うことができない。また、固形分濃度が80質量%を超えていると、巻き取り、乾燥後にカールが大きくなったり、寸法安定性が悪化しやすくなる。
巻き取り後、200℃未満の温度で10分以上乾燥をおこなう。このとき200℃未満の時間が10分未満であると、カールが大きくなり、また寸法安定性が悪化する。200℃未満の温度の期間中は、適宜温度を変動させてよく、一定の温度に保たれる期間が含まれていてもよい。
この後、さらなる熱処理によりポリイミドの硬化を行うが、硬化温度としては200℃以上、好ましくは300℃以上である。また、上限は450℃程度である。硬化のための時間は2時間以上が好ましく、5時間以上がさらに好ましい。
巻き状態での乾燥の際には、ポリイミド樹脂前駆体溶液が塗布された金属箔上に、スペーサーを挿入することが好ましい。スペーサーは帯状又は紐状のものであり、ポリイミド樹脂前駆体溶液が塗布された金属箔と伴巻きすることによって該金属箔の周間に隙間を設け得るものである。材質としては、金属、樹脂、紙、ガラス繊維など、乾燥工程に耐えられる素材であれば特に限定されず、好ましくはステンレス、銅、アルミニウム、PET、ナイロンなどである。
スペーサーの幅は、溶液塗布部の幅の0.5〜20%を占めるようにすることが好ましく、さらに好ましくは1〜10%である。0.5%未満であると伴巻の際に取り扱いにくくなり、一方、20%を超えると、製品として有効に使える面積が小さくなる。また、スペーサーの配置は、金属箔にしわが入るのを防ぐため、金属箔の幅方向に関して左右対称に位置させるのがよく、左右両端付近に2列もしくは中央と左右両端付近に3列位置させるのが好ましい。複数のスペーサーを用いる場合には、スペーサー幅の合計が上記範囲であればよい。
また、スペーサーの形状は、乾燥時に発生する気体を抜けやすくするための通気性を必要とすることから、凹凸を有することが好ましく、エンボス加工品、コルゲート加工品などの形状が好ましいが、スペーサー自体の通気性が十分でなくても、断続的に用いるなどして所々に空隙を設けることにより、必要な通気性を確保することもできる。スペーサーの厚みは凹凸部も含めて0.1〜3mmが好ましく、0.5〜2mmがより好ましい。同種又は異種スペーサーを積層させることもでき、その際は複数枚全体の厚みが前述の範囲であればよく、単品の厚みは特に限定されない。
スペーサーの伴巻は、前述の塗布・予備乾燥後の巻き取りの際に同時に行うか、または塗布・予備乾燥・巻取り後、改めてポリイミド樹脂前駆体溶液が塗布された金属箔を巻き出し、スペーサーを挟み込みながら別の巻芯に巻き取ってもよい。
ポリイミドの熱硬化に際しては、スペーサーと伴巻した巻き状態で行っても、スペーサーを除去した後に行ってもよいが、よりコンパクトな装置で行うことができ、効率が良いため後者の方が好ましい。熱硬化時は水などのガスが発生するため、減圧下で行うことが好ましい。また、金属箔として銅箔などの酸化しやすい物質を用いる際は、不活性雰囲気下で行うことがより好ましい。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例、比較例で得られた基板の評価方法は次の通りである。
(1)カール特性
縦100mm、横100mmの大きさのサンプルを用い、温度23℃、湿度60%RH中に24時間放置後の曲率半径を測定し、80mm以上を◎、50mm以上80mm未満を○、20mm以上50mm未満を△、20mm未満を×で表した。
(2)寸法変化率
幅10mm、長さ200mmのサンプルを用い、これを塩化第二鉄水溶液中に浸漬し、銅箔を塩化第二鉄水溶液によって全面エッチングして、サンプルから銅箔を全て除去した。エッチング後、およびエッチング後にさらに150℃×30分加熱処理した後の寸法を、デジタル読取顕微鏡(日本光器製NRM−D−2XZ型)を用いて測定し、エッチング前の寸法に対する変化率をMD方向、TD方向についてそれぞれ計算した。
参考例1
(ポリイミド樹脂前駆体溶液の合成例)
ODA0.15モル、PDA0.85モル、NMP3329gを三つ口フラスコにとり、これを氷水中で30分間攪拌した後、BPDA 1.00モルを加え40℃の湯浴中で1時間攪拌を行い、ポリアミック酸を含有する均一なポリイミド樹脂前駆体溶液を得た。この溶液の固形分濃度は20質量%であった。これを、溶液イとする。
(なお、各略号の意味は次の通り)
BPDA:3,3´,4,4´‐ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
ODA:4,4'−オキシジアニリン
PDA :パラフェニレンジアミン
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
実施例1
溶液イを厚さ18μmの電解銅箔上に硬化後の塗膜厚みが25μmになるようにリップコーターを用いて連続的に塗工し、130℃で5分間予備乾燥した。このときの塗膜中の固形分濃度は50質量%であった。得られた幅50cm、長さ100mの基板を、幅20mm、厚さ100μmのステンレス箔にコルゲート加工を施して実質厚み1.5mmとしたスペーサーと伴巻しながらアルミコアに巻き取った。スペーサーは2本用い、基板の左右両端部に伴巻した。
次いで、熱風オーブン中に入れ、室温から10分かけて180℃まで昇温し、さらに5分かけて200℃まで昇温しつつ乾燥した。その後、オーブンから取り出し、スペーサーを除去して他のアルミコアに巻き取り、熱風イナートオーブン中、窒素雰囲気下にて、室温から120分かけて360℃まで昇温させ、さらに360℃で6時間加熱して硬化反応を行い、フレキシブルプリント配線板用基板を得た。
実施例2
予備乾燥して巻き取った後の乾燥条件を、室温から30分かけて180℃に昇温し、さらに5分かけて200℃まで昇温、とした以外は、実施例1と同様の操作を行ってフレキシブルプリント配線板用基板を得た。
実施例3
予備乾燥して巻き取った後の乾燥条件を、室温から60分かけて180℃に昇温し、さらに5分かけて200℃まで昇温、とした以外は、実施例1と同様の操作を行ってフレキシブルプリント配線板用基板を得た。
実施例4
予備乾燥を140℃で5分間行って、塗膜の固形分濃度を60質量%とした以外は、実施例1と同様の操作を行ってフレキシブルプリント配線板用基板を得た。
比較例1
予備乾燥して巻き取った後の乾燥条件を、室温から5分かけて200℃まで昇温した以外は、実施例1と同様の操作を行ってフレキシブルプリント配線板用基板を得た。
比較例2
予備乾燥して巻き取った後の乾燥条件を、室温から8分かけて200℃まで昇温した以外は、実施例1と同様の操作を行ってフレキシブルプリント配線板用基板を得た。
比較例3
実施例4において、さらに予備乾燥して巻き取った後の乾燥条件を、室温から8分かけて200℃まで昇温した以外は、同様の操作を行ってフレキシブルプリント配線板用基板を得た。
実施例1〜4および比較例1〜3で得られたフレキシブルプリント配線板用基板のカール特性および寸法変化率を測定した結果を表1に示した。
Figure 2005064278
表1に示したように、実施例1〜4で得られたフレキシブルプリント配線板用基板のカール特性および寸法安定性は良好なものであり、高度な実装密度に耐えうるフレキシブルプリント配線板用基板であった。
これに対して、比較例1〜3で得られたフレキシブルプリント配線板用基板は、乾燥条件が本発明の範囲を外れていたため、いずれもカール特性および寸法安定性に劣るものであった。

Claims (2)

  1. 金属箔上にポリイミド樹脂前駆体溶液を連続的に直接塗布し、形成された塗膜中の固形分濃度が40〜80質量%となるまで連続的に予備乾燥を行ったのち、これを巻き取り、巻き状態で200℃未満の温度で10分以上さらに乾燥を行い、しかる後、200℃以上の温度でポリイミドを熱硬化させることを特徴とするフレキシブルプリント配線用基板の製造方法。
  2. 巻き状態での乾燥の際に、ポリイミド樹脂前駆体溶液が塗布された金属箔上に、溶液塗布部幅の0.5〜20%を占めるようにスペーサーを挿入することを特徴とする請求項1記載のフレキシブルプリント配線用基板の製造方法。
JP2003293204A 2003-08-13 2003-08-13 フレキシブルプリント配線板用基板の製造方法 Expired - Fee Related JP4889194B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003293204A JP4889194B2 (ja) 2003-08-13 2003-08-13 フレキシブルプリント配線板用基板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003293204A JP4889194B2 (ja) 2003-08-13 2003-08-13 フレキシブルプリント配線板用基板の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005064278A true JP2005064278A (ja) 2005-03-10
JP4889194B2 JP4889194B2 (ja) 2012-03-07

Family

ID=34370270

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003293204A Expired - Fee Related JP4889194B2 (ja) 2003-08-13 2003-08-13 フレキシブルプリント配線板用基板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4889194B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008207537A (ja) * 2007-01-31 2008-09-11 Sumitomo Chemical Co Ltd 高分子フィルム積層体及びその製造方法、並びに、高分子フィルム積層体を用いたフレキシブル配線板
JP2008284716A (ja) * 2007-05-15 2008-11-27 Sumitomo Chemical Co Ltd 高分子フィルム積層体及びその製造方法、並びに、高分子フィルム積層体を用いたフレキシブル配線板。
JP2008284816A (ja) * 2007-05-18 2008-11-27 Sumitomo Chemical Co Ltd 高分子フィルム積層体及びその製造方法、並びに、高分子フィルム積層体を用いたフレキシブル配線板。
JP2009233944A (ja) * 2008-03-26 2009-10-15 Unitika Ltd ポリイミドフィルムの製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008207537A (ja) * 2007-01-31 2008-09-11 Sumitomo Chemical Co Ltd 高分子フィルム積層体及びその製造方法、並びに、高分子フィルム積層体を用いたフレキシブル配線板
JP2008284716A (ja) * 2007-05-15 2008-11-27 Sumitomo Chemical Co Ltd 高分子フィルム積層体及びその製造方法、並びに、高分子フィルム積層体を用いたフレキシブル配線板。
JP2008284816A (ja) * 2007-05-18 2008-11-27 Sumitomo Chemical Co Ltd 高分子フィルム積層体及びその製造方法、並びに、高分子フィルム積層体を用いたフレキシブル配線板。
JP2009233944A (ja) * 2008-03-26 2009-10-15 Unitika Ltd ポリイミドフィルムの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4889194B2 (ja) 2012-03-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4634439B2 (ja) 金属積層板及びその製造方法
TWI417323B (zh) 新穎之聚醯亞胺膜及其用途
JP2006240073A (ja) フレキシブル金属箔ポリイミド積層板
JP2006306972A (ja) 新規なポリイミドフィルム並びにそれを用いて得られる接着フィルム、フレキシブル金属張積層板
JP5095142B2 (ja) フレキシブルプリント配線板用基板及びその製造方法
JP5283408B2 (ja) 極薄ポリイミドフィルムの製造方法
JP4841103B2 (ja) フレキシブルプリント配線板用基板の製造方法及びフレキシブルプリント配線板用基板
JP2009113475A (ja) フレキシブル片面ポリイミド銅張積層板の製造方法
JP4889194B2 (ja) フレキシブルプリント配線板用基板の製造方法
JP2006051824A (ja) 積層体及びその製造方法
JP7212518B2 (ja) 金属張積層板、その製造方法及び回路基板
JP4936729B2 (ja) フレキシブルプリント配線板用基板及びその製造方法
JP4348612B2 (ja) 金属化耐熱フィルム及びその製造方法
JP4257587B2 (ja) フレキシブル金属箔積層体
JP4830625B2 (ja) フレキシブル積層板の製造方法及び製造装置
JP5506597B2 (ja) フレキシブルプリント配線板用基板の製造方法
JP4694142B2 (ja) フレキシブルプリント配線板用基板の製造方法
JP4593509B2 (ja) フレキシブル積層板の製造方法
JP2005329641A (ja) フレキシブルプリント配線板用基板及びその製造方法
JP2009233944A (ja) ポリイミドフィルムの製造方法
JP2006245286A (ja) フレキシブルプリント回路基板及びその製造方法
JP5553499B2 (ja) ポリイミドフィルムおよびその製造方法
JP2006316232A (ja) 接着フィルムおよびその製造方法
JP4850560B2 (ja) フレキシブルプリント配線用基板
JP4323695B2 (ja) フレキシブルプリント基板

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060801

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090616

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090817

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20090817

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090908

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091203

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20091215

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20100305

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110829

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111213

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4889194

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141222

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees